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あっちの世界はどんな世界?



ストーリー Story

 日没、シュターニャの寂れた裏路地。

「そこのお客さん、ちょいと見て行かないかね」
 70歳の鷲鼻の年老いた男性が、通行人を見掛ける度に声を掛けていた。
「この魔法のトランクは、沢山物が入ってな……じっくりと見ていかないかね」
 通行人が立ち止まると、男性は嬉々と魔法のトランクを開け、中に収まっている様々な商品を披露する。
「儂のことは好きに呼んでくれていい。ジジイでもじーさんでも……一応、名無しの商人と通しているがね。少しばかり危ない物を扱っている故、本名は勘弁してくれんかね」
 男性はにやりと口元を歪めた。よく見れば、明らかに非合法な物がトランクのあちこちに見える。
「お客さん、こんな事は想像しないかね? こっちとは違う世界があるのではないかと。辛い運命に苦しんでいる自分とは真逆の幸福な運命に歓喜する自分がどこかにいるのではないか、あの時選ばなかった選択を選んだ自分がどこかにいるのではないか、逆の性別で幸せに生活する自分がいるのではないか、違う名前で呼ばれている自分がいるのではないか、魔法とは違う技術が発達した世界があるのではないか」
 名無しの商人は、唐突に妙な事を口走り始めた。
「それが見られるのが、この魔法を込められた紙切れ1枚。開いた瞬間、魔法が発動し、紙にどこかの映像が映るそうさ。魔法の存在する世界だからあり得てもおかしくはないだろうがね。これも何かの縁、無料でいいが、どうだね?」
 存分に客の好奇心を刺激した上に、『折り畳んだ紙』を1枚取り出し追い打ちを掛ける。
「ただ、あっちの世界が本当に存在しているかは、うやむやで頼む。種明かしはつまらんからな。紙を開くのは、家に帰ってからゆっくりと頼むさ」
 名無しの老人は、肩を竦めいやらしく口元を歪めて肝心な事は言わないままである。
 客達の反応はというと、詐欺だと言って受け取らぬ者もいれば、好奇心から受け取ったりと様々であった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-07-22

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2019-08-01

登場人物 8/8 Characters
《勇往邁進》オリヴァー・アンダーソン
 ローレライ Lv14 / 武神・無双 Rank 1
「あいつを殺す、邪魔はするな」 出身:北国の有力貴族の生まれ 身長:186㎝ 体重:80前後 好きな物:戦争、酒、チェス 苦手な物:__ 殺意:弟→無し 補足:大きな期待を受けた男は一人の男によってあっさり見棄てられた。 傲慢な男は氷のような外道だった。 補足②:斬れば早いと思ってる脳筋であり、 冷酷かと思いきや実はツンデレで心配性なところがある、ガッカリしてくれ。 補足③:彼は思う以上に不器用な男であり、 褒められたがりな所がある。
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《ゆうがく2年生》アリア・カヴァティーナ
 アークライト Lv14 / 村人・従者 Rank 1
 幼い頃から聞かされてきた英雄譚に憧れて、いつしか勇者さまを導く人物になりたいと願ってきた。  その『導き』とはすなわち、町の入口に立って町の名前を勇者様に告げる役。  けれども、その役を務めるということは、町の顔になるということ。この学校でたくさん学んで、いろんなことを知ることで、素敵な案内役になりたい!  ……それが自分の使命であると信じて入学したけれど、実のところ勉強よりも、花好きが高じた畑いじりのほうが好きだったりする。そのせいで、実はそこそこの力持ちだったりする。  たぶん、アークライトの中ではかなり変人なほうなんだと思うけれど、本人はあんまり気にしていない模様。  基本的に前向き……というか猪突猛進なところがある、かも。
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《神(仮)》ゼクト・ゴッドマイヤー
 アークライト Lv13 / 教祖・聖職 Rank 1
【外見】 超絶美形のお兄さん 藍色の髪にウェーブセミロング 両目共に青 右目の下に泣きぼくろがある 細マッチョな理由は神だから鍛えないと皆の願いが叶えられないから 【性格】 自分のこの美貌、最早神だと思ってる 偉そうでナルシスト だけど皆の幸せを常に考えている 争いも嫌い 自分は神だから下々の願いを聞いて叶えてあげる義務があると思い込んでる 自分を信仰してくれる人達にひたすら優しい あと声がでかくオーバーリアクション気味でよく劇団の人に間違えられる 【入学理由】 教祖を履き違えており、教祖というか神になりたがってる 自分の「ゼクト教」の教えを説く為に日々奔走中 ちなみにゼクト教の教えは 1、皆仲良く 2、楽しく 3、自分を崇めて だけである。 『背後理由』 神になれそうな美貌もあり、力も恐らく手にいれた(アークライトになれたから)後は信仰してもらい、自分が死ぬ事で神としての自分を全うできると考えている。 その為にも教祖としての勉強が必要だった。 ※アドリブ絡み大歓迎!
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」

