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アクアスライムに関する清掃依頼


ストーリー Story

●水辺は清潔に!
 巨大学園『フトゥールム・スクエア』には敷地内に大きな水辺がいくつもある。
 当然、学校の美観は保たれるべきであり、各地には清掃を専門とする委員会もあるのだ。

「うふふ。今朝も麗しい湖ですこと! 箒でぱたぱたとお掃除してしまいますわよ!」
 水辺美化委員会の委員長は日課である朝の湖の掃除を張り切っていた。
「アヒルボートも雑巾でぴかぴかにしましょう! ……ふぅ、こんなもんでしょうか?」
 委員会の学生たちも楽しそうにボートの類を綺麗にふきふきしていた。

 しかし、そんな朝の平穏を脅かす事件が!!
「きゃああああああ!」
「おい、なんだ、こいつら!」
 水上でカヌーをこいで早朝デートしていたカップルがいたのだが……。
 ぷかぷかと泳ぐスライムたちに囲まれて、衝突して、カヌーがひっくり返った!
「ん? うおおお!」
「え? いやあああ!」
 浅瀬でゴミ拾いをしていた委員たちも泳いで来たスライムたちにつまづいて……。
 次から次と、水辺へ、どぼん、どぼん……!
「委員長、大変です! アクアスライムらしき害獣が現れました!」
 委員の報告を受けて、委員長は箒をぱたりと落としてしまった。
「あら? いけませんわね! わたくしは水上にいるカップルを助けますわ! あなたは他の委員たちや近隣にいる方たちを避難させて!」
「はい!」

●アクアスライムに関する清掃依頼
 その後、委員長や委員たちが必死に活動したお陰で、当面の被害は避けられた。
 湖は人払いがされて、各出入口には立入禁止の黄色い魔法結界が張り巡らされた。
 だが、問題が解決した訳ではない。
 大量発生したアクアスライムは今も我が物顔で湖を占領していることだろう。

「委員長、本当にどうしましょう? 私たちはお掃除のエキスパートの集まりであって、戦闘向きの者がこの中にはいません! 現に私も平穏な『村人』志望ですし……」
「そうねえ……。わたくしも戦闘はダメよねえ……。では、こうしませんか? 外部から臨時で戦力を調達してみては?」
「具体的には?」
「先日、他の委員会の方でも外部からアイデアを募って事が上手く処理されたそうね? この学園には人助けを率先する心が綺麗な方たちも多いのよ! 扶助の精神に溢れているお強い学生たちを募るのですわ!」
 臨時会議は満場一致で決まった。
 どうか、お強い皆さん、非力な水辺美化委員会の危機を救ってはくださらないだろうか?


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-05-09

難易度 普通 報酬 少し 完成予定 2019-05-19

登場人物 3/8 Characters
《新入生》クロード・クイントス
 ヒューマン Lv11 / 賢者・導師 Rank 1
色々と考えてから行動するタイプ。 あまり感情的にはならずニッコリ笑顔を心がけている。 でも顔は笑っていても眼は笑ってない。 厳格な家庭で育ったため人間関係に疲れて孤独を好み、自立するために家を飛び出し、秘めていた好奇心をさらけて放浪癖を患う。 ※アドリブ歓迎
《勇往邁進》リズリット・ソーラ
 カルマ Lv17 / 魔王・覇王 Rank 1
ぼんやりとした表情の記憶喪失のカルマ 男の子なのか女の子なのか自分でもわかってない 口調がとても特徴的 外見 ・黒色の髪に金の釣り目 ・短髪だが、横髪だけ長くそこだけウェーブ ・基本的に無表情 ・魔法陣は右手の甲と左足の太ももの内側 性格 ・基本的にぼんやりとしている ・自分が色々と物を知らないことは何となくわかっているので、色々と勉強したい。最近はとある演劇の課題を通じて物語作りに少し興味を持ち出している ・独特な口調の持ち主(所謂関西弁) ・時折「雑音がする」と元気がない時がある 好きなもの ともだち、きれいな音 嫌いなモノ 人形扱い、雑音、■■■■ 一人称「うち」時々、戦闘中気分が昂ると「ウチ」 二人称「きみ」 名前の呼び捨て
《新入生》ウェルカ・ラティエンヌ
 アークライト Lv15 / 王様・貴族 Rank 1
■身長:152cm ■実年齢:14歳 ■髪形:腰までのストレートロング ■容貌:ややたれ目気味の目元の、大人しそうな容貌の美少女 ■体型:身長は小柄ながら、バストやヒップはかなり大きく、非常に発育は良いが、ウェストや手足等は細めの、極端な体型 ■性格:基本的には内向的で大人しく、穏やかな性格だが、金銭面には非常に厳しく、利害が絡むと冷酷になる面も ■コンプレックス:桁違いに豊満な上、未だに発育途上の胸/[誕生日]の時点で、既に120cmに届くとのこと ■体質:体重が増えるときは、その殆どが胸に集まり、痩せるときは他から痩せるタイプ ■服装:背中の開いたドレス/色は特に決まっておらず、気分次第で変えている ■特技:経営・商売に関連する豊富な知識/一通りの礼儀作法/実は家事全般

