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魔法学園の歓迎会



ストーリー Story

「おーい、そこの君!」
 帰宅途中、見知らぬ女性が下校してきたあなたを視界に収めて歓喜の声を上げた。
 ――先輩だろうか?
 泡砂糖でできたお菓子のようにふわふわしたストロベリーブロンドの長い髪に、こぼれ落ちそうなほど大きな瞳はアクアマリンの輝きを放っていた。
 そして、何やら大きなゾンビスライムのぬいぐるみを抱いている。
「俺、ですか?」
「そうそう」
 驚きをそのまま口にしたあなたに、エリアル――エルフタイプの妖精族の女性は、人懐っこそうな笑みを浮かべて続ける。
「ねえねえ、新入生歓迎イベントに参加しない?」
「新入生歓迎イベント?」
 妖精族の女性はそう言うとチラシを差し出してきた。
 カラフルで可愛いらしいデザインのチラシを、あなたはじっと見つめる。
 どうやら、これは学園都市『レゼント』の新入生歓迎イベントへの招待らしい。
 確か、学園全体の歓迎会はこの間、行われたよな。
 あなたは周囲の様子を見渡すと、意外そうに話を切り出した。
「あの、あなたは?」
「私? 【ミミル】って言うの。レゼントの新歓企画運営委員長だよ」
 あなたの疑問に、ミミル先輩がにこやかに自己紹介する。
「そうなんですね。あの、確か、学園全体の歓迎会は行われたんじゃ……」
「むむっ。これはね、私が考え出した特別な新入生歓迎イベントなの」
 あなたから指摘されると、ミミル先輩はそれまでの明るい笑顔から一転して頬をむっと膨らませた。
 ゾンビスライムのぬいぐるみを抱きしめたまま、その場で屈みこみ、唇を尖らせるという子供っぽいミミル先輩の仕草に、あなたは困ったように頭を抱える。
「特別な新入生歓迎イベント?」
「そうそう。ゾンビぬいぐるみをコンプリートするための特別な――」
「コンプリート?」
 思わぬ言葉を聞いたあなたは、ミミル先輩の顔を見下ろしたまま、瞬きをする。
 その瞬間、咄嗟に立ち上がったミミル先輩が焦ったように両手をひらひらさせる。
「わわっ……今のなし! とにかく、新入生歓迎イベント、一緒に楽しまない?」
「まあ、特に予定はないですけれど」
 両拳を前に出して言い募るミミル先輩の姿に、あなたはもはや諦めたように答えた。
「なら、決まりだね。よろしくー」
「は、はい。よろしくお願いします」
 半ば押されるかたちで、あなたは新入生歓迎イベントに参加することになってしまったのだった。


「……ここか」
 新入生歓迎イベントに招待されたあなたは、いろいろな施設が展開する学園都市を歩いていた。
 ここは、学園施設に直結している居住区域『レゼント』。
 学園が居住と商売を保証している特別区であり、いわゆる学園都市だった。
「おーい! こっちこっち!」
「はい」
 招待してくれたミミル先輩に呼ばれて、あなたはカフェに入ると空いた席に腰をおろす。
 授業が終わった放課後ともあって、かなりの人が入っており、店内は満席である。
 ミミル先輩の話では、新入生歓迎イベントはニヶ所で行われており、訪れたい場所に行ってもいいという。
 一つ目の場所、超大型商店『クイドクアム』では、様々な商品を売っているお店が多く並んでいる。
 そして、ニつ目は――。
「クレーンゲームで、ゾンビぬいぐるみを取ってほしい?」
「うん」
 あなたの言葉に、人差し指を立てたミミル先輩が弾んだ声で続ける。
「体験型レジャー施設『勇者の穴』にあるクレーンゲームで何度もチャレンジしているんだけど、なかなか取れないのよね」
「代わりに取ってほしい……と?」
 答えないままじっと見つめてくるミミル先輩に、あなたは厄介事の気配を感じ取った。
「ゾンビぬいぐるみって、別に必要ないんじゃ……」
「お願い! あと少しで、全てのゾンビぬいぐるみをコンプリートできそうなの!」
 だが、あっさりと告げられたあなたの言葉に対して、ミミル先輩は懇願するように手を合わせる。

 さて、新入生歓迎イベントはどちらに行こうか――。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-02-10

