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言うことちゃんときけ~! がおーっ!
コルネ・ワルフルド



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【水着】サビア・ビーチでサマーライブ開催! 夜月天音 GM
1500

ジャンル イベント

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

公開日 2020-07-15

予約期間 開始 2020-07-16 00:00
締切 2020-07-17 23:59

出発日 2020-07-23

完成予定 2020-08-02

参加人数 0 / 8
快晴の朝、アルチェ、サビア・ビーチ。 「青い海、白い砂浜、照りつける太陽、ハッピーが高まる季節!! 芸能・芸術コースの皆さんにはあのステージで今日一日歌って踊って、ビーチに訪れるお客さんに素敵な夏をプレゼントして貰います!」  陽気な女性教師が連れて来た学生達に、いつの間にやら砂浜に設営された屋外ステージを指さしながら授業の説明を始めた。 「演出とか曲とか楽器は色々揃えてるので心配ありません! 衣装は水着やパーカーやTシャツとかも、ふわふわの可愛いものから布面積の少ないお色気なものから、魔法素材で色や形が変わる面白い物まで色々です!」  と、準備万端ぶりを意気揚々と語る。 「ちなみに、学園の生徒がライブをする事は宣伝しているのですぐに人も集まります!」  ステージに興味を持った海水浴の客達が、ちらほらと集まり始めている。 「観客だけでなく、飛び入り参加も歓迎しているので、芸能や芸術を学んでいるからと油断しないように……いついかなる時も全力の歌と踊りで客を幸せにする事です!! これで説明は終わりです!! 準備に取り掛かって下さい!!」  女性教師は説明を終えるとパンと手を叩き、学生達を急かした。 「魔法学園の芸能・芸術コースの学生によるライブが始まりますよーーー!!」  同時に大きな声で、宣伝を行い観客集めを始めた。
【水着】鮫に歌えば 海太郎 GM
1500

ジャンル イベント

タイプ EX

難易度 難しい

報酬 通常

公開日 2020-07-13

予約期間 開始 2020-07-14 00:00
締切 2020-07-15 23:59

出発日 2020-07-20

完成予定 2020-07-30

参加人数 1 / 8
●OBの苦言  その日、演奏会から帰ってきたジョニー・ラッセルは実に満足げだった。 「いやぁ、自分が教えた生徒が立派に音楽家として活躍してるのを見るほど、幸せなことはないね~」  ニコニコとご満悦に、ラッセルは赤ワインのボトルを空ける。  楽しく酔っ払い、音楽を奏でて歌いながら、教え子の活躍を思い返してまた嬉しそうに酒を飲む。  だが、ご機嫌なジョニーのもとに辛い知らせが届いた。 「ラッセル先生、これ先生宛の手紙です」 「忙しいから後にして」 「でも緊急の知らせで」 「じゃあ君が読んで。耳だけ貸すか……」 「OB会からですよ、ラッセル先生」  ジョニーはぴたりと手を止めた。 「……貸してくれ」  手紙を受け取り、文字に目を走らせる。  内容はこうだった。 ・ゴブリン退治程度の簡単な仕事で『舞踏音楽学』の必要性は証明できない。 ・歌と踊りは芸術性としてその価値を高めるべきであって、戦闘の舞台は他のものに任せればよろしい云々。 「……そっか……そうですか……」  ジョニーは深く息を吐いて髪をくしゃりとかき上げた。  酔いはあっという間に醒めてしまった。  ジョニーは部屋の中をうろうろ歩き回って考えを巡らせる。その目はやがて、友人から送られてきたSOSの手紙に留まった。 ●海開き! 鮫開き!? 「親切なみんな、良かったら次は、『舞踏音楽学』の力でフラッシャーをぶちのめしてくれないかな!」  授業が始まった途端ニコニコとそう言い出すジョニーを前に、生徒たちは呆気にとられた。 「フラッシャー……ですか?」 「そう。友人がそろそろ海開きをするんだけどね、フラッシャーの群れがそばの海を回遊していて困ってるらしいんだ。群れを壊滅、とまではいかなくても、何匹か撃退してきてほしい」 「えっ、でも先生、フラッシャーって、水の中にいるんでしょう?」 「そうだよ。だからこそ『舞踏音楽学』が挑む価値がある。音楽があって、ダンスがあれば、『舞踏音楽学』はどこででも力を発揮できるはずなんだ」  ジョニーの目は、強い光を宿していた。 「君たちの実力なら、船の上でもきっと存分に戦える。……大丈夫」  それに、とジョニーは言葉を続ける。 「特別に、今度の『勇者活動』で必要な衣服……つまり水着なんかは、こっちでお望みの物を手配するよ。舟だって出す。仕事が終わったら、海の家の友人も酒やごちそうで歓迎してくれるはずだ。……学校の課題で海豪遊なんて、悪い話じゃないだろ?」  フラッシャーとの勝負、そして夏休み前のお遊びの予感に、生徒たちは思わず、顔を見合わせたのだった。
【水着】アメシスト・ティファニーの休日 七四六明 GM
1000

ジャンル イベント

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 通常

公開日 2020-07-11

予約期間 開始 2020-07-12 00:00
締切 2020-07-13 23:59

出発日 2020-07-19

完成予定 2020-07-29

参加人数 4 / 8
 鼻孔をくすぐる潮の風。  白波は浮き輪という揺り籠を揺らし、さざ波は子守唄となって眠りを誘う。  目の前に広がるそれは紛れもなく、疑いようもなく、空と同じ色を反射して輝く――そう、海である。 「ここまでお疲れ様。そしてようこそ、未来の英雄さん達。どうぞゆっくり、なさってね」  別荘の主にして、最近若者を中心に人気を博している歌姫【アメシスト・ティファニー】が出迎える。  人々どころか魔物をも引き寄せ、ケットシーとデスレイプニールを手懐ける歌姫より、依頼を請け負った生徒一同は、アルチェにある彼女の別荘に招かれた。  依頼内容はアルチェで休日を過ごす間、彼女の写真を撮ろうとするパパラッチや、浜辺から彼女に招かれたかのように出てくる魔物からの護衛だ。 「その代わりと言っては何ですが、別荘のプライベートビーチを好きに使ってくださいな。水着も用意してあるから、お好きなのを選んで頂戴」  というわけで、依頼をこなしながらアルチェでバカンス!   ――と行きたかったのだが、パパラッチは生徒らを見て自ら撤退していくものの、魔物は彼女がビーチに来ると、これでもかとばかりに海から出てくる!  そして今度はフラッシャーの群れ! 「あら、また来たのね? 困ったわ。今日はクロールを練習しようと思っていたのに」  彼女、果たしてこのビーチで泳いだことがあるのだろうか?!  白い肌が映える歌姫の美しい水着姿を拝みたいところだが、今はとにかく彼女を護れ! 未来の英雄達!
芸術クラブ放置施設――リフォーム完成 K GM
1000

