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はいはーい! 今日の課題はここで確認してね~……って、こらー!
言うことちゃんときけ~! がおーっ!
コルネ・ワルフルド



新品の制服はいかがでしょうか?

担当 oz GM

ジャンル 日常

タイプ EX

難易度 とても簡単

報酬 ほんの少し

出発日 2019-04-27

完成予定 2019-05-07

参加人数 0 / 8
 魔法学園【フトゥールム・スクエア】には春夏秋冬を問わず新入生がひっきりなしに入学してくる。  この学園では衣食住は保証されるが、その他は自腹になる。  つまり教科書や文房具、授業で必要とされる道具などetc.は自腹で購入するか、先輩に伝がある者は譲ってもらったり、学園の備品でどうにかしたりすることが殆どだ。  もちろん様々な理由から無一文の者も少なくない。  そういう場合は奨学金制度を利用し、課題やアルバイトをこなしながら在学中に払っていくか、卒業してから返していくかのどちらかとなる。世の中は世知辛いのだ。  今回は制服の話である。  学園の生徒として最初に手に入れる制服は、学園からの入学祝いであり贈り物でもある。  フトゥールム・スクエアの制服は男女とも青を基調としたブレザーに、魔法使いのようなマントと三角帽子。  それこそが魔法学園フトゥールム・スクエアの生徒である証しでもある。  制服を仕立てる際には、指定されたお店で制服の採寸を行うことになる。  学園としてもまとめて採寸を済ませてしまいたいのだが、癖の強い学生を一カ所に大勢まとめて行えば、騒動が起きることは分かっている。  過去に一斉に行ったところ、待ち時間が長くて騒ぎ出す者、女子の着替えを覗きに行く者、そもそも採寸自体をさぼる者などが出た。  さらに入学時期がバラバラであることもあり、指定日に一定数の生徒がお店で採寸することになったのである。  メメたんこと【メメ・メメル】校長だけがこの騒動を楽しんで見守っていたので不満げだったが、他の職員は賛成派が多数だったことをここに記しておく。  この学園ではスルー能力が高くないとやっていけないのだ。  しかし、スルーしていく内に学園に染まってしまい、個性豊かな変人の仲間入りしてしまうかどうかはあなたの次第である。  指令日にあなたは制服専門店『アボット』に訪れた。  学園都市内にある居住区域『レゼント』内にある制服専門店はこじんまりとしているが、ショーウィンドウに学園の制服が飾られているのですぐ見つけられる。  あなたはどんな制服にしようかとは楽しみにしているだろうか、それとも服は着れれば何でもいいと思いながら面倒くさそうに訪れるだろうか。  長年学園から注文を受けてきたこの店では制服を改造したり、アレンジしたいというリクエストも受け付けており、イメージ通り仕立ててくれると中々評判がいい。  さらに制服専門と謳うだけあって、制服を熟知しており、種族によって着心地が良いように素材を変えたり、戦闘をこなしやすいようにデザインをアレンジするなどと気を配ってくれる。  王族・貴族専攻になるとオーダーメイドした制服を購入する者も少なくない。生地から選び、裏地やボタンなど様々に組み合せて自分だけの制服を作り上げるのだ。  そこまではいかなくともちょっとしたお洒落をしたい人の為に数種類のリボンやネクタイ、少し肌寒い時に羽織る色とりどりのカーディガンなども用意されている。  学園でも校章部分を改造さえしなければ、制服のアレンジに関しては寛容だ。むしろ自分らしさをだしていると推奨されているぐらいだ。  だからこそ、通常の制服をアレンジして着る者は後を絶たない。  あなたはどんな制服を求めるのだろうか。  制服を改造するのも、そのままの制服を着るのもあなたの自由だ。それとも制服なんて着ずに私服を貫く、なんてのもいいだだろう。  まずは勇者の卵として形から入ってみるのも一つの手かもしれない。さて、学園生活を謳歌すると思ってお店に足を踏み入れてみよう!
魔物インセクトの討伐

