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覚えてる


ストーリー Story

 其はシステム。
 一つの種が突出して繁栄し、調和を瓦解させる事を防ぐ世界の自己管理機構。
 存在理由はただ一つ。
 『喰らう』事。
 飢えでもなく。
 乾きでもなく。
 美味による悦楽も。
 捕食恐怖による君臨すら動機には無く。
 ただただ、喰らい続ける永久機関。
 永劫の時の果て。知恵を得、理性を得ても。その本質は不変。
 乱れぬ思考と冷淡なる理の元、万物万象を喰らい続ける様は正しく『魔』。
 恐怖と羨望。畏怖の果てに統べしは『奈落』。
 強大なる魔王に傅かず、ただ我道を歩む六種の王が異端にて一柱。
 示す号は『滅尽覇道』
 名は。

 ――『饕餮(とうてつ)』――。

 ◆

「ちょっと、いいかな?」
 その声に、人気のない路地を歩いていた二人は振り向いた。
 立っていたのは、一人の男性。黄昏に染まった眼鏡のせいで、その表情はうかがい知れない。
「怪しい者じゃない。証明する事は出来ないけど、どうか信じて欲しい」
 顔を見合わせる二人。少年の方が、促す様に男性を見る。意図を察した男性は、『ありがとう』と言って切り出す。
「学園の生徒さんが連れ去られた。『饕餮(とうてつ)』の贄として」
 少女の方が、目を細める。ソレだけで、全てを理解したかの様に。
「力を、貸してあげて欲しい」
 此方もソレを理解し、話を続ける。
「件の生徒さんは、既に『混沌』の封印領域に取り込まれている。こじ開ける為には、止め釘である『八彩災華(はっさいさいか)』を倒さなきゃいけない。けど、八彩は強力だ。特に、残りの5体は……。だから……」
「ソレを成せば、饕餮が起きる」
 遮る様に、少女が言った。
「饕餮は危険なモノ。他の六種の様に、人理に律した価値観を持たない。解放して枷が外れれば、最悪全てが捕食対象になる」
 少年も言う。
「確かに、脅威の規模であれば魔王が強大。けれど、食われるウサギにとって相手が獅子であろうと狐であろうと、結果に差異はない」
 全てを理解していると言う風に頷き、男性は返す。
「それでも、魔王を倒す為には必要な力なんだ」
「それなら……」
 少女の瞳が、妖しく光る。青い、蒼い、炎の煌めき。
「贄と選ばれた娘を、そのままに」
「…………」
 沈黙する男性。二人は説く。
「かの娘が選ばれたは、偶然ではなく必然」
「かの娘が身を捧げれば、正しく饕餮はその業を潜めよう」
「純たる相互利益の為に、敵たる魔王に牙を向けよう」
「其方達と共に」
「顕界全ての命運と、只一人の娘の未来」
「比べる意は?」
「犠牲無き平和は、空なる理想」
 そして、二人はまた男性を見つめる。
 しばしの沈黙。やがて、男性は再び口を開く。
「僕も、以前はそう思っていたよ……」
 眼鏡の奥の瞳が、宙を仰ぐ。遠い、いつかを。
「平穏に溺れて、下らない身内の権力争いに終始する同僚達に絶望して……」
 苛立つ様に、ガシガシと頭を掻く。きっと、今でも割り切れない感情。
「こんな事では本当の危機の時に対応する事なんて出来ないと思って……それなら、本当の危機に晒されれば真剣になってくれると思って……」
 言葉は、ソコで途切れる。苦渋と後悔に満ちたソノ顔を、黙って見つめる二人。
「でも、気づいたんだ。気付かされたんだ。本当の危機の前には、ちっぽけな人間なんか散り屑同然の力しかなくて、ソレを招けば沢山の命が犠牲になって、そんなモノの上に成り立つ平和なんて、やっぱり屑同然の僕の、醜悪な自己満足に過ぎなくて……」
 自身の言葉の意味を噛み締める様に目を閉じる。そして。
「でも、僕はまだ信じたい」
 再び開いた目には、確かな意志の炎。
「道はあると。どんな悲しい犠牲もださす、辿り着ける答えがあると。そして僕は……」
 見つめる空の先には。
「ソレを、彼らに託すと決めた」
 そして、もう一度二人に願う。
「だから、どうか。対価が必要と言うのなら、僕が……」
「対価は、もう貰ってる」
 遮った言葉に、男性がハッと目を見開く。
 能面の様だった少女の顔は、優しく綻んでいた。
「あの子達は私達を助けてくれた。永の苦しみと悲しみから救ってくれた。対価を払うは、私の方」
 そう言うと、隣の少年に問いかける。
「よろしいでしょうか? 『阿利人(ありひと)』様」
「『清姫(きよひめ)』を救ってくれた御仁方の為だ。何故、異など唱えようか」
 秒の間すら置かぬ答え。笑い合う、二人。
「ありがとう。教えてくれて」
 男性に御礼を言って、踵を返す。
「ありがとう……」
 呟く声に、手を振って。
 夕日の中に歩いて行く二人。手を繋ぐその影が、ユラリと揺れる。陽炎の様に溶け合う二人。その揺らめきが、朱日の中で尚蒼く燃え上がり。
 蒼珠の焔玉が空へと昇る。夜天を駆ける流星となって、遠い彼方へと飛んでいく。いつか交わした、愛しい絆に答える為に。
(あの娘、好きな人がいたよ)
(なら、返してあげないと)
(貴方みたいに)
(君みたいに)
 星散る中に、聞こえたのは優しい誓い。
 見送る男性の耳に、何かが聞こえる。何かが羽ばたく音。そして、『ゲタタ、ゲタタ』と言う壊れたカスタネットの様な『鳴き声』。
 ハッと、仰ぐ。
 夜に沈んでいく空を横切っていく、幾つもの飛影。大きいモノ。小さいモノ。幾つも。幾つも。先に飛び去った、蒼火の流星を追いかける様に。
「そうか……」
 全てを察して、呟く。
「助けてくれるんだな……。君達も……」
 感謝する様に、しばし目を閉じる。そして。
「そう……僕も、まだ……」
 開いた瞳に決意を燃やし、男性はまた歩み出す。
 彼の名は、【リスク・ジム】。
 いつかの時代、歩むべき道を誤り。
 生んだ歪みを正そうと足掻く者。

 歩む先、微かに漂う酢酸の香。
 絆の証。
 贖罪の導。

 ◆

 目の前に現れた異形に、【チセ・エトピリカ】は息を飲む。
 それは、巨大な硝子玉。綺羅綺羅と輝き、不定形に形を変える人智の外。
 『無彩の混沌』。八彩災華は最後の一柱。『無の災』を司る生無き生命。
「さあ、お連れしんしたよ。『渾沌(こんとん)』大君」
 チセの背後に立った【白南風・荊都】が呼びかける。
(ああ、ご苦労様)
 無機質な、音の様な声。硝子玉が揺らめき、広がる。蓮の花が、夜の泉に咲く様に。
 広がるのは、妖しの世界。蒼い闇。幾重もの朱い鳥居と、幾棟もの行灯の光。延々と連なる奥で、何かが招く。
「さ、お行きなんし。怖くはないでありんすから」
 嗤いを含んだ声も、今は遠い果て。ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、振り返って。
 ひょっとしたら、なんて。
 ああ、切れないなぁ。
 切れないよね。
 自分の弱さを、少し嗤って。
 そして。

(後は頼んだよ。女狐)
 閉じた混沌。淡々と告げるソレに『心得ていんすよ』と。
 チャラリと鳴らす、2色の勾玉。一つは『白』。一つは『紫』。
 ポォンと放り、呼びかける。
「さ、起きなんし」
 フゥとかける、甘い白煙。巻かれた勾玉、パンと弾け。
 一つは雷。真っ白な雷。轟轟と嘶いて、空の果てへと荒びて賭ける。
 一つは水。紫に濁った汚水。ベチャベチャバチャと蠢いて、シュルリシュルリと後を追う。
「くふふふふ、『雷の災』に『水の災』。封印の打ち釘、しっかりと払ってくんなましな。もつとも……」
 眼鏡の奥が、ニヤリと歪む。
「嫌と言った所で、大層な人死にが出るだけでありんすが?」
 ケラケラケラと笑う声。伸びる影に、夜風が震えた。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 8日 出発日 2022-02-25

