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ゲンダイニホンという魔境


ストーリー Story

 高くそびえる摩天楼。
 天までも飲み込もうと高く、高く積みあがったそれらは、大空を隠す。
 見上げた彼らの足元には、土より硬い地面がある。
 『道路』というそうだ。『アスファルト』という素材で作られた道路は、普段の地面より硬く、均一に均されている。
 道路には見たこともない馬車が走り、轟音を合奏する。
 馬車には本来いるべき馬がいない。それなのに、馬車よりももっと重そうな鉄の塊が、もっと速く走っている。
 魔法は一切使われていない。
 最早、ここは別世界だった。
「ここが、『ゲンダイニホン』……!」

 発端は、学園に持ち込まれた石だった。
「これは、魔法石ですか?」
 見た目は赤色の魔法石のようなもの。
 しかし、受付職員【ウケツ・ケ】は首を振る。
「はい。しかし、これは魔物でもあるんです」
 ざっ。一斉に構えを取ってしまうのも仕方のないことと言えよう。
 そんな生徒らに、ウケツは落ち着くようジェスチャーをする。
「これは魔物ではありますが、正しくはこの石は魔物ではありません」
 何かの哲学だろうか。
 ウケツは彼らに説明する。
「この魔物は、『マキョー』。魔法石に寄生をし、その内部に魔境を作る魔物です」
「この魔法石は、魔法を使うことはできるんですか?」
「いいえ。現在はマキョーに寄生をされているため、本来の使い方はできません」
 じっと見ていたひとりが、壊せばいいのでは? と案を出す。
 ウケツは『やってみますか?』と石を手渡す。
「え、かた、硬い!」
 大ハンマーで殴ってみても、その魔法石は割れない。
 ウケツは頷いた。
「マキョーが寄生している間は、魔法石はどんなものに対しても硬く、壊れないようになります」
「破壊は無理と言うことですね」
 納得した生徒は、一度引き下がる。
「なら、魔法石をマキョーに寄生させたままで、保管すると言うのはどうですか」
 別の生徒が案を上げる。
 ウケツは首を振る。
「それも、できないんです。そもそも、マキョーが魔法石に寄生するのは、仲間を増やすためなんです」
「繁殖、ですか?」
「分かりません。繁殖なのか細胞分裂なのか、あるいは魔法石の魔力で増えているのか、何も」
 ただ、とウケツは続ける。
「時間が経つと、魔法石は粉々に砕かれ、マキョーが増えていきます。現実世界に現れたマキョーは強く、倒すには少々厄介な相手になります」
「では、なにをすれば?」
 ウケツのメガネがきらりと光る。
「みなさんには、この魔法石の中に入ってもらいます」
「できるんですか、そんなこと」
「はい、できます。魔法石に手を触れた状態で、中に入りたいと念じるだけで入ることができます」
 みなさんには。ウケツが続けた言葉には、この場の誰もが目を見張る。
「この中の魔境に入っていただき、魔境の生活を模倣しながら、中にいるマキョーを討伐していただきたいと思います」
 魔境の名前は『ゲンダイニホン』。
 魔法の無い、『カガク』という力を借りて人々が生活をしている、魔境である。
「入ってからの注意事項をいくつか。まず、服装は、どういうわけかその生活に合ったものになるようです」
 その服装から、どういった役割で動くべきかを考察し、その通りに動くこと。
「別に、探すだけなんだから、模倣はしなくていいと思うのですが」
「いえ、模倣をしてください。というのも、マキョーはその魔境に合った動きをしている人は放置しますが、そうでない人は異物とみなし、魔法石から追い出してしまうんです」
 追い出された人は、その魔法石の中にはもう入れないという。
「検証したのは私です。私は一度追い出され、それ以降この魔法石には入ることができませんでした」
「怪我はありませんでしたか?」
 心配する生徒に、ウケツは大丈夫、と言って笑う。
「ですので、みなさんは模倣をしてもらいつつ、マキョーを探して討伐をお願いします。また、この魔境では魔法が使えません。中にいるマキョー自体はそこまで強くなく、みなさんが殴ったり蹴ったりすれば討伐できるほどには弱いです」
「魔法が使えなくても倒せるということですね。……マキョーの姿かたちは分かっていますか?」
 ウケツは言い辛そうに口ごもる。
 なにか、悪いことを伝えたいような、そんな雰囲気が伝わってくる。
「マキョーは、見る人によって姿が変わります」
「その人の深層心理とか、そんな感じでしょうか」
 いいえ。首を振ったウケツはやや下方向に目を伏せる。
「マキョーは、マキョーを見た人の姿に見えます」
「……え?」
「つまり、マキョーは魔境『ゲンダイニホン』で生活をしている、あなたたちの姿に見えます」
 パラレルワールド、でしょうか。
 自信なさげに伝えるウケツ。
 その表現は、なかなか的を射ていると思う。
「私が検証のために入った時には、マキョーはまだ一体だけだったと思います。ですが、時間が経った今では、増えている可能性もあります。くれぐれも、お気をつけて討伐をお願いします」


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 5日 出発日 2020-04-29

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2020-05-09

登場人物 8/8 Characters
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《神(仮)》ゼクト・ゴッドマイヤー
 アークライト Lv13 / 教祖・聖職 Rank 1
【外見】 超絶美形のお兄さん 藍色の髪にウェーブセミロング 両目共に青 右目の下に泣きぼくろがある 細マッチョな理由は神だから鍛えないと皆の願いが叶えられないから 【性格】 自分のこの美貌、最早神だと思ってる 偉そうでナルシスト だけど皆の幸せを常に考えている 争いも嫌い 自分は神だから下々の願いを聞いて叶えてあげる義務があると思い込んでる 自分を信仰してくれる人達にひたすら優しい あと声がでかくオーバーリアクション気味でよく劇団の人に間違えられる 【入学理由】 教祖を履き違えており、教祖というか神になりたがってる 自分の「ゼクト教」の教えを説く為に日々奔走中 ちなみにゼクト教の教えは 1、皆仲良く 2、楽しく 3、自分を崇めて だけである。 『背後理由』 神になれそうな美貌もあり、力も恐らく手にいれた(アークライトになれたから)後は信仰してもらい、自分が死ぬ事で神としての自分を全うできると考えている。 その為にも教祖としての勉強が必要だった。 ※アドリブ絡み大歓迎!
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《人たらし》七枷・陣
 ヒューマン Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
異世界:情報旅団テストピアという所に住んでいたが、とある仕事の最中に、この世界に強制転移してしまった。 普段は一人称おじさん。真面目、シリアスな場合はオレ。 本来は50手前のアラフィフおじさんだが、何故か30歳以上若返ってしまった。強制転移した経緯が原因と思われるが真偽は不明。 普段はいかに自分の得意分野だけで楽出来ないかを考えているダメ親父的な人間。 自分や同行する仲間が危機に陥ると気合いを入れて打開しようと真面目モードに。 厄介事に巻き込まれるのは嫌い。お金にならない厄介事はもっと嫌い。でも一度関わってしまったら何だかんだ文句言いながら根気よく取り組む。 やれば出来る人。でも基本ダメ人間。 恋愛事は興味をあまり示さない枯れ気味な人。超若返っても現状は変わらず。 どうにかして元の世界へ戻る為、フトゥールム・スクエアに入学。 転送、転移関係の魔法や装置を徹底的に調べる事が目下の目標。 魔法系の適性があったらしいので、雷系を集中的に伸ばしたいと思っている。自前で転移装置の電源を確保出来るようにしたいのと、未成熟な体躯のフォローとして反応速度メインの自己強化が主な理由。理想は人間ダイナモ。 転移直前まで一緒にいた仲間の女性3名(マナ、マリア、マルタ)の安否を心配している。 「はぁ~…どうしてこんな事になったんだ?…おじさん、ちゃんと元の世界に戻れるんだろうか…こんな厄介事は前代未聞だよ…トホホ」
《ゆうがく2年生》蓮花寺・六道丸
 リバイバル Lv13 / 芸能・芸術 Rank 1
名前の読みは『れんげじ・りくどうまる』。 一人称は『拙僧』。ヒューマン時代は生まれ故郷である東の国で琵琶法師をしていた。今でもよく琵琶を背負っているが、今のところまだ戦闘には使っていない。 一人称が示す通り修行僧でもあったのだが、学園の教祖・聖職コースとは宗派が異なっていたため、芸能・芸術コースに属している。 本来は「六道丸」だけが名前であり、「蓮花寺」は育ててもらった寺の名前を苗字の代わりに名乗っている。 若い見た目に不釣り合いな古めかしい話し方をするのは、彼の親代わりでもある和尚の話し方が移ったため。基本的な呼び方は「其方」「〜どの」だが、家族同然に気心が知れた相手、あるいは敵は「お主」と呼んで、名前も呼び捨てにする。 長い黒髪を揺らめかせたミステリアスな出で立ちをしているがその性格は極めて温厚で純真。生前は盲目であったため、死んで初めて出会えた『色のある』世界が新鮮で仕方がない様子。 ベジタリアンであり自分から肉や魚は食べないが、あまり厳密でもなく、『出されたものは残さず食べる』ことの方が優先される。 好きなもの:音楽、良い香りの花、外で体を動かすこと、ちょっとした悪戯、霜柱を踏むこと、手触りのいい陶器、親切な人、物語、小さな生き物、etc... 嫌いなもの:大雨や雷の音
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」

