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【優灯】きみと、大空へ。


ストーリー Story

 ――『フトゥールム・スクエア』内、職員室にて。
(ふむふむ……)
 長い金の髪に、赤の瞳。ハーフリムタイプの眼鏡をいつも通りにかけた【シトリ・イエライ】は、手にした羊皮紙の束に目を通していた。
 研究室を兼ねている執務室に引きこもりがちな彼も、事件が起きたとならば、ちゃんと『先生』らしいことをしに出てくるようらしい。
(といっても。この情報だけでは何もできませんがね)
 各地で脅威を振りまいている怪しい三人組の出現に、魔物の大群の襲来。
 そして、被害は大小さまざまだが、記憶をなくすという事件の勃発。
 しかし、『記憶をなくす』とだけ聞くと大仰に聞こえるが……。
(……ひとによって、差がありすぎるんですよね。全く意図が読めないというか)
 『犬の名前を忘れた』なんて小さな被害であるかと思えば、『自分の名前を忘れた』なんて、アイデンティティの喪失と言えるものまである。
(ただ世界を混乱に陥れたいのでしたら、後者に統一すれば良いものでしょうに)
 何か意味があるのだろうか。それとも、こうしなければならなかった理由が?
 思考の渦に入りかけたシトリは、一度首を振り、考え事を頭の外へと追いやった。
(いけませんね。数少ない情報で動くのも、推測をするのも、あまりよくない)
 そう思ったシトリは、ふと目に入ったものへと足を進めた。
(これは確か、生徒の皆さんが授業内容の希望を書かれるというものでしたか)
 生徒が見られる場所と、職員室の既定箇所を行き来するようにされているという『連絡帳』を、シトリは軽く開き。
 それから文字の記されているページをぱらぱらと捲りながら、なるほど、なるほど、と言葉を零した。
「……そうですね、復興支援に慰問。情報不足の状況とはいえ、私達にできることはたくさんありますか」
 それにグリフォンも良い案です。そう言い残したシトリは、ノートを閉じて、職員室を後にする。
 その足取りは、考え事をしていた時よりも、軽かった。



「――ということで。皆さんには復興支援及び、傷ついた方々への慰問へと向かってもらいます」
 数日後。校庭では、とある課題の募集要項を見た生徒たちが集められていた。
 課題の依頼主は『シトリ・イエライ』。この学校のいち教師であり、賢者・導師コースを担当するローレライの男性だ。
 彼は眼鏡の奥に控える赤の瞳を緩めると、まずは、と集まった全員に地図を渡しながら、
「私たちの住まうフトゥールム・スクエアは、その地図の真ん中に描かれています」
 彼による課題の詳細説明が始まる。
「そして、今回みなさんに向かってもらうのは、その周辺の赤い丸印がある部分です」
 『きみ』がシトリの言葉を聞きながら地図を確認すると、学園の周りには、赤丸がぽつぽつとつけられていた。
 しかし、その位置に規則性もないようだ。少し大きめの町から、辺境の小さな村まで。
 対象も、並びもてんでばらばらなそれに、しかし『きみ』は眉を潜める。
「ええ、そうです。見てお気づきかもしれませんが、小さな村や町が主な被害地なのです」
 つまり、自分たちの力だけでは復興が難しい状況が相次いでいる、ということだ。
 『きみ』はそれに対し、どう思っただろうか。弱者ばかりを狙う悪質な行為だと怒りに震えた?
 それとも、それほど大きな力を持ってはいない敵なのだろうかと推測しただろうか。
 どちらにしても、真相は未だ闇の中であり、それに対して対策できることはない。
 ならば今、すべきことは――。
「皆さんには、その被害があった場所へ赴き、『自分にできること』を実行してきて欲しいのです」
 力自慢であるならば、壊れた家屋の撤去や、新しい建物を建てるための素材集めもいいだろう。
 逆に考えることが得意であるのなら、もしまた魔物の襲来が起きた時の対策を考えることだって可能だ。
「もちろん、目に見えるものだけが全てではありません。心に傷を受けたかたも多くいらっしゃいます」
 はじめて命の危険に晒された子どももいれば、記憶を失うというあやふやな状況に怯える大人だっている。
 そんな相手には何が良いだろう? 優しい音楽か、話し相手か、やれることはたくさんあるはずだ。
「もしも持っていきたい道具があるのなら、私のほうで手配いたします。しかし、持っていけるのはこの荷車に積められる量だけです」
 そう言って、シトリは次に1台の荷車を指で示して見せた。
 『きみ』が視線を向けると、そこには手綱のつけられた一頭のグリフォンが、荷車の軛(くびき)をかけられる形で立っていた。
「クゥルル……」
 鷲の翼と上半身、そしてライオンの下半身を持つその原生生物は、力強い四肢を持ち、グリフォン便という交通手段としても有名だ。
「皆さんには、グリフォンと荷車を1組ずつお貸しします。現場には彼らの背に乗って、向かってください」
「クゥ!」
 任せて! と言いたげに鳴いたグリフォンは、どこか誇らしげだ。『きみ』は思わず頬を緩めそうになるが、すぐに気を引き締め直す。
 なぜなら、荷車は一頭のグリフォンが引ける程度の大きさ……つまり、それほど大きくはないのだ。
 これでは復興か、慰問か。目的を1つに絞らなければならないだろう。どちらもに手を出して中途半端になっては意味がない。
 そんなことを考えている『きみ』の緊張を和らげるつもりなのだろうか、シトリは最後にもう1つの言葉を付け足した。
「そして皆さん、これは私からのお願いなのですが。できればいつもの制服姿ではなく、『仮装』をして頂けませんか?」
 顔を上げた『きみ』は、シトリが微笑んでいるのを見る。彼はにこやかな笑みのまま、
「被害にあった村の皆様は、とても心を痛めています。ですから皆さんには、できるだけ『楽しい』気持ちを運んで頂きたいのです」
 肩を落とした人に、哀しい顔で接しては、なかなか気持ちの切り替えを促すことは難しい。
 たとえ敵の目論見がわからない、再発の危険性だってある状況だとしても。
「笑顔を向け、不安を追い払い、再び奮い立つ勇気を持たせる。それもまた、ひとつの『勇者』の在り方ですからね」


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 7日 出発日 2019-10-16

難易度 普通 報酬 多い 完成予定 2019-10-26

登場人物 8/8 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《ココの大好きな人》アンリ・ミラーヴ
 ルネサンス Lv18 / 教祖・聖職 Rank 1
純種が馬のルネサンス。馬の耳と尻尾を持つ。 身長175cm。体重56kg。 16歳。 性格は温厚。 あまり表情を変えず寡黙。 喋る際は、言葉に短く間を置きながら発していく。 少しのんびりした性格と、言葉を選びながら喋るため。 思考や文章は比較的普通に言葉を紡ぐ。 表現が下手なだけで、年相応に感情は豊か。 好奇心も強く、珍しいものを見つけては、つぶらな瞳を輝かせながら眺めている。 群れで暮らす馬の遺伝により、少し寂しがり屋な面もある。 やや天然で、草原出身の世間知らずも合わさって時折、突拍子の無い発言をする。 好きな食べ物はニンジン。 食べていると美味しそうに目を細めて表情を和らげる。 趣味はランニング。運動自体を好む。 武術だけは、傷付ける行為を好まないため苦手。 入学の目的は、生者を癒し死者を慰める力を身に着ける事。
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」

解説 Explan

・成功条件
 パートナーグリフォンと共に、被害があった村にて、
 ①復興を支援する。
 ②傷ついた村人たちの心身を癒す。

・時刻/場所
 昼/被害があった村
 必ずしも1つの村に全員で向かう必要はありません。

・パートナーのグリフォンについて
 グリフォンには性格があり、目的に対し向き不向きがあります。

 ①寂しがり
  一人になることを嫌がりますが、人馴れはしています。

 ②おっとり
  マイペースに空を飛びすぎて、行先迷子になりがち。

 ③頑張り屋
  指示を出されると喜び、大変頑張りますが、頑張りすぎてバテやすい。

 ④冷静
  賢く冷静ですが、照れ屋なのか注目を浴びると固まります。

 ⑤お調子者
  褒められるとテンションUP! あなたの指示をよく聞き、手伝いたがります。
  しかしその時はうっかり屋さんになりがちで、失敗するとかなり凹みます。

 ⑥気位が高い
  背に乗せてくれるかどうかさえ、彼(彼女)の気まぐれにかかっています。
  ただしポテンシャルは最も上で、指示さえ聞いてくれればあなたの希望を叶えてくれるでしょう。