難易度 難しい 報酬 多い 完成予定 2022-03-07

登場人物 7/8 Characters
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《ゆう×ドラ》アレイシア・ドゥラメトリー
 リバイバル Lv11 / 村人・従者 Rank 1
「あたしはアレイシア、あなたは?」 姉妹の片割れ、妹 思考を重ね、最善を探す 奥底に、消えない炎を抱えながら 容姿 ・淡い薄紫のミディアムウェーブ、色は紫色寄り ・目は姉よりやや釣り目、同じくやや水色がかった銀色 ・眼鏡着用、目が悪いというわけではない。つまるところ伊達眼鏡 性格 ・妹と対照的に、考えで動くタイプ。人当たりは良く、社交的 ・好奇心旺盛、知りたいことはたくさんあるの! ・重度のシスコン、姉の為ならなんだってする ・結構子供っぽい所も、地は激情家 ・なぜか炎を見るとテンションが上がるらしい、熱いのが好き、というわけではない模様 姉について ・姉が全て、基本的に姉・自分・それ以外 ・人当たり良くして姉の居場所を増やしたい 好きなもの 姉、本 二人称:基本は「あなた」 先輩生徒「センパイ」 初対面には基本敬語
《真心はその先に》マーニー・ジム
 リバイバル Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
マーニー・ジムよ。 普通のおばあちゃんとして、孫に看取られて静かに逝ったはずなんだけど…なんの因果か、リバイバルとして蘇ったの。 何故か学生の時の姿だし。 実は、人を探していてね。 もし危ないことをしていたら、止めなければならないの。 生きてる間は諦めてたんだけど…せっかく蘇ったのだから、また探してみるつもりよ。 それに、もうひとつ夢があるの。 私の青春、生涯をかけた行政学のことを、先生として、みんなに伝えること。 これも、生前は叶える前に家庭持っちゃったけど、蘇ったいま、改めて全力で目指してみるわ。 ※マーニーの思い出※ 「僕と一緒に来てくれませんか?」 地方自治の授業の一環でガンダ村に視察に行ったとき、そこの新規採用職員であったリスク・ジムからかけられた言葉だ。 この時点で、その言葉に深い意味はなく、そのときは、農地の手続きの案内で農家を回る手伝いといった用件だった。 「よろしくお願いします。」 これ以降、私たちの間では、このやり取りが幾度となく繰り返されることとなる。 その後、例のやり取りを経て婚約に至る。 しかし、幸せの日々は長くは続かない。 結婚式の前夜、リスクは出奔。著作「事務の危機管理」での訴えが理解されない現状に絶望したとのことだが… 「現状の事務には限界がある。同じことの繰り返しじゃ、世界は滅ぶよ」 結婚前夜の非道な仕打ちよりも、消息を絶つほど思い詰めた彼の支えになれなかったことを今も後悔している。 ※消滅キー※(PL情報) リスク及びリョウに感謝を伝えること 片方に伝えると存在が半分消える(薄くなる) メメ・メメル校長はこのことを把握しているようで、これを逆手にとって消滅を遠ざけてくれたことがある。 (「宿り木の下に唇を盗んで」(桂木京介 GM)参照)
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。

解説 Explan

【目的】
 『白雷の鵺』と『紫水の水虎』の討伐。

【状況説明】
 二つの怪異が街に向かって移動中。
 途中の草原(障害物無し)で迎撃。街に侵入されると失敗。

【エネミー】
【白雷の鵺(はくらいのぬえ)】
【格】
 6
【生態】
 『八彩災華』雷の災。
 雷を纏い、黒雲に乗って空を駆け巡る。落雷を生じさせ、死亡した生物の魂を捕食する。
 生きた天災。意思の疎通は不可能。
【本能】
 常に飛行状態。地上からの攻撃は無効(飛び道具であれば可能)
 放たれる電磁波によって、周囲6マス以内は魔法無効。
【属性得意/苦手】
 雷/地
 物理・魔法共に有効(水・雷属性は無効)。地属性の場合、ダメージが倍になる。
【得意地形】
 空
【戦闘スタイル】
 遠距離型。
 落雷:本体周囲5マス以内のPC全員。
 遠雷:本体から5マスより外側のPC全員。
 雷砲:本体正面からマス3列一直線。軌道上のPC全員。
【状態異常】
 全ての攻撃が『灼熱』と『麻痺』付与。

【紫水の水虎(しすいのすいこ)】
【格】
 5
【生態】
 『八彩災華』水の災。
 水(地面に存在する水分含む)に潜伏して広い範囲に同化。同化した範囲全てが攻撃範囲となる。
 知能は高く、会話も可能。ただし、狡猾にして残忍。殺戮を好む性質上、相いれない。
【本能】
 液状化し、地面に染み込んでいる。この状態時は攻撃対象に出来ない。
 1Rに一度、実体化して攻撃。この状態時には攻撃対象に出来る。
 フィールド全体を浸食しており、攻撃を行ったPCから体力を5奪い去る。
【属性得意/苦手】
 水/雷
 実体化時のみ、物理・魔法共に有効。
 水・火属性の魔法攻撃無効。
 雷属性の攻撃は、2倍ダメージ。
【得意地形】
 水分のある場所。
【戦闘スタイル】
 オールレンジ型。
 水槍:足元から突き上げる水の槍。全てのPCに対し、0距離で攻撃。
 水蛇:地面から伸びた水の蛇が絡みつき、吸血する。ランダムで一度の攻撃で3人まで対象。
【状態異常】
 水蛇が『吸収』。水槍が『毒』を付与。



作者コメント Comment
【追加要素】

【NPC】
【清姫&阿利人】
 参考エピソード:『蒼炎恋歌』
 かつての八彩災華・火の災【蒼火の清姫】とその恋人の少年。
 勇者達に救われた御礼の為に、援軍として参戦。
【行動】
 10R経過後に介入。
 清姫:攻撃の半分を相殺する。
 阿利人:状態異常を無効化する。
 敵の攻撃対象となる。撃破されてしまうと上記の各援護効果がなくなる。

【ジーナフォイロ】×6
 参考エピソード:『夜闇の双風』
 いつか勇者達に助けられた飛行性原生生物。
 御礼の為に一家総出で参戦。
【行動】
 12R経過で介入。
 PCを背に乗せて飛行。移動距離2倍。空中での攻撃が可能となる。
 フィールドを毒で掌握。鵺の魔法無効化領域と水虎の体力吸収領域を無効化する。
 敵の攻撃対象となる。全滅すると上記の恩恵が全て消滅する。

【白南風・荊都(しらはえ・けいと)】
 饕餮の使い人。今回も何するでもなく見物。

【GMより】
 皆、応援してます。頑張って(字数




個人成績表 Report
タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:243 = 162全体 + 81個別
獲得報酬:7200 = 4800全体 + 2400個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:8
獲得称号:---
【事前調査】チセさん関連の報告書を読み込み、関わった仲間に話を聞く
犠牲なき平和を目指してチセさんは必ず助けたい
当日出発前は準備に没頭

勇者原則で両者の注意を惹き
晴天灰陣で壁役を務め
空からの攻撃に耐えるよう持久戦を展開し
先に水の方をどうにかする

水は、顔を出すタイミングをうまくを計って
仲間と連携して攻撃を集中
自分は月下白刃を確実に当てる
さらに、上から降ってくる雷の攻撃を
挑発でうまく誘導して水に当てる

水を倒したらグリフォンに騎乗し
雷と直接対決
ヒ8からのヒ19ヒ20乗せた月下白刃

12ラウンド以降
「ああ!ジーナフォイロじゃないか!」
再会を喜び
グリフォン飛行が切れてたら
彼らの力を借り再度飛行状態に


アドリブA

オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:8
獲得称号:---
チセさん…僕が彼女を一人にしてしまったから…

優先順位:紫水>白雷

行動順位:攻撃(防御)>回復

紫水の水虎:可能であればコンタクトを取るが、厳しいようであればメイン戦闘。
ブリジラで地面を氷結し、攻撃範囲を狭める。
魔力の羽衣で防御。槍イカで刺す。


白雷の鵺:自己弱点対策に電結変異を使用。
また電結変異未発動で、攻撃対象になった際は身代わりうさぎで防御。
ジーナフォイロ合流後、背に乗って飛行。マドガトルで攻撃

味方合流までの仲間の体力を回復優先。

アレイシア・ドゥラメトリー 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:486 = 162全体 + 324個別
獲得報酬:14400 = 4800全体 + 9600個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:8
獲得称号:天啓天師
八災……そんなものがまだ残ってると思うと頭痛くなるわね…

・行動
攻撃優先は水虎>鵺
鵺の雷の予兆を【視覚強化】で観察
長期戦になることを予測して、できるだけ体力は温存
水虎が出現時に【二連射】
自分が攻撃対象になった時はリ2で少しでも相手の勢いを削ぐ
残魔力が50以下で「桃花酒」使用
相手の挙動を探るべく、なるべく回避と防御に専念
ちょっと!アタシはリバイバルなんだけど!?
全く、喰えるだけ喰ってやろうとでも思ってるのかしら

増援後はジーナフォイロと共に空中へ
清姫達への攻撃を少しでも逸らせるように援護射撃を続ける
久しぶり、でいいのかしら?心強いよ、とっても!