担当 秀典 GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 とても簡単

報酬 少し

出発日 2019-04-24

完成予定 2019-05-04

参加人数 6 / 8
 フトゥールム・スクエアから西方にあるトルミンの町。  多くの観光客で賑わうこの町は、いわゆる温泉街というものだ。  冬は氷点下にもなるこの町に、壊滅的なダメージが与えられようとしていた。  町のかなり北にあるオミノ・ヴルカという活火山の、麓に広がる荒れた溶岩台地、マルカス・デガラス。  この地の地下にはいまだ活動を続けるマグマが広がっており、トルミンの温泉を作り出している。  その温泉の熱が、冬の間から今日にいたるまで、相当に温度が下がっていたのだ。  随分と気温も上がり、今もまだ温泉の熱は戻ってこない。  大温泉郷ギンザーン、中温泉郷ザ・ウォウ、秘境温泉地セミナルーゴ、旅館馬閣楼、トルミン商店街、トルミンふれあい牧場、 リストランテ・ビー・ワイルドに至るまで、町の全てに打撃がありそうなのである。  まだ湯として入れないことはないが、このままでは温泉街として致命的となりそうだと、トルミンの権力者、【馬場・カチョリーヌ】が自警団のギルッチ団へと調査を依頼した。 「行きなスカットン、温泉街の平和を守る為には、絶対に元凶を調べ上げるんだよ。さあ行きな!」 「おう、待ってなお袋、必ず調べ上げてやるぜ! じゃあ行くぜお前ら!」 「はい!」 「余裕ですよ!」  自警団のギルッチ団は、【馬場・スカットン】という、馬場・カチョリ―ヌの息子が団長を務めている。  溶岩台地、マルカス・デガラスは危険度も高く、何人かの精鋭を選び出す。  その精鋭と共に、馬場・スカットンが、母、馬場・カチョリ―ヌの依頼で、溶岩台地、マルカス・デガラスへと馬を走らせた。  魔物をすり抜けその地につくと、見たこともない魔物達が、冷えて固まった大地を掘り返し、地下にある溶岩を掘り出している。  掘り出された溶岩は、外気に触れて冷たくなり、直ぐに冷えて固まってしまう。  この魔物こそがトルミンの敵、人並に大きく、巨大なノミのような魔物が数十体。 「行くぜ野郎共、このまま前進だ。進めええええええええええええ!」 「はい、やってやります団長! たあああああああああ!」 「鍛え上げた剣技を見せてやります!」  馬場・スカットンの命により、ギルッチ団は果敢に敵へと立ち向かう。  相手はピョ~ンと上に大きく跳ね、体当たりぐらいしかしては来ない。  一体一体はゴブリンより弱いが、その数は膨大だった。  いくら弱いとは言っても、そこまで戦いなれていない団員達では、疲弊するばかりである。  だんだんと団員にも怪我人が増えて、数により押され始めた。  温泉街を護る為とはいえ、これは団だけで護れるレベルではなかったのだ。 「だだだだ団長、これでは団員の身が持ちません! 一度撤退を!」 「これは無理です!」 「クッ、確かに数が多すぎるな。怪我人も増えているじゃねぇか。口惜しいが俺達だけじゃどうにもなんねぇ。撤退してフトゥールム・スクエアに応援を要請するぞ! 全員後退、戦場から撤退するぞ! 全員撤退だあああああああ!」  馬場・スカットンは、魔物の大群から団を引き、即日フトゥールム・スクエアに文が出された。  文は無事学園長に届けられ、その対応は教師の一人である【レインメース・シャロライン】に預けられた。  その教師により、トルミンの町のピンチという事で、すぐさま討伐隊が編成される。 「学生諸君、トルミンの町にピンチが訪れた! 敵勢戦力は多数、五十を超えると思われる! だが安心しろ、個体の能力はゴブリンより低い。力を合わせれば、必ずや打ち倒せるだろう! なお、今後この魔物の名称はインセクトと呼称する。さあ我こそはと思うものは、その手をあげるんだ!」  こうして集められた人員は、すぐさまトルミンの町へと送り出されたのだった。
脱獄大作戦