 ですが、パートナーとなるグリフォンはランダムです。
 会議室にてサイコロを1個振り、出た目のグリフォンがパートナーとなります。
 また、各性格によるデメリットは、プランに記載された一般技能の使用方法によっては補正され、
 ジャッジ次第では良い方向に転がる可能性もあります。箇条書きは×。
 (出発日までにサイコロがふられていなかった場合、GMがダイスで決定します)
 グリフォンをただの移動手段にするか、目的の相棒とするかも自由です。

・補足
 グリフォンの名前や性別は自由に決めて頂いて構いませんが、PCが名付けたわけではなく
 【●●●】という名のグリフォンがパートナーになった、という形で描写されます。
 仮装の内容描写は簡単で構いません。モチーフや発注済イラストがあるならその記載だけでも大丈夫です。


作者コメント Comment
 閲覧ありがとうございます、GMの白兎(シロ・ウサギ)です。
 本エピソードは授業ではなく、課題という形となっております。
 また、『hello!saint』イベントに属するものとなっております。

 プロローグ:「邪な純粋」にある通り、現在各地では謎の3人組が暗躍をしております。
 本エピソードでは、その被害にあった場所へパートナーのグリフォンや仲間と共に向かい、
 被害のあった村の復興や、被害を受けた人々の心を癒して頂きたく思います。
 ハロウィンという行事の信用回復も兼ねているので、普段の格好(制服)ではなく、
 オシャレな秋の装いやハロウィン的な仮装で行うと、さらに効果があがるかもしれません。
 この機会に、いつもの自分とは少し違った衣装に袖を通してみるのはいかがでしょう?

 こちらの文章としましては、プロローグや既出リプレイをご参照ください。
 それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:162 = 135全体 + 27個別
獲得報酬:7200 = 6000全体 + 1200個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
慰安担当。復興担当の人(誰でも可)と組んで村に『楽しい』を配達に

●事前準備
荷物は村人向けの仮装と菓子の袋詰
余裕があれば復興担当の人の資材も搭載

●行動
グリフォンが『冷静』なので、村が視界に入った(グリフォンが視線を意識しだした)ら
合図の『発煙筒』を上げて注目を逸らし、『生物騎乗』でなだめて低空飛行~着地。
(復興担当の人が苦戦してそうならそちらも手助けを)
自分は仮装して菓子を配りながら、村の子たちにも仮装を誘って様子を『絵画』
似顔絵描きのように皆の楽しそうな姿を、菓子袋の紙や布、また許可頂ければ外壁等にプレゼント。
描写は被害や悲しさは差し引き、喜びや未来を足して。明るい未来を忘れないようにと

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:162 = 135全体 + 27個別
獲得報酬:7200 = 6000全体 + 1200個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
(仮)
荷車にはシャベル・木材・紐束・日持ちする食糧を持っていく。

【行動】
(使用スキル『罠設置』『設計』)
羊皮紙に図面や工程が書かれた物を渡す。
魔物の機動を落とし、自分達でも対処出来るような構造を提案し施行。
(1)堀
ワッフル状に堀を作る。時間的に深い堀は難しいので、
定期的に堀り進めて、泥と水を流し込むようすれば、魔物の機動を大きく落とし。
脅威度の低い魔物であればボウガンやスリング等で対処が出来ると伝える。
(2)物見櫓
簡易的なモノ。木材を利用。
(3)防空壕
防空壕のような地下構造物。廃材や木材を利用。

村の男衆にも手伝って貰いたいと掛け合う。
グリフォンにも自分のペースで手伝って貰う。

チョウザ・コナミ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:378 = 135全体 + 243個別
獲得報酬:16200 = 6000全体 + 10200個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
魔物の気配残滓集められそーな雰囲気を感じて。
ザコちゃん的には気になるもん集めの一環だけど、ようは情報現状の使いようでしょ?

そーいやザコちゃん乗る子、名前なんだったっけ。聞いてなかった。
羽毛の塊だし、羽毛の子でいっか。今日もふわふわのばさばさだね、羽毛。

で、ザコちゃんは襲われた集落周辺で、魔物の痕跡探し…だけで文句言われてもあれだし、ついでに羽毛にも運んでもらって、瓦礫を集落外のどっかに出し纏めといたり、周辺で資材集めたりもしとこ。枝とか。

魔物の痕跡はおもし…どんな魔物か聞きかじりの【魔物学】と【推測で】わか理解しとけば、魔物の残党への対策立てやすいじゃん?
そーいうことしてるゆーしゃ様もいるし。

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:162 = 135全体 + 27個別
獲得報酬:7200 = 6000全体 + 1200個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
私は慰問向きの技術はありませんし、怪我人の手当や病気の方の容態を診て復興のお手伝い
荷車には包帯等の応急手当の道具と一緒に、冬向けの古着や芋、玉ねぎ等の保存が利く食料を載せ支援物資に

おっとりグリフォンが別々の方向にいくなら、私はビアンデさんについて行って

余は忠良なる民の諸君のために、諸君の傷を癒し、再び余のために力を奮ってくれるよう願い……この地に参った

的な感じで、冷静なグリフォンは忠実な従者的な位置取り

簡易救急箱の道具で応急処置を施したり、応急処置では対処できない傷には祈祷での回復を
傷が膿み毒となってるならデトルを試みる等し、ひとりでも多くに救いの手を

母を忘れた幼子が、母を思い出すほどの情愛を

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:162 = 135全体 + 27個別
獲得報酬:7200 = 6000全体 + 1200個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
復興支援
設計と陣地作成、防御拠点でより防御に適した建造物の配置を提案

防衛計画に邪魔にならないような場所に家を破壊されたものがいるんならその人に簡易小屋の作成

グリフォンには簡易小屋のための資材を運んでもらう
主に木の板だな

村では廃材や破壊された建物の撤去をしてもらおう
もちろんできる範囲でだが

一人でできることはたかが知れてるし行く村には二人以上で行きたいが・・・
誰か一緒に行ってはくれないだろうか?

仮装はいつもの仮面にハンチング帽、スーツにトンビコートだな
モチーフは元の世界の変わった吸血鬼だな



・・・さてうまくいけばいいんだが

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:162 = 135全体 + 27個別
獲得報酬:7200 = 6000全体 + 1200個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
仮装か、そういえばこの間…(ごそごそ

仮装
シングルピンナップ参照
球体関節模様の手袋もつければ「楽器を弾く魔法の人形」の完成っと

目的
慰問
一緒に音楽を楽しむことで少しでも笑顔を取り戻したい

行動
村についたら子供達と会話
「子供親和」である程度交流を図る
その中で知っている歌があるかどうか聞く

村の広い場所に子供を集めて小さな演奏会
まずはラベイカでリラックスできるような曲を演奏

「それじゃあ次は、みんなでやってみよう」
一緒に手拍子をしてくれるようお願い
リズムが取りやすいようにテンポを調節しながら人形のような「演技」をしつつ
ラベイカで共に「音楽」を楽しむ
こども達がのってくれれば自身も共に「歌唱」しながら演奏

アンリ・ミラーヴ 個人成績:

獲得経験:162 = 135全体 + 27個別
獲得報酬:7200 = 6000全体 + 1200個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
被害を受けた村で、主に子供を励ます「お話会」を開く。

まず指導者的立場の大人に会い、俺の身分(フトゥールム・スクエアの生徒)、目的(被災した村々の慰安)を説明。子供達が集まれる場所を借りて話をさせて欲しいと頼む。

お話会で子供達の前にフレンドゥと仮装姿で現れ、被り物を取ってから俺とフレンドゥの自己紹介。
「少しだけお話を聞いてもらってから、後でフレンドゥと遊んでもらいたい」と言い、本題。

話の概要。
みんな魔物の襲われて怖かったと思う。俺達が助けられなくて本当にごめん。
今、俺達は魔物を退治するため頑張ってる。俺も一度戦った。次は必ず倒す。
失った記憶が戻るのを見た。みんな、希望を持ってほしい。

ビアンデ・ムート 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:378 = 135全体 + 243個別
獲得報酬:16200 = 6000全体 + 10200個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
*目的
村に赴いて復興のお手伝いをします

*行動
仮装必須との事なので魔女の帽子を被ってローブを羽織ります。作業もあるのでそれに差し支えないとなるとこの辺りかな?