マーニー・ジム 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:8
獲得称号:---
チセさんが贄にならずに済むためのタスクの事前調査に協力
魔物学
魔法学で裏付け調査
総合計画を立ててシトリ先生に相談し
先生が妥当と判断したら
タスクと共に学園内の周知に回る展開希望
「動物の餌やり」「筋トレ」など相手が好みそうな例えで説明

戦闘では
エーデンユートで最初は雷属性を指定
水災に攻撃を集中
防御陣形を生かし
仲間が氷結や石灰や清姫の炎で水災の攻撃範囲を狭めるのに
最適な配置を導きだし効果を最大化

水災を倒したら
仲間と連携して雷災に集中攻撃
必要な仲間にタスクのグリフォンへの同乗を促す
自分はエーデンユートを地属性に変更し
魔術師の箒で飛行状態となって雷災に接近
大賢者ローブ効果で全力撃ち

リーラブで仲間を回復


クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:8
獲得称号:---
基本は木染の書で敵に合わせて属性変更しながら攻撃する。白雷の鵺には地属性、紫水の水虎には雷属性だ

そして俺は、仲間のサポートを主軸に動く
白雷の鵺の電磁波の影響を受けないように距離を保ちつつ、仲間が状態異常になったらデトルで治療する
電磁波の圏内に入ってしまったら魔法のデトルは控え、恩赦の裁で仲間を治療するとともに行動力を引き上げる
また、俺自身も立体機動で敵からの攻撃には回避に専念。だが可能なら、白雷の鵺の雷砲の射線が紫水の水虎に重なるよう立ち回ってみる
危うくなったらスピット・レシールで仲間の守護を。この一分一秒で、勝利の可能性を繋げるんだ

清姫と阿利人が来てくれたら、俺は阿利人君のほうの力を頼りにさせてもらう
災厄の芽を紫水の水虎、次いで白雷の鵺の優先順にぶつけ、今度は奴らに一方的な毒の苦痛を与えてやろう

ジーナフォイロ到着後は、俺も彼らに乗せてもらい、小魔獣召喚を試み強化したアン・デ・フィアで拘束し、その力を弱らせ、仲間へとつなげよう

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:8
獲得称号:---
戦闘開始早々、繋りの意味、漆黒の大鎌のアイテム効果を使用
攻撃事態のダメージよりも腐食でのダメージを狙ってみよう

グリフォンでの飛行や立体機動、基本鎌術、ヒ10、などで確実に当てていこう
出来る事なら鵺、水虎それぞれに腐食を与えたいところだな

それぞれに一当てしたら不可侵の覇道を使用して自分と味方の状態異常を回復しよう

後は特級薬草、雨水の雫、身代わりうさぎ・改を使用しつつ耐えていこう
勿論攻撃が出来るようなら絶対王セイッ!で攻撃

エトピリカくんの贄の件だが出来るだけならないよう方策を探したいところだな
何を如何すればいいかはわからないが
手っ取り早い方法として饕餮さんに聞いてみるか?

アドリブA 絡み大歓迎

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:8
獲得称号:---
以前の課題で大きなカバンにいれた石灰を地面にまいて水をはばみます。


そして装備した楽器「天使の歌」の調べを「風の旋律」で奏でてもらって
いっしょにたたかう味方のみなさんをささえます。

「絶対音感Ⅰ」と「調律」もつかって回復量をふやします。
さらにいよいよきびしくなってきたら
わたくし自身の「演奏」も併用して回復量を二倍にふやします。
「風の旋律」と「演奏」はおなじ効果ですけれど、
でもちがうアイコンが象徴、だからいっしょにつかえます。
これがわたくしの切り札であるデュオ、「二重奏」です。

状態異常についても「福の針」と「備えあれば何とやら」で対処します。
わたくし自身については「ビルガメスローブ」も活用しますね。

リザルト Result

「……チセさんは、赤土の民の地で土蜘蛛の贄巣に選ばれていた……。調査で、土蜘蛛も『八彩災華』の一柱だった事が分かってる。なら、もしかして最初から……」
 生徒寮の廊下を、一人歩いていた【タスク・ジム】。手には先の戦いで拉致された級友、【チセ・エトピリカ】について調べた資料。魔王討伐の為の必須戦力となる『覇王六種』。その中でも最も危険度が高い『滅尽覇道・饕餮』を宥める贄。その役目を、チセは自ら選んだ。そう、どんな諫言があったとしてもソレは確かに彼女の意志。けれど……。
 ソレが、何だと言うのか。
 平和は、全ての命が得るべき権利。何かの犠牲の上に成り立つなど、決してあってはならない事。人も。動物も。花も、木も。全ての命が、欠ける事なく迎える明日を。例え、どんなに甘ったるい理想論だと嘲笑われ様と。ソレが自分が至ると決めた、勇者の在り方。
 そして、何より彼女は。
(チセさん、必ず助けます……)
 苦楽を共に、同じ未来を夢見た仲間なのだから。

 ドアの開く音に、視線を上げる。先にあった部屋から出て来た姿に、思わず声を上げた。
「オズワルドさん!」
 かけられた声に、【オズワルド・アンダーソン】が此方を向いた。
「お帰りになってたんですね!」
「はい、お久しぶりです……」
 魔王の眷属達の暴挙に晒される地域に心を痛め、医療の術を持つ者の義務として学園義勇軍の遠征に加わっていた筈の彼。
 けれど、今は多くの級友がその存在を求めていた筈の人。
 タスクも、その一人。駆け寄りながら、口走る。
「良かった……。実は……」
「チセさんの、事ですか……?」
 自分の言葉を遮る様な返しに、息を止める。
 そう、責任感の強い彼が自分の定めた責務を置いて帰ってくる理由など、一つしかない。チセ・エトピリカは、彼の――。
「僕が……彼女を一人にしてしまったから……」
 苦悩が滲む声には、憔悴の気配が強い。かけるべき言葉も分らず、黙るしかないジムの後ろに誰かが立つ。
「嘆いていても始まらないぞ。悩む暇があるのなら、今は動こう」
「クロスさん……」
 自分を見るオズワルドに、【クロス・アガツマ】が頭を下げる。
「すまない、オズワルド君。あの場にいたのに、俺は彼女を止める事が出来なかった……。本当に、すまない」
「いえ、クロスさんや皆のせいじゃありません……。悪いのは……」
 普段穏やかなオズワルドの声に、明らかに籠る怒りと怨嗟。タスクが悪寒を感じた瞬間。
 周囲に、甘い香が満ちた。見れば、周囲に揺蕩う白煙。
「これは……あの女の!?」
 驚くクロス。正しく、コレは先の戦いにおいて、饕餮の使いを名乗る妖術師。【白南風・荊都(しらはえ・けいと)】が使った意思伝達の呪法。
「まさか、近くに!?」
「学園敷地内は防御魔法で固めてある筈なのに……」
 皆が体勢を整え様とした時、脳内に声が響く。
(探しても居んせんよ。無駄な労力は後々宜しくない事になりんすよ)
 朗らかな、けれど確かな悪意を孕んだ女性の声。クロスが『荊都……』と呟く。
「こいつが……」
 歯噛みする様なオズワルドの声。隠しもしない、殺意の気配。
(前、お客としてお邪魔した時にちょいと仕掛けを置いてきまして。いやね、それなり~におイタを致しんしたのでぇ。 流石にもう門は開けて貰えないでありんしょうし? かと言って、ご協力をお願いする手前、ご連絡取りんせんのも如何なモノかと思いまして? まあ、そう悪さをする仕掛けでもありんせんし? 大目に見てくんなましな?)
 ペラペラと舌を回し、何が可笑しいのかケラケラ嗤う。全ての挙動が、意図的。ソレも、本当に然したる思惑もない。ただただ、人を逆撫でして喜ぶ悪意。
(まあ、そんなどうでも良い事は置いといて。本筋に参りんしょう 。つい先程、八彩の『雷』と『水』を放ちんした)
「!」
 皆の間に、走る緊張。
(もうご存じでありんしょうが、『八災』の調伏は滅尽の御方様のお目覚めに必要な儀式ですので。しっかりと、ご対処の程を)
 本当に、楽しくて堪らないと言った気配があからさま。溜まりかねた誰かが、『知った事か!』と怒鳴ろうとした。けれど。
(それならそれで、此の世が魔王さんの玩具になるだけでありんすが?)
 全てを先読みしていた様な言葉が、皆を黙らせる。
(そうそう。勇者たる者、些事と大事の分別は付けるモノ。お前様の面白うありんせん意地でぜ~んぶを台無しにするのは、いただけんせんぇ。 まあ、ぬし方だけで魔王さんをどうにか出来ると『ぜぇ~ったい』の御自信があるなら、結構でありんすが?)
 沈黙。誰もが分かっている。魔王はあまりにも強大で、倒す為にはあらゆる可能性が必要で。自分達の意地とか想いと天秤にかかるのは、この世界の命運で。
 そんな事、在り得てはいけないのだと。
 そう、だからこそ彼女も選んだのだから。
 大きな世界の運命と、小さな自分の未来を天秤にかけて。
 だけど。
 けれど。
(まあ、そこなたの所はご自由に。ただ、行くなら急いだ方がよろしいでありんす? 何せ、今回の『雷』と『水』……)
 苦悩を嘲笑い、なおニチャリと哂う。
(御多分に洩れず、こわぁい『人喰い』でありんすからねぇ)
 最後にまた笑い声。消える香の香に、誰かが歯噛みする音が聞こえた。
「チセさん……そして饕餮……。成程ね、通りであの先輩が虚無の顔して怒ってるはずだわ……」
 いつの間にか輪に入っていた【アレイシア・ドゥラメトリー】が堪ったもんじゃないと米神を押さえる。
「八災……そんなものがまだ残ってると思うと頭痛くなるわね……」
 彼女もかつて八災の一柱、『蒼火の清姫』と相対している。この時は清姫が心を持ち協力してくれたから何とかなったものの、そうでなかったら正直どうなっていたか分からない。
「かと言って、動かない訳にもいかないな。放っておけば、かなりやばそうだ」
「罪も責務もない人達を、餌になんて出来ません」
 一緒に集まって来た【仁和・貴人】と【レーネ・ブリーズ】も口々に。
「エトピリカくんの贄の件は、如何にかできないかみんなと考えてみよう。考えてもどうにもならない場合、取り敢えずは行動だな」
「頑張れば、必ず道が見つかります!」
「手の上で転がされてるようで癪だけど、饕餮に辿り着くためにも、まず目の前の敵をどうにかしないと」
「期せずして巡った縁だ、最後まで付き合おう」
 皆の言葉に、オズワルドが静かに頭を下げる。
「ありがとうございます……皆さん……」
 その様子を見つめていたタスクの肩を、誰かが叩く。振り返ると、そこにいたのは祖母の【マーニー・ジム】だった。
「おばあちゃま!」
「タスクちゃん、私も行くわ」
「でも……」
「チセさんの事、饕餮様の事、手伝わせてくれたでしょう? なら、コレも手伝わせて欲しいの」