担当 孔明 GM

ジャンル シリアス

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 通常

出発日 2019-04-22

完成予定 2019-05-02

参加人数 5 / 8
 魔法学園フトゥールム・スクエアは通常のカリキュラム以外にも、ギルドにくるような依頼を受けて生徒を派遣することがある。  生徒に勇者としての実地体験を積ませつつ、世間における学園での印象を上げることもできるため、学園はこの手の依頼を広く集めていた。  依頼内容も様々で街を襲い住みついたドラゴンの討伐なんていう難易度の極めて高いものもあれば、お手伝いの延長のような簡単なものもある。  そして今日も学園に一つの依頼が舞い込んできた。しかしその依頼の余りの突飛さに、受付をしていた学園教師の【スペンサー・バーナード】教授は目を丸くすることになった。 「……失礼。耳が遠いなんてことはなかったが、もしかしたら聞き間違えたかもしれない。もう一度依頼内容を言ってもらえるかな、マダム」  ずれかけたサングラスを戻しながらバーナード教授が言う。額には冷や汗が滲んでいた。 「何度でも言ってやるよ」  バーナード教授の向かい側に座る【マダム・ダイソン】はゴリラのように太ましい体を揺らしながら口を開く。張り手をすればこの部屋にある木製のドアなど、木っ端微塵となって吹き飛んでしまうだろう。 「うちの夫を脱獄させるのに手を貸して欲しいんだよ!!」 「……」  念のために繰り返すがここは魔法学園フトゥールム・スクエアである。次世代の勇者を育成させるための学校だ。断じて犯罪者養成学校ではない。  マダム・ダイソンのやっていることは、言うなれば火消に放火を依頼するようなものだ。 「正気かな、マダム」 「当然さ! これが狂った奴の目に見えるのかい!?」  大きな顔でらんらんと輝く虎のような眼には、強い意志が感じられる。乱暴な言葉を吐いた口のある顔は、凶悪かつ凶暴ではあったが狂気はなかった。  精神安定の魔法薬を処方しようかと懐に手を伸ばしたバーナード教授は、仕方ないと嘆息する。 「勇者を育成するための学園に、犯罪協力を依頼にきたのは……まぁ膨大な前例の中にはなくはないだろうが、私の知る限りでは初めてだ。しかしどうも込み入った事情があるようだし、一から事情を説明をして頂きたい。ただし場合によってはこの場で貴女を拘束せねばならないことを、前もって忠告させていただく」 「ここにきた甲斐があったよ。ここにくるまでに寄ったギルドじゃ、碌に話も聞かないで門前払いされてきたからねぇ」 (それはそうだ)  マダム・ダイソンは少しだけ気分を良くしたようで、落ち着いた口調で話し始めた。  彼女の夫の名前は【シン・ダイソン】で職業は主に魔物の討伐を専門とした猟師だという。故郷では腕のいい猟師として評判だったそうだが、国の開発計画のせいで猟師を続けられなくなったため、引っ越しをしたのだとか。  そこまでならよくある話だが、彼にとっての不幸は引っ越し先の代官がケチで守銭奴の上に不公平な男だったことだろう。ケチで守銭奴だけなら場合によっては長所にもなりうるのだが、ここに不公平まで加わればどうしようもない。実際代官の【モーコウ】はどうしようもない男だった。 「引っ越しして暫くして猟師として再出発しようって時に、凶暴なジャバウォックが出没してね。代官のモーコウの野郎がジャバウォックを討伐した猟師か冒険者には、多額の報奨金を出すって布告したんだよ」  当然猟師をするために引っ越してきたシン・ダイソンは、喜び勇んでジャバウォック狩りに出かけ見事に討伐に成功した。  これでもしも代官が約束を履行していれば何も問題にはならなかっただろう。 