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それぞれのやり方



ストーリー Story

 麓に八色の街『トロメイア』を擁することで知られるアルマレス山から少し離れた場所に、辺りの人々がマイター谷と呼ぶ自然豊かな谷がある。
 そんなマイター谷の奥に位置する『上(かみ)マイター村』は、けれどもその日、騒然となった。近頃マイター谷の界隈を荒らし回っている盗賊団がこの村を目指しているらしいという情報を、近隣から逃げてきた村人から伝え聞いたのだ。

「なんでまたこんな辺鄙な村を!」
「どこかから、俺たちの村の山羊は質がいいって聞きつけたらしいぞ!」
 それが誇らしくないわけじゃない。けれどもいくら誇らしいからといえ、盗賊なんぞに大切な山羊を、財産を、人命をくれてやりたいはずもない。
 上マイター村の住民が奮い立ったのは、盗賊らが村の誇りを知った上で貶めんとするからなのだ。本来ならば彼らは逃げ隠れすべきところだったかもしれないが、蹂躙する者たちに屈したくない思いが先に出る……盗賊ごとき、何するものぞ。こちらには子供の頃から山羊を追い、岩場や尾根を駆けながら育んできた体力がある。
 ……とはいえ、さしもの彼らも盗賊どもを無傷で蹴散らすまでの自信はなかったので、フトゥールム・スクエアに増援を頼んだ次第なのだった。

 さて……君たちの目的は『盗賊の撃退』である。しかし、方法がひとつだけとは限らない……君たちも知ってのとおり、フトゥールム・スクエアには多数の専攻があり、そのどれもが上マイター村を救うのに役立つだろう。
 村人たちを鼓舞して戦意を高揚させる役。逆に盗賊たちの士気を下げるため、罠や奇襲などを活用する役。
 救護や陣頭指揮も村人たちの役に立つだろうし──もちろん、盗賊の頭目【ギュスターヴ】を討ち取るための力も必要だ。
 だから、上マイター村の人々が彼らのやり方で盗賊たちに立ち向かうように、君たちにも君たちのやり方で戦ってほしい。
 このフトゥールム・スクエアに入学するまでの間、そして入学してから今まで学んだことがあれば、君には、君らしく戦い、そして勝利を手にすることができるに違いない。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 8日 出発日 2019-07-13

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2019-07-23

登場人物 8/8 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《人間万事塞翁が馬》ラピャタミャク・タラタタララタ
 カルマ Lv22 / 魔王・覇王 Rank 1
不気味で人外的な容姿をしたカルマの少女。 愛称は「ラピャ子」や「ラピ子」など。 名前が読み難かったらお好きな愛称でどうぞ。 性格は、明るく無邪気でお茶目。 楽しいと面白いと美味しいが大好き。 感情豊かで隠さない。隠せない。ポーカーフェース出来ない。 そしてちょっと短気なところが玉に瑕。 ギャンブルに手を出すと確実に負けるタイプ。 羞恥心を感じない性質で、露出度の高い衣装にも全然動じない。 むしろ前衛的なファッション格好いいと思ってる節がある。 戦闘スタイルは我流の喧嘩殺法。 昔は力に任せて単純に暴れるだけだったが、 最近は学園で習う体術を取り入れるようになったらしい。 しかしながら、ゴリ押しスタイルは相変わらず。 食巡りを趣味としているグルメ。 世界の半分よりも、世界中の美味しいモノの方が欲しい。 大体のものを美味しいと感じる味覚を持っており、 見た目にも全く拘りがなくゲテモノだろうと 毒など食べ物でないもの以外ならば何でも食べる悪食。 なお、美味しいものはより美味しく感じる。Not味音痴。 しかし、酒だけは飲もうとしない。アルコールはダメらしい。 最近、食材や料理に関する事を学び始めた模様。 入学までの旅で得た知識や経験を形に変えて、 段々と身に付いてきた…と思う。たぶん、きっと、おそらく。
《勇往邁進》オリヴァー・アンダーソン
 ローレライ Lv14 / 武神・無双 Rank 1
「あいつを殺す、邪魔はするな」 出身:北国の有力貴族の生まれ 身長:186㎝ 体重:80前後 好きな物:戦争、酒、チェス 苦手な物:__ 殺意:弟→無し 補足:大きな期待を受けた男は一人の男によってあっさり見棄てられた。 傲慢な男は氷のような外道だった。 補足②:斬れば早いと思ってる脳筋であり、 冷酷かと思いきや実はツンデレで心配性なところがある、ガッカリしてくれ。 補足③:彼は思う以上に不器用な男であり、 褒められたがりな所がある。
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《ゆうがく2年生》リベール・ド・ヴァンセ
 ヒューマン Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
リベール・ド・ヴァンセ。 聞き取り辛いなら名札か手帳を読みなさい。 ……わざわざ言うべきことはないの。
《神(仮)》ゼクト・ゴッドマイヤー
 アークライト Lv13 / 教祖・聖職 Rank 1
【外見】 超絶美形のお兄さん 藍色の髪にウェーブセミロング 両目共に青 右目の下に泣きぼくろがある 細マッチョな理由は神だから鍛えないと皆の願いが叶えられないから 【性格】 自分のこの美貌、最早神だと思ってる 偉そうでナルシスト だけど皆の幸せを常に考えている 争いも嫌い 自分は神だから下々の願いを聞いて叶えてあげる義務があると思い込んでる 自分を信仰してくれる人達にひたすら優しい あと声がでかくオーバーリアクション気味でよく劇団の人に間違えられる 【入学理由】 教祖を履き違えており、教祖というか神になりたがってる 自分の「ゼクト教」の教えを説く為に日々奔走中 ちなみにゼクト教の教えは 1、皆仲良く 2、楽しく 3、自分を崇めて だけである。 『背後理由』 神になれそうな美貌もあり、力も恐らく手にいれた(アークライトになれたから)後は信仰してもらい、自分が死ぬ事で神としての自分を全うできると考えている。 その為にも教祖としての勉強が必要だった。 ※アドリブ絡み大歓迎!

