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はいはーい! 今日の課題はここで確認してね~……って、こらー!
言うことちゃんときけ~! がおーっ!
コルネ・ワルフルド



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ニーズに応えて 瀧音 静 GM
1000

ジャンル コメディ

タイプ ショート

難易度 とても簡単

報酬 少し

公開日 2021-11-25

予約期間 開始 2021-11-26 00:00
締切 2021-11-27 23:59

出発日 2021-12-02

完成予定 2021-12-12

参加人数 3 / 8
「頼まれてたもん、出来たは出来たが……。本当にこんなのが金になんのか?」 「うちの情報を疑うん? 今まで外したことあらへんやろ?」 「別にお前を信用してねぇわけじゃねぇが……にわかにゃ信じられねぇな」  学園都市『フトゥールム・スクエア』内、研究棟。  その研究棟を、地下へと進んだその場所で、話し込む影が二つ。  明かりが少ないにもかかわらず、輝いて見える金色の髪の毛と尻尾の持ち主の【カグラ・ツヅラオ】と。  こちらは闇に溶け込むような、薄紫の髪の毛と羽のドラゴニア、【チャロアイト・マリールー】。  方や教員、方や研究員。あまり接点のなさそうな二人だが、どうやら何かを企んでいるらしい。 「ほな、もろてくわ。捌いたらしっかりお金は渡すさかい、待っててな」  そう言ってカグラがチャロアイトから何かを受け取って研究棟を出ようとしたが。 「待て」  チャロアイトから呼び止められる。 「どしたん?」 「出来たっては言ったが、完成したとは一言も言ってねぇぞ?」 「? ……何が足りひんの?」  どうやら、チャロアイト曰くカグラが受け取ったものは未完成らしく。  何をもって未完成なのかとカグラが尋ねれば……。 「データが足んねぇ。ちゃんと効果があるのか、元に戻れるか、その辺のデータがさっぱりねぇんだよ」  と、およそ開発の最終段階の工程が終わってないと告げられて。 「……そのデータ、どれくらいあれば十分なん?」  であれば、と逆にカグラが質問すると……、 「最低十例前後。あとは多けりゃ多い方がいい」  とのこと。 「ちょい待ち。……ん-、どないしよか。……うちとあんたで二例は確保できるとして、残り八前後――」  それを聞いて少しだけ考え込んでいたカグラは、 「そや、あんた魔法薬学の教員証持っとったよな?」  およそ生徒たちには見せられないような、悪い顔をしてチャロアイトへと尋ねるのだった。 *  突如として実習になった魔法薬学。  それも中級の魔法薬学として、危ない魔法薬を実習出来ると聞いて、生徒たちは授業を楽しみにしていた。  やがて始業時間になり、実習室へと入ってきたのは……。 「おう、チビッ子達。揃ってんか?」  商人系の座学を扱うカグラであった。  なぜカグラ先生が? 生徒たちが首をかしげる中、カグラに続いて入ってきたのは見たこともない教員。  薄紫の髪、髪と同じ色の羽と尻尾。白衣と眼鏡、マスクをつけたドラゴニアのその教員は、 「今日の魔法薬学実習を担当するチャロアイト・マリールーだ」  と簡素な自己紹介をすると――、 「早速だが授業の内容について説明すっぞ。まずは各人一つずつ、オレが調合した魔法薬を渡す。別に危険なもんじゃねぇが、体に異変を起こすよう調合してる」  という説明が続き。  その説明を聞いて、生徒たちにどよめきが起きるが、 「別に大した変化じゃねぇって。んで、この授業の目的は、そもそも落ち着いた状況で調合出来る場合なんざ限られてるって話で、目の前で毒に犯された知り合いがいて、普段通りに調合出来ると思うか?」  落ち着けよ、と声をかけ、今回の授業の目的について話し始めた。 「出来ねぇ……違うな。今は無理だろ? だから、普通じゃない状態で調合するっつー場数を踏んで、いつでも冷静に調合できるようにする必要があるわけだ。……魔法薬の調合が繊細なのは今まで習ってきてるよな?」  チャロアイトの問いかけに、静かに生徒たちは頷いた。 「うし、じゃあ、今回の授業の課題。身に起きた変化に惑わされず、その状態の解除薬を作ってみろ。……あ、ただ、材料も作り方も最初は教えねぇぞ? 試行錯誤して辿りつけりゃあその経験は絶対に忘れねぇからな」  生徒たちへ薬を手渡しながら、何かとんでもない事をチャロアイトは言う。 「時間ごとに作り方のヒントは出すが、絶対に自分で作ること。んで、早く出来たやつは余分に作れ。オレとこっちの狐も薬飲むからよ」  さらにとんでもない事を言いながらカグラに薬を手渡して。  手渡されたカグラは、それを躊躇いもせずに飲み干して。 「んで、肝心の体の変化の部分だが――」  ポンッ、と。カグラの周囲に煙が発生したかと思えば……、 「こんな風に、性別を変えてしまう薬だそうやわ」  現れたカグラは、タヌキ耳尻尾の褐色少年へと変貌しており。  身長は半分くらい。毛色も、先程までの金色はどこへやらで、焦げ茶色へと変わっていた。 「姿かたちがどう変わるかは飲んでからのお楽しみ。とはいえ流石に種族までは変わらへんから、勝手が変わることはあまりないはずや」  と先程までとは違う少年声で生徒へと話したカグラは、実習室の教卓へと飛び乗り腰を掛けると。 「ほな、時間もあまり長ないし、さっさと始めよか?」  と授業開始の宣言をした。  その隣で、チャロアイトが高身長お兄さんへと変わっていることに、一切の目もくれず。
【泡麗】Red,Black and Red 桂木京介 GM
1500