「代官は報奨金を支払わなかった。まだ引っ越し手続きが住んでないからだとか、そういう屁理屈を並び立てて一銭たりとも出そうとはしなかったんだよ。当然、主人は文句を言った! だけど代官のモーコウはそれをつっぱねるどころか、猟師なんて仕事は下賤だ、とか侮辱したらしくてね。それで……」 「それで?」 「その場で代官の顔面殴り飛ばして、鼻の骨をへし折ったらしいんだよねぇ。いやぁ、流石はアタシが旦那に選んだ男だよ!」  マダム・ダイソンは夫を誇るように言った。  バーナード教授は夫のシン・ダイソンと会ったことも話したこともないが、間違いなくダイソン夫婦は似たもの同士であろうと確信する。 「短絡的すぎるだろう」 「はっ! 公衆の面前で男を侮辱したんだ! 殺されたって文句は言えないだろう!」  どうやらマダム・ダイソンは任侠の精神をもっているようだ。ヤクザの妻になればいい姉御に、山賊の亭主になれば立派な女頭領になったに違いない。 「で、捕まって監獄に叩き込まれたわけか」 「その通りだよ! で、主人が男を見せたからには妻としちゃ女を見せなきゃならないだろう? 監獄には私の親戚の【カズ】って男が看守として勤めてて、アタシに協力してくれるって約束してくれたけど、二人だけじゃ牢破りは難しい。だからここに調達にきたってわけさ」 「話は理解した。だがそういうことなら脱獄の協力などを依頼するより、代官より上の職にある者に現状を訴え、公平なる裁きを求めるべきだろう」 「……代官の上にいる領主様に訴えようにも時間がかかる。噂じゃ領主はそう悪い人間じゃないらしいし、訴えを聞いてくれれば主人を出所させられるかもねぇ。けどそんな時間はないんだよ」 「というと?」 「主人の死刑執行日が近いんだよっ!」  なんでもシン・ダイソンは代官に対しての暴行傷害、殺人未遂、反逆未遂、危険生物取り扱い違反など十七の罪状で死刑が確定しているそうだ。うち暴行傷害以外は完全なる冤罪で、代官の腹いせであることは間違いないという。  初めてバーナード教授はこの厳つい夫人に好感を抱いた。乱暴な口調も全ては夫を死なせたくない一心だったのだろう。 「しかし代官に非があるとはいえ、悪法も法であることに変わりない。その代官が今後も代官であり続けられるかはともかく、現状でマダムの夫を脱獄させることは明確な犯罪行為にあたる。生徒にやらせるわけには――」 「なになに、バーちゃん。面白い依頼受けてるじゃん! オーケーオーケー! 引き受けよう、その依頼!」 「なっ!?」  バーナード教授が今日最大級の驚愕で、顔面を歪ませた。空いた口は開いたまま閉じない。  少女そのものの童顔に豊満な胸、なによりも内包した測定できないほどの魔力。学園長の【メメ・メメル】がそこにいた。 「が、学園長。引き受けるとは一体どういうことですか?」  どこまで聞いていただとか、いつの間にこの部屋にだとかは今更言いはしなかった。  彼女にそんな常識的な質問がどれだけ無意味なのか理解していたからである。 「言葉通りさ。このメメたんの責任で、彼女の依頼は引き受ける!」 「ほ、本当かい!」  まさかのこの学園最高権力者からの助け舟に、マダム・ダイソンは顔を明るくさせた。  バーナード教授は頭を抱えながら、無駄な抵抗だと思いながら食い下がる。 「……幾ら貴女でも、問題になりませんか?」 「へーきへーき! このオレサマに不可能はないんだから、大船に乗った気でいたまえよ~! ってなわけで依頼を受ける生徒の募集ヨロね、バーちゃん☆」 「はぁ。……分かりました。直ぐに手配しましょう。あとその呼び方は止めて頂きたい」  肺の中の空気を全て絞り出す巨大な溜息をつくと、バーナード教授は依頼の手配を始めた。
天井裏より愛を込めて

