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はいはーい! 今日の課題はここで確認してね~……って、こらー!
言うことちゃんときけ~! がおーっ!
コルネ・ワルフルド



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サラシナ・マイ

担当 秀典 GM

ジャンル コメディ

タイプ ショート

難易度 とても難しい

報酬 ほんの少し

出発日 2019-08-27

完成予定 2019-09-06

参加人数 0 / 8
 【サラシナ・マイ】、この学園で彼女の存在を知る者は多い。  オレと名乗る人物だが、彼女は立派な女性である。  ボーイッシュで、胸も少々少ないが、彼女を慕うファンも多い。  本人には知らされていないが、影では姉御だの姉貴だの、姉さんだのお姉様だのと呼ばれて慕われている。  ここにも一人、彼女に恋心を寄せる人物が存在している。  その名を、【カール・ジューサー】。  彼はヒューマンの男性だ。  切っ掛けは、泣いている彼に彼女が話しかけたことだった。 「……どうした。そんな腫れた目をして? ……オレは気が済むまでここでいる。お前がここで何を言おうが言うまいが、お前の勝手だ。別に敢えて聞くつもりは無いが、もし何かを聞いちまったなら……どうするかは、オレの勝手だろ?」  課題が上手くいかない事を告白し、マイはカールに少しのコツを教えたという。  カールはマイと何度も話し、マイを見る度に恋心が芽生えて行く。  マイを女性として意識し、姿を追うようにしているうちに、彼は思った。  もし、マイがスカートを履いたらどうなるだろうと。  可愛い服を着たらどうなるのだろうかと。  恥ずかしがって顔を赤らめるマイを見れたらどんなに嬉しいだろうと。  だから願った。  カールは願った。  迅速に行動するカールが、三十分かけて、『サラシナ・マイに、女性らしい格好をしてくれるように説得してくれる人、または一緒に説得しに行ってくれる人募集』と書かれた依頼書を作り出した。  そうとう熱い想いが込められた太い字の依頼書は、たった一人の目にしか触れる事はなかった。  最初の一人が当の本人だったからである。  依頼内容を知られて本人が来てしまったのは想定外だったが、彼女に会えたことで喜んだカールは、自分自身の口からお願いしたのだった。 「お願いしますマイ姉さん! 僕の為に女装してください!」  言い方が不味かったのだろう。 「はぁ?! 何言ってるんだ。そういうのは似合わないから他でやれ」  しつこく食い下がり、足にしがみ付くカールに、怒ったマイは拳をくらわせた。  それでもカールは諦めなかった。 「僕はマイさんにお願いしたいんです! お願いしますうううううううう!」 「こら、そろそろ離れろ。足にしがみ付くな!」 「おねがいしますうううううううううう!」  必至にしがみ付く純粋とは程遠い形相としつこさの為に、マイはつい言ってしまったのだ。 「ああもう……しつこいな! だったらオレに勝てるのなら考えてやってもいいけどな!」 「やらせていただきます!」 「お前本気でやるつもりか? だったらオレも本気でやらせてもらうからな。全力全開でいくから覚悟しとけよ!」 「分かりました。でも、絶対約束を守ってくださいね!」 「いい度胸だ。オレに勝てたらだけどな!」 「でも僕は弱いですから、代わりに戦ってくれる人を募集をさせていただきます!」 「はぁ? そんなの来る訳が無いだろう。人なんて来ないから無駄なことはやめとけよ」 「フッ、言いましたね……」  そして、次の依頼書が貼り出される。  『サラシナ・マイに勝利して、彼女を立派に女性らしくしてあげよう』と。
ピンク色ハリケーン