ジャンル 日常

タイプ EX

難易度 普通

報酬 少し

公開日 2021-11-23

予約期間 開始 2021-11-24 00:00
締切 2021-11-25 23:59

出発日 2021-12-01

完成予定 2021-12-11

参加人数 5 / 5
 指を交差させパチンと鳴らす。  執務机の隅においやられていた酒瓶が、氷上をすべるように移動した。 「うむ」  酒瓶がぴたりとおさまった場所、それは【メメ・メメル】の手のなかである。メメルは片手でコルク栓を抜き、ウイスキーをとくとくとグラスに注いで、 「ちょっと!」  その手を【コルネ・ワルフルド】に止められた。 「仕事中ですよ!」 「休憩時間だ☆」 「だとしても勤務時間内でしょうがっ!」  コルネはメメルの手からウイスキーをひったくる。 「……オレサマは年中無休の二十四時間勤務みたいなものだがなァ」  ぶつぶつ言いながらもメメルは、グラスに残った琥珀色の液体を愛おしげになめていた。 「このところますます酒量が増えてますよ。もっとお体のことを……」 「知っとるだろ」 「はい?」 「オレサマの『お体』のことなら知っとるだろ? 酒でごまかすしかないんだよ」 「ですが……」  最近急激にメメルが衰え、日に一、二度のペースで発作を起こしていることをコルネも熟知している。魔王軍の動きが活発化してからはじまった現象だ。  発作は一時的な行動不能である。時間は短くて数十秒、長くても数分でしかない。幸いにして公的な場所で発生したことはないため、この事実は教職員にしか知られていないはずだ。  しかもこの発作の頻度が増えつつあり、時間もすこしずつ長くなっているようにコルネは思う。それも、先日リーベラントを訪問し、ローレライとアークライト、両種族の代表と会談を終えてから加速しているような気がしてならない。  メメルの発作にコルネは何度も遭遇した。そのたびに学園長が、二度と動かなくなるのではないかという不安に駆られてもいた。大丈夫だとメメルは言う。でも無邪気に信じる気にはなれなかった。 「それで、午後は出席されるんですよね?」 「何に?」  あきれた、と言うかわりにコルネは、腰の左右に拳をあてた。 「ご自身が呼びかけた芋煮会じゃないですか。先月から言ってたでしょう」  芋煮会というのは、ひらたくいえば屋外で行う鍋パーティだ。サトイモをつかった鍋が一般的なのでこのように呼ばれているが、実際には鍋限定ではなく、バーベキューと同時開催のことも多い。紅葉を楽しみつつの、秋バージョンの花見というおもむきもある。 「本来はもう少し早い時期にすべきが、今年は学園の紅葉が遅れとかなんとかで……」 「そうだったそうだった! つまりおおっぴらに飲めるわけだな、酒が♪」 「学園長はお酒のことしか考えてないんですか!」 「まさか」  おだやかにメメルは言ったのである。 「オレサマがいつも、一番に考えとるのは生徒たちのことだよ。この身よりもな」  メメルは笑顔だったが。いつもの自信満々なスマイルではなく、どことなく愁いのある笑みだった。 「学園長」 「なんだね」 「……ちょっと、感動しました」  コルネの目が、水面に映る月のようにうるんでいる。 「教育者として当たり前のことを言ったにすぎん、いちいちカンドーなんぞしなくてよいぞ♪」  目をごしごしとぬぐって、 「会場は川沿いに準備してます。ではまたあとで」  と学園長室を出ていきかけたコルネだったが、 「でもこれは没収ということで」  ウイスキーのボトルを持っていくことも忘れなかった。 「あー!」 「どうせ芋煮会でたらふく呑むんでしょうがっ!」  ドアがバタンと閉じる。やれやれ昼まで我慢か、と首をすくめていたメメルだが、 「なーんてな♪」  引き出しを開け、新しいウイスキー瓶を取り出したのである。 