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目と舌で魚を楽しもう!


ストーリー Story

 快晴の朝、アルチェ、旧ミルトニア邸前。
「本日、大広間でアクアリウムを開催中です! 魚とか海洋生物が好きなら、是非観賞して行きませんか?」
 イベントスタッフと思われる20歳の女性が、行き交う人達に声を掛けたりチラシを渡したりしていた。
「水槽は魔法で作った宙に浮く水の玉です。その中を魚達が優雅に泳いでいます。夜に活動的になる魚やキラキラと光る魚とか色々楽しいですよ。今朝捕獲されたジェムフィッシュの姿を見る事も出来ます!」
 女性は手ぶりで球体を描きながら、イベントの内容を語る声は弾む。
「温かい飲み物と甘いお菓子もご馳走しますよ。クッキーとかアイスクリームとかパイとか……漁業たるアルチェの宣伝としてお菓子の味は魚味です。その味は、まぁ、食べてみてのお楽しみで……味の好みは人それぞれですし……」
 ご馳走の説明に入った途端、女性はひきつった笑顔になった。明らかに味を知っている顔だ。
「それで、どうですか? 見ていきませんか?」
 女性は表情を元に戻し、再度誘った。
「あの幻の魚、ジェムフィッシュが見られるの!」
「魚味のお菓子とか、興味あるんだけど」
「アクアリウムかぁ」
 興味を持った人達は、足を止めて屋敷に入った。

 会場たる大広間では、魚が泳ぐ水の玉がいくつも宙に浮遊していた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-12-03

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2020-12-13

登場人物 2/8 Characters
《人間万事塞翁が馬》ラピャタミャク・タラタタララタ
 カルマ Lv22 / 魔王・覇王 Rank 1
不気味で人外的な容姿をしたカルマの少女。 愛称は「ラピャ子」や「ラピ子」など。 名前が読み難かったらお好きな愛称でどうぞ。 性格は、明るく無邪気でお茶目。 楽しいと面白いと美味しいが大好き。 感情豊かで隠さない。隠せない。ポーカーフェース出来ない。 そしてちょっと短気なところが玉に瑕。 ギャンブルに手を出すと確実に負けるタイプ。 羞恥心を感じない性質で、露出度の高い衣装にも全然動じない。 むしろ前衛的なファッション格好いいと思ってる節がある。 戦闘スタイルは我流の喧嘩殺法。 昔は力に任せて単純に暴れるだけだったが、 最近は学園で習う体術を取り入れるようになったらしい。 しかしながら、ゴリ押しスタイルは相変わらず。 食巡りを趣味としているグルメ。 世界の半分よりも、世界中の美味しいモノの方が欲しい。 大体のものを美味しいと感じる味覚を持っており、 見た目にも全く拘りがなくゲテモノだろうと 毒など食べ物でないもの以外ならば何でも食べる悪食。 なお、美味しいものはより美味しく感じる。Not味音痴。 しかし、酒だけは飲もうとしない。アルコールはダメらしい。 最近、食材や料理に関する事を学び始めた模様。 入学までの旅で得た知識や経験を形に変えて、 段々と身に付いてきた…と思う。たぶん、きっと、おそらく。
《ココの大好きな人》アンリ・ミラーヴ
 ルネサンス Lv18 / 教祖・聖職 Rank 1
純種が馬のルネサンス。馬の耳と尻尾を持つ。 身長175cm。体重56kg。 16歳。 性格は温厚。 あまり表情を変えず寡黙。 喋る際は、言葉に短く間を置きながら発していく。 少しのんびりした性格と、言葉を選びながら喋るため。 思考や文章は比較的普通に言葉を紡ぐ。 表現が下手なだけで、年相応に感情は豊か。 好奇心も強く、珍しいものを見つけては、つぶらな瞳を輝かせながら眺めている。 群れで暮らす馬の遺伝により、少し寂しがり屋な面もある。 やや天然で、草原出身の世間知らずも合わさって時折、突拍子の無い発言をする。 好きな食べ物はニンジン。 食べていると美味しそうに目を細めて表情を和らげる。 趣味はランニング。運動自体を好む。 武術だけは、傷付ける行為を好まないため苦手。 入学の目的は、生者を癒し死者を慰める力を身に着ける事。