担当 瀧音 静 GM

ジャンル コメディ

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 少し

出発日 2019-08-27

完成予定 2019-09-06

参加人数 0 / 8
 研究棟の一室。  その中で、魔法薬学教員【エルリッフ・パウラス】は今日も今日とて自前の研究である調合に勤しんでいた。  一口に調合と言っても、気温や湿度、混ぜ方に調合する順番まで。  どれかが違えば全く異なった表情すら見せる可能性があるこの調合は、一朝一夕で研究出来るものでは無く。  幾度と無い繰り返しを経て、ようやく教科書に載せることが出来る調合例を手にすることが出来る。  地道で、面倒くさくて。  それでいて、少しでも危険と判断されれば、教科書にも載らずにお蔵入り。  そんな繊細な魔法薬の調合中、エルリッフは――。 「あ、やべ……」  もの凄く不安になる言葉を、ポツリと漏らすのだった。  *  時刻は夕暮れ時。  多くの生徒が授業や依頼を終え、寮へと戻ろうかと移動していたとき。 「ピーンポーンパーンポーン」  どこか間延びした女性の声が、突如として鳴り響いた。  何かを思わせるような音階で発音したその後に、 「えー、テステス。現在通信魔法と魔法石の接続具合のテスト中。お手数ですが、私の声が聞こえた生徒並びに先生方はいなないてください」  と続いた。  どうやら、魔法による学園内への放送のようだが、何事か、と足を止めていた生徒達は、放送を行っている声の主によるふざけた言葉のせいで気が抜ける。  どうせ自分らには関係の無い放送なのだ、と。 「校内に居る皆様へ連絡致します。現在、研究棟の方で魔法薬調合失敗による爆発が発生。周囲にピンク色の煙をまき散らしており、周辺が立ち入り禁止となっております」  そこまで聞いて、立ち止まって放送を聞いていた生徒達は、それ見たことか、と歩き出す。  やはり自分らに関係無いでは無いか、とでも言わんばかりに。  ――しかし。 「なお、この煙には惚れ薬の成分が確認できるとのことで、研究棟に居た生徒並びに教員の一部がこの惚れ薬の効果を受けております」  全員の足が、気持ち悪いくらいに揃って止まる。  今、放送でなんと言ったか。  『惚れ薬』と言わなかったか、と。 「効果を受けた方々は、見境無く告白や激しいボディタッチ、あるいはスキンシップを図ろうとしてきます。くれぐれも注意ください」  何故だろう、もの凄く嫌な予感がするのは。  と思ったとき、遠くで悲鳴が上がった。  声のした方向を見ると、羊の女性ルネサンスが、狼の女性ルネサンスを抱き抱えて何やら囁いているらしく……。  見ている全員が、 「いや、逆だろう」  と心の中でシンクロする。  狼のルネサンスもまんざらでは無い表情をしているのだが、彼女から発せられた言葉に全員が我に返る。 「その言葉は正気の時に聞きたかった!」  と。  そりゃそうだ、と思う正論を胸に落とし、放送を聞いていた生徒、教員全員は何とか事態を解決しようと動き始める。  そんな動きを読んでいたのか、放送をしていた女性は、次のような事を連絡する。 「魔法薬に詳しい教員からの報告ですが、この惚れ薬の効果は伝染してしまうそうです。感染している生徒には、くれぐれも近寄らないでください。また、この惚れ薬の効果は、『ドクハミ草』という薬草で中和されるそうです。魔法薬を作る場所や、リリー・ミーツ・ローズなどで保管されているそうなので、皆様解決を目指す際はそちらをあたってみてください」  放送が終わった後、顔を見合わせ頷いた生徒達は、この惚れ薬爆発事件。  後に、『ピンク色ハリケーン』と学園長から名付けられてしまう事件の解決に向けて、話し合うのだった。  ……全力で安全な場所に逃げつつ。
ホンテッド/ハンテッド

担当 駒米たも GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

出発日 2019-08-25

完成予定 2019-09-04

参加人数 3 / 8
『緊急 アルバイト募集。興味のある方は大図書館受付まで』  眼鏡の青年がポスターを貼っている。  図書委員と書かれた腕章を目で追ってしまったのが運の尽き。 「おや! 興味がおありですか!?」  もの凄い勢いで距離を詰められた。  脳裏に過るロックオンの文字。  ちょっとした恐怖を感じる距離の詰め方だ。 「はいっ、どうぞ! 放課後に説明会があるのでよかったら来てください!」  高いテンションでチラシを押し付けられた。  裏返してみるが、肝心の仕事内容が書かれていない。  書き忘れだろうか? 「ようこそ長口上は以下省略っ、知識の宝庫『大図書館(ワイズ・クレバー)』へ!」  単純に図書館のアルバイトに興味があった者。  困っているならとお人好しを発揮してしまった者。  本を返しに来たら『君は選ばれし勇者ですさぁさぁ今こそ勤労タイムナウ』と問答無用で扉の裏へと引きずりこまれてしまった者。  様々な理由を持つ者が一同に会した。   「八色の街『トロメイア』はご存じですか? 大陸一大きなアルマレス山のふもとにある、多種族がたくさん集まっている町なんですが」  【オズマー・クレイトン】と名乗った図書委員が街の地図を取り出すと、机の上に広げた。 「この街の東側に『百神殿街』という遺跡群がありましてね。今回、その内の一つにお使いに行ってほしいのです」  百神殿街とはアルマレス山に集った百の精霊を祀る神殿が建ち並んでいる区画だ。  神殿として機能しているのは半分ほどで、残り半分は商会などが買い取って観光施設として運営している。  地図の横には一枚の朽ち果てた風景画が置かれている。  白いチェス盤を思わせる床に崩れた円柱。  中心には地下へと繋がるであろう階段の入り口が見えていた。 「ここは、かつて神殿書庫として使われていた建物のうちの一つです。ありがたいことに、保存されている魔導書の一部を学園に貸してくれるとお申し出がありました。皆さんには現地に向かってもらって可能な限り沢山の魔導書を狩ってきてもらいたいのです」  やけに早口の説明だ。   ニュアンスのおかしい部分も聞こえたが『借りてきてもらいたい』と言い違えたのだろうと聞き流すことにした。 「装備は戦闘用を持って行って下さいね、お願いします。あ、これ、お小遣いと檻です。お土産よろしく」  当然のように渡された檻が重い。  何故檻が必要なのだろう。  ノンストップ・ザ・不吉な予感。  空が青い。本日は雲一つない快晴。  遠くに見えるアルマレス山の稜線がくっきりと鮮やかに見えていた。  活気あるトロメイアの街中を抜け、百神殿街に近づくほど神秘的な空気が色濃くなる。  神職めいたローブを纏うアークライトもいれば、観光目当てでやってきたのか、はしゃぐルネサンスの家族もいる。 『歓迎、ようこそフトゥールム・スクウェアの皆さん』  そして静かな百神殿街の入り口にヒューマンの女性がガイド用三角フラッグを持って立っていた。  案内役として来た垂れ目の彼女曰く。 「好きな魔導書を持ち出して構いません。ただし、日が沈むまでに神殿書庫から持ち出せた本に限りますが」  階段の下は暗くて見えない。  地下から流れ出る冷たい空気がひやりと足元を覆う。 「地下にはゴーレムが配置してあります。飾りではなく本物です。『きりょく』『たいりょく』『まりょく』の高い方が近づくとうっかり稼働しますので気をつけてくださいね。もっとも、奥に行かない限りは会わないでしょうけど。ふひゃははは」  笑いごとではない。  よく見れば説明する目が死んでいる。  何があった。 「魔導書には保存魔法がかけられておりますので、多少乱暴な扱いでも平気です。それと、ここが一番大切なことなのですが。魔導書の所有権を神殿書庫から学園へと移さない限り、本は書庫の外に出すことができません。所有権の譲渡方法は簡単です。魔導書に力を認めてもらうだけ。つまり」  スッと人差し指が立てられた。 「魔導書と戦って勝てば、めでたく貸し出しができるという訳です。ふひゃはははは」  重ねて言うが笑いごとでは無い。 「しかし簡単に持ちだせるとは思わないことですよ! 暗くて無音の神殿書庫! どこを見ても本棚ばかりで気が狂いそうな閉鎖空間! 闇の中からゴーレムに襲われるんじゃないかとビクビクしてたら同僚の悪戯でした~、から始まる微妙な空気の悪さ! どうですか。貴方たちはこの恐怖に勝てますか!? さぁ、狩るのです。狩って狩って持ってってー!!」  何かトラウマでも刺激してしまったのだろうか。  悲壮感とやけっぱち感に満ち満ちた女性に見送られ、一行は地下へと向かった。
でんせつのゆうしゃのつるぎ