解説 Explan

 魔境『ゲンダイニホン』に紛れる魔物、『マキョー』の討伐をお願いします。
 魔境に入った時点で、『ゲンダイニホン』にふさわしい服装に変化しています。
 その服装から、自身がどう過ごすべきか推測をして、魔境の生活に紛れてください。

【魔境『ゲンダイニホン』について】
 魔法石の中の魔境は、『ゲンダイニホン』の『トーキョー』という場所です。
 コンクリート造りの高い建造物が並び、魔法を使わない『カガク』という技術が発展する世界です。
 馬車の代わりに、馬の無い鉄の塊が道を走っています。

【『マキョー』について】
 仲間を増やすために魔法石に寄生し、その内部に魔境を生成する魔物です。
 時間経過で魔法石が内部から破壊され、出てきたマキョーは強くなっていて倒すのに厄介な相手になります。
 魔境は、たいていが人間の住む生活圏であることが多いです。
 マキョーに寄生された魔法石は、本来の使い道が一切できなくなります。
 魔境内部で、魔境の生活に合わない態度を取った場合、魔法石から追い出されてしまいます。
 追い出された人は、同じ魔法石には二度と入ることができません。
 マキョーは複数いる可能性があります。

【PL情報】
 魔境『ゲンダイニホン』の『トーキョー』は、『現代日本』の『東京』です。
 みなさんが現代日本で生活をしていた場合、どのような暮らしをしているのかお聞かせください。
 それが、フトゥールム・スクエアに在籍するみなさんの服装にもなりますし、マキョーに映されたみなさんの姿にもなります。


作者コメント Comment
 ふと、魔法学園以外の世界を考えた宇波です∈( ºωº )∋
 今回はパラレルワールド内部に侵入する依頼になります。
 みなさんは現代日本でどう過ごしているのか、お聞かせくださいませ!


個人成績表 Report
プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
仁和が知ってる世界に近いのか。どんな文化があるんだ?

へぇ、魔法がない代わりに、言葉の応酬で戦う文化が発展してんだな。
興味あるし俺はそこに行くわ。

MCバトルを【人心掌握学/会話術/ポエム/歌唱/早口/語学】で勝ち進める。
もし偽物が檀上に上がるならメンタルぶっ潰す。

思考回路コピられてんなら赤っ恥じゃ自死はしなさそうだし
【人心掌握学/心理学/会話術】で熱狂の観客煽り『偽物を殺せ』って俺の代わりにリンチさせるわ。


つーか、この服結構気に入ってんだけど。
何とか持って帰れないかね。

◼︎現代の姿
ヘッドホンを着用。中華風パーカーにレザージャケット、スキニーパンツにバスケットシューズを履く。
動画配信者兼ラッパー。

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
…げんだいにほん。

まやかしのデタラメだー、ってのはわかんだけど。ほんとに別の世界みたいだね、ここ。
こないだの割れ目とはまた違う世界ってーか。

…てか演じるにしたって、ザコちゃんは何者?これ。
目の前に色々な装飾品飾って……乱雑に散乱してる?し、商売人の類なのかな。
の割には路上だし、人気は遠目にしかないし、商品種類謎いし。
変に人気あるよかお気軽気楽なんだけどさ。

とりままきょーの本体?はザコちゃんが見ればザコちゃんの姿………なんだよね?
そったらとりま、それっぽく馴染むためにもなるたけ明るいうちは売れない商売?開けてはいよ。誰も来なそだけど。
【視覚強化】と【動作察知】で見逃しはなるべくないよーにしとく。

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ゲンダイニホンのトーキョー・・・
見た感じオレの元居た世界に非常に似ているな?
なんで、あくまでも元居た世界だったらという事を前提に皆に注意をしておこう
信号とか銃刀法違反とかの常識とルールを
マキョーそのものよりも再現された世界のルールとそこに暮らす人々のが強敵なんじゃないか?

取り敢えずスマホと財布を持ってるか、財布の中身はどのくらいあるか、メメペイなどのカード類などあるか確認
遊ぶためにはお金あった方が良いからな
あったなら買い物に行くか
まぁ、東京案内でもしよう
って言ってもアキバ周辺位しか知らないけど
スマホあればいろいろ検索できるし無ければ無いでどうにかなるだろ
ブラブラするのも楽しいだろうしな


ゼクト・ゴッドマイヤー 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
マキョーの討伐

【行動・心情】
この服は…なんだろうね
周りと比較しても何かの制服とは言い難いし
…なんていうのか、これが恐らく「私服」という物なんじゃないかな?

となると…尚の事なんの職業か判らないけれども
…うん?これは…本屋かな?

…作者の名前に私の名前があるようだね
つまり私は、小説家なのかな?

…そうか
君は、素の自分のままでも誰かに好かれる自信があったのか

私には怖くて出来ない事だ

残念だが、この未来を所望しているなら
私は君を否定するしか無いね

じゃなければ、私は…僕は
神を名乗れなくなりそうだからね

サイン会?というのは本人あるみたいだし
その時を狙って殺そう

私が生きていた道を肯定する為に

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
どんな見知らぬ異世界かと身構えたけれど
ここは見覚えがあるような、なんだかとても懐かしいものを感じる
硬く均されたアスファルトの地面、馬もなく走る鉄の箱――自動車も
ずっと前から知っていたかのように簡単に受け入れられる。

戸惑う仲間には道にある『信号』と『車道・歩道』のルールを教え
交通事故に巻き込まれないように注意を促す

ざわめく心のまま高い塔――高いビルの屋上へ
そこに自分の大切なものがあるような気がして
屋上へのドアを開け、風の吹く屋上スペースを囲む柵に自分ではない誰かの影を求めて――

見つけた人影が自分の姿をしたマキョーだったら、何故かがっかりしてしまう
本当に会いたかったのは誰

徒手格闘で制圧

アドリブ歓迎

七枷・陣 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
魔境ゲンダイニホンに入り、マキョーを討伐

【行動】
ジドウシャやマンインデンシャに気をつけながら、トーキョーをフラフラと見て回ろう
アキハバラなる所へ訪れるとそこには自分を模したマキョーが
自分視点で見ると、偏頭痛起こしてオフトゥンに包まって何も見なかったことにしたい惨状を目の当たりに

よし、ころちゅ♪…一撃でかくじつにぬっころす
【立体機動】で【奇襲攻撃】を仕掛け、【精密行動】でグリモワールの角をジャイアントスイングの要領で遠心力をつけて、マキョーの自分へ【全力攻撃】。
死 ぬ が よ い

蓮花寺・六道丸 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
アドリブ絡み歓迎

この詰襟の黒服は…他にも同じようなものを着た若者が見えるな、学生服か
同じ服を着た拙僧を探し出して倒せばよいのだったな…ああ、私を探し出して倒せばいいのでしたね
双剣は服の中に隠して探索を始めましょう

