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かき氷を求めて



ストーリー Story

 冷たい料理はすべて売り切れ、涼しい風の届く席は目には見えないものの、毎日小さな取り合いが繰り広げられていた。
「やはり、か……ま、そうなるわなぁ!」
 あっはっはと暑さに参っている生徒たちを、さも可笑しそうに指さして笑う。そんな女性が1人。
 彼女の名前は【ベル・フリズン】。大きな尻尾を持つ、リスのルネサンスであり、食堂の料理人の1人である。
 食堂にいる生徒たちを、まるであざ笑うかの言動や仕草をするベル。そんな彼女へと向けられる視線は2種類あった。
 1つは、怒り。そんなに自分たちの姿が愉快かと、苛立つ者たち。
 しかし、その一方。もう1つの視線は、なにやら期待に満ちた眼差しであった。
 決して、後者のうち全てが、特殊な性癖を持つ者たちというわけではない。
 そこに付け加えるならば、後者は全て上級生、前者は全てが下級生たちのものである。
「君たちも参る頃合いだろうと思ってね! そろそろこれの出番だろう? よいしょっと」
 ニヤリと笑う彼女は、大きな布に覆われたものを食堂の机の上に置いた。
「じゃぁぁーん! 君たち! よくぞここまで、この暑さに耐えてくれた! ご褒美の解禁といこうじゃないか!」
 ワザとらしく叫ぶと、一気に布を取る。
  布の下、そこにあったものは、1台の機械であった。
 機械は歪な形をしていた。
 まず、4本の足場は、互いに支えあう様固定されていた。そんな足場の中心にはコップと呼ぶには些か大きい器。頭部……のような場所に置かれているのは穴の開いた皿。そして、一番奇妙な部位は、生徒たちから見て右側のみに付けられた、巨大なハンドルだろう。
 『かき氷機』。それが、この魔法道具の名前である。

「さて、君たち。かき氷が食べたいかー!」
 煽るような声に、上級生たちは『うおぉぉぉぉ!』と、一斉に立ち上がる。
 彼らは知っている。ベルのかき氷のおいしさを。
 確かに、食べようと思えばかき氷を食べることができる場所はいくつも思いつくことだろう。
 ただのかき氷と同じように思ってはいけない。
 氷を削っただけの手抜き料理かと思われるかもしれない。しかし、ただの氷ではないことは上級生たちの反応を見ればすぐに察することができるだろう。
 一度食べたものは、皆同じように『綿のように軽く、雲のようにふわふわ』で、他のかき氷が食べられなくなると語る程のものであった。
 自信にあふれたベルの姿、そして歓声を上げる上級生たちの姿を見て、興味を抱く下級生たち。
「ふんふん」
 生徒たちの反応を見て、『じゃぁ』と、ベルは続けた。

 場所は変わり、学園が管理する施設のひとつ。小さな洞窟の前に君たち、そしてベルが集まっていた。
 屋外は生暖かい風と共に降り注ぐ日差しが眩しい。本日はまさしく、嫌気を覚えるほどの『お天気日和』であった。
 しかし、その日差しを浴びてもなお、今の君たちは汗一つかかないほど心地よい気温だと感じることができるだろう。
 心地よさの正体は、この施設にある。洞窟の入り口からはよく冷えた風が吹き出ており、君たちの肌を撫でていく。
 ベルは改めて今回の目的を君たちへ告げる。
「今回君たちに頼みたいのは『美味しい氷』の運搬だ。夏場でも涼しい洞窟に、冬の間泉から取った氷を沢山、この中に保存しているんだ。中は当然ながら涼しい、寒いくらいに。だからと言って、火を使うなよ? 氷が溶けてしまうからな」
 コンコン。洞窟の入り口にある看板を叩く。そこには『氷保存中のため火器、また火を扱う魔法の使用を禁ずる』と、達筆な文字で書かれていた。
「一番涼しい場所……最奥に氷を積んでいるんだけども。道中なかなか危険な場所もあってね、地面が凍っていて滑りやすい場所がいくつかあるんだ。あ、あとツララとかもあるから、上にも下にも気を付けてね。……うん、まぁ、いろいろ言ったが、一番は君たちが元気でいることだ。厳しいと判断したらすぐ帰ってきたまえ」
 持ち物、体調の確認を一通り済ませた後にベルは『まぁ、君たちなら大丈夫だとは思うけど』と、一言付け加えた。
「出来るだけ多く持ってきてくれたらうれしいな。あと、シロップを用意しておくから、欲しい味を言いたまえ。君たちにこの夏最初の、最高のかき氷をプレゼントしよう」