解説 Explan

 名前、性別、外見、年齢、出自、どのような世界に住んでいるのかなど、あっちの世界の自分を自由に設定して、こっちの世界の自分との違いに驚いたりがっかりしたり楽しんだりと映画を見るが如く満喫して下さい。
例)こちらでは、中流家庭に生まれた17歳の眼鏡をかけた引っ込み思案な女子学生花子だが、魔法より機械が発達したあっちの世界では行商人をする17歳の陽気な青年型アンドロイドの花緒。


作者コメント Comment
 魔法の紙切れを使い、あっちの世界の自分を見て、驚いたり笑ったり親近感を抱いたりと自由に楽しんでみて下さい。


個人成績表 Report
オリヴァー・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
嗚呼実にくだらない。棄ててやるよこんなもの。
そういいつつも受け取り、自室に持ち帰り、何となく開いてしまう。

世界がどんなものか判断は出来ない。
何故なら青い空に白い雲、緑色の絨毯、それだけだ。
しかし、何一つ装備を持たず
オリヴァーは、少し幼さが顔に残った弟の、大きく広く伸ばした手を取り、野を歩いている。
2人はとても楽しそうで、弟は兄に幸せそうに笑顔を見せ、兄は少し照れくさそうに微笑んでいる。
その世界は2人のように争いの無い平和な所なのだろう。

オリヴァーにとって、それは吐き気を催す物だった。

この先弟と手を取り合うことは二度と無い。が、
もし、弟を殺すなんてことを考えなかったら…

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
今迄の人生に特に不満はなくそれなりに楽しんで生きてるが、それはそれとして『IF』は誰しも気になるもの。
早速、例の紙を手に俺の部屋で友人のゼクト、シキアと共にそのIFを覗く。

『幼少期、山賊に村が襲われず連れ去られなかった場合の現在の自分を知りたい』

霞んでよく思い出せないが、名家に産まれた記憶はある。
繰り返し『アーヴィング家の名に恥じぬ軍人となれ』と言われ、自分の名前は忘れてもアーヴィングという一族の名は覚えていた。

これは出生を知る手掛りを得るチャンスでもある。
一体俺は何者だったのだろう。


大丈夫だとは思うけど、友人が取り乱す事態になれば【人心掌握学/心理学/会話術/演技/説得】で宥め落ち着かせる。

アリア・カヴァティーナ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
わたくしは今幸せですし、「もう一人のわたくしも幸せに違いありませんわ」と信じて紙を開きますわ!
でも…映ったのは痩せ細って虚ろな目をした、武器を手に廃墟に身を潜めて毎日を過ごす少女でしたわ!
ご老人の話が真実ならば、それがわたくしのはずですけれど…全くピンと来ませんわ?

でも、ずっと見ていると…ある事に気付いてしまいましたわ…!
彼女は毎夜、うわ言のように「今日は○月○日」と呟きますの!
今、毎日広場で日付の変わり目をお伝えしているわたくしと同じですわ!

そんな中、彼女は敵に撃たれて殺されてしまいますの…ですのでわたくしは誓いますわ!
わたくしは、もう一人のわたくしの分まで幸せに、日付を数え続けますわ…と!

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
へぇ…!異世界の自分が見られるんだって
どんな魔法なんだろう、みんなの世界は?

ひとしきり友人(ゼクト君とプラム)の世界を覗いた後に自分も見る
あはは、もしかしたらもっとほかの勉強をしてたりして…

映像の内容
「家出せずにそのまま実家で成長
並行世界の学園で過ごしている姿」

今と違う、髪を伸ばした状態
今以上に中性的、というよりやや女性的にすら見える
服装も露出がないローブ
映像の中の「自分」は微笑みながら誰かに手を差し伸べている
相手は何かに困っていたようで、その手助けをしていた模様
目に今のシキアのような輝きはなく、人形のように無機質
彼がどこかに行こうとした時、映像の中の誰かが彼を呼びとめた

「×××××様」

ゼクト・ゴッドマイヤー 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
ふむふむ、面白い紙だね!
別の世界の私…正直まだ半信半疑だが
覗いて見ようではないか!

