何とキャットな日
(ショート)
|
笹山ぱんだ GM
|
●それはとある日のことでした
残暑厳しい太陽が眩しいとある日のこと。居住地域にあるお店のお話。
「ま、待って、待ってったらー!」
街中を走っていくのはヒューマンの少女、その前方には猫が一匹、二匹、三匹……十数匹。
少女の目の前から方々に散らばっていく。
「ど、どうしよう……。店長に怒られちゃう……!」
立ち止まり、少女は周りを見る。そして、貴方をみつけた。
「ねぇ、あなた! ちょうどいいところに!」
嫌な予感? いえいえ、そんなことはありません。
「私は【カナリア】、ここの猫喫茶でバイトしてるの!」
貴方と少女、カナリアは近くにあった喫茶店へと入った。しかし、カナリアが言う猫は一匹も居ない。
それを問いただすとカナリアは苦笑を浮かべる。そして貴方の手をがしっと握った。離さない、そんな言葉が表情から伝わる
「今日は店長が初めて、お店を任せてくれた日なの! ……でも、その……うん、猫達が逃げちゃって、ね…?」
お店で飼っている猫だ。そんなに遠くには行かないだろう。だが逃げてしまった猫達を一人で探すというのも困難なものだ。
「それで、おねがーい! お礼はちょっとだけだけど……出すから! 私と一緒に、猫を探してください! 猫皆見つけたら、一緒にここで遊んでもいいから!」
猫を全て見つけたら、猫喫茶にて猫達と遊んで良いらしい。カナリアは一生のお願い! と言わんばかりに貴方の手をぎゅうう、と握って頼んだのだった。
猫の居る場所は、君は知っているだろうか。
高い場所や、涼しい日陰、もしかしたら街の住人が餌をあげていたりするかもしれない。
あらゆる方法で、猫達を見つけ、猫をもふもふしなければいけない。
|
|
参加人数
2 / 8 名
|
公開 2020-09-12
完成 2020-09-27
|
|
芋掘りと子供たち
(ショート)
|
笹山ぱんだ GM
|
●美味しい芋を堀りに行こう
秋は食べ物の季節である。美味しいものは心が幸せになるものだ。
フトゥールム・スクエアから少し歩いた場所にある原っぱ。そこには自然に出来た芋の群生地がある。
そこにある芋はとても美味しく、焼き芋にすれば甘くて頬が落ちてしまうほどだという……。だがその美味しさは掘り返して数時間しか持たないらしく、運ぶのは限度があった。
そしてもう一つ、難点があるのだ。芋の群生地の傍にはとある花が咲いている。ここしか咲いていない特別な花だ。その花の花粉には特別な効果があった。
花粉を吸ったものを数時間子供の姿にしてしまうのだ。なので芋を掘る時は全員子供の姿になってしまう。
非力な手で芋を掘り、そして焼き芋を作らなければいけない。美味しいものを食べるには、試練が必要なのだろう。
案内人の【メグル・ヴィオン】は一年に何度かこの芋の群生地を訪れ芋を食べていた。なのでこの美味しさを分けようと魔法学園の生徒たちに声をかけたのだ。
「いやぁ、いつも一人で食べるの寂しいですし、何より子供の姿で掘るのが大変なんですよね! だから君たちに手伝ってもらうのが一番だと思ったんですよ」
メグルは笑いながらもそう言った。
「焼き芋の用意とか、そういうのも持って行っていただけると嬉しいですね。あ、調味料もあればいいですなぁ、あっはっは」
荷物持ちも用意も全て学生たちにやらせる気が満々のメグルは明るく言う。いや、しかし美味しいものが食べられるのならそれも必要なことだろう。
子供の姿になった時の為に服や装備も変えなければいけないかもしれない。たるんたるんの服では芋掘りもうまくできないだろう。
「あぁ、心配なさらず。子供化は芋の群生地を離れたら数時間で元に戻るでしょう。少なくとも次の日には元に戻っていますよ」
メグルが胸を張り太鼓判を押す。子供の姿でこれからずっと生きていかなくてはいけない、なんてことにはならないようだ。
「君たちもあの芋のおいしさを知ったらきっと病みつきになりますよ!」
にへへ、とメグルは嬉し気にそう語るのであった。
|
|
参加人数
5 / 8 名
|
公開 2020-10-05
完成 2020-10-24
|
|