解説 Explan

●目的
 この依頼は学園敷地内のとある水辺を占領しているアクアスライムを討伐するお話です。
 要は、スライムさんたちと殴り合って頂く純戦の害獣駆除です。

●勝利条件
・全部で60匹程度いるアクアスライムを全滅させる。
 備考:時間制限は、なし。

●敗北条件
・PCたちが全滅する。

●敵対NPC
 名称:アクアスライム
 数:目視できるだけでもざっと60匹。
 色:水色
 大きさや形態:直径60㎝から100㎝程度のボール状。水が詰まっているので重い。
 知能:低い。言葉は解せない。攻撃されるとすぐに反発する単純な性格。
 強さ:PCによるデフォルト攻撃1発で倒れる程度に弱い。
 攻撃手段:ぷよぷよと動いて近接打撃。水辺で泳いで近接打撃。水辺に引き込む。
 スキル:『分裂』や『合体』など特殊なスキルは一切なし。水に強いだけのスライム。
 属性:水
 備考:上記はPL情報ですが、PC情報として既知でもOKです。

 その他:水辺美化委員会のモブNPCたちは戦闘に参加しません。

●状況
・学園敷地内のとある湖と陸地が戦闘舞台です。湖の広さが円状の100m×100m程度(バトルマップ表記では『50マス四方』)です。陸の広さがその湖の円状を囲む感じで、さらに20m×20m程度の円状です。(つまり、今回の舞台は120m×120m『60マス四方』の範囲のうち、真ん中の100m×100mが水辺で、周辺の20m×20mが陸地です)

・湖の深さは、浅瀬が多いですが、深いところでも水深3mから5m程度です。なお、湖周辺は森になっています。

・湖にはカヌーやアヒルボートなどがあります。自由にご利用できます。

・湖近辺には他の学園関係者などや追加の魔物はいません。水辺美化委員会によって、既に人払いがされています。

・水辺の戦いですので、濡れることもあります。スクール水着とスクール海パンを無料で貸し出ししています。

・当日の天候は晴れです。


作者コメント Comment
 今回は、戦闘ものでの登場となります、夜神です。
 敵多数(でもザコ)の水上戦というやや大変なバトルになることでしょう。
 水辺で何が大変かって? 水着や服が、じゃなくて、バトルがですよ!!
 決していやらしいことを考えていない夜神でした!(一応これ、純戦の『戦闘』タグね!)


個人成績表 Report
クロード・クイントス 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
上半身は裸、水着を履いて上に学生ズボン裾まくり、矢筒を多数ベルトに吊るす

弓で距離を取ってスライムを駆逐
60~100cmと的としては十分な大きさ
皆と協力し、まずは陸地から見えているスライムを手前の奴から狩っていく
倒した数をカウントしながら狩る、皆で倒した分全てを数える
荒れる原因になったカウントだけどこっちを優先