『IFの世界』
自分が覚醒しなかった場合の世界
神様としてではなく、普通に人間として生きて普通の寿命をまっとう出来る世界
神様として、不特定多数に捧げる博愛ではなく
一人の人間として一人を愛せた世界の話し

『映像』
いつもの様な自信満々な感じではなく、自然な感じで笑っている
一人の女性との結婚式をあげ、幸せそうに笑っている
周りも信者の様な人達ではなく、普通の友人達の様にはしゃいでいる

『反応』
他の二人が取り乱す様な事があれば

「深呼吸しよう。大丈夫、これは現実ではない。君は私の友人◯◯だ。」

と気づくまで声をかけて背中を擦る

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
別の世界の自分の姿がみえる紙、ねぇ。ふーん。
ザコちゃんはザコちゃん。見たからって見なかったからって、今この場にいるザコちゃんに影響が出る訳じゃなし。何も変わりはしないんだけどさぁ。
てか、なんせよ、こんな紙を無料で配り周り配布してるの謎くない?なんでなんだろーね。そーいう思想宗教の一貫だったりすんのかな。
なんでもいーけど。貰ったからには捨てる前にチラ見するけど。

…とはいえ。
有り得た世界の映像として。目の眩むようなものを見せられてしまえば。
悔やみはしない。何も生み出さない。
焦がれもしない。現状とあの時の否定にしかならない。
それでも、あの時の自分にはその選択肢が見えていなかった事実を、思う他はなく。

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
帰ってきたのか?
それとも幻覚か?
・・・いや、もう一人のオレを見てるってことはIfの世界かなんかを見てるんだろう・・・

とりあえずはだ、仮初だったとしても週間少年ジャンピングとかのマンガだったり、チェックしてたアニメとかを見なくちゃ!

もう一人のオレ?んなもん見てても面白く・・・面白いかもしれないだろうけど所詮はオレ、たいしたことしてないでしょ

あるとすれば人間関係が変わってることぐらいか?
まぁ、そんなの確認してもホームシックにかかるだけだしいらん事考えるだけだからなー
それならきになってた作品チェックして少しはそういうのスッキリさせておきたい

まぁ、完結してなかったらあんまり変わんないだろうけどね

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
僕に見えるのは、魔法が基本存在しない異世界にいる自分です
性別も年齢も性格も違えば、武力も魔力も持ってない、代わりに想像力と創造力を持った、眼鏡の女性です

何かを書いている姿のその人と、目が合います
どうやら、その人が書いているのは、村出身のゆうしゃ候補の少年キャラクター、つまり
僕のことみたいです

もしかしたら、彼女は僕になりたいのかもしれません
紙の向こうに話が通じるなら、こう言いたいです

「人は誰にでもなれます
僕はゆうしゃを目指しています
ともに頑張りましょう」

桃山 令花 22歳 三つ編みにメガネの女子大生
双子の和樹と正反対の地味な性格
魔法が基本ない世界に生まれる
作家を夢見るが、親の薦めで役所を受験し、内定済

リザルト Result

●第1章 兄と弟
 薄暗い頃、魔法学園フトゥールム・スクエアの寮、廊下。
「嗚呼、実にくだらない」
 【オリヴァー・アンダーソン】は吐き捨てるように言いつつも、魔法の紙は手にあった。
「棄ててやる、こんなも……」
 そして、自室に入るなりすぐに棄てようとするが、手が動かぬどころか何となく開いてしまった。

 開いた先に広がるのは、白い雲が流れる青い空と果てしなく続く緑色の絨毯だけが存在するほのぼのとした世界。
「……世界がどんなものか判断は出来ないな。というか、なんだこれは」
 風景だけでは、どのような存在か判断出来ず、オリヴァーは訝しむばかり。
「……この声は」
 ふと、オリヴァーのよく知る二人分の笑い声が、草原の向こうから聞こえて来た。
「……俺とあいつか」
 現れたのは、少し幼さが顔に残った弟の大きく広く伸ばした手を取り、草原を歩く何一つ装備を持たぬ別世界のオリヴァー。
「なんだこの吐き気をもよおす光景は」
 別世界の自分を視界に入れた瞬間、オリヴァーは一層不愛想になり、口にする言葉は聞くも明らかな憎々しさ。
 紙の向こうの兄弟はとても楽しそうな様子。弟は兄に向かって幸せそうに笑顔を見せ、兄は少し照れ臭そうに微笑む。
「俺とあいつが手を取って、仲良しこよしに笑顔だと……反吐が出る」
 両親の注目を浴びる弟を心底憎むオリヴァーは、忌々しげに吐き捨てる。
 紙の向こうの世界では、弟は楽しそうに流れる雲を示し、あれに似ているこれに似ていると楽しそうに話し掛け、兄も優しい顔で応じ、雲を示して笑う。
 こちらとは違い、喧嘩などの争いとは無縁の平和な世界。
「……この先あいつと手を取り合うことは二度と無いが、もし、殺すなんてことを考えなかったら……」
 別世界の自分の優しい笑顔を見ている内に、オリヴァーは思わず考えてしまう。
「……俺とあいつはこの光景のように仲良くなっていただろうか?」
 別の未来があったのではと、自分が弟の誕生日に毒を盛り殺そうとする事も、弟に恐怖を抱かせる事も無く、共に学園で学び笑い合っていたのではと。