「まさかもう一本あるとは思わんかったようだな☆」  がっはっはと独り言(ご)ちて封を切ったところで、ドアが内側にカチリと開いた。ウヒャ! タンチョウヅルのような声を漏らしメメルはボトルを隠す。 「こ、これは酒ではなくて薬でな、般若湯と呼ばれてお……うん?」 「あら~?」  闖入者はコルネではなかった。ひょいと伸ばした首はコルネ同様ルネサンス、しかし黒猫のルネサンスだった。二十歳前の少女に見えた。  少女はするりと入ってきて、好奇心に満ちた目で室内をキョロキョロと見回す。  彼女は耳も、長い尾もつやつやした黒い毛並みに覆われていた。肌もチョコレート色である。ビビッドな赤いコートを着ている。 「学園長さんのお部屋って、ここで合(お)うとります?」  羊から狼へ。メメルの目つきは瞬時にして鋭いものへと変わった。 「どうやって入ってきた?」 「学園長さんで? お邪魔します~」 「質問に答えろ!」  メメルが声を荒げると同時に、少女の背後でドアが力強く閉じた。けれど少女は驚くそぶりも見せない。なぞなぞの答でも考えるような顔をするばかりだ。 「どうやって、って……ドアからですけど?」  気分を害した風はなく、ひたすらに戸惑っているような口調だった。 「そのドアにはな、学園関係者以外は開けられないよう魔法をかけてある」 「あっ、それはすんませんでした」  この口調――メメルは見極められない。演技なのか本当なのか。 「どうもごあいさつにうかがいました。えーと、うち、いや私は」 「知っとるよ。リーベラント第一公女【マルティナ・シーネフォス】だろ。というか会ったこともあるわい。十何年か前だけどな」 「でしたっけ?」 「すくなくともオレサマは覚えとる。まあ、チミはずいぶんおチビちゃんだったから、記憶になくても仕方がないが」  それで、とメメルはすこし緊張を解いた口調で述べた。 「公然と学園に敵対宣言を出したリーベラントの王族がなんの用かな?」  どうしても言葉がトゲをおびるのは仕方がないだろう。 「それは」  と言いかけたもののマルティナは硬直する。 「……こんなときに……ッ!」  うめき声をあげメメルが胸を押さえて机に突っ伏したからだ。顔色は蒼白、額には脂汗が浮いている。 「学園長はん大丈夫ですか!?」  回答のかわりにメメルは右手を突き上げた。 「知ったな……! 知った、からには……」  空中から輝く輪が数個たてつづけに降り、マルティナの身を拘束する。 「無事でここを出て行けると思うな……っ!」  通常の相手なら、いや、少々腕におぼえがあっても、ここで完全に身動きがとれなくなっただろう。たとえ発作の最中であったとしても、メメ・メメルの魔法を破れる者は滅多にない。  ところが、 「いやホンマ大丈夫ですのん!? 誰か呼びましょか?」  輪がチリ紙でできていたかのようにあっさりと拘束をやぶり、マルティナはメメルに駆け寄り背をさすった。  学園長の発作が収束したのは十数秒後だった。  あまり上品ではない言葉でしばらく毒づいてから、メメルはいまいましそうに事情を明かした。 「いい土産話ができたろう、チミの兄貴たちに」 「そんなことしまへんて」  だってうち、とマルティナは満面の笑みを浮かべたのである。 「友達つくりにきましてん。学園生の!」  炊煙がゆらぎ鍋が煮え、肉の焼ける香りがただよう。  広大な学園敷地の一角、さらさらと流れる小川のほとりで芋煮会が開催されている。  受付席、と書かれた簡易デスクの向こう側から、 「学外参加のかたは、こちらにご記名をお願いします」  薄手の台帳をとりだし、【ラビーリャ・シェムエリヤ】は羽ペンとともに差し出す。 「こんなもの前はなかったと思うがねえ」  女は露骨に嫌な顔をしたが、ラビーリャはいささかも表情を変えずに言った。 「警備上の措置です」  面倒だねぇとぼやきながら、女はミミズののたくったような字で【シャ・ノワール】と書き入れた。
発酵グルメバトル! 春夏秋冬 GM
1000