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 3日 出発日 2019-07-18

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2019-07-28

登場人物 2/8 Characters
《新入生》クロード・クイントス
 ヒューマン Lv11 / 賢者・導師 Rank 1
色々と考えてから行動するタイプ。 あまり感情的にはならずニッコリ笑顔を心がけている。 でも顔は笑っていても眼は笑ってない。 厳格な家庭で育ったため人間関係に疲れて孤独を好み、自立するために家を飛び出し、秘めていた好奇心をさらけて放浪癖を患う。 ※アドリブ歓迎
《新入生》アウレリア・ダウストリア
 エリアル Lv10 / 王様・貴族 Rank 1
【外見】 フェアリー型エリアル 羽は薄い紫のグラデーション 赤のゆるいロングウェーブツインテ 紫の瞳 見た目完璧ロリ 【服装】 制服のシャツを改造し、レースを付け加えワンピースに仕立てている リボン 眼鏡 【性格】 見た目は幼女、中身はおばあちゃん 老成しているせいか、物事を達観した目線で見ている 学園に紛れるにあたり猫を被る時がある 元来の性格はお人好しのトラブルメーカー 困っていれば見過ごせず回りを巻き込み解決しようとする ちなみに眼鏡は老眼鏡 ロリババア眼鏡のじゃっ子 ※アドリブ大歓迎!

解説 Explan

●目的
 かき氷の材料【美味しい氷】を洞窟の奥から持って帰る。

〇洞窟について
 ・小さい洞窟の幅は、人が3人ほど並んで歩ける程度。また、天井は奥に進むにつれ高く、一番高い場所では15メートルほどの高さがあります。
 ・洞窟の中は光源が1つでもあれば、洞窟内部を覆う氷や石が光を反射するため、とても明るいです。
 ・場所によってはツララが生えている場所や地面が凍っており滑ってしまう場所もあります。
 ・氷は洞窟の最奥にあります。氷の大きさは1辺が10センチほどの正方形のブロック状のものが大量に積まれています。全てを持ち帰ることは不可能です。【ベル・フリズン】はかき氷を作る度に生徒へお使いを頼んでいます。

〇装備について
 今回運搬を行う上で必要である手袋と風呂敷を全員にひとつづつ貸し出しています
 ・手袋…氷を触る時に使用。冷たさを感じず、氷が滑り落ちない。
 ・風呂敷…氷を運ぶときに使用。一辺が1メートルほどの大きな布。光を遮断するため、包んでおけば外に出ても氷が溶けない。

〇その他
 ・キャラクターが氷を取りに行っている間にベルは、キャラクターへ振舞うためのかき氷を作る準備をしています。食べたいかき氷の味を言っておけば、準備してくれるでしょう。ただし、『何でもいい』またはあえて何も伝えなかった場合、氷味(何もかけずに素材の味)となります。
 ・かき氷の味は『いちご』『メロン』『ブルーハワイ』『マンゴー』『練乳』『ミックス(2つ以上を合わせる)』となっています……が、ここにない味でも、リクエストがあればベルが準備することでしょう。


作者コメント Comment
 急に暑くなってきましたね。
 今回は涼しい()洞窟の冒険、そして美味しいかき氷を用意しました。
 皆さんのプラン、お待ちしています。

 かき氷の味はお忘れなきよう。


個人成績表 Report
クロード・クイントス 個人成績:

獲得経験:60 = 40全体 + 20個別
獲得報酬:1200 = 800全体 + 400個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
味は「練乳」でお願いします

【洞窟】
入る際に足に縄を巻いて滑り止めに、
寒さ対策は羽織ってるマントを体に巻くぐらい

ランタンを持ちつつサクサク入っていく
到着したら風呂敷に包める程度に氷を包んでサクッと戻っていく
1mの風呂敷に10cm辺の氷だから3x3のピラミッド積みで二段の計14個ぐらいが妥当?
仕事は迅速かつ丁重に

【氷】
帰る前に
「美味しい氷ねぇ、元は泉の水だし」
かじってみようか考えるが
「おそらく美味しい氷というより美味しい削り方じゃないかなー」
思い出す『綿のように軽く、雲のようにふわふわ』
「…やっぱり食感じゃないか、軽いのもふわふわなのも氷の味じゃないし」
と、思ったが
「きめの細かい氷って事かな?」

アウレリア・ダウストリア 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
かき氷食べるのじゃー♪

【行動】
若者の為にも頑張ってかき氷の元となる氷をとってくる
とはいえ体が小さいからうまくいかないかも

貸し出して貰えるアイテムをなんとか駆使して運ぶ

かき氷はレモン
生レモンも乗っけて

【心情】
ふむ、夏といえばかき氷じゃのっ☆

私はレモンが好きじゃのうー!
生のレモンの輪切りを乗せて食べるのじゃー♪

それに、若者が頑張っておるからのぅ
私が頑張らない手はなかろう?
年上は、いつでも子供を気にするものじゃよ

あ、でも私はピチピチの6歳じゃよ☆

むぅ、氷は歩きにくいのぅ

なんとか転ばないように…っ!!(がんっ

い、痛いのじゃっ!
氷柱が見えてなくて

ろ、老眼じゃない!
ちゃんとおしゃれ眼鏡だもん!



リザルト Result

 聡明そうな男子生徒、【クロード・クイントス】は、『寒いねぇ』と言いながら、ランタンに火をくべた。
 彼の持つランタンの光は洞窟内へと広がり、洞窟内の氷へ、そして別の氷へと反射を繰り返し、やがて洞窟中は光で満たされた。
「キラキラ光ってきれいじゃのっ♪ ……む?」
 フェアリータイプのエリアルの【アウレリア・ダウストリア】は何かを見つけ、駆け出していく。
 そこにあったものは、まるで花を形どったような可愛らしい氷であった。
 アウレリアはその氷に触れようとする。しかしもう少しのところで足元の氷の粒を踏んでしまい、転びそうになってしまった。
「ふぁっ! ……ふぅ、氷は歩きにくいのぅ……あっ!」
 アウレリアには怪我ひとつなかったが、先ほどの氷の花は、身体を支えた手の下で粉々に砕け散ってしまった。
「むぅ! やはり薄い氷は割れてしまうのぅ」
 残る氷の破片を残念そうに見つめるアウレリア。
 クロードはあたりを見回し、地面に落ちているツララのひとつを手に取る。
「これなら壊れないんじゃないかな? 杖の代わりにどうだろう?」
 クロードが持つツララはかなり太く、多少力を込めても割れないほどに丈夫であった。
 アウレリアの小さな体を支えることは難しくないだろう。
「み、みえてるもん! おしゃれ眼鏡だもん!」
 アウレリアは、思わず、拒否した。歳、体形、そして視力。そういった話には敏感なお年頃なのだ。
「ここ、滑りやすそうだから、あった方がいいかなって思ったんだけど……」
 悲しそうな顔をするクロード。その姿を見て。
(……むむむ、若者を悲しませてはいけないのぅ)
 アウレリアは少し悩んだものの、ツララを受け取ることにした。