●第2章 三者三様のもしも
 魔法学園フトゥールム・スクエアの寮、廊下。
「……面白そうな紙だね! 別世界の私が見られるという点は……正直半信半疑だが」
 【ゼクト・ゴッドマイヤー】は、貰った魔法の紙切れをまじまじと見ながら友人達に言った。
「確かに。異世界の自分が見られるとか、どんな魔法なんだろう」
 楽しい事が好きな【シキア・エラルド】も魔法の紙切れに興味津々の様子。
「まあ、『If』は誰しも気になるもの、今迄の人生に特に不満はなくそれなりに楽しんで生きていてもね」
 【プラム・アーヴィング】は、規律ある生活から解放された今を満喫中なのだ。
「早速、俺の部屋で覗こう」
 プラムの提案で、場所を変えた。

 プラムの自室。
(可能なら、山賊に村が襲われず連れ去られなかった場合の現在の自分を知りたいな)
 プラムが魔法の紙切れに思うは、今の自分を決定づけた幼少期の出来事。
(霞んでよく思い出せないが、名家に産まれた記憶はある……自分がアーヴィングという一族だと)
 繰り返し『アーヴィング家の名に恥じぬ軍人となれ』と言われ、自分の名前は忘れても覚えていたのだ。
(これは出生を知る手掛りを得るチャンスでもある。一体俺は何者だったのだろう)
 プラムは回答を求め、魔法の紙切れを開いた。

 現れたのは、軍人国家の参謀本部。
(……顔に面影はあるが、幼少期の栄養状態や運動量による差異か、俺が振る舞いを寄せたとしても同一人物とは気づけないだろう)
 幾人かの軍人に紛れて、別世界の自分がいた。面影ある顔以外は、蠱惑さを持つ細身のプラムとは正反対に高身長で筋肉質のいかにも軍人な風貌で振る舞いも男らしい。
(山賊に襲われたあの村は疎開先で、軍人貴族の生まれ……)
 飛び交う情報から、自身の出自を知る。
(……ディック……それが、俺の名前……)
 プラムを釘付けにしたのは、同僚が呼ぶ別世界の自分の名前。
(……命の価値を均一視し、虫を潰すように人を殺す、か)
 己が立案した策で蹂躙する命に、ディックは恍惚な表情を注ぐ。
「なんだ、俺は元から……」
 その顔を見て、プラムは理解する。
(きっと子供が遊びでアリの巣を潰す感覚のソレだ)
 世界を違えたとしても内包する異常性は変わらないと。

「ディックって、可愛くねぇ名前」
 紙を閉じたプラムの開口一番は、自身の名前。
「君が何者であっても私は君の友人だよ、プラム君」
 ゼクトは笑顔で伝えた。自分にとって、友人は『ディック』ではなく『プラム』だから。
「それに……あれはほとんど別人だ」
 ゼクトは当然のツッコミも忘れない。
「本当に別人だったね」
 シキアも笑いながら続いた。
「確かに自分とはいえ、俺があれを真似するのは無理だ」
 プラムは、いつもの微笑で返した。

「次は私の紙を覗いて見ようではないか!」
 二番手として、ゼクトが大袈裟に魔法の紙切れを開いた。

 紙の向こうに現れたのは、めかし込んだ別世界のゼクトと華やかなドレスを纏った女性。
 二人の周りには、笑顔や幸せに涙ぐむ顔でいっぱいだ。
(……これは私の結婚式か)
 ゼクトは、別世界の自分達の格好と周囲の話し声から状況を察した。
 別世界のゼクトは愛しき花嫁の手を握り、幸せに満ちる笑みを浮かべる。こちらのゼクトとは違い、自信満々さはなく自然にこぼれる笑顔。
 二人を取り囲む友人と思われる人達は、心の底から祝福しはしゃいでいた。
 別世界のゼクトは、幸せを確かめるように花嫁の顔を見たり友人達に今の幸せを語ったりと、神でも何でもなくただの人間として不特定多数に捧げる博愛ではなく、一人を愛し精一杯生を全う出来る世界に生きていた。

(そうか、人一人を愛せた世界の私か……私は神様だからね、一人に愛を捧げる事は出来ない……置いていく事になるから)
 見終わったゼクトは、胸中で呟きながら魔法の紙切れを折り畳む。
「正反対だね」
 プラムは、年相応の好奇心を垣間見せた。
「あぁ、神ではなくただ一人の人間の自分」
 ゼクトの脳裏には、先程見た別世界がいまだ鮮やかである。
「幸せそうだったね」
 シキアは、友人の幸せな別世界に嬉しそうに言った。
「あぁ、幸せそうに笑っていたな。例え別世界の私だとしても良かった……私はこの未来が見れて満足だよ」
 ゼクトは穏やかに笑んだ。