担当 伊弉諾神琴 GM

ジャンル 冒険

タイプ ショート

難易度 難しい

報酬 通常

出発日 2019-08-23

完成予定 2019-09-02

参加人数 3 / 8
「是なるは伝説の聖剣――月光の勇者が振るったとされる『蒼の神月』である!」  学園の敷地を出て北東数十キロ地点の農村、ザレン。  居丈高に蒼く煌めく大剣を掲げた隻眼の男【モナト・アルヴァルク】は、眼下の村人たちに言い放った。 「蒼き月の光を紡ぎしこの剣は、光の一閃で万の魔物を討ち滅ぼす! 万物を断ち切る光の刃は、邪悪なる敵を決して逃がすことは無い!」  強く、荘厳な言葉で剣の力を讃える。  ……しかし、誰もが思っていた。その剣から全く力を感じられないと。  蒼い水晶のような物質でできた刃や、意匠を凝らした彫金、所々に金細工を仕込んであるなど、見た目は確かに伝説の剣のように煌びやかだ。  ただ、それだけだ。見た目こそ伝説の剣のように見えるが、内包している力らしきものを感じられる人はいなかったのだ。  村人たちの疑惑の視線を払いのけるかのように、掲げていた剣を自身の体の前に構えた。 「ご安心召されよ! この剣は『神月の日』に力を発揮する! 蒼き満月が輝く時に! そしていつの日か! 醜悪にて冷酷、残忍な魔物が胎動せんとする時、『蒼の神月』は必ず力を取り戻す! その時は我が伝説の剣の所有者として、一騎当千の勇者として歴史に名を刻むだろうッ!」  その後もモナトの演説は続いたが、衆目は次第に一人一人と離れていった――物好きな村人を何人か残しながら。  所変わりフトゥールム・スクエアの職員室――とある村の伝説の剣の話を生徒から聞いた教師、【ガルベス・ユークリッド】は豊かに蓄えた白い顎髭を触る。彼の癖であり、人と話す時もそれは変わりない。 「――と、あるらしいが。ネルウァ殿はどう思われる、この伝説の剣とやらを」  ネルウァ殿――そう呼ばれた童顔の男が椅子を回してガルベスに正対した。  新雪のように真っ白な長い髪を頭の後ろで結った教師、【ネルウァ・シン】は興味なさげに反応した。 「なら、ぶち折ってみればいい」  話の流れすらぶち折る一言を、ネルウァは一切の躊躇なく言い切った。 「ほう……ぶち折るか……って、いやいや待つのだ! それは些か短絡過ぎというか、そもそも話は聞いていたのか!?」 「聞いていたさ。本物が仮にあるとしてそれが偽物・贋作の類なら、ただの剣の形を模した綺麗な水晶の塊に過ぎない。折ることはおろか、粉々にすることすら容易いだろうね。本物でなければ、の話だけど」 「いや、そういうことではなくてだな。そもそも勇者志望の学生に他人の物を壊させるのは如何なものかと……」 「魔王や武神に村人、黒幕賢者誰でもいいさ。適当にスキ作って折るなり粉々にするなりしてくれれば誰でもね」  ――だからそういう問題ではないのだが。  この年若い教師は底抜けのひねくれものであり、時に教員という立場や当人の倫理観すら疑うようなこともやってのける。物を壊す、自然破壊スレスレの行為をするのは最早当たり前。自分の知識欲のために私財を投げ打ち、学園に内緒で個人で様々な実験をしているとまで噂されているのだ。  そんなガルベスの心中の非難が顔色に表れていたのか、ネルウァは肩をすくめる。 「じゃあ、お堅い君の腑に落ちるように理由をくれてやろうか」  椅子を回してくるりと一回転すると、ガルベスへと改めて正対して簡潔に説明する。 「このまま偽物の伝説を広められると中々厄介な事になる。それを阻止するためにも、あの剣を折ることは必要かつ肝要なことなのだよ」 「厄介な事?」 「偽物だろうと贋作だろうと、人が讃え信仰してしまえば、それはいずれ伝説になってしまうのだよ」  抽象的かつ濁した言い方だったが、察しのいいガルベスはその意図を掴んでいた。 「なるほど、剣自体をプロパガンダの象徴にするということか」 「まあ、そこまで深く考えているかは知らんがね。ただ、妙な集団が現れる前に旗印はへし折るのは正しいことだ。騒乱の芽は悪さをする前に摘み取るに限る」  モナトという男がどのような意図をもってして、架空の伝説の剣を喧伝しているのか――それが今回の『蒼の神月』の破壊の理由に尽きる。  偽物の伝説を作り喧伝する意味を深読みすると、ホイホイ釣られた愚か者を手玉に取り、大規模な叛乱の人手を集めているかも――などと考えられる。それほど大きな理由がなくとも、力に釣られた連中がモナトの傀儡にされることもありかねない。  ならば、『偽物の伝説』という火の手が広がる前に、さっさと大本から鎮火してしまえばいい。剣を折ってしまうという、ネルウァの過激とも取れる発言の理由は大凡こんなところだろう。  うぅむ、とガルベスはつい唸ってしまう。年若いが起こり得る未来を見据えているなと、素直に驚嘆したのだが――。 「それにもし、その『蒼の神月』とやらが本物だったらそれはそれで面白い。真の力を発揮したならば、生徒たちに戦ってもらってレポートを取ってもらえればいいだけだ」  口角の両端を上げて嗤うネルウァを見て、ガルベスは再びうぅむと唸る。  ――この教師……大儀や騒動鎮圧云々よりも知識欲を優先しているのではなかろうか?
かの勇者曰く、最悪の敵とは

