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【水着】プールをきれいにして



ストーリー Story

 屋内特別闘技場『ブラーヴ・オブリージュ』、その一角に巨大なプールが設置された。
 そのプールには魔法石が組み込まれており、その魔法石が集約した光を元に、観客席から見える位置にある巨大魔法石上に水中の様子が投影される。水中での模擬戦を行う為の施設である。が、多くの生徒からの希望もあって、娯楽施設としても開放することになった。その矢先。
「何かに足を引っ張られたの」
 水着でプールを楽しんでいたある生徒が言う。
「泳いでいたら、急に身体が痺れて。溺れかけたんだ……あれは危なかった」
 またある生徒が被害を訴えた。水中模擬戦を行っていた時にはいずれもなかった話だ。大きな事故が起きる前にとすぐさま調査が行われた。
「そこで水棲の魔物『パラライシス・エフィラ』が潜んでいることが発覚したんだ」
 それと同時に、教材用の魔物が逃げていることも判明。このプールに逃げ込んでいるものと思われる。凶暴性は低いが、人を水底に引きずり込もうとする性質の魔物。模擬戦が実戦になるが、この際ちょうどいいとばかりにこれの捕獲、退治をすることになった。
 魔物は水に擬態しているのか、一見プールの水に異変は見受けられない。
「この魔物は警戒心が強く、武装をしていると姿を現さないようだ」
 特別な武装しないことが求められた。水着や、濡れても良い私服といったところだろう。武器も、あまり目立つものは避けるようにと。
「プールを破壊せずに捕獲もしくは退治するように」


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-07-25

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2020-08-04

登場人物 4/8 Characters
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《新入生》白峰・雪菜
 ルネサンス Lv10 / 勇者・英雄 Rank 1
「…ここは、どこ?」 「ユキには…あった…大事な思い出が…」 【読み方】シラミネ ユキナ 【愛称】ユキ 【種族】 ルネサンス(ホッキョクオオカミ) 【口調補正】 一人称;ユキ 大事なことをいうときは、倒置法を使う 文節ごとに止まる癖がある 【容姿】 ・色白の肌に白のロングヘアに赤色の瞳 ・狼のルネサンスのため、狼の耳と尻尾がある ・やや身長は小さめ ・常に布を身につけている ・常にアザラシのぬいぐるみを持ち歩いている ・腕に星のような痣がある 【性格】 ・とてもおとなしい ・若干おバカ、時折的はずれな返答をする ・手が届く範囲は守りたい ・甘いもので簡単に釣れる 【好きな物】 ・小動物 ・甘いもの ・ゲーム(チェス等) 【苦手な物】 ・苦いもの
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け

解説 Explan

●課題
プールに潜む水棲魔物『パラライシス・エフィラ』を捕獲もしくは退治すること。
プール内には20匹程度の潜んでいる模様。これを全て駆除することが目的です。
駆除漏れがあったり、プールが破壊されたら失敗となります。


●標的『パラライシス・エフィラ』について
水に擬態した魔物でクラゲのような形状。触手を操り、水流を引き起こす。また、触手には針があり、触れると状態異常:麻痺になります。無色透明だが魔力を浴びると淡く虹色を帯び、擬態を解くと白っぽい半透明になる。一体は手のひら大ですが、群れで生息し魔力に惹かれて集まる性質を持ちます。凶暴性は低めです。

●服装
水着着用は必須ではありません。が、重装備ですと標的が姿を隠してしまいます。
武器は破壊力のありすぎるものでなければ、持ち込みOKです。


作者コメント Comment
エピソードの閲覧ありがとうございます。
夏らしく水着イベントらしい水中バトルです。

捻りはありませんが、伸び伸びと戦って頂けるかと思います。
宜しくお願いします。


個人成績表 Report
ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:90 = 75全体 + 15個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
素潜り漁で沈殿してる個体や隠れている個体を探知しながら駆除を行う
片手弓は銛を突くようなイメージ【精密行動】【二連射】
GOゴーグルで目を保護して隠れた個体を探す
接敵時は【直刺し】で対処、不意打ちを食らわないように【危険察知】で警戒する。




チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:90 = 75全体 + 15個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
お風呂掃除すんのに、水抜かないでやるお人もいないでしょ。プール掃除も似たもんだろーし。
そんな感じで、とりま水ぬこーよ。外付けってならだけど。
でもプールの水栓大体外付けだろーし、大体外から弄れんでしょ?多分。
ゆっくり水抜いてく分には、クラゲが詰まることもないだろーし?そったらあとは干からびさせ待ちでしょ?

