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ペアで挑め、本の奥に待つ戦いとお宝


ストーリー Story

 放課後、魔法学園フトゥールム・スクエア、第一校舎『フトゥールム・パレス』、大図書館『ワイズ・クレバー』。
「新刊が入りましたよ。中でも魔法仕掛け絵本シリーズの『雨の館』がおススメです」
 入館した学生達を迎えるのは、17歳のローレライ女性図書委員だった。
「本を開くと魔法の仕掛けが発動して、読者を招き入れて、主人公として本の世界を五感たっぷりに楽しむ事が出来ます」
 彼女は、楽しそうに魔法が存在する世界ならではの仕掛けを説明した。
「この本の内容は、雨降る夜に二人の冒険者が雨宿りに訪れた古ぼけた館を雨が止む夜明けまで蝋燭一つを手に探検するものです。魔物が棲みついていたり宝石や骨董品などがあったり踏んだり触ったりしたら炎や水が飛んできたり体が石化したりする魔法の罠があったり危険な屋敷です」
 それから簡単に本の内容を説明した。
「主人公は二人組ですので、行動は二人一組でお願いしますね。外に出るには物語が最後まで進むか、蝋燭の火を消す必要があります。そうすれば、二人一緒に現実に戻る事が出来ます。ちなみに蝋燭の火は吹き消さない限り消えませんし、一人では本を開く事が出来ません」
 読むのに大事な事を伝えてからにっこり。
「一読、してみませんか?」
 例の絵本を見せながら誘った。