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2020-07-10

予約期間 開始 2020-07-11 00:00
締切 2020-07-12 23:59

出発日 2020-07-19

完成予定 2020-07-29

参加人数 6 / 8
 春から始まった芸術クラブ放置施設のリフォーム作業は、生徒達の尽力によってすこぶる順調に進んだ。  本日はいよいよ、総仕上げの段階。これをもって施設は正式に、保護施設としての運用を始めることとなる。 ●施設の外では  早朝。  学園の魔法道具技師として名高いカルマの教員、【ラビーリャ・シェムエリヤ】は、なにがし山の入り口にあるグリフォン便乗り場で荷車から降りる。大きめの道具箱を手にして。  乗り場のベンチに腰掛けていたドラゴニア老教師【ドリャエモン】が、ごっつあんな腹を揺らして立ち上がり、彼女に挨拶した。 「ラビーリャ先生、お忙しい中よう来てくださった。感謝いたしますぞ」  ラビーリャは紫の瞳を細め、たどたどしく、ゆっくり言葉を返す。 「……今はそんなに忙しくありませんので、お気になさらず……」  二人はそのまま、なにがし山を登り始める。外見年齢に相当な開きがあるので、祖父と孫娘が連れ立って歩いているように見えなくもない。 「……放置施設は、生徒達が、随分きれいにしてくれたそうですね」 「おお、まこと見違えるようになりました。新品同様に生まれ変わりましてな。見たら恐らく驚かれるだろうと思いますぞ。庭に花壇なども作られまして」  あまり話し上手ではないラビーリャは他人と会話する際、受け身になることが多い。現在行われているドリャエモンとの会話においてもそうである。 「……花壇ですか。何が植えられたんですか?」 「わしはあまり詳しくないのですが、カモミールとか、ラベンダーとかヨモギとか……いわゆる、薬草というものですかな。そうそう、林檎の木も植えられておりますな。まだ小さいものですが」 「……カモミール、ラベンダー、林檎……」  耳にした単語を反芻しながら彼女は、手付かずだったころの放置施設を思い浮かべる――リフォーム計画にはこれまで一切タッチしていないので、そのときの姿しか知らないのだ。  屋根も壁もすっかり退色し、窓は埃でくすみ切り、敷地一面雑草だらけ。その中に崩れかけたオブジェが頭をもたげているという、まさに『廃墟』と呼ぶしかない有り様だった。 「――ほら、見えてきましたぞ」  だが今日目にするものは、それとまるで違っていた。  茂っていた雑草が除去されたおかげで、敷地はぐんと日当たりがよくなった。風通しも。点在する花壇と色とりどりのオブジェ、ひょろりと生えた林檎の若木が、単調になりがちな風景へいい意味での変化を与えてる。  個性豊かな窓々も輝きを取り戻し、日の光を反射している。  ラビーリャはふわりと微笑んだ。 「……本当だ。見違えるようになりました、ね」  それから、手近なオブジェに歩み寄った。今回ここを訪れた理由である『施設の防御結界作成』に耐え得るものであるかどうか調べるために。  右手の平で礎石を撫でる。ぐるりを一巡する。確信を持って頷く。 「……うん、いけそう。土台もちゃんとしているし……」  呟いて彼女は、建物入り口にある大時計を見上げた。窓同様きれいに磨かれているが、まだ針が動いていない。 (……あれもついでに直しておこうかな……)  と彼思案しているところに、小丸い豚ルネサンス男子【アマル・カネグラ】がふろしき包みを手にし、ぽてぽて走ってきた。  教師の存在に気づき足を止め、挨拶をする。 「ドリャエモン先生、ラビーリャ先生、おはようございます」 「おお、おはようアマル」 「……おはようアマル。何を持ってきたの?」 「あ、これは本です。『ワイズ・クレバー』で借りてきまして。今施設に住んでらっしゃる方からの、頼まれです」  ラビーリャの視界が不意に、鮮やかな色で一杯になる。アマルが花束を渡したのだ。 「よろしかったら、どうぞ先生。直にお会いするのは今日が初めてですので、お近づきのしるしに」 「……ありがと……」  この後ラビーリャは手早く結界作成作業に取り掛かり、一時間もかからず終了させた。 「魔法陣生成完了……これで終わりだよ」  その後数分で時計を修復し、帰っていった。別の場所の補修作業があるから、ということで。 ●施設の中では  リバイバルの【カサンドラ】は、グラヌーゼで保護されてこの方ずっと、八つある隠し部屋のうちの一つで、隠れるようにして生活している。  日中は外に出ない。12年間魔物に追い回され消耗しているというのもあるが、第一には、自分が復活しているということを世間へ知られないためだ。  なにしろ学園は彼女の出身校なのだ。無防備に昼日中あちこち出歩くわけにはいかない。生前を知っている相手に出くわす可能性は十分ある。 「カサンドラさん、おはようございます。アマルです。頼まれていたもの、持ってきましたよ。カサンドラさんが亡くなる3年前から発行された、カサンドラさんの画集」 「……ありがとう、アマルさん――この花束は?」 「お近づきのしるしです。この間はばたばたしていて、渡せませんでしたので」 「まあ……高かったでしょう?」 「いえ、安いもので」  アマルはにこにこしながら花束を、静物デッサン用の花瓶に生けてあげた。  短い期間の間にカサンドラは、使用している部屋を、アトリエ化してしまっている。画家の習性というものなのか、時間が余るとどうしても絵を描かずにいられなくなるものらしい。  部屋の隅には油絵が二枚立て掛けてあった。  一枚はこの間チャリティーオークションで売り出した、生前の彼女の絵『踊る少女』の模写。  もう一つは――その模写の別バージョン。  踊る少女と猫と男。そこまでの要素は一緒だが、雰囲気がまるで違う。  背景は屋根ではなく岩山。少女は無邪気に楽しそうに踊っている。足元に酒ビンなどひとつも転がっていない。それを眺めている男の視線も穏やかだ。  顔も服装も一緒なのに、表情と仕草を変えて描くだけで、こうも別人のように見えるのか。  感心しつつアマルは、カサンドラに尋ねた。 「カサンドラさん、こちらの絵は新作ですか?」 「……いいえ。それは、模写した絵の最初の姿を思い出しながら描いたものです」 「え? 最初はこんなふうに描いていたんですか?」 「ええ。それを書き変えたみたいで……」 「それはまたどうして? この絵もとてもいいと思いますけど。むしろこっちのほうが、本来のカサンドラさんの絵っぽいですよね。色とか雰囲気とか」 「……色々考えてみたんですけど、私、描いた後に改めて、魔物の実物を見たんじゃないかなあと思うんです。それで、書き直したんじゃないかなあと」 「……そういえばあの少女と男については『魔物をイメージした人物画』だと、画集に説明書きがされてましたね」 「……その通りです。伝承を元にした空想画なんです、もともとは。私が覚えている範囲内では、本物を見たことはありませんでした――思い出せていない期間に、多分、何かあったんです。私と彼らの間に……その期間に描いた絵を見れば、思い出せることもあるんじゃないかと……」  眉を八の字にしてカサンドラは、考え込んだ。それから、いったん問題を棚上げするかのように、話題を変える。 「……私もだいぶ元気になりましたし、そろそろ何かお勤めをしないといけませんね……お世話になるばかりでは申し訳ないですし……」 ●いつものごとき面子 「くそー、だりーぜ」 「何で毎回俺達ゃ呼ばれるんだ。便利屋と思ってねえか、あのジジイ」 「まあ、今回でリフォームも終わりらしいからな。後もう少しの我慢だ」  【ガブ】【ガオ】【ガル】の狼ルネサンス三兄弟は、わいわい言いながら山道を登る。それぞれ大量のペンキが積まれた荷車を引きながら。 「後残ってる仕事は、壁の塗りかえだったな」 「おお。あー、そーいや庭に結界張るんだとよ。不審者対策に」 「オブジェ使うとか言ってたな」 「マジか。金かけてんな」 「こないいだのオークション、いい値で中古品が売れたんだとよ。なんかあの、屋根で踊るガキの絵、一千万だと」 「あんなのに一千万……どうかしてんな」 「あれがいけるならよ、俺らの塗ったオブジェも相当高値で売れるんじゃねえか?」 「おー、いけるいける、絶対いける」  口々に勝手なことを言いながら施設にやってきた彼らを、先に来ていた課題参加者たちが出迎える。 「おー、やっと来たな。お前達」 「早速始めよう。足場はもう組んであるから」  施設に住まう光の精霊【ミラ様】は林檎の木の小さな木漏れ日に隠れ、彼らの様子を興味しんしんに眺めていた。  今日は人間達は、一体何をするつもりなのだろう、と。
【体験/水着】流星のメモリア 白兎 GM
500

