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【夏コレ!】魔物退治のご褒美は魚介BBQ


ストーリー Story

「バーベキュー、というものをしますわよ!」
 それは王様・貴族専攻4年目の【ミレーヌ・エンブリッシュ】だ。バーベキューとは炭火の上に網を置き、具材を焼く調理方法だ。
 炭で焼かれた具材は風味を増し、味がぎゅっと凝縮されて美味しくなるのだという。
 アルチェと呼ばれる町の一部地域ではバーベキューとは夏の定番プチイベントなのだという。
 どこからかそれを聞きつけてきたミレーヌは一枚の羊皮紙を集まった生徒たちにつきつける。

『魚介が豊富にとれる漁場の一部に突如フラッシャー数体とセインディーネ1体が出没するようになってしまいました。このままでは漁師たちが危険な目に合うかもしれないので、退治をお願いします。報酬はいくばくかのゴールドと、大量の魚介類になります。どうぞよろしくお願いします。-アルチェ漁師一同-』

 その羊皮紙はアルチェに住む漁師たちからの依頼書であった。
「この町の漁師たちが魔物の出現に困ってるそうですわ。バーベキューをするためにまず依頼をこなして来てくださるかしら!」
 ミレーヌは満面の笑みでそう集まった生徒たち依頼を押し付けようとしていた。ちなみにミレーヌ自身はバーベキューの準備をするから魔物退治には同行しないという。
「魔物退治の経験を皆さまにお譲りするということですわ! タダでバーベキューに参加するつもり? まさかそんな、おほほほ」
 ミレーヌの乾いた笑いが響き渡る。とはいえ本当にタダ乗りするつもりではないようだ。現地で依頼をとってくるついでに現地の状況や魔物の情報を集めていた。
 戦いの場となるのは漁師の帆船。さほど大きな船ではないため、1隻に乗れるのは最大4人まで。必要に応じて出してもらえる船は増やしてもらうことが可能だ。
 敵はフラッシャーと呼ばれる魚のような魔物が数体。フラッシャーは鋭い歯と狂人な顎をもっており、体長1メートルから2メートルほど。
 海中から飛び出して空中にいる得物などを仕留めることもある。
 一度噛みついたら離れず、水中に引きづりこんだりかみちぎったり。地上であればその体を揺らし噛みついた相手を地面へ叩きつけたりしてくる。
 またセインディーネと呼ばれる魔物はよく言えば人魚。悪くいえば半魚人だ。口をつぐんでいれば美しい乙女に見えるが、開けば醜く4つに分かれて開く口に鋭い歯で人肉を喰らう。
 セインディーネは水上に現れ歌声により水を操り、その声は人々を魅了する。
 この2種の魔物と同時に戦うか、チームを分けて対応するかの対策が必要だが、どちらにしても中々大変な作戦となることだろう。
「結構大変な依頼かしら。でも魔物を倒した後にはお腹いっぱい魚介のバーベキューですわ」
 魚介以外にほしい具材があればミレーヌが用意しておいてくれるという。
 バーベキューのため、いや、漁師の人たちのため。ミレーヌはアルチェの海に出没した魔物退治に向かってくれる人員を募り始めるのであった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-07-01