難易度 とても簡単 報酬 通常 完成予定 2019-02-20

登場人物 8/8 Characters
《新入生》クロード・クイントス
 ヒューマン Lv11 / 賢者・導師 Rank 1
色々と考えてから行動するタイプ。 あまり感情的にはならずニッコリ笑顔を心がけている。 でも顔は笑っていても眼は笑ってない。 厳格な家庭で育ったため人間関係に疲れて孤独を好み、自立するために家を飛び出し、秘めていた好奇心をさらけて放浪癖を患う。 ※アドリブ歓迎
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《新入生》リア・カレット
 ヒューマン Lv4 / 勇者・英雄 Rank 1
リア・カレットといいます。 幼いころは孤児院で生活していました。 実は、とある絵本の物語に興味を持っているんです。 その登場人物に憧れ、冒険家になることが私の夢です。 勇者や英雄なんて私には恐れ多いですから(汗 お掃除やお洗濯は任せてください!大の得意なので!! ==========以下プロフィール詳細========= 身長:154cm 体型:細身でややある(C) 髪:焦茶色のミディアム 前髪の左目上の部分に髪留めをしている 性格:優しく真面目だが初対面相手だとよくテンパる (自分1人の時は必ずと言っていい程) 趣味:家事全般(特に掃除と洗濯が大得意) 好物:ホットミルク 寝る前によく飲んでいる 苦手なもの:虫全般 ハチに襲われたことが原因 見たり聞いたりするだけで動転し、特徴を事細かに説明する 装飾:鳥の片翼の形をした銀の髪留めをしている 物心ついた時からつけていたらしい 服装:授業時は基本制服 戦闘が発生しない授業や放課後は私服を着用 出生:物心ついた時から孤児院で生活。捨て子か孤児かは不明。孤児院は年若いシスターが院長を務め、幼児から青年までの男女が共同で生活していた。学園に入学すると決めた時は皆が応援してくれた 口調:年齢差関係なく「~です」「~ですね」の丁寧口調 二人称:英名の場合はファーストネーム、 和名の場合は名前 年齢差関係なく、どちらも「さん」を付ける
《新入生》スラフィル・ケーニヒヴルト
 エリアル Lv6 / 賢者・導師 Rank 1
ボクの御家は200年くらい続いてる魔導師の貴族家系なんだよ。 王様・貴族の専攻もあるみたいだけど、立ち居振る舞いなんて、 人となりと生まれ育った環境に起因すると思ってるし、いろいろ 思うところがあって興味のあるこっちの専攻を選択したんだ。 お父様とお母様は王様・貴族専攻の卒業生だったから色々と説得 が大変だったんだけどね~…… 仲良くしてくれる友を待っているよ! よろしくね!! ◆珍しいエルフタイプの元気っ子少女 エルフタイプのエリアルは基本的に物静かなイメージがあるが、 スラフィルは活発で元気な女の子。 喜怒哀楽がハッキリしており、直ぐに顔に出てしまうタイプ。 誰とでも基本的に仲良くなれるが、利己的な者と横暴な者とは 決してまじわろうとしない。 【容姿】 腰を超えるくらいの亜麻色の髪 虹彩異色の瞳(右側:緑 左側:青) エリアルのエルフタイプらしく少し尖った耳 母から貰った大きめの懐中時計を首からぶら下げている 私服では軍服ワンピースと呼ばれる服装を好んで着用する傾向 授業や全校集会など学校行事のときは制服も着る 【交流】 友人からスキンシップされるのも、するのも大好き。 来る者拒まず去るもの追わずのスタンスであるものの、親友や お世話になった人には義を尽くす。 【話し方】 一人称:ボク 二人称:名前、愛称、キミ 柔らかい言葉遣い 〜だよね、〜だね、〜かな、〜じゃん…など
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《新入生》ウェルカ・ラティエンヌ
 アークライト Lv15 / 王様・貴族 Rank 1
■身長:152cm ■実年齢:14歳 ■髪形:腰までのストレートロング ■容貌:ややたれ目気味の目元の、大人しそうな容貌の美少女 ■体型:身長は小柄ながら、バストやヒップはかなり大きく、非常に発育は良いが、ウェストや手足等は細めの、極端な体型 ■性格:基本的には内向的で大人しく、穏やかな性格だが、金銭面には非常に厳しく、利害が絡むと冷酷になる面も ■コンプレックス:桁違いに豊満な上、未だに発育途上の胸/[誕生日]の時点で、既に120cmに届くとのこと ■体質:体重が増えるときは、その殆どが胸に集まり、痩せるときは他から痩せるタイプ ■服装:背中の開いたドレス/色は特に決まっておらず、気分次第で変えている ■特技:経営・商売に関連する豊富な知識/一通りの礼儀作法/実は家事全般
《人間万事塞翁が馬》サティア・ブランシュ
 ルネサンス Lv7 / 王様・貴族 Rank 1
都会や華やかな社交界に憧れる田舎令嬢。 有名な学園で学べることを喜んでいるが、 入学してから見た洗練された級友や先輩達に衝撃を受け、 「自分は芋っぽいのでは」と言う悩みも。 形から入るタイプであり入学するにあたって丁寧な口調を 使うようにしたのだが、不慣れなのと適当な性格なため 咄嗟の時や気を抜いている時は元の口調(~だよ、~かな) で喋ることも。 基本的には人と話す時は丁寧に、独白・心情は元の口調。 【外見】 ・野兎のルネサンス ロップイヤー ・薄茶のロングヘア(背中まで) 白いリボン ・青色の瞳 たれ目気味 【性格など】 ・表情豊かで明朗快活な性格 ・自分本位な部分もあるが基本的には善良 ・物事を楽観的に考える事が多い ・あまり表には出さないがさみしがり屋で甘ったれな所も ・家族の事が気掛かりで心配している ・流行や有名人に弱く、知ったかぶるミーハーな一面も ・噂話やゴシップ好き

解説 Explan

 新入生歓迎イベントに参加してほしいそうです。
 参加してみたい方のアルファベットを、プランに記載して下さい。

A、超大型商店『クイドクアム』内で、お店を見て回る。
 カフェ、書籍、雑貨、衣装店など、いろいろな商業施設が並んでいます。
 ミミル先輩のお気に入りのロールケーキが食べられるカフェもあります。
 魔法によるイルミネーションの点灯式を見ることができます。
 
B、体験型レジャー施設『勇者の穴』で遊ぶ

●クレーンゲーム
 景品の獲得を目的にプレイするアーケードゲームです。
 ミミル先輩が欲しがっていたゾンビぬいぐるみもあります。

・ゾンビぬいぐるみ。
 目が片方取れていて、コミカルだが苦悶に満ちた表情をしている。
 服はぼろぼろ、白骨部分まで露出しており、可愛いとグロいが1対2くらいの割合である。
 バランスが悪いのでクレーンで取るのが困難である。
 露出している白骨部分にアームをひっかけられそうだが……?