ジャンル イベント

タイプ マルチ

難易度 とても簡単

報酬 多い

公開日 2020-07-10

予約期間 開始 2020-07-11 00:00
締切 2020-07-12 23:59

出発日 2020-07-21

完成予定 2020-08-15

参加人数 11 / 16
●学園長の一声、および、思いつき  ――フトゥールム・スクエア、学園長室。 「ほう、ほうほう! 流星雨とな!」  元気いっぱいの声が頷くたびに、青のとんがり帽子が揺れる。  見るからにふかふかな椅子に腰かけ、サファイアのような青の瞳を瞬かせる【メメ・メメル】は、この学園のトップに位置する存在であり、『精霊賢者』の異名を持つ、大変優秀な魔法使いである。  しかし、性格は突飛で自由奔放。  彼女を快く思う者が聞けば、『そんな中にも、ちゃんと、学園長なりの考えがあるんです』なんてフォローも入るのだろうが、最近は適当な所ばかりが前面にでているため、一部の生徒達からはSSM!(※『そこまでにしておけよメメたん』の略である)なんて言われることも多い。  そんな彼女は今、学園教師の一人である、【シトリ・イエライ】からの報告書を読んでいた。  内容は、『数日後に、流星群が観測されそうだ』という、彼による天体予測だ。  しかし、この世界において、流星群はそこまで珍しいものではない。  『星の降る夜に、スペル湖にて愛を語り合うと。真実の愛に巡り合える』なんていう噂が生徒間で飛び交う程にはポピュラーで、頻度としては月に一、二度あることなのだ。  それなのに、わざわざ報告書を認めたということは、 「今回の流星群は、通常とは少々異なり、かなりの量になりそうです。まさに『雨』といって良いでしょう」 「シトりんはそれを、天変地異とか異常気象……つまり、凶兆ではないかと感じているのかえ?」  「はい。近頃は魔物の脅威も増えていますし、魔王を信奉している魔族が暗躍している節もございますので」 「んん~……そうだなぁ」  告げながら、メメルは椅子の背もたれに寄りかかる。木の軋むような音がする中、彼女は浅い息を吐いた。  確かに、占星術という言葉があるように。『星』は占いや魔法にも取り入れられ、『世界』そのものから様々な啓示があるとも考えられている。 「でもなぁ~……オレサマ、流星雨はスキなんだよな~、キラキラ綺麗だし、これも吉兆じゃないかな~」 「そんな判断の仕方で、良いのです?」  苦笑するシトリに、メメルは笑う。シトりんは頭が固いなあ、なんて言いながら。 「ま、仮に凶兆だとしても、人生楽しんだもの勝ちだゾ☆ これから何か起こるかもしれないのなら、今は羽根を伸ばして、英気を養う時だとオレサマ思うな~」  と、いうわけで。 「しょく~~~~ん!! 星降る夜に、キャンプをするぞ~~~~!!!」  メメル校長お得意の『学園全体に声を響かせる』魔法が、突然の野外活動を高らかに宣言したのであった。 ●星の降る夜に  そんなわけで。  今『きみ』は、掲示板に突然現れた(恐らく魔法の類だろう)、『スペル湖で流星雨を楽しもう! 水着で水遊びしたり、浴衣でキャッキャウフフにあ~れ~なこともできるゾ☆』なんていう張り紙を見ていた。  やたらと長い題目ではあったが、つまり『思いっきり、夏を楽しもう!』ということであるらしい。  確かに、授業や課題の毎日ばかりでは、息が詰まるというもの。  『きみ』がもし新入生であるのなら、慣れない環境への対応も相俟って、尚更疲れが出てきていることだろう。  ならば、こういった催しでゆっくりと疲れを癒すのは、とても良いことなのかもしれない。  そう思った『きみ』は、概要を読み進めてみる。なになに……? 『場所はスペル湖だ! この日は流星雨が流れるらしいので、恋人が欲しいチミは、存分に愛について語らうと良いゾ☆』  スペル湖といえば、広大な学園の敷地内の西側に広がる、これまた広大な湖だ。  湖畔には公園もあり、生徒や近隣の住民の憩いの場にもなっているのだが、今回はキャンプイベントで貸し切り状態になるらしい。  泳ぎの授業にも使われる場所なので、夏の暑さが厳しくなってきている今日この頃、水遊びにはちょうど良いのかもしれない。 『水着や浴衣を持っていないチミ達! 安心したまえ! 貸し出しスペースを用意したので、みんなでキャッキャウフフと選ぶのだ!』  キャッキャウフフはさておき、借りることが出来るなら、お財布にも優しいだろう。  気に入ったものはそのまま購入もできるようなので、気になるあの子がいるのなら、コーディネート&プレゼントも出来そうだ。 『というわけで、服装は自由だゾ☆ 一日水着で過ごすもよし、夜だけ浴衣に着替えるもよし。自分なりの楽しいを満喫するべし!』  なるほど、なるほど。やはり暑いからだろうか、行程にはテント設営や夕飯(カレー)作りなどもあるが、そういった時間も服装は自由であるらしい。つまり、オール水着でも問題ないわけだ。 『そういえば、この時期のスペル湖では、たま~~~にファイアフライ(東の方で『蛍』とも呼ばれている奴だな!)も来るみたいだな。運が良ければ見られるかもしれんのう』  ファイヤフライ……蛍といえば、淡い黄色の光を灯す、とても美しい原生生物だ。  空には流星雨、そして湖のほとりに蛍まで現れたら、まさに絶景であるのかもしれない。  ゆえに『きみ』は、誘われるように、参加チケットに手を伸ばす。  この学園らしい、賑やかな夏の始まりを、感じながら。
呪雨 佐渡れむ GM
1000