 饕餮の本質を知り、チセの件があってから、タスクは饕餮を制御する術を求めて奔走していた。
 チセが選ばれた理由がその魔力量なのだとしたら、彼女一人の犠牲と同等の魔力を多数の学園生徒で少量ずつ賄う事で負担出来ないだろうか。
 『煙草をしがむ様な』楽しみ方も与える事が出来る。毎日味変するから、飽きも来なくて良いかも知れない。
 勇者司書で調査し、学園生徒に協力依頼のチラシを足を棒にして配って回った。
 他の覇王達は、饕餮を世界の調整機構が形を成したモノと表現していた。システムたるその捕食行動は、一般の動物の様に空腹や美味嗜好を満たす為のモノではないと。
 であれば、人間的感覚を基礎発想にした此の策は無意味なモノとなる。
 ソレでも、と思う。
 彼らは言っていた。かつては文字通りのシステムだった饕餮も、永世の果てに知恵を得、理性を得たと。そして、何より今の饕餮は捕食を出来ないと『苛立ちを感じる』と言う。もし饕餮が文字通りの『システム』に過ぎないのだったら、『成長』も『変化』も在り得ない。けれど、実際に彼(彼女)は変わっている。『成長』している。
 それなら。
 彼(彼女)の世界に。淡々と喰らうだけの退廃に、新しい喜びを教える事が出来たなら。仲間として、共に歩む事が出来るかもしれない。
 そう、他の覇王達と同じ様に。
 例え、ソレが淡くあえかな可能性だとしても。
 可能性として存在するのなら、タスクはソレに賭けたかった。
 誰も犠牲にならない、未来の為に。
 懸命に走り回るタスクを見て、校長の【メメ・メメル】と異界の魔術師、【道化の魔女・メフィスト】も腰を上げた。
 二人の上位魔術師による合同作業。魔法アイテム開発。
 『魔力賽銭箱』。
 『魔力変換パンチングマシン』。
 『なでなで用魔法手袋』。
 あからさまに謎な感じ。だけど、性能は保証付き。多様な好みに応じて、楽しく魔力提供出来る様にと。後はまあ、センスの問題。
 二人とも激務なのに。
 申し訳なく思うタスクに、二人は気晴らしの手慰みと嘯いた。
 そんな孫を、マーニーが放っておく筈も無く。
 魔物学、魔法学で裏付け調査を行い。総合計画を立てて【シトリ・イエライ】に相談し、彼が妥当と判断した上でタスクと共に学園内の周知に回った。
 全ては、犠牲無き未来へと進む為。
「それにね、タスクちゃん。私、他にも気になる事があるの」
「気になる事?」
「他の覇王さん達をお持て成しした時、貴方がスルト様から聞いた人の事……」
「あ……」
 それは、アーカード始めとする饕餮以外の覇王六種と縁を結んだ時の事。破壊の魔族、『破天覇道・スルト』がタスクに言った言葉。
 ――お前に似た、リバイバルを見た――。
「おばあちゃま、心当たりがあるの?」
 自分も心に引っかかっていた案件。知っているのかと、祖母に問う。けれど、彼女は何かを思う様に黙ったまま。そして。
「……その人は、饕餮様について調べていると言ったのでしょう?」
「うん、スルト様はそう……」
「なら、私達も饕餮様を追っていれば会えるわ。必ず……」
 見た事のない祖母の顔に、不思議な確信が生まれた。
「おばあちゃま、その人はまさか……」
「一発、ぶん殴らなきゃいけない人よ」
 そう言って、マーニーは儚げに笑った。

「ぼやぼやしてる暇はないぞ。八災とやらは人喰いなんだろう? うかうかしていて、村や町にでも侵入されたらマズイ」
「とは言っても、場所が何処だか……」
 貴人の言葉に、アレイシアが頭を捻ったその時。
(心配はないでありんす)
 意識の中に聞こえる、荊都の声。まだ、いたらしい。
(舞台の誂えは此方でする約束でありんすから。ちゃんと、お送りしんすよ)
 いけしゃあしゃあとした喋りに、皆が顔を顰める。多分、それすらも愉悦。
「なら、さっさとしろ」
(はいはい)
 声と共に、何処からともなく揺蕩ってきた白煙が皆を巻く。
「これは……」
「転送術の類か……?」
 クロスの言葉を肯定する様に、皆の姿が消え始める。一人、二人、そして……。
(さ、ぬしでおしまいでありんすねぇ)
 残ったのは、オズワルド。巻き付く白煙の隙間から、虚空を睨む。
「……訊きたい事があります」
(さて、何でありんしょう?)
「彼女は……チセさんは、無事なんですか?」
 昏い険の籠る問いに、『ほ?』と驚く声。ほんのちょっとの間。そして。
(ああ、ああ、なぁるほど。あの御姫さんが言っておられた殿方とは、ぬしの事でありんしたか!)
 酷く、嬉しそうな声。まるで、新しい玩具を見つけたとでも言う様に。
(大義を負って、遠い所に出張ってらっしゃると聞いていんしたが。成程成程、想い人の為に帰って来られましたか。これはまた、美談でありんすねぇ! 御姫さんも、さぞやお喜びになるでありんしょう!)
「……無駄口は結構です。要件にだけ、答えてくれませんか……?」
 煮え滾る憤りと殺意を抑え込みながら、言う。気配を察した荊都、『おお、怖い』とお道化て哂う。
(大丈夫でありんすよぉ 。八災が一柱でも健在な内は、滅尽の御方様の封印は解けんせんので。御姫さんは、まだお清めの儀の最中でございんす。最も……)

――お会いになるには、『八災』を全て斃して封印の扉を開いていただかなければなりんせんが――?

 ソレが意味する事を知り、唇を噛むオズワルド。荊都が、また愉しそうに。
(さあさ、そうとなれば急ぎお仕事を。愛しい御方が、最期の逢瀬をお待ちでありんす)
 揶揄いの声音と共に、転送が始まる。消える刹那、怨嗟の様に呟く。
「……チセさんに、指一本触れるな。さもなければ、僕はお前達を……」
 ――否、もう既に――。