先程まで聞こえなかったピアノの音が…
ふむ、あそこで台に乗ったピアノの生首のようなもの(キーボード)を弾きながら歌っているのが私ですか
白い杖が立て掛けてありますね。魔法のない世界なので、生前持っていた障碍が参照されたのでしょうか

誰にでも愛想よくしているので、なかなか周りから人がいなくなりません。強かで隙のない男です
一人になるのを待って忍び歩きで近づき、サイレントスラッシュで仕留めましょう

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:4800 = 4000全体 + 800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
マキョーが自分の写し身なら出現場所も自分と似通うはずと考えた結果
図書館を探し、そこで張り込む

異世界の自分の髪型や服装に大いに戸惑いながら
何とか馴染もうと頑張る

異世界の図書を楽しみながら張り込み

マキョーと遭遇すると
魔境に相応しくない言動で追い出されるの覚悟で
説得を試みる

眼鏡とヘアゴムを外して顔だけ元のタスクに戻り
「人は誰にでもなれます
僕はゆうしゃを目指しています
ともに頑張りましょう」と声をかける

問答の末戦闘を仕掛けられたら
【コツンと一撃】による気絶を狙って応戦

「彼女」がマキョーであることは承知なので
どこかにいるはずの彼女が夢を叶えていますようにと願いつつ
他のマキョーの駆除そして後始末に尽力する

リザルト Result

 真っ赤に燃え盛る炎を閉じ込めたような、深紅に輝く魔法石の中に飛び込む。
 目の前に炎が迫る。
 その幻覚を目の当たりにし、目を閉じる。
 幻であるはずの映像を脳裏に浮かばせ、あるはずの無い温度を肌に焼け付かせる。
 そうしてゆっくりと音が消えていく。
 次に目を開けるのは、人の行きかう雑踏が大きなノイズとなり、耳に届くころ。
「ここが、『ゲンダイニホン』……!」
 天を貫かんばかりに聳える摩天楼を見上げる【仁和・貴人】(にわ・たかと)は、この場所に見覚えがあった。
「見た感じ、オレの元居た世界に非常に似ているな?」
 既視感、あるいはデジャブ。
 そんな感情に囚われた貴人に話しかけるのは【プラム・アーヴィング】。
「仁和が知ってる世界に近いのか。どんな文化があるんだ?」
「そうだな……。例えば、音楽だと多種多様なものがあるが、言葉の応酬で戦いを繰り広げていくラップなんてジャンルもあるかな」
 言いながら、貴人は周囲を見渡す。
 直後、見渡した彼の顔が強張る。
「早く移動するわよ。早く!」
 緊張感に強張り動かなくなった貴人ごと、【エリカ・エルオンタリエ】が叱咤する。
 促されるままに移動する一行の向かう先には、緑色の男が点滅を繰り返す、無機質な柱が立っている。
「ここまで来れば大丈夫でしょう」
 ほっと息を吐くエリカと貴人に、訳の分からないまま首を傾げる面々。
「随分と焦っていたようだが、何故だ?」
 【蓮花寺・六道丸】(れんげじ・りくどうまる)が首を傾げながら聞けば、貴人とエリカが顔を見合わせる。
「これは『信号機』っていうんだ」
「『シンゴウキ』……?」
 貴人が指さすのは、先ほど緑色の男が点滅していた柱。
 今は直立する赤色の男が光っている。
「『自動車』と歩行者を隔てるための……そうね、信号灯みたいなものかしら」
「緑色が光れば、渡ってもいいって合図。目の前の、その……『横断歩道』っていうんだけどな。白の縞々があるだろ? それだよ」
 貴人が指さす先にあるのは、横向きに対岸まで描かれた白色の線。
 その上を、今は鉄の馬無し馬車が走っている。
「……人殺しそーなスピード。あれがゆーしゃさまの言う『ジドウシャ』とかってやつ?」
 【チョウザ・コナミ】が指さした目の前を通り過ぎる、青色の馬無し馬車。
 それは音だけ残し、次の瞬間には目の前からいなくなっている。
「そうよ。材料は、確か鉄。当たれば痛いだけじゃすまないわよ」
 半ば脅すように、真剣な表情で『信号機』と『自動車』、それから『横断歩道』のルールを教えていく。
 それは命に関わることであると、頭の中にしっかりとインプットされていく。
「マキョーそのものよりも、再現された世界のルールとそこに暮らす人々のが強敵なんじゃないか?」
「さっきのシンゴウキの他にもルールが?」
 興味深そうに身を乗り出してくる【ゼクト・ゴッドマイヤー】に、貴人が頷く。
「『銃刀法違反』ってやつだな。刃物とか、銃とかを出しちゃいけないんだ」
「出せばどうなるんだい?」
「『警察』が来て、しょっ引かれる。……捕まっちまうんだ。そうしたら、しばらく身動きが取れなくなる」
「……調査しなくてはいけない時に、身動きが取れないのは困るね」
 理解を示すゼクトは、興味深げに周囲を見渡す。
「しかし、意外でしたね。エリカ部長もこの世界の知識があったなんて」
 【タスク・ジム】は、実に不思議そうな顔でエリカに話しかける。
「……ここは、なんだか見覚えがあるような、なんだかとても懐かしいものを感じるの。知らない世界のはずだったのに、簡単に受け入れられるのよ。まるでずっと前から知っていたかのようにね」
 懐かしいものを見る眼差しで、無機質に聳える摩天楼を見上げているエリカの横顔に、タスクは、まるで夢に囚われた少女に近いものを感じ取る。
「……ここでぼーっとしていても変わりませんし、探索を、しましょう」
 頭を左右に振り回し、幻惑を振り払ったタスクが、少し強めに声を張る。
「僕は、自分が行きそうな……そうですね、図書館のようなところを探して行ってみます。……えーっと、皆さんは……」
 一人一人の顔を見渡してみると、ひとつ気が付くことがある。
 この魔法石に入る少し前までは、制服、あるいはそれを改造したもの。または私服など、各自思い思いの服装に身を包んでいたはずだった。
 その服装が、一人残らず変わっていることに、誰が指摘をせずとも気が付くことになる。
「このかっこに合わせて推測推察ドッペルゲンガー探せばいいってわけ。……っつってもザコちゃんのこれ、何だろーね?」
 独り言ち、チョウザは肩にかかっている革鞄を摘まむ。
 それはずっしりと重く、肩にのしかかる。
 僅かな隙間から覗いてみれば、多種多様な物が乱雑に詰め込まれている。
 見た感じ、宝石のような高価そうなものは透明な、上下どちらからでも開閉できる箱のようなものに仕舞われてはいるが、それさえも有象無象と同じに放り込まれていた。
「なんだろ。成金野郎っぽい中身ー」
 首を傾げるチョウザから一人分離れたところでは、プラムが首から下がる装飾品を弄っている。
「ネックレスじゃないし、これ。ぶら下がるわけでもなし、カチューシャみたいな形状。……にしては左右両側、先っぽにでかい蓋。紐もぶら下がっているの、どんなアクセなんだろーな」
 見た目よりも硬い紐を引っ張ってみたり、ふたつの蓋を掴んで縮めてみたり、伸ばしてみたり。
 そうしていると、どこかに当たったのかふたつの蓋から流れる音。
「うわ、びっくりした」
 かなり大きめの音量で流れる音に耳を近付けてみると、軽快で重厚な、甲高い音楽に合わせて響く人の声。
「音楽……知っているものより賑やかだなー。韻も踏んでるっぽい。……なーるほど? これがさっき言ってた言葉で戦うってやつか」
 納得した様子のプラムに貴人が視線を遣る。
(中華風のパーカー、レザージャケット……なんか奇抜な服装だな。目立つことが重要な職種なのか?)
 そんな貴人は、自身の違和感に眉根を寄せる。
(いつものマントがない。……それに、仮面はどこ行った?)
 ブレザー姿の格好は、いいところのご子息といった風格を漂わせる。
 彼と同じく、学生と見られる格好をしている六道丸が周囲を見渡す。
「この詰襟の黒服は……他にも同じようなものを着た若者が見えるな、学生服か」
 貴人と違い、全身ほぼ黒色で埋められた六道丸は、道行く人間の中に同じような格好をしている若者を見付けだし、自身の立ち位置を理解する。
「これは……学生服と言うには少しおかしいわね」
 エリカが訝し気に呟く。
 こちらも制服ではあるが、先述したふたりの恰好とはずいぶんかけ離れ、どちらかと言えば組織としての制服に近いものを身に纏っている。
 固く、軍人のように着込んだ赤と黒基調の制服は、着ているだけで身が引き締まる思いがする。
「この服は……なんだろうね。周りと比較しても何かの制服とは言い難いし。……なんていうのか、これが恐らくこの魔境の中で使われている『私服』という物なんじゃないかな?」
 無難。
 ただその一言に尽きる服装をゼクトは着こみ、興味深げに全身を見回す。
「私服って言うなら、おじさんのこれも私服になるのかねぇ」
 【七枷・陣】(ななかせ・じん)。
 彼は文字入りのTシャツを摘まみ、前方へ張る。
 少々大きめのサイズ感。
 『ちょっと待て リーチ一発 自己破産』と書かれたTシャツは、いわゆるダサTシャツ。
 ズボンにinされているそのTシャツの裾を、陣は外へ引っ張り出した。
「……タスクくんは、随分可愛らしい格好をしているのね」
 エリカによって、遠慮がちに口に出された、今までだれも触れてこなかった領域。
 気付いた時から顔面を赤く染め、小刻みに震えているタスクは眼鏡をかけ、小さなふたつのおさげを垂らし、第三者に真面目そうな印象を与えている。
 しかし、その恰好はスカート。
 これもまた、制服のようであると推測はできるが、男性としての服装ではないことは、誰が見ても一目瞭然であった。
「……この世界の僕は、女性ってことですかね」
 羞恥を押し隠し、小刻みに震えながらも、タスクは冷静な判断をする。
 目の前が回るような羞恥に襲われながら出した判断が、冷静であったかどうかは審議を問われそうなものだが、とにかくタスクは冷静な判断を下したのだ。
「……僕は最初の予定通り、図書館のようなところを探します」
「なら、オレはトーキョーの街を歩いてみるわ。オレのいたところと似ているし、案内くらいはできると思う」
 行先を示したタスクに追従し、貴人が口を開く。
「あ、おじさんも着いてっていいかい?」
 便乗とばかりに手を挙げた陣に、貴人は快く頷いた。
「ザコちゃん、裏路地っぽいとこ行こっかな。アングラなとこ」
 掴みどころのない綿毛のように、すぐにでも雑踏に紛れていきそうなチョウザを追いかけるかのように、プラムが立ち上がる。
「俺は言葉の応酬できそうなとこ探してみるわ。派手な音楽流れてたし、それを探して行けば着くだろ、多分」
「それなら、私はこのあたりを散策してみることにしようかな」
 上品に微笑み、どこか幼い冒険心も持ち合わせたゼクトは周囲の雑踏を宝物のように見渡す。
「同じ服を着た拙僧を探し出して倒せばよいのだったな……ああ、私を探し出して倒せばいいのでしたね」
 誰にも見咎められないよう、隠し事のうまい紳士のように、六道丸は双剣を服の中にしまう。
「ならば、私はこの服を着た人間が多くいる場所を探しましょうか」
 口調に違和感を抱きつつも、『拙僧』という一人称はここでは不似合いなことを感じ取った六道丸は、必死に口調をゲンダイニホンへと寄せていく。
「わたしは……行かなきゃいけない場所があるみたい。そこに行くわね」
 エリカは摩天楼を見上げる。
 まるで、そこに失った探し物があると感じ取っているように。