難易度 普通 報酬 少し 完成予定 2019-07-11

登場人物 3/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《ゆうがく2年生》ドライク・イグナ
 ルネサンス Lv14 / 村人・従者 Rank 1
「あっしはライク・・・そう、ライクって呼んでほしいっすよ」 一人称は『あっし』『ライクさん』 二人称は『そちらさん』『~のにーさん』『~のねーさん』 ドラゴニアの方限定で『未来の我が主』 ただし、レダさんに限ってはホイッパーのにーさん 語尾は~でヤンス、~でゲス、~っスと安定しない。 三下ムーブ。 笑うのが苦手 身長:180㎝ 体重:85kg前後 好きなもの:自分を特別扱いしない人、自然に接してくれる人、美味い食べ物 苦手もの :家族、集落の人々。自分を持ちあげてくる人。 嫌いなもの:まずい食事。自分の名前。 趣味は筋トレ、狩り、釣り。 サバクツノトカゲのルネサンス 感情が豊かで涙もろい・・・が種族の特徴なのか能力が暴走しているのかよく血の涙を流す。 その血に毒性はないし、勢いよく噴射することもできないが血には変わりはないく不健康そうなのは常に貧血気味のため。 シリアスはホラーにコメディではカオスになる? ちょろい。よく餌付けされる。 将来の展望は特になく卒業までに何かしらの職につけるだけの技能を習得出来たり、ドラゴニアの主君を得られればラッキーくらいにしか考えてない。 祖流還りによる必殺技は『毒の血の涙(目からビーム)』 そこそこの量の毒性を持った血液を相手に向かって噴射する。 自分は貧血になりぶっ倒れる。 相手はびっくりする。血がかかったところが痒くなる。

解説 Explan

 アルチェと呼ばれる町が舞台です。
 戦場は海。そして船の上。フラッシャーは海中から飛び込んできますし、セインディーネは海中から顔を出す感じで戦ってくるため、対策を練りましょう。

 【魔物1】フラッシャー(複数体)
 【属性得意/苦手】水/無
 【得意地形】空中、水中
 【戦闘スタイル】高速で泳ぎ敵に噛みつく。水中に引きずり込み噛みちぎる。
 地上では噛みついた敵を地面に打ち付ける、など。
 【状態異常】氷結

 【魔物2】セインディーネ(1体)
 【属性得意/苦手】水/火
 【得意地形】水中
 【戦闘スタイル】水上に出てきて歌を歌う。歌声によって水を操る。
 【状態異常】魅了

 戦闘が終わった後は魚介のバーベキューが楽しめます。
 (ミレーヌはこっそり楽しんでると思うので特に触れなくて大丈夫です)


作者コメント Comment
 マスターを務めます天野 奈々と申します。
 夏の連動エピソードということで海の上で戦闘、そしてバーベキューとなります。
 初夏を(色々)楽しみましょう。


個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:84 = 56全体 + 28個別
獲得報酬:2400 = 1600全体 + 800個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
魔物バーベキューって聞いて。
倒した後はゆっくり魔物の状態調べられっし。適当に捌いたらそのまま網の上で塩焼きに出来てお手軽ぅ。ふふ。

人数が人数だし、全員同じ船で。
エセ人魚の主な対応はヒールの神父様(プラム)が頑張り案件らしーし、ザコちゃんはそれの邪魔をお魚にされないよーに。
お魚の攻を【気配察知】で感じ取って、飛んできたら【基本棒術】で【ヒ2】な【全力防御】と【忍耐】力で、どーにか棒で噛みつき受け止める感じで。

とはいえ守ってばっかじゃキリないし。
狙い目論見どーりに棒に噛みついてくれたら、間髪入れずに甲板に叩きつけちゃお。
フラッシャーのたたき。
鮮度は悪くなっちゃうかもだけど。何匹もいるからいーよね。

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:84 = 56全体 + 28個別
獲得報酬:2400 = 1600全体 + 800個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
東洋風水着を纏い海の美の概念となった俺に隙などない。
見よ、浜辺の有象無象の視線は我が身へ注がれる…。
今晩が楽しみー♡
■戦闘
一つの船に乗船、仲間と互いに背中を預けて漁業に励むとしよう。
フラッシャーは二人に任せて、俺はセインディーネを担当。

【重力思念】→【プチヒド】

真っ先に歌を封じてから攻撃。
また、相手に有利なフィールドでの戦闘だから海中で逃げ回られる事を想定して

【精密行動】【豪華な釣り竿】

で釣り上げるまではいかずとも、海上へ引きずり出し攻撃。
なるべく攻撃はボディへ。

■釣果の回収
【豪華な釣り竿】で死んで浮いているフラッシャーとセインディーネを回収して船に乗せよう。
大事なBBQの食材だからね。

ドライク・イグナ 個人成績:

獲得経験:84 = 56全体 + 28個別
獲得報酬:2400 = 1600全体 + 800個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
海で船なんで釣りしたかったでヤンスが釣り竿持ってないんでデスよねー
なんでお船の上から狙撃っっスよー


基本的にはフラッシャー狙いで行くっスけど水中に潜られたら攻撃が通用するか解らないので空中に出たのを狙い撃ちで狙撃っ!でゲス
聞き耳、やせーの勘、その他技能で使えるものは併用していくでヤンスよ

空中のフラッシャー>近くに来た水中のフラッシャー>セインディーネ>遠くのフラッシャー
って感じで落としていくッス

接近されたら直刺しで応戦っスね
相手の目を狙っていくでゲス
これぞ目刺しって奴っスね!
味方がピンチになったらオーパーツ・レンズでビームっでゲス


船から落ちたり、お魚とか回収したりするのに鉤爪付ロープ使うっスね

リザルト Result

●目指せ食材?
 ここは『アルチェ』と呼ばれる港町。
 勇者歴1600年頃、当時の領主ダンテ・ミルトニアが街の豊富な水産資源を活用。
 漁業で生計を立てる小さな集落に観光地区を整備し現在有名観光地として名をしられる都市となった。
 そのアルチェは北部が漁港地区、南部が観光地区と分けられている。
 今回、魔法学園『フトゥールム・スクエア』から集まった生徒たちは北部の漁港地区に居た。
 正確にはすでに北部から出られる海の上である。
 フラッシャーとセインディーネの出現に悩まされていたアルチェの漁師たち。
 魔物を退治しに来たことを告げると快く漁のための船を出してもらい、魔物が出現した漁場へと向かっている道中である。
「おっかないお魚とエセ人魚って同時に出てきちゃうかねぇ?」
 【チョウザ・コナミ】はこれから行く目的の漁場あたりを眺めながらそう呟く。
 雑談をしながらも、手元でぐいっと引っ張り確認するのは船の一部にくくりつけた結び目を作ったロープ。
 海に落ちた時にすぐ船上に復帰できるよう用意した手段だ。
「仲間と共に背を預け合い漁業に励めば、なんとかなるとは思うけれどね」
 そう言うのは【プラム・アーヴィング】だ。彼は藍色の東洋風水着を纏い乗船していた。
 船から落ちた時に身動きが取りやすいという点もあるが、一番の目的は浜辺の有象無象の視線。
 今晩プラムのご馳走を漁るのにはもってこいの衣装なのだ。
「はー、広い海。漁のための船。なのになんであっしは釣り竿持ってないんでゲスか」
 【ドライク・イグナ】は持ち込んでいた鉤爪付ロープの点検をしながら広い海を見つめる。釣りがしたかった。
 とはいえこの魔物退治を終えれば待っているのは美味しい魚介バーベキュー。
「バーベキューのためにもひと頑張りするでヤンス」
 そのドライクの言葉に他の二人もこの後のバーベキューに思いを馳せる。
「お魚好きだけどさぁ、戦うほどってわけでもないし。ちゃっちゃと片付けて魔物バーベキュー楽しみたい感じだねー」
「セインディーネはちょっとだけ食べたことがあるけど、フラッシャーは食べたことないし、楽しみだな」
「え……? ぇえ……?」
 決して用意されるものは魔物バーベキューなわけではない。
 しかしチョウザとプラムは魔物を持ち帰り食べる気満々である。
 ドライクとしては普通の魚介、それと合わせてシイタケとトウモロコシが食べられればなお満足なのだが。
 しかもプラムは魚っぽい見た目のフラッシャーではなく、半魚人っぽいセインディーネを食したことがあるというのだから謎は深まるのであった。