「絶対に、許さない」

 甘い香を残し、全てが消える。
 名残りの様に漂う白煙。酷く酷く愉快そうな笑いが、無人の廊下に響いて絶えた。

 ◆

 転送された場所は、何処とも知れない草原だった。
 辺りを見回したクロスが言う。
「……見える距離に街がある。あそこを目指している訳か」
「あそこに入られたらオシマイって訳ね……」
「なら、全力で止めます!」
「饕餮云々は、後だ」
 頷き合う皆の前方で、世界が揺らぐ。
 一つは空。
 一つは地。
『シャハァ?』
 地面が腐った沼地の様にボコボコと泡立ち、何かの形がニュルンと伸び上がる。
 紫色に濁った水。ゴボゴボと蠢いて、形作るのは蜥蜴とハゼの合の子の様な奇怪な姿。泡立つ音を鳴らしながら、くぐもった声で『ソレ』は言う。
『何だぁ? 人かぁ? 別筋もいるなぁ。 喰われに来たのかぁ? 贄かぁ? 囮かぁ?』
「こいつ、喋れるのか?」
「……知恵が、あるみたいですね」
 それならと、オズワルドが語り掛ける。
「言葉が通じるのなら、お話があります」
『シャハ?』
 丸い眼球がギョロリと動いて、オズワルドを映す。死んだ魚の視線。悪寒が走る。
「……貴方方が、人を食する存在である事は知っています。その上で、お願いしたい。どうか、止めて去っては貰えませんか?」
『…………』
「無益な戦いも、殺生も、僕達はしたくありません。そちらとて、無駄に命を賭ける理由などない筈です。だから……」
「アンダーソンくん、危ない!」
 突然貴人がオズワルドの肩を掴み、引き寄せる。瞬間、オズワルドのいた場所を地面から突き出した水の槍が貫いた。
『はぁずれたぁ~。避けるなよぉお~』
「あんた……」
 お道化た調子で溜息をつく『ソレ』を、アレイシアが睨む。
『シャアハハハハハ、なぁに良い事言った気ぃなってんだよぉ? 『餌』のクセによぉ!』
 笑う声は、嘲りと加虐欲に染まった怖気立つモノ。
『可愛い事抜かすなら、自分で腹掻っ捌いてハラワタよこしなよぉ。こちとら、長い事日干しにされて腹の底まで空っぽなんだぁ。血の一滴まで、有り難く啜ってやるからよぉ!』
 ズルズルと伸び上がる異形。呼応する様に、周囲の地面からも同じ色に濁った水の蛇が鎌首をもたげる。
『お前らぁ、饕餮を起こしたいのかぁ? だから、俺らを殺したいのかぁ? やめとけよぉ。饕餮は怖いぞぉ? 喰っちまうぞぉ? 何もかもぉ! 万物万象、軒並みペロリだぁ! だからぁ、俺らにしとけよぉ? 俺らならぁ、喰うのは人だけだぁ。他は興味ねぇからよぉ! だからぁ、お前らみぃんな此の『紫水の水虎』様にぃ生き胆捧げて……』
 皆の足元が。地面が。ブクブクと泡立つ。
『他の生きモン共に尽くしなよぉ!!!』
「避けろ!」
 先の一撃と同じ気配を感じた貴人が促す。咄嗟に避けた皆の後を追う様に、次々と突き出す水の槍。体勢を整えながら、クロスが叫ぶ。
「オズワルド君! 残念だが、コイツは駄目だ!!」
「とてもじゃないけど、分かり合える様な方ではありません!」
 戦闘態勢を取りながら、レーネも言う。
「もう、人の話を聞けない奴は嫌いよ!」
 お仕置きとばかりに、アレイシアがダードを放つ。
『シャハ!』
 嘲る声。水虎の姿が、パシャンと沈む。素通りしていくダード。
「ちょ、何よソレ!?」
 驚くアレイシアを嘲笑う様に、声が響く。
『シャハハハハ、俺は『水の災』だぞぉ! 水が地に染むのは世の理だろぉ!?』
 声が聞こえてくるのは、地面。それも、途方も無く広い範囲。
「これ……ひょっとして地中に含まれる水分に……!?」
『シャハハ、あぁたぁりぃ!』
 レーネの呟きに、肯定の声。
『この草原が含む水分全てが俺ぇ! 俺の領域よぉ! だからぁ……』
「ぐぅ!?」
「アレイシアさん!?」
 悪寒と共に襲う眩暈に、揺らぐアレイシアの身体。咄嗟に支えたタスクが、彼女の異常な消費に気づく。
「コレは……」
『料金だよぉ』
「料金……?」
『言ったろぉ? 此処はもう俺の領域、支配地だぁ。其処で勝手に物騒なモン振り回すんだぁ。やらせてやった分、料金はいただくのさぁ!』
 またゲラゲラと笑う声。皆の顔から、血の気が下がる。
「体力吸収能力(ドレイン)か……!」
「質が悪いな……」
 呻く皆の前で泡立つ地面。再び伸び上がる、水虎の姿。
『ほらぁ、呆としてると喰っちまうぞぉ?』
 三度0距離で突き出す水槍。避けながら、クロスが木染の書を開く。
「水の災と言う以上、ヤツは間違いなく水属性……。それなら!」
 木染の書が呪いを零す。受けたクロスの魔力が、雷属性のソレへと変わる。
「受けろ!」
 放つダード。苦手とする雷の属性を帯びた魔弾に撃たれ、水虎が不快げな声を上げる。
「いける!」
 好機と見た貴人が、漆黒の大鎌を構えて疾走する。攻撃した相手に対し、腐食の呪いを付与する大鎌。ドレインのリスクがあったとしても、御釣りが来る計算。
「そんなに喰いたいのなら、望み通り喰らわせてやろう!」
「シャハ!?」
 一閃する大鎌が水虎の肩口を捕らえる。確かな手応えと共に紫紺の体液がしぶき、苦悶の声が上がる。
「いける!」
 ドレインによる虚脱感を堪えながら、貴人とクロスは皆に叫ぶ。
「今だ!」
「追撃を!!」
 それに答え、皆が刃を向ける。けれど、絶体絶命の中にあって水虎はなお笑う。
『シャハァ! そら、やれよぉ! 『雷のぉ』!!』
 瞬間、つん裂く様な轟音が鼓膜を撃つ。
 雷鳴。
 真っ白な稲光が、幾条にも空を走る。
 タスクは思い出す。あの時、饕餮の使いの女は何と言った?
 何を放ったと言った?
 水と。
 『雷』。
 そう、敵はまだ――。
 警戒の声を掻き消す様に、吼える轟雷。
 降り注いだ純白の稲妻が、皆を貫く。
 悲鳴と共に膝を屈する。熱に霞む目で見上げれば、空に渦巻く黒雲。其処から見下ろす、眼孔。猿顔虎身、狸足の異形。蛇体の尾をうねらせて、妖鳥の如き声で唸る。
「アレは……」
『シャハハハハハハ! 雷の災ぃ、『白雷の鵺』だよぉ! 強ぇえぞぉ!? 格は俺より上だぁあ!』
 見下ろす鵺の双眸が光る。見た事のない陣が広がり、迸る稲妻が収束する。
「――っ!? 物凄い魔力です!」
「マズイ!!」
 火傷の痛みと電気による麻痺で強張る身体を、無理矢理に転がして逃げる。その背を掠める様に叩き落ちる閃光の束。大気を震わせ、地を焦がす稲妻の砲撃。
「えっぐ……」
 一撃で更地になった地面に、顔を引き攣らせるアレイシア。
『気ぃつけろよぉ? 鵺が喰うのは魂だぁ! 喰われりゃ転生も成り代わりも叶わねぇぞぉ?』
「ちょっと! アタシはリバイバルなんだけど!?」
『あぁ? なら手間が省けらぁ! そのまま齧られちまえぇ!』
 笑う水虎の声に重なる様に、また悲鳴。
 振り向けば、レーネに絡みついた水蛇が彼女の首筋に喰いついている。同じ様に襲ってきた水蛇を凌いだマーニーが助けに入る。
 エーデンユートによって雷属性に変換されたダードによって、敢え無く消滅する水蛇。
「大丈夫!?」
「は……はい……」
 先のドレイン以上に激しい消耗。吸血による吸収の呪い。すぐにリーラブで回復を図る。
『シャハハハハハ! 肉や血は俺が喰ってぇ、魂は鵺が喰うぅ! 無駄が無くってぇ、エコだろぉ!?』
「ざけんな!」
 アレイシアがブラストクロニクルを二連射で放つが、水虎はまたトプンと沈んでしまう。
『さぁさ! 怖がれよぉ! 痛がれよぉ!! 苦しめよぉ!!! 負の念に塗れるほどぉ、血もハラワタも苦くなるぅ! その苦みが乙なんだからよぉ!』
 響き渡る哄笑と雷鳴。
「全く、喰えるだけ喰ってやろうとでも思ってるのかしら!?」
 がなるアレイシアの顔は青く。他の皆の顔も、また同じく。

 ◆

「晴天灰陣で盾になる! 皆、僕の後ろに! 勇者、タスク・ジム! 逃げも隠れもしない! 皆を狙うと言うのなら、僕を打ち倒して見ろ!!」
「天使の歌、奏でて! 風の旋律よ、届けよ!! 皆を、繋ぎ止めて!!!」
「状態異常はデトルでカバーする! 致命傷だけは、絶対に避けてくれ!」
 容赦なく降り注ぐ稲妻。次々と牙を剥く水槍。合間を縫う様に襲う水蛇。必死で対応する、防御と治癒の技能を持つメンバー。
「こんのぉ!!」
 視覚強化で鵺の発雷の兆候を見たアレイシアが、合間を狙って炎弾を放つ。けれど、ソレは鵺の身に届く前に霧散する。
「ちぃ、やっぱりキャンセルされる!」
「雷の魔力による磁場……魔法を無力化するとは……」
 歯噛みする貴人。飛び道具の主体となる魔法が効かないとなると、空中にいる鵺に対する攻撃手段がない。
「私が魔術師の箒で飛べるわ。タスクちゃんも、グリフォンちゃんを使えば……」
 マーニーの提案に、クロスが首を振る。
「相手が強過ぎる。魔法が封じられた状態では、二人や三人では荷が重い。まして、こっちの飛行手段は時間制限がある。対応し切れないぞ」
「でも……」
「死にに行く様なモノだ」
 嘲笑う様に、近くに落ちる雷砲。
 閃光に狭められた視界の端を、誰かの影が走り抜ける。
「オズワルド君!?」
「馬鹿な、無茶だ!!」
 皆の止める声を振り捨て、オズワルドは走る。目指すのは、悦楽に嗤う水虎。襲いくる水槍や水蛇を魔力の羽衣でいなしながら、真っ直ぐに。
 だって、見えるのだ。嗤う闇の向こう。泣く事も、悔いる事すらもせず。ただ。ただ、儚げに微笑む彼女の姿が。
『シャハァ? 何だぁ、お前ぇ?』
 阻む様に、地面が泡立つ。毒の槍か、血を啜る蛇か。関係ない。行かなければならないのだ。
 槍が突き出す前に、ブリジラで地面を氷結させる。
『おぉ!?』
 意表を突かれ、目を丸くする水虎。その隙に、一気に間合いに入る。
「お前がいるから……」
 振り上げる手には、槍イカ。
「お前がいるから、チセさんが苦しむんだ!」
 渾身の投擲が、腐食の呪いで爛れた水虎の肩を大きく抉る。けれど、半ば千切れた腕はその勢いのまま伸びて掴み掛かる。
 体勢を整える間もなく首を掴まれ、そのまま組み伏せられる。
『シャハハハハ! 捕まえたぁ!!』
 地面に押しつけたオズワルドの顔を覗き込みながら、ゲラゲラと笑う。
『誰か呼んでたなぁ? 女だなぁ。饕餮の贄の女だなぁ。何だぁ? お前の女かぁ?」
 オズワルドの表情から察し、また愉快そうに。
「いかん!」
「オズワルドさん!」
 皆が助けようとするも、水槍と落雷に阻まれる。
『哀しいなぁ! 憐れだなぁ! 贄の理に裂かれ、なおソレに駄々を捏ねるかよぉ!? 全く、分際を知らぬよなぁ? お前らはぁ?』
「うるさい……」
 首を締め上げられる苦痛を跳ね除け、水虎の腕を掴む。
「理なんて……知った事か……。チセさん……僕は……貴女に……」
 聞いた水虎の顔が、醜く破顔する。堪らぬ愉悦に。
『そおかぁ! そぉかぁ! 健気だなぁ、尊いなぁ。ならぁ、同じ様にぃ、お前も喰らってぇ! 同じ筋へ送ってやるよぉ! 先に待っててぇ……』
 ズルリと伸び上がった水蛇達が、顎を開く。
『女が逝ったら、存分に想いを告げなぁ!』
 一斉に雪崩れ落ちる、蛇の群れ。
 誰かの悲鳴が聞こえた、その時。