●ホーキングゲーム
 箒で飛んで、エリア内にある障害物を避けながら出口を目指すゲームです。

・風船障害物
 いろいろな場所にぷかぷかと浮かんでいるため、上手く間を通る必要があります。
 当たっても割れませんが、その代わり、トランポリンのように跳ねかえります。

●音楽ゲーム
 音楽に合わせてステップを踏んだりするリズムゲームです。
 音楽に合わせてステップを踏んだりすることで、魔法のかかった黒猫のぬいぐるみが一緒に踊ってくれます。
 ステージをクリアするごとに、スピードが少しずつ早くなっていきます。

●NPCキャラ
・ミミル先輩
 レゼントの新歓企画運営委員長。
 可愛いぬいぐるみを集めている。
 今は、ゾンビぬいぐるみを全てコンプリートすることを目標としているらしい……。

●今回、購入した商品などは、アイテムとして受け取ることはできません。


作者コメント Comment
 初めまして、または、こんにちは、留菜マナと申します。
 新入生歓迎イベントのエピソードになっています。
 ミミル先輩が発案者なので、通常の新入生歓迎イベントとは少し違う感じになっていたりします。
 A、B、どちらでも、ミミル先輩とも一緒に遊ぶことができます。
 初対面の新入生と親しくなれるチャンスです。
 積極的に交流してみましょう。
 少しでも楽しんで頂けるように頑張っていきます。
 どうぞよろしくお願い致します。


個人成績表 Report
クロード・クイントス 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:135 = 45全体 + 90個別
獲得報酬:3600 = 1200全体 + 2400個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
体験型レジャー施設『勇者の穴』へ参加
ホーキングゲームを楽しむ

ある程度プレイしたところで
「ミミル先輩、一緒にやってみませんか?出来れば箒を操るコツなんかも教えていただけるといいなぁ」
「皆もどう?」
とお誘いをかける

ただしクレーンゲームのゾンビ人形、これが今回の歓迎会の本命なのでチャレンジするオズワルドさんを応援したい

フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:54 = 45全体 + 9個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
「よ、よろしくお願いしま…っ」(※噛んだ)
名前で興味をもった『B:体験型レジャー施設『勇者の穴』』を選択。
レジャー施設というものに全くなじみがなく終始オドオド。

「ゆ、勇者ってこんなことしてて…いいのかな…?」
ミミル先輩やオズワルド他メンバーに誘われたらクレーンゲームにチャレンジ。
今回初挑戦なので、攻略法を『推測』しながら…多分、遊んでいるうちにマジになる。

「授業で聞いたわ…いかにもな手掛かりは罠に注意しろ、って」
白骨部分は引っ掛けとみて、他にアームが引っかかりそうな部位…服の隙間や取れた目の穴等を狙いに。

なお感性は全く普通なのでぬいぐるみへの感想は『グロい』
「ほ、ほしいなら…ど、どうぞ…」

リア・カレット 個人成績:

獲得経験:54 = 45全体 + 9個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【参加ル-ト】
A 超大型商店『クイドクアム』内で、お店を見て回る方に参加します。

【行動】
スラフィルさん、サティアさんと一緒にお店を回ります。
途中、衣装店に寄って私服を購入したいです。
なので、衣装店を見かけた時にお二人に寄ってもいいか尋ねます。
初めて服を買うので、できるだけ沢山服の試着をしてから買う服を決めたいです。

また、お二人が寄りたいお店があれば、一緒に楽しみたいと思います。

スラフィル・ケーニヒヴルト 個人成績:

獲得経験:45 = 45全体 + 0個別
獲得報酬:1200 = 1200全体 + 0個別
獲得友情:1
獲得努力:1
獲得希望:1

獲得単位:0
獲得称号:---

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:54 = 45全体 + 9個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
アドリブ◎
歓迎会だなんて嬉しいなぁ
ルートBへ

俺こういう所初めてだよ
色んなものが置いてあるんだね



オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:54 = 45全体 + 9個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
参加:Bコース

行動:僕はBコース全体を軽く周って、僕と同じ新入生に話しかけましょう。
もし良ければ一緒に遊びませんかと声をかけて、
是非の声があれば一緒に遊びましょうかね。

クレーンゲーム:自分より前にプレイした人の様子、アームの重さを確認し、
自分の番になったときには、正面、側面をじーっと真剣に見て
推理し、ゾンビぬいぐるみを回収しましょうか。

回収できたら…どうしましょう、取ったは取ったもの
あまり自分好みではないですね。
一緒に同行している仲間にプレゼントしましょうかね。


ウェルカ・ラティエンヌ 個人成績:

獲得経験:67 = 45全体 + 22個別
獲得報酬:1800 = 1200全体 + 600個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
[Aコース]に参加し、『クイドクアム』の中をゆっくりと見て回りますわ。
此方に来て日が浅いですから、利用する可能性の高い施設は把握しておきたいですわね。
日用品や書籍コーナーは必須ですわ。