解説 Explan

【アクアリウムイベントについて】
 魔法で作られた水槽で泳ぐ魚や貝など、海洋生物の観賞と温かい飲み物やお菓子を食べる事が出来ます。
 飲み物とお菓子の種類は豊富ですが、お菓子の味は全てエビやのりやわかめ、魚など海洋生物となっております。
 椅子やテーブルなどもありますので、座って観賞する事も可能です。

【活動について】
 海洋生物を観賞したり食べたり飲んだりを楽しんで下さい。

※活動時間は朝~夜になります。活動したい時間やこういう人物と交流したいや観賞したい魚や食したい飲食物など、希望がありましたらアクションプランに記載をお願いします。
※公式NPCに関しては夜月が担当するNPC以外とは交流出来ません。


作者コメント Comment
 プロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 魚を観賞したり飲み物やお菓子を食べたりと、漁業が有名なアルチェを満喫して下さい。


個人成績表 Report
ラピャタミャク・タラタタララタ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
魚味のお菓子を堪能せよ!

■行動
まずは情報収集。
この地方で定番と言われるお菓子、他で見たことないようなお菓子、
それぞれを案内スタッフや店員に聞いてみるのじゃ。

それらの情報を基にして、色々なお菓子を一通り買うのじゃ。
そして実際に食べてみるのじゃ。
はむっ、もぐもぐ、むしゃむしゃ、ふむふむ、なるほど…

まずは定番。
うむ、やはり定番は外れなしじゃな♪

そして珍商品。
お~、これは今までに食べたことのない味じゃ~♪

その中で見つけた新しい可能性を感じるグルメには最大の賛辞を。
ぬおぉぉーっ!これは!まさにアルチェならではの新感覚グルメなのじゃ~~~っ♪♪

アンリ・ミラーヴ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
お昼にアクアリウムを観賞する。
イベントを知ったのがお昼前だったから、ご飯代わりにお菓子を食べにも来た。
大広間へ来て宙に浮く水槽を見て回る。
最初に目に入るのは赤・青・銀といった鮮やかな熱帯魚の水槽。
尾びれが大きく綺麗なグッピーや、ヘビのようなクーリーローチ、輝くネオンテトラなど。
泳ぐ魚を追って水槽の周りをグルグル回ってしまう。
初めて聞いたジェムフィッシュが元気に泳ぐ姿も見よう。
水槽を一旦全て眺めてから、ミルクとお菓子を注文する。
のり味の緑色したソフトクリーム、エビ味の赤いクッキー、白身魚味のパイ。
それを椅子で座って食べながら、アワビ、シジミ、サザエなど貝やエビのいる水槽をジックリと観察する。


リザルト Result

●1章 魚スイーツをこの舌で
 快晴の昼、アルチェ。
「海の幸と聞いて来たのじゃーーーっ!!」
 食巡りを趣味とするグルメな【ラピャタミャク・タラタタララタ】は、この地を訪れた。威勢の良い声は山彦が聞こえそうな程だ。
 ぶらぶらとグルメ巡りをして回る中、旧ミルトニア邸に立ち寄り、女性スタッフからアクアリウムイベントの話を聞いた。
「なぬ、魚の味のお菓子とな!?」
 すると、ラピャタミャクの目の色が変わった。
「それはまた珍しいグルメに出会えそうなのじゃ」
 興味を持たないわけがない。
 ラピャタミャクは喜々と屋敷に入った。
「楽しみじゃ! 楽しみなのじゃ! おっとよだれが」
 食べ物への期待から大広間に向かう足取りが軽いどころか、じゅるりとよだれがこぼれそうになっていた。

「聞くが、この地方で定番と言われるお菓子や他で見たことないようなお菓子に何かあるかのぅ?」
 大広間に入ったラピャタミャクは、アクアリウムには目もくれず、男性スタッフを呼び止めて、情報収集だ。
「漁業が盛んなので定番は干物ですかね。そのまま食べても炙っても美味しいですが、ディップソースにして、ビスケットやクッキーやパンにつけるのも美味しいです」
 男性スタッフは笑顔で答えた。
「ふむ、干物じゃな……ジェムフィッシュの干物は美容効果もたっぷりと聞いた事があるが、どうじゃろう? ディップソースはあるじゃろうか? 実際に食べてみたいのじゃが」
 ラピャタミャクは、アルチェのとある土産屋でお手伝いした事を思い出しつつ訊ねた。
「えぇ、もちろん」
 男性スタッフは大層喜んだ。
「あぁ、それと……」
 ラピャタミャクは追加として様々なお菓子を一通り注文し、近くのテーブル席に腰を下ろした。
 程なくしてお菓子が次々と運ばれ、至福の時が始まる。