エピソード情報 Infomation
タイプ マルチ 相談期間 5日 出発日 2020-06-06

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2020-06-16

登場人物 16/16 Characters
《新入生》ナレディ・ディトゥーニャ
 ルネサンス Lv8 / 勇者・英雄 Rank 1
『我は一族を護る為の力、そして強き伴侶を求めてガクエンの門を叩いた。ここは地面が固く、大地と隔たりがあるようで慣れん。お前らはこんなので平気なのか?…信じられんな。』                              ――――――― 【種族】 アフリカスイギュウのルネサンス 【性格】 健康的で美しい容姿をしているが、争いの絶えない土地で育ち、幼少より生き残るべく戦闘技術を骨の髄まで叩き込まれてきた為『諍いは力の優劣で決める』脳筋気味の思考をしている。 気性はかなり荒く、一度敵対したら徹底抗戦するが、仲間思いでもあるので学友には努めて理性的に接し親切にしてくれる。 「ただしライオン、貴様は許さん。殺す。」 彼女の部族では文字は一般的でなく、族長や祈祷・呪術師が扱う特別で神聖なものだったので座学は不得手な様子。 なので、貴方が勉学を教えてあげれば大変感激し「我らはもう親族だ!ボト族の地を訪れた時は集落全体で歓迎の宴をしよう」と喜ぶだろう。 男なら彼女を口説く方法として有用だ。 「おお!そうか、ならば我は喜んで妻になろう。」 「―お前が我に勝てたならな!」 …最後には必ず戦闘に入るが。 因みに、パンツは履いていない。 そんな文化はない。 【好き/好意的】 グリーンスムージー(文明が発達した国で口にして感動した) 強い男 ボト族 土、草地(舗装されていない地面) 空 ダンス(宴/祭) 【嫌い/敵対的】 ライオン(ルネサンス、原種問わず) 牛肉 自分の意見がハッキリしない者
《新入生》オルフェウス・キングレイナー
 ヒューマン Lv3 / 教祖・聖職 Rank 1
名前:オルフェウス・キングレイナー 年齢:25歳 外見年齢:15歳 外見:銀髪ショートウェーブ タレ目の青目 背が低い スレンダー   設定:小さい頃に両親を亡くし 自分も殺されそうな所で異世界に飛ばされた青年。 そのまま孤児として施設で育ったが 昔目の前で両親が死んだショックから 成長が止まってしまった 国語が苦手なのに読書好き 曲解した『銀河鉄道の夜』の理論を振りまき 今日も能天気に歩み続ける 性格:思考が45℃かっとぶ天然 基本アホの子で深く物事は考えない 行動基準は『銀河鉄道の夜』だが 曲解しており 『ジョバンニを置いて行くのは可哀想だから 誰も置いて行かないカムパネルラになるです!』 と、誰かを置いて行く事に強い難色を示す 料理の腕はからきしで不味い料理を作る 一人称:オルフェ 口調:~なのです
《新入生》イアフ・ドゥアト
 ルネサンス Lv6 / 黒幕・暗躍 Rank 1
「ここなら飯、そして寝床が確保できるから入学しただけ。…まぁ、ちゃんと、それなりに、働くよ。」                                ―――――― ■容姿 身長175cm。 引き締まった褐色の肉体の、黒いジャッカルのルネサンス。 フサった黒髪短髪に、黒曜石の様な黒い瞳を持つ。 全体的に古代エジプト、アヌビスを彷彿とさせる容姿の男。 表情筋も目も死んでおり、ついでに声に抑揚もない。棒読み気味。 本来、瞳は赤色らしいが、ヤル気が無いので消灯している…らしい。 ■人物 声は覇気がなく、表情も眉間にしわを寄せるくらいしか出来ない生まれついての鉄仮面族。 面倒事はとにかく他人に擦り付け、全体的にやる気がなく適当。 本人曰く「真面目に仕事してたのに迫害されたのでもうなーんにもしませーんバーカおうどん美味しい~」とのこと。 詳細は話さないが、完全に[萎え]モードらしい。 非常にリバイバルやアンデッド系を嫌う。 理由は[死を拒絶]している存在として目に映り、自分を否定されている気がする為。 「お前達は終わった、サッパリ死ね、潔く。」 「そんなに兄貴(生)が良いのんかー?はーあ、陰キャ心折れそうー。」 ただトラブルは面倒なので、眉間にしわを寄せて露骨に距離を取るだけに留めている。 ■好き 怠ける 惰眠を貪る うどん 辛味 ■嫌い 偏見・迫害 リバイバル アンデッド系エネミー 死に対する過剰な恐怖・嫌悪反応
《新入生》レイラ・ユラ
 リバイバル Lv8 / 黒幕・暗躍 Rank 1
レイラ・ユラです。 行きたい場所、やりこと。沢山あります。 よろしくお願いします。 ■何かをしたいという思いだけが残っていたリバイバル。 些かマイペースで感情の起伏が見えにくい表情(ただ微笑んでいたり)でいることが多いが、基本素直で真っすぐな性格ゆえ、感情のまま走り出しそうになることも。 そのせいで言葉少なく動き出そうとすることもあるため、何を考えているのかわからなく見えるかもしれない。 【姿形】 手足が長く全体的に凹凸が少なめ。 やや釣り目で涼し気な目もと。色は深みのある真っ赤な紅色。 膝の辺りまで根性で伸ばした暗めの紫色のロングストレート。 ぱっつん前髪に合わせるように目じりから耳の前の髪を頬骨の下を口元辺りでぱっつんと。 右側(←)のサイドトップ(耳上あたり)には黒いラナンキュラスの髪飾り。 服装は基本的に黒のシフォンのマキシワンピースや黒の着物などに黒いレースの手袋(デザインなどはその日の気分だがリボンがついていたりとかわいい系の物を好んで着ている) 【傾向】 交流を断絶して生きていたことから、他者との交流に人並以上に感心がある。 自分ではないものの意見や経験、思考に触れるのが好き。 口調はやや硬く、それが通常運転になっているため親しさと口調は比例しない。
《新入生》コヨリ・レイムリック
 アークライト Lv3 / 賢者・導師 Rank 1
「僕はコヨリ・レイムリックです。アークライトという種族ですかね。皆さん、仲良くしてくれると嬉しいです」 水色の翼を持ち、亜種と言われた存在でアークライトだがちょっとした嫌われ者でもあった。 歳は見た目通りなのだが、本当はもっと上かもしれないというショタじじい。 ショートヘアのボブカットで、背中に水色のふわふわな翼を持つ。 身長は171cm程度で、小柄でありショートパンツが似合う。 瞳はくりくりしてる。 過去のことを多少なくしており、ちょっと思い出そうとすると頭が痛くなる。 家族を護るため、家族を「ツクル」ため奮闘する。 好きなことは自然を満喫するようなこと。 あとは学園に入ってから決めるらしい。 性格は誠実な感じで優しく可愛らしい印象。 ただ、怒ると怖くしっかりものでもある。 使命としてあるものたちを監視すること、距離を縮めることをひとつの課程としているよう。 愛称:ヨリ、ヨリくん、コヨくん
《新入生》エソラ・トキジ
 エリアル Lv4 / 芸能・芸術 Rank 1
「エルフタイプのエリアルのエソラ・トキジです。兄貴を知りませんか?馬鹿なんですけど、馬鹿なんですけど、兄貴を知りませんか?」 前の世界でモデルを稼業としてた、自称有名モデル。 男装モデルもしていた時期があるが、転移する前はアラサー女性としてモデルをしていた。 こっちに来るときに、見た目はさほど変わらなかったが、歳が若くなった。 年相応の見た目なので口調も若い。 ちょっと男っぽいところもあり、一人称はおれだ。 仲の良いものには砕けた感じで話す。 ほとんどは敬語だ。 身長は167cmと見た目の若さにして若干高い。 だが、これでも少し低いそうだ。 兄がいるらしく、この学園に入ってきたらしいが、本当は守りたい人を護れる力を欲していたから。 容姿 ボブの髪型で、ちょっと毛先が濃い紅色。 瞳は猫目だが、ちょっとキリっともしてる。 オッドアイで相手側から見て、左が青・右が緑だ。 性格 知り合いには結構気さく 優しい面もあるが、どちらかというと真面目 面倒見がいい 兄貴のことがほっとけない性格 従兄とは結構仲良しさん 趣味 写真 ショッピング コーディネイト 髪を結うこと 特技 モデル業全般 お世話 その他 兄と従兄になついてる 大切な人がいる きちんとしてる
《新入生》マリアルト・シャリエ
 ヒューマン Lv10 / 黒幕・暗躍 Rank 1
「…あの……マリアルト、です…」 「…退かない…ですか……なら、仕方がありません」 暗く、引っ込み思案な元奴隷 学園にはある「目的」があって入ったようで…? 容姿 ・プラチナブロンドの髪にバブルピンクの瞳、左目だけ後天的に少し濁っており、眼帯をつけている ・全体的に暗い色の服を好む、有事の時に目立ちにくい服は便利だとか ・体は15歳だが実年齢はもっと上、どうやら実験の後遺症で体の成長が止まっている模様 性格 ・引っ込み思案の卑屈、過去の影響で自分を薄汚い存在だと思い込んでいる ・日向より日陰の方が落ち着く ・懐いた人には尽くすタイプ ・半面、敵に一切の容赦はかけない ・味音痴、なんでも食べちゃう ・実験の影響かトラウマか精神年齢も低い、見た目も相まって一見すると小さい女の子 ・でも自分の実年齢はちゃんと分かってる、わたしおとななのでお酒飲めるんですよ(くいー) 好きなもの あのひとの演奏、掃除、花、■■■ 苦手なもの 注射、日向、■■■■ 二人称:アナタ、名前+~さま、呼び捨て(敵対者のみ) 話し方:……多用、ぼそぼそ喋る。文字数厳しい場合は普通にしゃべらせてもOK
《新入生》ツバサ・フリューゲル
 ルネサンス Lv6 / 勇者・英雄 Rank 1
私の名前はツバサ・フリューゲル。 気がついたら別の世界から転送されていたみたいだ。 元の世界では色々平和な暮らしをしていたといえばしていたが… そしてこの新しい世界でどうすればいいかわからないから、学園に来たわけだ。 そしてかつて結婚した人にそっくりな人を見かけたんだ。 別人とはなんというか気になる存在、彼を守れる力をつけてみようかな、この学園で。 性格は真面目でクールだと言われているらしいが、そこまで自覚はない…かな?
《新入生》マサムネ・ルーナ
 エリアル Lv6 / 黒幕・暗躍 Rank 1
ボクの名前はマサムネ・ルーナだ。 元の世界では至って不満のない満足した生活をしていた。 なによりとてもかわいいエルフと結婚もできたのだからな。 しかも娘が2人もいたからな。ふふふ… 昔はなにをしていたかって?一応ファッションデザイナーをしていたな。 なんだかんだで、ボクはこの世界に転生してきたわけだ。 若くなったうえ、エルフ型のエリアルになるという代償もあったが…いや、代償というより、寧ろこれはいい事だな。嫁とおんなじ種族になれたんだからな。 せっかくなんで、この学園にやってきたわけだし、この世界について色々と調べて見ようかね。 性格:冷静沈着を自称しているが意外とお喋りで生意気なところもある。 外見:中性的な顔つきをしている。髪型は、ぱっつんでポニーテール。
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。
《新入生》シヴァイヌ・マツカゼ
 ルネサンス Lv6 / 武神・無双 Rank 1
『ぼくはマツカゼ!すごいかみさまの化身、シヴァイヌなんだ!皆よろしくね!もし、ぼくのお兄ちゃんとお父さんとお母さんを見つけたら教えてね!』                                                  ―――――――――― 柴犬で子犬なルネサンス 身長130cm。 ■性格 色んなものに興味があり、元気いっぱいに駆け回る。 かなり犬としての自我が強いのか、ルネサンスではない犬族の様な振る舞いをしながら、神の化身を自称している。 子犬な為、脅威と面した時は明らかに怯えながらも「ぼくはシヴァイヌだから!」と奮い立たせて頑張る健気な一面もある。 ■容姿 茶色のデコ出しのツンツンモサモサ短髪。 額にオレンジ色の犬肉球のマークがついている。 大きな赤い首輪に、大きな蛇の飾りがぶら下がっている。 その他の衣服は装備に準ずる。(今のところ) ■好き 家族 走る ジャーキー 撫でられる ■嫌い 雷(大きな音)
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  
《ゆうがく2年生》蓮花寺・六道丸
 リバイバル Lv13 / 芸能・芸術 Rank 1
名前の読みは『れんげじ・りくどうまる』。 一人称は『拙僧』。ヒューマン時代は生まれ故郷である東の国で琵琶法師をしていた。今でもよく琵琶を背負っているが、今のところまだ戦闘には使っていない。 一人称が示す通り修行僧でもあったのだが、学園の教祖・聖職コースとは宗派が異なっていたため、芸能・芸術コースに属している。 本来は「六道丸」だけが名前であり、「蓮花寺」は育ててもらった寺の名前を苗字の代わりに名乗っている。 若い見た目に不釣り合いな古めかしい話し方をするのは、彼の親代わりでもある和尚の話し方が移ったため。基本的な呼び方は「其方」「〜どの」だが、家族同然に気心が知れた相手、あるいは敵は「お主」と呼んで、名前も呼び捨てにする。 長い黒髪を揺らめかせたミステリアスな出で立ちをしているがその性格は極めて温厚で純真。生前は盲目であったため、死んで初めて出会えた『色のある』世界が新鮮で仕方がない様子。 ベジタリアンであり自分から肉や魚は食べないが、あまり厳密でもなく、『出されたものは残さず食べる』ことの方が優先される。 好きなもの:音楽、良い香りの花、外で体を動かすこと、ちょっとした悪戯、霜柱を踏むこと、手触りのいい陶器、親切な人、物語、小さな生き物、etc... 嫌いなもの:大雨や雷の音
《2期生》シルワ・カルブクルス
 ドラゴニア Lv15 / 村人・従者 Rank 1
細い三つ編みツインテールとルビーのような紅い目が特徴のドラゴニア 元々彼女が住む村には、大人や数人ぐらいの小さい子供たちしかおらず同い年程度の友達がいないことを心配した両親にこの学校を薦められて今に至る 一見クールに見えるが実際は温厚な性格であり、目的である世界の平和を守ることはいわば結果論、彼女の真の目的は至って単純でただの村人として平穏に暮らしたいようである しかし自分に害をなすとなれば話は別で、ドラゴニアらしく勇猛果敢に戦う 一期生にはたとえ年下だとしても「先輩」呼びをするそうだ 「私はただの村人、できる限りのことをしただけです」 「だれであろうと私の平穏を乱す者はすべて叩き伏せます」 ※口調詳細(親しくなったひとに対して) 年下:~くん、~ちゃん 同い年あるいは年上:~さん ※戦闘スタイル 盾で受け流すか止めるかでダメージを軽減しつつ、斧で反撃するという、いわゆる「肉を切らせて骨を断つ」戦法を得意とする
《新入生》ガイ・ミュスクル
 アークライト Lv10 / 武神・無双 Rank 1
タンクトップがピチピチのアークライト 常にタンクトップで頭に階級章をバンダナ替わりに巻いてる筋肉おじさん 髪型はスキンヘッドだが剃っているだけで禿ではない 大事なことなのでもう一度言う、禿ではない 筋肉の信仰者で筋肉でしか人を判断しない 興奮したり気が抜けると訛りが出る 「いいか、恋人や伴侶は裏切ることがあるかもしれないが己の筋肉は裏切らない 手を加えれば加えるだけ応えてくれるぞ! ・・・個人差はあるけどな!」 「プロテイン・マッスルパワー!ビルドアップ!!」
《新入生》セブ・エラルド
 ローレライ Lv10 / 教祖・聖職 Rank 1
エメラルドグリーンなローレライのショタっ子(実は爺) 他人を名前で呼ぶときは~くん、~ちゃん 目上の人でも変わらない 自分の外見がかわいいことを自覚しておりそれを使って他者にに取り入りいろいろして貰うことを信条にしている 「僕ってかわいいからさー、皆世話焼いてくれるんだよねー」 「がんばってー、あとちょっとでいけるいける!それ、りーらぶ、りーらぶ!」 なお神は信仰していない 自分の都合に良いので聖職についている 普段の言動は意識してやってる半ば演技 実際は働きたくない、応援するのも嫌でも自分が働くのはもっと嫌 計算高い腹黒でものぐさ あまりにも性的なお付き合いはNG