 最奥にあったものは、氷で作られた巨大なピラミッドであった。
「これだけあれば、いくつかき氷が食べられるかのぅ!」
 アウレリアは氷のピラミッドに近付き、氷を掴む。
 しかし、力いっぱい氷を取ろうと試みるも、氷は動かない。
 アウレリアが取ろうとした氷は他の氷とくっついており、なかなか剥がれない。
「自分もやってみるよ」
 クロードもその姿を見て近づこうとする。
 しかし、何かに気づいたアウレリアが止める。
「待つのじゃ! 氷が溶けているのじゃ!」
 その言葉に、クロードは立ち止まる。
「そうか、ランタンか」
 クロードは洞窟の入り口に書かれていた看板を思い出す。『この先、火気厳禁』。
「そういえば、そうだったね」
(どうしようかな、ここまで溶けやすいとは)
 予想もしなかったことに考え込むクロード。
「なら、私がランタンを持つのじゃ! クロードはどんどん氷を積んで欲しいのじゃ!」
 アウレリアの考えはこうだ。
 力が弱いアウレリアに氷を引き剥がすことは難しい。しかし、体が小さいので、ランタンの光による大きな影を作らずに辺りを照らすことができる。
 力のあるクロードは、氷を引き剥がすことはできるだろう。しかし、いくら引き剥がすことができたとしても、明かりが無くては時間もかかってしまう。
 つまり、アウレリアはランタンでサポートをし、クロードは力作業をしてもらうといった作戦である。
「……ってことで、どうかのう?」
「うん、それならうまくできそうだね。お願いできるかな?」
「勿論! 任せるのじゃ!」

「美味しい氷ねぇ……もとは泉の氷だし、美味しいのかな?」
 風呂敷に収まった氷を見ながら、クロードは呟いた。
「おそらく美味しい氷というより美味しい削り方じゃないかなー」
「うーん、氷にもこだわりがあるようじゃったからの」
 上級生達がいう噂、『綿のように軽く、雲のようにふわふわ』のかき氷。
「やっぱり食感じゃないか、軽いのもふわふわなのも氷の味じゃないし」
 クロードは少し考えて、小さく呟く。
「きめの細かい氷ってことかな?」

「それじゃあ、帰ろうか……っと」
 風呂敷を担ごうと力を入れる。しかし、氷は予想以上に重く、思わず声が出る。
「私の出番じゃなっ? 転ばぬように、しっかりサポートするのじゃ!」
 そういうと、アウレリアはクロードの前に立ちふさがる。右手にランタン、左手にツララ。
「クロードが転ばぬよう、しっかり守ってやるのじゃー! ってことで、ほれほれ、気合だせー☆」
 嬉しそうに踵を返し、クロードが了承した様子を確認する。
 アウレリアはにっこりと笑い『いくのじゃー☆』と、子供のようにはしゃぐ。
 子供のように楽しそうな姿。それでいて年長者のように先導する彼女の姿に、クロードは可笑しそうに、笑みをこぼした。