ジャンル 恐怖

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 ほんの少し

公開日 2020-07-10

予約期間 開始 2020-07-11 00:00
締切 2020-07-12 23:59

出発日 2020-07-17

完成予定 2020-07-27

参加人数 3 / 8
「ちっ、こんなに降ってくるなんてついてねぇ!」  魔法学園フトゥールム・スクエアに存在する、大図書館『ワイズ・クレバー』。  ヒューマンの男子生徒、【牛尾・虎太郎】は当て所もなくフラフラと彷徨い歩いていた。  そこに突如として、激しく彼の頭部へ降り注ぐ雨、と、耳に届いているのは獣の唸り声のような雷鳴の予兆音。  彼が雨と雷から身を守るには大図書館へと逃げ込むしかないのだが――。  渋々とたまたま近くにあった大図書館への入口の一つに飛び込もうと駆け寄る。  大図書館へ赴く事などそうないだろうと思わせる、やんちゃな風貌の男子生徒。 「なるようになれ……、だな」  扉を押し開ければ、外の天候のせいもあってかわずかに薄暗い。  だが、人の利用はそれなりにあるのか、居心地悪そうに、奥へ奥へと、何かに誘われるように進み、人気の少ないゾーンへ突入してしまっていた。  不慣れな彼は図書館での作法など、特に気にも留めていない様子で奥まった場所で本棚に寄りかかる態勢で、ドサリと座り込む。  すると……、――パタリ。  座り込んだ彼の真横に人がもう一人座り込むかのように、一冊の本が落ちていた。落ちてきた?  元々は赤い表紙であったのだろうか、煤けて見えるその本は、何処かから持ち込まれた物なのだろうか。  恐る恐る手を伸ばすと、本の隙間から白い紙が貌を覗かせている。  はた、と、手が止まる。が、好奇心には勝てなかった虎太郎はその紙のみを拾い上げてしまう。 「――ギャアアアアアアアア!!!」     図書館内に響きわたる大絶叫に、図書館内でもどよめきが起こる。  何事かと慌てて駆け付けた図書委員のエリアルの女子生徒【エル・クロシェット】が目にしたのは、床に落ちた一冊の本とその本を前に恐怖で固まる男子生徒の姿だった。     彼が手に持っていた紙には、赤い文字でこう書かれていた。  【この本を見た者は呪われる】  図書委員の誰一人として、見たこともないと口を揃えて言うその本が何処から来て、どんな曰くがあるのかは誰も解らない。  解るのは、異常に怯えた男子生徒が居るということ。そして、確かにそこに存在する謎の本と呪いの宣告の紙があるという【事実】だ。  依頼者は怯える男子生徒、虎太郎の第一発見者である、エル。  彼女が語るには、その日から、虎太郎は気が付くと図書館に居て、その本を手に取っている。  今まで図書館で見かける事がなかった相手を見かける事の異常性を感じ、彼に話しかけてみた所、 「呪いの本が呼んでいる」  と、ただそれだけしか話しを聞くことができなかった。  だが、彼女には一つ、一つだけ引っかかることがあったのだ。  去年の夏に図書委員会の面々で催された、創作怪談大会。  そこで自分が語った話が、彼に振りかかった恐怖と、とてもよく似ていたのだ。 
怯える幽霊少女と飢えた鬼達 ことね桃 GM
1000

ジャンル 冒険

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

公開日 2020-07-10

予約期間 開始 2020-07-11 00:00
締切 2020-07-12 23:59

出発日 2020-07-18

完成予定 2020-07-28

参加人数 8 / 8
●理解不能な心の震え 「えっ、そろそろ私も戦いに行かないといけないんですか!?」  教祖・聖職コースで学ぶリバイバルの少女【メルティ・リリン】が教員の突然の提案に悲鳴のような声を上げた。  提案といっても別に特別な環境に放り込むとか、特殊な外敵と戦えと言われたわけではない。  単純に――トルミンの集落にある貴重な酪農地域へゴブリンの群れが現れ、現在は現地の自警団が対応に当たっているということと。  そして魔法学園『フトゥールム・スクエア』の学生に奴らの討伐を願いたいと依頼を受けたという、たったそれだけのこと。 「教祖・聖職コースの学生は民草に救済と希望を与える人物となることを目指すべし、そのことは重々承知の上であなたは入学したんでしょう?」 「そ、それはそうですけど……」 「だったらいつまでも座学と模擬戦だけじゃなくてきちんと外の世界を見てきなさい。勇者活動に参加しないままだと課題の評価をつけられないどころか、あなた自身の志をも否定することになるのよ?」 「でも……」  メルティの中には戦いに対する大きな心の揺れがあった。  それは自分が旅芸人の踊り子として生きていた頃――移動中に家族同然の仲間達と共に巨大な何かに襲われ、数日間逃げ回った恐怖に原因がある。 今はすっぽりと頭から消えてしまっているけれど、最期の瞬間に心を引き裂くような何かがあったのだとも。  だからメルティは死者となっても自分と同じ思いをする人がいないよう、聖職者の道を選んだ。  それでも戦いとなると、どうしても怖い。  無意識に愛用の本を掴む白い指を震わせた彼女へ、教師はふふっと穏やかに微笑んだ。 「大丈夫よ、あなたは癒し手の才がある。あとは一緒に戦ってくれる仲間がいれば、余程油断しないかぎりゴブリンの群れぐらいどうにでもできるはずだから」 「仲間、ですか」 「もう一端の勇者になりかけている学生もいるけれど、学園の中にはあなたと同じ発展途上の勇者見習いも多いわ。先を征く先輩と、共に歩む同輩。どちらからも学ばせてもらえることは多いはずよ。だから、気をつけていってらっしゃい」  そう言って教員は不安定に揺れるメルティの肩をぽふ、と叩いた。 ●教員からの呼びかけ 「さて、皆に頼みがあるの。メルティを連れてトルミンへゴブリン討伐に行ってくれないかしら」 「メルティっていうと……あの学園引きこもりの?」 「そう。あの子、才能はあるはずなんだけど過去に何があったのか……本物の戦いに異常なほど拒絶反応を示すのよね。申し訳ないけれど、そのフォローもお願いするわ。一度戦いを経験して、自分のやるべきことを見出せばあの子もきっと前に進めると思うの」  唐突に出された『学園引きこもり幽霊少女』の名前を出され、きょとんとするあなたに教員は軽くウィンクする。  いずれにせよ相手がゴブリンなら討伐自体はそう難しいことではない。  あとはその戦いで何をするべきか――あなたは考え始めていた。
きみの灯火を消さないで あまのいろは GM

