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おふざけな食事会にようこそ!


ストーリー Story

 放課後、魔法学園フトゥールム・スクエア、ファンタ・ブルーム大講堂内特設スペース。

「本日は、我ら御巫山戯クラブのお披露目兼最初の活動にようこそ! 俺は【ルタン・リー】。信条は、“おふざけは最高”だ」
「御巫山戯クラブは、おふざをして毎日笑って楽しく過ごそうってクラブだよ。相手に怪我をさせなければ、何をしちゃってもいいもんだから、部室は第八校舎にあるよ。魔法とか色々使うから。あたしは【鹿山 美夏】(しかやま・みか)。他に部員はいるんだけど、みんなおふざけ作りに忙しいから今回はあたし達二人だよ。よろしくねっ!」
 15歳の少年フェアリーと17歳の女性ヒューマンが、大講堂の特設スペースを訪れた学生達を大量の料理で盛大にお迎えをしていた。
「おかずやお菓子にお酒や紅茶と色々あるぞ。普通に美味しかったり不味かったりする以外に、口に入れた途端、色んな効果が発揮するおふざけ料理があるから楽しんでくれ! 俺のオススメは壺いっぱいの大盛りカレーだ! 気を付けないと壺に落ちてカレーまみれになるからな。もちろん、未成年はお酒と煙草は駄目だぞ!」
(試作段階では壺じゃなくてプールだったけど、本番で材料が足りなくなったからなぁ。色々やり過ぎた料理もあるけど、怪我はしないだろうから黙っておくか)
 ルタンは、梯子が必要なほど巨大なカレー入り壺の周囲を、自慢げに飛び回りながら説明をした。
 そして
「あたし達、部員が心を込めたおふざけ料理をご堪能あれっ!」
 美夏が大仰な挨拶で締め、愉快な食事会が始まった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-03-27

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2019-04-06

登場人物 5/8 Characters
《やりくり上手》ルーノ・ペコデルボ
 カルマ Lv10 / 村人・従者 Rank 1
【外見】 褐色肌 丸関節 眼鏡 銀髪外ハネ短髪 赤目 紋章は右手の甲と左目 【性格】 感情が余り出ないが無い訳じゃない 合理的 上からの命令に従順 入学の一番の目的は『感情を理解して表に出す事』 家事が得意 【備考】 人間と同じになりたい願望があるのか普段は手に手袋をつけている 見られるとちょっとだけ罰が悪そうな顔をする ※アドリブ大歓迎!
《模範生》レダ・ハイエルラーク
 ドラゴニア Lv16 / 黒幕・暗躍 Rank 1
将来仕えるかもしれない、まだ見ぬ主君を支えるべく入学してきた黒幕・暗躍専攻のドラゴニア。 …のハズだったが、主君を見つけ支えることより伴侶を支えることが目的となった。 影は影らしくという事で黒色や潜むことを好むが、交流が苦手という訳ではなく普通に話せる。 ◆外見 ・肌は普通。 ・体型はよく引き締まった身体。 ・腰くらいまである長く黒い髪。活動時は邪魔にならぬよう結う。 ・普段は柔らかい印象の青い瞳だが、活動時は眼光鋭くなる。 ・髭はない ・服は暗い色・全身を覆うタイプのものを好む傾向がある。(ニンジャ…のようなもの) ・武器の双剣(大きさは小剣並)は左右の足に鞘がついている。 ◆内面 ・真面目。冗談はあまり効かないかもしれない。 ・立場が上の者には敬語を、その他には普通に話す。 ・基本的に困っている者を放っておけない性格。世話焼きともいう。 ・酒は呑めるが呑み過ぎない。いざという時に動けなくなると思っている為。なお酒豪。 ・交友は種族関係なく受け入れる。 ・伴侶を支えるために行動する。 ◆趣味 ・菓子作り。複雑な菓子でなければ和洋問わず作ることができる。
《ゆうがく2年生》ナツメ・律華
 ローレライ Lv13 / 賢者・導師 Rank 1
※アレンジ 他の人の絡み歓迎 名前:ナツメ(名前)・リッカ(名字) 目指せ大魔法使い! 追求せよ世界の真理! 【外見】 実年齢:14歳 外見年齢:10歳程度(つるぺた) ……まだ成長期は終わってませんわ! きっとあと数年のうちに素敵なレディにっ! 髪:三つ編み(しないと髪が爆発する…) 【中身】 明るく元気な性格 (よく言えば素直、悪く言えば分かりやすい) 探究心が強く、新たな知識を得るのは大好き 勉強したり本を読むのは大好き 田舎な実家では農作業や牛の世話をしていた。 大魔法使いになって世界の不思議を理解して その力で実家の畑の収穫を楽にするの! という大きいのか小さいのか分からない野望を持つ 田舎から出てきたので、お嬢様キャラで学校デビューを計ろうとするがすすぐにボロが…… 【口調】人と話す時はお嬢様(~ですわ、~かしら) 心の内や慌てたりすると素に戻る(~よ、~ね)
《新入生》ウェルカ・ラティエンヌ
 アークライト Lv15 / 王様・貴族 Rank 1
■身長:152cm ■実年齢:14歳 ■髪形:腰までのストレートロング ■容貌:ややたれ目気味の目元の、大人しそうな容貌の美少女 ■体型:身長は小柄ながら、バストやヒップはかなり大きく、非常に発育は良いが、ウェストや手足等は細めの、極端な体型 ■性格:基本的には内向的で大人しく、穏やかな性格だが、金銭面には非常に厳しく、利害が絡むと冷酷になる面も ■コンプレックス:桁違いに豊満な上、未だに発育途上の胸/[誕生日]の時点で、既に120cmに届くとのこと ■体質:体重が増えるときは、その殆どが胸に集まり、痩せるときは他から痩せるタイプ ■服装:背中の開いたドレス/色は特に決まっておらず、気分次第で変えている ■特技:経営・商売に関連する豊富な知識/一通りの礼儀作法/実は家事全般
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に

