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オープンキャンパスの案内役を遂行せよ!


ストーリー Story

 魔法学園フトゥールム・スクエアには朝から多くの学生が登校し、いつもと変わらぬ一日が始まった。
 各コースの午前最後の授業が始まると、教師達は一つのお知らせを伝え始めた。
「翌日オープンキャンパスがあって、この学園に興味がある人達が来ます。案内を担当するはずだった教師が腰を痛めてしまい、ならば生徒達に案内させてはとなりました。急な話で悪いのですが誰か案内をお願い出来ないでしょうか。もし希望者がいましたら、この授業終了後に言いに来て下さい……あと、入学したばかりでこの学園をもっと知りたいという生徒がいましたら、案内を受ける側として参加する事も出来ますので、どうぞ考えてみて下さい」
 お知らせが終わるといつも通り授業が始まった。
 終了後、興味を持った学生達が教師の元に集まった。
「参加者がこの学園に入学したいと思えるように全力で案内して下さい。好きな場所や部活やクラブを紹介したり、学園生活や入学した時の事について教えたり。個人で行動したり、誰かと一緒に案内しても構いません。時間は、昼食休憩を間に挟んで朝から夕方までです。参加者は、老若男女、種族も様々です。案内される側に回る生徒は、外部の参加者と一緒に学園を知って下さい。気負わず気楽に楽しんで下さい」
 教師は学生達に詳しい説明をし、全面任せる意を示した。

「ここがフトゥールム・スクエアかのぅ」
「ここが良いところだったら、来年入学しようかな」
「近所のお姉ちゃんが素敵な所だって言ってたけど」
 そして翌朝、色んな種族の老若男女が期待と緊張を胸に魔法学園フトゥールム・スクエアを訪れた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-08-20

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2019-08-30

登場人物 3/8 Characters
《ゆうがく2年生》アリア・カヴァティーナ
 アークライト Lv14 / 村人・従者 Rank 1
 幼い頃から聞かされてきた英雄譚に憧れて、いつしか勇者さまを導く人物になりたいと願ってきた。  その『導き』とはすなわち、町の入口に立って町の名前を勇者様に告げる役。  けれども、その役を務めるということは、町の顔になるということ。この学校でたくさん学んで、いろんなことを知ることで、素敵な案内役になりたい!  ……それが自分の使命であると信じて入学したけれど、実のところ勉強よりも、花好きが高じた畑いじりのほうが好きだったりする。そのせいで、実はそこそこの力持ちだったりする。  たぶん、アークライトの中ではかなり変人なほうなんだと思うけれど、本人はあんまり気にしていない模様。  基本的に前向き……というか猪突猛進なところがある、かも。
《ゆうがく2年生》ナツメ・律華
 ローレライ Lv13 / 賢者・導師 Rank 1
※アレンジ 他の人の絡み歓迎 名前:ナツメ(名前)・リッカ(名字) 目指せ大魔法使い! 追求せよ世界の真理! 【外見】 実年齢:14歳 外見年齢:10歳程度(つるぺた) ……まだ成長期は終わってませんわ! きっとあと数年のうちに素敵なレディにっ! 髪:三つ編み(しないと髪が爆発する…) 【中身】 明るく元気な性格 (よく言えば素直、悪く言えば分かりやすい) 探究心が強く、新たな知識を得るのは大好き 勉強したり本を読むのは大好き 田舎な実家では農作業や牛の世話をしていた。 大魔法使いになって世界の不思議を理解して その力で実家の畑の収穫を楽にするの! という大きいのか小さいのか分からない野望を持つ 田舎から出てきたので、お嬢様キャラで学校デビューを計ろうとするがすすぐにボロが…… 【口調】人と話す時はお嬢様(~ですわ、~かしら) 心の内や慌てたりすると素に戻る(~よ、~ね)
《這い寄る混沌》ニムファー・ノワール
 アークライト Lv20 / 王様・貴族 Rank 1
ニムファー・ノワール17歳です!(ぉぃぉぃ ニムファーは読みにくいかも知れないので「ニミィ」と呼んでくださいね。 天涯孤独です。何故か命を狙われ続けてます。 仲間やら友人はいましたが、自分への刺客の為に全て失ってしまいました。 生きることに疲れていた私が、ふと目に入った学園の入学案内の「王様・貴族コース」を見て考えを改めました。 「自分が命を狙われるこんな世界、変えて見せますわ!」 と思っていた時期が私にもありました(遠い目 今ではすっかり学園性活に馴染んでしまいました。 フレンドになった方は年齢にかかわらず呼び捨てタメ口になっちゃうけど勘弁してね、もちろん私のことも呼び捨てタメ口でも問題ないわよ。 逃亡生活が長かった為、ファッションセンスは皆無な残念女子。 な、なによこの一文。失礼しちゃうわ!

