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鉱石を採って採って採り尽くせ!


ストーリー Story

 朝、トロメイア、エーリの滝の裏に存在する洞窟群の前。
「よく来てくれた、魔法学園の学生さん!」
 集まった魔法学園『フトゥールム・スクエア』の学生達を迎えたのは、50代の山羊のルネサンスの男性だった。
「学園の方から説明はあったと思うが、もう一度説明をさせて貰うよ。私は【グローブ・ブゥ】だ。鉱石を販売している者だ。さらに希少な鉱石の収集を趣味としている。採掘を頼んだ者達が私用や体調不良などで断られてしまってな。それで、魔法学園の学生さんなら頼りになるんじゃないかと思った次第だ。採掘道具はこちらで用意したから自由に使ってくれ」
 グローブは人手を得るために魔法学園に依頼した内容を念のためにと、再度話し始めた。
「洞窟には蝙蝠とかの動物や魔物などの危険はあるが、鉱石に群生する植物は美しく心が和むはずだ。時間は決めてはいないからのんびり採掘してくれ」
 グローブは、学生達の身を案じて警告と少しでも楽しんでくれたらという思いを込めて言った。
「鉱石は高価な物や無価値の石、動植物が入った物や魔法が含まれていて、七色に輝いていたり傷を治したり甘い香りを発する物や夜にしか変化を見せない物もあるらしい……とにかく私の商売と趣味のために協力をお願いする」
 続けて採掘出来る鉱石の例を挙げてから、丁寧に学生達に頭を下げた。
 そして、いよいよ鉱石採掘が始まった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-09-20

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2020-09-30

登場人物 2/8 Characters
《新入生》ルーシィ・ラスニール
 エリアル Lv14 / 賢者・導師 Rank 1
一見、8歳児位に見えるエルフタイプのエリアル。 いつも眠たそうな半眼。 身長は115cm位で細身。 父譲りの金髪と母譲りの深緑の瞳。 混血のせいか、純血のエルフに比べると短めの耳なので、癖っ毛で隠れることも(それでも人間よりは長い)。 好物はマロングラッセ。 一粒で3分は黙らせることができる。 ◆普段の服装 自身の身体に見合わない位だぼだぼの服を着て、袖や裾を余らせて引き摺ったり、袖を振り回したりしている。 これは、「急に呪いが解けて、服が成長に追い付かず破れたりしないように」とのことらしい。 とらぬ狸のなんとやらである。 ◆行動 おとなしいように見えるが、単に平常時は省エネモードなだけで、思い立ったときの行動力はとんでもない。 世間一般の倫理観よりも、自分がやりたいこと・やるべきと判断したことを優先する傾向がある危険物。 占いや魔法の薬の知識はあるが、それを人の役に立つ方向に使うとは限らない。 占いで、かあちゃんがこの学園に居ると出たので、ついでに探そうと思ってるとか。 ◆口調 ~だべ。 ~でよ。 ~んだ。 等と訛る。 これは、隠れ里の由緒ある古き雅な言葉らしい。
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。

解説 Explan

 装備品や用意された道具を使って、鉱石を採掘して下さい。
 遭遇したい動物や魔物や採掘したい鉱石や交流したい人物などがありましたらプランに記載をお願いします。ただし、公式NPCに関しては夜月が担当するNPC以外とは交流出来ません。
 活動時間は朝~夜になります。お好きな時間に活動して下さい。


作者コメント Comment
 プロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 洞窟にて、色んな鉱石を採掘してグローブを手助けして下さい。もちろん、採掘だけでなく戦闘や洞窟ならではの景色も楽しんでみて下さい。



個人成績表 Report
ルーシィ・ラスニール 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
石掘りなあ……まあ、魔法の薬や占いに使うこともあるで、何か面白いもんあるとええな
それこそ、掘り出せねえくらいでっかい石とか、周り一面が結晶になってる部屋とかあったらすげえでよ