担当 桂木京介 GM

ジャンル 冒険

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

出発日 2019-04-20

完成予定 2019-04-30

参加人数 8 / 8
「ゴドー!」  ワイシャツ、ネクタイの上にオレンジ色のダッフルコートを着た姿が、こちらに向けて片手を振っている。  これを見るや教師【ゴドワルド・ゴドリー】は、通常の三倍増しの早足になり彼の眼前五十センチ前後まで歩み寄って、 「……言ったはずだろう。学校内では『ゴドワルド先生』と呼べ……!」  元旦のおみくじで三回連続『凶』の卦が出たような顔を見せ、ささやくような口調で、しかし深みとコクのある声(ドスが効いているともいう)でスゴんだのだった。たぶん生徒たちに聞かせたくなかったからこその小声だったのだろうが、ちょうど風がやんだところだったこともあり丸聞こえだったりする。 「ごめん。『ゴドワルド先生』、新入生をたくさん連れてきてくれたんだね。嬉しいよ」  よろしく、とその教師は集まった面々に告げた。玩具付きチョコレート菓子をもらったばかりの少年みたいな笑顔だ。  すっきりした顔立ちで柔和そうなタレ目、くすんだ金髪。いわゆる鼻眼鏡をちょんとかけている。ゴドワルドよりいくらか背が低い。 「僕は【イアン・キタザト】、錬金術の教師だよ」  と、キタザトは隣に立つゴドワルドを見上げて、 「彼、ゴドー……」 「ゴドワルド」  間髪をいれずボソッとゴドリーは注意喚起する。 「ゴドー……ワルド先生とは幼馴染なんだ」  ニコニコとキタザトはいうのだが、ゴドリーの考えは違うらしい。 「キタザト先生その情報は、今日の話にはまったく関係がないと思いますが」  冷たいけれども丁寧に言った。もともと三白眼気味の目を、ますます白面積多めにしてキタザトに向けている。  幼馴染、という言葉に内心、驚く生徒も少なくなかった。猫背気味、不健康そうな蓬髪に無精髭、いつも徹夜明けみたいに青白い顔色をしたゴドワルドと、童顔でつやつやして育ちが良さそうな、もっというとゴールデンレトリバーの子犬のようなキタザトが、同じ文化のもとで育ったようとは思えない。年だってキタザトのほうが五歳は下に見えた。  けれどもキタザトは、ゴドリーの反応にはまるで頓着していないようだ。 「それで今日は、僕からの依頼なんだけどね」  やっぱりニコニコと、けれども、困ってるんだと彼は言う。  魔法学園フトゥールム・スクエアには複数の校舎がある。複数、というより、かなり沢山と言ったほうがいいかもしれない。  そんな校舎のひとつに、『旧実験棟』と通称される古い建物があるのだ。木造で、しかもかなりの年月を経てたきたらしく、内部には古木とワックスの匂いがしみついていた。 「旧実験棟は最近ではほとんど使われてないんだ。廃屋みたいなものだよ」  その旧実験棟に骸骨怪物(スケルトン)が現れるという。歩く人型の白骨だ。汚れた歯みたいな黄ばんだ色をして、同じく骨製の剣や盾で武装しているらしい。出現時間は夕方から夜にかけて、いわゆる逢魔が時というやつだろう。 「このスケルトン、おばけとかそういうたぐいじゃなくって、どうも古い時代の魔法実験の残留物かなにかみたいなんだよね……」  首をかしげながらキタザトは言うのだ。そもそも『リバイバル』という立派な(?)霊体種族が存在するこの界隈では、『おばけ』のほうがよほどリアリティがあるのだった。 「つまり、その正体をつきとめて退治してほしい――ということですね」  ゴドリーが締めくくる。一応、教師らしくするためキタザトには敬語で話しているのだが、キタザトのほうは全然配慮していなかった。 「そういうこと! さすがゴド、ワルド先生。冴えてるね」 「冴えてるもなにも、この流れからしたらそれ以外の内容は思いつかんだろうが……ですね、キタザト先生」  ゴドリーの口調は微妙になりつつある。 「旧実験棟は四階建てなんだ。途中、封鎖されている階段や通行止めがあるから回避しつつ進んでね。骸骨怪物の出所は天井裏が怪しいと僕はにらんでいるんだ」  なにせ廃屋寸前の建物だ。床板が抜けたり壁が崩れてきたりと、建物自体が障害になることだろう。天井裏とくればなおさらだ。  そんな足場の悪い状況での探検と戦闘も、きっと貴重な体験になるに違いない! 「頑張ってね。無事に戻れたら、今夜はゴドワルド先生が手料理を振る舞ってくれるそうだよ」 「そんな話聞いてないぞ!」  やめんか! とゴドリーは威嚇するようなポーズを取った。  しかし、 「ところで脳内奥さんはお元気?」  とキタザトに訊かれた瞬間、 「……ノーコメントだ」  ぷいと背中を向けてしまう。  どうもゴドリーも、彼が相手だと調子が狂うらしい。    かくて君たちは、ニコニコ顔のキタザトと背を向けるゴドリーと、傾きかけた太陽に見送られつつ旧実験棟に踏み込むのだった。
カラスに灸を据える