「まずは定番の干物じゃな。今回はディップソースじゃが」
 ラピャタミャクは、定番の干物を利用したディップソースから攻めていく。お供としてビスケットやクッキーも用意して貰った。
「このクッキーは見覚えがあるのじゃ、『恋人たちのアクアリウム』じゃな。では……」
 顔が一つずつ微妙に違う魚の形をしたクッキーに回顧を楽しみつつ、ディップソースをつけてパクリ。
「うむ、やはり定番は外れなしじゃな♪」
 クッキーの味を邪魔しないソースの味加減に満面の顔だ。
 お次はソフトクリームだ。
「ほぅ、何ともインパクトのある見た目じゃ」
 味はイカスミのため見た目は真っ黒だ。
「ふむふむ、なるほど」
 ラピャタミャクはゲテモノでも躊躇わぬ胆力を発揮させ、しっかりと味わった。
「美味しいのじゃ」
 続けて、えびせんべいといか短冊をむしゃむしゃとあっという間に食べた。
「あのお菓子、美味しそうじゃな……実際に食べてみるかのぅ」
 食べ終わった所でラピャタミャクは、離れた場所で【アンリ・ミラーヴ】が食べる白身魚味のパイに関心を抱き、注文した。
「ふっくらした身がぎっしりじゃ。贅沢じゃな」
 ラピャタミャクはあっという間に平らげた。
「ほう、これも悪くないのじゃ」
 ハマチアイスも美味しく食べるラピャタミャク。
「…………凄いです。そのアイスを美味しく食べられる方がいるとは」
 その様子を見た案内をしてくれた女性スタッフが、信じられないという顔で声を掛けて来た。
「あちきは何でも美味しく頂けるから問題なしじゃ!」
 ラピャタミャクはドヤ顔で言い放った。
「ちなみに美味しいものはより美味しく感じるから味音痴ではないぞ?」
 勘違いされては困ると、女性スタッフに念を押した。
「……そうなんですか」
 女性スタッフは驚いてから、仕事に戻って行った。
「しかし、折角の名物がどれも受けないのでは少々勿体ない。是非とも皆に受けるグルメを掘り出したいところじゃ!」
 ラピャタミャクは先程の女性スタッフの反応を思い出し、気合を入れ直す。
 次に食すは魚を入れ込んだプリンだ。
「ぬおぉぉーっ! これは! まさにアルチェならではじゃー!!」
 その魚はディップソース同様幻の魚ジェムフィッシュ。思わずラピャタミャクは興奮し声量を上げた。
「さすが、幻の魚! 珍味のジェムフィッシュじゃ!! この濃厚さ!! ディップソースよりジェムフィッシュを贅沢に使っておるな!」
 興奮はますます加速し、食べる手も比例する程であった。
 この後も、様々なお菓子を食べた。
「お~、これは今までに食べたことのない味じゃ~♪ 新感覚グルメなのじゃ~~~っ♪♪」
 新しい可能性を感じる度に、最大の賛辞を贈った。

●2章 海の魚に心躍らせ
 お昼少し前、アルチェ、旧ミルトニア邸。
(……お昼前にこのイベントを知る事が出来たから、ご飯代わりにお菓子も食べるのもいいか)
 馬のルネサンスのアンリは期待を胸に屋敷へと入った。実はイベントの話を聞いた時鼻息が荒くなる程興奮していたのだ。

「……アクアリウムか……実物を間近で見る事が出来るとか」
 屋敷に入ったアンリは、早足で会場たる大広間へ向かう。
(実物の海を見たのも、海の魚介類を食べたのも、学園に来てからで、まだまだ新鮮だ)
 大層な期待を胸に抱きながら。何せ、草原で生まれ育ったアンリが釣ったり食べて来たのは川魚なので。
「おお」
 大広間に入った瞬間、アンリは迫る光景に感激のあまり震えた。
「何だ、これ」
 早速、赤、青、銀といった鮮やかな熱帯魚の水槽の前に立ち、目と口を大きく開き、水槽を見上げた。
「はぁあ、綺麗だ」
 楕円形や三角形をした大きく美しい尾ひれをひらひらと揺らせなが泳ぐグッピーの群れを追って、水槽の周りをグルグル回ったり。
「……ヘビみたいだ」
 1mはあろうかという体長が長いクーリーローチのゆったりと泳ぐ姿を眺めたり。
「……光っている」
 赤、青、緑や中には単色ではなく二色持つネオンテトラが、光っているようではなく本当に光らせながら悠然と泳ぐ様を尻尾をぶんぶん振りながら食い入るように見たり。
「……これが……」
 初めて見るジェムフィッシュの泳ぐ姿に驚き、興奮する。言葉少なでも激しく揺れる尻尾が明瞭に感想を言っている。
 そうして、あっちこっちと大広間に浮かぶ水槽を全て見て回った。
「そろそろ、何か食べようか」
 魚鑑賞が落ち着いた所で、アンリは飲食物を注文してから椅子に座った。
 しばらくして、注文した飲み物とお菓子が運ばれ、空腹と好奇心を満たすひとときが訪れた。