解説 Explan

●上マイター村
 両側を崖に近い斜面に挟まれた谷川沿いの細い道を、奥まで進んだところにある村です。三方を斜面に囲まれてはいますが、村人たちはその斜面を登って山羊たちを放牧しているようです。
 戦闘可能な村人は、この斜面の上り下りで鍛えた男女20名ほどです。盗賊の配下と同程度の強さは期待していいかもしれません。
 なお、上マイター村の山羊の乳チーズは、クリームのような口当たりと強くクセになる匂いが特徴の、上質の白カビチーズです。このチーズは、村が僻地にあるゆえ一般には出回っていません……味わえるのはこの村だけ!

●盗賊たち
 40名ほどからなる一団で、ほぼ一列になって川沿いの道を登ってきます。
 傭兵崩れの頭目ギュスターヴこそ戦闘経験豊富ですが、配下は一般人に毛が生えた程度の実力の者が大半です。配下たちの数は多いですが、戦意を挫くことができれば戦わずして無力化できるでしょう。

●成功条件
 村に甚大な被害を出すことなく、ギュスターヴを討伐ないし捕縛できれば依頼成功です(配下たちも降伏します)。村人たちも被害は覚悟しているので、村人に多少の犠牲が出るくらいは許容範囲です。
 ……とはいえもちろん、犠牲者が出ないに越したことはないでしょうが。


作者コメント Comment
 フトゥールム・スクエアの最大の特徴は、やはり9つの特色あるコースではないでしょうか?
 今回の依頼は、各コースの生徒がその特色を活かせるようなものではないかと思います。全員が同じ戦場で戦うのではなく、それぞれがそれぞれの戦場で戦うようなやり方も、きっと連携のひとつに違いありません。


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:195 = 65全体 + 130個別
獲得報酬:6000 = 2000全体 + 4000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
●作戦と分担
囮と指揮高揚を狙って正面対決、全体としてギュスターブ狙いで

●事前準備・共通事項
盗賊団の得意戦術、ギュスターヴの特徴について、時間の許す限り『事前調査』『推測』スキルで把握。
他の皆とは情報を共有。プラン外の不明点や齟齬が出る場面は皆に合わせて臨機応変に。

●行動
戦闘開始時に『勇者原則』。村人と自分たちを鼓舞しつつ、まずは正面から。
旗印の一人として『衝撃享受』『通常反撃』と防御重視で戦闘。乱戦になってきたら『隠れ身』『忍び歩き』スキルで雑踏に埋没するように浸透、突破。ギュスターヴを探し(可能なら仲間たちと)強襲を試みる。
ギュスターヴ戦は『マド』『勇者之斬』を駆使し負傷を顧みぬ積極攻勢。

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:65 = 65全体 + 0個別
獲得報酬:2000 = 2000全体 + 0個別
獲得友情:1
獲得努力:1
獲得希望:1

獲得単位:0
獲得称号:---

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
俺は逃走してきた奴の始末。

友人ゼクトのゴッドムーヴに【人心掌握学/心理学/会話術/説得】で修道士ムーヴで便乗、村人の戦意高揚させて指揮役の指示が通りやすいようにする。

その後、戦闘可能な村人を3人程と山賊が細道を進んだ後に回り込み、唯一の逃げ道の細道でゼクトと待ち伏せ。

弓攻撃可能な村人には急斜面の遮蔽物に、近距離攻撃の村人には川沿い付近の遮蔽物の陰に待機して貰い不意打ちを狙わせる。

俺とゼクトは道のど真ん中で待機。

エンカウント時は頭目なら【マドガトル】。
配下なら【エンディミオン】の通常攻撃の火属性で攻撃で対処。油も使ってみようかな?
蹴りで【ダークバタフライ】の毒を試してみるのも良いかな、フフ。

ラピャタミャク・タラタタララタ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
チーズ…もとい、村を守るのじゃ!

【行動】
あちきは正面から対峙して雑魚共を蹴散らすのじゃ。
魔神(を目指す卵)の力、見せてやるのじゃ!

長柄の斧を軽く構えて、悠然と歩いて突貫。
斧が届く間合いに敵が来たら、バッサリ叩き切ってやるのじゃ。
失せろ!汝等に食わせるチーズはないのじゃっ!
いや、むしろ汝等がチーズじゃ!(報酬的な意味で)

攻撃されたら反撃じゃ。
回避は軽く動く程度に抑え、避けられなければ身体で受けて、
多少のダメージは無痛のいたみで堪えれるのじゃ。
そして、そこから斧でバッサリ叩き切ってやるのじゃ。

攻撃を受けても何事もなかったように平然としてて相手を返り討ち…
ふふっ、魔神っぽいじゃろ♪

オリヴァー・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
心情:難しいことは分からねぇし、情けなんてものは必要ねぇ、平和的解決なんてものも好きじゃねぇ。
まぁ最後に至っては無理な話だろうが。
雑魚は殺すに限る。