担当 狼煙 GM

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 とても簡単

報酬 ほんの少し

出発日 2019-04-17

完成予定 2019-04-27

参加人数 3 / 8
 おいしい料理を食べた時、人は幸せになるという。心と体が満たされたことにより、幸福感を抱き、気持ちがあったかくなるからだ。  しかしそれとは逆の料理とは、気持ちを落胆させ、不愉快な感情を呼び起こす。最悪、殺意すら抱かせることがあるという。 (……さすがにそこまでは思われてないだろうけど、似たような思いだったんだろうな)  そんな誰かが偉そうに言った言葉を思い出しながら、魔法学園フトゥールム・スクエアの料理人の一人、【ウトー・サオシ】は魔法学園の料理人休憩室でため息をつきながら、天を仰いだ。  魔法学園にある食堂は数多くの学生達が来てもいいように、広く清潔に作られている。  食事の種類も多様な種族に対応することが可能となるように、各種の野菜や魚介類、多様な肉類が豊富に揃っている。  しかしそんな彼らが、支度やまかない飯を食べるための場所である休憩室は、意外と質素で狭い。精々数人が入れば満員状態になるほどしか面積はなく、設置されたものもいくつかの机と椅子。私物入れ程度である。  そんな場所で彼は、今一度ため息をついた。  と、その休憩室のドアが開いた。 「おや、いたんですか、ウトーさん。お疲れ様です……って、どうかしたんですか?」 「これだよ」  若手の黒髪黒目の人間、【スユウ・ショソミ】が入ると同時に尋ねてきた。その顔は意外さを前面に押し出していたが、ウトーが顎でしゃくったその先にあるものを見たとき、それは苦笑いへと自然に変化した。 「ああ、あれですか、メニュー改善の要望ですね……」 「そうそう、確かに来るだろうとは思っていたが、まさかこんなに早く来るとは思わなかったよ……」  頭をかきながら、休憩室の片隅に山の様に積まれた投書をちらりと目の端で見た。筆跡や文章はそれぞれ違ったが、中身はほぼ同じ。『貧乏村人セットの改善』を望む声だった。  学園内の食事には貧乏村人セットと呼ばれる食事がある。その名称から色々と察することができる様に、値段も無料である。  しかし世の中には『タダより高い物はない』という言葉がある。  無料であればこそ油断してはいけない世の中、この貧乏村人セットもそれと同様、曲者であった。  このメニュー、有体に言ってしまえばてきとーで、微妙。  量だけは多いが、飯の味付けは深く考えて作られていない。食べても一応腹が膨れる、ただそれだけなのである。 「ま、確かに昨日出したようなメニューじゃ、改善を要求したくなる気持ちは分かるけどね」  ウトーはあるものを見やった。  それは自らが書いたものであり、改善要求にもつながったもの。つまり昨日の献立表だ。  上の方にはあるのは有料のメニューで、様々な種族もおいしく食べることができるよう、多種な材料を使った料理が書かれている。  そして一番下に書いてあるのが、貧乏村人セット。その内容は以下の様になっていた。 『料理長のストレス発散にも貢献! マッシュポテト』 『肉の大切さをかみしめよう! ハム2枚』 『フルパワーもやし炒め塩コショウ増量中』  炭水化物、たんぱく質、ビタミン類、と栄養学的に言えば決して不正解ともいえないが、それでもまともな食事とはいいがたいのは否定できない。改善要望がでるのが普通といえよう。 「味は仕方ないとしても量も少ないですね。確か本当は、これにトウモロコシを一本丸ごと焼くかゆでたのをつける予定でしたっけ?」 「そうそう、他の食事と比べてどうしても見劣りするこのセットを、何とか食べる分くらいは多くできないかと思って、トウモロコシをつける予定だったんだけどな……」 「あれが起きましたからねえ……」  2人ほぼ同時に嘆息しながら、つぶやいた。 『カラスがなあ……』  野生生物、その中でも鳥類というものは、果実や蔬菜の旬というものを非常に熟知していることが多い。最もおいしくなった時に食べられてしまうことは珍しくなく、多くの農家を悩ませているものである。それはこの魔法学園も同じであった。  魔法学園の片隅で栽培中だったトウモロコシ畑、収穫を明日に控えた完熟のそれが、カラス達に食い荒らされてしまったのである。 「あんときほど腸が煮えくり返る、って言葉をかみしめた時は無かったぞ。なんだって俺らのところのトウモロコシを食いやがったんだあの野郎は」 「多分いい餌場を見つけたとか、そんなくらいにしか思ってないんじゃないですかね? ほら、野生生物って餌をあげたらまたもらえると思っていつくって聞きますし」  至極まともにカラスの生態を考慮したうえでの解説、しかしそれが憂さを晴らすことにつながるはずもない。ウトーは顔を歪めながら頭をかいた。 「だったらそこら辺にいる昆虫でも食っていろよ。丹精込めたトウモロコシが餌扱いされるなんて、むかつくことこの上ないんだけど」 「飛び立つ姿しか確認できませんでしたけど、ちょっと普通のカラスより大きかったですし、恐らく昆虫程度じゃ栄養が足りないんでしょうね」 「だからって俺らのを食うんじゃないっての。違うものにしろよなー……カスミとかキリとかモヤとか」 「全部栄養になりそうにないものばかりなんですけど」  まるで吐き捨てるかのように語るウトー、そんな彼の心境に理解を示しつつ、その暗雲を何とか払うことができないか、スユウは思案していた。  と、そこである考えに思い至った。 「……どうでしょう、いっそ生徒達にこれを解決させるというのは」  つぶやく様に発したそれに、ウトーはまず無言で見つめて先を促した。 「自分たちが食べる食事ですよ、その分必死になって解決してくれるかもしれないし、『私にいい考えがある』と何かを言ってくる子もいるかもしれませんよ? そうでなくても解決に協力してくれる人が出ても不思議じゃないですよ」 「……悪くない考えかもしれんけど、俺じゃ出せるものも限られてるぞ? 報酬が少ないんじゃ、やる気が出ないんじゃないか?」 「確かにウトーさんの安月給じゃお礼は期待できませんけど、ことは毎日の食事に関わってきます。ここで何とかしないとご飯が貧しくなる。それを避けるためにやってやる! と判断してくれる人もいるかもしれませんよ?」  安月給は余計だ、と口では言いながらも、悪い話ではないかもしれない。ウトーはそう思っていた。  今回の主目的は野菜を守ること。それが叶えばいいのであってカラスを殺さなければならないわけではない。  つまり危険度は低い。戦いが苦手な生徒も関わることができるだろう。敷居が低ければ参加者も増えるかもしれない。  それに相手はカラス。仮に戦闘になったとしても深刻な被害にもならないのではないか。一般人ならともかく、これからの将来を担う彼らならば遅れをとることは万が一にもないだろう。  そういった思考の末に、ある考えにたどり着いたウトーは席を立ちあがって、こう言った。 「頼んでみるとするか」
星の瞬く間に