解説 Explan

【案内する側について】
 施設を案内したり、お喋りをしたり、何か体験をして貰ったりと自由に案内して下さい。

【案内される側について】
 もっと学園を知るために、参加される生徒さんやNPCに案内を受けたり、オープンキャンパスに訪れた参加者達と和気藹々と過ごす事が出来ます。

※案内するされる場所として、旧校舎など立ち入りの制限されている場所を選択する事は出来ません。

※どこかを案内するされる場面ではなく、昼食休憩を描写場面に選ぶ事も可能です。昼食休憩の場所はどこでも構いません。その際、唯のお喋りに興じたり入学の経緯などを話して学園を好きになって貰ったりと自由に過ごす事が出来ます。

※関わりたい人物や時間、場所などについて希望がありましたら、プランに記載をお願いします。
例)案内する相手:同い年の明るい性格のヒューマンの少女、案内する場所:植物園「リリー・ミーツ・ローズ」


作者コメント Comment
 プロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 オープンキャンパスの参加者達に学園の素晴らしさを全力で伝えて頂いたり、案内をされる側に回って学園についてもっと知って頂いても構いません。
 ほんの僅かでも楽しんで頂ければ、幸いです。


個人成績表 Report
アリア・カヴァティーナ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
わたくし、事前調査することで、改めて学園の案内図と紹介パンフレットの内容を頭に入れておきますわ! …万が一に備えて携帯もしておきますけれど
そして校門すぐ中の、多少人が集まっても後続が支えない辺りの場所で、総合案内役をいたしますわ!

まずは元気にハキハキと、「ようこそ、ここはフトゥールム・スクエアですわ! どんな場所をご覧になりますでしょうか!?」
この問いで、お客さまに勇者になった気分を味わってもらって、入学後のご自分のイメージを持っていただきますわ!
さらに、お客さまのご返答に対して、すぐに行き方や目的地の特徴をお答えできれば、学園生への信用は上がりますわ!
最後は別れの一言も…「是非ともお楽しみを!」

ナツメ・律華 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
わたくしの案内次第で学園の運命を決めるのですね、責任重大ですわっ(当人は大真面目)
制服も笑顔もばっちりでお出迎えいたしますわ

全力で説明しますが……あぁ、いきなり魔法について話しても難しいですわね
そうだ、自分が新入生の時にしてもらって楽しかったように
実際に植物にふれて体験してもらう

特殊な反応をする植物や、口にすると酸っぱい味のする葉っぱとか
歩き回って疲れたでしょう、回復役にもなる甘い樹液もありますわよ
詳しい事は理解できなくても、世界には知らない事がいっぱいありますわ

最後は水やりと称して「自然友愛」「プチミド」で水を宙にまき、虹を作成
「ふふふこの位、朝メ…朝ご飯前ですわ(よ、良かった成功した…)」

ニムファー・ノワール 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
初参加ということで、学園を広く浅く回って見たいなぁと思って参加。