グリフォンに乗る時は『生物騎乗』を駆使してなるべく自由に飛ばせつつさりげなく村に向かうよう誘導

村に着いたら建物や田畑の被害を確認します
それが終わったら、壊れてる建物の瓦礫を撤去。瓦礫は他の用途で使えるかも知れないので、グリフォンと一緒に荷車で邪魔にならない場所に運びます

田畑が荒らされてるなら『農業学』の知識を使って田畑を整えたり、村の方々と一緒に瓦礫を再利用して柵を作成します
気落ちしてる時こそ身体を動かせば少しは気が紛れるかもしれません

リザルト Result


●繋ぐ心
 ――フトゥールム・スクエア、校庭。
 課題に集まった多くの生徒たちが、それぞれの仮装に身を包み、グループごとの最終調整をしていた時。
「うわぁ、まっしろぉ」
「……うん、きれい」
 驚く【チョウザ・コナミ】の前には、【アンリ・ミラーヴ】のパートナーとなった白変種のグリフォンがいた。
 甘えんぼうらしく『クゥ! クゥ!』と鳴き声をあげながら、アンリの頬に自分の耳羽(じう)を擦りつけている。
(もしかして、子どもの頃にいじめられたり、したのかな)
 手綱を渡される前に、『寂しがり』の子ですよ、と教えて貰ったが、この毛色のせいなのかもしれない。
 そう思ったアンリは、グリフォンの後頭を撫でつつ、
「名前は【フレンドゥ】、オスだって聞いた。チョウザさんの子は?」
「ザコちゃんでいーよ。で、この子の名前はっと……んー……なんだっけ?」
「クゥ?」
 尋ねられたパートナーグリフォンは、もちろん人語を話さない。
 ゆえに首を傾げた相手(のもふもふ)を見たチョウザは、
「羽毛の子でいっか。羽毛の塊っぽいし」
「クゥ???」
「よろしくねー、【羽毛】」
 首のまわりのもふもふをわしゃわしゃとされたグリフォンは、今度は反対側へと首を傾げる。クゥ?
「今日もふわふわのばさばさだねぇ、うもー」
「……クゥ!」
 なるほど、このヒトは私のことを『ウモウ』と呼ぶらしい!
 持ち前の賢さでピコーン! と閃いたグリフォンは、嬉しそうに両前足を持ち上げて見せた。
(でも、意味はわかってないんだろうなぁ、うん)
 可愛いけどね。チョウザ達のやりとりに苦笑した【シキア・エラルド】は、ふと視界の端に映った姿に意識を引っ張られる。
「すごいな。ベイキさんは髪の色まで変えたんだ」
「はい、少し冒険してみました」
 しゃらり。緩やかな【ベイキ・ミューズフェス】の微笑みに合わせて、ツインサイドアップの髪が揺れる。
 けれどその色は、いつものような深緑ではなく、鮮やかなワイン・レッドに変わっていた。
「といっても、私はローレライですから、そんなに大変なことではありませんが」
「泡麗族のかたは、水分と魔力を混合して、姿形を作られるのでしたっけ」
 気になっていたのだろう、どこかそわそわとした様子で【ビアンデ・ムート】が会話に入る。
 彼女は作業効率を考え、大きな魔女らしい帽子にのみ仮装は留めたが、ベイキ……泡麗族という種族がどのように変身したのかは、気になるらしい。
「ということは。私達ヒューマンのように、元ある髪に別の色を塗り重ねるというよりは……」
「新たに摂取した水分を用い、髪の部分を整え直した、と言ったほうが正しいのかもしれません」
「へぇ、便利だなぁ! なら、紅茶をたくさん飲んだりしたら、赤茶色の髪にできたりするの?」
「えぇ。ですがずっとというわけではありません。時間が経てば、なぜか『いつもの姿』に戻るんですよね」
 体が自分自身の色や形を覚えているのでしょうか。
 そう不思議がるベイキの耳に、少しくぐもった声が届く。
「オレは復興に行こうと思ってるんだが、誰か一緒に行ってくれる人はいないだろうか」
 黒のスーツに身を包み、同じく黒のトンビコートを羽織った【仁和・貴人】(にわ たかと)だった。
 彼はいつも身に着けている仮面はそのままに、頭にはハンチング帽を乗せながら、
「一人で出来ることはたかが知れてる。ならせめて、複数人で向かって、できる限りのことをしたいんだ」
「あっ、それなら僕といきます? っても、僕も復興目的なんですが……被っちまうのもアレですかね」
 あげかけた片手でそのまま頬を掻いたのは、【ヒューズ・トゥエルプ】だ。その隣ではグリフォンが『まだ~?』と言いたげにあくびをしていた。
 そこに、もう1つの声があがる。
「だったら、私と一緒はどう?」
 【フィリン・スタンテッド】だ。フェイクファーによる耳と尻尾という可愛らしい仮装をしているが、凛とした佇まいは『フィリン』らしい。
 彼女は絵画用の大きな筆を腰に下げ、お菓子や村人向けの仮装衣装を積んだ荷車に手を置き、
「私は慰問に向かうつもりなの。だから、私が子どもの相手をしている間、大人達は貴人の手伝いに向かえるかも」
「それは有難い、ぜひ頼む。……が、やはり被害にあった村の全部を回るのは、無理だろうか」
「――なァ、それなんだけどよォ」
 悩み始めた貴人に、ある青年が声を掛ける。
 馴染みのない顔ではあったが、仮装をし、グリフォンを連れていることが、同じ課題に取り組んでいる同志だと示していた。
 彼は、『盗み聞きしてたみてぇでワリィ』と前置いてから、
「良かったらァ、そっちが行く予定のトコ、教えてくんね? そしたら、俺達は空いてんトコ行くからさ」
「良いですわね、それ! だったら、わたくし達のグループも便乗させて頂こうかしら!」
 ずいっと会話に割り込む影が増える。僕も、アタシ達も! そんな声がひっきりなしに続いた。
 それは次代の勇者たちが、できるだけ多くのひとを助けたいと思う心、そのものであって。
(そうなればいい、とは思っておりましたが……教師である私に指示されたから、ではなく)
 自分たちから、自分たちの力で。連携し、分担し、より多くに手を差し伸べようとしている。
(やはり、『彼』の元に。……連れていってあげたいですねぇ)
 地図を持ち寄り、行先や目的の交換をし始めた課題参加者たちを見て、【シトリ・イエライ】が微笑む。
 脳裏に浮かんだのは、在りし日の友人の夢を見ながら、ずっと眠り続けているドラゴンの姿。
 けれどそんなシトリの表情は、とても穏やかだった。

●きみと、大空へ
 行き先が決まれば、あとは向かうだけ。
(なーんて思ってたことが、俺にもありましたよっと)
 ふらふら、ゆらゆら。ゆったりのんびり。
 荷車の重さなんてなんのその、まるで遊覧しているかのように空を飛んでいるのは、ヒューズとビアンデを乗せた『おっとり』グリフォン達だった。
「クゥ~♪」
(にしても、めちゃくちゃ機嫌いいな。『空飛ぶのたーのしー』ってところか?)
 しかしこのスピードでは、複数の目的地に向かうのは厳しそうだ。
 そんな諦めを苦笑いで呑み込んだヒューズは、ぽんぽんとグリフォンの背を叩く。
「ご機嫌なのは良いけど、迷子にだけはならないでくれよなぁ、ホント」
「クゥ~♪」
 わかってるって~、とでも言いたげなグリフォンの声に、お願いしますよっと苦笑いをもう1つ。
 マイペースならばそれを崩さないほうが良いと行先だけを指示してみたが、まさかここまでおっとりさんだったとは。
(冷静&冷静組のフィリンさん達は、もうついてんのかねぇ……)

・・・

「クウッ、クウッ」
「クゥー……っ」
 それが、そうでもなかった。
 確かに冷静で賢いグリフォン達は、フィリンと貴人の要望をよく聞き、効率的かつ乗り手の安全が保たれた程度の速さで空を飛んだ。
 ゆえに、8人の中では一番乗りの形で予定していた場所には着いたのだが、
「おとうさーん! ゆうしゃさまがきてくれたよ!」
「あぁ、ありがたい……っ!」
「ねぇ、あの乗り物なぁにー?」
「ちょーかっこいい! すっげぇー!」
 そう、今回対象となった小さな村々では、移動手段は主に馬であり、グリフォンという存在自体が珍しい。
 学園ではよく見かけるとはいえ、やはり原生生物の一種なのだ。
 そんな貴重な生き物に乗って、勇者候補生たちが、自分たちのために来てくれた。
 これだけでも村人たちの胸には希望が灯るというのに、注目を浴びないわけがない。村人中のみんなが空を見ている。
 ――ゆえに、降りられなかった。集まる視線に、グリフォン達が耐えられなかったのだ。
「クゥ~……」
 恥ずかしいよ~、とばかりに空中で八の字を描き、なかなか降り立ってくれない2頭のグリフォン達。
(参ったな、これは想定外だ)
 仮面の下で、貴人が眉を潜める。そんな彼に、フィリンが声をかけた。
「私に考えがあるの、聞いてくれる?」

