;
【心愛】お返しの準備は出来ていますか?


ストーリー Story

 放課後、魔法学園フトゥールム・スクエア、第一校舎『フトゥールム・パレス』の調理室前。
「そこの学生さん、ホワイトデーが近いがお返しの準備は出来てるか? まだなら、僕ら料理研究クラブに任せてくれ!」
 17歳のヒューマンの男子部員が、楽しそうに行き交う学生達に話し掛けていた。
「お返しかー」
「バレンタインにチョコ貰ったからなぁ。何かしないとだよな」
「金欠だから、丁度いいかも」
 興味を持ったらしい学生達が次々と足を止めた。
「チョコ、クッキー、ケーキ、パイ、希望のお菓子を作るし、一緒に作るのもありだ! しかも、作れるお菓子は普通に美味しい物から魔法入りの物まで何でもありだ! 切り口がキラキラ光るケーキとか」
 もっと興味を持って欲しいと、男子部員はあれこれとお菓子の例を挙げた。
「噛み音が動物の鳴き声のクッキーとか、攻撃的なパイとか相手を驚かせるようなお菓子も作れるが、怪我や失敗してもチョコモンスターにならないように安全対策はしてあるから心配しなくていい。だけど、食べ物を粗末にするのは無しで頼む!」
 続けて大事な注意事項を伝えた。
「お菓子は自分で食べるもあり、友人、恋人、家族にあげるのもありだ。美味しく食べてくれたらそれで十分だ!」
 男子部員は笑顔で言って、お菓子作りの説明を終わりにした。
「さあ、どんなお菓子が希望だ?」
 そして、改めて興味を向けてくれた学生達に訊ねた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-03-06

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2020-03-16

登場人物 2/8 Characters
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《新入生》スピカ・コーネル
 ルネサンス Lv7 / 芸能・芸術 Rank 1
「この学園……ううん。世界中に、私の歌を届けたい!」 「私の歌で誰かが幸せになったら、嬉しいなって思うんだ!」 「先生。私、ちゃんと追いつけてるかな……?」 【略歴】  とある海辺の街で、宿屋の一人娘として暮らしていた。  芸術の文化を持たないルネサンスだったが、幼い頃にとある音楽家が聞かせてくれた歌と音楽に心を奪われる。  それ以来、その音楽家を「先生」と慕い、自分も音楽の道を進みたいと考えていた。  「先生」と同じ道を歩むため、学園に入学することを決意した。  リスのルネサンスで、ふわふわの尻尾がチャームポイント。  ただし、触られると怒る。恥ずかしいらしい。 【性格】  天真爛漫で、元気いっぱい。時折、暴走しすぎて周りが見えなくなることもある。 【容姿】 ・髪色…茶色。ロングヘアをポニーテールにしている。 ・瞳……エメラルドのような緑色。 ・体格…普通。スタイルが特別良いわけではない。 ・服装…学園の女子制服をスカートではなくショートパンツに改造して着用。動き回ることが多い故の配慮らしい。 【口調補足】 ・一人称…私。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」や敬称をつける。 ・語尾…~だよ。~だね。目上の人には敬語。 【芸術について】 ・歌を得意としている。楽器は猛勉強中。 ・明るく、ポップな曲が好き。 ・身体能力を活かして、ダンスにも挑戦したいとか考えている。

解説 Explan

【料理研究クラブについて】
 料理を作ったり研究をするクラブです。部室は、第六校舎の一角にあります。
 様々な種族の学生が所属しており、料理の腕前は上手下手、個性的だったりと様々です。

【活動について】
 部員に希望のお菓子を依頼したり彼らに混じって自ら作り、誰かに贈ったり自分で美味しく食べて下さい。

【お菓子について】
 普通の物から魔法入りの不思議な物、びっくりするような物など、様々ですが安全性には問題ありません。
例)果物沢山のパイ、告白文がアイシングされた千ピースのパズルクッキー

 こういう学生と交流したいやこういうお菓子が作りたいなどがありましたら、プランに記載をお願いします。
 お菓子をあげたり貰ったり食べたりする場所はどこでも問題ありません。