解説 Explan

【御巫山戯クラブについて】
 おふざけをして、毎日笑って楽しく過ごす事を目的に活動しているクラブです。目的のためであれば、怪我などしない限り何をしても構わないと考えています。
 魔法を使うため部室は第八校舎内の一角にあります。

【食事会について】
 招待を受けた皆様は、御巫山戯クラブから提供される料理を食べる事となります。
 提供される料理はジュースからお酒におかずからお菓子まで、味も美味しい物から不味い物、おふざけ効果のある物と見た目も味も様々です。
 プランで皆様が想像されたような料理が出てくる可能性もあれば、発想の斜め上が来る可能性もございます。
 下記に料理の例を挙げていますので、参考にしてみて下さい。

 料理例)辛さ百倍ラーメン、逃げるクッキー、内側に痺れ薬が詰められた飴玉、感情により味が変化する紅茶

 エピソード内に登場する梯子が必要なカレーのように、通常の食器だけでは食べられないような料理もございますが、それを食べるのに必要な道具は、御巫山戯クラブから自由に借りる事が可能です。

【NPCの行動について】
・ルタン・リー
『おふざけは最高』が信条のおふざけ大好きで、調子に乗りやすく怒られてもめげない15歳の少年フェアリーです。
本日は、おふざけに遭遇する皆を見たり煽ったりなど騒いでいます。

・鹿山 美夏
明るくて楽しい事が大好きな17歳の女性ヒューマンです。
本日は、おふざの被害者の対応など主催者として雑事に忙しくしています。

 上記の二人との交流の有無や食したい料理など、希望がありましたらアクションプランに記載をお願いします。


作者コメント Comment
 御巫山戯クラブなるものが、ファンタ・ブルーム大講堂の特設スペースの利用許可を取り、クラブのお披露目と最初の活動にと盛大な食事会を開催しておりますので、食べたり飲んだり悪戯に遭ったり逆に仕掛けたり飲食だけでなく交流したり料理の腕を振るったりなど、自由に行動して下さい。


個人成績表 Report
ルーノ・ペコデルボ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
ふざけた料理を勉強する

