あそびかた!
①イベント内容を確認する!
本イベントの開催期間中、「
鬼面:墜悪」が広場のTOPページに常駐しています。
鬼面の目的は「高級
カカオポッド」を捕まえる事にあるようです。
皆様には、「行動」・「発言」・「アイテムの使用」を、ミニプランとして広場でご発言頂きます。
皆様の広場発言に応じて、イベントが進行いたします。進行内容に関しましては、
1日1回の定期・不定期に更新される、公式NPC・イベントキャラの発言でご確認いただけます。
②「広場」にてイベント状況を確認する!
毎日0時前後、公式NPCである「
サラシナ・マイ」が、現在の状況に関して広場で発言します。
発言内容は、主にこれまでのプレイヤーキャラクター達の行動や、
イベントキャラクターの行動値に関する説明になります。
不定期に「イベントキャラ」が広場内で発言を行う事により、状況が進行する場合があります。
各種イベントに関わる発言は、発言の冒頭に添えられる、
【#華鬼】というキーワードで確認できます。
③「広場」にて発言を行い、イベントに参加する!
広場で発言する際に、発言の冒頭に【#華鬼】というキーワードを添えることで、
イベントに参加する事ができます。
行動の成功率に応じて、イベント状況が変化する他、イベントに大きく影響する行動を行った際には、
後日行われる全校集会にて特別なボーナスが発生する場合がございます!
広場の発言を通して、下記の行動を行う事が出来ます。
・戦闘行動(消費行動値:3)
鬼面に攻撃を加える、など、「対象を定め攻撃する」行動を行う事ができます。
行動の成功率を高めるために、職業技能や種族特性、アイテムを使用することも可能ですが、
効果を逸脱した使用方法は行う事ができません。
・支援行動(消費行動値:2)
仲間を支援したり、援護する形で協力する など、
「対象とその対象が行う行動」を指定し協力する事ができます。
行動の成功率を高めるために、職業技能や種族特性、アイテムを使用することも可能ですが、
効果を逸脱した使用方法は行う事ができません。
・自由行動(消費行動値:1)
鬼面やカカオポッド、仲間達の行動に直接影響を与えないものの、
周辺状況を調べるなどの行動を行う事ができます。
行動の成功率を高めるために、職業技能や種族特性、
アイテムを使用することも可能ですが、効果を逸脱した使用方法は行う事ができません。
・特別なアイテムの使用(消費行動値:なし)
今回のイベントで特別な効果を発揮する、
「
オニマメ」/「
バレンタインチョコ」/「
ホワイトデーチョコ」を使用する際には、
【通常の行動とは別】に、アイテムの使用を宣言する事ができます。
宣言後、下記の効果が発動されます。
アイテムに特別な記載のある物を除き、下記のアイテムに限り、
【所持者以外のキャラクターを対象】に使用する事ができます。
下記アイテムは、【所有数×1回】のみ、【1日に3つ】までしか使用できません。
④「ツイッター」にて、「リツイート」または「いいね」をする!
下記に記載された対象ツイートを、「リツイート」または「いいね」する事で、
広場に希望の力がたまります。
溜まった希望の力は、対象ツイートの
「RT数+いいね数」=「希望力」に応じて、
イベント期間中最大3回まで、広場に特殊な影響が発生します!
対象ツイート① :
こちら !
対象ツイート② :
こちら !
対象ツイート③ :
こちら !
※対象ツイートは随時更新されます。
※希望力30、80、150で、それぞれ特殊な影響が発生します。
⑤イベント結果に応じて、豪華報酬をゲット!
イベント期間終了まで、「カカオポッド」を守りぬきましょう!
見事達成すると豪華報酬をプレゼント!
>>>報酬内容はこちら!