作者コメント Comment
 プロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 今回の舞台は、ホワイトデーです。
 お菓子を食べたりあげたりと、自由にひとときを過ごして下さい。


個人成績表 Report
アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
目的

おまんじゅうをつくりまくる。希望者にはおすそ分けもする。

行動

こしあん、粒あんを作り、合わせて小倉あんを作成。つづいて餅の生地をねる。薄く伸ばしたあんこにクッキー、マシュマロ、クッキー重ねて乗せ、丸める。それを生地で包んで”ホワイトデー特製まんじゅう”の完成。自分のものを作りながらも、苦戦してい者がいれば、手伝ってやる。また、ギミック付き?のお菓子については懐疑的であり、苦言を呈す。校庭の端でテーブル、椅子、ティーセットを用意して、ティータイム楽しむ。

セリフ

「あ、いっぱいあるから、どうぞどうぞ。遠慮しなくていいのよ?」
「あなたね、食べ物はおもちゃじゃないのよ?」



アドリブ、アレンジOK

スピカ・コーネル 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
えっ、お菓子作り!?楽しそう!
私も参加したい!

魔法のお菓子も作れるんだ。楽しそう!
せっかくだし挑戦してみようかな。

うーん、例えば……
ヴァイオリンとかトランペットとか、色んな楽器の形をしたクッキーとか!
魔法をかけると、音が鳴るの!
……って、こういうのってできる? 難しいのかなぁ。

あ、味は甘さ控えめがいいかな。
えへへ、甘いものは好きなんだけど……ちょっと思うところもあって。

作り終わったら、みんなでにぎやかに食べたいな。
もし交換とかするなら、喜んで参加するよ!

リザルト Result

●1章 お菓子作りに挑もう
 放課後、魔法学園フトゥールム・スクエア、第一校舎『フトゥールム・パレス』の調理室前。
「えっ、お菓子作り!? 楽しそう! 私も参加したい!」
 男子部員に声を掛けられた【スピカ・コーネル】は興味を抱き、参加を決めた。
「是非楽しんでくれ!」
 男子部員は大歓迎した。

「チョコをもらったりしていないから、自分が食べるために作ろうかしらね」
 男子部員に声を掛けられた【アルフィオーネ・ブランエトワル】は興味を抱き、参加を決めた。
「大歓迎だ! 何か困った時は、部員に声を掛けてくれ」
 男子部員は、小さなドラゴニア姿のアルフィオーネを気遣った。
「えぇ、その時はお願いするわ」
 幼子な見た目に反し、アルフィオーネはたおやかな雰囲気を醸し出した。
「あ、あぁ」
 そして、男子部員をドキリとさせた。
 参加者が集まった所で、ホワイトデーのお菓子作りが始まった。