●船上戦開幕
 一行がそうこうしているうちに船は目的の魔物が出現するという漁場へと到着する。
「さっそくお出ましでゲスね」
 船が近づいたことに気がついたフラッシャーはビチビチと海中から空中へと飛び跳ね、こちらを視認してくる。
 三人はそれぞれの得物を手に、船上で辺りを見渡す。
「まだセインディーネの姿が見えないね」
 プラムは生者の書を手に辺りを見渡す。
 フラッシャーはチョウザとドライクに任せ、プラムはセインディーネの相手を担当することとなっているのだ。
「ヒールの神父様は頑張ってセインディーネの姿探してねぇ、こっちは今のとこおまかせしてくれて平気そうっと」
 チョウザは水中から飛び出してきたフラッシャーの噛みつきを六角棒で受け止め防御する。
 そのまま六角棒に噛み付いたフラッシャーをチョウザは船のヘリへと叩きつけ息の根を止める。
「鮮度は悪くなっちゃうけど、そうも言ってられないしこのぐらいはいーよね」
「いやいや、普通に鮮度とか気にせずバンバン倒しちゃってくださいッスよ」
 ドライクは一射確落を手に、船近くに顔をのぞかせ飛び込んで来ようとしているフラッシャーを次々と狙い撃ちにしていく。
 船上から手が届かないものはドライクの弓で、船上へと飛び込んできてしまったものはチョウザの棒術で脅威を排除。
 彼ら二人で船を操縦する漁師と、セインディーネを相手取るプラムを守る構えだ。
「おっと、目的の魚を発見だよ」
 プラムは飛び跳ねるフラッシャーの中にセインディーネが顔を出した瞬間を目撃。
 すかさず手にした生者の書を用い魔力を込める。
 それはセインディーネの魔力生成を阻害し、水を操るというセインディーネの歌声を即座に封じた。
『キシャァアア!!』
 セインディーネは歌声を封じられたことに気づき、四つに裂ける口を開け鋭い牙を見せて威嚇をし海の中へと顔を沈めていく。
「残念だね、そうはさせないよ」
 プラムは書をわきに抱え、豪華な釣竿を手に釣り針が付いた糸をセインディーネが沈んでいった場所へと投げ入れる。
 くいくいと釣り竿を上下に動かしながら糸を垂らしていくとふいに何かが引っ掛かった感触が手に伝わる。
「さて上手に釣れるかな」
 プラムが釣り竿を引き上げると、針にはセインディーネの髪が絡まっており、セインディーネを釣り上げることに成功した。
「おぉ、お上手でヤンス!」
 ドライクはプラムに向かって飛び込もうとしていたフラッシャーの口に矢を打ち込み撃墜しながら、プラムの腕前を褒める。
 続けて飛び込んできた個体は矢をつがえる間がなく、手にした矢をフラッシャーの目を目掛け直接突き立てる。
「これぞ目刺しって奴っスね!」
 口調こそふざけているが、仕留めきれず海に戻り再び攻撃してくるフラッシャー、新たな個体。それに合わせ登場したセインディーネ。
 戦況はあまり芳しいとはいいがたい状態ではあったが三人はめげることなく魔物へと立ち向かっていく。
「これとかがいいかなー。よし、エセ人魚いくよー」
 そう声を上げたのはチョウザだ。
 チョウザは甲板に転がるフラッシャーの中から一番鮮度悪そうなモノ選ぶ。
 何をするかとおもえばその顔面から牙を数本抜き取り、その牙をセインディーネ目掛け投擲し始めたのだ。
 飛んでくるフラッシャーを警戒しながらなため、さほど積極的に投擲攻撃が出来ているわけではない。
 しかしこの攻撃はセインディーネの意識をプラムから逸らすには十分であった。
 釣り竿から手を放しても再び海の中へと潜ろうとしないセインディーネを見て、プラムは次の行動に移す。
 手のひらの上に火属性の魔法陣を展開。練り上げた魔力は発火し火の玉と化す。
「目玉は何かの栄養に優れてると聞いた事あるし、狙うは体」
 前回セインディーネと戦った時は顔面を潰してしまったことを反省し、火の玉で狙うのは海上に出ているセインディーネの胸部分。
 人っぽい見た目をしているセインディーネの目玉を本気で食べる気満々なのである。
 空中に放たれた火球は見事セインディーネの胸へと直撃。
 火が苦手なセインディーネは奇声を上げ海中へと逃げようとするがそれはドライクが許さなかった。
「逃さねぇでゲス!」
 ここで海中に逃してしまえばとどめを刺すことは不可能となるだろう。
 ドライクは船のヘリから身を乗り出し、手にした鉤爪付ロープをセインディーネめがけ投げつけた。
「お、ナイスー」
 その鉤爪付ロープは見事セインディーネの腕へと引っかかり突き刺さる。
 ドライクはロープを引き、海中へ逃げようとするセインディーネを海上へと引き上げた。
 チョウザはドライクの腕前を褒めながら再び飛んできたフラッシャーにタイミングをあわせ、手にする棒で甲板に叩きつける。
「フラッシャーのたたき一丁あがりー」
 船の甲板はフラッシャーの死体で足場が怪しくなるほど埋め尽くされる。
 海上を行き交うフラッシャーの数はようやっと落ち着き、あとはセインディーネを倒し残党処理をすればこの魔物退治は終わりを迎えることとなるのだが……。
 プラムが魔力を再び練りこんでいる時、背後からフラッシャーが飛び込んできた。
 チョウザの位置からは間に合わず、ドライクはセインディーネを逃さぬよう引くロープで手が離せない。
「ここぞというピンチの時、ライクさんの目からビームが放たれるでゲスよ!!」
 目からビームといっても、実際はオーパーツ・レンズに集約された魔力を用いた無属性魔法のビームだ。
 ロープを手をしたままドライクはそのビームで襲い来るフラッシャーの身体に風穴を開けた。
「へぇ、やるね。さて、これでとどめだ」
 プラムは軽く振り返り何が起こったのか確認した後、すぐさま手元へと意識を戻す。
 限界まで練り上げた魔力が霧散しきる前に、火球をセインディーネの胴体へと射出。
 火球の直撃を受けたセインディーネは甲高い悲鳴をあげ、焼け焦げた煙を上げながら絶命したのであった。