解説 Explan

*解説
【本に登場する館について】
 外観は古ぼけた二階建ての大きな建物です。
 裕福な住人が住んでいたのか、大浴場、大広間、書庫、厨房、衣裳部屋、寝室などあらゆる部屋が存在しますが、埃と蜘蛛の巣が経年を演出しています。
 匂いや食べたり飲んだりなど、現実同様に五感を感じる事が出来ますが、怪我をしたりお腹が満たされたりしても現実に戻れば、本に入る前の状態に戻ります。
 蜘蛛やゴーレムなど狂暴そうな動物や魔物、可愛らしい小動物など、様々な生き物が存在しています。

【活動について】
 一つの蝋燭片手に二人一組で、物語の最後である夜明けを迎えるか途中で諦めて蝋燭の火を消すまで、館内を探検する事になります。
 冒険は一組ずつになりますので、他の組と一緒に活動は出来ません。
 本の世界は、いくら活動して変化しようが読者が変われば、元の状態に戻ります。
 ペアの相手や蝋燭を持つ人については、会議室にて相談して頂ければと思います。おまかせも可能ですが、その際は夜月の方で、お相手の参加者を決めたり夜月が用意したNPCと活動する事となります。
 こういう学生と交流したいや探検に希望がありましたら、プランに記載をお願いします。
 もちろん、本の中を冒険する以外に普通に読書をしたり勉強をしたり、大図書館で自由に過ごす事も可能です。


作者コメント Comment
 プロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 本日はペアで本の中を自由に探検してみて下さい。
 少しでも楽しんで頂ければ、幸いです。


個人成績表 Report
ナレディ・ディトゥーニャ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■探索
シルワと組む。
文盲故、我が蝋燭を持とう。

しかし、知識が偉大な事は知っている。
書庫でこの館の歴史…物語を得る事は出来ないか?
そして、次に探索する場所の目途等も立てやすくなるだろう。

■戦闘
片手が塞がっている場合、【魔牙】で対抗。
蝋燭を安置出来るならば【ランスステップ/二連突き/勇者斬り】で応戦。

オルフェウス・キングレイナー 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
この本を最後まで楽しむ

【組ませて頂く方】
レイラ・ユラさん

【行動・心情】
2人でしか読めない本?
この世界は面白いのです♪

絵本はいつも幸せな未来を見せてくれるのですよ!
オルフェも最後まで読んでみたいのです〜♪

本の中に入ったら
魔物が出たら杖で殴って
何かあればオルフェがレイラさんを回復さはせるですよ♪

イアフ・ドゥアト 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆ペア:セブ・エラルド

夜明けまで廃墟に居たくないので探索を開始。脱出方法を探る。

【占い】で敵の少ない場所を探索していく。
ワインセーラーみたいな良い酒があったら、少しくらい美味しい思いしたいので飲む。

敵に遭遇しそうな場合は【隠密/沈黙影縫/祖流還り】でやり過ごす。

面倒事や囮はセブに押し付け、回避する。

レイラ・ユラ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
物語の結末を見るためにオルフェウスさんとペアを組む

まず一階で十分に探索し館の情報を集めてから二階へ
蝋燭は私が持ちます
ホラー展開を求めてはいるが回避できる危険は回避
戦闘を避けられないのなら一番手強い敵に気づかれる前に沈黙影縫で移動、先手を取る
先手を取れないなら緊急回避
回復はオルフェさん


携帯食料を持参




コヨリ・レイムリック 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ツバサと館を探索
廊下を歩きながら飛び道具やモンスターを注意

厨房を見つける

蜘蛛の巣のある厨房で料理を作る

二つの蛇口をひねるとひとつの方からスライムが出てくる

彼女を守るために武器で冷静に退治

他モンスターも同様

倒し守りつつも料理を作り上げていく

朝になるまで二人で食事を楽しむ

夜明けに二人で仲良く戻ってくる

エソラ・トキジ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
マサムネと行動

蝋燭を持ち館の中を歩く
彼と一緒に薄暗い廊下を歩きながら部屋を覗く
ゆっくりと歩きながらある部屋にたどり着く

部屋中にドレスなど衣装がずらっと並んでいる
目を輝かせながら手に取る

素材や細工などを眺める

お互いにコーデする

背後に居るモンスターに気づく
瞬間に彼がかばってくれる

応戦して夜明けまで待つ

マリアルト・シャリエ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ええと……不思議なものが、あるんですね
ペア:お任せ、PCでもNPCでも
基本は相手の目的に合わせて行動
よほどのものでなければ従順
なければ折角なので夜明けを迎えようと提案
「…夜明け……見て、みます?」


戦闘時は【立体機動】「跳躍」「運動神経」で攻撃を避けながら近づき
【サイレントスラッシュ】で攻撃

ツバサ・フリューゲル 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
コヨリと本の中にある館で行動をする
ツバサが蝋燭を持つ
探索すると同時に蝋燭の火が消えないようにしっかりと守り抜く

探索厨房についたら休憩する
コヨリがご飯を作ってくれるので椅子に座りながら待機
蝋燭を見つめながら異世界転生前の思い出に浸る

コヨリの料理を食べる
美味しかったからまた手作り料理を食べたいと褒める

マサムネ・ルーナ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
エソラと本の中に入って館内を探索
道中何が出てくるか分からないから警戒を絶対に怠らない

そして衣装部屋を見つけ、2人で部屋内の探索
部屋中のドレスやアクセサリーを見つける
転生前はファッションデザイナーだったので興味津々で衣装の鑑定をする

衣装部屋でモンスターに遭遇、エソラを気合で守り抜きいい所を見せる

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
※ガイさんとご一緒

蝋燭を持って、物語の最後までいけるよう目指して
怪しい場所は、葦の杖で離れたところから触覚強化して確認
危険そうなら遠回りしたり、他の場所を調べて時間をおいて再確認したりと慎重に

効果範囲が狭い罠は、離れて鞭で打ち、わざと発動させ無力化

敵が現れ、戦わざるを得ないならプチマド、武器で応戦

シヴァイヌ・マツカゼ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:292 = 97全体 + 195個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
〇六道丸お兄ちゃんと探検!
わーい探検!
でも、雨降ってて暗くて何だか怖いな…。
―ううん、ぼくは凄い神様の化身!シヴァイヌ!

怖いのから六道丸お兄ちゃんを守るんだ!頑張るぞ!

でも難しいことは、お兄ちゃんに任せるね!

〇戦う!
【気合】入れて殴るぞー!
【祖流還り】で噛みついちゃうぞー!
【心頭滅却】で耐えるぞー!

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
新しい本が入荷したと聞いて来たんだ

ペアはお任せ

是非とも完走……いや、読破したい
本は読んであげねば紙の束になってしまうんだ

慎重に進み、幽体化Ⅰも利用しつつ罠を避けていく
魔物はプチダートで怯ませその隙に突破するか、マドガトルで倒す


これは……虹?