担当 根来言 GM

ジャンル 戦闘

タイプ EX

難易度 難しい

報酬 通常

出発日 2019-08-23

完成予定 2019-09-02

参加人数 6 / 8
 その昔、強者と呼ばれる勇者がいた。彼はのちに、とある言葉を残したそうだ。  『真の強敵とは、すなわち己なり』と。  校門前にて、巨大な馬車が数十台の大所帯でたむろしていた。  そのうち数台の荷台に当たる部分には巨大な檻が数台あり、中に入っているのは小さい魔物から巨大な植物まで様々。  馬車を率いる者たちは、屈強そうな傭兵や商人たち。それぞれが、同じ紋章の入った服装を身に着けていた。 「今回もまいど! 『ピラフ商店』をご利用ありがとうございます、メメル先生!」  門の前にて、気さくそうに話す青年。青白い肌とは真逆の活発さをもつローレライ。  キャラバン隊の隊長【ピラフ・プリプク】。  彼らピラフ商店が扱う商品は主に魔物。戦闘練習用に食料、研究。魔物の使用方法は多様である。  勿論、そんな彼ら商店にとってフトゥールム・スクエアも得意先のひとつだ。 「いやいや~☆ ピラフたんも、いつもありがとね! それで……今日はどんなのを持ってきてくれたのかな~?」  ピラフと対面するは小柄な少女……の、見た目の、学園長【メメ・メメル】である。 「我らがメメル先生のために、今回はレアな商品を持ってきたんすよぉ!」  ピラフは意気揚々と、近くにあった馬車のドアへ手を掛ける。 「コイツは喜んでくれると思いますよー」  そういって、勢いよくドアを開ける。  ……しかしながら、そこにあったものはメメルも、そして馬車の持ち主であるピラフさえも予想することができていなかった。  そこにあったものは、黒い卵。大きさは1mほどだろうか。  ぶくぶくと膨れ、腕、足、そして服や装備さえも形作っていく。 「実はオレぇ、メメたん先生のこと、好きだったんスよねぇーッ!」  突然、叫ぶような大声が、馬車から響いた。声の主は黒い影。指は5本、瞳も、髪の細部さえも人の形を作り上げていた。  馬車の中にいたのは、ピラフであった。  ただし、先ほどまでメメルと話していたピラフよりも肌や服の色が暗く、そしてニヤニヤと不気味な笑みを浮かべ、ゆっくりと腰についたレイピアを抜く。 「――っ! まっずいな、揺れで籠が壊れちまったんスかねぇっ!」  馬車の外のピラフも、倣う様に腰のレイピアを抜く。  瞬間、馬車からピラフが飛び出し、刃と刃が重なった。  『ギィンッ、ギィン』と、刃が重なる度に響く音。2人は全く、相違ない動きでお互い全く譲らない。 「ほほぉ、ドッペル……『ドッペル・ジャマー』だね。ピラフたん、すごいレアな魔物を見つけてきたねぇ」  メメルは2人のピラフを感心するように見守る。  ドッペル・ジャマーは魔物である。通常は1メートルほどの黒い卵のような姿をしている。  しかし、この魔物の特性は2つ『見たものの姿に変身する』こと、そして『見たものの記憶や秘密を喋る』。  1体1で対峙すれば、ほぼ互角のまま戦場は動かず。複数人で囲めば、秘密を叫ばれチームワークが崩れていくという恐ろしい能力である。 「その特性のせいで、何人もの戦士が散って行ったことか。色んな意味で。……うんうん、悲しいかな」  独りただ、納得するメメル。  『キィンッ!』。  ひと際高い音が響くとともに、戦場が動いた。 「っく、メメル先生! あぶねぇ!」  ピラフ、ドッペル両者の武器がはじけ飛ぶ。武器を失ったドッペルが次に狙いを定めたのは、メメルであった。  ドッペルは『ボコ、ボコ』と体を変形させ、メメルの姿を形どっていく。  黒いメメル、もといドッペルは杖の先をメメルへと向け、何かを暴露しようと口を開く……だが。 「オレサマ、実はねぇーぇッ!?」 「えぇーい☆」  そんなドッペルを向かい入れたのは、ドッペルを丸まる包み込んでしまうほどの巨大な光の玉と、その球をボールのように軽く扱うメメルの姿であった。  神々しい光を放つその玉を杖の先で『つん』とつつくと、ドッペルへとふわふわ飛んでいき、そして甲高い叫び声と『ぽしゅっ』という気の抜けた音とともに光の玉も、ドッペルも消えてしまった。 「……メ、メメル先生は流石っすねぇ……いつ見ても爽快っスわぁ」  アハハ……乾いた笑いを浮かべるピラフとは対照的に、『ところで』と、珍しく真面目な顔をしたメメルがピラフに問う。 「ピラフたん? さっきのドッペルは全部で何体持ってきたのかなぁ~? チミが戦っている間に2体、学園に飛んで行ったんだけど」 「……え? いや、そんな……ッ! ま、まじっすか……ええと、さっきの合わせて3体っス」  つまり、残りの2匹が学園内のどこかに紛れ込んでしまったようだ。  肩を落とし、『これ、やばいんじゃ……生徒の安全とか……』と、青い顔を更に青くするピラフ。  対照的に『ふんふん、そうだね! 確かに、このままじゃ危ないかもね』と、何故か明るい表情をするメメル。 「よぉし! みんなー! 課外授業をはっじめるよー!」 「え!? これ使うんスか!?」  楽し気なメメルの声が校舎内へと響いていった。 「ところでピラフたん? オレサマのこと好きなの?」 「や、学生の時は好きだったんスけど。今は女房一筋なんスよ」
オープンキャンパスの案内役を遂行せよ!