母方は商家ですし、私も其方で育っておりますので、この様な規模の大きな店舗をどの様にして経営しているのかも、興味が御座いますの。
おそらく店員の皆様も、お仕事を楽しんでおられるのでしょう。
参考になるところを見つけたいですわ。

一通り見て回ったら、カフェで一休みですわ。
可能なら【試着ロール】の皆様方と合流し、本日の様子をお話し致しましょう。
御紅茶と、折角ですから[ミミル先輩お勧めのロールケーキ]をいただいてみましょうか。

サティア・ブランシュ 個人成績:

獲得経験:54 = 45全体 + 9個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
プランは「A」
【試着ロール】の一員として行動

●目的
皆とクイドクアムにて買い物を楽しむ

●行動
衣装店で互いに試着しあう「試着大会」やウィンドショッピングを楽しみ、その後、ウェルカと合流し噂のロールケーキのお店で「お茶会」を楽しむ

>事前準備
はぐれて迷うと困るので案内板等あれば確認する

>衣装店
春物の私服を探して皆と一緒に着合わせ
店員に今年の流行を訊ねて着てみる
嫌がられない程度に派手な服や大胆な服を
皆にすすめたり自分で着たりして盛り上げる
気に入ったものがあれば購入する

>ロールケーキ店
目当てのロールケーキを楽しみつつ
紅茶をお供に「お茶会」と洒落こむ
改めて自己紹介や今日の感想などを話す
ミミル先輩にお礼を言う

リザルト Result

 超大型商店『クイドクアム』では、様々な商品を売っているお店が多く並んでいる。
「賑やかですわ」
 行き交う人々のざわめきに耳を傾けながら、【ウェルカ・ラティエンヌ】は店内を散策していた。
 カフェ、書籍、雑貨、衣装店など、いろいろな商業施設が見受けられた。
 また、今は中央のイベントスペースで、魔法によるバレンタインを催したイルミネーションの点灯式を見ることができる。
「日用品を扱っている御店だけでも、様々な御店や品物があるのですわね」
 日用品と書籍のコーナーをメインに見て回り、ウェルカはお店の多さと品物の豊富さに目移りしてしまう。
 書籍を扱ったお店では、魔法学園『フトゥールム・スクエア』がある『エイーア大陸』についてのことが記された書物があった。
「可愛いですわ」
 書店を出た後、ウェルカは衣装店で見つけた春物の服を手に取る。
(ですが、サイズの合うものが御座いませんわね)
 ウェルカは年齢以上に豊満な胸を躊躇うように、ポールハンガーに服をかけ直す。
「店員の方々もお仕事を楽しんでおられますので、参考にしていきたいですわ」
 一通り店内を見て回ったウェルカは、合流場所であるカフェへと足を運んだ。


「あの、あのお店に寄ってもいいでしょうか?」
 ウィンドショッピングを行っていた際に、お洒落な雰囲気の衣装店を見かけた【リア・カレット】はそう尋ねた。
「素敵なお店ですわ」
 【スラフィル・ケーニヒヴルト】とともに、店内の案内板を見ていた【サティア・ブランシュ】はぱあっと顔を輝かせる。
「実は私服を一着も持っていなくて……丁度いい機会ですので、服を買ってみようかと思うのですが、お二人とも付き合っていただけますか?」
「もちろんですわ」
 サティアがそう言うと、スラフィルも頷いた。
 お店には、スラフィル達が戸惑うほど、様々な種類の服が並べられている。
 店内に入ると、女性店員から、いらっしゃいませと迎えられた。
「どれも可愛いですわね」
「試着したいですね」
 店内の色とりどりの服から、サティアとリアとスラフィルは互いに気になった服を選び、身体に当ててみる。
 そして、みんなで話し合った結果、お店の試着室の一つを借りて、試着大会をすることになった。
「今年の流行をお伺いしても良いですかしら……?」
「今年の春物は、暖色系、ペールトーンがトレンドになります」
「ペールトーン?」
 店員の言葉に、サティアは不思議そうに首を傾げる。
「淡色のことです」
「あの、ペールトーンを取り入れた服や他の春物を幾つか試着させてもらってもよろしいですか?」
「はい」
 リアの要望に、店員は品の良い相槌を返した。
 それからスラフィル達は幾つかの服を試着し、互いに感想を言い合った。
「リアさま、可愛いですわ!」
 試着室から出てきたリアの姿を目にしたサティアが顔を輝かせる。
 リアは、白いカーディガンとワンピースを着ていた。
  両肩がリボンで留められたそのワンピースは、セレスタイトのような透明感のある淡い青色だった。
 斜めにフリルが走るスカートは、レースも交互に縫い付けられてふわふわと愛らしい。
「スラフィルさんとサティアさんも可愛いです」
「えへへ、良かったぁ」
 リアの言葉に、サティアはワンピースの裾を掴むと、ふわりと一回転してみせる。
 サティアは、若草色をしたワンピースに、同じ色の短い上着を羽織っていた。
 店員に勧められるまま、淡い黄色のリボンを前で結ぶような形のスカーフをつけている。
 スラフィルは、大きなリボンのついた軍服ワンピースを身に纏っていた。
 花のコサージュがついた帽子とふわりと舞うフリルスカートが、いつもの軍服ワンピースとは違った雰囲気を醸し出している。
「みんなでワンピース、お揃いですね」
「他には花柄、紐付きのトップス、ワンピース、ボトムスが人気みたいですわね」
 リアとサティアは衣装談義に花を咲かせた。
 帽子を整えたスラフィルも加わってくる。
 リアは試着室から離れると、店内に飾られた衣装に視線を向ける。
 それは、このお店を見つけた際に、最初に目に入った衣装だった。
 刺繍が走った白いトップスに、桜色の花柄のフレアスカート。
 そして、軽くてふわっとした白いレースガウン。
「リアさまに似合うと思いますわ」
「サティアさん、ありがとうございます」
 サティアにそう告げられた途端、リアの心は決まっていた。
 店員に頼んで、おずおずとその衣装に手を伸ばす。
「スラフィルさま。ウェルカさま達との待ち合わせの時間まで、もう少しお時間がありますわ。わたし達も店内を見て回りましょうかしらね」
 サティアの誘いに、スラフィルは頷いたのだった。