行動:事前準備は必要であれば手伝いをします。

戦闘では前方に立ち、リーダー退治は仲間に任せて盗賊退治に専念。
「気合」を以て敵陣にて攻撃し、
敵からの攻撃には「心頭滅却」にて防御します。

戦闘後は後始末をメインに回らせてもらおう。

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【行動方針】
村人及び味方の援護を中心とする支援型

【行動】
戦闘開始前に攻撃に参加する村人へ【鼓舞激励】使用
指定技能は「きよう」

鼓舞激励使用後は敵へ【演奏】
ステータス弱体による妨害を狙う

【鼓舞激励】はまんべんなく村人へ(2回発動、技能の最大人数及び射程まで行う)
【演奏】は味方の後方から
効果終了ごとに【演奏】をきりょくが切れるまで随時発動
ただ奏でるのではなく「音楽」で少しでも魅了させるべく奏でる
俺が下手な演奏を聞かせるわけないだろ?

頭目が判明した際は頭目へ集中して【演奏】
敵の攻撃は「緊急回避」「踊り」を組み合わせて回避を試みる
きりょく切れ時は【プチフド】による援護射撃を試みる

リベール・ド・ヴァンセ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
まず攻撃拠点で、村への道を塞ぐ最終防衛線を作る。
両側を一際上りにくい斜面に挟まれ、数を活かせるほどの広さもない場所に。
尖った物の突き出た馬防柵のようなバリケードで道を塞ぎ、斜面の上には弓矢、魔法など飛び道具を持った人々を陣取らせる。
下で敵と直接戦うのは私達学園生だ。
敵軍が射程内まで来たら上の人たちと共にプチラドで迎撃。
接近戦(乱戦)では自分が狙われているときは立体機動で回避に徹し、マークされていなければ勇者斬りで攻撃。ギュスターヴが優先標的だ。

「モラルを捨てて一旗揚げて、私のスコアになりに来たのね」
「あんたらみたいなのは好きよ。何の呵責もなく斬れるから」

ゼクト・ゴッドマイヤー 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
盗賊に『攻めるメリットよりデメリットの方がでかい』と思わせる

【行動】
『攻撃拠点』を道に作成
道は一本道という事だったので『攻撃拠点』を道に作り村に行かせない様にする
また、立地的にこちらが攻撃しやすい立地に作る

しぶとくまだ村を襲おうとするなら
『神格適性』と『覚醒』してる状態で
「心理学」と「人心把握術」で盗賊を説得

【心情】
…ここの人達には神様は必要無いようだね
自然と生きる素晴らしい生活じゃないか

それを壊そうとするのは感心しないな
『攻撃拠点』を作って回復役に徹するかな

ただ、しつこいようなら

この神の加護がある村を襲うなら、それでも良いだろう
ただし、貴様等の命を毎日二人ずつ殺す

その覚悟はあるか?

リザルト Result

●奮起する村
「ここまで来れば、上マイター村はあともう少しじゃな!?」
 そう叫んで飛び出した【ラピャタミャク・タラタタララタ】の後姿が見えなくなって、しばらくした頃。彼女を追って村に辿り着いた7人が見たものは、村のおばちゃんたちに囲まれて、尊大ながらもそわそわした態度で差し出されたチーズをひとかけつまむ、未来の魔神の姿だった。
「……なるほど。垂れ落ちるほどの柔らかさと鼻に抜ける香気、見事なものじゃ」
 そう言ったきり、どうにも威厳を保ちきれずにいる彼女。決死の戦いの前だというのに妙に平和そうな目の前の光景は……【ゼクト・ゴッドマイヤー】にはこの村で厳しい自然とともに生きる人々の強さの証明であるようにも感じさせられた。……同時にそんな村人たちの素朴な生きざまは、アークライトとして覚醒したゼクトの神の美貌に頼るまでもなく幸せなのかもしれないという、一抹の寂しさをも彼の脳裏によぎらせるのだけど。
 それならばそれで良いことなのだ。彼の使命は『一人で生きるのが難しい人』を救うことであって、彼らの幸せを書き換えることじゃない。今の彼が為すべきことは……この上マイター村を守り切ることだ。盗賊たちに村人たちの幸せを奪わせないことなのだ。
「アンタたちが助っ人だね!」
「これで村も山羊たちも助かるのか!」
 村の誰もが興奮している様子は、【シキア・エラルド】にも容易く見てとれるほどだった。そんな彼らが奏でる調べには、どんな音楽が相応しいだろう……そんな観察をしている間にも、ひとりの村人が鼻息荒く近付いてくる。
「アンタも一緒に戦ってくれるんだな!?」
「もちろんです……とはいえ俺は、支援のほうが得意ですが」
 ラベイカの弦を弾いて微笑みかければ、村人は両の拳を握り締めると、いい報せを楽しみにしてるぜ、とシキアの背を力いっぱい叩くのだった……もちろんだ。この村は『みんな』で守るのだ――そして必ずや、誰ひとり欠けることなく勝利してみせる。