「最後は俺だね。二人の別世界から考えると、もしかしたらもっとほかの勉強をしてたりして……」
 シキアはころころと笑いながら、紙を開いた。

(別世界の自分も学園に入学したんだね)
 紙の向こうに現れたのは、見覚えのある校舎。
(……あれが俺かな……)
 別世界のシキアは、髪を伸ばし中性的を越えて今以上にやや女性的で、服装も露出が無いローブと大人しい物だ。
(……人助けをしているみたいだけど……何か……)
 何やら困り事を抱える生徒に微笑みながら手を差し伸べ、手助けをしている模様。
(……人形のようだ……)
 今のシキアとは違い、目には輝きはなく無機質。
 別世界のシキアは、手助けを終えどこかに行こうとする。
 その時、誰かが様付けで別世界のシキアを呼び止めた。
「!!」
 声は周りの喧噪で聞こえなかったが、口の動きでシキアには十分に伝わった。
「その名で呼ぶな!!!」
 呼ばれたのは自分ではないのにシキアは叫び、魔法の紙切れを乱暴に投げ捨てた。
「俺は違う!! 違う違う!! 俺はシキアだ、こんなの俺じゃない!」
 そして、シキアは頭を抱えた。紙の向こうは家出をせず、実家で成長し学園に通う別世界であり、シキアにとって学園に逃げる程なりたくない自分の姿。
「あんなの嫌だ俺じゃない、俺がいない」
 体を震わせ、ひどく錯乱する。
「ちがう、シェルシアじゃない、それで呼ぶな!!」
 シキアが口にしたのは、誰かが呼んだ別世界の自分の名前だ。それこそがシキアの本当の名前。
「シキア」
 プラムはシキアの乱れた心を読み、名を呼ぶ。
「俺は絶対にならない!! オズにはならない!!」
 しかし、トラウマに呑み込まれているシキアの耳には届かない。
「俺の目を見て! あれはただの『If』、君とは違う」
 プラムは、なおもシキアの心を掴み宥めようとする。
「そうだよ、現実ではない。ほら、深呼吸しよう。シキア君はシキア君だよ。明るくて音楽が好きな私の友人だ」
 シキアの心を読むゼクトは、少しでも落ち着けばと、背中をさすった。
「……それに私はフトゥールム・スクエアのシキア・エラルドしか知らないからね」
 ゼクトにとっての友人は、『シキア』であって『シェルシア』ではない。
「…………誰にも言わないで……シキアって、呼んで……今はそれだけでいいから」
 心底気遣う友人達の声に我に返るも、抉られた心の傷がまだ痛むのか、シキアの顔色は悪かった。

●第3章 前へ
 薄暗い頃、魔法学園フトゥールム・スクエアの寮、自室。
「プラムさんたち、一緒に見ようと話し合っていたなあ……僕も友達が欲しいなあ」
 【タスク・ジム】は、自室に戻る時に見掛けた魔法の紙切れを貰った生徒達の立ち話を思い出し、誰かと共有する時間を想像してしまう。
「……僕は孤独だ」
 切実な思いと共にタスクは、魔法の紙切れを開いた。

 広がるのは、どこかの世界の家の部屋。
「……部屋の様子から魔法は基本存在していないのかな、この女性が異世界の僕……」
 タスクは、室内や物書きをする自分の面影を持つ三つ編みに眼鏡を掛けた二十二歳の学生らしき女性を観察する。
 ドアが開き、手紙を持つ青年が現れた。
「あっ、同じ顔」
 タスクはその顔に驚いたが、よく見ると地味な性格をした彼女とは正反対の明るさを持っていた。
「……双子の弟の和樹なんだ」
 青年は手紙を女性に渡してから部屋を出た。その際のやり取りから、タスクは青年の名前を知った。
「……桃山令花。それが異世界の僕の名前」
 タスクは、手紙の宛名から彼女の名前を知った。
「内定を受けたのに……」
 令花は、親の薦めで受けた役所の受験に合格し貰った内定を歓喜無く確認してから、書き物に戻った。
「……村出身のゆうしゃ候補の少年……僕のことみたい。彼女は僕になりたいのかな」
 作家を夢見るらしい令花が綴る書き物の内容が映された。
(姿が違えば、武力も魔力も持ってない、代わりに想像力と創造力を持っていて……そして僕と同じように孤独だ)
 タスクは、令花が抱える孤独を読み取った。
 ふと令花が書き物の手を止め、顔を上げる。
「……もし、紙の向こうに話が通じるなら」
 その目を見るタスクは、令花に声を掛けた。
「人は誰にでもなれます。僕はゆうしゃを目指しています。ともに頑張りましょう」
 掛けずにはいられなかった。自分と同じだから。
「……紙を貰った皆、それぞれの異世界の自分を見たはず。皆で紙を持ち寄り、その数だけの異世界人を一同に集めて、即興の物語を作ったら面白いかもしれない」
 切ない気持ちを振り切るため紙を閉じて、タスクは何か楽しい事を考える。
「……明日、他の仲間に勇気を出して声をかけてみよう。小さい頃、『いっしょにあそぼ』の言葉で友達になれた時に戻ることこそが……今の僕が前に進むために必要な事だから」
 真っ直ぐに前を向いた。