ジャンル ロマンス

タイプ EX

難易度 簡単

報酬 通常

公開日 2020-07-07

予約期間 開始 2020-07-08 00:00
締切 2020-07-09 23:59

出発日 2020-07-15

完成予定 2020-07-25

参加人数 3 / 8
●  忘れたいなら青いひかりを。  取り戻したいなら赤いひかりを追いなさい。  でも、彼女に魅入られないように気を付けて。  大切な記憶を、ぜえんぶ持っていかれちゃうよ。  ――――これは、学園の生徒たちの間で囁かれている噂話のひとつ。 「おっすおーっす! じめじめ鬱陶しい季節だけど元気にしてるかー!」  じめじめ気候もなんのその。我らが学園長【メメ・メメル】は相も変わらず元気である。  そんな彼女に頼みたいことがある、と集められた訳だが。  生徒たちは知っている。彼女が持ってくる話は、大抵ロクなことにならないのだと!! 「おっと、学園長の話は最後まで聞くものだぞ☆」  そぅっと出ていこうとしている生徒たちの雰囲気に気付いたのか、メメルがぱちんと指を鳴らせば背後の扉がばたんと音を立てて閉まった。  かちり。おっと、ご丁寧に鍵まで閉めたぞ。今日はどんなロクでもない話をされるのかな?  思わずそう身構えてしまったが、彼女の口から語られた言葉は、意外にもまともなもので。 「いやー、実はなー。最近ちょっとおかしな生徒が増えていてなー。なぁ、メッチェたん?」  名前を呼ばれた【メッチェ・スピッティ】は、ふわぁ、とあくびをひとつしてから。 「んー……、最近、記憶をなくす生徒が増えているんだめぇ~……」  メッチェはとろんと眠そうな双眸を軽く擦りながら、ぽつりぽつりと話始めた。 「ぽっかり一部の記憶だけが綺麗になくなっている生徒が、ここ数日で何人かいるんだめぇ~……。外傷もないし、乱暴されたショックで、なんてこともなさそうなんだめぇ~」 「変な噂話もあるようだしな。いろいろ調べてみたんだが、オレサマではダメそうでお手上げ! だからチミたちに頼みたい!」  学園長の手をも煩わせるようなことを? それやっぱりロクでもない話?  思わず首を捻るが、チミたちなら出来るって信じてるからなんだぞ! とメメルはにっこり笑顔。  あっ、さっきの言葉は面倒ごとを押し付けようとしている方便だ。そうに違いない。  そんな、何かを訴えようとしている生徒たちの視線をさらっと流してメメルは続ける。 「まあまあ、これもチミたちの成長を思ってのこと! それにな、記憶を奪う何者かに出会うためには、大事な条件があるようなんだ」  それは? 言葉の続きを待つ。メメルはどこか寂しそうに、けれどいつものような笑顔で言った。 「何と変えても、忘れたい記憶があること」  他にも月の出る夜でなければいけない、記憶を奪うそれのためにクッキーを持っていかなければならない、なんて細かい条件はあるようだが、それはあくまでも噂話。一番大事な条件はそれだけだとメメルは言う。 「……まあ忘れたい記憶がなくなるわけだから、ある意味幸せなのかもしれないけどー……」  うむむと首を捻るメメルを見て、とろんと眠そうに話を聞いていたメッチェが、ふるりと首を振った。 「……忘れたい記憶があるのは、あっちも分かる。忘れることで救われることがあることも」  でも、それでも。 「………そう簡単に、誰かに預けていいものではないと思うんだめぇ~」 「それはもちろん、オレサマもそう思ってるぞ!」  だから、奪われた記憶を取り戻しにいってほしい、と。メメルとメッチェは頭を下げた。 ●  ぽつ、ぽつ、ぽつと。スペル湖の周りでは、いくつものひかりが舞っていた。  それらの多くは、ホタルのひかりだった。けれど、それに紛れて妖しくひかる、青と赤のひかり。  明らかにホタルのひかりではない、なにか。  その妖しいひかりに包まれた誰かは、その灯りをうっとりと見詰めながら呟いた。 「ああ、きれい。とてもきれい」  身を裂くような悲しみも、身を燃やすような苛烈な怒りも。大好きだったあのひとに、別れを告げられた切ない記憶だって。 「こんなに、こんなにきれいなのに」  いらないっていうんだもの。忘れたいっていうんだもの。ひとって、ほんとうにおかしいわ。  いらないのなら、代わりにわたしが大切にしてあげる。返してほしくなる、その日まで。  ………けれど不思議ね、誰も返して、って言いにこないのよ。
【水着】ふんドラゴラを捕まえて!! 正木 猫弥 GM

ジャンル イベント

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2020-07-06

予約期間 開始 2020-07-07 00:00
締切 2020-07-08 23:59

出発日 2020-07-14

完成予定 2020-07-24

参加人数 8 / 8
 魔法学園『フトゥールム・スクエア』が誇る植物園、『リリー・ミーツ・ローズ』。  世界中の植物が集うこの施設は、学生たちが日々の喧騒から逃れる癒しの場であると同時に、貴重で危険な植物が封印された魔窟とも呼べる場所でもある。  そんなリリー・ミーツ・ローズから、ある特殊な魔法植物が『脱走』を果たした。  時は夏。フトゥールム・スクエアでは、どこか浮かれた雰囲気が漂っている。  学生たちの大半は、学園に迫る脅威を未だ知らずにいたのであった――。 「――全員揃ったな。皆には、『ふんドラゴラ』の捕獲任務に当たってもらいたい」  集められた学生たちに、その教師は手短に緊急課題の内容を述べた。  ふんドラゴラ。それは数十年前、とある学園教師が偶然生み出したマンドラゴラの亜種であり、そのあまりに特殊な性質からリリー・ミーツ・ローズに封印された魔法植物の名前である。 「ふんドラゴラに毒性や特殊な薬効などは一切無い。その分、根に蓄えられたエネルギーで、猛スピードで走り回る性質がある」  そう言いながら、当時記されたふんドラゴラのスケッチを見せる教師。マンドラゴラと言う割にはやたらと白くすべすべしていて、二股に分かれた大根のようにしか見えない。  だが、そんな事よりもっと目に付く特徴がふんドラゴラにはある。 「……もう分かったと思うが、ふんドラゴラには自らの皮や葉を材料とした『ふんどし』を履く性質がある。こいつらのふんどしに対する執着は凄く、ふんどしを履いている者には猛スピードで突進してくるぞ」  次に教師が持ってきたのは、虫取り網や漁師が使う投網など、ふんドラゴラ捕獲に使えそうなグッズの数々。 「皆には、園の外に出てしまったふんドラゴラの捕獲を担当してもらう。すばしっこい上に夜行性である奴らを日中捕らえる事は不可能に近いが、実は一網打尽にできそうなチャンスがある」  最後に教師が取り出したのは、『ふんどしボディービル大会開催!!』と書かれたパンプレットであった。 「……今回の件の責任を取って、『植物委員会』の学生たちにふんドラゴラをおびき寄せる作戦を立案させたんだが、一部の連中がやたら盛り上がってな。変な風に話が転がった挙句、園の近くでボディービル大会をやる事になったってわけだ」  ま、罰を与えるだけが教育ではないしな、と教師は苦笑いを浮かべた。 「園内は俺と他の植物委員会が責任を持つ。すまんが大会の安全を守りつつ、ふんドラゴラを一匹残らず捕まえてもらいたい。……頼んだぞ」  そう言いながら、教師は学生全員に紐のような物を握らせていく。手を開くと、そこには真新しい純白のふんどしがあった――。
【水着】満(みつ)が欲しくば…… pnkjynp GM