それはそれできーたり試したりするとして。
あのクラゲ、魔力に反応して寄ってき密集らしーから、ザコちゃんの【鉤爪ロープ】の根元に【魔力の実】ぶっ刺してプールの中にポイッとするね。
寄ってきたクラゲを鉤爪の先っぽで引っ掛けて、引っ張りあげる感じで。
クラゲ釣り的な。プールの深さ謎いけど、届くんじゃん?

白峰・雪菜 個人成績:

獲得経験:90 = 75全体 + 15個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■変じゃ…ない…?
ぬれたら嫌なため、学園指定の水着で参戦。
ただ恥ずかしいので、いつもの布を着用。
バケツなどの捕獲した後の容器を用意できるか交渉する。

■ぷるぷる…捕獲…
「虫取り網」を使い、【聞き耳/追跡/運動神経】で捕獲を試みる。
捕獲した敵は、用意ができれば容器に、できない場合は、プールサイドに置いておく。
攻撃を受けそうな場合は【やせーの勘/緊急回避】で回避を試みる。

捕獲した数は、きちんと数える。
数は、味方に共有を行う。

アドリブA

プラム・アーヴィング 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:210 = 75全体 + 135個別
獲得報酬:6750 = 2500全体 + 4250個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
触手プレイが楽しめると聞いて。
ま、[両手本]装備だし、もっぱらプールサイドで支援なんだが。

■支援
プールサイドで水中の仲間に対し、【デトル】で麻痺を解除する。
また先日の課題みたいに、【ウィズマ・アーダ】を【豪華な釣り竿】の先に発動させ、魔物をおびき寄せてヒューズらが叩きやすくする。

攻撃は【マドガトル/マド】で対処し、仲間が感電しなさそうであれば【プチラド】も撃ちたい処だな。
そも、プチ程度に感電する威力があるかは微妙だけども。

リザルト Result

 その日、屋内闘技場『ブラーヴ・オブリージュ』に集合した面々は各々仕度を整えていた。とにかく広いこの闘技場の一角には、やはりかなりの大きさを誇るプール。水棲の魔物ならば、きっとなかなかの棲み心地に違いない。ただ、棲みつかれ被害が出ている以上、放置もできないというもの。
「お風呂掃除すんのに、水抜かないでやるお人もいないでしょ。プール掃除も似たもんだろーし」
 今回の課題にどう取り組むか。準備をしながら、はじめに切り出したのは【チョウザ・コナミ】だ。彼女は分かりやすい例を挙げながら、世間話のように続ける。
「ゆっくり水抜いてく分には、クラゲが詰まることもないだろーし? そったらあとは干からびさせ待ちでしょ?」
 そう言って皆を見回すと、今度は【プラム・アーヴィング】がわざとらしい不服の言葉と共に引き継いだ。
「えー、それじゃ折角の触手プレイが……っていう冗談はおいといて。抜けたら抜いた方が早いし叩きやすいが、どうすか」
 今回授業の監督を務める教師に確認を取ると、自然と一同の視線が集まる。教師は口許に手を当て、ほんの少し考えるような仕草をしたがOKが出た。