【行動・心情】
僕は、感情を余り理解出来ていません
でも、料理はできます

゛ふざけた料理゛なるものを今日は食べさせてくれるとの事でしたが
…多分、僕が学ばなきゃならない感情がそこにはあるような気がします

本日は宜しくお願いします(綺麗にお辞儀しながら

特に僕は…ちょっと変わった物を食べようかと

しょっぱいプリン・アラ・モードとか
…何故しょっぱくしたのか
もしや塩辛い方が好みに方への配慮か
…興味深い(もぐもぐ

しょっぱいですがこれはこれで美味しい

出す人への配慮は必要になります
そういう時にこなような知識は絶対必要ですね

今度は甘いカレーですか?
これも必要な知識になりそうですよね

レダ・ハイエルラーク 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
食事
調理
交流

◆使用特性・技能・道具
龍の翼
部分硬質化
味覚強化
嗅覚強化
危険察知
第六感
お酒
料理Lv3
緊急回避
跳躍
飛行
応急処置
調理道具一式

◆プレイング
・基本食事をするが危険を感じたら回避・防御行動を行う
・回避行動使用技能【龍の翼】【危険察知】【第六感】【緊急回避】【跳躍】【飛行】
・防御行動使用技能【部分硬質化】
・回避は使用する技能の通り跳んだりする
・防御は【部分硬質化】でレダや他の生徒に跳んできたモノをのけたりする
・【料理Lv3】で余った食材か何かがあれば簡単な菓子や料理にする
・【お酒】【応急処置】は使う必要性が出てきた場合のみ使用
・【龍の翼】は風を起こして飛んでくるモノを吹き飛ばせそうなら使用

ナツメ・律華 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
御巫山戯クラブ…名前からして
私は実家で色々な珍味を何度も食してますので、
(…どこまでがおふざけで、どこからが普通なのこれっ!?)
※田舎から出てきたので、何もかもが目新しい

あぁこれは指を洗うボウルですわね。(マナーの本を読んできたので)さすがに間違えて飲むような真似は……きゃあああっ、突然火花がっ!
?飲むと口の中で花火のような刺激がするジュース?(というか飲み物だったのこれ!?)
おそるおそる試飲…火力強すぎよーっ!……あ、いえ火力強すぎですわ、ほほほ。
恐ろしいことに味はかなり美味しいんだけど…2杯目どうしようかしら

他の人たちがどうしているか興味津々
協力が必要ならお手伝いいたしますわっ

ウェルカ・ラティエンヌ 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
お招きいただき、有難う御座いますわ。
此方は「塩鱈のオリーブ煮」になります。
ご賞味下さいませ。

折角ですので、色々といただいてみたいですわね。
どうやら[魔法薬]の類も使用されているみたいですし、何か[沢山食べられる様になる薬]の様な物が御座いましたら、いただけますと有難いですわ。
同性の方が話し易いですし、【鹿山様】に尋ねてみましょう。

[魔法薬]や[魔術]を使った料理、という技法に興味が有りますし、出来るだけ其方の品をいただいてみたいですわね。
その分、どういう影響が出るか不安ですが、体感してみた方が解る事も有りますわ。

しかし、此方の[壺入りカレー]を筆頭に、物凄い量ですわね。
皆で食べきれますかしら?

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:52 = 44全体 + 8個別
獲得報酬:1440 = 1200全体 + 240個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
タダ飯喰らいに来たぜ
保護されてる身としては派手な暴飲暴食は控えといた方が無難だからな

取り敢えずは他の奴によそってもらって壺カレー食べるかな。
「よそってもらえないか?」

それにカレーなら物凄く辛いぐらいなだけだろ
後の料理は他の奴が口をつけて大丈夫なヤツを食べるかな
自分はあくまで安全志向ってやつだ

他の奴らなんだか明らかにやばいもん食ったら囃し立てるか…ふざけながらな。
痺れたりとか眠ったりする奴があったら
「どういう事だ…ここ実はヤ○サーなのかよ?しかも犯罪アリアリの…もといた世界じゃこういうのアウトなんだけどここじゃありなの?とりあえず職員に連絡入れに行くな」