ジャンル イベント

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 ほんの少し

公開日 2020-07-06

予約期間 開始 2020-07-07 00:00
締切 2020-07-08 23:59

出発日 2020-07-14

完成予定 2020-07-24

参加人数 8 / 8
「ミーンミンミンミン……」  夏の風物詩、生後1時間でその生涯を終えるというセミ科の原生生物。  『ヒトトキトモシビ』が、遺言にほど近い産声を上げる。  ここは魔法学園フトゥールム・スクエア内のとある森の中。  そして彼らが生息地として密集している森でもある。  彼らの魂の叫びはオーケストラとなって耳に命の主張をたたきつける。  些か喧噪が過ぎる。いや、少々耳障りがひどい。というかうるさい。  だが、そんな騒音にも夏の暑さにも負けず、今日も『授業』という名目の下で。  学園生達は汗水を垂らしながら行軍していた。  その集団の先頭には、1人の教師。  それに続く生徒達は、まるで人形のように言葉も発さず彼の後に続いている。  セミの喧噪と夏の暑さ、そしてヒトが森を歩く微かな音が入り交じるこの空間は。  それら以外に不純のない、ある種の静寂と安寧に満ちていた。  しかし、その平穏は長くは続かない。 「あちぃな……」  誰かが言った。  言ってしまった。 「これは『がまん』を高めるための『欲求掌握学』! 泣き言をいうとは何事か!」  教師の喝が飛ぶ。  ついでに教師の光輝く頭皮から澄んだ液体も弾け飛んだ。  それは先程つい口を滑らせてしまった男子生徒の額を直撃し……。 「……水。みず………ミズ!」  彼に天啓をもたらす事となる。 ◆◆◆ 「つーわけで、ボーイズ&ガールズぅ~! オレっちと一緒に、水着でシャゲナベイベーしない?」  課題のバツとして髪の毛を失った賢者・導師コースの男子生徒【トレット・リンバース】が広場でそんな事を叫び始める。  一体どうしたの? と心配する声もあれば。  あいつ、遂に輝きの向こう側へいっちまったか……。と諦めを示す声もあれば。  理解を超えた存在として、逆に認識の外へ彼を追いやるものもいた。  だが、興味本位かたまたまか。『あなた』はその声に耳を傾けてしまった。 「……オレ、理解っちまったんだ。欲求を掌握するにはどうすれば良いか。簡単な話だぜ。満たされれりゃいいんだよっ!」  瞳の中に星の光を宿したような真っ直ぐな瞳を輝かせながら、彼は発言を続ける。 「おおっと。だがこれでもオレは賢者導師を専攻する端くれだ。勿論人には迷惑をかけやしねぇ。あくまで己の中のパトスを燃やすだけさ」  そうして大体5分ほどの熱弁を聴いた後、観衆の1人が彼に問いかける。 「で、具体的にはどうやって欲求を満たすの? というかあなたの欲求って何?」 「水……だよ……」 「水?」 「水着、だよおぉ~~~!!」  広場に、ヒトトキトモシビが驚きで数匹絶命してしまいそうな響きが轟いた。 「俺達の燃え上がる青春の情熱を、水着にぶつけちまおうぜ!!!」 ◆◆◆  それから数日。  トレットと彼に誘われた学園生数名は、海を観光の名所とする街、『アルチェ』の『フィオレモール』を訪れていた。 「知ってるとは思うが、ここフィオレモールはアルチェの街の入口から、遊泳用に解放されている『サビア・ビーチ』までを結ぶ大通りだ」  夏のシーズン。今が正に稼ぎ時という事もあって、商人や観光客、街の住民などがごった返しているこの大通り。  モールの名にふさわしく、通り沿いには至る所に露天や商店が建ち並んでいた。  販売しているものは、装飾品や食べ物などだけでなく、水着や浮き輪といった、遊泳に必要な商品も多数揃っている。 「まぁ、既製品でよければこの大通りで大抵の水着は買えるだろうぜ。学園の購買部でも扱っていないような、ここだけ限定の品々もあるかも知れねぇな!」  トレットは振り返ると、口元に指をかけ静かに囁く。 「おおっと、間違っても裏通りに入るなよ? この街は観光都市だからな。突然魔物に襲われる的な身の危険はねぇが、美男美女のあんたらみたいなピチピチの学園生は上手い魚だ」  彼は声を震わせながら静かに告げる。 「知らねぇうちに店に連れ込まれてあやしげな水着を試着させられるかも知れねぇからなぁ……?」 ◆◆◆  フィオレモールを散策すると言った数名と別れを告げ、トレットと残った一行は、観光地区から反転。  現アルチェの領主【ダンテ・ミルトニア】が整備を行う前の、古くからの町並みが残される漁業地区へと赴いていた。 「こっちには何があるのかって? ああ、『星の洞窟』っていうところがあるんだけどよ。あそこは魔物が出る事もあるから地元住民もあんまり近づかなくてよ」  そんな所に行って大丈夫なのか? その問いにトレットは笑顔で応える。 「ああ。魔物が住み着いてんのは基本洞窟の中。そこまで近づき過ぎなかったり、近くにある海の奥へいかなきゃ問題ねぇさ」  それより大事なことが別にある。そういうトレットの目に真剣味が増した。 「洞窟の手前には、衣類の素材になるような原生生物が結構いてよ!」  彼曰く、地元民も繁殖のし過ぎに困っている節があり、事前に申請を出しておいたので、一狩りしても問題はないらしい。 「勿論、命は命。狩り過ぎ注意で頼むぜ? 後、魔物と接触しそうな危険地域には行かねぇこと。これでもオレは引率担当になるわけだ。言うこと聞かなきゃ、分かるよなぁ?」  トレットはそれまでの課題で鍛え上げた筋肉を隆起させる。  余談だが、およそ賢者や導師に相応しくないそれは、主に拳を振るう課題で戦果を上げているらしい。 「回収した素材は、オレの知り合いの店でオリジナルの水着に加工してやんよ。そいつは水着中毒でな。素材があればお代は要らねぇそうだ」  それから暫く。  星の洞窟がほど近い海辺に辿り着いた一行の目の前には、多種多様な生命の息吹が広がっていた。 「さぁ、水着作りの始まりだぜ!」  声高に叫ぶ彼に、誰かが問うた。  何故そこまで水着に拘るのか? 「決まってんだろ。……詰まってんだよ。水をしたらせながら、アオハル色に煌めく一時の情熱(トモシビ)がよ」  こうして、トレットと過ごす若干暑苦しい夏の一日が幕を開けた。
音楽と喧嘩は酒の花 海太郎 GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 ほんの少し

公開日 2020-07-03

予約期間 開始 2020-07-04 00:00
締切 2020-07-05 23:59

出発日 2020-07-10

完成予定 2020-07-20

参加人数 8 / 8
 生徒たちの前に立った学園教師の【ジョニー・ラッセル】は、何とも言えない顔で生徒たちを見渡した。 「……ねえみんな、酒場での演奏と、喧嘩って、自信ある?」  普段の明るさはどこへやら、ジョニーの表情は陰鬱だ。  それもそのはず、右手の指が見事に打ち砕かれて、包帯でグルグルにまかれている。 「……どうしたんですか?」  と案じた生徒に問われて、ジョニーは陰鬱に顔を上げた。  彼が語った事の顛末はこうだ。 「友人が営んでる、『Not for Me』って酒場があるんだ。時々有名な演奏家も立ち寄って好きに演(や)っていくから、それなりに地元でも人気があってね」  だがそこに、目を付けた悪党がいた。 「音楽団が来る日は、お客さんも当然多い。そこを狙って、『Not for Me』のライバル店が、無法者たちを送り込むようになったんだ。賢い連中で、ガードマンたちを雇っている日は絶対に襲ってこない。普通のお客さんと演奏家しかいない時を狙って、店を荒らしに来るんだ」  それで、昨日たまたま居合わせたところでジョニーとひと悶着起こしたのだという。  四人は倒したが、多勢に無勢、挙句客を人質にとられたところを後ろから強かに殴り倒され、十二対一でぼこぼこに負けてしまった。 「残党は、全部で八人。だけどあからさまな武装にはしっかり警戒してくるから、あくまで軽装で……他のお客さんも怖がらせちゃいけないしね」   「『課外活動』の一環として、この問題に取り組んでほしい。もちろん、無法者たちをやっつけることも経験の一つなんだけど、芸術・芸能コースのみんなには、お店での演奏、お客さんを不安から救えるような明るいパフォーマンスを披露するってことも、しっかり経験してほしい」
村を襲うは碧緑の獣 ウケッキ GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2020-07-02