この本、創った方はどんな人だろうか
どんな思いだったのだろうか

蓮花寺・六道丸 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:292 = 97全体 + 195個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
マツ(シヴァイヌ・マツカゼ)と冒険
火は危ないから、拙僧が蝋燭を持とう

フフフ、頑張って拙僧を守ろうとしてくれておるらしい。頼もしいのう
そうしておけばはぐれて迷子になる事もあるまいし、遠慮なく守ってもらうとしようかの

やる気があるようなので主な探索は任せるが
高いところやオカルト知識が必要な所は代わろう

シルワ・カルブクルス 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【同行:ナレディ・ディトゥーニャ】
蝋燭はナレディに任せて、『危険察知』で罠などを警戒しておく
冒険中なにか文献みたいなものがあれば、それを読んでみる
もしそれが、館の歴史に関するものならそれを基にづきの探索地点へと向かう
戦闘時には攻撃からナレディを庇いつつ『通常反撃』を試み、最後まで物語を楽しもうとする

ガイ・ミュスクル 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
物語を体験できるってこれはいい訓練になりそうだな!
最悪蝋燭を吹き消せば無事に戻ってくることも可能だし参加しない手はないな

ペアを探してたらちょうどパーシア・セントレジャーさんが声を掛けてくれたので一緒に参加することにしよう

屋敷での探索はパーシアさん主導で動こうか

アドリブ大歓迎

セブ・エラルド 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
素敵な洋館で一夜過ごせるって聞いたから素敵体験するために参加したよっ
皆やる気に満ちてるけどそんな子と一緒だと疲れるからボクと同じくちょっとだらける気まんまんのイアフ・ドゥアドくんと一緒に本の中へ

・・・あれ?
素敵な洋館は?
なにこれ?え?なんで?何で廃墟?
こんなとこで一夜過ごすの?
ヤダ―!

アドリブ大歓迎

リザルト Result

●1章 かしましい冒険
 女性図書委員の誘いを受け説明を聞いた後。
「文盲故、我が蝋燭を持とう」
「では、私は罠などを警戒しますね」
 【ナレディ・ディトゥーニャ】と【シルワ・カルブクルス】は本を開き、雨降る夜の館の扉を開け館内へ。

 館内。
「……広くて、どこから探索したらいいか困りますね」
 シルワは、蝋燭の明かりに照らし出される館内の広さに困った声だ。
「知識は偉大だ。書庫でこの館の歴史……物語を得る事は出来ないか?」
 ナレディがおもむろに提案した。
「……館の歴史に関するものならそれを基に次の探索地点へと向かいま……その床板は踏み抜く恐れがあります」
 シルワは話の途中で、踏み締める床板の軋む音から危険を察知し、警告した。
「うむ、気を付けよう」
 ナレディは足を出す先を変えて、危機を脱した。

 警戒しながら一階を探索する中。
「二階から凄い音がしましたね」
 シルワは轟音が轟いた頭上を見上げた。
「あぁ。この扉の奥から紙がめくれる音がする」
 襲撃の際不意を突かれぬように耳を澄ませていたナレディは、通りかかった扉の奥から気になる音をとらえた。
「ここが書庫かもしれませんね……入ってみましょう」
 シルワも足を止め、扉を開いた。
 先には予想通り棚に並ぶ数多くの本が待っていた。

 書庫内。
「これだけあれば、探索場所の目途がつけられるような物があるやもしれんな」
 ナレディは手にある蝋燭を巡らし、本棚を照らす。
「どの本から調べましょうか」
 シルワが本の多さから困った様子。
「あの机にある書物はどうだ? 机にあるという事は……」
 ナレディは書き物机の上にある書物を指さした。
「館の住人が触れたかもしれませんね」
 察したシルワは書き物机に近付き、本を手に取った。
「……埃が凄いですね……これは日記ですね」
 そして、積もる埃を払ってからシルワは本の正体を確認した。
「ふむ、日記か。それで何が書かれている?」
 ナレディは蝋燭で文字を照らしつつ訊ねた。
「……日々の仕事や愚痴が書かれていますね。旦那様はワイン愛好家で、農園を買い付けたとか食料貯蔵庫はワインのつまみで沢山だとか、植物が大好きなお坊ちゃんが自室で沢山の植物を育てている事やお嬢さんが恋をしている事」
 シルワは、ページを捲りつつ内容を簡単に語っていく。
「……恋……ところでこの土地の恋愛事情を知りたいのだが」
 ナレディがふと興味から訊ねた。
「恋と言えば……最も仲の良い男と女という事ですよね……どう答えたら……それより、故郷はどんな環境でしたか? 私の故郷は……」
 シルワは本から顔を上げ、言葉に困りながらも答えてから、訊ねた。何せ恋愛というものをあまり理解出来ていない。
「殺気だ」
 しかしシルワが言い終わらぬ前に巨大な蜘蛛の魔物が幾匹も出現。
(部屋の外から羽音が……魔物がいるのか)
 ナレディは部屋の外の状況も警戒しつつも話を中断し、空いた手に魔力を込めルネサンスとしての爪を強化して眼前の脅威を切り裂いた。
「はぁぁ」
 そのナレディの不意を狙う魔物を察知したシルワも話はどこへやら、ドラゴニアらしい力強さで花残の斧を振り回して美しい花びらと共にぶっ飛ばした。
「助かった」
 ナレディは礼を言いつつ、蝋燭を書き物机の上に置いた。襲撃はまだ終わってはいない。
「片付いたら、日記を手掛かりに別の部屋に向かおう」
 ナレディは、巧みに蜘蛛が吐き出す糸を避けると同時に両手槍ストームブレイカーで素早く二連突きして倒していく。
「はい、物語を最後まで楽しみましょう」
 先ほどの穏やかさが嘘のように凛々しいシルワは、片腕に魔力を用いて作り出した龍の爪を纏い、敵を思いきり切り裂いていった。
 この戦闘後、ナレディとシルワは書庫を出て夜明けまで探索を続けた。

●2章 廃墟で料理
 女性図書委員の誘いを受け説明を聞いた後。
「蝋燭は私がしっかりと守り抜こう」
「飛び道具やモンスターは僕が注意するよ」
 【ツバサ・フリューゲル】と【コヨリ・レイムリック】は本を開き、雨降る夜の館の扉を開け館内へ。

 館内。
「これは探索しがいがあるね」
 コヨリは笑みを洩らしながら広々とした館内を見回した。
「そうだな」
 ツバサは軽く頷いてから、火を消さぬように両手でしっかりと持つ蝋燭を見た。
「早速、出発し……うわっ!?」
 歩き出してすぐ、コヨリは腐った床板を踏み抜いてしまう。
「怪我は無いか」
 ツバサが心配するが、身に宿る光の力でコヨリは無傷であった。

 激しい雨と落雷を聞きつつ一階の探索中。
「二階から凄い音がしたね」
「何か壊れたのか」
 コヨリとツバサは、頭上から響く轟音に警戒を示した。

「コヨリ、モンスターだ。頼む」
 それからしばらく後、蜂型の魔物の群れが二人の前に現れた。
「……」
 笑みの消えた怖い顔でコヨリは裂け目のある杖を構え、神々しいオーラを放ちながら無我夢中で振り回した。何とか求めていた魔物の撃退を成し、無事にある部屋に入った。
「蜘蛛の巣が張ってる……折角だから何か作るよ」
 その部屋は厨房だ。
「あぁ、頼む。私はあそこで待とう」
 コヨリの申し出をありがたく受け、ツバサは近くのテーブルに蝋燭を置き椅子に腰を下ろした。

 コヨリの料理を待つ間。
(……あの頃は、バンドもしたり楽しかったな)
 ツバサは蝋燭の揺らめく火を見つつ、学園入学以前を思い出していた。
(何よりとても幸せだったのはコヨリに似たあの人と結婚した事だな……)
 ツバサは、過ぎた優しい日々を振り返る内に自然と視線が料理に励むコヨリにいく。
「……本当にそっくりだ」
 そして愛しいあの人に重ね、小さな呟きを洩らした。
「すぐに出来るからね」
 視線に気付いたコヨリは振り返り、にっこり。
「あぁ、楽しみに待ってる」
 ツバサは口元を優しく歪め、手を振って応じた。

「水は出るかな」
 厨房に立つコヨリは二つの蛇口を捻った。
「!!」
 途端、一つは水が出てもう一つからはスライムがにゅるりと現れた。
「ツバサに危害が及ばないようにさっさと退治をしよう」
 コヨリは裂け目のある杖を構え、自身に宿る光の魔力を解き放って、退治した。微塵も表情を変えず。
「どんな食材があるかな」
 それから食料貯蔵庫へ。

