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新たな年、貴方の抱負は何ですか?


ストーリー Story

 朝、魔法学園フトゥールム・スクエア、勇者・英雄コースの授業が行われている教室。
「明けましておめでとう。みんな、去年はどんな年でしたか? 授業や訓練に冒険に大忙しだった人も色んな出会いをした人も失敗した人もいるでしょう」
 本日最初の授業が始める前に女性教師が、まずはと新年の挨拶を始めた。
「今日から新たな年が始まります」
 女性教師がパン、と両手を叩き声を大きくした。
「という事で、一つ、大事な課題を出します」
 人差し指を立てながら言った。
「それは、今年の抱負を考えてくる事です。期限は明日です! 抱負を考える事で、休暇で緩んだ気が引き締まり新しい年への気合いも入るでしょう」
 課題を提示しながら、女性教師は様々なひとときを過ごしただろう学生達の顔を見回した。
「抱負は、難しく考える事はありませんよ。勉強を去年より頑張るとか新しい事に挑戦するとか友達を沢山作るとか、どんなものでも構いません。誰かと相談してもいいですよ」
 女性教師は、学生達が少しでも課題に取り組みやすいようにと、幾つか例を挙げた。
「これで、課題の説明は終わりです」
 課題の説明が一段落した所で、女性教師はパン、と手をまた叩いた。
「さあ、授業を始めますよ!」
 そして、本日の授業を始めた。
 丁度、他のコースでも同様の課題が出されていた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-01-11

難易度 とても簡単 報酬 少し 完成予定 2020-01-21

登場人物 2/8 Characters
《新入生》クルト・ウィスタニア
 ヒューマン Lv9 / 勇者・英雄 Rank 1
「まったく……彼女はどこに行ったんだ!」 「俺は魔法はさっぱりだけど……入ったからには、頑張ってみるさ」 「もう、だれも傷つけたくない。傷つけさせない。そのための力が欲しい」 [略歴]  以前はとある国で、騎士として活躍していた。  しかし、とある出来事をきっかけに国を離れ、パートナーと共に各地を旅していた。  その道中、事件に巻き込まれパートナーとはぐれてしまう。  人の集まる魔法学園でなら、パートナーの行方の手がかりがつかめるかもしれないと考え、入学を決めた。 [性格]  元騎士らしく、任務に忠実で真面目。常識人っぷりが仇となり、若干苦労人気質。 [容姿] ・髪色…黒。 ・瞳……淡い紫。 ・体格…細マッチョ。ちゃんと鍛えてる。 ・服装…学園の制服を着ている。が、若干イタイんじゃないかと心配もしている(年齢的に)。 [口調補足] ・一人称…俺。改まった場では「私」も使う。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」「様」をつける。 ・語尾…~だ。~だろう。目上の人には敬語。 [戦闘] ・剣を扱う。 ・「もっと守る力が欲しい」。  そう思い、最近は魔法と剣を融合させた剣技を習得したいと考えている。
《ゆうがく2年生》四季杜・カガヤキ
 ドラゴニア Lv6 / 黒幕・暗躍 Rank 1
「四季杜カガヤキと申します。……以後、お見知りおきを」 □ 名前 :四季杜 カガヤキ(シキモリ・ー) 四季杜→姓 カガヤキ→名 血液型:B 身長 :175センチ 年齢 :17歳 好物:温かい食べ物、飲み物 苦手:冷たい食べ物、飲み物(例外有り) 特技:物音立てず近寄る(忍び寄る) 趣味:刺繍、編み物 服装:タートルネックの上にフードマント、口布。 右目の隠れた混じりのない純黒の髪。 藍鉄の双眸に、褐色の肌。 誰に対しても常に一歩線を引いた距離で、固い敬語で人を選ばず淡々と話す。 独り言、ひとりの際は「〜だ、だろう」で、やはり淡々と話す。 争いごとの全てを好まないが、仕える主の為となるなら容赦はしない。 大体いつも、気難しげな表情をしているが、これは彼にとっての「無表情」。 機嫌が悪いわけではない。 (アドリブ等は歓迎致します)