プロローグ
遠目で見れば少年だ。
近くによってしかと見て、やっぱり少年だよねと十人中、まず十人が思うことだろう。
「なあお前……オレの顔になんかついてるか?」
けれど射るような目でこちらを見すえ、軽く顎を開けた『少年』の声は、ややハスキーながらたしかに『少女』のそれなのだった。
手にグローブへそ出しTシャツ、丈の短いホットパンツ、ぱりっと頭に巻いたバンダナ、グラマーな女子が着ればそれこそピンナップにして刷りたいくらいの出で立ちだが、彼女にそんな印象はない。
よく言えば健康的、言い方を変えればボーイッシュ、多少意地悪に言えばワンパク坊主風の少女は、名を【
サラシナ・マイ】という。
●ご報告
午後の学園、その長い長い廊下の途中。
「にゅふふ」
不穏な声を聞き、マイはある一室の前で足を止めている。
にゅふふだ。たしかにそう聞こえた。
液状のスライムが壁を垂れ落ちてくる効果音に使いたくなるような声ではないか。
(ってことは、この部屋か)
思ったときにはもう、マイはドアを開けている。
案の定というか、なんというか。
にゅふふの発生源は、こちらに背を向けたとんがり帽子……学園長【
メメ・メメル】が発したものだった。
「……学園長」
「おお、マイたん!」
メメルはぐるりと全身で振り返り、子どものような笑顔を浮かべる。
「それ、毒薬を作ってる悪い魔法使いそのもの、って感じっすよ」
「もぉ~マイたんのジョークは相変わらずキツいんだからぁ~☆」
ジョークも何も見たままの感想を述べただけ……なんて正直に伝えても、このフリーダム合法ロリに想いが届くことはないだろう。
実験室のひとつらしい。壁に濃い紫の幕が張り巡らせ、一人用の風呂釜くらいありそうな壺が、火にかけられた状態でメメルの背後に置かれていた。もちろん、まぜまぜする用のバカでかい木べらもセットだ。
マイは適当に相づちを打つと、メメルの傍まできて、彼女がかき混ぜている壺の中身をのぞき込んだ。
「これがあの?」
「ああ、例の『成長液』だ。もう春だからな!
綺麗な『満開桜』のために、こうして魔力を込めているのだ!」
「……なるほど」
マイは、目の前で練り込まれている七色の液体を見つめる。
様々な素材が込められた魔法の液体が、じっくりと煮詰められているようだ。表面にはときおり、小さな気泡がコポコポと吐き出されている。
メメルは木べらを手に取り、鼻歌混じりにゆったりと液体をかき回しはじめた。
晴天のもと沖に出る船頭のよう、人生順風満帆といった表情だ。
十秒後、校長はどんな表情を見せるだろうか。
想像したくはない。だが、女にはやらねばならぬ時がある。
マイは小さく深呼吸をすると、気まずそうに声を上げようとした。
「あの」
「そういえばマイたん? 『アイツ』の方はどんな様子だー?
そろそろ散歩でもさせてやらないとな♪ ストレスが溜まって逃げ出しでもしたら大変だ!」
正に今。これ以上にない最悪のタイミングで、問いかけられてしまった。
「……あー散歩、っすか。良いっすよね散歩」
「ん~? どうしたのだマイたん? マイたんが目を泳がせるなんて珍しいゾ☆」
「まぁ、その……なんと言うか、散歩。っすよね? 『カカオポッド』の」
「うん、そうだぞ~?」
マイは思案しつつ頬をかいていたが、覚悟を決めて言葉を紡ぎ出す。
「飼育場から散歩に出かけました。……1人で」
「む~?」
しばしの沈黙。
「それはつまり……?」
「脱走……ってヤツっすかね」
「ほーーーん」
メメルの手は止まらない。
だが、薬をかき混ぜるその手は、なにかを言いたげにグルグルと加速を続けていた。
●見つけ出せ! 脱走チョコ!