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2021-11-23

予約期間 開始 2021-11-24 00:00
締切 2021-11-25 23:59

出発日 2021-12-02

完成予定 2021-12-12

参加人数 3 / 8
「今回は、発酵食品をテーマにグルメバトルをして欲しいのよ」  料理人2人と商人1人を前にして、アルチェの領主一族に連なる女商人【ララ・ミルトニア】は言った。 「それって、前にやったヤツみたいなのですか?」  ララに尋ねたのは、料理人の【ガストロフ】。  もう1人の料理人である【辰五郎】と共に、グルメバトルに参加した経験者だ。  その時のグルメバトルは、土の霊玉を宿す男の子が住んでいるボソク島の経済的な自立を確立するために行われた物だが、今回は違った。 「前とは目的が違うのよ。と言っても、ボソク島にも関わる話だけどね」  そう言うとララは、学園出身の商人【ガラ・アドム】に視線を向ける。すると―― 「今回は、こいつを広めるためにグルメバトルをしたいんだ」  ガラは1枚の符を取り出しテーブルの上に置くと、端を破る。  途端、出来立ての料理が現れた。  甘鯛をメインにしたブイヤベースや、ムール貝やアサリにイカやエビを使ったパエリヤに、同じ食材を使ったピラフ。  食べられる花(エディブルフラワー)が彩りとして加えられ、目で見ても楽しめる。  他にも、枝豆を使ったコンソメスープや、魚の燻製と野菜を酢や柑橘の汁であえたマリネと、山菜やハーブのオイル漬けなどなど。  見ていて食欲がそそられる。 「へぇ、こいつは――」  出てきた料理のひとつ、パエリヤを試食した辰五郎が言った。 「これ、あの時のグルメバトルに参加してたネェさんの料理だな」 「ああ。学園の学食に正式採用されたもんだ」 「へぇ、良いもん出てくんだな学園の食堂は――って、それはそれとしてだ。一番気になるのは、こいつは出来てから時間が経ってねぇな」 「マジか!?」  驚いたガストロフが、辰五郎と同じように試食して、さらに驚く。 「すげぇな。ひょっとして、さっきの符が関係してるのか?」 「そういうこった」  ガラが応える。 「どこでも食符。出来立ての料理を封じて、いつでも好きな場所に、封じた出来立ての料理を解放することが出来るってマジックアイテムだ」  ガラの説明に、興奮する料理人2人。 「おいおいおいっ、とんでもねぇじゃねぇかそいつはよ。そいつを使えば、旬の最高に旨い素材を使って、いつでもどこでも最良の料理が食えるってことじゃねぇか」 「それに店舗の制約も無くなっちまう。料理人の働き方まで変わっちまうぞ」 「そういうこった」  ガラが2人に応える。 「こいつはかなり、料理業界の流通を変えちまう代物だ。ただし、問題はコストでな」 「……だからグルメバトルをするって訳か」 「それって……あぁ、分かった。コストが高くなる分、高くても買いたくなるブランド力を付けたいって訳だ」  料理人としてだけでなく、料理店の経営者でもあるガストロフと辰五郎は理解した。  どこでも食符は便利だが、効果としては『出来立ての料理が食べられる』ことに尽きる。  魅力的ではあるが、言ってみればそれだけだ。  実際に使うためには、出来立ての料理の値段に加えて、どこでも食符のコスト分の値段を上乗せしないといけなくなる。  なので、値段が高くても構わない付加価値をつけるため、グルメバトルを開催しようというのだ。 「そういうことよ」  理解の速い2人に、ララは笑みを浮かべながら言った。 「どこでも食符は、これから量産体制に入るそうだけど、そうなれば誰でも使える道具になるから、物珍しさだけじゃ売りにならない。それこそ中身が大事ってわけ。その中身を、貴方達にも参加して貰って作って欲しいってこと」 「俺達『にも』ってことは、他にも参加するんで?」  ガストロフの問い掛けに、ララは応える。 「ええ。貴方達以外の料理人にも声を掛けているし、あとは学園生にも出て貰えないか打診するつもり」 「へぇ、良いですね。あの時参加した学園生達も、光る物持ってたし。楽しみだな」 「学園生といや、屋台形式で出してたのも良かったな。フィシュバーガーとか、旨そうなもんがあったぜ」 「屋台か、良いな。偶にああいうの、作って出したくなるんだよな」 「良いわね。なら今回は、屋台形式でやってみましょ」  ガストロフと辰五郎の会話を聞いて、ララは閃く。 「屋台形式でお客さん集めて、売り上げで優勝を決めちゃいましょ。お客さんも参加できて、楽しめるわよ」 「そいつは楽しめそうだ。しかしそうなると、てんでバラバラに作っていたらテーマ性が感じられなくて売りが弱い……ひょっとして、その辺も考えて、発酵食品でグルメバトルって提案したんですか?」  ガストロフの問い掛けに、ララは笑顔で応えた。 「違うわよ。最近発酵食品がマイブームなの」  基本、生まれがお貴族様なご令嬢なので、屈託がない。 「私は食べたい物が食べれて、その上で儲けに繋がるなら、最高じゃない?」  ララの応えに、苦笑しながら辰五郎が言った。 「発酵食品がテーマってことですけど、ラム酒とかもオッケーですか? どうせなら、ボソク島のを使ってやりたいんです。サトウキビの廃糖蜜を発酵させて作る訳ですし」 「良いわよ。その辺の括りはゆるーくやっちゃいましょ。発酵してる食品使えば、何でもオッケー」 「そういうことなら……確かボソク島にはバナナも作られてたから、それを使った物を試してみますかね」 「バナナって……お酒作れたかしら?」  ガストロフにララが尋ねると、応えが返ってくる。 「実じゃなくて、葉っぱを使うんです。豆をバナナの葉っぱで包んで発酵させると、テンペってのになるんです。発酵で出て来るクセは、高温で一気に調理すると消えるんで、油で揚げると素材の旨味と発酵で出来た旨味の両方が味わえて良いんですよ。生をスライスしてチーズと一緒に食べるのもアリです。酒の肴にする時は、俺はそうしますね」 「好いじゃない」  出来あがった料理を想像し、笑みを浮かべながらララは言った。 「楽しみだわ。お客さんにも楽しんで貰うためにも、学園生達と一緒に、頼むわよ」  これに力強く応える2人だった。  そして課題が出されます。  内容は、発酵グルメバトルに参加すること。  必要な物があれば先方が用意してくれるとの事です。  屋台形式で行われる今回の発酵グルメバトル。  皆さんは、どんな料理を作って出しますか?
教える側に回ってみよう 春夏秋冬 GM