●2章 お菓子作りに奮闘
 調理室。
「魔法のお菓子も作れるとか……何か、楽しそう! せっかくだし挑戦してみようかな」
 スピカは誘い文句を思い出し、魔法のお菓子を作る事に決めた。
「うーん、どんなのがいいかなー、あまり凝ったものは苦手だし」
 早速、何を作るのか頭を巡らせた。
「そうだ! 例えば……」
 すぐに閃いた。
「ヴァイオリンとかトランペットとか、色んな楽器の形をしたクッキーとか!」
 それは音楽を好むスピカらしい物だ。
「素敵なお菓子が出来そうだね!」
 15歳のヒューマンの女性部員が楽しそうに声を掛けてきた。
「そうなんだけど、魔法をかけると、音が鳴る……って、いうのってできる? 難しいのかなぁ」
 スピカは憂慮する点に関して訊ねた。
「出来るよ!! 作れる物じゃなくて作りたい物を作るのが料理だから! 私は【グリダ・クリー】、教えるよ!」
 グリダは、声を大きく前のめりに応じた。
「お願い!」
 スピカは明るい笑顔で応じた。
「生地にね……ねぇ、音楽とか出来る?」
 グリダは唐突に訊ねた。
「うん、歌は得意だよ。幼い時に出会った音楽家……先生が聞かせてくれた歌と音楽に心を奪われて……それ以来、自分も音楽の道に進みたいって思って」
 ルネサンスのスピカが答えた。運命の出会いを思い出しつつ。
「私もだよ。料理は一度もした事が無かったけど、入学をきっかけに何か新しい事をしたいと思ってこのクラブに入ったんだ。そこで、クラブのみんなに言われたんだ」
 スピカの話に触発されたのか、グリダは自分を語った。
「料理は作りたい物を作ると?」
 スピカは察して先回り。
「うん! 出会いって素敵だよね。今日のこの日も」
 グリダは頷き、満面の笑顔をスピカに向けた。
「そうだね」
 スピカは頷きながら、日々を振り返った。
「それで、クッキーの話なんだけど、この風魔法と魔法素材を混ぜた魔法薬はどうかな? 君の歌声に反応してクッキーが楽器を奏でるよ?」
 グリダは話を今日に戻し、訊ねた。
「何か楽しそう!」
 途端、スピカは声を弾ませ乗り気になった。
「じゃぁ、生地に混ぜ込んでみて、他に手伝える事があったら呼んでね」
 と言って、グリダは困っている参加者の元へ行った。
「ありがとう」
 スピカは礼を言って見送った後、お菓子作りに取り掛かる。
「まずは……」
 ボウルに小麦粉や卵、魔法薬など生地作りに必要なものを入れていく。
「甘さは、控えめがいいかな」
 思うところがあるのか砂糖を控え目に入れてから、牛乳を注ぎつつ丁寧に混ぜていく。手際はなかなかだ。なんせ、宿屋の一人娘のためか、家事全般はそれなりに得意なのだ。
「♪♪」
 あまりにも楽しいのかスピカは鼻歌を口ずさみながら、生地を伸ばして楽器の形に型を抜き、焼成。
「わぁあ、美味しそう!」
 出来上がりは上々であった。

 調理室。
「今日は、おまんじゅうを作りまくるわよ」
 アルフィオーネの作るお菓子は考えるまでもなく、気に入りだ。
「まずは、こしあんと粒あん合わせて小倉あんを作るわよ」
 小さな翼を力強くはためかせ、大量の小豆を縦横無尽に何往復かして、調理台に運ぶ。
「鍋に小豆を入れて……」
 アルフィオーネは、同時に二種類の餡子を作ったり。
「この甘い匂い、いいわね」
 火にかけ、立ち昇る甘い匂いにわくわくしたり。無表情だが。
「片付けをして」
 後片付けをしたり。てきぱきと家事能力の高さを見せる。
「冷ましている間に生地を作ろうかしら……必要なのはもち米粉、クッキーと……マシュマロと……」
 片付けの後は一息つく暇なく、材料を揃え、餅の生地を捏ねて作る。
「薄くのばしたあんこを……」
 冷めた餡子を合わせて作った好みの餡子を伸ばしていく。
「クッキー、マシュマロ、クッキーと重ねて乗せて、丸めて、生地で包む」
 クッキーとマシュマロのサンドを餡子で包み丸め、餅の生地で覆い形を整える。
「『ホワイトデー特製まんじゅう』の完成」
 出来上がったのは、何とも豪華な饅頭だ。
「どんどん、作るわよ」
 一個では終わらず、大量生産に移る。
「クッキー、マシュマロ、クッキー……」
 アルフィオーネは作業を物凄く楽しんでいるのか、角がピコピコ動き、尻尾もゆらゆら揺れている。無表情だが。
「……クッキーが足りないわね」
 途中、クッキーが足りず手を止めた。
「使って悪いのだけど、それ、とってもらえる?」
 両手が塞がっているため、近くの男子部員に頼んだ。
「あぁ」
 男子部員は快く引き受け、沢山のクッキーを持って来た。
「助かるわ。適当な場所に置いてちょうだい」
 アルフィオーネは手で受け取れず、傍に置くように指示を出した。
「なかなか凝ってるな」
 男子部員はクッキーを置きつつ、アルフィオーネのお菓子の凝り具合に感心した。
「あら、あなたね、食べ物はおもちゃじゃないのよ?」
 その時、アルフィオーネは彼が人集めをしていた部員だと気付き、ギミックに懐疑的なためか苦言を呈した。
「騒ぎを起こして大変な事もあるんだよ。部員の友達が言ってた」
 男子部員が口を開く前に、15歳のルネサンスの少女が言葉を挟んだ。
「あら、そうなの」
 アルフィオーネは、男子部員に視線を投げた。
「いや、他にも……てか、その変な物体なんだ」
 男子部員は口ごもったと思ったら、少女の奇妙な物体にダメ出し。
「なっ、花だよ。花のマフィン!」
 少女は口を尖らすも、花とはかけ離れた形なのは確かだ。
「良ければ、わたしが手伝うわよ?」
 見かねたアルフィオーネが、助っ人を申し出た。
「ありがとー」
 少女は熟考する事無く、手助けを受けた。
「こういう感じかしら?」
 アルフィオーネは、手際よく変な物体を花の形に整えた。
「わぁ、いい感じ!!」
 少女を喜ばせた。
 そうして、助っ人と饅頭大量生産に大いに励んだ。
「後片付けも終わったわね」
 当然、後片付けも怠らなかった。