舞台は120m四方なので弓の射程には問題なし
が、水中?にいるスライムは気付きにくいかも、おそらく狩りの最後には確認の為に湖の中央まで進まなければならないだろう

最後は確認のため口に矢を咥えてアヒルボートで湖上中央へ、見え次第射殺す
もしスライムに引き込まれたら咥えてる矢で技能:直刺しで倒す

リズリット・ソーラ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:156 = 52全体 + 104個別
獲得報酬:4800 = 1600全体 + 3200個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
スライム、めっちゃおるの?
ん、なら任せて。壊すのは、ちょびっと得意やから

水着を借りてできるだけ軽装に
怖いのは、引きずり込まれて溺れることやね
うち泳いだことないし…

まずは陸地で目視できるスライムを攻撃
できるだけ多く攻撃できるよう、鎌で薙ぎ払うように
固まって敵が存在している際は『死滅願望』から『切り落とし』
(発動時はなるべく陸地で)

目視できるスライムがいなくなれば湖を偵察
カヌーに乗る前に陸地から確認できる範囲で目視
櫂を借り、水面を叩くことでおびき出しを試みる
探したいので出来るだけ大きな音を立てるように
叩いたら出てこんかな…?びっくりして逃げられたらどないしよ…
水上に出た後も同じことを繰り返す

ウェルカ・ラティエンヌ 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
弱いとはお聞きしますが、[目視範囲で最低60体前後]という数の多い相手、当然それ以上居る可能性も考えておく必要が有りますわ。
気を引き締めて参りましょう。

(検討中)

大体、この様な作戦でしょうか。
濡れる可能性に備えて[水着]に着替えて、行動開始ですわ。

出来るだけ[広い範囲]を押さえられます様、[他の方と離れた場所]から始めることに致しますわ。
[時間制限]が無いということですから、途中で[まりょく]が不足しそうになりましたら、随時休憩を挟み、確実に実行して参りましょう。

一通り討伐を終えたら[カヌー]で[湖]を回り確認、時折[水面を叩く]等の方法で[囮]として[残る個体]を誘引、追加で討伐致しますわ。

リザルト Result

●水着♪
 水辺美化委員会からの呼びかけには三人の勇者候補生が集まった。
 水着シーンを挿入しながら、順番にご紹介しよう。

 男子更衣室……。
【クロード・クイントス】はいつもの制服を脱いで上半身が裸な上にスクール海パンをびしっと、履いている。だが、そのままでは恥ずかしいのか、いや、機能性を重視したのだろうか? 学生ズボンをさらに履き、裾をめくり、多数の矢筒をベルトに吊るして装備した。
(ふふ、今回の依頼は名を上げるチャンスかもね……。今日は弓無双しようかな)
 更衣室を出たら彼が一番乗りだった。そしてしばらくは待つのであった。
(女性やその他性別の子は着替えに時間がかかるものかな?)

 女子更衣室……。
【ウェルカ・ラティエンヌ】は今、とても困っていた。なぜなら……。
「うんしょ、うんしょ、ですわ……。お借りしたスクール水着がなかなか入りませんわ……」
 そう、特大サイズの彼女の胸やお尻に合う水着がなかなかなくて困っていたのだ。
 だがそこは、あらゆる人が通う魔法学園。ウェルカサイズのスクール水着も想定されていたのか、特大サイズ水着も何着かのスク水に紛れていたようだ。
 今度のは、ぎゅぎゅとすっぽり入ったら……水着の胸部が、ぶるん、ぶるん!
「ふう、なんとか入りましたわ……さて、急いで合流しましょう」

 性別が不明な人の為のその他更衣室……。
【リズリット・ソーラ】は自分で自分の性別がわからないようだ。
 そんなリズリットは一応、男性用海パンも女性用水着も借りたのだが……。
(うち……どっち着たらええんやろ? 面倒やな、すっぽんぽんでええやろ?)
 それ、規約的に問題が……、と言わんばかりに委員会の子達がストーップをかけに来た。
 説得されたリズリットはしぶしぶと両方、着ることにした。
(水着を着た上に、下は海パンも履いとるとは、面妖やな? ほんま、性別不明やし、これでええか)