●ご褒美は魚介BBQ
 セインディーネを倒した三人はその後わずかに残り襲いかかってきたフラッシャーを迎撃し、それらの死体を船に積んで帰途についた。
 今は漁港地区の浜に設けられた即席のバーベキュー海上でチョウザが半殺しにして生かしておいたフラッシャーを捌き、もとい解剖しながら解体していた。
「なるほどこんな感じね。やっぱこっちは普通の魚とあまり構造は変わらないもんだねぇ」
 一通り捌きながら体内の構造を確認した後は、食べやすいサイズに切り分けてバーベキューの網の上に置いていく。
 解体する際に出る血を流すのに使ったのは海水なため、そのまま乗せて焼くだけでも手軽に美味しい塩焼きが完成する。
「中々に美味だね。ふふ、今晩のデザートも楽しみだけど。まずは海の幸も楽しまなきゃね」
 プラムは周りにいる漁師たちの中から気に入った男たちとすでに夜の約束を取り付けていた。
 しかしデザートの種類は豊富にあっても困りはしない。
 後で観光地区の浜のほうにも足を伸ばして見ようかなどと考えながら目の前の海の幸、または海の厄たちを食し堪能していった。
 身が取り除かれた骨や牙などは一所に集められ、後々これらは漁師たちが処分してくれるという。
「いやはや本当に食べるとは驚きしかねえッス。あーそれにしてもこの醤油の焦げる香りは暴力のかたまりでヤンス」
 ドライクは、は~っとため息をつく。
 ドライクの目の前にある網の上には魚や貝類が焼かれ良い香りを放っている。
 しかしそれの他にも醤油バターが垂らされたシイタケと、醤油が塗られたトウモロコシが良い音を立てながら焼かれているのだ。
 すでにいくらか食べて小腹は満たされているものの、魚介や野菜、醤油の香りはまだまだ食慾をそそってくるのである。