それから数時間後。
マイは広場を通りかかる生徒に、片っ端から指示を出していた。
その様子が気になった1人の新入生は、何かあったのかと問いかける。
「ああ、丁度良い。悪いが、少し頼まれて欲しいことがある」
普段クールで斜に構えたようなところのあるマイが、こうして頼みごとをするのは珍しい。
「カカオポッドって知ってるか? ああ、それだ。『生きたチョコレート』って呼ばれてるアイツだよ」
カカオポッドとは原生生物だ。成体では成人男性ほどの大きさにまで成長するという。
その生態にも謎な部分が多い。ただ確実に言えるのは、この生物がカカオを食し、体内でチョコレートやカカオを生成するということである。
なぜか市販のチョコレート同様の包装紙的な何かを身にまとい、汗の如く周囲にチョコレート状の液体を垂れ流しながら跳ねる様は、お世辞にも綺麗とはいえない。
しかも成長率によるとはいえ、倒せば製品として販売できるようなチョコレートが飛び出すこともあるというから驚きだ。
ちなみに体内で生成されたこのチョコレートは、味や栄養価などの面からも非常に質が良く、2月には商人による狩りが行われて、店の店頭に並ぶことも多いという噂だ。
「んで、そんなカカオポッドの中でも長い間栄養を蓄えた個体は、
『高級カカオポッド』と言われ、収穫できれば料理で再現する事が難しいような、
チョコレートが取れるってんだ」
マイの話を黙って聞く新入生たちであったが、カカオポッドの話と手伝ってほしいことにどう関係があるのか、いまいち得心できずにいた。
「結論から言えば、高級カカオポッドを捕まえるのを手伝ってほしい」
マイの表情からは、普段以上に真剣味が感じられる。
だが、カカオポッドの繁殖期はそれこそ2月のはずだ。今はもう春の4月。一体どこを探して捕まえればいいのかと、新入生は当然といえば当然の質問をした。
「方法? 簡単だ。ほら」
マイは指さす先は床。よく見れば、茶色い液体のようなもので汚れていた。
周辺の壁にも、同様に茶色のシミが沢山飛び散っており、そこからは仄(ほの)かに甘い匂いが感じられる。
「カカオポッドは学園内を逃げ回っているから、くまなく探してみてくれ。
結構逃げ足は早いし、チョコは滑るから油断しないように」
そうマイが言った傍から、ぎゃあああ!? という声が遠くの廊下より響いてくる。
まもなく、まるで泥に頭から突っ込んだような、チョコ人間と化した元ヒューマンの生徒が姿を現した。
「相手も逃げるのに必死だからさ。気を付けてくれ」
とても1人でどうにかできる状況ではない。新入生は他の生徒達にも協力を求め、仲間を集めることにしたのであった。
●活気と喝鬼のハザマで
「オオオオォォォ……!」
地鳴りのような低い唸り声が、学園内の森にこだまする。
この時間、この森で授業や活動は行われていない。
また当然、今このおどろおどろしい声を発した『鬼の面』のような生物が、生息しているという事実もない。
今この場所で、怒りや怨念に満ち満ちた産声と共に、体長3mほどの『そいつ』が誕生したのである。
「ふふっ。良い状態ですね」
自分自身の魔法の成功を確信してか、黒いローブを身にまとった何者かは、嬉しそうにそう呟く。
「さぁ行きなさい。『墜悪(ついあく)』よ。ヤツを捕らえ、ここに連れてくるのです。あのチョコに宿る魔力は……私のものだ」
「オオオォォォ……」
命じられるままに。
ゆらりと、亡霊のように動き出した鬼面は、魔法学園へと迫りつつあった。
迫り来る鬼の呻き声。
走り回る大勢の生徒の靴音と、廊下にこだまする無数の悲鳴。
その狭間で、ぴょんぴょんと跳ね続けるカカオポッドは、ひたすらに自由を求めて甘い汗を流していた。
追え! カカオポッド!
味わえ! 甘い罠(?)
そしてまさかの鬼退治……!?
甘くてちょっとおっかない、追走劇がはじまろうとしている!!
執筆:
桂木京介GSD、
pnkjynpSD