解説 Explan

 『今年の抱負』を考えてみて下さい。
 その際、学校内や寮や移住区域『レゼント』などで、訓練や座学中や遊んでいる時など、一人や誰かと一緒に考える事も可能です。
 抱負の内容は、真面目なものやおふざけが混じったものなど、自由に考えてみて下さい。
例)放課後、寮の自室で、一人でお菓子を食べながら考えた抱負は、友達を作る

※活動時間は課題を受けた朝~夜までになります。活動場所は学園と居住区域『レゼント』までになります。活動時間や場所やこういう人物と交流したいなど希望がありましたら、プランに記載をお願いします。


作者コメント Comment
 明けましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願い致します。
 今年最初となる夜月のプロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 真面目に時に不真面目に、楽しく今年の抱負を色々考えて頂ければと思います。


個人成績表 Report
クルト・ウィスタニア 個人成績:

獲得経験:43 = 36全体 + 7個別
獲得報酬:1152 = 960全体 + 192個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
今年の抱負か、なかなか難しいな…。

思いつかないので、箒に乗ってレゼントの街を散策してみることにする。

とはいえ、魔力的に長く飛べないと思うので疲れたら徒歩で街を見て回る。

途中で迷子の子供に遭遇して、その子の親を一緒に探す。
泣いている子供を前に、やさしいお兄ちゃんっぽいふるまいを心がける。
プチミド・プチマドを手のひらの上で出したりしてみせて、興味を惹いて子供の気を紛らわせようと頑張ってみるが、上手くいかなくてちょっと焦る。

自分のパートナーがこんな時いてくれたら…と一緒に旅をしている頃を懐かしみつつ、子供を送り届ける。

送り届けたのち、今年は魔法をもっとたくさん学ぼうと抱負を決める。

四季杜・カガヤキ 個人成績:

獲得経験:43 = 36全体 + 7個別
獲得報酬:1152 = 960全体 + 192個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
 寮の自室/放課後
抱負…とは 今年の目標と呼べるもの
それらを決め、取り組むのはとても素晴らしいこと
…しかし、今年の抱負…か。どうすべきか…
先生は簡単でも構わないと仰っていたが…
真面目に取り組む…いや それでは簡単すぎるか…

…こういったものは不慣れゆえ、苦手だ…
だが それでは主に顔向けできない

(そういえば 入学前は主の御命令に沿うよう必死になっていたな…
どうにか状況をよい方へ運ぶ為、様々なことを考えたこともあった)

…そうか…!
主、カガヤキの心はたった今決まりました
この抱負なら、私にぴったりでございましょう

 考えた抱負は「課題に真摯に取り組み 今年一年を充実したものとする」

リザルト Result

●1章 目指すものに向かって
 放課後、魔法学園フトゥールム・スクエアの校門付近。
「今年の抱負か、なかなか難しいな」
 授業を終えた【クルト・ウィスタニア】は、本日の課題について考えを巡らしていた。
「……真面目に考えなくともいいとは言っていたが」
 女性教師の言葉を思い出すが、真面目な性格故にいいかげんには出来ない。
「とは言え、思いつかないな。ここは箒に乗ってレゼントの街を散策してみるか」
 何か思いつくかもと、学校から箒に跨り、空からレゼントの街へと繰り出した。
「……少し疲れて来たな。街に降りて歩いてみようか」
 散々飛び回った末、疲れが押し寄せて来たため、地上に降り立った。