 漁師たちの感謝の言葉とともに追加される食材を堪能しながら、三人は報酬の一つであるバーベキューをしっかりと楽しみきったのであった。



課題評価
課題経験:56
課題報酬:1600
【夏コレ!】魔物退治のご褒美は魚介BBQ
執筆: GM


《【夏コレ!】魔物退治のご褒美は魚介BBQ》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-06-26 00:52:20
まだ誰も来てないけど、ざっくり言っとこ。
とりあえずどっちの魔物も採れたてのまま焼いて食べる気でいんだけど。それはそれとして。

これ、掲示板(ストーリー)の内容的に、お魚とセインディーネと、選んで別々に対応できんのかな。それとも出たとこ勝負?
生息海域がある程度分かってんなら、調整もきくんだろーけどさぁ。

でもってこれ、お話聞き伺う限り、お魚の対応は近距離でも遠距離でもやりようはありそうだけど。
セインディーネの対応に関しては、遠距離で攻撃できるゆーしゃ様の存在人員が必須になりそ。ほんと。
だってお魚はあっちから来てくれっけど、セインディーネは水から頭だけばっしゃーしてるっぽいし。
体ふやけないのかな。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 2) 2019-06-29 22:40:33
追加で参加のゆーしゃ様が来るか来ないかわかんないけど。
ザコちゃん明日の夜は顔出せそうにないから最低限書いとくね。

とりまやるのはお魚対応中心で、攻撃を棒でわざと受けて、そのまま叩きつけて反撃するよーなつもりで。
でもってセインディーネはあんましやれることないけど、やらざる得ないならなんか投げつけ投擲して当てっかなって。
でもって万が一水落ちした時の対策的なあれで、ポケットのうち1つには【ロープ】入れといて、
登りやすいように結び目何個か作って、予め船に備えとくかなって。そんな感じ。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 3) 2019-06-30 00:16:10
海の幸的な魚も魅力的だけど、海の不幸的な魔物もそそられるものがあるよね。
というわけで、食欲と好奇心だけで仲間入りさせてもらうね。

さて、セインディーネには【重力思念】が有効だと判明したので、生臭雌魚は俺が相手した方がいいよね?フフ。


とりあえず、ザコちゃんと同じ船に乗ったほうが、後方の隙をなくせていいと思うんだけど、どうかな?

持ち物については新アイテムも見てきたけれど…
コショウとか…興味あるな…

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 4) 2019-06-30 01:10:41
ヒールの神父様もいらっしゃい?セインディーネ塩で焼いちゃう?ふふ。

そったらザコちゃんは神父様周りでお魚打ち付けぶっ倒してるのがいーのかな。
(くぁ、と小さく欠伸をしながら購買部の新入荷チラシを眺めて)
…おー。お誂向きな【虫取り網】あんじゃん。これで飛んできた所をそのままパシッと捕まえる挑戦試みもいーかな。
なんだったら、くたばって水に浮くセインディーネの回収にも使えるし。
ってな訳で、ザコちゃんは【ロープ】と【虫取り網】持ってっとくね。そんな感じ。

《ゆうがく2年生》 ドライク・イグナ (No 5) 2019-06-30 12:49:05
ギリギリだけど参加させて貰うっスよー
海で船なんで釣りしたかったでヤンスが釣り竿持ってないんでデスよねー
何でお船の上から弓矢で狙撃するっスよー

チーム分けて対応できるらしいっスけどこの人数だと別けないで戦った方がリスクは少ない気がするでゲスよね

あ、ライクさんは鉤爪付ロープ持っていくでヤンスよ
お魚とかの回収用っスね

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 6) 2019-06-30 19:31:10
あーこれはエキセントリックな漁業ということでいいかな?

じゃあ三人で各方向に警戒しながら戦おうかー
魚は任せたよ~~