・・・

 戻って、残りの6人はというと。
「クゥ~♪」
「クゥっ、クゥ~♪」
 相変わらずにのんびり運行なグリフォン2頭が、ヒューズとビアンデを目的地まで運び。
 その後ろを、『誰かが迷子にならないよう気にしてあげて』と予めお願いされていた冷静2頭(シキアとベイキを乗せている)がついていく。
 そうして、4頭が仲良く飛んでいる形になったものだから、その後ろを寂しがりのフレンドゥがついていかないわけもなく。
「ならザコちゃん達は、あっちらこっちら、彼方に此方(こなた)。ほかの復興組が行ったほうにでもいく?」
「クゥ?」
 固まる5頭の少し後ろ。グリフォンの背を軽くわしゃりながら、チョウザが声を掛ける。
 復興目的で飛び立った他グループの行先を思い出し、脳内地図に赤丸をつけていたチョウザは、しかし聞こえた声に意識を戻した。
「クゥッ? クゥ~……?」
 発生源に視線を向けると、フレンドゥが右往左往していた。
 あっちだよ、と乗り手のアンリが声を掛けてあげるものの、なかなか目的地へ向かおうとしない。
 それもそのはず、のんびり屋の2頭は乗り手の誘導の甲斐あって、それぞれの目的地へと正確に向かった……つまり、途中で二手に別れたのだ。
 それに対し、ベイキを乗せたグリフォンは予め指示されていたらしく、ビアンデを乗せたおっとりグリフォンを追いかけていったが。
 後ろでおろおろ事案が発生していることにも気付かない、おっとり組のもう1頭は、ヒューズを乗せたまま引き続きの遊覧飛行を続けていく。
 取り残されたのは、シキア、アンリ、チョウザを乗せた3頭だが、状況を把握している間にも、ヒューズを乗せたグリフォンはどんどん離れていく。
(おーやおや、これはどうしよっかねぇ)
 ぽりぽりと頭を掻いたチョウザに、同じく様子を見ていたシキアが声をかける。
「ザコさん。悪いんだけど、ヒューズさん達を追いかけて貰ってもいい?」
「ザコちゃんは別にいーけど。おっとり系の羽毛には、げーじゅつか様が付き添うつもりじゃなかったっけ?」
「そうだったんだけどね。俺も慰問予定だから、アンリさんとならやりたいことも合うかなって思って」
「そぉ? んじゃ、そーする。いこ、うもー」
「クゥ!」
 間延びしたチョウザの声かけに、グリフォンが反応を返す。
 追いかけるためにスピードを速めたのだろう、瞬く間に小さくなった彼女たちの背中を見て、シキアは息をついた。
(聞いてる素振りなんてなかったのに。ちゃんと誰がどこに行くつもりなのかを、頭に入れてるんだもんなぁ)
 参加者が集まって情報交換をしていた際、チョウザは興味なさげにパートナーグリフォンへと仮装を施していた。
 背と翼の辺りに丸い穴をあけ、胴体のみをすっぽりと白い布で覆えるようにし。
 いったいどこで手に入れたのか。正直なんの動物かもよくわからない不思議な像を、グリフォンの頭に乗せようとしていたのだ。
(それなのに。今この瞬間、なんの迷いもなく、俺が話していた予定を言い当てた)
 さすがだよなぁ。思わず感心していたシキアに、今度はアンリが声を掛ける。
「あの、ゴメン……俺、うまく、できなくて」
「クゥ~……」
 しゅん。耳を下げたアンリと、うなだれる様子の真っ白なグリフォンに、シキアは慌てて首を振る。
「ううん、アンリさんとフレンドゥのせいじゃないよ。それよりも、ほら」
 ――行こう? みんなが待ってる。

・・・

 その頃、フィリンと貴人の二人は、村に降り立とうとしていた。
 グリフォン達の行動を事前に見抜いていたフィリンが、用意していた発煙筒を引火させ、青い煙を周囲に漂わせる。
 瞬く間に煙で体を覆われたグリフォン達は、視界の急な変化に驚くよりもほっとした様子で、旋回をやめた。
「おぉ、これなら煙に隠れて降りることができる。ありがとう、スタンテッドくん」
「パフォーマンスにも見えるしね。それじゃ、行きましょうか」
「クゥ!」
 指示に従い、調子を戻したグリフォン達が、ゆっくりと高度を下げていく。
 鮮やかな青を引き連れたその姿は、まるで波の中を泳いでいるようだった。

●僕が、私が。できること。
「お待たせしました。フトゥールム・スクエアより支援に参りました」
 以前の遠乗りが功を奏したのだろう。グリフォンから華麗に降りることができたフィリンは、優雅な一礼へと動作を繋げる。
「すげぇ! ねーちゃん、かっこいいー!」
「あぁ、ありがとうございます、ありがとうございます、勇者様……」
 高貴な出自の娘さながらの堂々とした態度は、村人たちの視線を簡単に奪うことができた。
 それはつまり、恥ずかしがり屋のグリフォンから自分へと注意を移す行為であり、村人たちに『救いが来た』という印象を強く残すことでもある。
(……終わりのない地獄は。簡単に人の心を挫かせるから)
 ならば自分が夢を魅せるのだ。たとえ『勇者様』と呼ばれることに違和感を覚えたとしても。
(けして『自分』を出してはいけない。私は『フィリン』、フィリン・スタンテッド)
 ――彼女ならここで、否定なんかしない
 ゆえに穏やかな笑みで、お礼を繰り返す老婆に『もう大丈夫ですよ』と声を掛けるフィリンを見ながら、貴人は仮面の下に隠れる頬を掻いた。
(……スタンテッドくんは、さすがだな)
 自分は魔王コースの専攻だ。だから彼女のように、『勇者らしく』振る舞う必要はないんだろう。
 だとしても、『振る舞う』ことの大変さはわかる。貴人自身もまた、隠していることがあるからだ。
(……この世界も。楽しいことがいっぱいってわけじゃないんだな)
 視線を村人に向ければ、大人たちのほっとした笑顔だって、どこか疲れている。
(当たり前か。自分よりも遥かに強い奴に、いつまた襲われるかもわからないなんて)
 そんな生活、『俺のいた世界』ではありえない話だ。
 そう結論づけて思い巡らすことをやめた貴人は、ふっと息を吐いて、それから。
「聞け、村人たちよ! オレはお前たちの村を忙しさに陥れるために来た魔王! ……の使いである、吸血鬼サマである!」
 演技がかった台詞は朗々と、威厳をこめて。魔王で辞めなかったのは、子どもたちがびくっと肩を跳ねさせたのが見えたからだ。
「オレはお前たちのために、資材を持ってきた! いいか、お前たち! お前たちはオレと、雨風を凌ぐための小屋を作ったり、防衛拠点を作るのだ!」
『ために』とか、『ための』とか。その辺りに、どうにも悪役にはなりきれない貴人の優しさが垣間見え、大人たちの笑いを誘う。
 だが、掴みは上々だ。ゆえにフィリンは、自分にできる限りの笑顔を浮かべた。
 狼を模したふわふわなフェイク耳の下に、同じくふわふわなフェイクファーに包まれた両手を丸めるように添えて、
「そして私は、お供の狼少女。私はみんなに仮装やお菓子を運んで来たわ。Trick or Treat! ――だって、楽しいハロウィンは、これからでしょ?」

 多少時間はかかったものの、予定通り目的地に着いたベイキとビアンデも、それぞれの目的のために動き始めていた。
 ベイキを乗せたグリフォンも冷静な照れ屋ではあったが、ビアンデを乗せたグリフォンがマイペースを貫き、何の躊躇もなく着地したおかげだろう。
 そちらに村人たちの意識が集まっていた隙に、ベイキ達も降り立つことができたのだ。
(ですが私には、慰問向きの技術はありませんので……)
「余は忠良なる余の民のため。諸君の傷を癒し、再び余のために力を奮ってくれるよう願い……この地の支援に参ったものである」
 ふわり。ベイキが足を進めるたびに、ドレスにあしらわれた真っ赤なフリルが揺れる。
 それはまるで花畑の中を歩いているかのように鮮やかで、年端も行かない少女たちの瞳を輝かせた。
 きらきらのお洋服に、光り輝くティアラ。煌びやかなドレスを纏ったお姫様という『象徴』は、いつだって女の子たちの憧れなのだ。
 ――しかし、今日のベイキはただのお姫様ではなかった。
「傷を受けた者、癒えぬ者は余の元に来るがいい。魔王である我にとって、諸君は余の可愛い民である。瞬く間に治して見せようぞ」
 ティアラの下に窺えるのは、二本の黒い山羊角だ。どこか背徳さを含むアンバランスさに心を奪われるのは、良い年をした男性諸君だった。
「あぁ、なんて麗しいんだ……! いっそ足蹴にしてください、魔王様……いえ、女王様!」
「あしげっ……そ、そんなこと、しませんっ!」
 想定外の言葉(しかも喜びの色に満ち溢れていた)を受け、思わず地が出てしまうベイキ。
 しかし、こほん、とわざとらしい咳払いをした彼女は、仕切り直しというように両手を勢いよく広げ、
「さぁ、我が子らよ! 汝らが失いし冬への蓄えも存分に用意した! 寒さに嘆く者は服を、腹を空かせた者には、食料を分けようぞ!」
『ウォォー……っ!』
 主に男たちの盛り上がりが凄いような気がしたが、ベイキは気にしないことにした。
 本当は豪華な衣装も、こんなふうに高圧的な言い方も、できるなら避けたいのだ。
(ですが、恥ずかしがってはいられません……っ! 皆さんを勇気づけ、楽しませるためには……っ!)
「諸君、我等のハロウィンはこれからだ! 恐れることはない、余と共に、この可笑しな宴を楽しもうぞ!」
 精一杯の演技で、彼女は言った。その姿は誰から見ても、強い言葉の裏に慈愛を宿した、優しい魔王様だった。