回りが知らない人ばかりで、なにげにおろおろしつつ、プラプラしたいと思います。

年齢の近い同性とキャピキャピお話できたらいいなぁと思ってる

リザルト Result

●1章 案内する側される側のドキドキ
 朝、魔法学園フトゥールム・スクエアの入り口付近。
「全て、頭に入れましたわ!」
 【アリア・カヴァティーナ】は、先程から読み込んでいた案内図と紹介パンフレットを折り畳むと、いつでも確認出来るようにと携帯した。
「準備万端ですわね」
 【ナツメ・律華】(ナツメ りっか)は、アリアの用意周到さに感心した。
「ですわ! 総合案内役はお任せですわ」
 アリアは元気いっぱいに頷き、お任せあれと胸をどんと叩いた。
「ところで、わたくし達の案内次第で学園の運命を決めるのですね、責任重大ですわっ」
 ナツメは本日の任務を言葉以上に大事にとらえ、大真面目な顔に。
「はい! 頑張りましょう! 今日は自分の学んできたことを活かす晴れ舞台ですもの」
 釣られるようにアリアの顔が凛々しく引き締まった。
「えぇ、今回、小さいながらも色々な経験をして貰い、何を学ぶかより先に、世界には知らない知識という扉がいっぱいあるという事を知って欲しいですわね……わたくしもそうでしたから」
 ナツメは、心当たりを胸の奥に感じつつ言った。
「勉強よりも素敵な事は沢山ありますものね」
 アリアも大いに心当たりがあると、力強く同意を示した。何せ彼女にも、素敵な案内役になるべく入学したはずが、気づけば勉強よりも畑いじりに夢中になってしまった経験が多々あったからだ。
「来るよ、来るよ」
 その時、二人と同じく案内任務を引き受けたヒューマンの女子学生がバタバタとやって来た。
「いよいよですわ」
 アリアは改めて気を引き締めた。
「……制服も笑顔もばっちりでお出迎えいたしましょう」
 ナツメは『魔法学園帽子:赤』のつばを直し、纏う『魔法学園制服:赤』に乱れがない事を確認すると笑顔を用意。
(……だ、大丈夫、上手く出来るはず)
 ちょっぴり緊張を胸に抱きながら。
「どんな施設があるのかな」
「学園生活か、儂でも楽しめるかのぅ」
「何か、部活動とかしてみたいなぁ」
 知らせ通り、種族も年齢も関係無い幾つもの足音と楽しそうな話し声が近付いて来た。
「……学園を広く浅く回って見たいと思って参加したけれど……」
 中には、すでに入学している【ニムファー・ノワール】の姿もあった。
「知らない人ばかり」
 きょろきょろするニムファーは、見知らぬ顔ばかりに何気におろおろしていた。