 ともに戦い、ともに勝利を祝う。
 そんな確固たる目的が、早くも助っ人たちと村人らを固く結びつけていたに違いない。この戦いに加わる者たちも、戦いを見守る側に回る者たちも、村の思い思いの場所でこの後起こることを語らずにはいられない……【チョウザ・コナミ】の声もまた、村人たちのお喋りに混ざって風に乗ってくる。
「……で、俺たちはどうやって戦えばいいんだ? 兄さん強そうだし、なんか教えてくれよ!」
 村人に唐突にそんなことを訊かれたので、仏頂面の大男――【オリヴァー・アンダーソン】の顔は、不機嫌と神妙の合いの子くらいの表情を作って、重たげに口を開いたのだった。
「俺は難しいことは解らねぇ。他のやつに聞いてくれ……俺はただ、敵がいたら殴るだけだ」
「そ、そうか。あんがとよ……」
 逃げるように去っていった村人。これでいい。自分は、馴れ合いのためにこの学校に入学したわけじゃない。自分が入学した真の理由は――……。

 ……気付けば辺りでは、いつしか【プラム・アーヴィング】の演説が始まっていた。
「あれを見てください――そう、我々には最高神ゼクトさえもが微笑んでいるのです。もちろんそればかりではありません……我々がどこでどのように戦えばよいのかを、我々は既に知っているのです」
 悪友プラムの口八丁にかかったならば、ゼクトは本当に村を救うために現れた神であるかのようだった。既に理想郷の中にいる人々がどれほどプラムの『信仰』を信じたかは別として、彼には、彼の言葉が従うに足るものであると思わせる技がある。
 静まり返る人々の前。【リベール・ド・ヴァンセ】が進み出た。地面に辺りの地図を描き、その一点を指したなら……迷わず、はっきりと断言してみせる。
「この辺りは両側の崖も特に急で、下を流れる川も速くなってるわ。しかも見通しが悪くて先に何があるかが判らない……この辺りに柵を作って道を塞げば、あとは崖の上から射かけるだけだわ」
 柵には尖った杭なども取りつけて物々しくしておけば、敵の雑兵には手に余るに違いなかった。あと僅かでお目当ての村に到着するという時にそんな妨害をされた時……はたして【ギュスターヴ】は損害を予期して諦めたりなんてするだろうか?
「私も、その程度で諦めるとは思わないな」
 今まで学んできたことと体験を鑑みたならば、【フィリン・スタンテッド】としても首を横に振る答えが結論になった。傭兵崩れなんて連中は、総じて何よりも自分の利益を優先するものだ。勝ち戦では略奪し、負け戦では味方を身代わりにして、それを恥じるどころか武勇伝として語る者たち……結果、ただでさえならず者連中が集まる傭兵稼業ですら爪弾きにされたから盗賊なんぞをやっているわけで、頭目は腕っ節にはさぞかし自信があることだろう……ただし。
 彼の盗賊団がこれほどまでに大きくなった裏には、勝てぬと判ればあっさりと退く程度の判断力もあっただろうこともまた、フィリンには容易く想像できるのだった。だから名門スタンテッドの人間として――そして『彼女』自身としても――、決してギュスターヴを逃がすことなく決着をつけなければ……。

 柵の準備は村人総出で行なわれ、ものの数時間のうちには細道を妨げる、不恰好ながらもそれらしいバリケードが出来上がっていた。リベールにとってはかつての過ちを思い起こさせる構造と外見だ……もっとも今の彼女にとっては、そんなもの、ただの軍事知識にすぎないのだが。
 それぞれが互いの動きを確認し、配置についたまま時間が過ぎる。本当にこれで足りるのだろうか……何もない時間が作り出した想像が、必要のない不安を村人たちの心に陰を落としはじめんとしたその時。
「武器を持った集団が近付いてきてるぞ!」
 地の利を生かしての斥候役を申し出た村人が、武者震いを隠しきれぬまま駆け込んでくる……時は来た。戦えぬ者たちはある者は高原に逃げ、できぬ者は家々の中で静かに祈り。戦える者たちは石を手に取って、崖上の定位置で息を潜めたままで待つ!
「何だぁ? 若造どもが、いっちょ前に道なんて塞ぎやがって」
 先頭の、肩で風を切るように歩いてきた盗賊のひとりが息巻いた。こんな時、フィリンであればどうするか――決まってる。剣を納めた盾を掲げて、我こそはスタンテッド家が娘、フィリンであると名乗ってみせる!
 先頭の盗賊は鼻で笑ってみせた。
「ハン! スタンテッドなど知ったことか! 俺たちは泣く子も黙るギュスターヴ盗賊団だ!」
 盗賊が短剣を抜いた音が、戦いのはじまりを告げる。内心の、盗賊団を皆殺しにしたくなるほどの怒りをかろうじて理性で抑え込みながら、フィリンも剣を抜き正面から突撃してみせる! 盗賊どもの意識を自分に引きつけるために!
「スタンテッド家の名にかけて……あなたたちを討伐する!」