 その頃ビアンデは、せっせと体を動かしていた。
 少し離れた場所で、ベイキの演説に心動かされている男や子ども達以外……お婆さんや年若い女性を相手に、物資を配っていたのだ。
「うちには、子ども二人分の着るものと、毛布を……」
「はい、わかりました。ベイ……、魔王様がたくさん用意してくれたので、数に余裕はあります。足りなくなったらまた来てくださいね」
「私は食料を……、赤ちゃんもいるんですが、粉ミルクのようなものはありますか?」
「粉ミルク……、あっ、ありますね! 綺麗な水のほうが良いでしょうから、飲料水の入った水筒もお渡ししますね」
「ありがとうございます……っ! ここ数日、まともにお乳もでなくて、本当に困っていたんです」
「お力になれて良かったです。私達は夜が来るまではここに滞在していますから、何かあればまた声を掛けてくださいね」
 ビアンデの穏やかな笑みに、縮こまっていた女性たちの心が解(ほぐ)れていく。
(私は瓦礫の撤去など、力仕事をする予定でしたが……その作業が終わったら、炊き出しをしにまた、戻ってきましょう)
 ――だってこんなにも、助けを求めているひとがいる。
『じゃあもうやめてよ! 私の役には、立ってないよ!』
「……っ!」
 ふいに、『彼女』の言葉が脳内を占める。それはまるでフラッシュバックのように、鮮明に。
 途端に苦しくなって、ビアンデはとっさに胸を押さえた。
「おねぇちゃん、大丈夫……?」
 ふっと、知らない顔がビアンデの視界に映った。入れ替わるように、泣きながら謝罪を繰り返していた『彼女』が消える。
 どうやら物資を貰いに来ていた子どもが、ビアンデの異変に気付いたらしい。不安そうな顔で、見上げていた。
「うん……、大丈夫、だよ?」
 だからビアンデは、笑顔を浮かべてみせた。
 大丈夫だと。繰り返し、自分に言い聞かせながら。

 けれど、全てがそう簡単に片づけられるわけじゃない。少なくとも、アンリはそう感じていた。
 門戸の閉ざされた家々を見つめ、その静けさに獣の耳を下げる。
(……こんなにも。みんな、落ち込んでいただなんて)
 アンリとシキアが共に降り立った村は、ベイキ達や貴人達の時とは全く違った状況で、彼等を受け入れた。
 遅かれ早かれ、フトゥールム・スクエアより支援が到着する。他の村と同様に、そういった事前伝達が届いていたのは違いない。
 だが、彼等を出迎えてくれたのは、村長ただ一人だったのだ。
『勇者候補生のお二方。どうか、お気を悪くされないでくだされ』
 困ったように眉を提げた村長は、二人にこう言った。皆、外に出たがらないだけなのだと。
『事件が起こる前は、もっと賑やかな村だったんじゃ。しかしあの日、大切な記憶を失くしてから。皆、家に閉じこもってしまって』
「クゥ……」
 アンリに共感したのか、それとも静かすぎる村の状況を寂しく思ったのか、フレンドゥが悲しげに鳴く。
 けれどその声に、アンリは顔をあげた。
「うん、フレンドゥ……俺も悲しい。でもそれだけじゃ、駄目なんだ」
「クゥ?」
 甘えん坊なフレンドゥ。温もりを求めるようにすり寄ってくるグリフォンの頭を、アンリは撫でる。
(もしもフレンドゥが、昔いじめられて。こんなに寂しがりになっているんだとしたら)
 それはヒトも同じなんじゃないだろうかと、アンリは思う。
 悲しい、辛い、――怖い。そんな思いを抱いた生き物が本能的に求めるものは、温もりや優しさ、明るい未来なんじゃないだろうかと。
(だったら、俺は)
 一緒になって、悲しがってはいられない。
「……っ!」
「わっ!?」
 ――パァン! と、乾いた音が響いた。
 それはアンリが自分の頬を、両手で思い切り叩いたからで。
 思ってもいなかったその行動に、シキアが狼狽(うろた)える。
「えっと、アンリさん……?」
「うん、目が覚めた」
 対してアンリは冷静だった。澄んだ緑の目で、まっすぐにシキアを見返しながら。
「俺たちの、やるべきことをやろう」
 たとえ、誰も。聞いてくれる人がいなかったとしても。

(そうさ。やるべきことを、やればいいんだ)
 そう自分に言い聞かせはするものの、ヒューズの唇からは盛大な溜息が零れた。
 なぜって? あまりにもパートナーが、悠々自適をエンジョイしているからだ。
 空を飛ぶのを楽しんでいたのは良い。結果的に、ちゃんと目的地へと運んでくれたのだから。
 穴を掘って遊んでいたのもまあ良い。先に物見櫓(ものみやぐら)から取り掛かる予定だったが、魔物の足止めも作りたいと思っていたからだ。
 しかし――。
(突然寝るかぁ? この状況で?)
 ちらりと視線を横に向けてみれば、実に穏やかな寝息を繰り返すグリフォンの姿がある。
 彼からしてみれば『たくさん空飛んで、遊んで疲れたから寝るね~』ということなのかもしれない。が。
「寝て何か完成するのかぁっ!? それで何か達成できんのかぁっ!?」
 思わず手にしていたスコップを地面に叩きつけたくなったが、虚しくなったので作業を再開する。
 そんな後ろ姿――とある片目隠しの幽霊少年を仮装のモチーフにしているからか、どこかおどろおどろしい――に声を返したのは、チョウザだった。
「あーらあら。心任せに自然体、謎めきフード様んとこの羽毛は可愛いねぇ」
 いつのまに飛んできたのだろう。うもーの背から着陸したチョウザが、お昼寝満喫中のグリフォンを見て、唇の端を吊り上げる。
「俺に言わせりゃ、ザコちゃんさんトコのが可愛いっすよ。それ、何の仮装なんです? グリフォンへの視線隠し込みなんでしょうけど」
「んー? うもーは船。ザコちゃんは下っ端海賊のミイラ」
「やっぱ下っ端なんすね、ソコは」
 同じ課題を何度か受けた経験からか。飄々(ひょうひょう)としたチョウザの受け答えにも、ヒューズは慣れたものだ。
 けれど、それから。ヒューズは毛皮で作られたちゃんちゃんこのフードを被りながら、
「……そっちは。どうなんです?」
「なーんも。瓦礫は撤去したし、資材集めもそこそこできたけど。面白そうなものはぜーんぜん」
 最近魔物の活動が活発化してる気がするって話は聞いたけどね。
 つまらなそうに付け加えるチョウザに、ヒューズは深いため息をつく。
(つまり、新しい情報はナシってことか)
 チョウザは自分と別れて、魔物の痕跡探し兼資材集めをしていたのだ。
 そのチョウザが『面白いものはなかった』というのだから、そういうことなのだろう。
(……尻尾を残さねぇとは、つくづく面倒な奴らだ)
 数日前に事を構えたカルマの大男たちを思い出し、舌打ちをするヒューズ。
 それに対し何の反応も返さなかったチョウザは、『羽毛』が引いていた荷車からがらがらと資材を降ろしつつ、
「んじゃ、ザコちゃんは次行くから。材料置いとくけど、人手もいる?」
「あー……ありゃ嬉しいってトコですかね」
「りょーかい。手空いてるゆーしゃ様がいたら声かけとく」