「見て、肉から魚まで色んな保存食料があったよ」
 程なくして、コヨリは抱えられるだけの食材と共に戻って来た。
「それは期待してもいいか」
 ツバサは期待を込めて訊ねた。
「もちろん、美味しいのを作るよ」
 コヨリはほわんと笑んでから料理を始めた。時折、現れるモンスターを相手しつつも集中力を乱される事なく作り上げた。
「出来たよ!」
 そして、コヨリは出来立ての料理をツバサの前に並べてから、向かいの席に座った。
「美味しそうだな……まずは一口」
 ツバサは見た目を楽しんでから、出来立ての料理を一口頬張った。
「……ん、美味しい。また食べたいほどだ」
 感想を聞きたそうにこちらを見るコヨリに向かって、ツバサは大いに褒めた。
「よかっ……あれ、何か足元に温かい感触が」
 コヨリは安堵を洩らそうとして、足元に妙な感触を感じてテーブル下を覗き込んだ。
「花の香りもしてくる」
 ツバサも続いた。
「子猫か」
「これも何かの縁……お裾分けをどうぞ」
 いたのはどこからかまぎれこんだ子猫だった。ツバサは子猫を撫で、コヨリは料理をお裾分けした。
 二人と一匹はのんびりと料理を楽しんだ。
 その内。
「ツバサ、雨が止んだみたいだよ」
「あぁ、空が白み、夜明けが来たみたいだな」
 雨が止み、空が白み、夜明けを迎えると共に現実に戻った。

●3章 今と昔
 女性図書委員の誘いを受け説明を聞いた後。
「蝋燭はおれが持とう」
「なら、警戒はボクに任せてくれ。いくら安全な世界でも道中何が出てくるか分からないしな」
 【エソラ・トキジ】と【マサムネ・ルーナ】は本を開き、雨降る夜の館の扉を開け館内へ。

 館内。
「薄暗いな……軋む音もすごい。今にも踏み抜きそうだよ」
 エソラは薄暗い館内に目を凝らし、歩を進める。招く幸運により床板を踏み抜く事は無かった。
「雨と雷も凄いものだ」
 マサムネは窓の外を横目に足音を殺して歩く。
 二人は二階へ向かった。

「……この部屋から香水の匂いがする」
「……という事は、衣裳部屋だろう」
 二階の探索を始めて早々にエソラとマサムネの足が止まった。微かな匂いが鼻をくすぐる。
 興味が満場一致という事で、いくつものクローゼットと様々な化粧品や装飾品が並ぶ化粧台が待つ扉の先へ。

 蝋燭の火を頼りにあれこれと手に取っていく。
「この素材は肌触りがいい……」
 入室と同時にエソラは蝋燭の明かりを頼りに、クローゼットを開けて物色を始めた。
「こっちは変わった袖口……隣は……」
 服を見るエソラの目は好奇心に輝いていた。ファッションモデルをしていたので、一層だろう。
「エソラが楽しそうだとボクも嬉しい」
 マサムネはエソラのはしゃぎぶりを愛しげに眺めていた。
「エソラが気付いた香水というのはこれか」
 ふと、台上に蓋の開いた香水を発見し手に取った。
「……優しい匂いだ」
 香るのは心和む花の匂い。
「あっ、このアクセサリー丁寧な仕事だ」
 マサムネは化粧台を物色し、宝石のついた装飾品を手に取った。ファッションデザイナーだった事もあってか楽しげだ。
「そのアクセサリー、この服に似合いそうだよ」
 その時服を持ったエソラが、弾んだ調子で声を掛けた。
「だな。隣の服は刺繍が細かくて素敵だ。この飾りが似合うだろう」
 マサムネはエソラが選んだ服の隣を指し示し、見繕った装飾品を見せる。
「確かに……天井から妙な音が」
 言われた服を手に取ろうとしたエソラが頭上から軋む音に誘われ、仰いだ瞬間天井をぶち抜いて四足歩行の魔物が背後に出現。
(今こそ、頼れる姿をみせよう)
 マサムネが真っ先に動き、エソラを庇うように立ち、振り下ろされる獣の爪を気合と共に微妙に尖った木片で受けた。
「はぁぁぁ」
 エソラは近くに蝋燭を置き、双剣のフギン・ムニンを振るい魔物を撃退した。
 だが、それで終わりではなかった。
 闇夜が覗き雨が吹き込む穴から、蜂の魔物の群れが侵入して来た。
「何とか夜明けまでもたせよう」
 エソラはぎりぎりのところで針を避け、フギン・ムニンで斬り落とす。
「やぁぁぁ」
 マサムネは微妙に尖った木片で、叩き落していく。
 何とか戦いは無事に終わった。
「エソラが無事で何よりだ」
 マサムネは愛しい人の無事を確認し、安堵。
「マサムネ、あのクローゼットから音がするよ」
 エソラがまだ確認していないクローゼットから聞こえる音に気付いた。
「また魔物か」
 マサムネは警戒を強め、クローゼットを睨みつつ、エソラを庇うように立つ。
 二人が見守る中、クローゼットの扉が開き、つぶらな瞳をした子猫が出て来た。
「子猫だ。怯えている」
 マサムネは、警戒し怯えて動かぬ子猫を見た。
「ほら、怖くない……いい子だね」
 エソラは武器を隠して近付き、そろりと手を伸ばし撫でた。
「逃げる様子はないな。エソラの事、怖くないと分かったのかも」
 マサムネはエソラと子猫のやり取りをほっこりと見守った。
(周囲の警戒は続けよう)
 周囲への警戒は忘れずに。
 この後、エソラとマサムネは子猫と一緒に夜明けを迎えた。

●4章 予想外の冒険
「何か皆、やけに張り切って元気だな」
「あんなにやる気に満ちている子と一緒だと疲れるだろうなぁ……だらける方が楽なのにねぇ」
 【イアフ・ドゥアト】と【セブ・エラルド】は、他の参加者を気だるげに眺めていた。
「消えない蝋燭はイアフくんが持つ?」
「いやぁ、何かずっと持っていないといけないのが面倒そうだから、持ってよ」
 自分達の番が来るとセブとイアフは蝋燭係の押し付け合いを始めた。
「いいけど、蝋燭持つと手が塞がっちゃうから、何か面倒があったら頼むよ?」
 押し付け合いの結果、セブが蝋燭係となったが、それを盾に他の面倒を押し付ける気満々だ。
「んー、まぁ、それなりに」
 イアフの返答に覇気は無かった。
 ともかく二人は本を開き、雨降る夜の館の前に降り立ち、館内に侵入した。

「あれ? 天蓋付きベッドは? ここ廃墟? 古い感じは外観だけと思ったら」
「なにこれ? え? なんで? 何で廃墟? まさか館の中も古い感じなの?」
 館に入った途端、イアフとセブは外観通りの内装に裏切られたという様子だ。
「豪華な洋館でゆっくり出来ると聞いたのに」
「素敵体験をするために参加したのに」
 イアフとセブはどうやら詳しい説明を聞かなかったようだ。
「夜明けまでこんな所にいたくないよ」
「こんなとこで一夜過ごすの? ヤダー!」
 ならば蝋燭を消して本の世界とおさらばかと思いきや、イアフとセブは知らなかった。
 そんなセブとイアフが選ぶ方法は一つ。
「脱出出来る夜明けが来るまでに何とかまともな部屋を探そうよー」
「敵が少ない部屋がいいよね。戦闘とか面倒だし」
 安全な部屋を探す事だ。探索を楽しめる事も知らないようだ。
 とにもかくにも、一階から探索を開始した。
「そこの床板抜けるよ」
「おっと」
 早々に、占いながら先を進むイアフによりセブは腐った床板を踏み抜かずに済んだ。
 探索開始後、しばらくして二階から轟音が聞こえるも気だるげな二人をワクワクさせる事は無かった。
「イアフくん、後ろから魔物が」
 そんな中、セブが背後に迫る大量の羽音に気付いた。
「蜂の魔物か、俺が蝋燭を守るから囮を頼むよ」
 途端、イアフはセブの手から蝋燭を取り、魔力を体の表面に薄く纏い、気配を遮断。
「ちょっ、イアフくん」
 結果、襲われるのはセブのみ。
「ひゃぁぁぁ」
 セブが必死に逃げる中。
「その間に敵の少ない部屋を探そうかな」
 イアフは占いながら安全な部屋の探索を行った。
「はぁはぁ」
 そこに少し息の荒いセブが蝋燭の火を頼りに来た。随分逃げ回ったらしい。
「おかえりー、おつかれー……あそこの部屋は安全そうだから行ってみようか」
 イアフは適当に労い、見つけた安全そうな部屋を蝋燭の明かりで示した。
「まともな部屋なら行くよー」
 安全という事でセブは即賛成した。
 二人は部屋に行き、扉を開けた。
「この部屋は厨房だね」
「イアフくん、食料貯蔵庫もあるよー」
 先にあるは厨房と食料貯蔵庫だ。
「食料貯蔵庫の隣はワインセラーか。何か良い酒はないかなぁ」
 イアフはワインセラーを発見し、酒を物色。
(少しくらい美味しい思いをしたいし)
 まさかの廃墟で予定を裏切られたため、少しでも美味しい思いが出来ればと。
「ついでに何か食べよう」
 セブの提案で食料貯蔵庫も物色。
「干し芋とかチーズとか色々あるよー」
「そりゃ、つまみにいいね」
 セブとイアフは、手を加えずに食べられる物を見繕った。
「蝋燭を持つからイアフくんは荷物を頼むよー」
 物ぐさなセブはイアフから蝋燭を取り、代わりに面倒を押し付け厨房にあるテーブルへ行ってしまった。
「荷物持ちかぁ……」
 イアフは荷物を抱え、鈍い動きで続いた。
 飲食を楽しんだ後も夜明けを迎えるまで館内を動き回った。