●2章 ようこそ、魔法学園フトゥールム・スクエアへ!
 期待、緊張、不安と様々な顔色を浮かべる参加者達の前に案内役の生徒達が登場。
「ようこそ、ここは魔法学園フトゥールム・スクエアですわ!」
 まずはとアリアが元気にハキハキと、学園の名前を口にした。この世界に多く存在する訪問者に村の名前を教えてくれる村人の如く。それこそが彼女が目指す存在だ。
「わたくし達が全力で説明をしますが……魔法については難しいですわよね?」
 続いてナツメが学園について難しい事を含む詳細を話してもいいか、そろりと訊ねた。
「難しい話は苦手かなー」
 参加者の一人が申し訳無さそうに言った。
「では……」
 ナツメは呼吸を整え、緊張気味に改めて参加者の顔を見回してから口を開いた。
「わたくしは、本日案内役を務めさせて頂きますナツメ・律華ですわ。よろしくお願いしますわ」
 飛び出したのは、初対面定番の自己紹介だ。
「アリア・カヴァティーナですわ♪」
 アリアも無邪気な笑みを浮かべて名乗った。
「よろしくー」
「儂は【リック・ドゥ】じゃ」
「私は【ミミ・リー】」
「今日は色んな所の案内お願いっ!」
 参加者達は次々と挨拶を行う。案内役が教師ではなく学生とあり、緊張はそれ程強くない模様。
「ニムファー・ノワールですわ。ニムファーは読みにくいので、ニミィと呼んでくださいませ」
 ニムファーは、口角を上げて自己紹介をした。
「お喋りをしながら楽しく学園内を皆さんと見回りたいです」
 そして、友達作りをしたいとありふれた目的を口にした。
(年齢の近い同性も多いから、キャピキャピお話できたら……は表向き、それだけでなくて……わたくしが命を狙われるこの世界を変えるためにも……と言っても、こうして学園の案内に参加している事自体、学園生活に馴染んでいる証拠かもしれないけれど)
 何やら思う事があるのか、ニムファーは自嘲気味に笑みを洩らした。何せ、学園入学前に仲間も友人も自身の命を狙う刺客により失っているという重い過去を抱えているのだ。
「では、早速どんな場所をご覧になりますでしょうか!?」
 アリアは、案内役の仕事を始めた。
(この問いで、少しでも勇者になった気分を味わってもらって、入学後のご自分のイメージを持っていただければ)
 胸に誇りを抱き、アリアの顔は自然と凛々しい。
「えーと」
 アークライトの女性参加者は困ってしまい、首を捻った。
「第一校舎ですか? 第二校舎ですか?」
 見かねたアリアは、次の選択肢を提示し手助けをする。
「じゃぁ、第一校舎から教えて!」
 アークライトの女性参加者は、好奇心から人差し指を立てて訊ねた。
「第一校舎には、様々な施設がありますわ。大図書館、植物園、生物園に、中心部には大きな講堂として、ファンタ・ブルーム大講堂がありますわ。学園の西側にはスペル湖という広大な湖もありますの!」
 自分の望んだ役目であるためか笑顔のアリアは、少し早口で噛む事なく施設を次々と案内する。
「へぇー、図書館にはどうやっていくの? どんな本があるのか見てみたいんだけど」
 アークライトの女性参加者は、図書館に興味を抱いたのか食いついた。
「行き方は……」
 アリアは巧みな話術と相手がこの学園が初めだろうと思い、学園案内図も使って分かりやすく行き方を説明した。
「ありがとー、分かりやすいよー」
 アークライトの女性参加者は笑顔で礼を言った。
「どんな場所かご存知ですか?」
 アリアがもしやと追加の質問。
「ううん、教えて?」
 アークライトの女性参加者はぷるりと、頭を左右に振った。
「大図書館『ワイズ・クレバー』には、我が学園の先輩達が世界中から集めた文献やその模写が貯蔵されていますわ。種類が豊富なため、探す事が難しい本もありますが、図書委員に聞けば、あっという間に解決ですわ!」
 アリアは案内役として相手を気遣い、少しゆっくり気味に施設概要を伝えた。
「そんなに沢山の本あるの! 何か楽しそう、一人で少し本巡りをさせて貰うねっ」
 アークライトの女性参加者は、アリアの案内を頼りに嬉々と歩き出した。
「是非ともお楽しみを!」
 アリアは元気一杯に見送った。
(こうして、お客さまのご返答に対して、すぐに行き方や目的地の特徴をお答えできれば、学園生への信用は上がりますわ!)
 胸中で、ちょっぴり誇らしげになりながら。
「ねぇねぇ、クラブはどんなのがあるんだ?」
 次はエリアルの少年が訊ねた。
「クラブは第二校舎から第九校舎ですわ。運動系から文化系、戦闘系、魔法系まで様々ですわ」
 アリアはにこにこと、説明した。
「順番に覗いて見たいなあ」
 エリアルの少年は一層の興味を抱き、案内役に導かれながらクラブ巡りに繰り出した。
「是非ともお楽しみを!」
 アリアは笑顔で見送った。
「色んな所を見てみたいけど、何から見るのがいいのかな」
「魔法学園らしく、何か不思議な物を見てみたいのぅ」
「見るだけじゃなくて、何か体験とかないかな」
 残った参加者の幾人かが、あれこれと自分達の希望を並べ始めた。
(……体験なら、お喋りも弾んで親しくなるきっかけになりそう)
 ニムファーも残っており、何やら思う事があるのか口角を上げた。
(……体験……そうだ、実際に植物にふれて貰おう。自分が新入生の時にしてもらって楽しかったし)
 参加者の意見を受けて考え込むナツメが頭に浮かべたのは、自身が新入生だった時の事だ。
「では、植物園に案内しますわ」
 思いついたナツメは、笑顔で参加者を誘った。
(……気に入ってくれるといいのだけれど)
 皆が案内先を気に入ってくれるのか心配しつつ。
「植物園?」
 参加者の一人が小首を傾げながら聞き返した。
「はい、世界中の植物を集め、生育しているとても素敵な場所ですわ」
 ナツメの言葉に参加者達は興味と信頼を抱き、案内場所が決定した。
「それは行ってみたいかも。ねっ?」
 先程ミミと名乗っていた17歳のヒューマン女性が、ニムファーに声を掛けて来た。
「そうですね」
 ニムファーは笑顔で返した。
(……行く人も多そうだし)
 同時に、目で植物園に向かうだろう参加者達を数えていた。友達や協力者作りを頭に置いて。
 という事で、ナツメの案内でニムファーを含む参加者達は植物園に向かった。すっかり時間も午前中頃に差し掛かっていた。
「是非是非、楽しんで下さいませ!!」
 見送るアリアの声には、花好き故か先程の案内以上に力が込められていた。
「さて、どんな場所をご覧になりたいですか?」
 アリアは向き直り、残った参加者達に向かって先程と同じように総合案内役を務めた。