●陸戦
 無事に着替え終えた三人が問題の湖まで着き、歩みを進めると……。
 アクアスライム5匹が陸地でたむろしていた。
「ん? 油断しとるな? ほな、もらったで!」
 リズリットは愛鎌を上段に構えて、水色のスライムめがけて飛びかかる!
 前衛は5対1の戦いになり、リズリットがさっそく1匹屠るが、隙も生じる。
「ほら、そこ!」
 クロードは最後尾の後衛から素早く矢を射る。水色の大きな的は矢が突き刺さると同時にびしゃっ、と水音を立てて崩れ落ちる。
 前衛が後衛の助けを借りていても手数という意味では対応に隙ができる。
 リズリットが他のスライムと戦闘している脇から、別のスライムがひょっこりと抜ける。
「させませんわ!」
 ウェルカは中衛だ。リズリットやクロードが撃ち漏らしたスライムを個別撃破する役である。絶妙な鞭さばきを駆使して水色のスライムを破裂させて屠る。
 だが、時にスライムからの反撃も受ける。
 ぽよよおおん、ぽよよよおん♪
「きゃあああ!」
 水着越しだが上半身や下半身にも大きなスライム達を忍ばせているウェルカは、アクアスライムから仲間だと思われて、ぽよぽよと歓迎されたとか、されなかったとか……。

 前哨戦とも言えるエンカウントは勇者候補生達の勝利だ。
 しかし、敵は水辺の上に、中に、まだまだいる。
 ウェルカは敵勢をざっと見渡し、味方に問いかける。
「アクアスライムは弱いとお聞きしますが、目視した範囲でもあと50匹前後は、いるのでしょうか? 当然、それ以上いる可能性も考えておく必要がありますわ。気を引き締めて参りましょう」
 クロードも目を細めて敵勢を観察し、頷く。
「皆で協力して、まずは陸地から見えているスライム達を狩って行こうか? 『敵の全滅』が委員会からの達成条件だし、各自、倒した数は、カウントしながら狩るのはどうかな?」
 リズリットも数がいるという意味で強そうな敵勢を前に上機嫌だ。
「ほんま、スライム、めっちゃおるの? ん、了解な。任せて。壊すのは、ちょびっと得意やから」
 三人で合意が取れると、陣形を組み直す。
 クロードは引き続き、後衛に位置取り、陸地から次々と矢を湖に向かって射る!
 矢はアクアスライムにヒットすると破裂し、ヒットしなくても水面に落下して水しぶきが上がり、挑発としては上出来だ。
(敵勢はここまで手出しができないね? 遠距離から狩って行けばソロでも行けたかな?)
 一方、ウェルカも今度は後衛に回るが、やや距離を空けた別の角度から魔法を詠唱する。赤い魔法陣から生成された火炎玉は湖上のアクアスライムに向かって続々とかっ飛んで行く! ヒットすればスライムが燃え上がり、外しても湖に火炎がざぶんと波紋を広げる。こちらも挑発に拍車をかけた。
(攻撃されるとすぐ反発する単純な性格な上に近接攻撃しかできないスライムだと聞いておりますわ。仲間が倒されるか、攻撃されれば、きっと近づいて来るはずですわ……)
 遠方からの挑発的な矢の嵐と火炎玉の爆撃をたっぷり浴びて、アクアスライムはご立腹だ。ざばああああああ、ぞろぞろぞろ……。続々とスライム共が陸地に集結するではないか! もちろん、にっくき狙撃手達を仄暗い水の底に落とす為に!
 だが、スライム達が狙撃手二人を即座に倒すことはなかった。
 なぜなら、大きな鎌を振りかぶっている前衛のカルマが猛烈な勢いで次々と奴らを屠るからだ!
(ぶううううんって、妙なノイズが聞こえるで……)
「うぐぐ……、うわあああああ!」
 多数の敵に囲まれたリズリットは、己の存在すらも死滅させるほどの激しい衝動が全身に走り巡る。
(きゃはははは!って……けたたましい笑い声が頭に響くで……)
「うるさい、うるさい、うるさい!!」
 そして、幻聴に反抗しながらも、支離滅裂な勢いで、敵勢をめった斬りにする。決死の勢いで突撃しているリズリットの表情には、どこか安堵感すら漂っていた。
 この猛攻に一瞬、はっと気を奪われていたクロードとウェルカだが……。
「お、なかなかやるね? おっと、自分も支援しないと……」
 気を取り直したクロードは射撃でリズリットの援護に入る。
 死角にいたスライムが撃たれ、弾ける。
「素晴らしい勢いですが、スライム側もさらに攻めて来ますわ。私も助けに入りましょう」
 ウェルカも即座に気持ちを切り替えると熾烈な鞭さばきで撃ち漏らしにとどめを刺す。
 やがては陸地にいるスライムを全滅させた。もはや、目視できる限りでスライムは1匹もいない。いや、水面下に隠れているのだ、見えていないだけなのだ、奴らは……。