●3章 お菓子を食べよう
 調理室。
「折角だから、みんなでにぎやかに食べたいな」
 皆が料理を終えた所で、スピカがこのまま終わりは名残惜しいとばかりに言った。
「それなら、校庭の端で、ティータイムはどうかしら?」
 すると、アルフィオーネが素敵な提案をした。
「しよう!」
 一番にスピカが賛成を示した。
 という事で、校庭の端に、ティータイムセットとアルフィオーネの希望によりレースのバラの刺繍の入ったテーブルクロスを敷かれたテーブルと椅子が用意され、ちょっとした会食会の様子を呈した。
「美味しい~」
「交換しようぜ」
「うまく作れたなぁ」
 参加者達は楽しそうにお菓子を頬張った。
「よーし、もっと盛り上げよう」
 賑やかな光景にスピカはたまらず、クッキーの皿を片手に得意の歌を口ずさみ始めた。
「♪♪」
 スピカの歌声に合わせて、楽器の形をしたクッキー達が奏で、校庭に音色が満ちていく。
「……素敵ね」
 素敵な歌声の中、アルフィオーネはナイフとフォークを使い、上品な所作で饅頭を食していた。それもとんでもない量を。
「ふぅ」
 歌がひと段落したスピカは満足げに息を吐いた。
「お疲れ様、お茶でもいかが?」
 そこにアルフィオーネが、貴婦人の如く優雅に淹れた茶で労った。
「ありがとう」
 スピカは淹れて貰った茶を受け取り、一息ついた。
「わぁあ、美味しそうなお菓子だね」
 落ち着いた所で、アルフィオーネの山盛りの饅頭に興味を示した。
「いっぱいあるから、よかったらどうぞどうぞ。遠慮しなくていいのよ?」
 アルフィオーネは気を利かせ、小皿に取り分けた。
「ありがとう……私のクッキーもどうぞ」
 嬉しそうに受け取ったスピカは、お返しにとクッキーを勧めた。
「いただくわ」
 アルフィオーネは一枚手に取った。
「甘さ控えめの上品な味ね」
「あまぁい!!」
 アルフィオーネとスピカは、互いのお菓子を美味しく食した。
「クッキーは……これはこれで美味しいけど、やっぱり甘い方が好きかな!」
 一方、スピカは自分のクッキーには少し物足りない顔であった。
(先生を見習ってみたけど……)
 甘さ控えめは、先生を見習い大人っぽくなりたいという気持ちからだった。
 何はともあれ、スピカとアルフィオーネは、ホワイトデーをゆったりと味わった。



課題評価
課題経験:52
課題報酬:1600
【心愛】お返しの準備は出来ていますか?
執筆:夜月天音 GM


《【心愛】お返しの準備は出来ていますか?》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 1) 2020-03-03 23:49:18
わたしはアルフィオーネ。どうぞ、よしなに。