「そんな悲しい結びは、いただけないなぁ」

 何処からともなく、聞こえた声。空の色が、真っ蒼に染まる。
 落ちて来たのは、蒼く燃える流れ星。鵺の白雷を貫き、水蛇の群れに降り注ぐ。常軌を逸する高熱が属性相克の理さえも覆し、水の蛇達を一瞬で消し去った。
『なぁ、何だぁ!?』
 驚愕と共に見上げた水虎の目に映ったのは、先の流れ星よりも遥かに巨大な蒼の恒星。呆ける鵺を弾き飛ばし、そのまま地面に着弾する。
『しゃばぁああぁああ!??』
 吹き荒れる爆風に、敢え無く吹き飛ばされる水虎。唖然とする勇者達。その内の幾人かに、土煙の向こうからいつか聞いた声が。
「ああ、良かった。間に合った」
「全く、清姫が道に迷った時にはどうしようかと思ったぞ」
「ホント、あのおじさんに場所も聞いとけば良かったねぇ」
「清姫のおっちょこちょいは変わらぬな。まあ、そこも含めて愛いのだが」
「やだ、も~! 阿利人様ってばぁ!」
 全く空気を読まない会話に脱力しそうになる皆。堪えたアレイシアが、息を飲む。
「クロスさん……この声……」
「君も、そう思うか? なら、俺の効き間違いじゃないらしい……」
 『あの時』、共に戦ったクロスもまた。
「ああ、ご無事ですね」
 まだ起き上がれないオズワルドの額に、細い指が二本。チョンと付けられる。途端、麗水に清められる様に消えていく火傷の痛み。痺れ。毒の悪寒。
「さ、もう少し頑張ろう? あの娘の元に、行くのでしょう?」
「貴女……達は……」
 驚きに戦慄くオズワルドを見下ろす、優しい顔。懐かしい、面影。
「あの時、其方方は拙共の糸を繋ぎ治してくだされた」
「だから、今度は私達が繋ぎましょう。あなた達の、結びの糸を」
 言って、かつて『火の災・蒼火の清姫』と呼ばれた少女とその相方は、優しく。とても優しく、微笑んだ。

 ◆

『どう言うつもりだぁ!? 蒼火ぃ!!』
 目を回していた水虎。ようやく立ち上がり、清姫達に向かって喚く。
「あら、割と元気そうで。残念」
 あからさまに舐めた態度。ギリギリと牙を鳴らす。
『良いから答えろぉ! 何故同胞の邪魔をするぅ!?』
「何故も何も、この方達に受けた御恩を返しに来ただけ」
『……裏切るかぁ……?』
「裏切る? そもそも、あなた達の同属に堕ちたつもりなどないのだけど?」
 言って、アッカンベーと舌を出す。
 散々煽られた水虎、ブチ切れて吠える。
『上等だぁ、小娘がぁ!! ならテメェら諸共喰ってやらぁあ!!』
 襲い掛かる水蛇。空からは、鵺の落雷。けれど。
「其方こそ、あまり舐めないでよ?」
 冷ややかに笑った瞬間、巻き起こった焔柱がそれらを次々と相殺する。
『貴様ぁ……『火之蛇(ひのへび)』の加護をぉ……』
「『アレ』は元来、我が血統の守神。元の巣に、収まっただけ」
 其処にいたのは、かつて東方にて焔の神子と呼ばれた至高の炎術師。その再現。
「清姫さん……だよね? 久しぶり、でいいのかしら?」
 駆け寄って来たアレイシアに『その節は』と言っておじぎする二人。あの日、蒼い炎の中に消えて、いつか黄昏の中で笑っていた顔。
 キュッと繋がれた二人の手。意味する事を悟り、綻ぶ顔。
「二人とも、一緒にいるのね? ……良かった」
 あの時の痛み、悲しみ。その全てが、報われる。
「……助けてくれるのかい? 君達はもう、解放されたと言うのに」
「気にしないでくださいな」
「此は全て、拙共の望みに従ったモノ故」
 心苦しげなクロスに笑顔でそう言って、相方の少年『阿利人』が指先から雫を落とす。
 濁った水虎のソレとは違う、澄み切った滴り。地に触れた瞬間、鈴の音と共に広がる波紋。通り過ぎた瞬間、全ての苦痛と苦悶が消え去った。
「おお……」
「凄い……」
 感嘆する皆に、水術の極みに至る少年は畏まる。
「かのモノ達のもたらす呪い、全て拙が浄化します。皆々様は、ご存分に」
「で、私は……」
 吹き上がる蒼炎が、落雷や水槍を次々と相殺。全てとはいかないが、十分過ぎる隙が空く。
「こういう事で」
 フフッと笑い、歯ぎしりする水虎を悪い顔で見やる。
「ありがとう……」
「心強いよ、とっても!」
 互いの手。さあ、頑張ろうとハイタッチ。

 ◆

『調子こいてんじゃねぇぞぉ!? 童共がぁ!』
 怒りを増した水虎が攻勢を強める中、清姫達の援護によって余裕が出来た皆が意志を疎通する。
「……威勢は良いが、さっきつけた腐食の呪いが効いている。かなり弱体はしてる筈だ」
「ええ。僕の攻撃も、手答えは確かにありました」
「攻撃するにしても、アイツのドレインは一番の障害です」
「なら、まずはあの子ね?」
「意義なし、です」
「だが、どう攻める? 奴の攻撃範囲は広い。どうにかしなければ、近づく事もままならないが……」
「ふむ……」
 皆の言葉に、考えるアレイシア。奴はこの草原の土が含む水分に同化している。と言う事は……。
 ピンと来た。
「ねえ、皆。こんなのはどう?」
 全員の顔を寄せて、ヒソヒソ。
「良いかもしれません!」
「ふむ、やってみる価値はあるな」
 全会一致。清姫を呼ぶ。
「ハイハイ、なぁに?」
「あのね、頼みたい言葉があるの」
 今度は二人でヒソヒソ。
 見ていたクロスが、言う。
「なら、俺は彼の方だ」
 向かうのは、阿利人の方。彼にもまた、一計が。
『おいぃ、テメェらぁ! 何、コソコソしてやがるぅ!?』
「……ね、出来る?」
「ええ、勿論」
「やった!」
「ウフフ、コワイ方」
 話をつけて、頷き合う。
『コラァ! 良い加減にしねえとぉ……』
 水虎が(本日何度目かの)ブチギレをかまそうとした時、二人がクルリとこっちを見る。
『あぁ?』
 不穏な笑顔。
『な、何だぁ……? お前らぁ、何を……』
 言い終わる前に、清姫が手を上げる。
「さても皆様お立ち合い!」
 瞬間、吹雪の様に舞って渦巻く蒼の桜花。
「此れぞ蒼火の清姫、友に献げる今生一度の大火芸! どうぞ刮目御覧あれ!!」
 大見得の結びと共に、弾け散る無数の火片。降り落ちる焔が、見る見る内に地面を蒼一色の華園と化す。
 肝を潰したのは水虎。
『な、何やってんだテメェ! んな事したら……』
 言いかけて、気づく。
『まさか……辺り一帯、火干しにする気かぁ!?』
 正しく、水虎の術は周囲の水分に依存する。ソレが無くなれば、文字通り手も足も出なくなる。
『や、やべえ!』
 慌ててまだ火の回っていない逃げ場を探す。何とか察知し、しめたとソッチを向くと。
 ドサドサ!
 『此処が良い感じね』等と指示するマーニーと、ソレに従って大きなカバンからヨイショヨイショと白い粉を巻くレーネの姿。
『……何してるんだ……?』
「あ、コレですか?」
 訊かれたレーネとマーニー、ニコニコ微笑みながら答える。
「カバンの中に、肥料用の石灰が入ってたの思い出しまして」
『……石灰……?』
「知ってる? 石灰って、水分と合わさると化学反応を起こして発熱するのよ?」
『……発熱……??』
 見れば、今まさに盛大に反応して湯気を上げる石灰。ますます、乾く。
『何してくれとんじゃババアぁ! 小娘ぇええ!!』
 激昂して襲いかかろうとすると。
「水虎、こっちだ!」
 呼ばれて振り返った途端、顔に何かがぶつかって潰れる。甘ったるい香りに、何かの果実だと悟った瞬間。
『グェええエぇっッ!?』
 猛烈に込み上げてくる、頭痛吐き気その他諸々。堪らずのたうち回る水虎。
 霞む目で見れば、何か妙な果実を持ったクロスが得意げに。
「災厄の芽だ。果汁には、怨嗟の呪いが含まれている。どうだ? 自分が毒に染められる気分は」
『て……てめぇ……』
「本来であれば、呪詛の汚染は周囲にも広がるんだが。ソレは阿利人君が浄化してくれるからな」
 得意げに胸を張る阿利人。清姫が『流石です! 阿利人様!』とか言いながら抱きついてるし。
『や、やべぇ……ガチでやべぇ……』
 何とか戦域離脱しようと足掻く水虎。そんな彼を、真っ白な閃光が照らす。
『……へ?』
 振り仰いだ瞬間、叩き落ちる雷砲。
『ぐぇえええええっ!!?』
 響く断末魔。属性相克、水に優する雷の致命ダメージ。
『な……何でぇ……?』
 見れば、グリフォンに乗ったタスクが宙を舞っている。彼が挑発で鵺を誘導し、雷砲の軌道を水虎に向けた。
『あ……あの、阿呆がぁ……』
 力は勝れど、トンと知恵の働かない同胞に恨みを遺し。紫水の水虎は無へと還った。