担当 夜月天音 GM

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

出発日 2019-08-20

完成予定 2019-08-30

参加人数 3 / 8
 魔法学園フトゥールム・スクエアには朝から多くの学生が登校し、いつもと変わらぬ一日が始まった。  各コースの午前最後の授業が始まると、教師達は一つのお知らせを伝え始めた。 「翌日オープンキャンパスがあって、この学園に興味がある人達が来ます。案内を担当するはずだった教師が腰を痛めてしまい、ならば生徒達に案内させてはとなりました。急な話で悪いのですが誰か案内をお願い出来ないでしょうか。もし希望者がいましたら、この授業終了後に言いに来て下さい……あと、入学したばかりでこの学園をもっと知りたいという生徒がいましたら、案内を受ける側として参加する事も出来ますので、どうぞ考えてみて下さい」  お知らせが終わるといつも通り授業が始まった。  終了後、興味を持った学生達が教師の元に集まった。 「参加者がこの学園に入学したいと思えるように全力で案内して下さい。好きな場所や部活やクラブを紹介したり、学園生活や入学した時の事について教えたり。個人で行動したり、誰かと一緒に案内しても構いません。時間は、昼食休憩を間に挟んで朝から夕方までです。参加者は、老若男女、種族も様々です。案内される側に回る生徒は、外部の参加者と一緒に学園を知って下さい。気負わず気楽に楽しんで下さい」  教師は学生達に詳しい説明をし、全面任せる意を示した。 「ここがフトゥールム・スクエアかのぅ」 「ここが良いところだったら、来年入学しようかな」 「近所のお姉ちゃんが素敵な所だって言ってたけど」  そして翌朝、色んな種族の老若男女が期待と緊張を胸に魔法学園フトゥールム・スクエアを訪れた。
襲撃の驟雨

担当 七四六明 GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 難しい

報酬 多い

出発日 2019-08-20

完成予定 2019-08-30

参加人数 5 / 8
 真夏の魔法学園『フトゥールム・スクエア』  次代の勇者を目指す青年達の間で、先輩達から聞いた怪談じみた話が一つ。  学園からも徒歩で行ける距離にある、大きな池のある公園の真ん中に、両岸を繋ぐ橋が架かっている。大人四人が横並びになれる程度の大きな橋だ。  あるとき、剣を差した男が雨の日に人を待ってると、突然街灯が点滅を始めて、二、三度繰り返したそのとき目の前に現れ出でるのが巨大な怪物。  街灯すらも超えた巨躯を鎧兜に覆わせた、三メートル近い巨躯を持つ骸骨武者。  生徒の剣を見ると四本の腕に握った大太刀で容赦なく斬りかかり、逃げようものなら逃しはしないとグルリと首を回し、六つの目で剣士を捉え続けて襲って来るのだから恐ろしくて堪らない。  それでも公園の外には出てこないようで、なんとか逃げ帰った生徒の話は瞬く間に学園内に広がり、まるで激しいにわか雨にでも襲われたかのようだったと語るものだから、驟雨(しゅうう)と名付けられた怪物は、未だ誰も倒せていない。  何せ剣士しか相手にせぬ上、魔法で攻撃しようものならそっぽを向いたかのように消えていなくなるものだから、魔法使いじゃ相手にもしてくれない。  剣士を相手にすると凄まじい執念を見せて斬りかかって来るが、拳だ槍だと他の武器で挑もうものなら邪魔だ邪魔だと峰打ちで押し退けて、ひたすら剣士に突っ込んでいく。  故に驟雨の噂を聞きつけた剣の腕に覚えのある生徒が興味本位で挑むが、皆返り討ちにあう始末。公園という人通りの多い場所に出没するとあって、見過ごすこともできないと学園は頭を悩ませていた。  そんなあるとき、とある生徒が持ち帰って来たのが驟雨の振るっていた大太刀の欠片。学園も未だ解明し切れていない謎の素材だが、武器の素材としてはとても良質で、数さえあればそれは立派なものが出来上がる。  そこで学園は閃いた。そうだ、この素材を集めて作った武器ならもしかしたら――。  学園は未だ、驟雨の討伐依頼を受け続けている。  さぁ、君はどうする――。
悪意伏せし修練場