≪魔境『トーキョー』内部『アキハバラ』地点≫
「スマホ、持ってる。財布、ある。中身は……これだけあれば遊べるだろ。メメペイも入っているし。……魔境の中でもメメペイって使えるんだな」
 ずれたところで感心している貴人の隣で、陣は行きかう人々から身を躱し、小さく縮こまっている。
「おじさん、人酔いしそう……」
 顔色悪く身を寄せる陣を気遣い、貴人は道の端へ移動する。
「大丈夫か? 何か飲み物でも買ってこようか?」
「大丈夫……。とっとと探して……ねえ、なにあれ」
 陣の視線、その先にあるのはピンクと白を基調とした喫茶店のようなもの。
「あれは『メイド喫茶』だな。女使用人を模した店員が接客する喫茶店だ」
「へー。そんなのがあるんだねぇ」
 その中から、女使用人を模した女性が現れる。
 しかし、貴族が侍らせる女使用人と違い、その衣装は随分と特徴的。
 リボンやフリルが多くあしらわれ、可愛らしさを前面に押し出したその衣装。
 もっともよく目につくのは、通常では考えられない程短いスカート。
 生足を八割以上露出させるその衣装は女使用人にしてはやけに扇情的で、陣は思わず目を逸らす。
「おかえりなさいませ~。ご主人様ぁ」
 甘えた声を出すメイドは、目の前に相対する少年に声をかけている。
「えへへ、メロンおねーさん! 今日も来ちゃったー」
 同じく甘えた声を出す少年の見た目をした男性。
 彼はメロンと呼んだ女性のメロンに顔を埋め、くぐもった気持ちの悪い声を上げている。
 見た目が少年である彼とメロンとのその行為は、姉に甘える弟にしか見えておらず、違法性が少しも見えないことが厄介であった。
 ふたりはその男性に見覚えがある。
 貴人は隣にいる、そして陣は、今、正にその場に存在する自分自身の姿を、その男性に見た。
(あれ? マキョーは見ている人間の姿に見えるんだよな? なんでオレの姿に見えていないんだ?)
 水面に上がって来る気泡のように、淡く浮かんだ貴人の疑問は、叫び声に近い陣の怒声によって掻き消える。
「おーまーえーさーんーはー……何やっとんじゃーい!!」
「ぐべあっ」
 奇襲。勢いをつけて飛んでいくのは、分厚く面積も広いグリモワール。
 陣の姿を模したマキョーは、その角に強かに頭を打ち付ける。
「おじさんあんなキャラじゃないんですけど? 見てくれは子供だけど、あんなのタダのエロ親父じゃないですかーやだー!」
 悲鳴のように声を上げながら距離を詰め、陣はマキョーに馬乗りになる。
「おじさんの姿形でそんな頭のゆる悪いムーブかますのやめとくれよ! 一緒に来た面々に見られたら、風評被害うけるのおじさんなんですけどっ!? てかもう見られてるんですけどっ!?」
 ぶん殴ろうと上げた拳を、陣は静止させる。
「そうだよ、見られてんじゃん」
 一言、零した陣の背後に炎の幻覚が見える。
「ふ、ふふふ……よし、ころちゅ♪ ……一撃で確実にぬっころす」
 グリモワールの角をマキョーの顔面に構える。
「死 ぬ が よ い」
 陣とマキョーの一体が揉み合っているその傍らで、貴人は自身の着ているブレザーと同じ制服を着た一団を見付ける。
(ああ、傍にいれば、それぞれ違う姿に見えるんだな)
 その中のひとりが、貴人と同じ姿をしていることで、疑問が解消する。
「オレちょっと向こうにー……聞いちゃいねえや」
 マキョーを殴ることに夢中になっている陣に、すぐ戻るからと言い残して貴人は一行を尾行する。
「ここだよ、ここ! 結構マイナーなルールブックも置いていてさー。品ぞろえがいいんだよな」
 一団のひとりが嬉しそうな声を上げる。
 貴人を模したマキョーも、嬉しそうに顔を綻ばせ、店内へ入っていこうとする。
「ちょっと待ちな」
 貴人は、マキョーの肩を強く引き、路地裏に連れ込む。
 先に店内へ入っていった一行は気付く様子がない。
「何するんだよ!」
「オレの偽物をな、退治しようと思って」
 人目に付かない路地裏で、貴人は水球を手の平に浮かばせる。
「おまえ、それ……!」
 驚きに目を瞠るマキョーに、容赦なく水を浴びせる。
 水に濡れたブレザーは、重力に従い地面へとずれる。
「じゃあな」
 横笛を吹く。
 冬に命を落とした蝶の無念が、マキョーを蝕み、足元からその身を凍らせていく。
「買い物に来ただけなのに、なん……で……」
 足元から氷に覆われていくその身は言葉までを凍えさせ、やがて心臓までもを凍てつかせる。
 動かなくなった心臓と共に、もの言いたげな恐怖に歪んだその表情を、貴人は蹴り倒す。
 硬質なガラスが脆く崩れる音にも似た命の終わりを路地裏に響かせ、季節外れの凍えた塵が舞う。
 頬に冷気が当たる。
 塵が舞っては熱に消えていく虚空を眺めている貴人に、心配そうな一団の声がかかる。
「貴人、どうした? 腹痛いのか?」
「……ああ、なんでもない。すぐ行くよ」
 安堵したような声。
 曖昧に微笑みながら、貴人は一冊のルールブックを手に取る。
「ああ、それ、貴人が欲しいって言ってたやつだよな。よかったなー! 見つかって!」
 嬉しそうな一団の中で、貴人は手に取ったルールブックを見た目以上に重く感じていた。