 食堂に入るやいなや、食堂にいた生徒たちから歓声が上がる。
「おっかえり! 怪我は……まぁ、無いよね! さぁ、氷を見せたまえ!」
 【ベル・フリズン】は安全確認も手早く済ませると、クロードの担いでいた風呂敷を奪い取る。
 唖然とするクロードの様子にもお構いなしに、手早く風呂敷をほどき、食堂の机に氷を広げていく。
「ふんふん? 少し溶けてるけども……、まぁ、このくらいなら!」
 氷の品定めが終わると、またもや風呂敷の中に氷をしまい込み、風呂敷を持ち上げる。そしてまた厨房へ戻っていった。
「……なんじゃ、今のは……?」
「楽しそうだったね。さて、かき氷を待とう」
「そうじゃな! 楽しみじゃなぁ♪」
「アウレリアはどんなかき氷を頼んだの? 自分は練乳のかき氷にしたよ」
「レモンじゃな☆ レモンとかき氷を交互に食べるのじゃー☆」
 そんな2人のもとに、ベルが再び姿を現した。手には大きなかき氷が2つ。
 1つは、クマのような形に整えられた練乳のかき氷。
 もう1つはウサギの形に整えられたレモンのかき氷であった。
 クマの形には凍ったパイナップルやサクランボが添えられ、ウサギの形には、大きくカットされたレモンが頬や耳の部分を飾っていた。
 また、それぞれの目に当たる部分には干しブドウがつけられ、それぞれの可愛らしさを引き立てていた。
「可愛いのぅ♪ 食べるのがもったいないのじゃー……そうじゃ、おまじないをしなきゃいけないのぅ!」
 満面の笑みを浮かべるアウレリアは、両手を手を胸の前に合わせる。
 手の形はハートに。形を崩さないよう、手だけを左右に揺らしながら可愛らしくおまじない。
「美味しくなぁれ、萌え萌えきゅん☆」
「『モエモエキュン』?」
 聞きなれない言葉に、思わずクロードが尋ねる。
「そうじゃ! 食べ物を美味しくするおまじないじゃ!」
「アウレリア。さっきのおまじない、どうやってするんだっけ?」
「こう……手を合わせて、こうじゃ! 大きな声で可愛らしくじゃな♪」
「お……オイシクナァレ? モ……モエ、モエ……キュン? ……こんな感じ?」
「うむ! 上手じゃったぞ! さて、頂くとするかのう!」
 おまじないも終わり、2人はスプーンを氷に入れる。
 差し込む感覚すらもないほどに、氷は軽く、そして口にすれば、一瞬だけ口に当たる『ふわり』とした感触。きめ細かな氷と、あっさりした氷が口いっぱいに広がっていく。
「んんんーっ! 冷たい! すっぱいのう!」
「なるほど、氷もきめ細かいけれど、氷もあっさりしていて、無駄な味がない」
 アウレリアはじたじたと足を動かし、一口食べるごとに幸せそうに頬に手を付き、クロードは冷静に分析をしながらも、次へ、次へとスプーンを口に運ぶ。
 2人はそれぞれ『綿のように軽く、雲のようにふわふわ』のかき氷を堪能した。

「ベルさん、このかき氷は『雪クマ』かな?」
「熊……? く、クマが入っていたのかの!?」
 かき氷を食べた後、クロードがベルへ訪ねた。『クマ』という言葉に、身体の大きな動物を思いうかべ、思わず、アウレリアは『ガタリ』と席を立つ。
 その様子を見たベルは『大丈夫、クマは入ってないよ』と、宥めた。
「博識だねぇ、そうだよ。よく知ってたね」
「以前、旅をしていた時に食べたんです。美味しかったので覚えてて……」
「あそこのは美味しいからね。パク……参考にしてるんだ」
 『パク……?』と、アウレリアが何かを言いかけたが、その言葉をベルが遮った。
「そうだ! アウレリア、さっきの呪いなんだけど、本当に美味しくなるのかい? ぜひ教えて欲しいんだけども!」

 暑い日差しの照り付ける、いつもの日常。
 涼しい洞窟の入り口で涼む、ヒューマンの男子生徒がひとり。
「ここは涼しくていいね、いいところを見つけたよー」
 たまに吹く、冷たい風を頬で感じ、目を瞑る。
「こんなところにいたんじゃな! 私も涼みたいのじゃ!」
 フェアリータイプのエリアルの女子生徒がひょっこりと洞窟の裏手から現れた。
「あぁ、いらっしゃい。ここ、暑さが嘘みたいだね」
「そうじゃの……じゃなくて! 私は用事があってきたのじゃ!」
 『用事?』と、首をかしげる男子生徒の隣に女子生徒は陣取る。
「うむ! 雪クマの地の話が聞きたくてのぅ♪ ベルさんと2人で話してるのを聞いて、気になってしまってのぅ」
 子供のように『はやくはやく』と、せびる姿に、男子生徒はくすりと小さく笑う。
「いいよ、じゃあ……どこから話そうかな?」
 夏の暑い日差しの中、ゆっくりと、雪クマの地の話が始まった。



課題評価
課題経験:40
課題報酬:800
かき氷を求めて
執筆:根来言 GM


《かき氷を求めて》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!