ツルハシやらスコップ、篩に、掘った鉱石や石を入れる麻袋さ借りて、キラキラ石持って石さ掘りにいくでよ

夜しか出ない石があるなら、夜に掘りにいくべよ

坑道の図面さ見て、まだ掘り進んでいねえ領域があるなら、そこに面する坑道の奥へ向かい、慎重に掘ってくべ

硬い石は周りの土さ掘って……うまく石さどかしたら、それが支えになっとった土が落ちるかも
あぶねえときは一旦下がって、少し待って様子見するでよ

奥から光が漏れてたら、奥さ様子見にいくだよ

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
採掘に必要な道具を借りて、鉱石を探しにいくわ
夜にしか出ないものもあるそうだし、夜に入ってみましょ

どうせ中はいつも暗いんだし

キラキラ石を明かりに、坑道の奥へ
なるべく魔物がいないルートを選んで、途中に捨て石を積んだズリとかあれば、綺麗な石や珍しい石が紛れてないか確認

もしかしたら……洞窟で亡くなった魂が宿った石なんかもあるかも
特に魔物も居ない区画で、事故が多いようなら……異様な雰囲気の石があれば回収し、あとで聖堂とかで慰霊して貰いましょ

暗い中でひとりぼっちの辛さは、私にもわかるから
でも、寂しいからって……誰かを引き込んでは駄目

めぼしい石を集めたら、グローブ氏に目利きしていただくわ
いいものはありそう?

リザルト Result

●1章 いざ、採掘だ!
 朝、トロメイア、エーリの滝の裏に存在する洞窟群の前。
 男性の行商人【グローブ・ブゥ】の説明が終わると共に、学生達が洞窟への進入を始めた。
 そんな中。
「石掘りなあ……夜しか出ない石があるなら、夜に掘りにいくべよ」
 【ルーシィ・ラスニール】は、時間限定の鉱石に出会いたいという自身の欲望に従い、夜出発を選んだ。
「ツルハシにスコップ、篩に……あと、掘った鉱石や石を入れる麻袋さも忘れたらいかんでな。困らんように道具を揃えるべ」
 指折りつつ必要な道具を挙げてから、速やかに準備に取り掛かった。

「夜にしか出ないものもあるそうだし、夜に入ってみましょ。どうせ中はいつも暗いんだし」
 【パーシア・セントレジャー】もまた時間限定の鉱石に関心を抱きつつ、軽く肩を竦めつつ採掘に忙しい学生達を一瞥。
「必要な道具を揃えて、夜と共に出発ね」
 パーシアはゆっくりと採掘の準備や情報収集を行った。
 程なくして訪れる夜。
「さあ、出発するべ」
 ルーシィは荷物を背負い、洞窟へ繰り出した。
「……そろそろ行こうかしら」
 続いてパーシアも日中準備した荷物と共に洞窟へ進入した。

 洞窟内は、夜とあってか日中とはまた違った暗さと緊張が漂っていた。
「真っ暗だべ」
 ルーシィは坑内の暗さを確認してから、キラキラ石を持ち明かり代わりにした。
「そうね」
 そこに後から進入したパーシアが、キラキラ石片手に現れた。
 そのままの流れでルーシィとパーシアは、同道する事にした。
「魔法の薬や占いに使うこともあるで、何か面白いもんあるとええな。それこそ、掘り出せねえくらいでっかい石とか、周り一面が結晶になってる部屋とかあったらすげえでよ……」
「……面白いわね。それ以外にも中に何か入ってるように見える水晶とか、様々な鉱石がありそうね」
 ルーシィとパーシアは、キラキラ石で照らしながら坑内の図面片手に奥を目指して突き進む。他愛のないお喋りと共に。
「入口付近は日中に採りつくされているでな」
 ルーシィは、きょろきょろと目ぼしい鉱石が見当たらない事に溜息を吐いた。
「でも魔物も退治されているから安全ね」
パーシアは図面を確認しながら、魔物に出会わない幸運に安堵する。
 さらに奥へ奥へと入り込み、分かれ道が現れる。
「掘り進んでいねえ領域がある右に行くべ」
「じゃぁ、私は左の道にするわ。特に魔物も居ない区画なのに事故が多いと聞いて、少し気になるから」
 ルーシィは右、パーシアは左に別れて奥へと進んだ。