(よかった。声を掛けて回ったら、少しは集まってくれた)
 広場に集まってくれた人影に、シキアが安堵の息を漏らす。
 あのあと、シキアはアンリと共に『お話会や音楽会をするので、広場に来ませんか』『お菓子もありますよ』と村の中を練り歩いたのだ。
 アンリは馬の被り物に、馬の足を模した手袋とブーツ、僧侶のコートというどこかコミカルな仮装で。
 シキアは、美しい花飾りを金糸の髪につけ、緑を基調としたマーチングバンド衣装(仮装のテーマは楽器を弾く魔法人形だ)に身を包んで。
 さらにはフレンドゥも、頭に牛の角、体には牛の模様の入った白い布、そして首にはカウベルという仮装(アンリが用意した)をしていたものだから。
(主に子ども達が集まってくれたのなら、俺としても有難い)
 シキアはそう思いながら、構えていた楽器を奏で始める。
 どこかゆったりとしたラベイカの音は、母が歌う子守歌にも似ていた。

「おかあさん……」
 その頃、ベイキの腕の中ではある変化が起こっていた。
 ずっとぐずり泣いていた子どもが、ベイキに抱き上げられ、優しげな子守歌を歌われている間に、泣き止んだのだ。
(お母さん……?)
 聞こえた内容に思わず瞳を瞬かせたベイキに、少女が言葉を繰り返す。
「お母さん、お母さん……っ!」
「わっ、お母さん、ですか?」
「うんっ、わたし!」
 突然暴れ始めた少女を地面に降ろしたベイキは、続く言葉をはっきりと聞いた。
「思い出したの! 忘れてた、お母さんのこと、全部……っ!」

「俺は、失った記憶が戻るところを、見たんだ」
 シキアの奏でるBGMの中、アンリが『おはなし』を始める。
 それはまず自分やフレンドゥ、シキアの紹介から始まり、そして、彼が見た事実に基づく内容だった。
「みんな魔物に襲われて、怖かったと思う。俺達が助けられなくて、本当にごめん」
 でも、約束する。
「次は必ず倒す。今、俺達は魔物を退治するために、頑張ってる。だから、次は絶対に、負けない」
 だから、どうか。
「みんな、希望を持ってほしい。奪われた記憶は、必ず帰ってくる。優しい日常は、必ず戻ってくる」
 だから、……どうか。
「俺達を、『ゆうしゃ』を、信じて欲しい」

「信じられるかよっ! お前たちはいつもいつも、遅いんだっ!」
 そんな罵声を浴びせられたのは、ヒューズだった。彼は人手を集めるために、村の人々に手伝ってくれないかと申し出てみたのだ。
 しかし返答は明るいものではなかった。この村の人たちもまた、恐怖に心を挫かれていたのだ。
『どうせ何をやっても意味がない』『自分たちは救われない』。そんな気持ちで溢れ返っていた。
「何が勇者だ! いつもいつも、被害が起きてからやってきやがる! 偉そうなツラして!」
 酷い暴言で、八つ当たりだ。けれど最もだと、ヒューズは思う。
 被害を受けた側は守れなかった側を責める権利があり、現に自分は、『助けられなかった』のだ。
 だが、そんな言葉に心を砕かれるヒューズではなかった。
「はんっ! だったらお前さんたちは、このまま怯えて次の襲撃を待つってのかい?」
 何もせずに? できることは山ほどあるっていうのに?
「それじゃあ、アンタが罵ってる勇者様と、何が違う! 俺は今、この状況で! 自分にできることをしようって、言ってんだよ!」

(私にできることは、なんなのでしょうか)
 手を動かしつつ、ビアンデは考える。
 瓦礫を見つければグリフォンと共に邪魔にならない場所へ運び、田畑の被害を確認すれば、一緒に行動している村人たちと対応策を考える。
 自分ひとりではなく。被害にあった村人たちと一緒に、その心に寄り添いながら復興を進めていく姿は、村人たちにとってまさに『救い』だった。
 それでも、彼女の中にもやついた思いは、拭えない。
(私は……)
 『彼女』を傷つけてまで。何が、できるのだろう。

(できることなんて、限られているのかもしれない)
 思いながら、フィリンは絵筆を動かす。
 村の子ども達にお菓子や仮装衣装を配り終わったフィリンは、真っ白な壁の上部に虹を描いていた。
 その下には、可愛らしい仮装に身を包んだ村の子供たちが描かれている――もちろん、みんな笑顔だ。
「おねぇちゃん、絵が上手ね!」
「そこまででもないけれど……喜んでくれたのなら、私も嬉しいわ」
(でも、この技術だって。『襲う側』だったから……できるようになっただけで)
 誰かを幸せにするためだけの技術なんて、私は持っていない。『彼女』じゃないから。
 それでも、じっと。フィリンの描く虹を、子ども達は見つめていた。その表情はやはり笑顔で。
 だからフィリンは、尋ねてみたくなった。
「……ハロウィンは、楽しい?」
「うん、――すっごく、たのしい!」

「楽しいねぇ、フレンドゥー!」
「クゥ~♪」
 シャン、シャン。アンリが鳴らす鈴(シキアが用意したものだ)に合わせて、子ども達が跳ねる。
 一緒に遊んでもらえて大興奮のフレンドゥもまたジャンプを繰り返し、場を賑わせるのに一役買っていた。
(本当は、俺のグリフォンにも楽しんで欲しかったんだけど……)
 思いながら、シキアは子ども達の前で得意のダンスを披露し続ける。アンリのお話会を終え、お菓子を配った後。シキアの音楽会が始まったのだ。
 しかし、目立つのが苦手らしい自分のパートナーは、鈴を鳴らすアンリの後ろにこそっと隠れていた。
(苦手なことを強要するのは、よくないよね)
 そう思いつつも、シキアは考えることを止められなかった。
 どうせなら全ての人に、幸せになって欲しい。それが自分の大好きな音楽で叶えられるのなら、最高だ。
 ならばどうすれば良いのだろう? 考え続けたシキアの脳内に、ある思い出が浮かび上がった。
(あるじゃないか。ダンスをしていても、音楽を奏でられる方法が――)
 思いついた考えを実行するために、シキアは一度体の動きを止める。
 それから、隠れていたパートナーグリフォンに歩み寄ると、荷車からおもちゃのピアノを取り出した。
「クゥ……?」
「よければ、『俺たち』の演奏。聞いてほしいな」
 不思議がるパートナーの両前足の間に置くと、グリフォンは肯定を示すように腰を落とした。
「どうしたの?」
「今からとびっきりの魔法を、使うんだよ」
 ウインクをして見せたシキアだが、うまくいくかは五分五分だ。
 それでも、シキアはかけてみたかった。自分たちの思い出に。あの楽しかった出来事に。
「……精霊さん。もし近くにいたら、力を貸してくれないかな?」
 ――ふわりと、風が応えた。そよ風のようなそれは、シキアの周りを一度吹いて、消える。
 その反応に手ごたえを感じたシキアは、自分のやりたいことを言葉にし、助力を請う。
「風の精霊さん。どうか、俺と……」
(上手にできなくてもいい。それでも、どうか)
 この願いが、届きますように。

(届いたんかねぇ、俺の言葉は)
 正直わからない。それでもヒューズは自分の持ち場に戻り、すべきことをし続けるしかなかった。
(とりあえず、捻くれた男連中には。日持ちする食料と一緒に、諸々の設計図や使い方なんかを書いた紙を押し付けてやったが……)
 自分が帰った後、この作業の続きをしてくれるかは、わからない。
 魔物の足止めに使えるようなワッフル状の堀や、物見櫓。それに防空壕(ぼうくうごう)。作りたいものはたくさんあるのだ。
 けれどその全てが、自分ひとりでは完成できないもので、だからこそ、手伝って欲しかったのに。
「ははっ! 食うたびに俺が言ったことを思い出しやがれってんだ!」
 思いの丈は全部ぶつけてやった。だからこれ以上はどうしようもないのだと、半ばヤケになりながら穴を掘っていたヒューズに、影が差す。
「クゥ?」
「おー……まえ、起きるのが遅いんだっつーの!」
「クゥ~」
『よくわかんないけど、僕もやる~』
 そんな言葉が聞こえた気がするが、それはヒューズの脳内にだけ。
 しかしお昼寝を終えたグリフォンは疲労を回復したのか、実によくヒューズを手伝った。
 それは主に足止めに使用するための穴掘りだったが、これを運んでほしいと荷車に木材を乗せればのんびり運んだし。
 水を汲みたいから近くの川に行きたいと言えば、背中に乗れるよう屈んでくれた。マイペースだが、やはり良い奴なのだ。
「俺はさぁ、皆の顔を涙で濡れないように、したいだけなんだよ」
「クゥ~」
『そうなんだ~』とでも言うような鳴き声はやはり間延び気味だが、それでも話し相手がいることは、ヒューズの心を幾分軽くした。
 汲んできた水で泥を作り、試しも兼ねて堀の一部分に流し込みながら、言葉を続ける。
「だから完成しなくとも、やれるだけのことはやりますよっと」
「あぁ、そうしよう」
「私もお手伝いしますからっ!」
「お、おぉうっ!?」
 突然聞こえた声に、振り返る。今日は背後を取られてばかりだと、ヒューズは泥のついた指で頬を掻いた。
(睡眠不足もほどほどにってことかね?)
 思いつつ、目の前に立っている二人に苦笑する。貴人とビアンデだった。
「えーっと、お二人さんは、どうして?」
「どうしてって、ザコちゃんに聞いたからだよ」
「ヒューズさんの所で、人手が足りないって」
 オレのところは村人たちが手伝ってくれて。私は復興作業と炊き出しの後で、遅くなってしまいましたが。
 そんな言葉を聞きながら、あぁ、確かにそんなことも言っていたと、マゼンタ色の彼女を思い出す。
 きっと、自分の作業で回る『ついで』に、声を掛けてくれたんだろうが。
「助かりやす。正直、俺だけじゃどうにもならなくて」
「そんなら~、俺たちも~、手伝うっしょ~!」
「おーほっほっほ! わたくしも華麗に参戦ですわっ!」
「えっ、おたく達ダレェ?」
 いや全く知らないが、と思ったら見覚えがあった。貴人に声を掛けた青年と、割って入ってきた女生徒だ。
 それだけじゃない。空にはさらに多くの、グリフォンの影があった。
 ――思いが集う。ヒューズの元に、たった一つの目的のため、翼を広げて。