●3章 植物と触れ合おう
 午前中頃、魔法学園フトゥールム・スクエア、植物園『リリー・ミーツ・ローズ』。
「ここは……」
 到着するとナツメは、読書で得た知識を利用して解説を行った。
「解説通り植物が沢山!」
「色々見てみたいな」
「こりゃ、凄いのぅ」
 参加者達は、好奇心に目を輝かせた。
「こちらをご覧下さい!」
 ナツメは、考えていた植物との触れ合いを実行に移す。
「手を三回叩くと……」
 近くの植物に向かって、ナツメは手を三回叩く。
「……踊るのですか。特殊な反応をする植物ですね」
 するとニムファー達参加者の目の前で、植物は軽やかに踊ってみせた。
「他にはどんな植物が?」
 ニムファーが楽しそうに訊ねた。
「こちらですわ。はぐれないようについて来て下さいませ」
 そう言って、ナツメは歩き出した。
「面白そうだから、ついて行ってみよう。えーと、ニミィちゃんだよね?」
 ミミは面白そうとついて行く事に決めると、近くにいたニムファーに声を掛けた。
「はい、よろしくお願いします」
 ニムファーは笑顔で応じた。
「うん、よろしく」
 ミミもまた笑顔で返した。
 こうして、ニムファーは他の参加者達と共にナツメについて行った。
「どうぞ、囓ってみて下さいませ」
 少し歩を進めた所でナツメは足を止め、白い花を咲かせる植物の葉を数枚取って、参加者に渡した。
「この葉っぱ、星の形をして可愛いですね」
 受け取ったニムファーは、可愛らしい見た目ににっこりしてからナツメの方に顔を向けた。
「ふふふ、見た目は可愛いですが……実は……と、とにかく囓ってみて下さいませ」
 ナツメは、ニムファーの様子に思わずネタを話しそうになるのを抑え、ちょっぴり意地悪な顔で、囓るよう促した。
「酸っぱい!」
 囓った途端、口内に酸っぱさが勢いよく広がり、ニムファーは他の参加者と同じく顔をくしゃりとさせた。
「しかも、酸っぱいだけでなく、これは魔法薬の素材としても使えて……」
 ナツメは、頭の中にある魔法薬の知識を披露。
「……これが魔法薬に……凄いですね」
 ニムファーは囓りかけの葉を見やり、感心の声を上げた。
「そのような植物が、ここには沢山ありますわ。他には……」
 ナツメは辺りを見回してから近くの樹木に移動した。
「甘い樹液を持つ木もありますわよ? 歩き回って疲れたでしょうし、如何かしら?」
 そして、皆を手招きした。
「……」
 先程の事もあってか、参加者は誰も動かず、不安げに見るばかり。
「あ、あの、これは癒しの効果を持つ甘い樹液で、美味しくて、大丈夫よ」
 皆の反応にナツメは、動揺し本来の口調が飛び出してしまう。
(ど、どうしよう。ここは自分から……)
 心中も当然動揺真っ最中だ。
「……この木の樹液ですか」
 ニムファーが助け船とばかりに、木の元に行き樹液を味わった。
「……甘いですね」
 ニムファーの口内に広がるのは、程よい甘さ。
「でしょう! 詳しい事は理解できなくても、世界には知らない事がいっぱいありますわ」
 ナツメは誇らしげに胸を張った。明らかに言葉の端々に安堵があった。
「……確かにその通りですね」
 ニムファーは、自身の過去と現在を振り返りしみじみと頷いた。生きる事に疲れていた自分がこうして学園生活を送っているなんて。
 他の参加者も続いて甘い樹液を味わった。
 そうして、植物との触れ合いをたっぷりと満喫した後、ナツメは幼い精霊を召喚した。
「最後は水やりですわ」
 同時に魔力を使って眠れる者の杖レプリカの先端から、小さな水の玉を生成し宙にまいた。
「わぁぁ、虹だ」
「綺麗だねー」
 虹が生み出され、見る者を釘付けにした。
「ふふふこの位、朝メ……朝ご飯前ですわ」
 ナツメはドヤを顔に水やりを続けた。言葉遣いに気を遣いながら。
(よ、良かった成功した……)
 内心は、水やり成功に大いに安堵の溜息であった。
「……綺麗、それに……」
 ニムファーは、虹だけでなく共に過ごした皆の顔を見て、楽しそうに笑みを洩らしていた。
 水やりが終わると、ナツメはニムファー達参加者を連れて他の場所を巡ってから、アリアの元に帰還した。