後、いろんな美食家とかコメンテーターごっこ

リザルト Result

 放課後、魔法学園フトゥールム・スクエア、ファンタ・ブルーム大講堂内特設スペース。

「本日は宜しくお願いします」
 【ルーノ・ペコデルボ】は綺麗にお辞儀をしながら思った。
(ふざけた料理なるものを今日は食べさせてくれるとの事でしたが……多分、僕が学ばなきゃならない感情がそこにはあるような気がします)
 感情をよく理解出来ない故不遇にあった過去を持つのだ。
「ご丁寧にありがとー」
「じゃんじゃん、食べてくれよー」
 【鹿山 美夏】(しかやま みか)と【ルタン・リー】が嬉しそうに挨拶を返した。
「では、お言葉に甘えて……」
 ルーノは早速とばかりに物色へ。
「お招きいただき、有難う御座いますわ。折角ですので、色々といただきますわね」
 入れ違いに現れた【ウェルカ・ラティエンヌ】は、同性の方が話しやすい事もあってか、美夏に挨拶をした。
「是非、どんどん食べて!」
 美夏は、声を弾ませ応じた。
「ところで、魔法薬の類も使用されてるそうですが、何か沢山食べられる様になる薬の様な物が御座いましたら、いただけますと有難いですわ」
 ウェルカが美夏に頼み事を持ちかけた。
「あるよ! 見た目は変わらないまま体重が一時的に増加して後で一気に吸収される薬! ただ、食欲が暴走しちゃうけど。ルタンが壺カレーの試作にプールカレーを作った時に完食するために作った物だから」
 美夏は、嬉々と透明の液体が入った小瓶を出した。
「……食欲暴走……壺入りカレーを筆頭に、物凄い量の料理を食べるには役に立つかもですわね」
 ウェルカは魔法薬と料理を見比べた後、決めたのか魔法薬を受け取り、飲み干した。
「……物凄く何か食べたいですわ」
 途端、ウェルカの身に凶暴な食欲が訪れた。
(魔法薬や魔術を使った料理……技法に興味が有るのですけど……どういう影響が出るか不安ですが、体感してみた方が解る事も有るはず)
 ウェルカは魔法の匂いを求めて、うろうろし始めた。

 一方。
「ちょっと、変わった物は……」
 御巫山戯クラブへの挨拶を終えたルーノは料理を求めて、きょろきょろ。
「プリン・ア・ラ・モードですか」
 そんなルーノが見付けたのは、ありふれたお菓子。
「見た目は普通ですが、味の方は……」
 観察した後、パクリ。
「……しょっぱい」
 口内に広がるは、甘さではなく心地よい塩気に薄いながらも表情を変えた。
「プリンと言えば、甘いものですが、もしや塩辛い方が好みの方への配慮でしょうか」
 執事として料理をたしなむルーノは、帰宅後作製出来るよう『なぜ』を追求する。
「……興味深い……嫌みがなくこれはこれで美味しい……ただ、出す人への配慮は必要になりますが、そういう時にこのような知識は絶対必要ですね」
 忙しなくもぐもぐしながら、美味しさを発見するルーノ。
「今度は甘いカレーですか……これも必要な知識になりそうですよね」
 プリンの次は、近くにあった絶妙な甘さのカレーに目を付ける。
「食べ物ばかりではなく、飲み物も……」
 カレーを食べ終えたルーノは、飲み物に考えを至らせた。
 そして、飲み物を求めて次なるテーブルへと足を向けた。

「タダ飯喰らいに来たが、何から喰うかな」
 溢れんばかりの料理に驚きつつ、【仁和・貴人】(にわ たかと)はそう声を漏らす。
「ただ、保護されてる身としては派手な暴飲暴食は控えといた方が無難なんだが」
 貴人は身の上に色々ある様子で、物色を行う。
「結構、凝った料理もあるな……というか、これだけの量、片付けが面倒そうだ」
 貴人の趣味は料理だったりする。ただし後片付けは嫌いであるが。
「……それより並んでるのは普通の料理じゃないとくりゃ、他の奴が口をつけて大丈夫なヤツから食べるのがいいだろ……安全志向ってやつで」
 観察に熱心で、なかなか飲食をしない貴人が目を留めた。
「……ん、プリン……あれは大丈夫そうだな」
 それはルーノが食すプリン・ア・ラ・モード。
「……何だ、これしょっぱいな。だが、悪くない。むしろ塩味がいいアクセントになって……」
 ルーノが甘いカレーに行ったのと入れ違いに、貴人はプリン・ア・ラ・モードを食し、甘味に反する塩気に唸るも案外美味しかったのか、美食家よろしくコメントを披露する。
「お次は……」
 速やかに食べ終えた貴人は、慎重に食す料理を選ぶ男子生徒がいる別テーブルへ移動した。