≪魔境『トーキョー』内部『シンジュク』地点≫
 詰襟の学生服を固く着込み、六道丸は周辺を歩き回っていた。
 『ホドウ』近くの道を、ジドウシャが走り去っていく。
「……それにしても、ジドウシャとかいう鉄の絡繰、あれは五月蝿くて気に入りませんね。下手な喇叭を耳元で吹き鳴らされているかのような不快さです」
 六道丸は事前に注意をした、エリカの表情を思い出す。
「馬車よりも危険だと言いますし、なるべく近寄らないように歩きましょう」
 ホドウの奥へ、距離を取るために詰めていく。
 詰めたことで、視界の左端へ移動する、黄色の正方形をした薄いレンガを見て顔を綻ばせる。
 正方形のレンガには、凹凸が加えられ、整然と並んでいる。
「でもこれは気に入りました。『テンジブロック』というそうですが、これがあれば目が見えずともより安全に歩けますね」
 一度立ち止まり、遠くまで見る。
 それは彼がリバイバルになる以前の姿を思い出しているかのような、郷愁をその瞳に映す。
「同じものが現世にもあればよいのですが、あのような彫刻を大量に用意するのは難しいでしょう」
 彼はテンジブロックを利用する、白い杖を持った女性に道を譲る。
「建物を見ても、道行く人の服装を見ても思うのですが、この世界はどうやら同じようなものをたくさん作る技術に長けているようです。……自然に歩く都合上、じっくり見聞する時間がないのが惜しいですね」
 六道丸はふと、足を止める。
「おや、先程まで聞こえなかったピアノの音が……」
 その音に導かれ、夢の中を歩いているかのような足取りで人込みの中へ向かう。
「……ふむ」
 ピアノの生首。
 台に乗ったそれを、楽し気に弾き語っている男性を見付ける。
「あそこで弾きながら歌っているのが私ですか」
 彼は、黒いレンズを嵌め込んだ眼鏡――たしかサングラスと言ったはず――を掛け、傍らに白い杖を立てかけている。
(目が、見えていないんですね。……魔法のない世界なので、生前持っていた障碍が参照されたのでしょうか)
 人目が無くなったその時、行動に移そうと、六道丸は機を窺う。
 しかし。
「ああ、ありがとうございます。……なるほど、この曲のリクエストですね。分かりました」
 彼は愛想よく、物珍しそうに見に来た通行人からのリクエストを次々と受ける。
 隙どころか、中々人がいなくならない。
(……強かで隙のない男だ)
 おおよそ、そのような感想を抱く六道丸の耳に、幼い子供の声が劈く。
「ボクも弾きたい!」
 声の方向へ顔を向けた男。
 彼は穏やかに笑み、白杖を手に掴む。
「どうぞ」
 白杖で地面を叩き、周囲の状況を知りながら、彼はその場を離れる。
 お世辞にも上手とは言えないピアノの音を背に、六道丸は移動する男を追いかける。
「……なにか用事ですかね?」
 足音を殺して近付いてはいたが、それよりも先に気配で気付かれてしまう。
 六道丸は、男の首を狙い、素早い斬撃を繰り出す。
 無音。
 ひとつの音も立てることなく刈り取られた命を、六道丸はしばらく見下ろしていた。

≪魔境『トーキョー』内部『シブヤ』地点≫
「……げんだいにほん」
 呟いた言葉は、表通りを細く映す、建物と建物の隙間、裏通りに落ちる。
 表通りには奇抜な格好で道を行き来する若者で溢れていて、チョウザの纏う派手な格好があまり目立たない。
 擦り切れたジャケットにズボン、派手な髪色に長いバンダナ。
 そんな恰好は、大通りにあっては珍しくない格好のようで、似たようなスタイルは先ほどから数人程度、見かける。
「まやかしのデタラメだー、ってのはわかんだけど。ほんとに別の世界みたいだね、ここ。こないだの割れ目とはまた違う世界ってーか」
 空を見上げる。
 よく晴れた空は、細長く視界に映る。
「……やあ、商売人さん。今日は店開いてないの?」
「……? ザコちゃんのこと?」
「おかしなことを言う。いっつもここで店開いてるじゃないか。折り畳みの机と椅子と、パラソルを広げてさ」
「……あー、そだった、そうだったね」
 革鞄の中を探ってみると、足の低い椅子と小さな机が収まっている。
 その場に広げ、鞄の中身も乱雑に広げる。
「らっしゃい。てきとーに見てって」
 客と思しき男は、安い作りをしたアクセサリーをひとつ買い、コインを数枚机に置いて去っていく。
「シュミ悪い場所」
 表通りとはかけ離れた裏通り。
 人気は遠目にしかなく、所持している商品らしきものも、ラインナップは謎のまま。
「変に人気あるよかお気軽気楽なんだけどさ」
 通る人間はほぼ皆無。
 チョウザは人の来ない店を開ける。
 人の屯する世界と隔絶されたアンダーグラウンド。
 何をしていても咎められることの無い、気楽な空気さえ漂う場所で、チョウザの身体に影がかかる。
「オネーサン。暇してるー?」
 軽薄な声。
 チョウザの表情に浮かぶ薄い笑い。
 埃を見る目で鬱陶しそうに見上げると、そこにはチョウザと瓜二つの顔。
「あーしの店乗っ取って楽しー?」
 目的としていた人物が話しかけてきて、チョウザは内心で手間が省けたと口角を上げる。
「さー? 勝手に判断したら?」
「ま、あーしもそろそろ、追っかけてきてんのがここ勘づいたみたいだし。移動するつもりだったから結果オーライ?」
 チョウザによく似た派手めな女性。
 彼女は大通りの光景に目を細め、チョウザの方へ振り返る。
「ジョーダン。ザコちゃんもずっといるつもりないし」
 女性が裏路地の奥へ顔を向ける。
 チョウザは右手に六角形に加工された鉄の棒を持つ。
「あーしを殺す?」
 女性は顔を向けずに話す。
「いーかもね、それも」
 鉄の棒は、躊躇うことなく女性の後頭部へと吸い込まれる。
 肉が潰れる音は、誰に聞こえることもなく、路地裏へと消えていく。
「……どー考えてもコレ、ザコちゃんじゃないっしょ」
 チョウザの独り言は、空へと昇っていった。

≪魔境『トーキョー』内部『カンダ』地点≫
「どうも周囲を見ていると……この格好は無難なもののようだね」
 ゼクトが街中を歩いている中で、すれ違う人々が着ているものに形が似ている。
「となると……尚の事なんの職業か判らないけれども」
 何かに呼び止められた気がして、足を止める。
「……うん? これは……本屋かな?」
 呼び止められた気がしたのは、店先に流れる機械音がゼクトの名を呼んでいたから。
 正しくは、名前を読み上げられていた。
 店の手前に積み上げられた、手で掴めるサイズの文庫本。
 目立たせるように飾られたポップには、『爆売れしてます!』や、『超人気作家の新作!』といった、購買意欲を煽る文言が並べたてられている。
「……作者の名前に私の名前があるようだね。つまり私は、小説家なのかな?」
 本の隣に並べられたチラシが目に付く。
「サイン会をやるみたいだね。日付は……今日」
 場所の情報を頭に入れる。
 手に取った本を元の場所に戻し、ゼクトは本屋を後にした。