●2章 導きの先
「気の向くまま行くべ」
 右の道を選びパーシアと別れたルーシィは、図面を頼りに風の吹くまま気の向くまま坑内を進んでいく。
 しかし、随分奥に入り込んだ所でルーシィは、足を止めた。
「……行き止まりだべ」
 行き止まりだ。
「……」
 だが、引き返す事はせず周囲を観察したり、石壁に耳をくっつけたり、目を凝らしたり状況把握に努める。
「……風が通っているべ」
 結果、壁の隙間から吹き抜ける微かな風を耳と肌が感知。
「よし、掘ってくべ」
 ルーシィは、すぐさまツルハシを振り下ろし、凄い集中力で慎重に掘り進めていく。
 そんな中。
「む、硬いべ。ここは……」
 硬い石に阻まれルーシィは、現状を調べ、手に持つツルハシをスコップに変更。
「周りの土さ掘って、うまく石さどかして……」
 そして、周囲を掘り進めてから、石をどかした。
「うぉっ、あぶねえ、少し待って様子見だべ」
 瞬間、硬い石が支えになっていたのか、一気に土が崩れ落ち反射的に後ろに下がる。
「……もう大丈夫さね。中を覗いて見るべ」
 土砂崩れが落ち着いたのを確認してから、そろりそろりと壁の向こうを覗く。
「あっ、光……? 奥さ様子見にいくだよ」
 途端、ちらちらと漏れる光が目に入ったルーシィは、怯む事無く先を進む。大人しく見えて行動は思い切ったものだ。
 いくらか歩いた所で、ついに辿り着く。
「うわぁぁぁ、まるで宮殿だべ」
 そこは、壁と天井が大きな水晶の結晶に覆われた地下空間だ。
「もしかして、さっきの石を動かしたせいで、新たな洞窟に繋がったのかも」
 感嘆を上げ終えたルーシィは、これまでの道程を振り返りながらゆっくりと地下空間を見て回る。
「おらを導いた光はこれだべな」
 天井から入って来る星明りが乱反射し、空間自体が光ってるような錯覚を起こす事を知る。
「すごいべ……ん、水。足に感じるこの感触……」
 不思議は上ばかりだけでなく、下にも転がっていた。
「透明な玉砂利……不思議な世界だべ」
 踝位の深さまで水が溜まっており、かつてあった床の結晶は水で浸食され、透明な玉砂利を敷いたように変貌していた。
「しかも、呪いで出せない声が出るようになる程の力も持ってる……きっと、星々の聖なる力かもね。さしずめ、ここは星晶の間かしら」
 ルーシィより先輩であるヒューマンの女子学生が現れた。心配して様子を見に来たらしい。
「呪いが解ける?」
 先輩の思わぬ言葉にルーシィは、半信半疑で自身を見下ろした。
「うおっ、む、胸が大きいべ、目の高さも違うでよ」
 瞬間、決壊したダムの如く驚嘆が口から溢れて止まらない。
「ぶかぶかの服がぴったりだべ! 呪いが解けてるでよ!」
 何せ、呪いが解け本来の姿である脅威的な胸を持つ10代のスタイル抜群の愛らしい女の子に戻っていたから。呪いが解けた時に備えて着ているだぼだぼサイズの服は、ぴったりだ。
「このまま、帰るでよ」
 だが、喜びは急転直下で残念に変わる。
「……出たら元に戻ったべ」
 星晶の間を出た瞬間、進入前の8歳の女児の姿に戻った。