「皆様、御機嫌よう」
 スラフィル達が待ち合わせの場所のカフェに訪れると、ウェルカは穏やかに微笑んだ。
「ウェルカさん、こんにちは」
「ウェルカさま、ごきげんよう」
 衣装店で購入した服が入った袋を片手に、リアとサティアとスラフィルは挨拶を返す。
「おーい、みんな!」
 カフェの入口で予約の受付をしていた【ミミル】先輩が、訪れたスラフィル達を視界に収めて歓喜の声を上げる。
 ミミル先輩に連れられて入ったのは、お洒落な雰囲気のカフェだった。
 テーブル席に、落ち着いた雰囲気を醸し出す音楽。
 一目で見渡せるさっぱりとした店内には、かなりの人が入っていた。
「いらっしゃいませ。後ほど、ご注文を伺いに参ります」
 落ち着いた口調の店員が、人数分のメニューを置いて立ち去っていった。
「うふふ、こう言ったお茶会って憧れてたんですの」
 サティアは店内を見渡しながら、案内された席につく。
 アンティークな雑貨の数々と、魔法で光らせている灯は、店内に幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「改めて自己紹介しますわね。わたしは王様・貴族専攻のサティア・ブランシュですわ」
 サティアが居住まいを正して、真剣な表情で頭を下げる。
「私は勇者・英雄コースのリア・カレットです」
「王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。宜しくお願い致しますわ」
「私はミミル。専攻は魔王・覇王コースだよ」
 スラフィル達は互いに自己紹介をし合った。
「ミミル先輩は、『魔王・覇王コース』だったのですわね」
 ウェルカは注文するためにメニューを手に取ったところで、ようやくミミル先輩の台詞の不可思議な部分に気がついた。
「うん。全てのぬいぐるみをコンプリートするためには、『魔王・覇王コース』が一番の近道だと思ったの!」
 ミミル先輩はゾンビスライムのぬいぐるみを掲げて、誇らしげに笑みを浮かべた。
 そのあまりのズレ具合に、ウェルカだけではなく、スラフィル達まで固まっている。
「みんなは頼みたいものとかある?」
 ミミル先輩はゾンビぬいぐるみを下ろすと、いろいろな料理の名前が並んでいるメニューを眺めながら問いかけた。
「御紅茶と、折角ですからミミル先輩お勧めのロールケーキをいただいてみましょうか」
「紅茶とミミル先輩お勧めのロールケーキをお願い致しますわね」
「私も同じものでお願いします」
 メニューを手に取ったウェルカとサティアとリア、そしてスラフィルがそう応じる。
 早速、ミミル先輩は通りかかった店員を呼び止めて、注文をし始めた。
「皆様、ショッピングの方はどうでしたか?」
「素敵な私服を買うことができました」
「試着大会、楽しかったですわ」
 ウェルカの疑問に、リアとサティアとスラフィルは顔を見合わせると自然と笑みをこぼした。
 そこで、リアは興味深そうに尋ねる。
「ウェルカさんはどうでしたか?」
「御店は品物も豊富で、生活をする上で不便なことはあまりなさそうですわね。こちらに、店舗内の配置情報を記載致しましたわ」
「ウェルカさん、ありがとうございます」
「ウェルカさま、感謝致しますわ」
 メモを差し出したウェルカに、リアとサティアとスラフィルは感謝を述べる。
「お待たせ致しました」
 その時、店員が注文の品を運んできた。
 テーブルに並べられる紅茶とロールケーキ。
「ごゆっくりどうぞ」
 注文した料理が並べられたのを確認し、一礼した後、店員は定例の対応でその場から立ち去っていった。
「トライフルロールだよ」
 ミミル先輩がにこやかにそう説明する。
 トライフルロールは、色とりどりのフルーツを巻き込んだロールケーキだ。
 甘味と酸味のバランスが取れており、絶品だという噂がある。
 スラフィル達は、ナイフとフォークでロールケーキを切り分ける。
 そして、切り分けた一片を口に運んだ。
「美味しいです」
「美味しいですわ」
「美味しいですわね」
 リアとサティアとウェルカとスラフィルは顔を見合わせると至福の表情を浮かべる。
「ミミル先輩、歓迎会に招待して頂き、ありがとうございますわ」
サティアの言葉に、ミミル先輩は幸せそうにはにかんだのだった。