担当 機百 GM

ジャンル 冒険

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

出発日 2019-08-19

完成予定 2019-08-29

参加人数 5 / 8
●悪意なき誘い 「キミー、ねーねーちょっとだけいいかなぁー?」  午後の授業が終わった後、誰かが背後から呼んできた。思わず耳が蕩けるようなゆるゆるでふわふわしたスローテンポな声調に聞き覚えはなかった。  誰だろうかと振り返って見下ろしてみると、そこにいたのは、先の口調に違わずどこか眠たそうに見える桜色の髪の幼女。まごうことなき幼女だった。  耳がとがっていることからエリアル族のエルフに違いないが、しかしそれにしても随分と幼く見える。  それはさておき、ここの生徒だろうか? そんな彼女が自分に何の用だろうか? 「キミは遺跡の探索って、興味ある方かなー?」  また妙な事を聞いてくる。事情は多々あれ、この学園に入った一生徒として、それなりに関心はあるつもりだ。 「ふふーそれならよかったんだねー。明々後日に学園の敷地内にある『初心者の遺跡』に集合するんだよー。そこで授業をするから、一人でも多く来てくれると嬉しいんだよー」  『初心者の遺跡』とは何だろうか? だがその名前と、学園敷地内にあるということから察するに、そう危険な場所ではなさそうだ。  それにしても何だか眠たくなってきた。この幼女の声には眠りの魔法でもかかっているのだろうか。 「来れそうなら来てねー? じゃあねー」  幼女はそう言うと、すぐに別の生徒を勧誘しに行った。  何なのだろう? 不安な授業だから付いてきて欲しいとか、そういう事なのだろうか? それならちょっとでも力になってあげるのも悪くはないかもしれない。  その前に、『初心者の遺跡』というのがどこにあるのか調べなければ。 ●善意の舗装  あの幼女に誘われたらしい生徒と共に、石造りの岩屋のような遺跡にたどり着いた。 「ふふー来てくれたんだねー? 嬉しいんだよー」  声の先には、三日前にゆるゆるふわふわな声で呼びかけてきたあの幼女がおり、遺跡の石段に腰を下ろしていた。彼女の脇に少し大きな木製の箱が置いてあるが、あれは何だろうか。 「ボクの名前はー【パールラミタ・クルパー】って言うんだよー。気軽にパーちゃんとか楽しく呼んでくれると嬉しいなー? でも、クルクルパーだけはダメーなんだねー。ボクは本当なら医学と薬学を教えているんだけどー【ソロヴィ】先生が急用だからー、この授業はボクが代行するんだよーみんないーいー?」  彼女のセリフで多くの生徒がどよめいた。まさかこの幼女が『教える側』の立場だとは想像できなかった。  あの合法ロリな学園長より更に若い、と言うより幼い。それだけにこの衝撃は不意を打たれるなんてものではなかった。 「しずかにーしずかだよー。ダメーなんだよー?」  少々時間がかかったが、パールラミタが生徒達をゆるくなだめたことでようやく授業が始まった。曰く、見た目こそとても幼いが、それなりに長く生きているらしい。年齢は秘密とのこと。 「改めて言うけどー、ここは『初心者の遺跡』っていうんだー。主に新入生に、遺跡やダンジョンの探索の基礎を学ばせるために造られたといわれてるんだねー」  成る程、だから『初心者の遺跡』なのか。これまでに学園内で色んな場所や施設を見てきたが、こんな建造物もあるとは。  パールラミタはまったりと話を続けた。 「ここでみんなにはー、地下三階にある緑色の宝珠を取りに行ってもらうんだねー。でもでもー、中はゴブリンがいたりー、多くの罠でいっぱいなんだー。特にー、ここは罠の攻略を目的に造られた場所だからー、罠に気を付けるんだよー」  要となるのは魔物ではなく罠の方らしい。そうなると、武器よりも道具の方が重要になってくるかもしれない。  ここである生徒が遺跡の中について訊ねてきたため、パールラミタが答えた。 「中は石造りの通路が主体でー、純度の高いキラキラ石を照明にしているからあまり暗いということはないよー。中は通路が主体の迷路のようになっているけどー、そこそこ広い部屋も幾つかあったと思うよー? 後、万が一ね、体力魔力気力が尽きて倒れたりー、ギブアップを宣告したりー、一定回数罠にかかったら入口まで自動的に転移されるからそこは安心してねー。もし怪我をして戻ってきたらー、これでばっちり治しちゃうからねー?」  そう言ってパールラミタは傍にあった木製の箱をポンと叩いた。やや大きいものの、どうやら薬箱らしく、中から膏薬や包帯などを出して見せつけてきた。  アフターケアもあることだし、これなら気楽に挑むことが出来そうだ。他の生徒達もそれほど緊張した様子はない。  ところがここで、パールラミタは深く考えこむような顔をして説明を続けた。 「そうなんだけどねー? この遺跡は毎年の恒例でー、ソロヴィ先生が新入生の為に専用の罠を仕掛けるんだー。今年は、従来のものより怪我しにくいものに変えたと聞いたんだけどー、気をつけて進むんだよー?」  ソロヴィ先生と言うのが誰かは知らないが、一体どのような感じに手直ししたというのだろうか。本来のものより怪我しにくいとは言うものの、気を付けるに越したことはない筈だ。 「宝珠を取ってこれたらーボクがご褒美をあげるねー。みんな頑張るんだよー?」  褒美までついてくるのかと考えながら遺跡の入り口を見やると、物干し竿のように細く長い木の棒が側に何本も立てかけられていることに気がついた。  見たところ武器ではないようだが、あれは使ってもいいのだろうか? 「んー? おー、あんなのがあったんだねー。多分いいと思うよー?」  パールラミタはそれに今気がついたらしく、ぽやんと見つめていた。  確かこの手の長い棒は探索の必需品だと授業で習ったことがある。怪しい場所や宝箱などを棒の先端でくまなくつついて罠の有無を調べたり、先端に小さい鏡を括り付けて曲がり角の先の様子を見たりと、脅威から常に一定の距離を取りながら安全を確保する為に用いるのだ。  成る程、思ったよりもやりやすい授業じゃないか?  他の生徒たちも乗り気だ。パパッと終わらせてしまおうじゃないか。 「でもー……あんな棒、普段から置いてあったかなー?」  木の棒を手に取って肩に担ぐ生徒を眺めつつ、パールラミタは不思議そうに首を傾げていた。
星降る夜に愛を語ろう