●3章 転がる危険
「……魔物はいないわね」
 パーシアは、安全な道に安堵しながら図面片手に進む。
「あら、ズリだわ」
 ふと道の端に積まれた選鉱し終え廃石となった鉱石の山を見つけ、足を止めた。
「綺麗な石や珍しい石が紛れていないかしら」
 何やら気になるのか、キラキラ石で照らしながら丁寧に漁り始めた。
 結果、いくつか目ぼしい鉱石を発見した。
「貴重な美酒のひとしずく……フルボディの赤ワインみたいね」
 紅蓮の紅玉。
「これは針水晶かしら」
 水晶の中で針状に結晶した鉱石。
 何より目を引くものがあった。
「……これは星みたいに光る結晶が入って……星水晶ね」
 何とも幻想的な水晶。あまりの美しさにしばし見惚れてしまう。
「さっき見つけた鉱石もだけど、こんなに綺麗なのにもったいないわね。まあ、どの鉱石も日中はただの石同様だから、無理もないのかもしれなけれど」
 同時に、今まで見つけた鉱石とあわせて、肩を竦めた。
「他には無いかしら?」
 パーシアはさらに廃石の山を探っていく。
「……目ぼしい物はないわね。もっと奥に進もうかしら」
 だが、残るのはただのクズ石ばかり。ある程度の所で作業をやめて再び歩き出す。
「事故が多い区画だと聞いたけれど……」
 周囲に注意をしつつ奥へと進む。
 結果。
「これは……ロゼワインみたいな石ね。先に見つけた紅玉とはまた違った美しさね」
 赤と白の中間色の煌めく鉱石を発見し、採掘のため槌を振り下ろす。
「あっ、手元が!?」
 手元が狂い、槌の軌道の着地点は鉱石のど真ん中。
「鉱石に傷がつかず安心したけど、凄い硬さね」
 鉱石が欠けるかと思いきや槌の頭が凹み、パーシアはびっくり。それでも何とか回収した。
 続けて近くのズリを漁り始める。
「……この石、幽霊水晶みたいだけど、異様な雰囲気ね」
 パーシアはすぐに水晶を発見。
「よく見ると、奥に怨念が渦巻いてる!?」
 拾い上げ水晶の中に潜む物を確認した瞬間、有するオカルト知識から危険を察知。
「駄目、油断すると……引き込まれそう。洞窟で亡くなった魂が宿っているみたいね」
 しかし、両目は鉱石から離せないどころか意識ごと持っていかれそうになる。
「暗い中でひとりぼっちの辛さは、私にもわかるし同情もするわ。でも、寂しいからって……誰かを引き込んでは駄目」
 視線を外す事は出来ないが、口は動く。疎まれる者の気持ちを解し、他人への思いやりを込めて必死に説得を試みる。
「私が……聖堂とかで慰霊し……て……」
 だが、意識が薄れ言葉が途切れ始める。
「!!」
 瞬間、石が砕ける散る音。
「……意識が戻った……? この光は……」
 同時にパーシアの意識は引き戻され、はらはらと舞う光を目で追う。
「……拾った星水晶」
 覚えのある光にパーシアは知った。先に拾った星水晶が自身を救ったと。

 夜の闇が染み込む洞窟から帰還した学生達は次々と採掘した鉱石をグローブに引き渡した。
 その中にはルーシィとパーシアの姿もあった。
「沢山、集めたべ」
「目ぼしい石を集めたのだけど、いいものはありそう?」
 鉱石だけでなく、自身が洞窟で遭遇した事も伝えた。
「ありがとう。どの鉱石も素敵な物ばかりで、売りに出すのがもったいない」
 グローブは大層感謝し、販売よりもコレクションにする気満々だ。
「星晶の間に星水晶かぁ。自分の目で見たかったなぁ」
 当然、ルーシィとパーシアの話にも興味津々であった。
 とにもかくにも、採掘は無事に終わった。



課題評価
課題経験:44
課題報酬:1200
鉱石を採って採って採り尽くせ!
執筆:夜月天音 GM


《鉱石を採って採って採り尽くせ!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 ルーシィ・ラスニール (No 1) 2020-09-19 08:00:48
おらぁ、賢者・導師コースのルーシィいうだ。よろしく頼むだよ。
魔法の薬に不思議な石を使ったりすることもあるようだで、何か面白いもん見つかるとええな。

それこそ、掘り出せねえくらいでっかい石とか、周り一面が結晶になってる部屋とかあったらすげえでよ。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 2) 2020-09-19 21:22:37
王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。
さて、折角なら……珍しい石とか、面白い石を見つけたいわね。

貴重な美酒のひとしずくみたいな、深い赤の石とか。
中に何か入ってるように見える水晶もあるそうだし、そういうのも面白いわよね。