 『勇者の穴』は、様々な遊びを通しながら、自分自身の成長を図れる体験型レジャー施設である。
「ゆ、勇者って、こんなことしてて……いいのかな……?」
「こんにちは。君も新入生ですか?」
 突如、声をかけられて、施設内の様子を窺っていた【フィリン・スタンテッド】は戸惑うように息を呑んだ。
 フィリンが振り返ると、【オズワルド・アンダーソン】は穏やかな表情を浮かべる。
「初めまして。僕は賢者・導士コースのオズワルド・アンダーソンと申します。良ければ、仲良くしてください」
「勇者・英雄コースのフィリン・スタンテッドよ。よ……よろしく」
「もし良ければ、ご一緒に回りませんか? 一人で遊ぶのもなんか寂しいので」
「よろしくお願いしま……っ」
 オズワルドの誘いに応えようとしたが、フィリンは途中で噛んでしまう。
「ねえねえ」
 横に流れかけた手綱をとって、二人のもとに訪れたミミル先輩は人懐っこそうな笑みを浮かべて言った。
「みんなで『ホーキングゲーム』をしない? 箒に慣れたら、箒を使った授業も楽しくなるよ!」
「はい、一緒に遊びましょう」
「ホーキングゲーム……」
 ミミル先輩からの誘いに、オズワルドとフィリン、それぞれ同時に別の言葉を発する。
 それを了承と受け取ったミミル先輩の先導のもと、オズワルド達はホーキングゲームのコーナーへと向かう。
 ホーキングゲームを何度か、プレイした後、箒から降りた【クロード・クイントス】は通りかかったオズワルド達に声をかけた。
「ミミル先輩、一緒にやってみませんか? 出来れば、箒を操るコツなんかも教えていただけるといいなぁ」
「うん、いいよ。よろしくねー」
 ミミル先輩がにこやかに答える。
「皆もどう?」
 クロードの問いに、オズワルドは箒を手に取りながらどこか晴れやかな表情を浮かべた。
「はい、是非。箒に乗ることは、これからの学園生活に欠かせないものになりそうですね」
(学園生活に欠かせないもの……。そ、それって、勇者になるために必要なこと……)
 オズワルドの言葉に、フィリンは自分に言い聞かせるように拳を強く握りしめる。
 ホーキングゲームは、箒に乗り、風船を避けながら、ゴールを目指していくゲームだ。
 しかし、障害物である風船が邪魔をして、なかなか先に進めない。
「箒を操るコツってほどじゃないんだけど、風船はトランポリンのように跳ね返るよね。だけど、このゲームでは逆にそれを利用して移動距離を早めることができるんだよ」
「なるほど」
 箒に乗ったミミル先輩のアドバイスを受けて、クロードは障害物である風船に、逆方向からわざと当たってみる。
「――っ!」
 反動とともに加速。
 一瞬で飛距離を縮めたこともさる事ながら、障害物である風船を逆に利用するという意外な発想に、クロードは驚きをあらわにした。

『クロードは箒騎乗の技能レベルが上がった!』

 チャッチャチャラララーン♪
 そんな効果音が鳴り響きそうな雰囲気に、クロードは途方もなく心が沸き立つのを感じた。
 やり場のない震えるような高揚感を少しでも発散させるために、クロードは箒を強く強く握りしめる。
「すごいですね」
 ゴールまでのタイムを少しずつ縮めていくクロードの姿に、オズワルドが驚きを口にした。
 クロードの箒騎乗の腕前に、フィリンも感嘆の吐息を漏らした。


「歓迎会なんて嬉しいなぁ」
 その頃、【シキア・エラルド】は感慨深げに周りを見渡しながらつぶやいていた。
「俺、こういう所、初めてだよ。色んなものが置いてあるんだね」
 シキアは興味深そうに、様々なレジャー施設を探索する。
「折角だし、ミミル先輩が言ってたクレーンゲーム……えっ、音楽ゲーム、あるの!? やる! やる!!」
 『音楽ゲーム』。
 その看板を見た瞬間、シキアは一瞬で音楽ゲームの方へと目を奪われてしまった。
「すごいよね。音楽とゲームが一緒になってるんだよ、これ」
 ゲームの前で、シキアは手を広げて興奮気味に語る。
「しかもダンスで得点を競うんだよ。曲はどれも楽しそうなものばかりだし、リズムも最初はとりやすいし、マスコット可愛いし、文句なしだね」
 シキアは、これから一緒に踊ることになる相棒――黒猫のぬいぐるみをそっと撫でた。
 音楽ゲームは、音楽に合わせてステップを踏んだりするリズムゲームだ。
 曲に合わせてステップを踏んだりすることで、魔法のかかった黒猫のぬいぐるみが一緒に踊ってくれる。
 ステージをクリアするごとに、スピードが少しずつ早くなっていき、得点はステージをクリアする度にモニター画面に表示されていく。
「やっていい? やっていいよね。俺、やるー!!」
 初めてのゲームセンターで、大好きな音楽ゲームを前にして、シキアのテンションはもはや全開になっていた。
「わーい! たーのしー!!」
 曲に合わせて、シキアは軽やかに光るステップを踏んでいく。
 ステージをクリアするごとに、黒猫のぬいぐるみが『にゃー』と鳴いて、シキアのパートナーとしてダンスを披露する。
 次第に早くなっていくリズムに乗って、シキアはくるりとターンをした。
 それは、まるで水を得た魚のように輝かしいダンスだった。
 ステージを上がるごとに、観客達が次第に集まり始める。
「凄いねー」
 箒を置き、休憩を挟んでいたクロードは、その日一番の最高得点を見て驚愕した。
「最高だよ!」
 シキアは曲に身を任せながら、流れるようにステップを踏んでいく。
 そこには、何の迷いもない。
 シキアは自分だけの世界に埋没するように、ゲームにのめり込んでいった。