●水上戦
 敵勢が一度退いているということもあり、三人は休憩をはさむことにした。
 どうやら、現時点で合計55匹は倒したようだ。
 ちなみにリズリットは大暴れしていた影響もありうろ覚えだったが、その分、クロードが後方から全員分カウントしていた。
 さて、委員会の報告では『60匹程度いる』とのことだが。
「まだまだ水中にいると覚悟しておいた方が良いだろうね。狩りの仕上げとして、確認の為に湖の中まで進むのはどうかな? 自分はアヒルボートで湖中央まで行ってみるつもりだけれど」
 クロードの提案にリズリットが頷く。
「せやな、確認も大事や。うちもカヌーで周辺を巡ってみるねん。水面を叩けば、まだ出て来るかもしれへんな?」
 ウェルカも基本的に賛成しているが、別案を出す。
「では、私は援護に回りましょう。お二人の後方にてカヌーで巡回していますが、もし何か問題がありましたら先ほどみたいに後方支援致しますわ」
 作戦が決まり、各自、アヒルボートやカヌーで敵地の湖に挑む……。

 クロードがアヒルボートのペダルをコキコキと漕いで行く。
 水上のアヒルさんはぷかぷかと浮かびながら優雅に湖中央へ向かう。
 クロードは鍛えた視覚や観察力を活かして水面を警戒するが……。
(ふう、ここまでは、何もなし、か……。だが、そろそろ来てもおかしくは……)
 彼の意識が『ない』と言い切るその寸前。
 ざぱあああああああん!
 水面下に隠れていたアクアスライム達が一気に襲い掛かる!
 クロードはアヒルボートごと、真っ逆さまにひっくり返った!
 彼はひっくり返る瞬間、ニッコリと笑う。
(ふ、それがどうしたアクアスライム? それぐらい計算済みなんだよね?)
 クロードは綺麗なフォームでひらひら泳ぎ、ものの数秒で水上に顔を出す。
 そして、顔を出すと同時に、手に持っている鋭利な矢の先端をスライムに直にぶっ刺した。
 直に刺された1匹は破裂して沈むが、別のスライムもかかってくる。
「ははん、あはい!(ははは、甘い!)」
 クロードはもごもご言いながら口に咥えている矢を手元に持ち替え、また直接的に刺し殺す!
 刺されたアクアスライムは潰れて沈んで行った。
(ひとまず2匹。敵に地の利がある場所で戦い続けるのも得策ではないね? 一度、逃げよう)
 口元に矢を咥えて犬かきで逃げるクロードを滑らかな泳ぎで追うアクアスライム……。
 当然、追いつかれるが……。
(ほら、おまけ!)
 ぐさ、ぐさ!!
 クロードはもう2匹のスライムを刺殺して、何とか岸まで逃げ切った。