●第4章 今日は……
「わたくしは今幸せですし、もう一人のわたくしも幸せに違いありませんわ」
 前向きな【アリア・カヴァティーナ】は、別世界の自分が幸せであると信じて、魔法の紙切れを開いた。

 泥沼の内戦中のどこかの国。
 かつては栄華を誇っただろう町が見る影もなく、銃撃と怒号にまみれていた。敵の攻撃でボロボロになった建物のあちこちには、武器を手にした人達の姿が見える。
 そんな中、別世界のアリアはたった独りで生きていた。痩せ細り虚ろな目をし、こちらの愛らしく元気なアリアとはまるで別人。
「ご老人の話が真実ならば、この子がわたくしのはずですけれど……全くピンと来ませんわ?」
 アリアは小首を傾げるばかり。
「ここは、わたくしの家だった場所ですわ」
 別世界のアリアが小銃を手に、独り身を潜める廃墟には見覚えがあった。
「こんなにも荒れ果てて、もう一人のわたくしは悲惨な境遇ですのね」
 アリアは、状況を正確に理解出来ないなりにも、大変さを感じていた。
 見ている内にアリアは気付く。
「今日は……」
 別世界のアリアが、毎夜何月何日をうわ言のように呟いている事を。
「今、毎日広場で日付の変わり目をお伝えしているわたくしと同じですわ!」
 共通点を見付けたアリアは嬉しそうな声を上げるが、信頼する人に教えられた戦争が終わる日が来るまでの耐えるべき日数を数えているとは露知らずだ。その日がとうに過ぎている可能性もある事など尚更。
「……食料」
 ある日の日中、別世界のアリアは食料が尽きた事を確認し、武器を手に敵兵を警戒しつつ深夜、森へと食料調達に行く。
「!!」
 最中、別世界のアリアは敵兵に見つかり撃たれ、地に伏す。
「わたくしが殺されましたわ……」
 起き上がる様子は無く唯々、血で闇を落とす地面を染めていくばかり。
「……今、わたくしを見ましたわ?」
 彼女が息を引き取るほんの一瞬、どこかを見つめてから、ほっとしたような表情を浮かべた。
「わたくし誓いますわ!! もう一人のわたくしの分まで幸せに、日付を数え続けますわ」
 彼女と目が合った気がしたアリアは声を大きくし、誓うのだった。

●第5章 まさかなもしも
 薄暗い頃、魔法学園フトゥールム・スクエアの寮、自室。
「……もう一人のオレを見るってことはIfの世界かなんかだろう。そう思ったら、マンガとかチェックしてたアニメを見る方がいいよな。もう一人のオレなんか、見ても面白く……」
 【仁和・貴人】(にわ たかと)は、貰った魔法の紙切れを前にあれこれ並べ立てる。
「……面白いかも……だとしても、所詮はオレ、たいしたことしてないでしょ……あるとしたら人間関係が変わってることぐらいか? でも、そんなの確認してもホームシックにかかるだけだし、いらん事考えるだけだからなー」
 貴人は、興味と遙か遠い故郷への思いと一緒に溜息を吐く。
「とりあえず、きになってた作品チェックして少しはそういうのスッキリさせておこうか。完結してなかったらあんまり変わんないだろうけど」
 ついに、貴人は魔法の紙切れを開いた。

「こっちのオレと同じかー」
 紙の向こうに現れたのは、性別から出自まで何もかもが同じである十七歳で高校二年生の貴人。
「違うのは、故郷に帰って来られたという、一点だけだな」
 貴人は、別世界の自分の様子から状況を読み解く。
「さっきからマンガ見たりアニメ見たり忙しいなー」
 別世界の貴人は、呑気に漫画やらアニメを楽しんでいる。
「あのマンガとアニメの続きは……」
 貴人は、早速やるべき事を始めた。
「何だよ、マンガもアニメも知ってる話じゃないか! まさか……」
 チェックを終えた貴人は、嫌な予感から念入りに状況を調べた。
「この時間軸、フトゥールム・スクエアに来たころと大して変わってない!?」
 すぐに期待を裏切られたと直感した。
「という事は、マンガもアニメもまだ続きが発表されてないって事かーーー」
 そして、激しく悶えまくった。
「ん? 今度はPCか?」
 別世界の貴人は、パソコンを起動させた。
「だぁあああああ」
 パソコンの中身にまずいものがあったのか、悶えた。
「オレのお気に、そこに隠してたんだ!!」
 とどめは、別世界の貴人が隠していたお気に入りの大人向けグッズを出した時。
「何で、こんな時に思い出すんだぁぁ!!」
 貴人は、凄まじく悶えた。