「よし、あっちは片付いたぞ!」
 同じ様にグリフォンに乗った貴人が、会心の声を上げる。
「なら、後はコイツだけ!」
 言って、鵺の方を向くタスク。謀られた鵺が、怒りにバチバチと雷華を散らす。

「大丈夫でしょうか……」
 鵺と対峙する貴人とタスク、そして、支援の為に箒に乗って飛んでいくマーニー。三人を見上げたレーネが、不安そうに呟く。
「マーニーさんの回復に加えて、二人共身代わり兎を持っています。けれど……」
 鵺の魔力無効化フィールドは健在。魔法が使えなければ、決め手に欠ける。
「せめて、僕らも飛べれば……」
 悔しげに唇を噛むオズワルドの手を、誰かが握る。見れば、清姫が穏やかな眼差しで彼を見上げていた。
「大丈夫」
「え……?」
「『覚えてる』のは、私達だけではないから」
 風が吹く。微かに、酢酸の香を含む風。

 自分に雷砲を放とうとする鵺。それを遮る様に舞った影。ゲタタ、ゲタタと壊れたカスタネットの様な声。そして、酢酸の様な独特の匂い。
 あまりにも懐かしい、記憶の欠片。自分達を守る様に舞い飛ぶ六体の影に、タスクは呆然と呟く。
「ジーナ……フォイロ……」
 『ジーナフォイロ』。ソレは、タスクが入学して初めて対応した事件。其処で、絆を結んだ原生生物の名。
 舞い飛ぶ彼らが、何かを落とす。ヒラヒラと落ちていくソレは、緑に輝く葉っぱ。思い出したタスクが、皆に叫ぶ。
「皆、ソレを食べて! 『イタラズの葉』! ジーナフォイロの毒を中和する薬草だから!」
 慌てて受け取り、頬張る皆。目を白黒させて飲み込んだ所に、舞い降りるジーナフォイロ達。
「え……?」
「乗れって……事ですか?」
 カロロロロ、と答える。『そうだよ』と言う様に。
「君は……」
 ホバリングしながらタスクに薬草を渡してきたのは、一際大きな個体。その羽には、確かな治療の痕。忘れもしない。あの時、自分達が施したモノ。
「そうか……大きく、なったんだね……!」
 彼が鳴く。『返しに来たよ』と言う様に。
「タスク君! 貴人君!」
「お待たせー!」
 声が届く。
 ジーナフォイロに乗り、駆け付ける仲間達。
「貴人君、分かるかしら?」
 マーニーの問いに、頷く貴人。
「はい。ヤツの無効領域が、崩壊していく……」
 薬草を食んだ皆には、効果は無い。けれど、ジーナフォイロ達が振り撒く毒は確実に空を染め、鵺の空間支配に綻びを生じさせていた。
 苛立つ鵺が、邪魔者を消そうと雷砲を放つ。けれど、それがジーナフォイロ達を焼き尽くす前に、調律と絶対音感に強化された風の旋律が全てを癒す。
「させません!」
 ジーナフォイロの背を撫でながら、レーネが告げる。
「この子達が護ってくれるなら、わたくしがこの子達を守ります!」
 全ての想いは繋がり、一つとなる。
 その事を証明する様に、繋がりの意味を発動しながら貴人がタスクに言う。
「行くぞ、ジムくん!」
「はい!」
 確かな勇気を胸に、二人が走る。
「この勝負!」
「僕達の勝ちだ!!」
 閃く月下白刃。雷の災いが、絶望の叫びを上げた。

 綺羅綺羅と散っていく雷華を見上げ、阿利人が清姫に言う。
「終わったな」
「はい」
「後は、伝えよう。かの者の事。そして、『金光(ごんこう)』の事を」
「……皆は、至れるでしょうか?」
「心配なのか?」
「……いえ」
 そう微笑んで、蒼火の神子は空に向かって手を振った。

 ◆

「探しましたヨ。ミスター・リスク」
 かけられた声に、【リスク・ジム】は振り向く。
「貴方に、頼みたい事がありマース」
 そう言って、【道化の魔女・メフィスト】は黄昏の中で目を細めた。



課題評価
課題経験:162
課題報酬:4800
覚えてる
執筆:土斑猫 GM


《覚えてる》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 1) 2022-02-17 00:56:02
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いいたします!

今回のメインは雷と水の災いの討伐なのですが、
平行して、チセさんを助ける方法を真剣に考えています。

今回だけでチセさんとトウテツにたどり着かなかったとしても、
プランに書いておけば、今後の布石になるかもしれませんからね!

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 2) 2022-02-17 01:22:35
お久しぶりです、遠方から戻ってまいりました、賢者・導師専攻のオズワルド・アンダーソンです。
どうぞよろしくおねがいします。

………友人から聞きました。チセさん、どうして…僕は彼女を助けます。
たとえ僕がどうであろうとも、

援護が10ラウンド以降に来るのは大きいですが、そこまでに誰も倒れることなく耐えられるだろうか…頑張るしかないか。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2022-02-17 12:21:46
オズさん、お久しぶりです!お帰りなさい!
話は聞いています(訳 リザルトは読んでいます。ニヨニヨして、そして泣きました)!
大切な人を助けましょう!僕も、そのためなら何でもします!

封印領域とやらから奪い返すのは、力を合わせて頑張るとして。

僕は、チセさんが生け贄にならなくて済む方法はないか、
つまり代替案はないか、考えています。
具体的には…チセさん一人を一生犠牲にする代わりに、
学園生徒何万人が1日ちょっとずつ魔力をお供えして、
トウテツさんを学園で飼育する、とか…!

あくまで討伐メインにしながら、伏線として
プランに仕込めたらいいな、と画策中です!

僕はそういう「ジム的な」ことを頑張ってみますので、
オズさんは、オズさんにしか出来ないことを。

《ゆう×ドラ》 アレイシア・ドゥラメトリー (No 4) 2022-02-17 21:56:21
村人・従者コースのアレイシアです……なるほど、おおよその事情は把握しました
通りであの先輩が機嫌悪いはずだわ、コレ

手の上で転がされてるようで癪だけど、トウテツに辿り着くためにもまず目の前の敵をどうにかしないと。
10R(12R)目に援護が来て……敵の格はそれぞれ5と6…
援護をアテにするというつもりはありませんが、実質10ラウンド目までは耐久に比重を置いた方が良さそうな強さですね。
っていうか空と地中ってズルくない?(思わずため息をつき)

そして、敵の攻撃範囲が笑うしかないくらい無茶苦茶です。鵺の戦闘スタイルを見るに、分散した方がまだ被害が少なくて済むのかしら…

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 5) 2022-02-18 20:49:53
タスクさん、アレイシアさんお久しぶりです。
よろしくお願いします!

大切な人…チセさんは、僕にとって…いえ、何でもありません。
きっとここを乗り越えれば、彼女の元に行けるかもしれませんね。

格5に6…ここらになってくると知能の高さが嫌になりますね。
しかも地面に同化して毒のバッドステータス攻撃、

空中もきつい…かなり相性が悪いなぁ。
紫水の水虎はコンタクトが取れるっぽいけど、性格上平和的解決は厳しそうですね。

この二体、お互いの属性の相性が悪いですね。
そこを利用できないだろうか…

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2022-02-19 00:24:35
アレイシアさん、よろしくお願いいたします!
ある程度持久戦を展開するしかない、という点には同意です。
現状の編成であれば、僕が壁役を務めた方が良さそうですね。
頑張って耐えますので、みんなで頑張りましょう!

オズさん、冴えてますね!利用できそうだと思います!
雷災の空からの攻撃を、水災に当てることが出来れば、こうかはばつぐんですね!

そこで、現時点で考えているざっくりな戦闘プランなのですが・・・

現状の編成では、飛行している相手に攻撃する手段はなさそうなので、
雷からの攻撃に耐えつつ、先に、水の方をどうにかする、ということでどうでしょう。

水は、顔を出すタイミングで、物理・魔法ともにダメージが入るので、
うまくタイミングを計って攻撃を集中すれば、先に撃破も夢ではないかと。
さらに、上から降ってくる雷の攻撃をうまく誘導して水に当てれば、なお効果的かと思います。

12ラウンド以降は飛行手段が手に入るので、そうすれば雷と直接対決できます。
ジーナフォイロは僕の最初のエピソードでかかわりがあった子たちなので、
息の合った飛行で、相手に食らいつくつもりです!

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 7) 2022-02-19 00:55:26
賢者・導師コース、教職志望のマーニー・ジムです。
よろしくお願いいたします。

エーデンユートという杖を持っているので、
通常魔法攻撃の属性を変更できるわ。
孫の作戦に従って、最初は雷属性で水災に攻撃を集中して、
ジーナフォイロちゃんたちが来たら、
そうね、母フォイロちゃんに載せてもらって、地属性に変更、
雷災を撃ちまくるわよ!

個人的な事情を言うとね・・・
リスク・ジムは、私の元婚約者。結婚式前日に逃げられたの。
見つけ出して…ひっぱたいてやるんだから!