 クロードが湖中央にいる頃、リズリットはカヌーで周辺を巡回していた。時折、櫂(かい)で水面を叩くが、結果は振るわない。もしかしたら、もうアクアスライムはいないのでは?
 リズリットから少し離れた後方でウェルカも警戒しているが、なかなか残敵は現れない。
「こっちにはもうおらへんな? ほな……」
 別の所を巡回してみるで? と言葉が続く前に……。
 ざぱあああああああん!
 アクアスライム登場、リズリットのカヌーがひっくり返る。
「うわわわ、たすけ、て……!」
 リズリットは泳いだことがないらしく、じたばたと慌てて暴れる。
 ウェルカもすぐに助けに出たいものの、敵勢は3匹いる。
(何となく予想はしていましたが、まずいですわ……。ここは一度、落ち着きまして……)
 ウェルカは即座に詠唱を決め、火炎玉を生成、放射する!
 後方のカヌーから火炎玉がぶっ飛んで来るとアクアスライムの1匹を焼き殺した。
 2匹がかりでリズリットを水底へ引きずれようと必死になっているスライム達は注意力を奪われる。
 そう、今、仲間がやられたのだ、倒すべき敵は、あの女だ、と。
 アクアスライム2匹はゆらゆらと泳ぎ、ウェルカに迫る。
 ウェルカもその場から再び火炎玉を放ち、1匹の突入を相殺して屠る。
 最後の1匹が彼女の間近に迫り……。
「きゃあああ!」
 カヌーがひっくり返り、ウェルカが水面下へ叩き落とされた。
 彼女の『まりょく』はそろそろ尽きそうだ。
 生存すら危惧されるが……。
「さっきのお礼やで!」
 リズリットが大鎌を振りかぶり、上空から降って来て、アクアスライムを切り落とした。
 リズリットは溺れている最中、ある瞬間、あることに閃いた。
 泳げなくても、ひっくり返っているカヌーの上に乗ったらええのでは?
 せや、うち、運動神経良かったし、跳躍力もあるやん?
 その辺のカヌーやアヒルボートとかでぴょんぴょん飛んだらどうや?
 ええい、飛んで行くで!
 と、いう感じで寸での所、ぎりぎり追いついたのであった。

●解決
 アクアスライムの討伐が一通り終わったようで、三人は数合わせをした。
 水上戦以前での陸戦で倒した数が55匹。
「自分は、先ほどの水上戦で4匹倒したね」
 と、クロードの報告。
「私は、水上戦では2匹倒しましたわ」
 ウェルカも続いて報告。
「うちは1匹だけやけど、仕留めたで」
 リズリットも最後に報告。
 新しく倒したアクアスライムが7匹であり、合計62匹を倒した。
 委員会の報告によれば『60匹程度』とのことだったが、2匹余分にいたようだ。
 戦闘ではだいぶ疲弊した三人だったが、念の為、また湖上に出た。
 今度は安全を優先して、クロードとリズリットが同じカヌーに乗って湖上を回る。
『まりょく』をほとんど使い切ったウェルカは消耗が厳しく陸地で待機になった。
 その結果、今度こそアクアスライムの全滅が確認できた。

 翌日、三人は水辺美化委員会の委員室を訪れた。
 クロードが委員長に対して助言したいことがあるそうなのだ。
「アクアスライムが大量発生したのには原因があるはずだよ。だから、まだ安心しないでね。原因を調査する必要があるからね。もし何かまた問題が出たら教えて欲しい。本当の解決は……まだ先だよ」
 アフターケアも万全とニッコリ微笑むクロードの横でリズリットもせやせや、と相槌を打つ。
「また何か出たら、うちもまた対処するで。強敵と戦うのはうちの仕事みたいなもんやし」
 委員会の者達が感謝しつつも、ため息をつくと、とある人物がやって来た。
「すみません、スライム研究委員会の者ですが……」
 事情を聴くと、今回の騒ぎは彼らが実験していたスライム達に逃げられたのが原因だったらしい……。逃げられた上に仲間まで呼ばれていたという……。
 険悪なムードになりそうな所、ウェルカが助け船を出す。
「では、お互いに納得が行くまで話し合いをしてはいかがでしょうか? 調停人の役は私が受け持ちますわ」
 説得、会話術、人心掌握学に長けるウェルカが間に入っては、どちらも下手に争えまい。
 アクアスライムに関する清掃依頼は、スライムの全滅をもってさっぱりと終わった。
 アフターケアもこの分だと、お互いにさっぱりと終われることだろう。

 了



課題評価
課題経験:52
課題報酬:1600
アクアスライムに関する清掃依頼
執筆: GM


《アクアスライムに関する清掃依頼》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 クロード・クイントス (No 1) 2019-05-05 12:11:26
現在参加者は自分1人か、まあいいや。