●5章 勇気をお供に
 女性図書委員の誘いを受け説明を聞いた後。
「本の中を探検だー! 六道丸お兄ちゃん、早く行こう!」
 【シヴァイヌ・マツカゼ】は好奇心に目をキラキラ、心をうずうずさせて【蓮花寺・六道丸】を急かした。
「うむ。火は危ないから蝋燭は拙僧が持とう」
 六道丸は、年上としての役目を果たす。
 二人は本を開き、雨降る夜の館の前に降り立った。

 館の扉前。
(雨降ってて暗くて何だか怖いな……)
 現実を前にマツカゼは怯え扉を開ける事が出来ない。
「全然怖くないよ!」
 心配そうに見る六道丸にマツカゼは愛らしくも凛々しい顔を向けた。
(ぼくは凄い神様の化身! シヴァイヌ! 怖くなんかない!)
 胸中では必死に自身を奮い立たせている。
「ぼくが怖いのから六道丸お兄ちゃんを守るぞ! でも難しいことは、お兄ちゃんに任せるね!」
 マツカゼは勇んで扉を開け中へ。
「フフフ、頑張って拙僧を守ろうとしてくれておるらしい。頼もしいのう」
 六道丸は可愛らしい後ろ姿に目を細めた。
(そうしておけばはぐれて迷子になる事もあるまいし、遠慮なく守ってもらうとしようかの)
 ゆっくりとマツカゼに続いた。

 館内。
「どこから行く?」
 マツカゼは、好奇心にはやる気持ちのまま六道丸に訊ねた。
「マツに任せる。拙僧はお手伝いをするからの」
 六道丸は決めていたのか、即答だ。
「じゃぁ……」
 意気揚々とマツカゼが冒険に踏み出そうとした時、雷が盛大に鳴った。
「キャイン!」
 雷が怖いマツカゼは怯え、涙目で六道丸にしがみついた。
「ひっ……」
 しがみつかれた六道丸の口からは悲鳴が洩れていた。実は雷などの大きな音が怖いのだ。
(こんなの怖くない! ぼくはシヴァ神の化身! シヴァイヌだ!)
(拙僧の方がお兄さんなのにこれではいかん)
 マツカゼと六道丸は必死に自分を励まし奮い立たせる。
「マツ、大丈夫だ」
 最初に立ち直ったのは六道丸だ。
「う、うん、行こう」
 何とかマツカゼも立ち直り、先頭を歩き出した。
「うむ、足元に気を付けてのう」
 六道丸は、足音を殺して続いたが、床の軋む音から危険を察し注意を促し、マツカゼは腐った床板を踏まずに済んだ。
 時に二階からの轟音にマツカゼが怯え六道丸にしがみつく場面もあれど、冒険は続けある部屋に入った。

 そのある部屋と言うのは、多数の植物が生息する部屋だ。
「鼻がヒリヒリするよ」
「これは何とも強烈な」
 花の強烈な匂いにマツカゼと六道丸は顔を歪めた。
 瞬間、巨大な花から大きいアブラムシ型魔物が群れを成して襲ってきた。
「マツ、魔物だ」
 真っ先に六道丸が襲撃する魔物数匹を楽器の青嵐に仕込んだ刀で撃退した。
「六道丸お兄ちゃん、ここは任せて!!」
 意気込むマツカゼは、強烈な匂いに耐えながら十爪・ヒグマで気合一杯に叩き落していく。
「マツ、その調子だ!!」
 六道丸は声を張り、マツカゼを鼓舞する。
(……廊下で何かが飛び回っているみたいだのう)
 同時に部屋の外で、別の羽音が聞こえ密かに警戒した。
「噛みつかれたくなかったら、あっちいけー!!」
 声援に力をつけたマツカゼは先祖代々の力を呼び覚まし、噛みつきと脅しで撃退した。
「六道丸お兄ちゃん、大丈夫だった?」
 戦いを終え、六道丸を気遣った。
「うむ、マツは頼りになるの」
 六道丸は褒めて、マツカゼの頭を撫でた。
「へへへ、当然だよ!」
 マツカゼは嬉しさを含んだドヤ顔だ。
「あっ、あそこにすごい花が……届かない」
 それからマツカゼは、高い所に見つけた花に苦戦した。
「ここは拙僧が」
 六道丸が代わりに花を取り、マツカゼを喜ばせた。
 この後も、落雷の度にマツカゼは六道丸にしがみつきながらも冒険を続け、ついに雨が止み、空が白み夜が明ける。
「やったね!!」
「うむ、やったのう」
 マツカゼと六道丸は喜びを分かち合った。

●6章 可愛い出会い
 女性図書委員の誘いを受け説明を聞いた後。
「蝋燭を持ちましょう。私であれば、魔物や罠などの危険を回避することも可能なので」
「じゃぁ、オルフェは戦ったり回復したり頑張るですよ!」
 【レイラ・ユラ】と【オルフェウス・キングレイナー】は本を開き、雨降る夜の館の扉を開け館内へ。

 館内。
「これが二人でしか読めない本の世界……面白そうなのです!」
「ホラー展開が待ってそうな雰囲気ですね」
 オルフェウスとレイラは古ぼけた内装を見回し、好奇心に胸を高鳴らせる。
「絵本はいつも幸せな未来を見せてくれるのです! オルフェも最後まで読んでみたいのです!」
 探索前からオルフェウスは楽しそうだ。
「私も物語の結末を見たいですね。そのためにもまず一階で十分に探索し館の情報を集めてから二階へ……もう少しで、床板を踏み抜く所でした」
 レイラは身に迫る危機を察知し、事なきを得た。
 この後、天井に穴が開く音や蜂型の魔物の群れが迫る音を聞きながらもレイラの危機を察知する力とオルフェウスの運命を覆す神秘のオーラで、無事であった。
 二階の情報収集中。
「色んな芸術作品が飾られていますが、ただの芸術品でしょうか」
 オカルトな展開を期待しつつ、レイラは様々な芸術作品が飾られた部屋を訪れていた。
「レイラさん、この五枚の絵、お友達見つける物語なのです……オルフェも親友(ジョバンニ)を見つけたいです」
 オルフェウスは、壁に掛けられた五枚の絵に関心を抱いた。求めてやまぬ親友を心に描きながら。
「素敵な絵画ですね……この鳴き声は……」
 レイラが感想を言った後、部屋の奥から獣の唸り声が響く。
「見て下さい。剥製が動き出しました」
「暴れてるです」
 レイラとオルフェウスは同時に振り返り、剥製が暴れている事を知る。
(レイラさんは女性なので、男の子なオルフェが頑張らなきゃです!)
 オルフェウスはフェイスシール:翡翠を頬に貼り得られる効果を活かして、素早い動きで剥製の攻撃を回避しては先端が三日月の杖、クレセントムーンで殴る。
「この部屋で一番大きな剥製が動くとは……」
 レイラは自分の存在が気付かれる前に魔力を体の表面に薄く纏い、気配を遮断しつつ剥製の背後に移動し、双剣フギン・ムニンで応戦する。
「なかなか倒れないですね」
「疲れるのです」
 剥製の頑丈さに何度も斬撃と打撃を叩き込むレイラとオルフェウスはお疲れだ。
(ペアである必要性を考えると協力して冒険することがこの絵本の醍醐味、ならば)
 レイラは何やら思いついた。
「オルフェさん」
「レイラさん」
 オルフェウスとレイラは互いに目配せ。
「やぁぁぁぁああ」
 タイミングを合わせ、全力の一撃を加え、剥製を倒した。