予約期間 開始 2020-07-03 00:00
締切 2020-07-04 23:59

出発日 2020-07-10

完成予定 2020-07-20

参加人数 8 / 8
「お願いだッ! あたしらの村を助けてくれっ!」  そう言ってベッドから飛び起きたのはルネサンスの少女【リリア】である。  犬耳と尻尾を持つ人種である彼女は傷だらけの状態で『学園フトゥールム・スクエア』の近くに倒れていた。  教員に発見され、治療を施されて現在に至る。  彼女の傷は大きな爪痕や噛み傷が多い事から凶暴化した何かに襲われた事は明白であった。 「実は……あたしらの村にでっかい獣が他の獣を引き連れてうじゃうじゃやって来やがったんだ。正直、普段じゃ見かけない数だった」  ルネサンスと言えばその特徴は身体能力が高い事があげられる。並の獣相手に後れを取る事はないはず。  それなのにルネサンスの村を救援してくれとはどういうことなのだろうか。  話を聞いていた一同が不思議に思っているとリリアは俯き加減で話し出す。その表情は暗い。 「あいつら……普通の獣じゃねぇ、恐らくルネサンスの純種だがなんか妙な魔法具みたいなのが付いてて、見た事ねえ技ばっかり使いやがる。あの変な技さえなければあんな奴らに負けなんかしねぇよっ!」  悔しそうに拳を握り締めるリリアに一同は何とかするから状況を聞かしてくれと言った。  その瞬間、ぱっとリリアの表情が明るくなりぶんぶんと尻尾を振る。 「本当かっ! 力を貸してくれるなんてありがてえ! 困った時はこの学園に行けっていうじっちゃんの言葉は嘘じゃなかったんだな!」  嬉しそうにはしゃぐリリアだがその豊満な胸がたゆんたゆんとけしからんぐらいに自由奔放に揺れている。薄着でそれなのだからそれはもう色々と困る。当の本人にはそれが視線を集めているとは自覚が一切ないようであった。  一同が目のやり場に困っているとリリアは、はっと気が付いたように喋り出す。 「そうだ、詳細だったな悪い悪い。嬉しくなると色々と話が飛んじまうんだよ、なんでだろうな。ああ、そいで村人だけど全員村近くの洞窟に避難して守りを固めてる。村を襲った奴らは何かを探してるみたいで洞窟というか逃げる村人には何の興味も示さないみたいだった。動きはずいぶんと統制が取れていて妙だったよ」  話を聞く限りそのルネサンス純種と思われる獣達は何かを探しているようだ。一体何なのだろうか。  それとなく一同はリリアに心当たりがあるか聞いてみるが彼女にはそれに心当たりがないらしい。  村は中心に噴水があり、それを囲う様にして円形に家が建っているようだ。獣達は村のあちこちにちらばっていて総数は不明である。  ただ、一匹だけ巨大なルネサンスの純種と思われる獣が噴水近くに陣取り他の獣に指示を与えているらしい。  話を聞くだけでもどうやら何か獣達は明確な『目的』があるようだ。 「よし、さっそく出発だな。そうと決まればあたしが村に案内するよ! ちゃんと戦闘にも参加するから。あー大丈夫かって顔しやがったな? これでも村一番の戦士なんだから見くびるんじゃねえぞ!」  拳を突き出すリリアの仕草はあまり強そうには見えず、一同は多少の不安を感じるが村への道筋を知らない以上、彼女に案内を頼むしかないだろう。  こうして一同はリリアに案内され、学園から村へと向かうのであった。
暑い、そして熱い食堂の一日 根来言 GM

ジャンル コメディ

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2020-07-01

予約期間 開始 2020-07-02 00:00
締切 2020-07-03 23:59

出発日 2020-07-09

完成予定 2020-07-19

参加人数 8 / 8
 その日は、ひと際暑かった。  アツイ、ツライ、ウゴキタクナイ。  生徒達が時折漏らす愚痴は、もはや太陽への呪詛となった言葉である。  が、幾ら同じ言葉を言ったところで、冷たい風が吹くわけではない。  ぐったり。  食堂のテーブルに突っ伏した生徒達を後目に、食堂職員【ベル・フリズン】は深いため息をついた。 「もー、君たち口ばっかりかい! 暇なら団扇で仰いでくれてもいいんだが……、うん! 聞いていないな! 別に構わないけども!」  ベルは、食堂の天井に張り付いた魔法機器の蓋を取り外し、軽く埃を払う。  蓋の内側、機器の中身を確認し、そしてまたため息。 (魔法陣がちょっと消えかけてるねぇ……、道理で、冷風を出してくれないわけだ) 「修理……、いやこれはもう買い替えをしなくてはいけないかもねぇ……、よっと」  脚立から軽々と飛び降りると、額の汗を拭う。 「職員さぁーん、何か冷たいの作ってよぅ。このままじゃ暑すぎて、午後の課題の前に倒れちゃう」 「おおっと、そりゃ一大事だねぇ。ちょこっとお待ち……ッ、ぐぅ!?」  ぱたぱたとキッチンへ向かい、食料庫の扉を勢いよく開けると……。  思わず鼻をつまむ。ツンと鼻につく刺激に、涙もにじみそう。  むぁ……。  瞬時に生暖かい風。風に乗って生臭い異臭。  眼下には見た事も無い光景。目を逸らしたくなるような地獄。 「……」  唖然以外の何物でもない。  普段、食料庫は寒くなる程に、冷却の魔法が掛けられているはずだが……。  まさかと、天井を見上げれば、所々の線が欠けており、まったく起動していなかったようだ。 (……この暑さじゃ、食料は全滅だねぇ、勿体ない。これは早急に片さなきゃ案件だ)  学園長に直してもらって……、魔法道具なら【ラビーリャ・シェムエリヤ】か。そんでもって腐った食料の掃除をして……、いや、生徒達への説明が先か。  頭をフル回転させる。幸いにもまだ、昼食の時間にはまだ早い。食材の調達と調理、そして修復を同時に行えば、何とか昼食時間中に立て直しができるだろう。  ……生徒たちはあまり待ってくれそうにはないが。  この事態を今だ知らない生徒達の声が微かに聞こえる。  『ご飯まだー?』『なに!? 変なにおいするんですけど!?』『暑い、熱いし暑い! 冷房入れてよー!』。  ゆっくり考える暇など、全くもって与えてくれないらしい。 (……では、考えないことにしようか)  ノイズ……もとい、ブーイングに忙しそうな生徒達に向かって、大きく吼えることにする。 「諸君、随分暇なようだねぇ! そんなに時間を持て余しているのなら、バイトでもしてくれないかい!?」  人手は全くと言っていいほどに足りない。  だが、これまた幸いなことに。  使えそうな生徒(人手)は、余る程いるようだ。
【想刻】スペル湖で釣りをしよう 夜月天音 GM

ジャンル イベント

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

公開日 2020-06-30

予約期間 開始 2020-07-01 00:00
締切 2020-07-02 23:59

出発日 2020-07-08

完成予定 2020-07-18

参加人数 7 / 8
 放課後、魔法学園『フトゥールム・スクエア』、スペル湖。  公園もあり生徒や近隣住民の憩いの場である湖は、本日とても賑やかであった。  その理由はただ一つ。 「なぁなぁ、釣りしようぜ!!」  釣りだ。ヒューマンの男子学生が湖を訪れた学生達に声を掛けていた。 「何も道具が無いって? それは問題無いぞ。釣り竿も餌もバケツも必要な道具は全部揃っているから好きな物を使ってくれ」  道具は色々揃っており、釣りを存分に楽しむ事が出来るようだ。 「釣りは最高だよ。考え事をまとめるのにぴったりだし、忙しい日々で疲れた心を休めるのにもいいし、魚との真剣勝負も手に汗握る!」 「攻撃的な魚もいるから、武器の装備は外さない方がいいよ」 「おにぎりと冷たいジュースが沢山あるから、食べたり飲んだりしながら、楽しんでよ」  釣りが大好きらしい学生達が、次々と釣りの良さを主張する。 「釣りかぁ、忍耐力を鍛えるのにいいかも」 「新たな魚拓を取るぞー」 「おにぎりとかジュースが美味しそう」  声を掛けられた学生達は、それぞれの理由で釣りに参加していった。  そんな賑やかさを遠巻きに見つめる学生がいた。 「…………おにぎり」  おにぎりが大好きな【カズラ・ナカノト】だ。自らはほとんど行動を起こさないため興味はありながらも見つめるばかり。 「美味しそうだよね。釣りも面白そうだし、参加してみようよ!!」 「大きな魚が釣れるかもしれないよ!」 「ほらほら、早くいかないといい場所とられちゃうよ」  カズラの様子に気付いた何人かの学生達が彼の側に駆け寄り、あっという間に巻き込んでしまった。
【体験/新歓】フェスティバル・オブ・チキン oz GM