 時間は少し戻り、ルーノが料理を求めきょろきょろとしていたその頃。
「さて、何を食べるかな」
 並ぶ料理に目を走らせる【レダ・ハイエルラーク】。
「クリームパスタか」
 目を留めたのは、見た目美味しそうなパスタ。
「……このパスタは危険な感じがするな」
 しかし、第六感が危険を知らせて興味を引っ込め、近くの酒を手に取った。
「……酒は安全だな」
 レダは、酒を軽く口に含み安全を確認してから味わった。
「……紅茶は……」
 酒が終わるとレダは紅茶に手を伸ばし、僅かに口に含んだ。
「……美味しいが、これ以上飲むのは危険そうだ」
 普通の紅茶と違う味を舌に感じ、レダは飲むのをやめてテーブルにカップを置いた。
「よく分かったなっ! そのパスタは本当に痺れるほど美味しくて、紅茶は一杯全部飲むと気持ちよく眠れるぞ」
 丁度良くルタンが現れ、楽しそうに料理の効果説明を始めた。
「おいおい、痺れるとか眠れるとか、危険な物ばかりじゃないか。これって、食事会だろ」
 物色に来た貴人が、思わずツッコミを入れた。
「おう、愉快な食事会だ! イベントって奴は、意外な事が起きてこそ、イベントだろ? だからおもしれぇ」
 ルタンはケタケタ笑いながら調子に乗る。
「……このタルトも見た目は普通だが、匂いが危険そうだ……」
 2人のやり取りの横では、レダが漂う匂いに危険を感じ取っていた。
「おいおい、ここは地雷原かよ」
 レダの言葉を聞いた貴人は、肩を竦めつつ少しおふざけ気味に言った。
 そうして、3人はしばらくおふざけ料理についてにぎやかに語り合った。
「ん……火力が強すぎ……あそこか」
 その最中、レダの耳にジュースに慌てる女子生徒の叫び声が入り、困った者を放っておけない世話焼き故に気になったのか、様子を見に行った。
 残った貴人は、レダが指摘しなかった安全そうな料理を満喫した。

「御巫山戯クラブ……名前からして……何と言うか……ま、まあ、私は実家で色々な珍味を何度も食してますから大抵の物は平気ですが」
 思う事がありながら物色をする【ナツメ・律華】(なつめ りっか)。
(見た目普通の物から、見るからにおかしい物まで……どこまでがおふざけで、どこからが普通なのこれっ!?)
 物色だけでなく、強い探求心もちらちら。
「あ、これは指を洗うボウルですわね、さすがに間違えて飲むような真似は……」
 そんなナツメはボウルを発見するなり、事前にマナーの本を読んで得た知識を活かして手を突っ込もうとした。
 瞬間、ばちりと迸る火花。
「きゃあああっ、突然火花がっ!」
 驚いたナツメは、手を引っ込めた。
「飲むと口の中で花火のような刺激がするジュースだよっ! 味はもちろんばっちり!」
 気付いた美夏が現れ、いい笑顔で解説を加える。
「……ま、まあ、ジュースでしたの」
 ナツメは平静に返した。
(えぇ、飲み物だったのこれ!? 口に入れる前からすでに火花出てるけど!?)
 しかし、内心はびっくりしていた。
「……少し、頂きますわ」
 ひとまず、ナツメは興味からコップに注ぎ一口。
 途端、
「火力が強すぎよーーーっ!!」
 ナツメの口から火花と叫びが飛び出した。
「大丈夫か?」
 ナツメの叫び声を耳にしたレダがお節介を発揮させ、駆けつけた。
「も、問題ありませんわ。少しばかり、火力が強すぎただけですわ、おほほ」
 ナツメは人目に気付き、慌てて取り繕った。実はお嬢様キャラで学園デビューをした田舎の娘さんなのだ。
「……火力……これは……」
 レダは軽く飲み物に鼻を近付け、感じる妙な匂いから危険を察知した。
「……花火ですか……」
 さらに飲み物を求めて現れたルーノが声を掛ける。
「……刺激はありますけど、味はかなり美味しいですわよ……恐ろしいことに」
 ナツメは微笑を浮かべながら説明をした。
(どうしようかな……2杯目……あの刺激をもう一度となると……)
 同時に空っぽのカップを手に迷うのだった。
「……必要な知識になりそうです」
 その横で、ルーノは火花走る飲み物を飲み、襲い来る味に体勢がびしりと、止まった。
「……大丈夫か?」
 気付いたレダは気遣った。
「問題ありません。確かに美味しいですが、刺激が強いですね」
 何とか耐え抜いたルーノは、平気な調子で答えた。