 レゼントの街。
「さてと、今年の抱負だが……」
 地に降り立ったクルトは、早速課題に頭を巡らせようとした。
「……子供の泣き声?」
 その時、クルトの耳が喧騒に紛れる小さな男の子の泣き声を拾った。
「……大丈夫か」
 気付いたクルトは近付き、転んだヒューマンの5歳の男の子を手助けした。
「……」
 男の子はなおも泣いている。
「怪我をしているな」
 すぐに右の膝小僧に掠り傷を発見。
「ほら、もう痛くない」
 クルトは、簡易救急箱を使って速やかに手当を施し、笑いかけ、頭を撫で撫で。
「……うん」
 男の子はこくりと小さく頷くも、目からは涙がぽろり。
「……ん、どうした?」
 クルトが優しく訊ねた。
「……お母さんがいない……今日、お父さんの誕生日で……一緒にお買い物に……捜してもいなくて……」
 男の子は泣き出した。どうやら、迷子になり母親を捜し回る内に転んで怪我をしたようだ。
「心配無い。今度はお兄ちゃんと一緒に捜そう。名前を教えてくれないか?」
 クルトは、出来るだけ優しく心掛けながら手を差し出した。
「……うん、ターウィン」
 男の子は名乗りながら手を握った。
「よし、ターウィン、行こうか」
 クルトはしっかりと小さな手を握り、ターウィンの歩調に合わせてゆっくりと歩き出した。
 ターウィンの話から、母親が向かうだろう先を推測し、捜し回ってみるも、収穫は無し。
「……お母さん」
 その事実に心細くなったのか、ターウィンは泣き始めた。
「大丈夫だ。きっと会える」
 気付いたクルトは立ち止まり、繋いだ手を離しターウィンと視線を合わせた。
「よし、お兄ちゃんが面白い物を見せよう」
 クルトは、口元を笑みの形にした。
(旅の最中に出会った迷子を魔法でうまく子供をあやしていた彼女のように……何とか……)
 胸中にパートナーとの旅を思い出し、真似をしようと考えた。
「……面白いもの」
 ターウィンは目をこすり涙を拭くと、少し興味があるらしい顔でクルトを見た。
「よく、見てごらん」
 と言って、魔力を使い手の平に小さな水の玉を生成するプチミドを発現させる。
「わぁあ、すごい。お兄ちゃん、魔法使えるんだぁ」
 ターウィンは驚き、興奮気味に手を叩いた。
「あぁ、まだだ」
 クルトはもっと喜ばせようと、魔力を使い、手の平に魔法陣を展開させ魔力の玉を発射するプチマドを使う。一生懸命な様子は、優しいお兄ちゃんそのものだ。
「よし、もう1つ」
 1個目は上手く出来、もう1つと魔力の玉を発射した。
(……まずい)
 だが、タイミングが合わず、少々焦るクルトをあざ笑うように2個目は空気中に霧散した。実は魔法は得意ではないのだ。
「あははは、お兄ちゃん、へたっぴ」
 しかし、ターウィンは楽しそうに笑った。魔法は失敗したが笑顔にするには成功したようだ。
「あぁ、お兄ちゃんもまだまだだ」
 クルトは苦い笑いを口元に浮かべた。
「ううん、お兄ちゃんすごいよ! 魔法も使えるし、優しいもん!」
 いつの間にか元気になったターウィンは、子供なりにクルトを元気にしたいと励ました。
 その時、クルトがターウィンをあやすやり取りが、周囲でターウィンを捜し回っていた母親が気付き、駆け寄って来た。
 親子は助けてくれたクルトに礼を言ってから、手繋いで歩き出した。ターウィンは母親にクルトについて楽しそうに大袈裟に語った。
「……彼女がいてくれたら」
 小さくなる親子の背中を見送りながらクルトは、パートナーと一緒に旅をしている頃を懐かしんでいた。
 その時、ふとクルトの脳裏に思い浮かんだ。
「……今年は魔法をもっとたくさん学ぼう」
 今年の抱負。魔法が得意では無いのに拘るのはパートナーが魔法が得意としており、少しでも近付きたいと思っているからだ。