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2021-11-20

予約期間 開始 2021-11-21 00:00
締切 2021-11-22 23:59

出発日 2021-11-29

完成予定 2021-12-09

参加人数 7 / 8
 魔法学園フトゥールム・スクエアの運動場で、ケンタウロスの女の子と動く若木が駆けっこをしていた。 「負けないんだもん!」 「ん、負けない」  ぴゅーっと2人で走っている。  ケンタウロスの女の子【ツキ】も、動く若木である【フォレストボーイ】も楽しそうだ。  運動場をぐるーっと一周走り、先にゴールしたのはツキ。 「勝った」 「負けちゃったんだもん」  少し遅れてゴールするフォレストボーイ。 「次、なにする?」 「植物園に行くもん」  走ったばかりだというのに、元気よく植物園に2人は向かった。 「大きく大きく大きくなーれだもん」 「大きくなーれ」  温室に植えた枝豆に念じながら水をあげる2人。  時々、踊ったりしている。  少し前、学園生達と関わったことがあったのだが、そこで枝豆を元気にしてあげるための世話の仕方を教わったので、実践していたのだ。 「今日も元気だもん」  芽を出して伸びた枝豆は、枝葉がつやつやしている。  フォレストボーイの魔力の影響か、応援すると植物は、ちょっとだけ元気になるのだ。  枝豆の世話を終えた2人は、次の場所にテクテク歩いていく。  道中、学園生と出会うと―― 「こんにちはだもん!」 「こんにちは」  2人は挨拶していった。  ここ最近、色々な学園生に会う度に挨拶しているので顔を覚えられ、馴染んできている。  魔物であるケンタウロスの女の子と動く若木という珍妙なコンビに、最初は戸惑っていた学園生達であったが、段々と慣れてきていた。  それはツキとフォレストボーイが人懐っこいことも理由だ。  そうなれたのは、2人が学園生達に優しく構って貰えたことが大きい。  子供は特に、周囲の反応に影響を受けるものなのだ。  そんな2人が歩いて辿り着いた先は、霊樹のある場所だった。 「ただいまだもん!」 「おじゃまします」  2人の呼び掛けに、大きな霊樹はざわざわと枝葉を揺らし、まだまだ小さな霊樹はふるふると枝葉を揺らす。 「今日はツキと駆けっこしたんだもん」 「ん、勝った」  ツキとフォレストボーイの2人は、大きな霊樹と小さな霊樹に話し掛ける。  それが2人の日課だ。  2人の話に相槌を打つように、ときおり霊樹は枝葉を揺らす。  そうして話をしていると、大きな霊樹の近くで、ぼんやりと光る玉があるように感じる。 (じぃちゃん)  光る玉を、フォレストボーイは見上げる。  それは光る玉が、フォレストボーイの先代とも言えるツリーフォレストマンの魂だからだ。  少し前、とある学園生が、聞いた者のかしこさを一時的に上げてくれる竜爪笛を霊樹の前で奏でてくれた。  その音色に呼応するように、霊樹の近くに光る玉が浮かび上がり、竜爪笛の音色で一時的にかしこさが上がり、それによる閃きを得たフォレストボーイは、光る玉がツリーフォレストマンの魂だと気が付いた。  それ以来、フォレストボーイは強くなろうと頑張っている。 「じぃちゃんを安心させるんだもん!」  学園の守護者であったツリーフォレストマンのあとを継げるよう、学園や学園生達を守れるようになりたいのだ。  だから一生懸命、駆けっこをしたり枝豆の世話をしたり、他にも学園生の誰かが困っていれば助けられるよう、力を付けられるよう努力している。  そんなフォレストボーイに、ツリーフォレストマンの魂は、何も応えない。  なぜなら魂でしかない今のツリーフォレストマンは、意識も何も無く、ただそこに居るだけの物でしかないからだ。  異世界人であるメフィストが言うには、ツリーフォレストマンの魔力を引き継いだフォレストボーイがいるから、辛うじて留まっているだけらしい。  それを聞いてしょんぼりするフォレストボーイに、なにやらメフィストは考えがあるようだったが、まだ今は動きは無い。  けれどフォレストボーイは落ち込むことなく、今日も今日とて、ツキと一緒に遊びつつ鍛えていた。  そこに、【シトリ・イエライ】が声を掛けた。 「頑張っているようですね」 「こんにちはだもん!」 「こんにちは」 「はい、こんにちは」  元気の好い2人の挨拶に、シトリは微笑みながら応える。 「今日も、走り込みをしていたようですね」 「もっともっと走るもん。いっぱい動けるようになるんだもん」 「成果は出ていると思いますよ。それに楽しんでいるみたいですね」 「楽しいんだもん!」 「ん、走るの、楽しい」 「ツキと一緒だから、1人より楽しいんだもん!」 「うん、楽しい」 「一緒に頑張れるのは、良いことですね」  微笑みながら頷くシトリ。  かつて孤高の研鑚に人生を費やし、けれど今は誰かと関わることで、より多くの物を得たシトリは、子供達にも自分が得た物を分けてあげたくて提案した。 「一緒に頑張るなら、もっと多くの人達と関わると良いと思います。だから、学園生達に教えて貰いませんか?」 「みんなと一緒に頑張るもん?」 「おにーちゃんとおねーちゃん達と遊ぶの?」  期待するように聞き返す子供2人に、シトリは頷いた。 「ええ。それにこれは学園生達にとっても、意味のあることです。教えることで、得られる物もありますからね」  教師であるシトリは、実感を込めて言った。 「課題として、学園生達に出しておきましょう。ツキさんも、一緒に参加しますか?」 「一緒にする。だから、おかあさんに、言ってくる」  そう言ってツキは、フォレストボーイと共に、学園近くでテントを敷いている自分の群れに戻り事情を説明した。 「一緒に、ダメ?」 「いや、構わん。折角だから、他の子達とも一緒に行くと良い。それと――」  ツキの母親であり、百を超えるケンタウロスの群れの首領である【アサ】は、自分と同じ戦士職の大人と視線を合わせた後に続ける。 「私達も参加させて貰おう。学べるものがあれば学びたいし、可能なら戦闘訓練もしたい。まだ借りは返せてないから、その時までに練度を上げておきたいからな」  いま学園の近くに住んでいるケンタウロス達は、学園生達から受けた恩を返すため、二度までは共闘をすると約束している。  それを確かな物にするために、事前に予行練習をしておこうというのだ。 「おかあさんも、一緒?」 「ああ」  アサの応えに、笑顔になるツキ。 「好かったんだもん!」 「うん。よかった」  喜ぶフォレストボーイとツキに、アサは微笑ましげに目を細めるのだった。  それから数日後、ひとつの課題が出されました。  内容は、ケンタウロスの子供達やフォレストボーイ、そして大人のケンタウロス達に、教師役として教えてあげる事です。  普段は教わる側の皆さんですが、今回は教える側に回ってください。  一体どんなことを教えてあげますか?
沖合一本勝負! K GM