「悪くはないというかある意味ほっとしたかな。状況に流されてのほほんと暮らしている所とか」
 しかし光景を見終えた貴人は、別世界の平和さに安堵した。

●第6章 あの時
 薄暗い頃、魔法学園フトゥールム・スクエアの寮、廊下。
「別の世界の自分の姿がみえる紙、ねぇ、ザコちゃんはザコちゃん。見ても見なくても、今この場にいるザコちゃんに影響が出る訳じゃなし。何も変わりはしないんだけど……」
 【チョウザ・コナミ】は、貰った魔法の紙切れを見つつ歩いていた。
(こんな紙を無料で配っているのも謎っぽい。なんでなんだろーね。そーいう思想宗教の一員だったりすんのかな)
 魔法の紙切れよりも名無しの商人に怪しさを感じていた。
「なんでもいーけど。貰ったからには捨てる前にチラ見するけど」
 行動の原理である好奇心を発揮させ、チョウザの思考は別世界に向けられた。
「とりあえず、部屋で適当に見るかな。別に誰かに見られたい訳でも無いし、めんどいし」
 自室に戻り一人、魔法の紙切れを開いた。

 どこかの森。
(この黒いざんばら髪の女がザコちゃんだね)
 別世界のチョウザが紅色の髪をした兎のルネサンスの老翁と共に、木々の間を服や体が泥や草で汚れまだらに染まった汚い格好になろうが気にせず、活き活きと駆け抜けていた。
 程なくして、別世界のチョウザは小川で足を止め、老翁を相手に休憩がてら昔話を始めた。
「……これはあのままくそじじいと一緒にいられた世界、って感じ?」
 チョウザは彼女達が語る聞き覚えのある話から、詳しい状況を知った。
「ま、どんな形の自由だろうと楽しそうなら良いんじゃん? こっちのザコちゃんには関係無い訳だし?」
 別世界を見終えたチョウザは、早々に魔法の紙切れを折り畳んだ。
 あの時見えなかった選択肢。目の前に広がっていた光景は、チョウザにとってあまりにも眩しかった。
 しかし、後悔も焦がれもない。
(……真似だろうが何だろうが立ち止まったりなんかしたら、ザコちゃんの過去を否定する事になってしまうからねぇ)
 チョウザは、そっと今は亡き恩人からの預かり物に触れた。
「見終わったし、破るなり燃やすなりして適切に処分廃棄かなぁ。邪魔だし」
 魔法の紙切れは、今を生きるチョウザによって処分された。



課題評価
課題経験:44
課題報酬:1200
あっちの世界はどんな世界?
執筆:夜月天音 GM


《あっちの世界はどんな世界?》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 1) 2019-07-17 08:37:29
遅刻遅刻~♪

おはようございます!
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!
異世界の自分になれる授業はここですかっ!?(興奮ぎみ)

とりあえず皆さんにご相談ですが、
異世界の自分について、ここで紹介しあいますか?
それとも、リザルトでの楽しみにとっておきますか?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 2) 2019-07-17 13:55:27
所謂シミュレーションみたいな感じ?
Xと仮定した場合の予測結果を表示させる魔法道具、みたいな。
まあ実際に異世界覗いてる可能性もあるけど。

まだ、どういうものが見れるか受け取ってないから皆に開示することは出来ないけど、俺が見たいものは「山賊に誘拐されなかったら、俺はどうなっていたのか」のIFだよ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2019-07-17 15:50:45
プラムさん、今回もよろしくお願いいたします!

なるほど、「異なる世界線」ということですね。
おじいさんのセリフを読む限りでは、そっちの可能性のほうが高そうですね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2019-07-17 21:58:01
僕に見えるのは、魔法が基本存在しない異世界にいる自分です。
性別も年齢も性格も違えば、武力も魔力も持ってないようです。

これ以上続けると、そのまんまプランになりそうなので一旦ストップしますが、
僕が抱いてるのはこういうイメージです。

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 5) 2019-07-18 01:47:28
こんばんはですわ! 村人・従者コースのアリア・カヴァティーナですわ!

わたくしは今、とっても幸せですわ! ですので異世界のわたくしは――お姫様でしょうか、それとも案外勇者さまと一緒に旅をしていたりして――とにかく、詳しいことは家に帰って紙を開いてみてからでなければわかりませんけれど、きっと幸せに違いありませんわ!!
なんにせよ、異世界のわたくしは、この世界のわたくしには思いもよらない体験をしていて……きっとそれを知ることは、この世界のわたくしにとっても励みになるはずですわ! 楽しみですわ!!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2019-07-18 02:47:20
アリアさん、よろしくお願いいたします!
本当にいつもポジティブで、つられて楽しい気持ちになります。

さて、おじいさんは家に帰って紙を開けてね、とおっしゃいましたが、
その後の楽しみかたを思い付きましたので、皆さんにお誘いです。

もしよかったら、翌日の放課後に、学園の会議室かなんかに集まって、
紙を持ち寄り紹介し合ってみませんか?