 本屋から然程歩かずに辿り着いた催事場。
 そこに彼はいた。
 頬がやつれ、土気色の顔色を湛え、お世辞にも美しいとは言えない容姿で。
 たくさんの人に囲まれ、彼は幸せそうに笑みを浮かべている。
(ああ……そうか。君は)
 身体を滑り込ませる最後尾。
 縮まっていく列と、近付いてくる彼の声。
「こんにちは。最後のお客さん」
 彼は怖気付かず、真っ直ぐにゼクトの目を見上げる。
「ごめんね。人払いをお願いしていいかな」
 彼は、彼の面影を湛えるゼクトに困惑する周囲のスタッフを退室させる。
 部屋の中には、彼とゼクトのふたりきりとなる。
「ドッペルゲンガー、かな。新作のネタになりそうだ」
 彼が土気色の顔に笑みを浮かべて肘をつく。
「君は素の自分のままで、好かれる自信があるんだね。……私には、怖くて出来ない事だ」
「君は素の自分が周囲に好かれないと思っているのかい?」
 ゼクトの言葉に、どこか楽し気な笑みを浮かべて彼は返す。
 ゼクトは困ったように眉を下げる。
「残念だが、この未来を所望しているなら、私は君を否定するしか無いね」
「悲しいな。君も、僕だろう?」
 ゼクトは首を振る。
「君を否定しなければ、私は……僕は、神を名乗れなくなりそうだからね」
「僕から見れば、君の方こそ恐ろしいよ。僕は神なんて名乗れない。せいぜいが、本を書いて誰かに自分がここに居たという事を覚えていてもらうくらいしかできないよ」
 彼は机に置かれた文庫本を愛おしそうに触る。
「覚えていてもらうだけなら、別に小説家じゃなくてもよかっただろう?」
「たしかに、アーティストなんて道もあっただろうね。でも僕は、アーティストなんて柄ではないし」
「教祖でも良かった」
 ゼクトが発した言葉に、彼は渇いた笑いを零す。
「本来の自分を見て貰いたいから、それは絶対にできないよ」
 僅かに微笑む彼に、ゼクトも微笑み返す。
「君とは、絶対に相容れないことが分かったよ」
「奇遇だね。似た容姿、似た遺伝子を持っていたところで、その場に二人いる時点で別物だということがよく分かるよ」
 微笑んだまま杖を掲げたゼクトは、綺麗な笑みに似つかわしくないセリフを吐き出す。
「君を否定して(殺して)いいかい?」
 彼も土気色の顔に綺麗な微笑みを浮かべる。
「構わないよ。どうせ、病気で消える命だ」
 もう、存在はきっと誰かの心に残っているから。
 ゼクトの耳にいつまでも残り続けるのは、彼が最後に残した呟きだった。

≪魔境『トーキョー』内部『チヨダ』地点≫
「本が多いですねぇ。学園の大図書館と、どちらが多いですかね」
 全てが角ばった、敷地面積の広い図書館へ足を踏み入れたタスクは、まず蔵書量の多さに目を輝かせる。
 スカートの裾をはためかせ、軽やかな足取りで図書館の隙間を縫って歩く。
 履き慣れないスカートの涼しさに違和感を覚えつつ、見上げた二階に、タスクは目を開く。
「あの人、ですね」
 二階に続く階段を踏む。
 一段一段、近付くにつれて姿が露わになる。
「すいません」
 タスクの呼びかけに、彼女は肩を跳ねさせる。
「は、はい?」
 怯えたように振り返る彼女は、眼鏡の奥にある瞳を見開く。
 彼女視点で見れば、容姿が酷似しているセーラー服少女が目の前に現れたのだ。
 非日常的な没入感と興奮に驚くのも無理はないと言える。
 タスクは眼鏡とヘアゴムを外す。
 彼女はさらに驚いたことだろう。
 少女と見ていた人物が、実は男性であったことに。
「僕はタスク・ジムと言います。魔法学園フトゥールム・スクエアから来ました」
「わ、私は『桃山令花(ももやまれいか)』です。あの、魔法学園って」
 令花は訝し気に瞳を細める。
 しかし瞳孔は開き、隠しきれない非日常への期待が窺える。
「……この世界ではないところから僕は来ました。僕はそこで、ゆうしゃになるため勉強をしています」
「異世界……?!」
 令花の期待値はさらに上がる。
 もう、異世界という響きに憧れを抱いていることを隠そうともしていない。
「令花さん。僕はゆうしゃを目指しています。貴女の夢は何かありますか?」
 途端、落胆した表情を浮かべる令花に、タスクは思い当たる。
「以前、不思議な紙で貴女のことを見ました。僕とは違う世界にいる貴女のことをです」
 現実では考えることのできない摩訶不思議な頓珍漢話を口にする少年を、令花はただ見下ろす。
「貴女は、作家になりたがっていました」
 令花は手に持つ本を抱き込むようにして握りしめる。
 本のタイトルに『七星の宝玉』と記されたそれの作家名は、令花の名前。
「人は誰にでもなれます。僕はゆうしゃを目指しています。ともに頑張りましょう」
「なれるわけないわ!」
 我慢の限界がきた。
 そう言いたげに、図書館を支配していた沈黙を打ち破る。
「私の夢なんて誰も分かってはくれない。応援してもくれない! この世界じゃ、誰も私を評価してくれない!」
 司書が注意しそうな声量で、令花は叫ぶ。
「ねえ、お願いよ。私をあなたの世界に連れて行ってよ! 作家になる夢を応援してくれる世界に連れて行ってよ!」
 令花がその手に持つ小説が光を放ち始める。
(本が魔導書化した?!)
「魔境ではそんなことも可能なんですか?!」
 驚きに叫びながら、指揮棒を構えることも忘れない。
 気絶を狙える力加減を意識して、令花の頭に狙いを定める。
「え、きゃあっ!」
 しかし、本が魔導書になるためのエネルギーが膨大だったのか。
 あるいは、異物を外部へと排出しようとする世界の力が働いたのか。
 突如として吹き荒れる暴風が本棚に並べられている本を巻き込み、図書館内を暴れ狂う。
「令花さん!」
 タスクは暴風に巻き込まれた令花が本棚へ強かに身体を打ち付け、本の山に埋もれていく様を目撃する。
 しかし、伸ばした手は先の方から徐々に光へと変わり、天井へと立ち上っていくだけだった。

≪魔法学園『フトゥールム・スクエア』内部『受付前』地点≫
「あいたっ」
 魔法石から放り出されたタスクは、尻を強かに打ち付ける。
 尻を摩りながら、未だ煌々と赤く輝く魔法石に、タスクは心底願わずにはいられなかった。
(せめて、どこかにいるはずの彼女が夢を叶えていますように)