ジャンル 戦闘

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2021-11-16

予約期間 開始 2021-11-17 00:00
締切 2021-11-18 23:59

出発日 2021-11-25

完成予定 2021-12-05

参加人数 3 / 8
●嵐の夜に。  とある漁村。  男たちは明かりを手に外へ出る。  叩きつけてくる雨粒で目の前がよく見えない。雨合羽が風をはらみ、ばたばた大きな音を立てる。 「ひどいしけだな」 「ああ。こりゃあ、今晩いっぱい続きそうだ」  港には漁船が繋いである。何かあったら大きな損害だ。波にさらわれないように、もやい綱をきっちり結び直しておこう。  そんなことを考えながら彼らは、通い慣れた道を走って行く。  秋も終わりの雨は冷たく、骨に染みてくる。体から白い湯気が上がる。  港が見えてきた。  ……何やら大きな塊が浮いている。  暗いので詳細が分からないが、毬のように膨らんで丸い。そして黒い。 「おい、なんだえ、ありゃあ――」  それは波にもまれるままに、右へ左へ揺れ動いている。その様子から見るに、どうも生きていないようだが……。 「おい、船にぶつかっちょるぞ」 「いかんな。なんとか港の外に出せんか」  男たちは長い棒を手に手に持ってきて、なるべく船に近寄らせまいと、苦心惨憺頑張った。 「えいくそ、向こうに行け!」 「こっちに来るな!」  しかし風も波もあまりにも強い。  おまけに黒い物はぶよぶよぬるぬるしていて、突いた棒がするりと外れてしまう。  そして……なんだか臭い。  そこに至って皆は、これはもしかして大きな魚か、トドか、セイウチか、そういったものの死骸ではないかと思い始めた。 「なにもここへ流れつかんでよさそうなものをなあ」 「えいくそ、どうしたらええだ」  口々に言い合っていたそのとき、誰かが名案を思いついた。 「ひとまず固定してしまうというのはどうじゃろ? 縄をつけたモリをあれにぶっさしてよ、そのへんの岩や木に端をくくりつけておけば、とりあえず船にぶつからんように出来るんじゃないか?」  なるほど。それはかなり有効そうだ。  ということで皆は家に引っ返し、モリと縄を取ってくる。  黒い塊目がけてそれを投げ付ける。  モリの幾つかが、黒い塊にずぶりと刺さった。 「よーし、うまくいったぞ!」 「引け引け!」  刺さったモリの綱を皆で引く。端をがっちり陸に繋ぎとめる。 「やれやれ、これで何とか、嵐が去るまで持つじゃろ」 「波が収まったら、改めて沖合へ捨てに行くことにしようじゃないか」 「そうだの。こんなものが港にあっては邪魔だし、第一匂いがひどいでな……」 ●翌朝。台風一過。  子供たちは昨晩親達から聞いた話を思い返しつつ、港へ駆けて行く。  いち早く問題の代物――黒くて丸い何か――を見たかったのだ。 「あ、あった!」 「うわあ、ほんとにくっせえなあ」 「なんだろ、これ……」 「でっかい魚が腐ったのだってよ」 「ほら、ヒレみたいなのがある」 「あ、ほんとだ」 「目はどこかな」  皆でわいわいやっているところへ、父親たちが来る。 「こりゃ、お前達離れい。これから捨てにいくのじゃから」  子供たちは散り散りに離れて行く。  といっても興味があるから、よそへ行ったりはしない。怒られないよう距離を取りつつ成り行きを見守る。  父親たちは塊を結び付けた綱を解き、それぞれの船の尻に結び直す。港の外へ引っ張って行くために。 「それにしても、ほんに臭いのう」 「鼻が曲がりそうじゃわ」 「何の魚かね」 「何でもいいさ。こんだけ痛んでたら、食えやしねえんだもの」  やいのやいの言いながら順調に事を進めていたそのとき――突然丸いものがクルッと動いた。  黒い体の両側についていた切れ込みが開く。  散々黄色く濁った魚の目。それが確かに動いた。自分の周りにいる人間を見た。  次の瞬間猛スピードで沖へ出て行く。繋がった小船を引き連れて。 「わ、わ、わ!?」 「大変だ、とっちゃんたち連れて行かれたー!」 「村に知らせないと!」  子供たちは全速力で来た道を戻って行く。助けを呼ぶために。  知らせを受けた村人たちは、これはただならぬ事と、学園へ救援要請を行った。 ●追いかけて。  【ガブ】、【ガル】、【ガオ】及び生徒達は、漁村の人々が仕立ててくれた小船に乗り、沖合に出ていた。正体不明な何かに連れ去られた人々を救助するために。  どこだ、どこだ、どこだ……。 「――おい、あれじゃないのか!」  見つけた。  大きな黒い魚がものすごい勢いで、小さな円を描き泳ぎ回っている。  くっついている4、5隻の船は当然のことながらもみくちゃ。乗っている人間は、今にも振り落とされそうだ。  ガブは首を傾げる。 「何してやがんだ、あいつ?」  それに対して別の生徒が言った。正確なところを。 「もしかして、人間を振り落とそうとしてるんじゃないか?」 「何のためにだよ」 「そりゃ……食うためじゃないか?」  ガブたちはもう一度黒い魚を見た。  腐敗して相当に色が変わっているが……なんだかようく見たら、あの生き物はもしかして……。 「オイ、あれフラッシャーじゃないか!? 腐り過ぎて真ん丸になってるけど!」  その指摘は確かに当たっていたようだ。なぜかと言うに黒い魚が、宙に浮いたから。  漁師が粘るので業を煮やしたらしい。今度は浮いてぐるぐるスピンし始める。何か飛びちった――どうやら腐った肉体の一部らしい。  これにはさすがに持ちこたえられず、6人ばかりの乗員がいっせいに船から弾き飛ばされた。
異世界に行ってみよう 春夏秋冬 GM