担当 鞠りん GM

ジャンル ハートフル

タイプ ショート

難易度 とても簡単

報酬 ほんの少し

出発日 2019-08-14

完成予定 2019-08-24

参加人数 8 / 8
●  そこは学園内にある湖『スペル湖』の畔。星降る夜にある男子学生が、同じく学生の彼女を学園から連れ出し、この場所まで来ました。  彼は彼女に向かい、自分の想いを切り出します。 「君が好きだ、付き合って欲しい。出来れば一生僕と一緒に居てくれれば、きっと素敵な人生になると思うんだ」  連れ出した彼氏の懸命な告白に、彼女は彼を見て答えを返します。 「はい……はいっ! 私で良ければ喜んで!」 「やったぁー! 星降る日の願いが本当に叶った。ずっと大切にするよ君を、だから一生僕を見ていて欲しい」 「私と貴方の約束ね」 「約束だ、この星降る大空に誓う」  震える手で彼女に触れて、見つめ合い誓いのキスを交わす。それを見ているのは、沢山の星が降る空だけでした。 ● 「……という噂なんだけど、みんな知っている?」  昼休みの教室で、この話を熱く語るのは、新入生である【シャロン・シーリー】というヒューマンの女性です。  彼女の話を要約すると、まずは星降る日の夜に、何人でも良いのでスペル湖で愛について語り合うと、後々愛しい人が出来て告白されるという噂話のようですね。 「噂でしょう?」 「信じてるのシャロン?」  それを聞いていた教室の仲間たちは半信半疑です。噂話だけで、実際はあり得ないのではないか? そんな雰囲気が教室中に漂います。 「本当に付き合い出した上級生が居たって聞いたもん! 彼氏が愛を語り合った後に彼女と出逢い、願いを込めて同じ星降る日の夜に告白したって!」  シャロンは必死に訴えたけど、仲間たちは少し違うよう。 「聞いただけじゃぁーね、真実はなんとやらと言うよ?」 「そこまで言うんだったら、実際にやってみようよシャロン。そうすれば噂か本当か分かるんじゃない?」 「実際に……ああー! 星降る日って後数日じゃないのー!?」  仲間に実際にと言われて、シャロンは数日後に迫った星降る日を思い出します。  星降る日は珍しいものではありません、月に数回程度あるのです。今回は偶々シャロンが早めに気付いただけ。  それを口に出した途端に次の授業の時間になってしまい、話は一旦そこまでになりました。 ●  時間は放課後に変わり、シャロンと彼女の話に興味を持った仲間だけが教室に残りました。 「語り合うはいいけど、夜に寮を抜け出すの? 夜は外出禁止じゃない、怒られたいのシャロン?」 「うっ……。分かってる、分かってるわよ! でも密かに外出している先輩だっているじゃない。私たちが抜け出しても良いんじゃないのかな」  確かにシャロンの言う通り、夜に寮を抜け出している上級生はいます。勿論後で寮母さんに見付かり、しっかりと怒られてもいますが。  しかしシャロンはそれに目を付けて、一緒に寮を抜け出そうと促しているわけです。 「でもスペル湖までは遠いでしょう」 「夜に箒やグリフォン便は使えるかな?」  確かに夜ともなると、街の人が学生たちにレンタル箒を貸してくれたり、グリフォン便に乗せてくれるかは怪しいかぎりです。 「うっ……。や、やれば出来るんじゃない?」 「シャロン、やればと簡単に言うけど、そしてもし夕方に箒を借りたとしても、スペル湖までは遠くて一気には飛べないのよ」  フトゥールム・スクエアから直結している居住区『レゼント』までは歩いては行けます。  ですがスペル湖となると、箒に乗っても休憩を挟み、魔力回復しなければ飛べない距離なのです。 「箒だったら、夕方のうちに借りてしまうことも出来るよ、でも凄く効率が悪いよね? ねぇみんな、他に手はないかな?」  仲間の意見を聞きながらも、見つからない安全策を選ぶのだったら、箒が一番いいと思うシャロン。  ――でもと、シャロンは考えます。  リスクのある箒よりも、街でグリフォン便に乗ることが出来れば、すんなりとスペル湖に着けるのではないかと。 「ねぇ、グリフォン便に乗ったほうがいいと思わない?」 「だから学生の私たちでは、街で乗せてはくれないわよシャロン」 「そうそう、学園の制服は目立つから」  制服が目立つ? じゃあ私服は?  私服だったら、街の人と同じく扱ってくれるのではないのでしょうか。  そう閃き、シャロンは今考えた脱走方法を仲間に提案してみることにしました。 「寮からレゼントまでは箒か歩くかして、街でグリフォン便に乗ろうよ!」 「何度も言うけど乗れないでしょう」 「乗れる手はあるわ。レゼントに着いてから、私たちが私服に着替えればいいのよ」  普通の街人としてスペル湖行きのグリフォン便に乗り、帰りも同じ方法をとれば学園内に戻れる。  ――なんて素敵な考えなのでしょう!  残る問題は、寮母さんの目を盗んで学園の外に出ること。  でもそれは大丈夫、上級生が教えてくれます。だって、いつもやっていることだもの。 「もしものために、箒は確保しようねシャロン?」 「ついでにお説教の覚悟も必要だよね……嫌だけど」 「うっ……。お説教より、みんなで愛を語るのよー!」  シャロンも寮母さんのお説教は苦手ですが、噂の興味のほうが勝り、みんなと夜に抜け出す約束をしました。  あなたたちは寮を抜け出し、最速な移動手段を確保して、無事スペル湖に辿り着けるのでしょうか。  そしてスペル湖で、どのような愛の理想を語り合いますか。
美容を捕まえろ!