≪魔境『トーキョー』内部『ロッポンギ』地点≫
「ザコが到来、天下の往来! ここはロッポンギラップクラブ! 俺は四天王『ボーシャン・オーシャン』! 痛い目見ねえうちにお家帰んなBaby!」
「Babyとか片腹いてェわ、キザったらしくザコディスるメンタル! 見習いてぇか? 俺は無理痛すぎ(笑)。痛い坊ちゃん、そこ退きなボンクラ!」
 マイクから放たれる音の波に、ボーシャンが倒れ伏す。
「こりゃすごいな。身体ダメージは負わないものの、精神ダメージが直に届くんだもんなァ」
 感心しきりでマイクを眺めるプラムは、足元に倒れる人間を踏みつけ進む。
 周囲にはこのバトルに出演していない観衆と、クラブの奥、積み上げられた椅子の上で待ち受けるこのクラブのボスのみが立つ。
「これは現実世界にもあるもんか? それとも……この魔境限定か?」
 薄らと笑みを浮かべ、ボスの元へと歩みを続ける。
 ボスの顔を照らすのはクラブに這いまわるビビッドな光。
「それは俺が開発した、どこの世界にもない代物だなァ。観客は人と人が傷つけあう、コロシアムバトルが見たいんだ。いい余興だろう?」
「つまり魔境限定ってことだな」
 プラムは笑む。
 目の前の、自身と全く同じ顔をした男を目の前にして。
「お前は王者になりたいか!」
 プラムの姿を模したマキョーが、ラインストーンやスタッズを派手に飾ったマイクを起動する。
 対するプラムは、すでに起動していたマイクを口元へと持って行った。
「先攻! フロアマスター、MCボスー!」
 DJが狂ったように盤を回す。
 リズムに乗りながら片足を行儀悪く放り出すマキョーは、アンダーグラウンドの王者。
「劣化コピー、対峙するエネミー、淘汰するこの身! お前食らうこのアギト、まさにリリックビースト! 日々無双、トップ爆走、フロア熱狂ブースター! 俺が至極正真のスター、これが姑息小心のコピーとの格の差!」
 脳味噌を揺らす精神攻撃。
 回る視界に耐えながら、プラムはその場に踏みとどまる。
「やるじゃねェの」
 揺れる世界を耐えきり、やや前かがみになりながらも、その獰猛な瞳は獲物へロックオンする。
「次は俺の番なァ」
 舌なめずりをするプラムの手元からは、絶えず機械音が流れ出る。
「後攻! 挑戦者ァ!」
 機械音に音を吹き込む。
 対象は、目の前にいるプラムの顔をしたマキョー。
(……とでも思ったか?)
 口角を上げたプラム、その精神攻撃の対象は、マキョーの周囲にいる観客たち。
「俺が実力に裏打ちされた真打、このフロアさえ秒で統治! 獣追い詰める窮地、太刀打ち出来るか真打気取り、影打のコックローチ!」
 誰かの頭が揺れる。
「沸かすフロア、負かすレプリカ、容赦なく乱射する言の葉! ここでブチ折るお前のプライド、ここに打ち立てるは俺の金字塔!」
 意志を持たない人形のように、ひとり、またひとりと移動していく先は、マキョーのふんぞり返る椅子の下。
「模倣者は既に亡者、対する俺は勝者、このフロアの王者!」
 誰かが椅子の山を崩そうと手を掛ける。
 力任せに集る、その様を眺める場所は地上に繋がる階段から。
「偽物を殺せ」
 マイクに声を吹き込む。
 舌を出したプラムは、惨状の結末を見届けることなく地上へと上がっていった。

≪魔境『トーキョー』内部『ハママツチョウ』地点≫
「はぁ……中々、疲れるわね」
 ほんの少し立ち止まり、息を整える。
 エリカは、古びた無人ビルの鉄階段を踏みしめる。
 辿ってきた軌跡を見下ろすと、中々長い距離を歩いてきたようで、人によっては恐怖を感じる高さがある。
「もう少し」
 心の中に立つさざ波は、不安と期待と諸々の感情で荒くなる。
 全てを踏みつけ、エリカは階段を上っていく。
 荒く立つ波を抱えたまま、扉を開く。
 強く吹き込む風を全身に浴びる。
 視界に夕日の赤い光をいっぱいに取り込む。
(ここに、わたしの大切なものが……)
 期待感に胸を弾ませ、エリカは自分ではない誰かの影を求め、一面の赤から視線を逸らす。
 視線を下に、捉えた人物は……。
(ああ……)
「なーんだ」
 落胆し、肩を落としたエリカの目の前に、彼女の求めていた人はいない。
 エリカと同じ顔、今着ている制服と同じ服。
 固く着込んだ制服に下がるのは、エリカとは違うツインテール。
 無表情に見える赤い瞳には、隠しきれない炎が燃える。
 音もなく、ただ、静かに。
「同じ顔……。新たな怪異かしら」
 抜刀、突き付けられる切っ先。
 否、実際は抜刀どころか、武器すらも彼女は構えていない。
 しかし感じるのは、今にも切りかかってきそうな鋭いプレッシャー。
 それこそ、抜きもしていない刀を幻視してしまいそうな突き付けられる殺意、竦む身体。
 エリカは僅かに息を吐く。
(……これは、マキョーの作り出したイメージにすぎないわ)
 プレッシャーを振り払う。
「わたしの前に立ち塞がるもの、そのすべてを排除するわ。わたしは躊躇わない」
 銃刀法違反。
 彼女が抜刀した刀を見て、その言葉が脳裏に浮かぶ。
「銃刀法違反……ってやつじゃないの? それ」
 彼女の姿を模したマキョーが眉を上げる。
「怪異には関係の無いことよ」
「ええ、そうね。関係なかったわ」
 構えられる日本刀に、エリカは怖気付くことなく身構える。
 日本刀に対して、素手。
 鼻で笑われそうなシチュエーション。
 しかし、怯むことなく懐に入ることができれば、以降はエリカの独壇場。
「そんなに長いリーチでは、詰められた時に対処できないでしょう?」
 顎を狙い、裏拳をかます。
 脳が揺れる衝撃を与え、焦点が戻らないマキョーの鳩尾を蹴り飛ばす。
 バランスを崩し、背後へよろめいたマキョーに、とどめの一撃。
「倒れなさい」
 見るからに錆びているフェンス。
 腰辺りまでの高さしかないそこから、マキョーを赤く染まる大空へと突き落とす。
 地面へと吸い込まれていくマキョーから目を逸らし、ひとつ呟く。
「わたしの元居た場所はここなのかも」
(わたしが、本当に会いたかったのは誰)
 夕日に目を向けた時、マキョーが地面へ叩きつけられる。
 その直後。

≪魔境『トーキョー』内部『各地点』≫
 世界にヒビが入る。
 全てが作り物だったと嘲笑うように、空は綺麗で、ビル群は美しく、道行く人間は人形のようだった。
 空から、地面から、傍らにいた人形からヒビが広がる。
 零れ落ちてくるのは欠けた小粒の石。
 日の光に当たり、ダイアモンドダストのように光り輝く赤い塵が、突如弾ける。
 光の明暗差に耐え切れず、思わず視界を閉じた瞬間。
 世界は作り物から、本物へと塗り替えられる。
 遠くから聞こえてくる声は、心配そうに見守っていたタスクと【ウケツ・ケ】の声。
 声が近付いてくるにつれて、ようやく戻ってきたのだと。
 誰かがそんな実感と共に、安堵のため息を吐く。
 魔法石からマキョーが産まれている様子はない。
 彼らは世界に産まれようとした脅威から、この世界を守り切ったのだった。



課題評価
課題経験:97
課題報酬:4000
ゲンダイニホンという魔境
執筆:宇波 GM


《ゲンダイニホンという魔境》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2020-04-24 00:02:34
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
よろしくね。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 2) 2020-04-24 00:15:08
おっ自分を殴り倒すなんてそうそう出来る体験じゃあねえよな!?
そして...ほう、別世界のファッションについても気になるところだ。

俺は適当に歩き回るつもりだが...ま、自分自身ならある程度どこに行くかそれぞれ検討はつくだろ。
このゲンダイニホンの世界構造を理解できれば。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2020-04-24 00:20:19
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。
大人気授業、当たって嬉しいです!みんなで頑張りましょう!
よろしくお願いいたします!

僕は、「あっちの世界で何が見える?」に登場した(そしてディメのpcでもある)
「もう一人の自分」を登場させたい考えです。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 4) 2020-04-24 00:39:19
急におかしなこと言うと驚かれるかもしれないけれど、
わたしは、この『ゲンダイニホン』のルールがわかるわ。
だから、あの鉄の馬無し馬車、『ジドウシャ』と人々の通る道は
ラインや柵で区切られているから、通る場所は間違えないで。

それと、交差点にあって赤・黄・緑に点滅する街灯は『シンゴウキ』で
人や車はそれに従って動いているから、みんなもそれに合わせて、
事故にあわないように気を付けて探索してね。

《ゆうがく2年生》 蓮花寺・六道丸 (No 5) 2020-04-24 01:22:32
拙僧は芸能・芸術コース、蓮花寺・六道丸。よろしく。
……ふーむ、どうしたもんか。要は異なる世界に入り込んで己の影法師を探し、倒せということであろうが、
そもそも魔法のない世界ということなら、拙僧のようなリバイバルはヒューマンとして居るのであろうか……?
とりあえず、話し方は普通っぽくしておくか。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2020-04-24 01:44:15
大丈夫ですエリカ部長さん。
秘密情報部長さんならそういう知識を持っててもみんな驚きませんよ。(そうか?)
それにしても、よりによって「トーキョー」とは…
部長さんのご指導で基本を学んでも、いきなり「スクランブルコーサテン」に放り込まれたら、命の危機にさらされますね…(ガクブル)

六道丸さん、舞台がトーキョーですから、もしかしたら紅蓮先輩に会えるかもしれませんね!