 美夏に薬をもらってからずっと、魔法に関わる料理を探し回っていたウェルカは、ついに出会った。
「虹色に輝くフルーツポンチですわね」
 見た目華やかなフルーツポンチに。
「……味に変化があって、美味しいですわ……クッキー?」
 器に入れて美味しさを満喫するウェルカは、近くに置かれている大量のジンジャーブレッドマンに気付いた。
「!!」
 ウェルカと目があった瞬間、ジンジャーブレッドマン達が起き上がった。
「これは魔法ですわね」
 じっとグラマーなウェルカを見上げたと思ったら、近くのケーキから生クリームを拝借し、胸に塗りつけ、セクシーなラインダンスを始めた。
「クッキー達は目の合った人の真似やダンスをするんだよっ!」
 気付いた美夏が解説を挟んだ。
「……私の真似」
 じっと興味深げに見るウェルカ。
「まあ、楽しそうですわね……こちらは美味しそうですわ」
 近くで空のカップ片手に迷っていたナツメが、ウェルカを虜にする料理に興味を抱いた。
「味に変化があって美味しいですわよ」
 思わず口を挟むウェルカ。
「ん~、美味しいですわ」
 ナツメは促されるまま食し、顔が甘さに蕩けた。
 2人は揃ってフルーツポンチに舌鼓を打つのだった。

 ナツメの叫び声が会場に響き渡った後。
「……存在が凄いよな……壺カレー」
 レダが指摘しなかった料理を頬張る貴人が気になるのは、一際存在感を放つ壺カレー。
「……どうするかな……ちょっと食べてみるか。カレーなら物凄く辛いぐらいなだけだろうしな」
 貴人はひとしきり壺を見上げてから、食べる事に決めた。他の料理に比べ安全だろうと読んだ結果だ。
「おーい、誰かよそってもらえないか?」
 早速、貴人は皆に声を掛けた。
「お手伝いいたしますわっ」
 真っ先に反応を示したのは、フルーツポンチを食べ終えたナツメだった。
「……壺カレー、皆で食べきれますかしら……まだ足りませんわね」
 続いて、フルーツポンチを味わったばかりのウェルカが魔法薬による暴走した食欲に導かれるまま、駆けつけた。
「……壺カレーか。これとは違い、危険な感じはしないな」
 危険を訴えないため、レダは火花走る飲み物を一瞥した後、様子を見に行った。
「……壺カレー」
 ルーノは、火花走る飲み物を飲んだ後のカップを置き、壺カレーの元へ集まる皆の様子を眺める。人間と同じになりたい願望があるのか、右手の甲にある紋章を隠した白い麻手袋にそっと触れながら。

 壺カレーの前。
「すぐによそいますわね」
 ナツメが手伝いに登場した。
「んじゃ、ヨロシクたのむわ」
 貴人はそれを歓迎する。
「私の分も頼む」
 続いて、レダもカレーを求めて登場。
「私の分もお願いしますわ。大盛りで」
「……僕の分もお願いします」
 遅れて、ウェルカやルーノも駆けつけた。
 結局、ナツメは自分を含め皆の分をよそった。

 全員に壺カレーが行き渡った後。
「んじゃぁ、皆揃っていただきますといくか」
 貴人の合図で皆、カレーにスプーンを入れた。
「……少し辛いですが、美味しいですわね」
「……少し辛いが、悪くない味だ」
 ナツメとレダは、共に美味しく食す。
「少し辛いだけで済んだが……すげぇな、気持ちの良い食べっぷりだ。一気! 一気!」
 美味しく食べながらも貴人は、目の当たりにするなかなかの食べっぷりに対して、からかい気味に囃し立てていた。
「……美味しくて幾らでも入りますわ……さすが、魔法薬です」
 囃し立てる声を受けつつ、ウェルカは薬の効果と元々割と食べる者故の力を発揮させる。
「……先程食べたカレーとは違い、少し辛いですね」
 カレーを食すルーノの顔には、料理の美味しさを示す感情がうっすらと浮かんでいた。
 この後も皆、壺カレーやら他の料理を頬張った。
 のだが、ウェルカがパイにフォークを入れた瞬間。
「トッピングの果物が!!」
 パイから果物がはじけ飛んだ。危険を感じたウェルカは速やかに避難した。
「何が飛んで来るかと思えば、果物か」
 ドラゴニアのレダは、飛んでくる果物をジャンプで回避。
「わっ、わっ、飛んで来る、ど、どうしよーー」
 パニックから素が出るナツメ。
「大丈夫か」
 そんなナツメの前に回避を終えたレダが立ち、硬質となった龍の皮膚によって、向かってくる果物を防いだ。
「……この酸っぱいスープ……これはこれで美味しいですね」
 ルーノは、酸っぱいスープに舌鼓を打つ。
「……美味しい、か」
 貴人は、ルーノの食べる様子から安全と見なす。
「この酸っぱさはまるで……」
 スープを食して、貴人はグルメレポーターの如く感想を並べる。