そして、もしも興が乗ったら、紙に映った人物たちが
架空の異世界に集められ、冒険するような、即興のお話を作ってみませんか?

(分かる人向け説明→紙をキャラクターシートとみなし、TRPGでクロスオーバーシナリオを遊びませんか?)

この紙は原則一人で楽しむもののようですから、
もちろん、参加は任意です。
参加してくださるかたは挙手(°▽°)ノしていただけたらありがたいです。
僕の他に複数人の参加があれば、実施したいと思います。

自分でも変わったお誘いだと承知していますので、
ご質問あればお寄せくださいね。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 7) 2019-07-18 22:30:36
タスク君参加したいのは山々なんだけど、先約で友人らと俺の部屋で見る予定になってて予定が(主に文字数的な意味で)合いそうにないんだ、ごめんね。

リザルト楽しみにしてるね。

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 8) 2019-07-19 00:42:12
わたくしも……残念ながら、ちょっぴり文字数が足りませんわ!
でもでも、後日どこかのクラブなり広場なりに集まって……ということであれば歓迎ですわ!
でも……異世界のわたくしは、冒険なんて出るような方なのでしょうか! それだけが心配ですわ!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2019-07-19 04:48:41
お二人とも、お返事ありがとうございます!

プラムさん、お友達と約束して、部屋で一緒に見るのは
学生っぽくて素敵ですね!

即興企画について補足ですが、文字数的には心配ご無用です。
僕はウィッシュがまるまる余っているので、状況を仕込む描写をしますが、
参加される方は 即興物語に参加。(8文字) と、ウィッシュに書いて
いただくだけでOKです。
(その記載がある方が参加するように、自分のウィッシュに記述します)

即興物語の中身については、現時点では、プランに記載するつもりはありません。
ショートなので、リザルトに入るとも思っていません。

後日、数人の生徒が紙を持ち寄って即興の物語を作り、本にまとめたものが大図書館に所蔵されたそうである。(50文字)

・・・みたいな文言が記載されれば、企画意図達成と考えております。

そういうわけで、文字数で迷っている方は、よかったら是非ご参加ください。
ウィッシュに8文字で参加可能、お得ですよ~(笑)
なお、書いてたプランを「翌日」から「後日」に修正しますので、
例えば、翌日にお約束がある場合でも、参加は可能になっております。

繰り返しますが、ご自分だけで楽しむ、ご友人と楽しむ、そもそも見せるもんじゃない、等
色んな考え方を否定するものではなく、参加は任意と考えております。
参加が複数いない場合は、出発前に提案を取り下げて、プランを修正する予定です。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2019-07-19 04:59:04
アリアさん、後日集まって本当にやる、という考えは素敵ですね!
是非企画したいです。

クラブの場合、別のクラブに入っている僕は、部屋の立ち上げが出来ない、という問題があります。
自分のクラブを間借りする(公開で部屋を作る)手もありますが、部長との折衝が必要です。

広場は公開の場なので、セッションでログを埋めすぎると迷惑かかりそうですね。
でも、長くならなければ、あまりご迷惑にならないかもしれません。

そんなわけで、広場で【状況設定】→【各自自己紹介+1プラン】→【最終リザルト】ということなら、いけそうですね。
発言数は、参加人数+2回で済みます。

物語のベースは僕のほうで考えているので、進行役(状況設定、リザルトを書く担当)を引き受けるつもりですが、
物語のアイデア、進行役をやりたいというご希望も大歓迎です。

というようなことを考えていますので、ご意見お待ちしております。(ぺこり)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2019-07-20 20:23:31

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 12) 2019-07-20 20:27:02
こんばんは。
先日のお誘いについてですが、本日24時までに参加がない場合は
取り下げさせていただこうと思います。

一人の場合、どんなプランにしよ~かな~♪
皆様のプランも楽しみです。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 13) 2019-07-21 00:03:39
では、取り下げさせていただきます。
お騒がせしてすみません~(ぺこり)

明日の出発日は、都合により20時半以降は書き込みやプラン変更が出来なくなります。
(訳 中の人仕事のため)
今回は会議する必要はなさそうですが、念のためご報告いたします。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 14) 2019-07-21 22:11:59
そーいやなんか言ったつもりでなんも言ってなかったね、こっちの課題。
どっちみちザコちゃんは、部屋で1人で見るけど。人目を憚り避けたくなるよーな内容だったらめんどいし。
何らかの取り組みやる、ってなら、それは端っこから楽しませてもらうけど。

ま、今回の課題は相談必須ー、とか、技能とか持ち物整えなきゃー、とかじゃないし。
ぱぱっとでいーから書き忘れないよーにしよーね。自戒もつめつめ。