「あっ、まだ残っているー!!」
 『クレーンゲーム』のコーナーを訪れた瞬間、ミミル先輩は颯爽とゾンビぬいぐるみがあるクレーンゲームへと近づいた。
 そして、まだ、ぬいぐるみが残っていることを確認して、ぱあっと笑顔になる。
「ど、どうすればいい……?」
 フィリンはその時を――そのゲームをする自身の姿を想像する。
 だが、そもそも遊戯全般の経験がなく、『フィリン』が遊んだり、くつろいだりする様子を一切知らなかった。
 ――分からない。
 フィリンの背中を冷たい焦燥が伝う。
「どうかされましたか?」
「そのっ、こういう時……知らな……えと、初めてで……」
 オズワルドは納得したように頷いた。
「そうなんですね。一緒に頑張りましょう」
「……オズワルドさん、ありがとう」
 オズワルドの気遣いに、フィリンはほっと安堵の表情を浮かべる。
 クレーンゲームには、オズワルドとフィリンが挑戦することになった。
 クロードは、ホーキングゲームの近くで三人を見守っている。
「授業で聞いたわ……。いかにもな手掛かりは罠に注意しろ、って」
 攻略法を推測しながら、フィリンはボタンを押した。
 白骨部分は引っ掛けと見て、他にアームが引っ掛かりそうな部位……服の隙間や取れた目の穴等を狙い目と定める。
 フィリンの狙いどおり、アームが動き、ゾンビぬいぐるみの服の隙間を挟む。
 しかし、獲得口にたどり着く手前でアームから離れ、他のぬいぐるみの上へと落ちていった。
「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」
「わわっ! ど、どうしたの?」
 怒り心頭のフィリンを前にして、ミミル先輩は焦ったように声をかける。
 フィリンが口にした言葉は、オズワルド達の想定を越えたものだったからだ。
 そこで、フィリンはハッとする。
 ――また、『フィリン』らしからぬ発言をしてしまった。
「……今のは、気合いを入れるための演技だから」
 フィリンは少しばつが悪そうに、ゆっくりと首を横に振る。
「そ、そうなんだね」
 フィリンの説明に、ミミル先輩がきょとんとした。
「次は、僕の番ですね」
 オズワルドは冷静に目を細めた。
(フィリンさんのおかげで、獲得口の手前という好条件からのスタートですね。恐らく、フィリンさんの読みは当たっていたのだと思います。ただ、アームの力が弱くて、上手く掴むことができなかったのでしょうかね)
 アームとゾンビぬいぐるみの位置の把握。
 オズワルドは正面、側面を観察しながら、ボタンを押す。
 だが、先程と同じく、なかなか獲得口に落ちてくれない。
「このお年玉を使って下さい」
「ありがとうございます」
 クロードから『メメたんからのお年玉』を受け取り、オズワルドはもう一度、ボタンを押した。
「お願いします!」
「お願い……!」
「上手くいって下さい!」
「今度こそ、お願い!」
 それはまるで、祈りを捧げるような願いだった。
 その瞬間、クレーンゲームの獲得口へと視線が集中する。
「おおー」
 ようやく手に入れることができたゾンビのぬいぐるみを見て、クロードは歓声を上げる。
(取ったは取ったものの、あまり自分好みではないですね)
(……グロい)
 獲得口から落ちてきたゾンビぬいぐるみ。
 それを見たオズワルドとフィリンの感想はほぼ同意見だった。
「ミミル先輩、もし良かったらもらって頂けませんか?」
「ほ、ほしいなら……ど、どうぞ……」
「わーい、ありがとう!」
 ゾンビぬいぐるみを受け取ったミミル先輩が喜び勇んだ。
「良かったですね」
 クロードはふっと息を抜くような笑みを浮かべる。
 その様子を見ていたシキアが穏やかに微笑んでいた。

 目標を叶えても、また新たな挑戦が始まる。
 歓迎イベントを終えた新入生達の笑顔は、そんなことを予感させた。



課題評価
課題経験:45
課題報酬:1200
魔法学園の歓迎会
執筆:留菜マナ GM


《魔法学園の歓迎会》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 1) 2019-02-05 00:09:22
初めましての方は初めまして、顔見知りの方はよろしくお願いいたします。
導師・賢者専攻のオズワルド・アンダーソンです。(ゆっくりお辞儀をして)

とくに、相談などをする必要性はない…ですかね。
僕はBでうろうろしてますね。
せっかくなので、クレーンゲームをしましょうかね。

《新入生》 スラフィル・ケーニヒヴルト (No 2) 2019-02-05 00:32:15
やあやあみんな!
ボクはスラフィル・ケーニヒヴルト、賢者・導師専攻のエリアルだよ!
……っていってもほとんど知った顔ばっかりだし、必要なかったかな?

えっと、ボクは今のところAにしよっかな!
可愛いお洋服がないかお店を見てみたいし、ロールケーキが気になるっ!
誰か一緒にボクとお店まわらない?