 巨大なプールから水を少しずつ抜く、それは時間がかかることではある。ほんの少しずつ水面が下がっていくのを一同で見守っていたが、捕獲や討伐した『パラライシス・エフィラ』を入れる為の大きなバケツを用意していた【白峰・雪菜】(しらみね ゆきな)が不意にぽつりと口を開く。
「水、止まった……?」
 水位の下降はゆっくりではある筈だが、確かに下がっていっていた。しかし、それが幾ら待っても水位の変動が見られなくなったのだ。仕度を終えた【ヒューズ・トゥエルプ】が『GOゴーグル』を装着しながら一歩前に踏み出した。
「待つより確認した方が早い。栓のあたりを見てこよう」
 プールは巨大だが、水位が幾らか下がった分潜水は楽になっている。水に擬態したパラライシス・エフィラは一見どこにいるかは分からない。時折不自然に揺れる水がその存在を主張している程度。そして、設計図上プールの栓となる辺り水の揺れが不自然に見えるのが、離れたところからでも見えよう。
(水を抜かれたら困る魔物が水抜きを阻害しているのか……)
 そう理解したヒューズが一度水面に出ようとした時、不意に着用していた水着に何かが引っ掛かった。咄嗟にパラライシス・エフィラかと振り向き様に、矢を突き立てようとした。が。そこには何故か大量のパラライシス・エフィラ。
「!?」
 そしてその上の方には『ウィズマ・アーダ』を尖端に発動させた『豪華な釣り竿』の浮きがぷかぷかと浮かんでいる。その浮きに群がっていく個体のちょうど通り道になったらしい。
「おっと手が滑って豪華な釣り竿の浮きがァーッ!!! ヒューズの元にィーーー!!!!」
 そんななんとも演技がかったプラムの声が水中にまで聞こえてくる。だが、ツッコミすら今は後回しだ。矢を逆手に握り締めて『直刺し』にて一体に横一閃。続け様に下方の一体に刺突を繰り出し。攻撃を受けた個体はそれぞれ力尽きて、緩やかに水面に浮かび上がっていく。しかし、何しろ数が多い。一体ずつ始末していくのも、囲まれてしまっては分が悪い。とはいえ、泣き言を言っている暇もなし、鏃が次の個体を目掛けて一撃————しようというところで文字通りヒューズは釣り上げられた。水を滴り落ちさせているヒューズが、プラムの顔を睨むように見遣る。
「……ちょうど上がろうと思っていたんだ。感謝する」
 低い低い声が紡がれたが、プラムの表情は涼しいもの。
「そりゃ良かった。どういたしまして?」
「皮肉だぞ」
 間髪入れずに入ったヒューズのツッコミにもプラムは楽しそうに笑うばかり。ヒューズの方も言う程気にしていなさそうなわけだが。ともあれ、戯れも程々に濡れた髪を掻き上げながら皆に向き直る。
「あー、パラライシス・エフィラが水抜きを阻害しているみたいだ。素潜りで倒せるやつを倒しながら水抜きを邪魔しているやつを叩きにいく」
「私も、手伝う……ぷるぷる、捕獲する……」
 水着の上にいつもの布を纏い『虫取り網』を両手で握り締めて、雪菜が静かに意気込む。彼女の言うところのぷるぷるとはパラライシス・エフィラのことらしい。
「とりま、クラゲ釣りは出来そうな水位まで下がったし、OKっしょ」
 チョウザはマイペースに根元に『魔力の実』を刺した『鉤爪ロープ』を釣り竿代わりにプールサイドから釣りを始めた。魔力の実に誘き寄せられたパラライシス・エフィラを目指して、雪菜がプールに飛び込む。チョウザが集めて引き上げ切れなかった標的を器用に虫取り網で掬い上げてプールサイドにあるバケツへと投げ込んでいく。
「……3号……4号、と」

 さて、一方。改めてプールサイドで豪華な釣り竿の先に再びウィズマ・アーダを発動させたのはプラム。それをヒューズが横目で見ていたが、プラムがその視線に気が付くと目を瞬いた。
「さっきの、わざとだろ」
 プラムは笑って釣り糸をプールに投げた。
「ちゃんと助けただろ?」
 それを合図にしたように、ヒューズも水飛沫を上げながら再びプールに飛び込み、そのまま潜っていく。

