文字通りの意味で流れ着いてやってきた、異国の侠客。
用心棒や刺客、はたまた小間使いや芸子としてあらゆる手段で食い扶持を稼いできた苦労人。切った張ったの世界に居座り続けていた為か、思考が少々短絡的。 それだけに本来はそれなりの実力を持っていたが、エイーア大陸の魔物や勇者の戦技は祖国とは勝手が違うため、経験や知識から学び直し、自らの流れに取り入れている最中である。
元の世界では、『戮妓』と呼ばれる剣闘士のようなものをしていた。屈強な戦士や魔物を舞の如き動きで殺め、強さと美しさを見世物にする、絶望の時代ならではの卑賎な稼業である。だが、滅びを求めている魔族や権力者には強く支持されており、人気のある戮妓にはパトロンが付くこともあったという。 人気はあったものの、それ以上に悍ましき本性が勝っていたからか、彼女には誰も寄り付かなかったため、生活には結構苦労していたらしい。 また、過去の果し合いにより、左目の下に裂傷を負い、更に角をねじり折られた後遺症で枯れ木の枝のような醜い角が生えるようになってしまった。が、本人は名誉の負傷としている。 尚、今の名前はかつて愛用していた脇差から借りた偽名である。
話に聞いたエイーア大陸は、魔王の居城があるとされる場所の筈だった。人などが到底住める土地ではなかったとずっと信じていた。 ようやく大陸や学園での生活に慣れてきたものの、今度は平和ボケで腕が鈍りそうになることを恐れている。 また、同性でも自分より背の高い人が多く(というより元の世界の国ではこのくらいが平均だった)、少しだけ気後れしている。
油断すると稀に訛りが強く出てしまうらしい。非常に荒っぽくまるで喧嘩腰のように聞こえるため、極力出さないようにしている。(広島弁や播州弁に似ています。難しいと思いますので、用意された台詞以外はあまりリプレイに反映しないで大丈夫です)
『何だか、妙なとこに来たみたいじゃねえ』 『消えた後に地獄でも待っとるとしたら、そんなのでも救いになり得るのかのぅ?』 『そりゃ誰もが全て見えてりゃ苦労せんわい。目を逸らせるなら、都合のいいものしか見たくないじゃろ』 『えぐい化生共がぎょうさんと。あー邪魔くさいのぅ。わっち、せっせと帰にたい』
出身地:極東の島国 身長:五尺 体重:十貫(よりは少し重いらしい) 実年齢:数え年で二十二 好きなもの:粋な音楽、刃物 嫌いなもの:説教や小言 特技:剣舞、推察
読み:カヤフネ・コテツ
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歴史に“もしも”は禁句である。仮定から学ぶものはなく、仮定から歴史は変わらず、そして何の価値もないからである。
しかし、彼女が生きた時代は確かに存在したのである。無論それを証明する術はないが、彼女が抱く狂気を垣間見た時、彼女をこの世にあらざる人間であると思うことだろう。
それは、“太古の昔に魔王が勝利した”世界。 それは、勇者などおらず、魔族と修羅が跋扈する世界。 それは、現世の地獄。
:??暦2001年 ある名高き武家の側室の娘として生を受ける。 期待されていた男児ではなかったものの、慎ましいながらも極めて安全な日々を過ごしていた。 だが、正室の陰湿ないびりにずっと怯えていた。
:??暦2005年 “戮妓”であった母の指導により自らもその道を歩む。修業は極めて過酷で、幾度となく消滅の危機を乗り越えてきた。
:??暦2016年 皆伝の証として○と真剣で切り結び、○を殺める。そこに罪悪感も後悔も感慨すらなかった。
:同年 苛烈になる正室のいびりに耐えかねて家を飛び出し、無頼の徒として生きることを決意する。 死が隣り合う外の世界は過酷過ぎたが、初めて○以外の人間を斬った時、笑った。それは修羅の産声だった。
:??暦2020年 腹違いの姉である正室の娘が民間人を先導して国へ叛乱を企てる。 混迷する状況の中、外の国へ亡命を企てるが、海上で大嵐に見舞われて船が転覆してしまう。
気が付いた時には、このエイーア大陸に流れ着いていた。
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