●運命の一戦
 杭つき柵の後方で、ひとつのラベイカが勇ましく鳴った。突然のことに呆気に取られた盗賊たちの目の前で、シキアはあえて柵の裏に備えつけられた台に上って姿を現してみせる。
「ラベイカの音って聴いたことある? ……なさそうだね? なら聞いていきなよ」
 プラムが観客がたくさんで良い晴れ舞台になりそうだなどと軽口を叩いてきたのはつい先ほどのこと。けれどもシキアの内心は、こんなところで自分らしい演奏ができるかどうかと不安ばかりだ。
 それでも……笑ってなきゃやってられないな、とこちらも軽口で返し、無理矢理いつもの微笑みを作ってみせる。そうすれば、不思議と心もいつも通りだ。盗賊どもさえ見惚れさせるよう踊ってやれば、味方を鼓舞し、激励できる。挑発されたと感じた盗賊が彼へとナイフを投げるが、そんなマナー違反の観客の悪意を、彼は華麗なステップにて躱すことさえできる。
 いざ攻め時だ。ラベイカに背を押される者は、決して勇者――フィリンのみならず。決して、勇者などに手柄を奪われてなるものか……未来の魔神は長斧を担いでは、悠然とフィリンの横へと並び立つ!
「なんだこの女!? 不気味な色しやがって!」
「そいつ……魔生族だ! 腹に魔方陣がある……弱点を曝け出してくれるとは好都合!」
 ラピャタミャクの見た目を侮り襲い掛かってきた盗賊は……次の瞬間には彼女が無造作に振るった長斧に叩っ切られて、呆気なく崖下の川へと落ちて流れて消えた。馬鹿な奴め。そんなに簡単にやられる訳がなかろう……汝らに食わせてやるチーズはないのじゃ。いやむしろ、盗賊どもが彼女のチーズじゃ報酬的な意味で!
「無事に此奴らを退けた暁には……チーズ料理をたくさん所望するのじゃー!!」
 のじゃー、のじゃー、のじゃー……。マイター谷に木霊するラピャタミャクの声に応えるかのように、崖上からも村人たちの猛攻が始まった。おそらくはチョウザが好き放題彼らをけしかけてるのだろう……彼女の声は村人たちの鬨の声に掻き消されて聞こえぬのだが。
「いでっ!? 奴ら、容赦なく石でも何でも投げてきやがる!」
「おい前のほう! もたもたしてないでとっとと進め!」
 前方で足止めされた盗賊団の後方列は、村人たちの怒りの投石を受け、崖沿いに身を寄せ耐えるほかなくなっていた。まさしくリベールの思惑どおりだった……そして彼女の予想が正しかったなら、そろそろボスが痺れを切らす頃だ。
「ボス! 強い奴らが前を塞いでやす! そいつらのせいでこれ以上進めません!」
「フン! てめぇら、どんだけ情けねぇんだ! 俺と代われ……俺が傭兵仕込みの戦い方ってモンを見せてやるぜ」
 ……ビンゴ。見事に釣り出された両手斧を担いだ男へと、リベールは開幕挨拶の電光球を飛ばしてみせた。それを斧を振って叩き割るギュスターヴ……なるほど、豪語するだけの実力はあるらしい。
「モラルを捨てて一旗揚げてまで、私のスコアになりに来たのね」
「言え女。俺が安い挑発に乗るとでも? ……てめぇらも、俺を誰だと思ってる! こんな奴らに負けて俺を失望させるんじゃねえ!」
 ギュスターヴが雄叫びを上げた途端……手下たちの力が増したように感じられた。恐るべきカリスマだ……はたして『自分』は、それに抗う存在たりうるのだろうか? 苦悩がフィリンの剣を鈍らせる。半歩退った右足が道から外れ、谷川に幾つかの小石を落とさせる。
 ……もしもオリヴァーが彼女だったなら、きっと考えることなどひとつだったろう。
 すなわち敵をとにかく殺す。難しいことを考えれば目の前が疎かになり、情けをかければ後に火種を残す。
(戦場で余計なことを考える奴は負けるんだ)
 平和的解決なんてのは相手が物分りいい時だけのお伽噺であって、重要なのは敵が死ぬのか、それとも自分が死ぬのかだけだ……少なくとも彼の生き様にとっては!
 そんなオリヴァーからしたならば、フィリンを追い詰め勝ち誇った敵を斬ったのは、あくまでもそれが油断した、殺しやすい雑魚だったから、というだけだったろう。
「数さえ減らせばこっちのもんだ」
 弱い敵から狙って殺す。正義も何もない効率的なやり方だ。
 けれどもフィリンからすれば見え方が違う……彼女は決して独りで戦っているのではなく、仲間たちとともに戦っている!!
「ごめんなさい、任せるわ」
 片っ端から雑魚を蹴散らしてゆくオリヴァーの陰に隠れるように、フィリンはギュスターヴへと肉薄していった。巨斧を軽々と振り回すギュスターヴ。けれども手下たちは減らされ続ける一方で、後方列はいまだ崖際に釘付けにされたまま……斧を掲げた盾の表面で滑らせたフィリンが、逆に敵頭目の喉元を剣で薙ぐ!
「あんたらみたいなのは好きよ。何の呵責もなく斬れるから」
 リベールのそんな囁きまでもが、いつの間にかギュスターヴの背の側から聞こえてきた。柵と崖を蹴って三次元的な動きを恣にする彼女に対しては、さしもの元傭兵もかすり傷を与えるので精一杯。その上……その僅かな傷さえも、ゼクトが天を指して祈るたび、神がそうあれと願われたとおりに塞がってゆくのだ。
 ……そんな時、天を仰ぎ見たゼクトの視界に、崖の上からおいでおいでと手招きするプラムの姿が入ったのだった。ふむ……他ならぬ信徒が願っているようだ。この場はしばらくほっといても大丈夫そうだし、願いを叶えてやることにしよう。
 そう解釈してほいほい崖を登ってきた友人に、プラムは今度は別の場所から降りるよう促した……ついでに崖の上の村人に、自分たちに何かあれば容赦なく盗賊たちを攻撃するよう指示をして。
「ふざけやがって! てめぇらの仕業か!」
 自分たちが酷い目に遭っているところに現れたプラムのアルカイックスマイルは、盗賊たちを随分と苛立たせたようだった。けれどもプラムはその悪意を意にも介さずに……腰に提げた缶の中の液体を、盗賊たちの頭へとぶち撒ける。
 ちらりとゼクトに視線を遣る。すると彼は重々しい口調を作り、こう彼らに命じるではないか。
「上マイター村には、この最高神の加護があるものと心得よ。それでも襲うと言うのなら……それでも良いだろう。ただし、貴様らの命を毎日2人ずつ殺す。答えよ……貴様らに、たとえ自らの幸せを差し出したとしても他人の幸せを奪う、その覚悟はあるか?」