 それでも、ヒューズの計画していた全ての作業を終えることは、できなかった。
 当然だ。未だ学び舎にいる生徒達に、大掛かりな防衛施設をたった一日で、しかも複数作り上げるというのは、至難の業なのだ。
 技術も足りなければ、経験にもまだ乏しい。
 生徒たちは自分の力不足を感じながらも、次があるならもっと上手くやろう、そのために色々な意味で強くなろうと言い合って、学園に戻った。

 しかし数日後、ヒューズが向かったあの村の周りに、中途半端な建造物は存在しなかった。
 物見櫓も、防空壕も。その全てが完成した形で広がり、ワッフル状に広がった堀には、粘り気のある泥水がなみなみと注がれていた。
 その話をシトリから、彼の執務室で聞いたヒューズ(既定の時間を過ぎても帰らず作業していた件で、反省文を出していたのだ)は、こう言った。
「あぁ、……よかった」
 ――届いたんだな、と。



課題評価
課題経験:135
課題報酬:6000
【優灯】きみと、大空へ。
執筆:白兎 GM


《【優灯】きみと、大空へ。》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-10-09 00:07:06
やっほー、抜け毛ってか羽毛貰いに来た。
危害加えるわけじゃないし、許されんでしょ。

とりまどの子かの確認だけしてから、どーすっか考えるかな。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 2) 2019-10-09 00:12:24
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。
とりあえず、パートナーを決めてから具体的に何をするか考えましょうか。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 3) 2019-10-09 00:19:25
あ、ちょっと私読み違いしてたかも。
今回のグリフォンって6頭のうちから選ばれるようですけど、これって参加者ひとりに一頭って解釈してたんですが……もしかしてグループで一頭なんでしょうか?

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 4) 2019-10-09 00:29:33
グリフォンと荷車のセットを一組ずつ貸してくれるって事らしいですよ。
そーれ。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 5) 2019-10-09 00:43:23
うん。現場には彼等の背にって複数形で言ってたから、一人一匹一台の認識でオーケーだと思いますぜ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 6) 2019-10-09 06:30:40
勇者・英雄コースのフィリンよ、よろしく。
『ひとつの村に全員向かう必要はない』
だから、個別でいい、と思うけど…ひとまず私も

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 7) 2019-10-09 06:32:42
私のも『冷静』な子みたい…多いわね。
家族とかだったりするのかしら?

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 8) 2019-10-09 07:48:24
みなさんありがとうございます。
ひとり一匹一台でよさそうなら安心ですね。

同じ番号の子も複数いる解釈でいいなら、行き先が別れても大丈夫ですね。

てっきり同じ番号の子に仲良く同乗?
と思ったのは内緒です。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 9) 2019-10-09 11:23:17
魔王・覇王コースの仁和だ。
よろしく頼む。
復興支援をしに行こうとは思うのだが・・・それはそれとしてグリフォンの確認だな



《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 10) 2019-10-09 12:02:23
芸能・芸術コースのシキアです、みんなよろしくねー
やることもだけど、仮装もどうしようかな…
とりあえずまずはどのグリフォンかなー

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 11) 2019-10-09 13:16:43
…謎めきフード様のとこの子以外、冷静な性格グリフォンしかいないのおもしろすぎない?
ここの子達の英才教育だったりする?

ここまで片寄ってくっと、グリフォンに合わせて仕事をー、とかもちょっと言い難いのかな。
そうしちゃうとみーんな人気のない場所行くことにもなりかねないし。
んー、なおのことちょっとやること考えないとかな。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 12) 2019-10-09 13:39:41
…ハハ。マイペースでおっとりだってさぁ!
やっぱ似た者通しで惹き合ったのかな~~!

(そう言って彼はフードを深く被りこんだ。覗く口元の笑みは…どこか寂しそうに見えた。)

僕は…魔物の対策を施そうかなって。
気休め程度のモンだけど。グリフォンに協力して貰って堀を作ろうかな、と。泥を流し込めば、ゴブリンやジャバウォックの侵入を遅れさせられる。一般人でも扱えるスリングやボウガンで対処を出来るようになると思う。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 13) 2019-10-09 17:28:26
勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。皆さんよろしくお願いします

それでは私もパートナー選びを……えーい!

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 14) 2019-10-09 17:31:42
どうやら私もヒューズさんと同じグリフォンみたいですね
マイペースな子みたいですが、逆をいえば彼(彼女?)のペースと上手く噛み合えばいい方向に動けるかもしれませんね

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 15) 2019-10-09 22:04:55
そうだね、あんま尻を叩くのは良くなさそうだ。ペース配分はグリフォン自身に任せてみるとするよ。
ビアンデさん。来てくれてありがとう。疎外感に耐え切れず「4」という数字にジンクスが生まれるところだった。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 16) 2019-10-09 22:22:24
教祖・聖職コースの、アンリ・ミラーヴ。よろしく。
グリフォンと一緒は、嬉しい。どんな性格だろう(尻尾ブンブン)

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 17) 2019-10-10 21:17:14
これで全員かしら?
えーと
淋しがり:1(アンリ)
おっとり:2(ヒューズ、ビアンデ)
冷静:5(チョウザ、ベイキ、フィリン、貴人、シキア)


なんていうか、見事なまでに大人しい子がそろったわね…

えーと、全体方針としてはどうする?
『必ずしも一つの村に向かう必要はない』
そうだけど、逆に全員が別行動しないといけないわけでもないようだし。
二人以上いけば、一つの村に復興と慰問両方できるのよね。

あと…過半数が冷静だと悩ましいところだけど(汗)
異なる性格を組み合わせることで、グリフォンの弱点を補ったりもできるかしら?

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 18) 2019-10-11 03:01:13
んー、ザコちゃんほんとはねぇ。
村のお人に関わるよか、魔物の痕跡とか漁れそうなことしよっかなー、って思ってたんだけど。

こんだけ片寄っちゃうと、村のお人に関わる側が足りなくなりそうだったりなのかなーって。
でもってちょっと様子見てるとこはあったんだけど。
ほら、ザコちゃん人と関わるの得意じゃないしぃ?ふふ。

なんせよ、今回はこんなあれで迷い彷徨いだし、もしモブ手が必要だったら声かけてちゃっていーよ。
気が向いたらちょっかいかけに行く。


でもって、忘れそうになるけど仮装して行かなきゃらしーんだよね、これ。
ザコちゃんはなんでもいーけどさぁ。肖像画届いてくれたらはやいんだけど。
ついでにグリフォンもなんか飾れっかな。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 19) 2019-10-11 08:07:11
そうさなー。
被害がある村が複数あるってんなら
人員を分けちまいます?
あ…僕も根暗だからトークの方はパスしやすぜ。(サムズアップ)


《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 20) 2019-10-11 11:52:52
ふむ・・・
オレとしては一つの村に二人以上行った方がいいんじゃないかとは思うな。
一人でできることはたかが知れてるしな。
(被害に合った村全部回るのはおそらく無理だしなある程度絞るしかないよなぁ・・・)

仮装か…確かに肖像画届いてくれば早いんだが。


《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 21) 2019-10-12 01:22:40
俺は村や町で、子供達と話して励ましてきたい。
一緒になるグリフォン、人慣れしてて子供も遊べそう。
きっとグリフォンも喜ぶ。というか、主役はグリフォン。
組んで行動も大丈夫だよ。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 22) 2019-10-12 12:56:39
俺も目的としては慰問かなぁ…楽器とか持っていって、小さな演奏会を開くつもり
グリフォン、あまり目立つのが苦手な子みたいだから…準備を手伝ってもらうくらい、かな
一緒にダンスでもと思ったけど、苦手なことを強要するのは良くない(こくり

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 23) 2019-10-12 21:54:55
目的ですか……私は慰問向きの技術はありませんし、せいぜい怪我人の手当や病気の方の容態を診るくらいでしょうか。

仮装の方は……実は魔王的な衣装を注文中なので、そんな格好で支援と言うのも……あ。

魔王様が忠良なる民の諸君のために、諸君の傷を癒し、再び魔王様のお力になれるようチャンスをくださりに参られた!