 クルトが考えた抱負は、『魔法をもっとたくさん学ぶ』だった。

●2章 これまでとこれから
 放課後、寮の自室。
「……」
 学校から帰って来た【四季杜・カガヤキ】(しきもり カガヤキ)は、机に向かっていた。
「……抱負、か」
 頭を巡らすのは、本日出された課題の事だ。
「確か、抱負……とは今年の目標と呼べるもの。それらを決め、取り組むのはとても素晴らしいことだが」
 カガヤキは、抱負の元々の意味を念頭に置いてから、改めて何とか考えてみる。
「……何も思いつかないな」
 が、何も浮かばない。
「……温かい物でも飲むとするか。一息入れたら何か思いつくかもしれない」
 気分を変えれば何か思いつくかもしれないと、カガヤキは椅子から立ち上がり、好む温かい飲み物を用意する。
「……」
 温かな飲み物を机に置き、カガヤキは椅子に座った。
「……ふぅ」
 そして、一口飲み、温かさと共に軽く息を吐き出し寛ぐ。ただし、表情は寛いでいる割には不機嫌というか無表情だ。だが、その顔色はいつも同じであるため、気持ちと必ずしも一致しているとは限らない。
「……今年の抱負……か。どうすべきか……先生は簡単でも構わないと仰っていたが……」
 もう一度、課題の答えを求めて頭を巡らすも、何も思いつかない。
「……真面目に取り組む……いや それでは簡単すぎるか……こういったものは不慣れゆえ、苦手だ……」
 カガヤキは真面目なためか、やっつけ仕事のようにいい加減に処理する事に納得出来ない。
「……今年の抱負」
 そのため、残る飲み物に目を落としながら、深く考え込んでしまい溜息を吐く。
「だが それでは主に顔向けできない」
 だからと言って、課題を放り出す真似はしない。そんなカガヤキの頭に浮かぶのは、新たな名前と居場所や役目を自分に与えてくれた者の顔。
「……いくら考え込んでも自分が納得のいくものは思いつかないな」
 目標のような物を考えるのがあまり得意ではないため、簡単には思いつかず口から飛び出さない。
「ならば……」
 カガヤキは飲み物を一口して、少し喉を潤しながら考えを巡らせた結果、一つ出て来る。
「過去の自分がどのように思い動いていたか、思い出してみるか」
 それは、課題の答えではなく辿り着くための手段であった。
 ゆっくりとこれまで歩んだ道を振り返る。
(帰る場所を失い、途方に暮れていた時に主に出会い、今の名前を貰った)
 帰る場所と名前と頭と呼び慕う事になる者との出会い。それまでのカガヤキの人生は酷いものであった。
(そして、お嬢の護衛をしばらく任せられていたな)
 巡らす記憶は、与えられた任務をこなす日々に至る。
(護衛の役目もいつしかなくなり、学園への入学を勧められて……)
 ついに記憶が現在に辿り着く。どんなにとんでもなくとも、カガヤキにとって一片の迷いもない人生だ。
「……」
 考え事に集中しているためか、すっかり飲み物の存在を忘れてしまい、冷めている事にも気付いていない。
(入学前は主の御命令に沿うよう必死になっていたな……どうにか状況をよい方へ運ぶ為、様々なことを考えたこともあった)
 思い出したあらゆる記憶から、当時自分が何を思い行動を選んだのかに考えが至り、しみじみとする。
「……そうか……!」
 その時、ついにカガヤキの脳裏に閃いた。
「主、カガヤキの心はたった今決まりました」
 カガヤキは胸に手を当て窓の方に目を向け、言った。まるで誰かに報告するかのように。
「この抱負なら、私にぴったりでございましょう」
 カガヤキはもう一度、考えた抱負を心の中で繰り返し、納得の言葉を呟いた。
「……あぁ、すっかり冷えてしまっている」
 難題であった課題が片付き、すっきりしたカガヤキは、飲み物が冷えている事に気付いた。
「……淹れ直そうか」
 カガヤキは、冷めた飲み物を淹れ直すために椅子から立ち上がった。
 カガヤキが考えた抱負は、『課題に真摯に取り組み今年一年を充実したものとする』だった。



課題評価
課題経験:36
課題報酬:960
新たな年、貴方の抱負は何ですか?
執筆:夜月天音 GM


《新たな年、貴方の抱負は何ですか?》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《ゆうがく2年生》 四季杜・カガヤキ (No 1) 2020-01-08 19:10:57
今年の、抱負……
あ、ええと、失礼致しました。
滑り込みではございますが宜しくお願い致します。
黒幕・暗躍専攻、四季杜カガヤキでございます。

《新入生》 クルト・ウィスタニア (No 2) 2020-01-09 02:00:50
すまない、挨拶が遅くなってしまったな。
勇者・英雄コースのクルト・ウィスタニアだ。
よろしく頼む。

今年の抱負というのも、改めて考えてみるとなかなか難しいな……