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 普通

報酬 通常

公開日 2021-11-15

予約期間 開始 2021-11-16 00:00
締切 2021-11-17 23:59

出発日 2021-11-24

完成予定 2021-12-04

参加人数 8 / 8
 小都市セントリア。  異世界転移の核となる特異点研究所を中核として、それを隠蔽するための複数の研究所からできた研究都市だ。  学園生達のお蔭で研究は進展しており、その成果が形になろうとしていた。 「完成です!」 「徹夜した甲斐がありましたー」  セントリア中央にあるドーム型研究所の中で、、研究所責任者【ハイド・ミラージュ】と異世界人である【メフィスト】は、他の研究員達と共に歓声を上げた。 「これでさらに実験が出来ますね!」 「向こう側からの物資も持って来れそうですしー、もっと実験しましょー」  若干ハイテンションになっているというか、マッドサイエンティストっぽくなっていた。 「とりあえずメフィストさんの世界と接続チャンネル繋げてますが、調整すれば他の世界にも繋げられるかもしれないですね」  目を輝かせながら、ハイドは『異世界転移門』を見詰めた。  外観は、ストーンサークルのような見た目をしている。  巨人であるサイクロプスから提供されたアダマント鋼の柱を同心円状に配置し、中央には異世界転移の核となる特異点の鏡を組み込んだ制御柱が、どーんっ! と建っている。  床を見れば、超高密度の術式が刻まれた魔法陣になっており、それにより異世界とこちらの世界を安全に繋げられるようになっていた。 「色んな世界の技術や理論と出会えるかもしれないのはワクワクします!」  今にも『異世界転移門』を発動させようとしているハイドに、メフィストが言った。 「理論上は可能でしょうけどー、下手するとヤッベーのがこの世界に来るかもしれませんしー、リミッターを外して運用するのは止めといた方が良いかもですねー」  メフィストの突っ込みに、ハイドは一瞬固まったあと応える。 「……まぁ、そうですね。手に負えない世界と繋がっちゃうとダメですし」  残念そうに言うが、紙一重の良識で踏み止まった。とはいえ―― 「安全を確保した上での実験は積極的にしていきたいですよね!」  根本が研究者なハイドは、実験そのものは、やる気満々だ。  これにメフィストは賛同する。 「実験は必要ですねー。現状だとー、せいぜい数分から1時間ぐらいしかー、人は転移できませんからねー」  縁が関係してますからねー、などと言ったあと、続けて言った。 「本格的に始動する前にー、学園生に協力して貰いましょー。何かアクシデントがあってもー、対応して貰えそうですしー」 「好いですね! それならついでに、この前と同じく製造したアイテムの実験にも協力して貰いましょう!」  そう言うとハイドは、符を数枚取り出す。 「これなんかは、ほぼ実用化できてますけど、他のはまだまだですし」  言いながら、打ち上げ用に設置していたテーブルに符を置いて、一部を破る。  その途端、美味しそうな料理が現れた。 「どこでも食符。出来立ての料理を封印して、いつでも自由に出せる。便利で良いですよね」  説明しながら、見た目だけでなく匂いも美味しい料理に、ハイドだけでなく他の研究員達も腹が鳴る。  ちなみに現れた料理は、学園の学食で正式採用された物を持って来たものだ。  甘鯛をメインにしたブイヤベースや、ムール貝やアサリにイカやエビを使ったパエリヤに、同じ食材を使ったピラフ。  食べられる花(エディブルフラワー)が彩りとして加えられ、目で見ても楽しめる。  他にも、枝豆を使ったコンソメスープや、魚の燻製と野菜を酢や柑橘の汁であえたマリネと、山菜やハーブのオイル漬けなどなど。  見ていて食欲がそそられる。  なので、寝食を惜しんで頑張っていた研究員達は、次々手を伸ばし食べていく。 「美味い」 「うめぇ」  ガツガツ食べる研究員に、自分の分を取られまいとハイドも手を伸ばす。 「はふ、もぐ――っごく。いやぁ、これ良いですよねー、便利で。他のもこれぐらい実現できてれば好かったですけど、資金面とか色々ありましたからね」  他にも実験的なアイテムは幾つもあったが、スポンサーの確保が出来ていた物だけが、実現が出来ているというわけだ。 「武器の方は、魔力や思考の受け取りを抑制できる機構が完成しないと難しいですし」 「そっちの方はー、私の世界から抑制機構に使える材料を持ってきますからー、どうにかできますよー。魔力探知機もー、使える材料が無いか見繕っておきましょー」  そう言うと、メフィストも料理争奪戦に加わるのだった。  などということがあった数日後。  ひとつの課題が出されました。  内容は、小都市セントリアでの実験に協力して欲しい、とのことです。  異世界に訪れたり、異世界の技術や材料を使ったアイテムの製造に力を貸して欲しいようです。  巧く協力すれば、きっと学園の力にもなる筈です。  皆さんの力を貸して下さい。
天使少女と黒猫のケットシー 七四六明 GM