的な感じでいくなら、冷静なグリフォンも忠実な従者的な位置取りでいいかも。

魔王様が怪我人の返り血で穢れるのも厭わず、我が子のように傷を癒すなら……民も命を賭して御恩に報いようと奮戦するって感じで。

言ってて我ながら無理があるなあとは思ってますが。
あ、組むのも大丈夫ですよ。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 24) 2019-10-14 00:52:18
なんだかんだで締切も近づいてきたもんね。
ザコちゃんはひとまず、集落周辺での魔物の痕跡集め。ついでに瓦礫の撤去と資材の仕分けするかなーって。

あとそろそろ、何人かでひとつの村行くー、ってなら、振り分け決めなきゃじゃん?
2人ずつ4村?4人ずつ2村?2人と3人2つで3村?

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 25) 2019-10-14 02:05:06
あー…どうしましょうかね。
グリフォンの特性で揃えちまうかい?
そうすっと、綺麗にスリーペア。

冷静①
冷静②
おっとり①

アンリさんの所の寂しがり屋のグリフォンちゃんが余るけど
これが唯一の三名編成。寂しくなーい。

後は冷静組で表明した行動が合いそうなとこでマッチングして貰って
最後にアンリさんに好きな所に入って貰う。ってのは、どーでしょうか?

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 26) 2019-10-14 03:59:20
はい、冷静は5人でした。
ちょっと得意気に言っちまった分、恥ずかしいですよっと。

となると…うーん。…分けるのマジムズっすよね。この内訳とか決め方とか…。
参加順。あるいは参加順に12312312で同じ番号とか。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 27) 2019-10-14 09:02:44
と…そうね。そろそろ行動決めないと。
とりあえず自分と、いま宣言が出ている人だけまとめてみたわ。
(『?』がついている人は発言からこっちかな?という人。認識間違ってたら悪いけど訂正をお願い)

慰問:アンリ、シキア、フィリン(予定)
復興:仁和、ヒューズ(?)、チョウザ(?)、ベイキ、

私はひとまず慰問にいれてるけど、復興でも大丈夫。
臨機応変で対応させてもらうわ

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 28) 2019-10-14 13:52:02
魔物の対策を施すってんで。
慰問つーよりは復興寄りになりますかね。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 29) 2019-10-14 14:55:59
オレは設計と陣地作成でより防御に適した建造物の配置を提案しようと思ってる
それと家を破壊されたものがいるんならその人に簡易小屋でも作ってやりたい

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 30) 2019-10-14 18:18:58
ザコちゃんもどっちかってっと復興寄りにはなんのかな。
魔物の痕跡も見るお人が見れば情報だし、どんな魔物の襲撃だったかで対策も変わるし。
資材のもろもろは言わずも当然。かよわぁいモブの手じゃどーにもならない瓦礫も、羽毛なら余裕でしょ。
手出しの範囲は趣味だけど、多少は形だけでもあれしとかないとめんどくなりかねないしぃ?ふふ。

でもって結局割り振りどーすんの?
順番、順繰りの番号?それとも行動だけ書いといて教官様にぶん投げ系?

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 31) 2019-10-14 20:02:11
私も壊れた建物の撤去などをやったり魔物避けになりそうな措置をしようと思っているのでどちらかという復興寄りの行動ですね
割り振りは、行動だけ書いてお任せでいいかなと。こちらで決めるとなるとある程度すり合わせをしなきゃいけなくなるかもしれませんし

……とはいえ、私の場合はまずグリフォンがちゃんと目的地に行ってくれるかというところからですね
一般技能にある『生物騎乗』を取得すればある程度乗りこなせるかな……?

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 32) 2019-10-14 22:16:38
>割り振り
イメージ的には、割り振る場合は慰問+復興の組み合わせが基本になると思いますが、一言で慰問や復興と言っても色々ありますよね。

例えば、慰問でもターゲットを大人メインにするのか。子どもメインにするのか。
男性相手か女性相手かでも変わるでしょうし。

復興も同様に、建物なんかを直すのもあれば、今後の襲撃への備えもあり、負傷者への手当もある。

ある程度様々な需要に対応するなら、なるべく大人数で一ヶ所に向かうのがいいですよね。
ただ、なるべく多くの村や街に手を差し伸べるなら、複数の場所に向かうのがいいでしょうし、今回の授業の趣旨にも合うと思います。

と言っても、今から調整するのも、各々の得意分野も違いますし難しいですよね……。

とりあえず、私はおっとり系のグリフォンの方について行って、その方が行き先で孤立無援にならないようにしておこうかと考えてます。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 33) 2019-10-14 22:21:32
そう言えば、今回は荷車一台分の道具も用意して貰えるので、単純に食べ物を持っていくだけでもありがたいところもあるかもしれませんね。
倉庫が焼き討ちされて、今日食べる食料にも困ってるかもしれませんし。

お料理ができる方がいらっしゃるなら、炊き出しなんかも喜ばれるかも。
私は料理は不得手なのでやめておきますが……。

他にも、冬に備えて毛布や古着なんかを持っていければ、寒さを少しは凌げるかもしれませんね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 34) 2019-10-14 22:32:24
そう言えば、今回はおっとりさんが2頭ですし、そのおっとりさんを中心に考えてざっくりと割り振る手もありますね。
冷静なグリフォンはある程度融通利きそうですし、寂しがりやさんは他のグリフォンが一緒の方が調子いいかもしれませんし。

もし、道中でおっとりさん2頭が別々の方向に向かったら、どちらについていくか決めておく……それだけでも、孤立を避けてある程度の支援はできるでしょうから。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 35) 2019-10-14 23:53:46
寂しがりの子、他のグリフォンと一緒だと、喜びそう。
おっとりした子と移動するなら、離れるのを嫌がって、おっとりした子が道を外れそうになったら、鳴いて呼んだりしてくれる、かも。
そのまま一緒に、道を外れるかもだけど。
冷静な子と一緒なら、町や村で人の目を、寂しがりの子に集めてられそう。
ただ、俺の慰問は長い時間かからない。慰問と復興と調査、一つしか選ぶ余裕が無いなら、俺は先に別の場所へ移動すると、思う。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 36) 2019-10-15 01:21:01
俺も仁和さんと似た感じですね。
設計を用いて何個か建造物を製作しようかと。
完成はかなり厳しい…。最低限の機能を持たせて、後は村の男衆に投げることになると思いますが。

炊き出しは自分も考えてたんだけど、どうやら両立は厳しそうだ。
食材だけは荷車に積もうと思いますよっと。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 37) 2019-10-15 21:33:41
さすがにこの時間ですし、これ以上割り振り等の調整は難しそうですね。
とりあえず、孤立を避けておくために、もしおっとりグリフォンがはぐれたりバラバラに動いてしまう場合は、私はビアンデさんのグリフォンについていくようにしておきますね。

私もビアンデさんも時間が掛かりそうな復興ですし、どちらかが時間をもて余す等の心配もなさそうですから。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 38) 2019-10-15 22:39:05
治療担当のベイキさんがついて来てくれるなら私も心強いです。現地では一緒に頑張りましょう

炊き出しは、私も現地でどうなるかわからないのでその余裕があるかわかりません、一応技能は持ってるのでウィッシュプランの方に一筆入れておきます。もしかしたら採用されるかもしれません、ダメでもあまり影響はないはずです

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 39) 2019-10-15 22:54:18
んー、そったらザコちゃんも特に割り振り場所は指定しないで投げとこ。
1人なら1人で、どっか混ざんならそれはそれ。

なんせよ、プランの投げ忘れはないよーにね。
置き去りにされる羽毛、哀れみの憐れじゃん?

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 40) 2019-10-15 23:03:02
出発まであと1時間ちょっとね…
グリフォンの性格もまとまってるし、割り振りはざっくりでも大きな問題はないかな?

>生物騎乗
そこそこ訓練はしてる(Lv4)から、フォローはできないかやってみるわ。
自分の方はそう問題なさそうだし。