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 3) 2019-02-05 06:18:46
勇者・英雄コースのフィ、フィリン・スタンテッド…よ、よろしく。
こんなことしてていいのかな…え、ええと…(Bが気になる模様)
その、こういうところ…初めてで…誰か、一緒に助けてくれると、助かると…思う…
(遊びとか全然知らない超生真面目な世間知らずです。お誘いあればそちらに、特にかからなかったらミミル先輩となんやかややらかしてると思います)

《新入生》 リア・カレット (No 4) 2019-02-05 07:19:04
何度か広場で顔を合わせた方もいらっしゃいますが
改めて自己紹介しますね。

勇者・英雄コースのリア・カレットです。

私はAでお店を回る予定です。ちょうどいい機会ですので
衣装店で服を買おうと思っています。

…とはいえ服を買うこと自体初めてなので、
先輩に服選びをお願いして見ようと思います。
もしかしたら一緒に行く皆さんにもお願いするかもしれませんが
その時はよろしくお願いします。

《新入生》 スラフィル・ケーニヒヴルト (No 5) 2019-02-05 08:44:59
>リア
リア、それなら一緒にお店まわろうよ!
一緒に試着大会しようっ!

《新入生》 クロード・クイントス (No 6) 2019-02-05 09:44:02
おはよう。
導師・賢者専攻のクロードだよ、よろしく。

Bへ行こうかな。
クレーンとホーキングをプレイしてみようかと思っている。

《人間万事塞翁が馬》 サティア・ブランシュ (No 7) 2019-02-05 12:28:07
皆さまごきげんよう。
王様・貴族専攻のサティア・ブランシュですわ!
お初にお目にかかる方もどうぞよろしくお願い致しますわね。

わたしもAの方でお店を見て回りましょうかしらね。
春物も見てみたいですし…やっぱりロールケーキは外せませんわよね!

って事でスラフィルさま、リアさま。わたしもお供して良いですかしら…?

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 8) 2019-02-05 17:32:34
皆様、ご機嫌良う。
王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。
宜しくお願い致しますわ。

……御挨拶時点で人数の少ない方に、と考えておりましたが、見事に同数になっておりますわね。
それでは、[Aコース]の方に入らせていただくことに致しましょう。
同じコースの皆様、改めて、宜しくお願い致しますわね。

《新入生》 スラフィル・ケーニヒヴルト (No 9) 2019-02-05 17:34:53
サティア、もちろんだよ! 一緒に行こう行こう!
サティアのこともっと知りたいし、たくさんお話しようね!

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 10) 2019-02-05 21:00:52
挨拶が遅れちゃってごめんね
俺はシキア・エラルド。みんなよろしくね

俺はBにいくよ
折角だからクレーンゲーム…えっ音楽ゲームあるの!?やる!やる!!
…あ、ごめん。ついテンション上がっちゃって

《新入生》 リア・カレット (No 11) 2019-02-05 22:05:39
スラフィルさん>
いいですよ、一緒に行きましょう。
ふふっ、試着大会…楽しみです。

サティアさん>
もちろんです、一緒に楽しみましょう。
サティアさんも試着大会、ご一緒にどうですか?

《人間万事塞翁が馬》 サティア・ブランシュ (No 12) 2019-02-06 00:51:01
>スラフィルさま、リアさま
えへへ、よかったぁ。お聞き届けいただき感謝いたしますわ。
試着大会、ぜひわたしも参加させて下さいな!

《新入生》 スラフィル・ケーニヒヴルト (No 13) 2019-02-06 12:46:56
>リア、サティア
試着大会で楽しんで、気に入ったお洋服のお買い物!
終わったら先輩お気に入りのロールケーキを食べに行こうよ!

それでよければ、ボクたちのタグは【試着ロール】!
初めに【試着ロール】を書いてからプラン提出してね♪
そーすることで、GMさんが「この人たちは一緒に行動してるんだな」ってわかるはず!

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 14) 2019-02-06 18:10:44
>Aコースの御三方
私は『クイドクアム』の中を色々と見て回るつもりですから、コースは同じですが別行動、ということになりますわね。
母方が商家の出ですから、此方の「巨大商店」そのものに興味が有るのですわ。
ただ、どこかですれ違う可能性は有ると思われますから、その時は御挨拶させていただきますわね。

《新入生》 スラフィル・ケーニヒヴルト (No 15) 2019-02-06 23:03:27
もしウェルカがいいなら一緒にまわりたいけど…
ウェルカは色々見てまわりたいんだよね

《新入生》 クロード・クイントス (No 16) 2019-02-07 06:14:02
おっといけない、うっかりしてた。
クレーンとホーキングだとダブルアクションになってる、ゾンビ人形はお任せするとしてホーキンを楽しむ事にするかな。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 17) 2019-02-07 18:43:24
>スラフィル様
そうですわね。
「やりたいこと」が「施設への興味」と、今後の生活に於いて御世話になる可能性の高い「此方の御店」の「売り場等の場所の把握」ですから、ある程度回れると嬉しいですわ。
あと、申し訳御座いませんが、人前で着替えは……。
([生誕:肉体的な面でコンプレックスがある]の影響ですわ)。


ただ、何処かで一度、「纏める為の休憩」は入れるつもりでおりますから、宜しければ、[ロールケーキの御店]の方で合流させていただくことは可能でしょうか?
御検討いただけますと、幸いですわ。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 18) 2019-02-07 23:38:29
Aに向かう方は楽しそうですね。(微笑ましく見守りながら)

せっかくなので僕はBに行く方に声をかけて回っていこうかな。
もしよければ、一緒に遊びませんか?なんて。
クレーンゲームに行ってみようと言ったものの、取れる自信がないもので…