ジャンル 日常

タイプ ショート

難易度 簡単

報酬 少し

公開日 2021-11-13

予約期間 開始 2021-11-14 00:00
締切 2021-11-15 23:59

出発日 2021-11-21

完成予定 2021-12-01

参加人数 2 / 4
 ケットシー。  一見すると、ただ一回り大きいだけの猫。  獣人族と妖精族の特徴を真似て作られた魔物ながら、昨今を賑わす歌姫然り、知ってか知らずか飼い猫にしている家も少なくない。  だから学園に迷い込んで来る猫ないし、探して欲しいと頼まれた猫がケットシーだった、なんて事も少なくはなくて。 「ん? あらまぁ」  ベンチで休んでいた【白尾・刃】(しらお じん)の前に、小さな女の子が歩いて来る。  若干人見知りをしてビクリと体を震わせたが、パパの同級生とわかって小さく会釈。誘われるまま、刃の隣に座る。 「パパはまたお仕事か?」 「うん。アリエッタ、おるすばん」 「そっかぁ、偉いなぁ。で、その子はどうしたん?」  ベンチに座った【アリエッタ】の膝に座るようにして、抱かれる猫が一瞥を配る。  ケットシーだと気付いたのはそのときで、刃は視線を交えて腹の内を探ったが、猫のフリを止めるつもりは無さそうで、すぐさまとんだ杞憂だと警戒を解いた。 「こぉてぇで、歩いてたの。アリエッタのとこ来て、ついて来るんだよ?」 「そっかぁ」  黒い毛並みは整えられている気配があるし、翡翠色の双眸も人に慣れていそう。  首輪など付けている訳ではなかったが、どこかで飼われている猫なんだろうなと察した。  時折配られる一瞥が、私を主の元へ返せと訴えているようで、勝手に想像しておいて勝手に生意気だなと思って、勝手にアリエッタに捕まったケットシーに対して、少しだけだがざまぁみろなんて思う刃は、ふと柱の上にあった時計を仰ぐ。 「しゃあない。女の子一人残して行く訳にもいかんし……報酬はシルフォンスから貰うとして……はぁ。そっちは、うちの問題か。なぁ、アリエッタ。その猫は、どこかの飼い猫かもしれん。一緒に、飼い主を探しに行くか?」 「……うん! 行く!」 「そぉかぁ。やっぱ偉いなぁ、アリエッタは。パパに似とるわぁ」  パパに似てる。  そう言われた少女は、嬉しそうにはにかんだ。  血縁関係はないし、彼女が勝手にパパと呼んでいるだけなのだが、それほど彼女の父は、あの不愛想な天使と似ているのか。それとも、純粋に彼に似ている事が嬉しいのか。  まぁ、彼女が可愛らしいことには違いないのだけれど。 「ほな、依頼出して助っ人を何人か呼んで来よか。アリエッタもおいで。人が集まるまで、ビスケットでも食べながら待ってよやないの」 「うん!」  まぁおそらく、このケットシーは放っておいたところで家族の元へ帰れるのだろうけれど、アリエッタが強く抱き締めている辺り、無理に引き離すと泣いてしまうかもしれない。  今はパパも、パパの相方であるカルマもいないので、泣かせたとなると困ってしまうし、そもそも泣かせる気なんてまるでない。  最悪、飼い主の元へはケットシーが勝手に帰るだろう。  後をついて歩くだけでもいいし、とにかくアリエッタが納得出来る別れ方がベストだ。そんなわけで、小さな天使とのケットシーの飼い主探しが、始まったのである。