流石に1人でスライム60匹は厳しいが折角の賢者・導師専攻なんだし、ここは挑んで腕と名を上げるチャンスと見よう。

《勇往邁進》 リズリット・ソーラ (No 2) 2019-05-06 22:06:04
ええと、魔王・覇王コースの、カルマのリズリット。よろしゅうに
60って、数だけ見たら多いけど、すぐ倒せるんやっけ?
まとめて倒すのがええんかな…?んん、がんばる(こくり

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 3) 2019-05-06 22:39:51
初めまして、若しくはご機嫌良う。
王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。
宜しくお願い致しますわ。

[時間制限が無い]とのことですから、私は一先ず、この様な流れで動く予定ですわ。

1:[湖の外]から【プチヒド】で1体落とす
2:近づいて[湖の外]に出てきた[アクアスライム]を迎撃/[攻撃されるとすぐに反発する単純な性格]&[近接攻撃しかない]為
3:[近づいてくる相手]が居なくなったら岸沿いに移動し、[1~2]を繰り返す
4:[狙える距離]に相手が居なくなったら[浅瀬]に入り対応
5:最後に[カヌー]で回り[見落とした相手]に対応

後は、[相手が弱いが多い][味方の手数が少ない]という点を踏まえ、出来るだけ[広い範囲]をおさえられる様、[他の参加者と重ならない位置に配置]としておきますわね。
その他、何か[協力出来ること]等御座いましたら、仰って下さいませ。

《新入生》 クロード・クイントス (No 4) 2019-05-07 06:28:23
自分は弓で地味に射殺すつもりです。
見えていれば射程には問題ないので。

あえて問題があるとすれば60匹ほどいるので討ち漏らしが出るかもしれない事かな、各自カウントはした方が良いかもしれませんね。

あと、最後に全てのスライムを排除出来たかどうか湖の中央まで確認しにいくよ、アヒルボートで。
これってスワンボートじゃないのね、黄色に塗ってアヒルボートだとか?まあいっか。

余談ついでにメタだけどディスメ…ミズガルズ地方でも湖にスライムが大量発生した事件があったね、もう鉄板ネタなのかお約束ネタなのか。
もうこれから先も湖の話が出てきたらスライム大量発生事件が発生してもいいね、それもMS毎に。
それが例えウーパールーパーでも殲滅するし(ニッコリ)

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 5) 2019-05-07 16:25:58
>討ち漏らし対策
[相手の正確な数]が解りませんから、[カウント]は微妙なところではないかと思いますわ。
[カウント数が明らかに少ない]等であれば意味が有用ですが、「カウント:60体」「実際の敵数:62体」等の場合は、解りませんので。
ですので、[一見討伐が完了した後の最終確認]の方をしっかりと、という形の方が良い気がしますわね。

>アヒルボート
……私も、最初[スワンボート]かと思いましたわ。
おそらく、クロード様の仰る内容では無いかと思いますわね。
最後の[確認]に回る際に、[カヌー]と何方を使うか、迷うところですわ。

>スライム大量発生事件
色々と種類も居そうですわね。
今回、わざわざ[『分裂』や『合体』など特殊なスキルは一切なし]と書かれている、ということは[そういう能力を持ったスライムもいる]ということでしょうし、[酸]や[毒]みたいな、危険度の高いスライムも居そうですわ。

《勇往邁進》 リズリット・ソーラ (No 6) 2019-05-07 18:30:30
>討ち漏らし
きちんと数えられたらええけど、ウチはすっぽ抜けそう…
「程度」って微妙な言い方してるのも気になるし
攻撃されると反発するんやったら、あぶり出しにこう、水面を叩くとか…
それやったら櫂があるカヌーの方がええかもよ…あ、でも別に櫂である必要もない?
(うーんうーんと悩んでいる)

《新入生》 クロード・クイントス (No 7) 2019-05-07 18:37:43
>[一見討伐が完了した後の最終確認]
例えば50匹倒して10匹以上残ってる状態でボートで湖に出たら流石にこちら側の全滅もあるんじゃないかな?
残ってる数によってはおびき寄せて倒す事になるだろう、でもそれは数を把握した上での話しだし。
確認をちゃんとしないのは失敗のフラグだと思うよ。