 まず最初に選んだのは真っ赤なクッキーだ。
「……赤い」
 アンリはミルクを一口飲んでから、クッキーをまじまじ。
「……魚介独特の香ばし匂いだ」
 鼻をクンクンと匂いを楽しんでから、クッキーを一齧り。
「……エビの味だ」
 口内に広がるのはエビの味。
「……エビだ」
 そして目に映る水槽にいるのもエビ。
「……あれはクッキーにつけて、食べるのか」
 ふと、アンリはラピャタミャクがクッキーをディップソースにつけて食べる様子に気付き、関心を抱いた。
「食べてみよう」
 アンリは早速注文した。

「アルチェ定番の干物をディップソースにした物です。クッキーやビスケットやパンにつけて食べると美味しいいですよ。本日、パンはありませんが」
 しばらくして男性スタッフが、ディップソースと一緒にクッキーとビスケットを運んで来た。
「ディップソースの魚は、何ですか?」
 アンリが関心から、男性スタッフに訊ねた。
「幻の魚、ジェムフィッシュです。魚の形をしたクッキーは『恋人たちのアクアリウム』と言って、顔が一つずつ違うんですよ。味は魚の味ではありませんが」
 男性スタッフは、嬉しそうに答えた。
「……面白い」
 と言いながらアンリは、魚のクッキーの顔を一つずつ確かめてから、ディップソースをつけてパクリ。
「…………美味しい」
 クッキーとディップソースの味の絶妙さに感嘆する。
 お次は白身魚味のパイだ。
「……白身がふっくらして、美味しい」
 白身魚の漁獲量が多いだけあって、贅沢に使われている。魚本来の味を活かそうと味付けは塩による薄味だ。
 美味しいパイに思わず耳と尻尾が反応する。
「……色々あるな」
 アンリは変わらず、エビが泳ぐ水槽をじっくり観察している。ただし見ているのはアワビ、シジミ、サザエなどの貝だ。さすが豊富に収穫されるため種類も様々だ。
 続いてアンリが食すのは、緑色のソフトクリーム。
「…………見た目は悪くない」
 外見は美味しそうな緑色だが、味がその通りかどうかは食べないと分からない。
「…………のり味は初めてだ」
 アンリは意を決し、そろりとアイスクリームを一舐め。
「…………ん」
 途端、寡黙なアンリが一層寡黙になり、ミルクで口直しをする。
(……生きた海洋生物を観察できて、魚味の食べ物もあって、とっても素敵なイベントだが……のり味は悪くはないけど美味しいとも言えないな)
 そして、じぃと手の中の食べかけのアイスクリームを見つめ、考え込んでしまう。何とも言えぬ味の感想は、彼の耳と尻尾が大いに語ってくれている。
「…………のり味か」
 しかし、注文したからには食べない訳にもいかず、アンリは戸惑いながら食べ続けた。



課題評価
課題経験:44
課題報酬:1200
目と舌で魚を楽しもう!
執筆:夜月天音 GM


《目と舌で魚を楽しもう!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《人間万事塞翁が馬》 ラピャタミャク・タラタタララタ (No 1) 2020-11-28 00:51:17
海の幸と聞いてあちきが来たのじゃーーーっ!!

魔王・覇王コースのラピャタミャク・タラタタララタじゃ。
魚味のお菓子を食べるのじゃ。
何故食べるのか、そこにグルメがあるからなのじゃ!

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 2) 2020-12-01 00:02:00
教祖・聖職コース、アンリ・ミラーヴ。よろしく(尻尾ぶんぶん)
魚あまり、見たことない。興味が、とってもある。楽しみ。