ジャンル イベント

タイプ マルチ

難易度 簡単

報酬 なし

公開日 2020-05-08

予約期間 開始 2020-05-09 00:00
締切 2020-05-10 23:59

出発日 2020-05-19

完成予定 2020-06-13

参加人数 16 / 16
 春がどんどん深まる。風の匂いが変わる。新しい季節を迎えようとしている。  今日がマジック・オブ・ディライト最終日。夜になっても華やかさは少しも薄れることはない。  祭りが終わってしまう一抹の名残惜しさを感じつつも、これは終わりではなく始まりなのだ。  広場では後夜祭『フトゥールム・ディライト』のメインである打ち上げ花火を見ようと人でごった返していた。  喧噪に佇むステージ。その中心に凛と立つのは【テス・ルベラミエ】だ。 「皆様のおかげでマジック・オブ・ディライトも最後を迎えます。初めての試みでしたが、楽しんでいただけたでしょうか?」  テスが音声拡張魔法でそう話し出すと、観客席からワッと歓声が上がる。 「それでは後夜祭のフィナーレ打ち上げ花火が始まります。では、学園長」 「うむ。チミたち楽しんでるかー! ヒック……楽しい時間ほどあっという間だな、それもよきかな。……だが、我々には後夜祭が残っとる!」  テスに促されて前に歩み出た【メメ・メメル】校長は酒の瓶をマイク代わりに演説を始めた。  すでに酔っぱらってるぞ、この学園長。  出来上がった声に、酒の匂いまで伝わってきそうな酔いっぷりだ。 「……学園長、こちらがマイクとなります。しばしお酒は預かっておきますね」 「ううん? おっとオレサマとしたことが間違えちった☆ ところでテスたん、今日は無礼講だ。お酒を飲みながらでもいいと思わないかね」  ダメに決まってんだろ、メメたん。  テスは駄目ですよ、と楚々たる微笑みで、メメルからさらりとお酒の瓶を取り上げて下がっていく。その手際の良さにさすがテス先輩! と拍手を送りたくなる。 「ちぇー、テスたんはお堅いな。そう思わんかね、チミたち?」  酒を取られふてくされた表情を浮かべたメメルは広場に向かって呼びかける。 「もおーメメたん分かってるんだからなあ。これから花火を背景にフィーバーしたり、イチャイチャしたりするんだろ♪ そう、それこそが若者の真のあるべき姿! こういうときこそハメを外すさんでどうする!」  そうメメルが握りこぶしを作りながら力強く訴えられると、なんだかそんな気がしてきてソワソワ。  だが、教職に就く者としてその発言はどうなのか。 「というわけでぇ、オレサマがとっておきの花火を用意したぞ☆」  メメルはまるで手品のように杖を取り出したかと思うと、 「いでよ、コッコたん!」  突如メメルの周囲に巨大な魔法陣が現れる。魔法陣は強烈な光を放った。夜だというのに眩くて一面が真っ白になった。  恐る恐る学生たちが目を開けるとそこには――。  あ、あれはもしや……!?  かの伝説のフェニックスでは!?  フェニックスといえば勇者の前に現れ試練を与え、ときには勇者の命すら救ったとされる伝説の存在。  炎が祝福するように舞い踊る。全てを灼き尽くさんとする炎はメメルの体を傷つけるどころか守っているようにさえ見えた。  幻想的なまでに美しい火の鳥はメメルの腕へ羽休めするように止まった。  新入生どころか在校生すらも固唾を呑んで見守る。  普段不真面目極まりないあの学園長がまともな魔法使いに見える!  まるで物語に登場するような偉大な魔法使いのようだ。あの学園長が! 実力はあれどメメ・メメルという人物を知るものならばどれだけの異常事態か分かってもらえるに違いない。  おぼろげだった火の鳥がより明確に姿をかたどっていく。  生徒たちのざわめきが大きくなる。  メメルの腕にいたのはフェニックス――ではなく、燃えさかる鶏だった。そう燃えるチキンだ。 「コッコたん整列☆」  いつの間に現れたのだろう。メメルに従うようにずらりと並ぶ鶏が並ぶ様は圧巻だった。さながら軍隊のような規律正しさで並ぶ鶏。なんだか鶏がゲシュタルト崩壊を起こしている。  この鶏、目つきが悪い。まるでマフィアの眼光だ。一般人がいればひと睨みで逃げ出してしまいそうだ。  コッコッコッコ……、と鳴いているが、鶏の鳴き声と言うよりも猟犬の唸り声のようだった。  え、あれが伝説のフェニックスなの!?  勇者を助けたという伝説の不死鳥が鶏……。  心なしか会場のテンションが下がった。  その反応を見て燃えさかる鶏が憤慨するように炎をまき散らす。 「チミたち素直でよろしい! コッコたんはな、フェニックスの一種なんだぞ。キング・オブ・チキン! 弱肉強食を乗り越えたニワトリの中のニワトリ! そう、君の名はフィニクスコッコなのだ☆」  とはいっても、伝説のフェニックスとは別物だがな、とのメメルの言葉に生徒たちは胸を撫でおろす。  夢が壊されなくてよかった。  不機嫌そうなフィニクスコッコは鶏と思えぬ尊大な態度で睥睨した。 「どーどーコッコたん。チミの素晴らしさはこれから見せつけてやればいいのだ」  メメルが勢いよく燃える鶏を宥めると、 「行け、コッコたん1号! 発進だ☆」  その号令に勇ましくコケッコッコー! と鳴いたかと思うと、鶏は燃える羽を威嚇するように広げ空へ羽ばたいた。  え。鶏って空を飛ぶっけ?  そんな疑問が頭によぎりながらも呆気にとられたように空を見上げる。  そして、鶏は空のお星さまとなった――自爆したのだ。  美しい花火だ。これが鶏の生命の輝きだと知らなければ文句なく美しい。  赤や黄や緑の色とりどりの光をぶちまけて消えた後、しんと空が静まりかえった。ついでに地上も静まりかえった。 「なんだなんだ揃いも揃ってお通夜みたいな顔をしおって。安心せい、コッコたんは空からチミたちを見守っておるぞ」  鬼かよ、メメたん! 「ふーむ、チミたちは素直な花丸良い子だな! 安心ちたまえ! 種明かしするとだな、コッコたんは明日の朝になれば蘇っとる。コッコたんにとって爆発は新陳代謝みたいなもんだからな」  メメルの言葉を聞いてホッとした空気が流れる。そもそもの元凶は目の前にいる学園長なのだが。 「話は終わりじゃい。さあて酒飲むぞ! テスたん返しとくり」  メメルはステージから立ち去ろうとして、不意に何かを思い出したように振り返った。 「おっと言い忘れとったな。逃亡したコッコたんがあっちこっちで爆発するかもしれんが、メンゴ☆」  チミたちなら大丈夫だ、と取って付けた言葉を吐き、メメルは誤魔化すようにウィンクを決めた。  ドカンッ! という大音響とともに丸く大きな花火が夜空に開いた。  次々と絶えることなく鶏が空を飛び、花火となって消えていく。  つまり花火があがる度に燃えさかる鶏が自爆しているということを意味している。  夜空に咲く刹那の大輪の花。それとは裏腹に地上はいろんな意味でざわめいていた。