 前方からは獣のように吼え猛るギュスターヴの声と、幾つもの戦の音が鳴り響いていた。戦場全てをこちらのペースに縛りつけるかのような、シキアの奏でるラベイカの音色。新たな手下を屠ったオリヴァーの雄叫び。ギュスターヴの吐いた罵声を、思わず衝いて出たフィリンのクソがという悪態と、対照的に淡々と斬りつけ続けるリベールの剣戟が覆い隠してゆく。
「盗賊ごときの攻撃が、あちきに効くと思うてか!」
 そんなラピャタミャクの声の後に誰かの悲鳴が上がり、それから大きな水音が鳴った。いかに想像力に乏しいごろつきどもとはいえど……盗賊たちは目を泳がせて、同じことが自分たちの身に降りかからないよう願うほかはない。
「もう一度問う……」
 訊ねるゼクト。
「彼らが生きるために育てた山羊を奪うなら、その覚悟を見せてくれ!」
 すると若いひとりの盗賊が、武器を捨て、その場に膝を突いて嗚咽しはじめた。
「お、俺だって……幸せになりてぇんだよぉ!」
「……叶えよう。だが、しばし耐えてくれ」
 微笑みかけて囁くゼクト。一方で我慢がならぬのは……むしろ彼の『同僚』だった男のほうだ。
「てめぇ、お頭を裏切るつもりか!!」
 若い盗賊へと得物を振り上げる。あーあ、ギルティ。ではその罪にどんな報いを受けさせようかと、プラムは内心ほくそ笑む。
 指先で杖に宿すべき属性を選べば、杖は赤熱して炎の力を帯びた。そしてそれを……打ちつける。彼が先ほど盗賊を濡らした液体――それはランタン用の油だった――は燃え上がり、盗賊は苦しみもがきはじめる!
「さあ、神の名の下に嬲り殺されなさい……来世では強迫観念に苛まれ、善行以外できないくらいにしてあげよう」
 奇しくもその頃前方からは、ボスがやられた、という悲鳴が上がったところだった。この期に及んで抵抗し続ける者がいるわけもなく……ギュスターヴ盗賊団は、本日を以って壊滅したのだ。

●勝利の宴
 上マイター村の長い歴史の中でも、今宵は特別なものであるに違いなかった。村の至るところで祝杯が上げられて、新たに封を切ったチーズを片手に、皆で勝ち取った平和を噛み締めている。

「おおお……ただでさえ美味いチーズを炙ったら、さらに香りと蕩け具合を増したようじゃ!! ほれ、汝らも食うてみよ!」
 感動のあまり辺りを駆け回るラピャタミャクを見れば、昼間の彼女の暴れっぷりも、多少は窺い知ることができたろう。ほれ、ほれ、と邪魔くさい彼女をすっと躱したリベールが、近くの村のおばちゃんに、チキンのチーズ焼きはないかと訊ねれば、おばちゃんはとっておきの子山羊のチーズ焼きならあると答えてくれた。
「ええ、是非ともいただきたいわ……でも、子山羊?」
「そうさ! 普段は出せない料理だけど、今日はあたしたちの村を守ってくれた英雄たちのために特別さ!」

 暮れなずんでいた西の空もすっかり濃い黒に覆われて、天蓋の星々がマイター谷を見下ろしている。今やこの谷に、戦いの痕跡はない……暢気に喜ぶ村人たちからは距離を置きたかったオリヴァーが、用の済んだ即席の柵も、道に転がるままの大石も、すっかり蹴散らして川に落としてしまったからだ……もっともその様子を目撃した村人たちが、彼を素晴らしい働き者だと持ち上げはじめたのには困惑し、腰が引けるばかりになるのだが。

「あ、プラム君もシキア君も、一緒に大自然の恵みを食べよう!」
 大した布教などしてないはずなのにいつの間にか村人たちに守護神扱いされていたゼクトが手を振れば、つかつかと歩み寄ってきたプラムが彼の背に回って一言。
「存在がうるせェ羽毟るぞ」
 布教中と打って変わったぞんざいな物言いに、シキアが笑う。辺りを囲っていた村人たちまで笑う……そんな笑い声の中でプラムはゼクトの前の皿から子山羊のスペアリブを取って、溶かしたチーズにどっぷりと漬けてから噛りつく。シキアも……こちらは大皿の肉塊から肋を切り取って、同じようにチーズをたっぷりかける。
「……うん。いい味だ」
 頬を自ずと綻ばせたなら、シキアはかけがえのない友人たちとともにひとつの村を危機から救い、こうして素晴らしい報酬にありつけた喜びを、ひとつの即興曲にして踊りたくなる気持ちを抑えきれぬのだった。夜は次第に更けてゆくものの、上マイター村の宴はまだまだ終わりそうもない――。

 ――その頃。
 村外れに捕縛したままの盗賊たちの足元に、フィリンは肉とチーズの包みを放り投げてみせた。
「……食べればいい。それがあなたたちの奪おうとしたものよ」
 本当は生かしておきたくなんてない……けれども戦意を失った者に刃を向ければ、自分は勇者なんかではいられなくなる。
 盗賊たちが、村人たちが生き足掻いているように、勇者とてまた生き足掻くのだ。