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 8) 2022-02-19 23:45:51
賢者・導師コースのリバイバル、クロス・アガツマだ、よろしく頼む。
なかなかキツイ戦いになりそうだが、善処しよう。

俺は状態異常の回復をメインに立ち回ろう。デトルで毒と麻痺なら治せるからね。
他にも恩赦の裁で行動力を底上げしつつ状態異常の回復も行える。
しかし、できれば避けることか防ぐことに集中してもらえると助かる。残念ながら、どちらも治せるのは一人ずつだ。
おまけに、デトルは白雷の鵺から離れて使わなければならない制限もある。

敵の攻撃を誘導して別の的に当てるのは、いい案だと思う。
水虎の攻撃は0距離で出るようだから鵺に当てるのは難しいが、鵺の雷はうまく狙えば当てることもできそうだ。雷砲なんかは特に狙い目かな。

攻撃は、俺も属性変更できる魔導書で敵に合わせて行う予定だ。
他に、清姫と阿利人の二人が到着したら、敵に災厄の芽で猛毒の呪いを与えるつもりだ。
状態異常無効化、遠慮なく悪用させてもらおう。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2022-02-20 18:51:19
クロスさん、よろしくお願いいたします。
状態異常の回復策、そして無効化前提の【災厄の芽】、大変心強いです!

さて、こちら、すっかり忘れていたのですが、
僕にはグリフォンくんがいました。
ポケットに肉や魚を装備することにより、
生物騎乗レベルターンの間飛行状態になれます。
僕の場合は7ターン、しかも「自分ともう一人」、です。

とはいえ、攻撃を分散させるよりは、集中して1体ずつ確実に倒した方がいいように思えるので…

当初の予定通り、水に集中攻撃しますが、
水が12ラウンド経過せずに倒れたなら、
ジーナフォイロくんたちの登場を待たずに、
僕はグリフォンで飛行し、雷に攻撃しに行こうと思います。

グリフォンにはもう一人乗れるので、ご希望があればどしどしお寄せください。
もしも希望が複数の場合、先着順に限らず、戦略的に検討したいと思います。

《ゆう×ドラ》 アレイシア・ドゥラメトリー (No 10) 2022-02-20 20:19:26
水虎をまず優先して攻撃ですね、分かりました
私はいつも通り、銃で援護射撃がメインになります
敵も狡猾みたいだし、誤射にはいつも以上に注意しないといけなさそうね…
状態異常は装備を整えたので、一回くらいなら何とかなります
それ以上は……まず当たらないように避けることに専念しますね


そういえば水虎の攻撃範囲って

「水(地面に存在する水分含む)に潜伏して広い範囲に同化。同化した範囲全てが攻撃範囲となる。」

ってあるじゃないですか
……ダメ元で思いついたんですけど、清姫に地面をある程度焼いてもらったら攻撃範囲を狭められませんかね?火属性自体は無効化されてしまうので、攻撃にはなりませんが…
ただの思いつきなので、やるとしてもウィッシュプランの方に書き込みます…

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 11) 2022-02-23 05:58:05
確かに…熱で地面に存在する水分が飛べば、その場所には水虎は存在できない。
アレイシアさん、すごい冴えた策ね!ありがとう!
メタな話になっちゃうけど、ウィッシュプランに書いてくれれば、可能性はあると思うので、アレイシアさんが書いてくれるのは、非常に助かるわ!

戦闘の方はこれで何とかなりそうね。
ただ、より有効な策を時間いっぱい考えたいところね。

私の方は文字数にまだ余裕があるから、何か協力できることがあったら教えてね。

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 12) 2022-02-24 04:22:34
ああ、俺もアレイシア君の考えは良いと思う。
それに最終的には判断は委ねられるのだから、思いつくように好きなように書いてみるといいんじゃないかな。
同じように自分の接している地面を焼き払えば、一時的に攻撃も防げるかも。

それと、お節介かもしれないが、購買部のポイント購入の最後のページに性能の良い新しい銃も撃っているのでよかったら確認してみてくれ。きぼう300で買えるよ。
もし既に知っていたら申し訳ない。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 13) 2022-02-24 14:39:15
実のところ…プランが久しぶり過ぎて、どう書こうかすごく悩んで当日締め切りになっちゃって焦ってる身です。
装備の見直しもしないとですね…遠征(という名のおサボり)で買い物してなくてですね…たはは。
あ、期限まで完成させるので、こちらの事は気になさらず。

アレイシアさんの策、非常に参考になりますね。
とりあえずアイデアはたくさん書いて損はないかと。


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2022-02-24 19:29:30
いよいよ今日いっぱいで出発ですね!
皆さんの行動宣言を、ターゲット別にざっくりまとめてみますね。
プランの参考になれば幸いです。

◎戦闘共通
属性攻撃 クロスさん、マーニー
援護射撃 アレイシアさん
状態異常対策 クロスさん
状態異常付与 クロスさん(増援前提の災厄の芽)
壁役、物理攻撃 タスク

①水災対応
雷の攻撃を誘導 タスク(挑発)

②雷災対応
飛行で接敵 タスク(グリフォン)

☆増援対応(指示、絡みなど)
清姫 アレイシアさん(地面を焼いてもらう)
阿利人 
ジーナフォイロ タスク

☆チセさん救済策
贄にならない方策探し タスク、マーニー

《ゆう×ドラ》 アレイシア・ドゥラメトリー (No 15) 2022-02-24 20:50:51
タスク先輩、いつもまとめありがとうございます
皆さんもご意見助かります。
あの案はやれたらいいなーくらいのつもりだったのですが、思ったより賛同いただけたのでバッチリ記入してきました

クロスさんも教えてくれてありがとう
吹っ飛ばしてやりますよ、えぇ(新たな銃持ってニッコリ)

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 16) 2022-02-24 20:58:00
うーむ、そろそろ必殺技を設定する予定だったので、持てる技を増やしてオールラウンダーのほうがいいですかね。

医者らしく、回復メイン寄りのバフ系サポートメインにさせてもらいましょうかね。

装備は、
なぜかどっかで拾ったであろう深淵の杖(自身除く射程内味方の強さを1.5上げる)もあることですし、
「身代わりうさぎ」でかわしつつ、
あと個人的な腹いせに「あぶないくすり」を添える予定です。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 17) 2022-02-24 20:58:01
うーむ、そろそろ必殺技を設定する予定だったので、持てる技を増やしてオールラウンダーのほうがいいですかね。

医者らしく、回復メイン寄りのバフ系サポートメインにさせてもらいましょうかね。

装備は、
なぜかどっかで拾ったであろう深淵の杖(自身除く射程内味方の強さを1.5上げる)もあることですし、
「身代わりうさぎ」でかわしつつ、
あと個人的な腹いせに「あぶないくすり」を添える予定です。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 18) 2022-02-24 21:23:27
…まった、よく考えたら僕ローレライで水属性だから、雷属性の白雷の鵺と相性が悪すぎる。遠距離だから尚の事…対象になったら危ない。
今気付いてよかった。
少しのターンでしか自身を守れませんが、「電結変異」を獲得しときますね。
ですが、紫水の水虎メインで活動させていただきたい。

紫水の水虎対策にブリジラで水を氷結して防御するなど考えますね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 19) 2022-02-24 22:02:58
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。
とりあえず、以前の課題で用意した石灰入りのおっきなカバンを
もっていって、地面にまいて、水の魔物をはばんでみますね。

行動としましては天使の歌での回復を中心にかんがえてます。
もちろん加勢してくださる方々も「味方」として回復しますね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2022-02-24 22:31:10
レーネさん、よろしくお願いいたします!
これで7人、戦力充実ですね!

アレイシアさん、恐れ入ります!
これだけが取り柄なもので(苦笑)

水災対策が、焼く、氷結、石灰と充実してきましたね!

時間ギリギリで恐縮ですが、再度まとめてみますね!

◎戦闘共通
属性攻撃 クロスさん、マーニー
援護射撃 アレイシアさん
状態異常対策 クロスさん
状態異常付与 クロスさん(増援前提の災厄の芽)
回復 オズさん、レーネさん
バフ オズさん(深淵の杖)
壁役、物理攻撃 タスク

①水災対応
雷の攻撃を誘導 タスク(挑発)
範囲制限 アレイシアさん(焼く・清姫依頼)、オズさん(氷結)、レーネさん(石灰・カバン)

②雷災対応
飛行で接敵 タスク(グリフォン)
※自己弱点対策 オズさん(電結変異)

☆増援対応(指示、絡みなど)
清姫 アレイシアさん(地面を焼いてもらう)
阿利人 
ジーナフォイロ タスク

☆チセさん救済策
贄にならない方策探し タスク、マーニー

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 21) 2022-02-24 23:12:24
ギリギリでごめんなさいね!
【防御陣形】を生かして、水災の範囲を制限するのに効果的な配置を考案する、
というプランを書いてみたわ。
オズさん、レーネさん、アレイシアさん(清姫さん)の考えに、お役に立つといいけれど…。

あと、リーラブも積んでるから、回復もするわね。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 22) 2022-02-24 23:15:59
ギリギリの参加で済まない。
魔王・覇王コースの仁和だ。

使ってる武器の特殊効果で割合ダメージを与えられるからそれを試してみるつもりだ。
対象は狙いやすい方にだな。


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 23) 2022-02-24 23:28:48
貴人さん、よろしくお願いいたします!
割合ダメージというと、たいりょくなどの現在値に対する一定割合がダメージになるということで、強力そうですね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 24) 2022-02-24 23:33:16
いよいよ出発ですね!
今回もみんなで最善を目指して話し合いましたので、
きっとうまくいきます!

お互いに武運を。
そして、リザルトを、楽しみにいたしましょう