担当 七四六明 GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 ほんの少し

出発日 2019-04-18

完成予定 2019-04-28

参加人数 5 / 8
 学園都市『レゼント』に、今年も、次代の勇者を目指す勇者候補生達が集結する。  各個の努力と研鑽の果て、入学許可を得てついに、憧れの勇者育成機関――魔法学園『フトゥールム・スクエア』への入学を決め、入寮のために世界各国から続々と多種多様な人種の若者達が門を叩く。  この中の誰かが、もしくは彼らが、次代の勇者とその一行となるかもしれない。そんな期待を胸に、または不安をも胸に、来週に入学を控えたある日の夜。  緊張のためか、不安のためか、なかなか寝付けずに夜を更かす若者が数人。  そんな静寂に包まれる夜の『レゼント』に、突如一体のオークが侵入し、若者らと対峙する。  自分達にはまだ、オークを倒せるだけの術はない。剣も魔法もまだまだで、腕前だってオークを倒せるレベルにはないだろうことは明白。  しかし放っておけば、民間人への被害は甚大である。ならば放っておけるものか。  夜を更かしていた若者らは一丸となって協力し、学園の先輩方が駆けつけるまでの時間稼ぎと避難誘導を買って出た。  これは彼らの、後の次代勇者パーティとなるかもしれないチーム結成に繋がる、きっかけと出会いの物語となるやもしれぬ話。  星の瞬く間に起きた、短い戦いの物語。
飛べないグリフォン