 ついに、並ぶ料理が残り僅かとなった頃。
「野菜がありますわね」
 農家の娘たるナツメが、部屋の隅に積まれた野菜を発見した。
「どれも新鮮ですわ」
 実家でやって来た農作業の経験と読書による豊富な知識で、ナツメは野菜の新鮮さを見抜いた。
「そう、新鮮なんだけど、余ってしまって」
「魚もあるぞー」
 喜ぶ美夏とルタンが5人に近付いて来た。ルタンは魔法に満ちた容器の蓋を開けて、新鮮な魚を披露する。
「任せて貰おうか」
「魚は私が」
 料理に心得があるレダとウェルカが処理に立候補し、レダが持っていた調理道具一式を使って見事な物を作り上げた。
「私は塩鱈のオリーブ煮ですわ。苦みはありませんわよ」
 ウェルカは見事な魚料理。彼女は魚のワタなどの自然な苦みが苦手とあり、下処理はきっちり施してある。
「キッシュに……ガレットに……」
 レダはおかずとお菓子を幾つか完成させた上に、現在も忙しなく泡立て器でボウルの中にある何かをかき混ぜていた。
「……よし、生クリームの完成だ」
 泡立て器の動きを止めた。出来上がったのは生クリームだ。
「シフォンケーキに載せて……」
 レダは、出来立ての生クリームを野菜たっぷりのシフォンケーキの上に載せて完成させた。
「……野菜の素朴さに生クリームの甘さが絡んで最高ですわ」
 ナツメは生クリームつき野菜シフォンケーキを頬張った。
「……確かに苦みはないな」
 貴人は塩鱈のオリーブ煮を食した。
「……どの料理も味わい深いです」
 ルーノも皆と同じく味わった。
「余り物がこんなに美味しくなるなんて凄い!」
「美味いぞ!」
 美夏とルタンの舌も楽しませた。
 この後、料理は皆に食されて無事に食事会は幕を閉じたという。



課題評価
課題経験:44
課題報酬:1200
おふざけな食事会にようこそ!
執筆:夜月天音 GM


《おふざけな食事会にようこそ!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《やりくり上手》 ルーノ・ペコデルボ (No 1) 2019-03-23 02:00:29
村人・従者コースのカルマ。
ルーノ・ペコデルボです。

今回は料理の幅を広げる為、また感情を学ぶ為にふざけた料理なるものを勉強しに来ました。

ふざける事が出来るのは余裕がある事。
僕では想像が出来ない物が食べられるかもしれません。

皆様、宜しくお願いします(丁寧に頭を下げ

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 2) 2019-03-24 10:19:26
黒幕・暗躍のレダだ。
宜しくな。

私も料理をする者として、こういった事に参加してみようと思っていたが…。
料理の方向性が少々おかしいようだな…。

まぁ、やってみようか。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 3) 2019-03-24 16:08:28
皆様、初めまして、もしくはご機嫌良う。
王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。
宜しくお願い致しますわ。

何やら、変わったお料理をいただけるみたいですので、楽しみですわね。
お料理自体に、何らかの[魔法]や[魔法薬]が仕込まれているのか、何か[そういう材料]が存在するのか、興味が御座いますわ。
色々と、試してみたいですわね。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 4) 2019-03-25 11:57:36
魔王・覇王コースの仁和だ。
よろしく。

とりあえずタダ飯食いに来たぜ。
後は場の雰囲気に流せれるままってな・・・

《ゆうがく2年生》 ナツメ・律華 (No 5) 2019-03-26 22:26:11
賢者・導師コースのナツメ・律華ですわ。
何やら不思議な名前のクラブですが、楽しませていただこうと思いますわ
どうぞよろしくお願いいたします

(マナーの本は読んできたし……だ、大丈夫よね)