●4章 オープンキャンパスの後……
「お帰りなさいませ!」
 アリアは笑顔で、帰還した参加者達を迎えた。
 この後も、昼食を挟みながらもアリアとナツメは案内を続け、ニムファーはお喋りと共に学園内を見て回った。
「面白かった」
「入学してみたいな」
「今日は楽しかったのぅ」
 結果は上々で、入学を決める者もちらほらいた。
 案内役を頼んだ学園は大いに喜んだらしい。



課題評価
課題経験:44
課題報酬:1200
オープンキャンパスの案内役を遂行せよ!
執筆:夜月天音 GM


《オープンキャンパスの案内役を遂行せよ!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 1) 2019-08-15 00:31:00
案内役……! わたくし、この機会を逃すわけにはゆきませんわ!
未来の勇者さまをお導きすることでしたらわたくしにお任せくださいませ! きっと、立派な案内役を務めてみせますわ!

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 2) 2019-08-19 01:09:52
そうそう! わたくし、総合案内を務めようと思っておりますわ!
『ようこそ、ここはフトゥールム・スクエアですわ! どんな場所をご覧になりますか!?』からたくさん選択肢を出す係ですわ!

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 3) 2019-08-19 14:19:44
初参加です、よろしくお願いします。今回はされる側でいこうかと思います。いろんな人達を見たいので人の多そうなところを案内されるとうれしいかなぁ。

《ゆうがく2年生》 ナツメ・律華 (No 4) 2019-08-19 22:07:01
ご挨拶がおくれて申し訳ありません、ナツメ・律華と申します
私は植物園を案内する予定ですわ。
皆様よろしくお願いしますね。