課題評価
課題経験:65
課題報酬:2000
それぞれのやり方
執筆:るう GM


《それぞれのやり方》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-07-05 12:35:45
なんかまた賑やかなことになってるよねぇ。
ザコちゃんどっちかに紛れ込んでも、バレないんじゃん?
ってもこの場合はそんなことしない方がやれることあるだろーけど、さぁ。

とりま決め定めなきゃなのは。
上手いこと襲う意義なんてなしなしだなーっててきとーにだまくらかすのか、
いー感じに有利な戦法なり地形なりに当て込んで嵌めて、戦って追い返すのか。
もしくは、主立ちメインな役割パカッとして、だまくらかしつつ戦ってとどめもぐさーってしちゃうか。的な?

とはいえ、騙すにしても戦うにしたって、賊のお偉い様の捕縛か討伐は確定っぽいし。
そこだけは逃がさないよーにしないとなのかなって。方法?今から考えんの頑張れー。

なんせよ、さっさと思いつきだけでもぶん投げ発言してくね。
ザコちゃん後半ちょっと夜中に顔出せるか出せないかになりそーだし。たぶん。
えっとねー。まず…(指先で水煙草をそっと叩き)…色々考えてたら逆に忘れた。まいっか。思い出したら投げよ。
思い出せる分だけでいーよね。無理くりひねり出したってなんにもならないし。

騙して村の価値をどーのこーの系でいくなら、人的或いは自然災害とか何とかで山羊の絶滅がー、って言うなり、
チーズに使用活用する白カビが湿気かなんかで使えなくなったー、とか。
なんだったら、適当なおっきい街に作成技術パチられ盗難、って騒いでも。…軍事施設のごーかなとこがいーかな。

戦う方面にすんだったら、村人達の手を借りる方がらく…有利な盤面作りやすくなるって考えっと。
森かどっかに弓とか持って控えた村人がいる場所作ってー、そこに賊を引き込んで戦うとか。
或いは…そーいう都合のよすぎる地形があればだけど。意図的に事故とか起こして分断させてもいーよね。
ってもその辺はわかんないことも多いし、成功率もさほどいまいちになりそーだけどさぁ。

《ゆうがく2年生》 リベール・ド・ヴァンセ (No 2) 2019-07-05 14:28:09
勇者・英雄コースのド・ヴァンセ。ややこしい気遣いなしにゴロツキを叩きのめせる仕事は好きよ。

敵は崖に近い斜面に挟まれた細い道をほぼ一列で進んでるって。
ゲリラ攻撃を仕掛けるにはうってつけね。斜面の上から攻撃するだけでも行列を分断できるかも。
しかも村はそんな細い道の奥にあるから守りやすい地形でもある。拠点を作って迎撃することもできるでしょうね。道が細いから一度に大勢でなだれ込めないもの。
敵は多いけど条件はなかなかいいわよ。どうりで村人がやる気なわけだわ。

《神(仮)》 ゼクト・ゴッドマイヤー (No 3) 2019-07-05 22:49:27
教祖・聖職コース所属。
アークライトの、そう。

神様ことゼクト・ゴッドマイヤーである!(どや顔

これは、戦う方で行くのかな?

皆に合わせようと思うけどね!

一応拠点作りの何かしらのスキルは取得してたはずだけど。
騙す方で行くなら人心把握術くらいなら持ってるから少しは役に立てるかな?

教祖として、教えてあげなくてはね!

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 4) 2019-07-05 23:12:25
(鼻歌交じりに入ってきて)やあ、皆盛り上がってる?
フフ、夏のイベントも満喫したし気力も殺意も十分で身体が火照ってしまうね。

で、皆はギュスターヴを叩いて終わりたい系?
それとも全滅するまで殴るのを止めない系?
俺は断然後者です。フフ...。
40人って、とってもヤり甲斐があって良いよね。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 5) 2019-07-05 23:40:35
芸能・芸術コースのシキアだよ
初めましての人もそうでない人もよろしくね?

頭叩いて終わるにしても、ある程度配下は相手にしないといけないだろうしね
ほぼ一列ってことは、横から不意打ちとか効果ありそう
地形はこっちの方が有利みたいだし、先手取って一斉射撃して戦意喪失させるとかできるかなぁ?

あ、勿論戦闘しない方向でもいいと思う
…案はちょっと考え中

《人間万事塞翁が馬》 ラピャタミャク・タラタタララタ (No 6) 2019-07-05 23:47:16
ラピャタミャクタラタタララターッ!

魔王・覇王専攻のラピャタミャクじゃ。初めましてのよろしくなのじゃ。
あちきはとりあえず斧を振り回して雑魚共を蹴散らすのじゃ。

策とかはぶっちゃけ特にないのでな、切り込むタイミングは皆の動きを見て考えるとするのじゃ。

《勇往邁進》 オリヴァー・アンダーソン (No 7) 2019-07-06 14:35:46
武神・無双コースのオリヴァー・アンダーソンだ。

難しいことは好きじゃねぇし、全滅が個人的に望ましいと考えている。
雑魚は殺すに限る。

斜面を攻撃できるなら、落石などの罠作りも出来なくないな。
…しかし、こっちが有利な地形故に敵側は随分頭が悪いな。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 8) 2019-07-07 17:46:51
ふんふん…。
これは一人遊びじゃなく、皆で倒す流れかな?