 水のなかは、一見すると異変など感じさせない。闘技場の灯りが反射して揺らめき、周囲の音も水に遮断されてしまえば、酷く静か。しかし不意に水が不自然に揺れて、周囲に半透明の生き物が見えては消え。ウィズマ・アーダに惹き寄せられた個体たちだろう。『危険察知』によって向かってきた個体を探知、擬態が僅かに解けたそれへ『ハウンド・ドッグ』に番えた矢の鏃を向けて『二連射』を放つと、水圧を受けながらも的中。矢を受けた個体は擬態を解かれて、水面まで緩々と上昇したかと思うとぷかぷかと浮かんだ。それを雪菜が泳いでくる。水中では布まで泳ぐように靡かせながら、浮かんだパラライシス・エフィラを回収する。
「7号……」
 どことなくパラライシス・エフィラを見る彼女の目が、ご馳走を前にしているかのように輝いているような。そんなことをチョウザの頭を過った。

 さて、そうして互いの協力もあって討伐は順調に進んでいったが、次第に狩られる側も自分たちが危険な状況であるらしいことを察知するようになってきたらしい。明らかに彼等の動きが警戒したものに変わってくる。
「これちょいやばめかもー」
 動きが激しくなってきたパラライシス・エフィラに気が付いたチョウザが注意を促す。擬態を解いた個体も増えてきたが、大きくその傘を広げて無数ある触手を振り回す。水の中の動きは、やはり水棲の魔物である相手の方に分がある。ヒューズは迫りくる触手に矢を突き刺した。触手の先に針が覗いている。しかし触手はその一本ではなく、攻撃を受けた個体は容赦なく別の触手で狙いを定めてくる。
「勝手によけろよ!!」
 水面から撃ち込まれた衝撃弾がその個体を撃ち抜く。プラムの『マドガトル』だ。その一発だけでなく、数発。水中は気泡で溢れ、視界を遮る。その場を脱するにもちょうどいい目くらましになった。
(助かった……)
 そのまま、ヒューズは水抜きを阻害する個体の元へ急ぐ。その途中で雪菜も合流する。

 その一方、チョウザとプラムの釣り組はマイペース。浮きが沈んだ瞬間を逃さず釣り上げながらプラムがぼやくように口を開く。
「あーあ、俺も前衛コースだったら水中窒息触手プレイしたかったな……」
 戯れ混じりのそれにチョウザが即座に反応する。至極真面目な顔だ。
「え。気持ち悪くない? 知らない触手に身体まさぐられんの。不快感の煮凝り地獄みある」
「逆に知っている触手ってどんなだよ」
 プラムが笑み混じりに返す。浮きが一瞬沈んだが、手応えは弱くかからなかったらしい。肩を竦めた。その隣で、チョウザが一体釣り上げた。

 ところ変わってヒューズと雪菜の水中組。栓の傍にて水抜きを阻止しようとパラライシス・エフィラが数体群がっているらしい。らしいというのは、水に擬態したままの個体もいるからだ。そこへ近づきながら、ヒューズのハウンド・ドッグが矢を放つ。二射の内、一射的中。敵対行動に応ずるように魔物の方も動きが活発化する。針が微かに煌めく触手が激しく動き、巻きつこうとするところを『やせーの勘』と『緊急回避』を駆使して回避。虫取り網でヒューズの倒した個体を掬い、水面まで出てくるとプールサイドに向かって投げつけ。
「お願い、します……」
「はいはい、まっかせてー」
 プールサイドでは飛んできたそれを鉤爪ロープを一度置いたチョウザが器用に六角棒でバケツの中へと打ち込んだ。
「ほい、ナイスショーット」
 同じ種の魔物とはいえ、個体差はあるらしい。敵対行動を起こして向かってきてくれる分には対処のしようがあれど、凶暴性の低い種であるだけあり、逃げ隠れしてしまう個体もいるわけで。水中では矢の速度はどうしても減速してしまい、決め手に欠く。
(少し強引に行くか)
 ヒューズは意を決して、水に紛れて隠れているだろう付近へ向かっていく。当然それは逃げてしまうが、どうやらそれが最後の一体であるらしい。緩々とした水抜きが再開された。その証拠にプール内に水の流れが生まれる。その流れに反する水は、最後の個体が擬態している姿。ヒューズは手を伸ばして強引に掴む。水ではない感触が確かにあることを確認して、水面目指して一気に浮上。
「ッ!」
 そこへ敵も苦し紛れに触手の針が右手首を刺してきたので、咄嗟に生きたままプールサイドのプラムへと投げつけた。
「お前、まじかよ!」
 そう声を上げながらもプラムが咄嗟に『プチラド』を発動————見事クラゲの丸焦げとなった。それを見届けたヒューズが口の端を吊り上げ、そして……。
「ついでに『デトル』も頼む」
 麻痺した右手を掲げて見せた。