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 7) 2020-04-24 10:29:56
ゲンダイニホン・・・!
オレのいた世界なのか?
話に聞く限り限りなく近いか、そのものの世界って感じがするが・・・

多分、だいたいのことはわかるんじゃないかとは思う。
なので解んないことがあったら聞いてくれ。
それなりに力になれると思うぞ。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 8) 2020-04-24 10:56:41
じゃ、遠慮無く仁和チャンにこの世界についてご教授願おうか。
それで多少は歩きやすくなるだろ。


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2020-04-24 12:25:26
皆さんありがとうございます!

エリカ部長さんによる基本編、
貴人部員さんによる応用編、
秘密情報部特別講座二本立てで、異世界の歩き方は安心ですね!

《神(仮)》 ゼクト・ゴッドマイヤー (No 10) 2020-04-24 18:51:35
遅くなってしまったね!
教祖・聖職コースのゼクト・ゴッドマイヤーだ!
そう、神だよ(どやぁっ

さて、「ゲンダイニホン」という事だったが…。
まぁ、そうだね。
とりあえずは現地の住民の動きに合わせていたらいいのかな?
そこでは自分がどうなっているのか判らないが…。

そしてエリカさんが言っていた「ジドウシャ」は…。
…そういった「鉄でできた魔物」が襲ってくる事例はこの前確かに見てたからね。

きっとそれを飼いならす為のシステムを作っているんだろう。
ならば、それに沿って動いた方が効率良さそうだね!




《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 11) 2020-04-24 20:30:47
明らかにそれに似てる、ってだけの可能性もなきにしも無いかあるかだしー、せんにゅーかんは持ちすぎないよーに、だけどね。

ってかこれ、個人行動なわけ?全体渋滞?それとも2人だか4人だか組だかすんの?

この魔物が見た人物のままに見えるーってなら、同じ対象を2人以上で見たらどーなんだろーね。
混ざんのかな、特徴

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 12) 2020-04-24 22:21:37
よくは分からないけれど、わたしはこの『ゲンダイニホン』に違和感をそれほど持たないので
もしかすると、記憶を失う前のわたしと関係のある世界なのかもしれないわね……

それはさておき、マキョーが増えている可能性を考えたら、
ある程度は分散して探した方がいいかもしれないわね。
幸い、外の世界へ出てくるまではマキョーはそれほど強くならないようだし。

《人たらし》 七枷・陣 (No 13) 2020-04-25 03:26:20
賢者・導師コースの七枷陣だよ。よろしくねぇ。
ゲンダイニホンねぇ…。おじさん的にはちょっと親近感湧く所かも。
お、エスバイロがあるのかぁ。ん?飛ばないのコレ?バイクって言うの…?ふーん、文明レベルはおじさんのとこよりも低いっぽいかねぇ。
とりあえずは色々見て回ってみようかな。
ふむ…アキハバラ?なんかピンとくる気がしないでもない?なんでだろ?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 14) 2020-04-25 07:54:00
あ...?あー...なるほど。
俺、思い違いしてたな。

マキョーはエンカウントするまで、俺等の姿をとってないんだな。
じゃ、マジで歩き回るしか無いが...。
このゲンダイニホンに入った地点の周辺に居ることを信じて探索するしかないわネ。

ま、エンカウント出来たら同一人物が居るんだし殴り間違いは起きねえだろ。

《ゆうがく2年生》 蓮花寺・六道丸 (No 15) 2020-04-25 18:40:21
うむ、拙僧も既に拙僧の姿をしているものと思うておった。
人数と同じだけ中にいるのかのう?それとも、一匹を多人数で見たらそれぞれ自分の姿に見えるのか……?
まあ何にせよ、自分と同じ姿をしているものを見つけたら倒せばよいということだな。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 16) 2020-04-25 22:25:55
そうなると、その辺りの通行人に「今、俺が来なかったか?」はできないわけね……

捜索としては聞き込みは捨てて、ひたすら自分と同じ姿を見て探すしかないかしら?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 17) 2020-04-26 00:37:47
ま、時間はそこそこあるみたいだし…
観光がてら、「俺を殴りに行こうかヤー」だな。

仁和に聞いた、俺の興味ありそうな建物とかぶらついてみるわ。
ほら、ゲンダイニホンとやらに自分なりに馴染まないといけないんだろ?
だったら、クラブとかハコと呼ばれるところに入り浸るだろうしな。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 18) 2020-04-26 00:59:57
メタ読みすると、
今回は異世界の自分の姿と出会い、そして戦うという主旨がひとつありそうなので、
複数人で遭遇する場合は、混合したの一体ではなく、PCと同じ人数出現しそうな気がします。
根拠はないですが…

そして、魔境、つまりトーキョーに住む自分がいそうな場所に張り込む、というプラムさんの視点はかなり鋭いと思います。
さっすが名探偵!

僕は…そうだ、図書館かな。
異世界の情報がいっぱいありそうですから、
秘密情報部としては押さえておきたいスポットですね。
エリカ部長さん、貴人さん、良かったらご一緒しません?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2020-04-26 01:42:13
取り急ぎ、仮プランは書きました。

戦闘について、あっちの自分を斬るのはしのびないことや、
トーキョーで刃物を振り回すのもどうかと思うことから、
【コツンと一撃】による気絶を狙う方針にしてます。

しかし、問題解決のためには、気絶でいいのか、
それとも、きちんと「駆除」すべきなのか、というのを図りかねています。
皆さん、どう思われますか?

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 20) 2020-04-26 16:36:21
銃刀法違反・・・
オレの知ってるトーキョーだったら不用意に武器持ってると警察っていう守衛さんに捕まるんだが・・・
どうなんだろうな?

比較的安全なのは楽器と本と扇位か?



《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 21) 2020-04-26 17:36:42
貴重な情報ありがとうございます!

それなら、僕が装備してる指揮棒もお薦めですね。
何せ、指揮をする職業もあるくらいですからね。

(指揮棒をじっと見つめて)これで、どうやって気絶させるのか…
考えたら敗けですね、きっと。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 22) 2020-04-26 18:02:08
>タスクさん
ごめんなさい。
いつもならともかく、今回は図書館へ行きたい気分じゃないの……
うまく説明できないのだけど、どうしても行かなきゃならない場所があるような気がして……


見た目に物騒な『武器』を持っていく場合は、隠し持っておいて
マキョーとの対決は人気のない場所で。というようにした方が無難じゃないかしら?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 23) 2020-04-26 19:13:42
エリカ部長さん、了解しました!
きっと、大切な記憶に関わる場所があるのだろうと推察します。
本当ならご一緒してガードを務めたい気持ちもあるのですが、
今回に限っては、僕も逆に、どうしても図書館に行かなくてはならない気がしていまして…

お互いに、無事と武運を祈りましょう。

武器については、人目がなければ「ジュートーホー」や衛兵さんの餌食にならずにはすみますが、
マキョーや、魔境それ自体に「アウト~!」と判定されてしまっては、魔法石から追い出されてしまう恐れがありますから、要注意ですね。

プロローグで、ケルナグール…げふんごほん!
殴ったり蹴ったりを推奨してるように見えるのは、
その辺があるのではないかと【推測】しています。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 24) 2020-04-28 21:19:35
あと少しで出発だな。
白紙はしないよう注意しないとな・・・

後、タスクくんギリギリになってしまってすまないがメインは買い物に行きたいんだ・・・
一応東京案内するとは書いておくが一緒できるかわからないぞ