担当 夜神鉱刃 GM

ジャンル ハートフル

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

出発日 2019-04-16

完成予定 2019-04-26

参加人数 3 / 8
●飛べないグリフォン  鷲の顔に翼、ライオンの胴体、のそのそと優雅な四足歩行。  狂暴そうな一面も持つものの、どこか憎めないある種の萌えキャラ。  その名は、グリフォン。  魔法学園フトゥールム・スクエアでは多数のグリフォンを飼育している。  主な用途は、移動手段だ。  学園敷地内には少なくない数のグリフォン乗り場が存在する。  グリフォン第一委員会には、グリフォン管理の一部が任されているが……。  皆さんの入学開始早々、ちょっとしたトラブルが起きた。 「おい? このグリフォン、成長する度に翼の形がおかしくなってないか?」 「ん? 成長途中か変種じゃないか? 『グリフォン』としては機能するだろう?」  飼育員たちは子どものグリフォンの様子がおかしいと心配していた。  翼の形が中途半端というか、半分ぐらい壊れているような姿だ。  もっとも、物は試しであり、飛べるならばそれで問題はない。  翌日、飛行テストをするものの……。 「ダメだ! こいつ全く飛べない!」 「え? まずいね? それじゃあ乗用の『グリフォン』として機能しないでしょう?」 「くぅぅぅ……」  グリフォン本人は、やり取りを理解しているのかいないのか、どこか悲しそうだ。  しかし、自分が『飛べなかった』ことは自分が一番理解している。  これから何か悪いことが起こるのか、とでもいうかのようにぶるぶる身震いしていた。 ●グリフォン第一委員会からのお願い  ある日、魔法学園フトゥールム・スクエアの掲示板にとある張り紙が出された。 ***  学園の皆様、こんにちは!  私たちはグリフォン第一委員会です。  突然ですが、私たちからお願いがあります。  現在、委員会管理下で飼育している子どものグリフォンの処遇について悩んでいます。  実は、その子どものグリフォン、翼の形が壊れていて飛べません。  つまり、乗用のグリフォンとして将来的に機能できる見込みがないということです。  物騒な話ですが、殺処分も検討されています。  ですが、我々としても、できる限り穏便な方向で解決策を見つけたいと考えています。  そこでですが、問題となるグリフォンの処遇や今後について一緒に対策して頂けないでしょうか?  私たちがこう言うのも変ですが、グリフォンは乗用として機能しなければ生きられない訳ではないと思います。  もしかしたら、違う生き方や利用方法もあるかもしれません。  どうか、行き詰っている私たちにお知恵を貸して頂けないでしょうか。  どうぞよろしくお願いいたします。  グリフォン第一委員会一同より ***  困っているグリフォン第一委員会と殺処分寸前のグリフォンを救うのは……。  新入生のあなたかもしれない!?
ドキドキ☆春の個人面談っ!

担当 桂木京介 GM

ジャンル 日常

タイプ EX

難易度 とても簡単

報酬 ほんの少し

出発日 2019-04-13

完成予定 2019-04-23

参加人数 8 / 8
 オレンジ色の夕陽が射し込んでいる。  中途半端に引かれたカーテンが、春風に吹かれクラゲのように揺れている。  君はいま教室の中央で、向かいあわせに設置された机のひとつについていた。  教室は無人だ。君と、【コルネ・ワルフルド】先生以外は……! 「んっと~☆」  先生がペラペラとめくっている手元のボードには、君に関する情報が集められているようだ。入学願書とかここまでの成績表とか、面談前に書くよう手渡された簡単なアンケートとか、そういったもろもろだろう。付箋がやたらペタペタ張り付けられているあたりが、ちょっと気になるところではある。  すこし難しい顔をしていたコルネ先生が、資料をめくる手を止めて顔を上げた。 「じゃあ……」  ぐいと先生は前のめりになった。 「君のこと聞いちゃおっかな~☆」  はい、と思わず君も前のめりになる。  なんだか、いい匂いがした。  ◆ ◆ ◆  君はなにを語るのだろう。  授業に対する現状や不満? 学園生活の悩みごと? はたまた学生寮の不備についてだろうか。  ここまでの生い立ちや好きな教科、クラブ活動の状況や希望、これからの進路や将来の夢など、話題はたくさんあるだろう。  先生のほうに逆質問したって、まったくもって構わない。むしろ質問責めにして、先生を困らせてしまおうか?  君の面談を受け持つのは誰だろう。  コルネ先生はもちろんのこと、いつもマイペースな【メメ・メメル】校長、授業で出会った印象的な教師、憧れの先輩生徒だって話をしてくれる。  なんとまさかの【ツリーフォレストマン】も出てくるらしい。ツリーとなにを話せと!?  面談といっても、教室で向かい合うという形式だけじゃない。ここは自由な学園フトゥールム・スクエアなのだ。  喫茶店で軽食を楽しみながらとか、アウトドアで釣り糸を垂れながらとか、ジョギングで息を切らしながらとか、ありとあらゆる面談スタイルがあると思う。  期待に胸を膨らませよう。  ちょっと緊張しても大丈夫。  ドキドキな春の個人面談が、さあ、はじまる!