まあ確認はこちらでやっておくので、よろしくどうぞ。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 8) 2019-05-07 19:13:09
>カウント
はい、それはその通りだと思いますわ。
問題は、相手の数が[目視できるだけでもざっと60匹]であり、[60匹程度]とは判明していない、ということですわね。
ですので、[60匹程倒したからあとは確認]→[まだ10匹以上残っていた]も十分に有り得ると思いますわ。
([目的]の[全部で60匹程度]は、書き方から[PL情報]と思われますので、何か[確実に60匹前後しかいないという落とし込み]が行えない限り、[私達は確信を持てないもの]として動く必要が有ると思いますわ)

ただ、仰る通り[相手の数が多い段階で、水上に出る]のは避けた方が良いのは間違いないですわ。
ですので、[多くの敵が残っていることが確認出来たら即撤退、おびき出しに戻る]と記載しておきますわね。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 9) 2019-05-07 20:35:31
と、少々自分で説明不足と思える部分が有りましたので、追記させていただきますわね。

「●敵対NPC」の項目にある[備考:上記はPL情報ですが、PC情報として既知でもOKです]という記述は、該当項目内にある[アクアスライムについての情報]はそういう扱いをしてよい、という意味と思われますわ。
その上で、「その項目」に書かれている内容が「目視できるだけで~」ですので、「特別な落とし込みなしで確定出来るのはここまで」という意味と解釈しておりますわね。

ですので、「カウント」に関しては、上記の「更に多くのスライムが隠れている可能性」を踏まえますと、『有用だし賛成では有るが、それだけでの対応では確実性が薄く、それに加えて[より多くの相手]が隠れていた場合に備えた手が必要』という解釈ですわ。
その為、先程の[多くの敵が残っていることが確認出来たら即撤退、おびき出しに戻る]という形を追加することで、『[情報]以上の相手が居た場合にも対応出来る様になる可能性が高い』ということですわね。


>水面叩き
或る程度近くに居れば、引っ張り出すには有効だと思いますわ。
離れている場合に、それを「攻撃」とみなしてくれるかどうかは微妙、かもしれませんわね。

《新入生》 クロード・クイントス (No 10) 2019-05-08 08:31:45
認識の違いだね。
隠れていた、じゃなくて隠れるって事。

>数:目視できるだけでもざっと60匹。

とあるので、自分はこれを、
”目視できるだけで~”という事は目視できない個体もいる?
ならばこれは目視できているスライムも目視できなくなる(隠れる)事がある、という風に考えた。

目視以外に確認手段はないからさ、「50匹倒して10匹以上残ってる」と書いたけど、これは戦闘中に10匹隠れて倒せてないと言う意味。



さて、君が総数の話をしているというのは良く分ったよ。
だからもう返信しなくていいよ、君の言いたい事は理解した。
私が何を書いているのか意味が分らなくてもやっぱり返信しなくていいよ、アクションはちゃんと取ってるから。
そしてこちらもこれ以上返信はしないし今後も控えた方がよいかな、お互いの為にね(ニッコリ)

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 11) 2019-05-08 15:07:06
成程、確かにこれ以上お話しするのは、お互いの為に良くありませんわね。
それでは、返信は控えさせていただきますわ。
代わりにですが、リズリット様や、今後飛び込みで来られる方が居る可能性に備えた内容は有った方が良いと思われますので、此方の[独り言]を発言させていただきますわね。

■独り言
まず、[スライムが隠れる可能性]については、思考過程は「[色:水色]という事は保護色になりうる」→「見失う可能性も有る」→「意図的に利用される可能性も有る?」と、流れは異なりますが、此方も検討しておりましたわね。

その上で、[見失う][隠れる][伏兵]の全てのパターンは「[表面的な対処を終えた時点で、相手がまだ潜んでいる可能性]への対処」という形で統合可能ですわ。
であれば、形としてはその場合の[対応策]に重点を置いた上で、「上記のどのケースを優先的に警戒するか」という事になりますわね。

この場合、[発生率が高い]のは、[見失う]可能性と並行して発生しうる[隠れられる]形、[発生した際の脅威度が高い]のは、敵戦力が想定より高くなる[伏兵]のパターンですわ。
あとは、それぞれが[何方を重く見るか]で考えればよいと思いますわね。