作戦としては皆が言ってるような地形を生かした挟み撃ち、トラップかな。
山奥で水源に近いだろうから、川沿いの道…が土や石が多いような地形だと仮定して、【油】のトラップとか用意するとか…かな。
燃え広がりそうな場所だとかえって被害でるから、これは保留だけど。

『三方を斜面に囲まれてはいますが、[村人たちはその斜面を登って]山羊たちを放牧しているようです。』
と情報があるから、村人と同程度の能力を持つ配下の山賊も登れると思って作戦いくつか立てた方がいいね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 9) 2019-07-07 19:04:51
ふんふん。ゆーしゃ様達のお声ご意見的には、戦う流れ空気なかんじでおけまるちゃん?
そったら、素早くささっとぶちのめし戦いに挑むのか、何らかのだまくらかし偽りで有利な盤面狙うのか、決めないとね。

地形的な疑問としてはー。ほら。
両側の崖、都合よく上に陣取れるような空間があんのか否か、崩しやすい土質岩質なのか否か。
崩せるとして道幅は綺麗に埋めれる程度の細さなのか、分断した時点で逃げられるような構造なのか。
…的なね?その辺も都合よく都合がいいのかわかんないし。勝手に捉えちゃっていーのかなって。
少なくとも、村人達が崖を登れる、ってのは確定わか理解で良き良きなんだろーけどさぁ。放牧してっし。

もういっこ、ザコちゃん的な気になり疑問としてはー。
確実に見逃さず逃さず捕えるか仕留めなきゃ、な、頭目様の事かな。
ほら、あっちも賢こぉい存在だったら、誰が頭目かわかんないようにして化けてる可能性もあるっちゃあるし。
なんなら、ちょっとでも形勢不利とみては逃げ出しちゃうようなへっぽこ傷心な小心者かもだし?ふふ。
その辺上手く判別したり、あわよくば引きずり出したり。なんて出来たらお気楽なんだけど。
他の賊は実質村人らしいんだし。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 10) 2019-07-07 19:09:08
燃やすのはあれかな。
崖の斜面?がさぁ。ヤギ放牧してるくらいだし、最低限ヤギ達がむしゃれる位の生草は生えてんのかなって。
そう考えっと、今後のチーズ生産にあおり影響あるんじゃん?って。微妙に思いみ。
崩すにしても燃やすにしても、一部分だけのが良さそうかなーって。チーズ嫌い?だったらありかもだけど。

ただ逆にそれ聞いて思いつき発案なのが、賊が登ってくる所を狙って、水なり油なり流すのは楽しそう。
雨の日の草地も岩地も、結構滑んじゃん?

《ゆうがく2年生》 リベール・ド・ヴァンセ (No 11) 2019-07-07 21:33:18
私は逃げる奴まで追うつもりはないから、攻撃拠点で道を塞いで迎撃することにするわ。敵が撤退しない限り、ギュスターヴもそのうち来るでしょう。
進軍中の敵への攻撃とか殲滅の為の追撃は好きにやってちょうだい。

村人と賊の能力が同程度って言っても、恐らくそれは戦闘力の話でしょうね。敵は急峻な地形を動く専門家じゃないだろうから、素早く登ってこられると思う必要はないんじゃない?ましてや大勢で登ろうとすれば相当疲弊するだろうし。
わざわざ上ってくるような奴らは飛び道具で叩き落してやりましょう。ザコちゃんの言う水や油で滑らせる戦法も効きそうね。それでも止めれる自信がないなら素直に逃げればいいわ。敵としても、本隊から離れて深追いするのは得策じゃないはずよ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 12) 2019-07-07 22:34:36
8人埋まったのね。
少々遅くなったけど、勇者・英雄コースのフィリンよ、よろしく。

盗賊団は思うところあるし完全殲滅したいところだけど、その場合も過程としてギュスターヴの早期撃破は必須だし、やる事は変わんないかな。
(経験則だけど、軍属でもないこの手の集団は指揮官の有無・統率が強さに直結するから…ギュスターヴ後回しのザコ狩りは数に踏みつぶされる可能性大)

こっちの鼓舞・指揮統率はゼクトやリベール…あと私、になるのかな。
拠点系は一通り履修してるし、頑丈さは自信あるから戦闘でもどちらでもいけるけど…

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 13) 2019-07-12 18:56:46
明日出発かぁ……明日!?(日付を勘違いしてた奴)

ええっと、俺は村の人達が攻撃を始める前に【鼓舞激励】で強化して
そのあとは【演奏】で敵の妨害って動きになると思う
基本只管支援だね、村の人が危なくなったら前に出るよ

演奏する武器は今のところラベイカ(敵すばやさ-3)にしてるんだけど、別のものがいい(トランペット:かしこさ3上昇)なら変えれるから遠慮なく言ってね

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 14) 2019-07-12 22:16:58
期間が長いとうっかりしちゃうよね。

とりあえず、村の営みに影響が出ない範囲で俺は適当に動くことにするよ。
基本的には逃亡者の処理…とかかな。うん。

《神(仮)》 ゼクト・ゴッドマイヤー (No 15) 2019-07-12 22:45:56
一応攻撃拠点は設置するプラン書いたよ。

他は回復に専念するよ。

あとは、あまりにしつこいようならそれなりに代償を支払って貰うつもり、かな。
人の幸せを踏みにじるんだからね。
それなりの対価を貰わないと不公平だからね。