 戦闘を終えた後。
「レイラさん、お疲れなのです」
 オルフェウスは、労いと共にクレセントムーンを使い体力回復魔法をかけた。
「ありがとうございます……オルフェさん、この子もお願いします」
 体力が戻ったレイラは彫刻の後ろで弱っている兎を見つけ、近寄った。
「任せてです」
 オルフェウスも兎に近付き、精霊に思いを込めて癒やしの力をおねだり。
「オルフェさん、ありがとうございます……どうぞ」
 レイラは回復した兎に携帯食料を少し分けた。
「食べてますよ。可愛いですね」
「可愛いのです」
 レイラとオルフェウスは食事中の兎を撫でて、心を和ませた。
「少し一休みをしてから二階に行きましょう」
 それから、レイラは残った携帯食料の半分を差し出した。
「ありがとうなのです。二階、楽しみですよ」
 受け取ったオルフェウスはまだ続く冒険にワクワクしながら頬張った。
 冒険を続けた結果。
「レイラさん、雨が止んだですよ」
「空が白み、夜明けがきましたね」
 オルフェウスとレイラは、無事に夜明けを迎えた。

●7章 頼りは警戒と筋肉
 女性図書委員の誘いを受け説明を聞いた後。
「蝋燭は私が持つわ」
「では、探索はパーシアさん主導で動こうか。警戒はおらに任せてくれ」
 【ガイ・ミュスクル】と【パーシア・セントレジャー】は本を開き、雨降る夜の館の前に降り立ち、扉を開け館内に侵入した。

 館内。
「物語の最後までいけるよう目指すわよ」
 パーシアは、意気揚々と歩き出した。
「物語を体験できるってこれはいい訓練になりそうだな! 最悪蝋燭を吹き消せば無事に戻ってくることも可能だし」
 続くガイが抱くのは、冒険へのワクワクではなく筋肉への愛だ。
「思いのほか綺麗な館ね。虫に追われたりしな……あら、この床板の感触、踏み抜く恐れがあるわね……遠回りを」
 葦の杖で進む先を警戒していたパーシアは、危険を感じ迂回して進んだ。
「おらも気を付けよう」
 ガイも足元に気を付けて進む。
 二階の天井がぶち抜かれる音が響こうとも探索は続けた。

「あの鍵が掛かった部屋が怪しいわね」
 結果、パーシアが南京錠が掛かった部屋を発見し、葦の杖でつつく。
「危険な部屋か?」
 ガイが臨戦態勢で訊ねた。
「……錠前はただの金属ね。触れても危険は無いわ」
 パーシアは杖から伝わる触感から安全を確かめた。
「鍵が見当たらないから、開ける事は出来ないわね」
 周囲を見回しても鍵が見つからず、パーシアは困った様子。
「力仕事はおらに任せてくれ。こんな錠前の一つや二つ、おらの筋肉の前では赤子も同然だ」
 ガイはやる気満々に腕の筋肉を見せつけた。
 その時、蜂型の魔物の群れが襲撃に来た。
「私は敵の相手をするわ……蝋燭をお願い」
 パーシアは蝋燭をガイの側に置き、スネークウィップを構え迎撃態勢だ。
「やぁぁぁ」
 パーシアが鞭や無属性の魔法で応戦する間。
「はぁぁぁぁ」
 ガイは、気合を込めた基本の拳術を南京錠に叩き込み、ぶち壊した。早速の力仕事だ。
「開いたぞ」
 ガイは蝋燭片手に扉を開けた。
「えぇ、行くわ」
 パーシアは戦闘を中断し、室内へ。

 室内。
「甲冑に楽器に家具に宝石……私は宝石よりワインセラーの方が興味が惹かれそうだけど」
 骨董品や日用品が雑多に置かれ、物置部屋のようだ。
「この壺には罠が仕込まれてるわね。うっかり触らないように無力化を」
 偶然触れた壺の感触から罠を察したパーシアは少し離れて、鞭で打ちわざと発動させ無力化した。
「こっちに本が落ちているぞ」
 蝋燭を渡してから、ガイは足元に転がる本に気付いた。
「題名は劣化して読めないわね」
 パーシアが拾い上げ、ページを捲る。
「これを見て」
 パーシアは最後のページで手を止め、ガイを呼んだ。
「どうした……これはおら達が甲冑にやられて……」
 駆け付けたガイはパーシアが示すページを見た。
 そこには、動く甲冑により自分達が無残な最期を遂げている姿が描かれていた。
「飾ってあった甲冑が……って、ベタね」
 物音が聞こえ、パーシアが振り返ると、動き出した甲冑が迫っていた。
「任せろ!」
 身に宿る神秘のオーラを纏うガイが真っ先に動いて、鍛えたその身を盾にして攻撃に耐えてから、白帯の両拳を装着した拳で甲冑の中心を打ち、ばらばらにした。
 だが、甲冑は元に戻り襲って来る。
「手強そうだな。ここはプロテイン・マッスルパワー! ビルドアップ!!」
 難敵と見なしたガイはプロテインを取り出し、一気に飲み干した。
「たぁぁぁぁ」
 自信に溢れた神々しいオーラと共に拳と蹴りを絶えず繰り出し、先ほど以上に粉々した。
「ここまで粉砕すればさすがに復活はしないか」
 今度は復活しなかった。
 この後も探索を続けた末、無事に雨が止み、窓の外が白み始めた。
「ついに夜明けだ」
「……やっぱり財宝よりも平凡な平穏が一番ね」
 ガイとパーシアは絵本の結末を迎えた。

●8章 二人組を作って
「あの……不思議なものが、あるんですね」
 付近で説明が耳に入った【マリアルト・シャリエ】がぼそぼそと女性図書委員に声を掛けた。
「はい、良かったら読んでみませんか? 冒険相手も探しますよ」
 女性図書委員は笑顔で対応する。
「その事で頼みがある。自慢じゃないが俺はインドアなキャラクターでね、誘えるような人に心当たりがない。そこで、誰か見つけてきてくれないか」
 説明を聞き終えていた【クロス・アガツマ】が頼み事に現れた。
「あっ、以前騒ぎ解決に力を貸してくれてありがとうございました。相手なら……」
 女性図書委員はクロスに丁寧に感謝を伝えてから、物言いたげにマリアルトをちらり。
「……夜明け……見て、みます?」
 この場の空気を読んだマリアルトは、そろりと訊ねた。
「あぁ、是非とも完走……いや、読破したい。本は読んであげねば紙の束になってしまうからな」
 誘いに乗るクロスの言葉の端々に、読書と研究を好む様が見える。
「……蝋燭……持ちます、か?」
「俺が持とう」
 蝋燭係の相談をしてから、本を開き、雨降る夜の館の扉を開け侵入した。
(安全ながら実体験のように訓練が出来るし、内容によっては過去の歴史を追体験する……なんてことも出来るかもしれない)
 クロスの胸中では好奇心が煌めいていた。

 館内。
「さて、慎重に進もうか」
「……はい……」
 クロスとマリアルトは、探索の一歩を踏み出した。
「危険だ。床を踏み抜くから気を付けてくれ」
 クロスは踏み出した際の床の軋みから危機を感じ、注意を促した。
「……気を付けます……」
 マリアルトは警告に従い、危機を回避。
 探索の舞台は二階へ。

 二階、廊下。
「……この部屋を少し探索してみようか。目立つ罠は無いようだし」
 クロスは、肉体を変質させ扉の向こうをすり抜け確認してからマリアルトに訊ねた。
「……いい、ですよ……」
 マリアルトの賛成を得てから室内に入った。

「……ここは……」
 マリアルトは室内を見回した。窓が開いており机や床に転がる本や紙類が転がっている。
「研究者の部屋だ。これは精霊に関して……魔法学も……興味深いな……」
 クロスは、研究者の顔で物色を始めた。
「……花……」
 マリアルトは開いた本に挟まれた押し花の栞に目を向けた。
 その時、別の部屋から天井が壊れるような音が聞こえた。
「敵、です。あの……ワタシ、仕留めますか?」
 続けて開いた窓から鳥型の魔物が現れ、マリアルトは聞いた。
「あぁ、まずはこれ以上の侵入を防ぐためにも窓を閉めよう」
 クロスは机に蝋燭を置いてから、手の平に生成した小さな闇の玉を乱射し、魔物を怯ませた隙に窓を閉めた。
「……すでに室内に入った魔物は倒さなければ」
 クロスは手の平サイズの無属性魔法の球体を作り、乱射し一体ずつ確実に倒していく。
「……倒す……」
 マリアルトは跳んだり家具を利用したり抜群の運動神経を活かして、魔物の攻撃を避け、忍ばせていた短剣のカゲヌイを素早く抜き、次々と仕留めていく。
最中、魔物が二人を狙う拍子に机上の箱を落とした。
「……!!」
 魔物はマリアルトの容赦のない一撃で仕留められた。
 何とか全ての魔物を撃退した。
「中身が気になるな」
 蝋燭片手にクロスは落とされた箱を拾い上げ、興味から蓋を開けた。
「……虹?」
「……箱から」
 箱から美しい虹が現れ、クロスとマリアルトを釘付けにした。
(この本、創った方はどんな人だろうか。どんな思いだったのだろうか)
 虹を見つつクロスはこの絵本の作者に思いを馳せた。
「この本は予想以上にいいものだ。もう少し、調べてみたい」
 クロスは、蓋を閉めてから好奇心を胸に振り返った。
「……次、行きますか?」
 マリアルトは、変わらぬぼそぼそで応じた。
 この後も探索を続け、無事に夜明けを迎えた。