担当 瀧音 静 GM

ジャンル ハートフル

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

出発日 2019-08-12

完成予定 2019-08-22

参加人数 3 / 8
「――っ!? パターン青!! ヤツです!!」  水面に触れ、察知の魔法を展開していた女性のローレライが声をあげる。  緊張で張り詰めたその場に、より一層の緊張が広がり――。 「やるっきゃねぇぞ!! 俺らの未来はここを超えた先にある!! 全従業員は一層気張りやがれぇっ!!」  髭を蓄えた屈強な男の叫びに呼応するように、投網や釣り竿を持った従業員達は腕を上げて進む。  目指すは、川の中に居るはずの――――ヌシである。  * 「私達の未来が掛かってるんです!!」  依頼を受けた生徒達に力説するのは、白く濁った水を漂わせているローレライの女性。  【キヌガワ・ユフイン】と自己紹介した彼女は、依頼の内容よりも先に、先のことを口にしたのだ。  依頼の内容が分からなければ、と困惑する生徒達へ、ハッと気が付いた様子で手を振り回すキヌガワ。 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。私みんなからせっかちだって言われててそれで……。えっと、依頼の内容ですね?」  それ以外に何があるのかと思うが、それを口にするとさらに説明が遅くなりそうだと悟り、ツッコむのを控える生徒達。 「実は、私達は温泉旅館を営んでおりまして……。中でも目玉は『ガルファラ』と呼ばれる小魚型の原生生物によるドクターフィッシュ風呂なんですけど……」  ドクターフィッシュ。人の古くなった角質を食べ、その食べるときの刺激でマッサージ効果などがあるとされている魚の事で。  しかしそれが原生生物であるとは初耳な生徒達は警戒を強める。  と、それに気付いた様子でキヌガワは慌てて手を振り――、 「違うんです違うんです。ドクターフィッシュとして使用するのは稚魚の時だけで、成長したら食用に様々な所に出荷しているんです」  と説明。  温泉で育ったドクターフィッシュは身の締まりがよく、味も他と比べてよくなるのだとか。  稚魚と聞き思わず肩の力を抜くが、ならば何故依頼をしてきたのか。  その疑問を誰かが口にすると、キヌガワはモジモジしながら小さく呟いた。 「大きくなり過ぎちゃったんです」  と。  そこからの説明は生徒達に取って全て初耳となるもので。  依頼として持ち込んでくる内容として、納得出来るものだった。  何でも、ドクターフィッシュの稚魚は毎年、旅館の従業員達で卵を持ったガルファラを捕獲することで用意しているらしく、今年も例年通り捕獲しに行ったところ――。  見たこともない大きさのガルファラだったらしく手も足も出なかった、と。  そこで、そのガルファラを捕獲し、ドクターフィッシュを、卵を確保して欲しい、という内容だった。 「ドクターフィッシュ風呂や、出荷出来ないとなれば私達の旅館は風前の灯火です。どうか――どうかお力添えを……」  キヌガワに頼み込まれた生徒達は、それぞれどうやってガルファラを捕獲しようかと相談を始めた。  心なしか表情が期待に満ちあふれているのは、 「依頼達成の折は、精一杯もてなさせていただきます!」  というキヌガワの言葉のお陰だろうか。