 結果、バケツに無事脱走した20体のパラライシス・エフィラが集まった。
「よくやった、お疲れ様」
 ヒューズと雪菜がプールサイドに戻ってきたタイミングで、一部始終を見ていた教師から労いの言葉がかかる。授業は終了ということで問題なさそうな雰囲気に皆安堵した。
「ね……これ、食べてもいい……?」
 変わらぬマイペースな様子で監視役の教師に問うのは、雪菜。目が点になった周囲の視線が集まったが、当人は特段気にもならないらしい。バケツに集められたパラライシス・エフィラの一体をそっと指先で数度つついている。
「美味しそうなのに、ね……」
 如何にも柔らかそうな円形状の傘のような部位は、その見た目の印象に違わず柔らかく、また弾力のある感触がなかなかに心地よい様子。
「美味しく調理できんなら、お疲れさん会とかどーよ。クラゲもどきだけってのもなんだから、あとはせんせーの奢りで」
 プラムは何の確認もなく言い出すと教師は渋そうな顔をした。それで食用とすることが少なくとも一般的ではないと察したヒューズが懸念を示すように眉間に皺を寄せて。捕獲したパラライシス・エフィラが入った大きなバケツを見下ろした。
「美味しく調理できるなら、な」




課題評価
課題経験:75
課題報酬:2500
【水着】プールをきれいにして
執筆:村雨 GM


《【水着】プールをきれいにして》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 白峰・雪菜 (No 1) 2020-07-20 20:16:51
プルプル…美味しそう…1匹…欲しいな…
食べるの…だめかな…だめ…だよね…

あ…ユキです…
プルプルは…網で…捕まえられるかな…?
それとも…攻撃…??
魔力…好きなら…なにか…罠…作るのも…いい…?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 2) 2020-07-20 22:07:58
スケベ案件と聞いて…は?違う?…どこが?王道じゃない?

とりあえず、麻痺は[デトル]で治療するつもりだぜ。
皆よろしこー。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 3) 2020-07-22 22:26:54
…てかさー。
お風呂掃除すんのに、汚れた浴槽の水そのままにはしないでしょ。
プールも同じくだろーし、先に水抜いちゃえばよくない?だめなの?
弄る水栓、ふつーは外付けでしょ?中からどやどやしなきゃとかなら泳げないから無理みだけど、
クラゲが詰まるからー、ってなら、クラゲから離れるよーに仕向ければいーんだろーし。抜き方緩めで。

とりまザコちゃん【魔力の実】1つか2つかあるし持ってくね。
魔力に反応するー、ってなら惹き付け寄せられでしょ。4つにでも切っといてポイ投げするか、釣り上げちゃう?
【ロープ】の先にでも括りつけて、引っかかったらざばー、ってして引き上げたら終わりでしょ。
どっちがし、水の中入る気もしないし?

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 4) 2020-07-22 22:31:55
(懐をがさがさ漁り)
…【鉤爪ロープ】に深めぶっ刺しが早いか。鉤先に引っかかりやすさありそーだし。
とりまザコちゃんそんな感じで水抜きと釣りやろっかなーって感じで。
水抜かれっと困るー、ってゆーしゃ様いっぱいなら考えっけど。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 5) 2020-07-22 22:36:20
黒幕・暗躍コースのヒューズだ。
よろしく頼むぜ。

各々のアプローチに異議はない。
俺は素潜り漁でやってみるんで、死にかけてたら助けてやってくれ。

《新入生》 白峰・雪菜 (No 6) 2020-07-24 00:08:01
購買で…網買えた…
ユキ…これで…掬う……
プルプル…捕獲……
頑張る……

えっと……よろしくね…?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 7) 2020-07-24 21:23:22
素潜り漁。

閃いた。