課題評価
課題経験:97
課題報酬:0
ペアで挑め、本の奥に待つ戦いとお宝
執筆:夜月天音 GM


《ペアで挑め、本の奥に待つ戦いとお宝》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 レイラ・ユラ (No 1) 2020-06-01 18:35:52
黒幕・暗躍コースのレイラ・ユラです。
どうぞよろしくお願いします。

本の中の古ぼけた謎の洋館。
とても好奇心を擽られますね……。
でしたらやはり物語の夜明けを見届けたい気持ちです。
ですので、『雨の館』を最後まで進んでみたいと思っている方とペアを組みたいです。

《新入生》 オルフェウス・キングレイナー (No 2) 2020-06-01 19:51:11
教祖・聖職コースのオルフェウス・キングレイナーなのですー♪
オルフェって呼んで下さい!

魔法の世界で魔法の本って素敵なのですよ!
絵本はいつも素敵な幸せが詰まってるものだから
きっとこの本も素敵な最後に違いないのです♪

>レイラさん
もし良かったらオルフェと組まないですか?
オルフェも最後まで進んでみたいのですよー♪

よろしくお願いなのです!

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 3) 2020-06-01 21:57:19
王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。
折角だし、物語の最後を見届けたくはあるけど。

まあ、何か個人的にやってみたいけど、それをやったら最後までいけないかもしれないからペア成立しないかも……なんて思ってる人が居るなら、ご一緒しても構わないわ。

《新入生》 レイラ・ユラ (No 4) 2020-06-01 23:40:30
>オルフェさん
お声をかけてくださってありがとうございます。
では共に最後まで参りましょうか。
それと蝋燭なのですが、私が持つ係になっても構わないでしょうか?

宜しくお願いしますね。

《新入生》 マサムネ・ルーナ (No 5) 2020-06-02 20:29:12
マサムネ・ルーナだ、よろしく頼む。

《新入生》 オルフェウス・キングレイナー (No 6) 2020-06-03 00:18:31
>レイラさん
はいなのです!では蝋燭はレイラさんにお願いするですね〜!

回復くらいならオルフェにも出来るのでー!
共に最後まで歩きましょー!(えいえいおー)

《新入生》 シヴァイヌ・マツカゼ (No 7) 2020-06-03 03:03:44
こんにちは!こんにちは!
ぼくは神様の化身、シヴァイヌのマツカゼだよ!

なんかね、黒い長い毛のお兄ちゃんがぼくと一緒に探検してくれるんだって!
お寺の、ろくなんとかさん!
だから、皆も頑張ってね!

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 8) 2020-06-03 08:29:20
とりあえず、5日の深夜には出発だし、相手が決まってる人も決まってない人も、まずは現状を伝えた方がいいんじゃないかしら?
既に相手が居る人を誘っても互いに気まずいし、誰か誘おうと思ってる人も声かけしづらいでしょ。

もちろん、運を天に任せる(GM様に一任)なら、そう言っておけばすれ違いもないでしょうから。
因みに、私は3日中にお誘いできそうな方が居ないなら、運を天に任せるつもりよ。

現状のペアは、
・オルフェウス&レイラ
・シヴァイヌ&蓮花寺


残りは未定?

《ゆうがく2年生》 蓮花寺・六道丸 (No 9) 2020-06-03 11:47:20
拙僧は芸能・芸術コース、蓮花寺・六道丸。
まあ、呼び方は何でも構わぬよ。

シヴァイヌどのが拙僧と一緒に探検してくれるのだそうだ。
神様の化身とは、頼もしいのう。よろしく、シヴァイヌどの。(頭を撫でながら)

《新入生》 セブ・エラルド (No 10) 2020-06-03 15:48:38
セブ・エラルドだよ、みんな~よろしくねぇ~


ぼくはイアフくんと一緒に行くことになってるからよろしくね
洋館でまったり過ごすんだ
(何か勘違いしてます)

《新入生》 ガイ・ミュスクル (No 11) 2020-06-03 15:53:10
武神・無双コースのガイ・ミュスクルだ。
先輩方、同学年の方々、よろしく頼む。

相方はまだ決まってないので募集中だ
と言っても4日いっぱいまでだが・・・

《新入生》 ツバサ・フリューゲル (No 12) 2020-06-03 21:14:37
私はツバサ・フリューゲルだ、よろしく頼む。
誰といくかは一応決まっているといえば決まっているが…

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 13) 2020-06-04 06:11:17
現状のペアは、
・オルフェウス&レイラ
・シヴァイヌ&蓮花寺
・セブ&イアフ
・ツバサ(相方あり)

募集中は
・ガイ

他は未定、様子見、おまかせ等々……。

以上、敬称略ね。

>ガイさん
折角の機会だし、よろしければご一緒しません?
私としては、最後まで見届けるために警戒を怠らない方向でも努力するし、なにか試したり確認したいことがあるなら協力するわ。

《新入生》 ガイ・ミュスクル (No 14) 2020-06-04 10:08:25
>パーシアくん
こちらこそよろしく頼む。
試したいことは特にないが、力仕事は任せてほしい。
無事に最後まで進めるといいな!

《2期生》 シルワ・カルブクルス (No 15) 2020-06-04 11:05:10
村人・従者コースのシルワ・カルブクルスです
今回はナレディさんのほうからお誘いを受けたらので
一緒に行動するよていですね

《新入生》 マサムネ・ルーナ (No 16) 2020-06-04 14:49:26
おっと、ペアの件を言っていなかったな。
ボクは一応エソラ・トキジと一緒に行くことにしている。

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 17) 2020-06-04 15:16:40
表明が遅くなってしまい申し訳ない……
賢者・導師コースのリバイバル、クロス・アガツマだ、よろしく頼む。
猶予がもう1日半ほどになってしまったが、募集しているのでまだ決まってなさそうな方は是非誘ってくれ。
まあ最悪、決まらなくともおまかせにはできるようだが……
やりたいことがあるなら、相手方の方針が優先で構わない。

《新入生》 ツバサ・フリューゲル (No 18) 2020-06-04 17:21:28
失礼、パートナーの名前を言っていなかったな。
私はコヨリ・レイムリックと一緒に探索するよ。

《新入生》 コヨリ・レイムリック (No 19) 2020-06-04 17:21:55
新入生のコヨリ・レイムリックです。
僕は、ツバサちゃんと一緒に行動しようと思ってます。
よろしくお願いしますね。

《新入生》 ナレディ・ディトゥーニャ (No 20) 2020-06-04 21:39:27
おぉ、すまない。
会議にはきちんと出るべきだな。

シルワが言ってるが、誘ったら組んでくれたんだ。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 21) 2020-06-05 00:09:45
現状のペアは、
・オルフェウス&レイラ
・シヴァイヌ&蓮花寺
・セブ&イアフ
・ツバサ&コヨリ
・ガイ&パーシア
・シルワ&ナレディ
・マサムネ&エソラ

募集中は
・クロス

他は未定、様子見、おまかせ等々……。

以上、敬称略ね。

>ガイさん
ご快諾感謝するわ。こちらこそよろしく。
とりあえず、最後まで進むのを目標にして、なるべく魔物や罠を避けたいわね。
まあ、そう簡単には進まないでしょうけど、できそうなことはやってみるわ。

《新入生》 イアフ・ドゥアト (No 22) 2020-06-05 00:24:06
あ~~~はい、適当に参加して楽しみたいと思いまーす。
天蓋付きふかふかベッドが俺を待っているー。

とりあえず、セブと行く感じ…ってもうパーシアが纏めてるわけね。
仕事が早いね。ありがとー。

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 23) 2020-06-05 21:01:12
まとめをありがとう。時間がそろそろなので、とりあえずおまかせで書いておくよ。
完走と、とりあえずは記入しておこう。あとはNPCと組むなり何なり……かな、ここに表明せずともひょっとすればGMさんも汲んでくれるかもしれない。
一応、こちらが反応できそうなのは11時ぐらい迄だろうか。