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!船・戦!海嵐の歌姫


ストーリー Story

 ――なぁ、おめェさんは聞いたかい? またアイツが出てきたらしいぜ。

 はて、何の事だろう。
「ん? 何の話かって? そりゃあ、ここ最近、漁師の間で噂になってる例の話さ」
 アタシはその話を聞いて首を傾げた。
「…………なんだぁ、おめェさん、ホントに知らないのかい。なら教えてやるよ。この、海と潮風の街『アルチェ』で起きている怪事件をよォ」

 ここはさびれた漁師小屋。夜更けと言う事もあるが室内は薄暗い。周囲はほこりっぽく、床の木はところどころ古くなって腐っているようだ。目の前には恰幅の良い漁師。彼は酒のグラスを脇に置き、無精に生やした髭を撫でながら、アタシに語り掛ける。
「前にもあった話さ。『イルフィナ海』の沖合付近で『セインディーネ』が出るようになっちまった。あの、人魚の魔物さ。アイツら、特殊な歌声で海水を操りやがる。おかげさまで仲間の船が何隻も沈んじまっている」
 彼はため息を吐き酒を口に運ぶ。机に置かれたランプのなかで弱々しくゆれる焔は、まるでこの漁師とこの街の不安を指し示しているかの様だった。
「腕っぷしで何とかなるならとうの昔に何とかしているさ。けどよぉ、魔法となっちゃあ俺たちには手も足も出ねぇ。だからこそゆうしゃのアンタにこうして頭を下げている訳だ」
 彼はグラスの酒が無くなったので、ウイスキーボトルを掴むと、乱暴に目の前に置かれた自分のグラスにソレを注いだ。やたら酒が進んでいるようにうかがえるのは、心底では怪物に怯えているからだろうか。恐怖をアルコールで紛らわすために。
「……なぁ、アンタ程の先生なら何とかできるハズだろう」
 そうして、彼は弱々しい声で、それでも確かな信頼を持って、対面にいるアタシの名前を呼ぶ。
「【コルネ・ワルフルド】先生よ」
「……こんな形で再履修になるとはね~」
 つい、苦笑いをしてしまう。しかしながら、この人に先生と呼ばれるのはなんだかむずかゆい。だって、アタシはこの街で、この依頼人から、最初の課題を受けることになったのだから。
「引き受けてくれるのかい?」
「あたりまえですよ~!」
 元気よく返事をすると、彼は少し安心したように見えた。そうだ、こんな依頼を断る理由がない。困った人を見捨てない。それがゆうしゃの鉄則だから。

 依頼の概要はこうだった。
「目的はヤツらの棲み処である岩礁の破壊だ。そうすればここにはしばらく棲みつかなくなるだろう。俺の船にはしこたま爆弾を積んでおく。岩礁にたどり着くまで俺をセインディーネから守ってくれさえすればいい。ちなみに、沖合から岩礁まではそう遠くないから安心しろ」
 彼は続けて作戦について話す。
「セインディーネの歌声をより大きな音でかき消す。爆弾でも太鼓でも何でもいい。ただし、中途半端な音じゃあダメだから注意しろ。嵐にならなくても、船ぐらいは転覆させられちまうからな。そんで、目撃されているセインディーネは一体だけだ。岩礁付近で数が増えない事を祈るが、どうだか。ちなみに交渉なんて一切受け付けねえから野暮な事ぁ考えんなよ。……って、先生のおめェさんに言うまでもないかもしれないが」
 その言葉を聞いてアタシはつい笑みがこぼれた。そうだ、私は今、先生なんだ。そう考えると何だか不思議な気持になる。
「夜明けとともに海に出る。おめェさんが選んだ生徒さんの数に応じて船は貸してやる。何隻でも貸せるが定員は三人ずつだ」
 アタシは一通り彼の話を聞いて、どんと自分の胸を叩く。
「任せてください!! さぁて、今度は先生の立場としていっちょ頑張りますか~!」
 アタシが受けた最初の課題。さぁ、生徒たちはどう立ち向かうのか。アタシはそんな事を考えて、何だかワクワクしていた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2020-01-16

難易度 簡単 報酬 通常 完成予定 2020-01-26

登場人物 6/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」

解説 Explan

1)目的
 爆弾を積んだ船をセインディーネから守り抜き、岩礁に到着すればクリアです。場所はイルフィナ海の沖合。敗北条件は、岩礁の破壊の失敗、漁師の戦闘不能、パーティの全滅です。

2)セインディーネについて
 ・容姿:人魚のような半人半魚の姿をしている。
 ・特徴:見た目は美しい乙女だが、その性格は冷酷非道。敵と見なした者は命を奪いに全力で攻撃してくる。
 ・攻撃:水上に出てきて歌を歌う。歌声によって水を操る。歌による状態異常:魅了。
 ・弱点:火属性攻撃。大きな音(歌攻撃にあわせてカウンター攻撃すれば数十秒間のひるみを与えられる)。
 ・他 :歌は大きな音でかき消すことができます。

3)ステージについて
 ・荒波の沖合。
 ・移動距離:手漕ぎ船で約十五分程。

4)コルネ先生について
 ・ルネサンス族(武神・無双を専攻)
 ・性格:素直で優しい皆のお姉さん。怒ると吠える。

5)補足&ヒント
 ・プロローグにも記載しましたがセインディーネの歌声を上手くかき消すことがポイントです。
 ・セインディーネは撃破にはそれ相応の経験値が必要です。今の生徒さんであれば渡り合える人もいるかも?
 ・船を何隻借りるのか、誰をどの船に乗せるべきか、要検討願います。コルネ先生を乗せる枠もお忘れなく。
(借り過ぎた場合には行動に制限が出るなどのペナルティがあります)
 ・依頼人の漁師の船には一名のみ同乗できます。(依頼人の船には爆弾が積まれています)
 ・船の編成も注意願います。距離が遠ければセインディーネの歌声をかき消せない可能性もあります。
 ・コルネ先生はほとんどサポート側になり、セインディーネへ直接攻撃を加えることはありません。生徒たちの成長を間近で見届けさせてください!
 (力仕事であればある程度のお願いも聞いてくれます。生徒が溺れれば救助などを行います。また、身体能力が高い為、ある程度の距離であれば船と船の間を跳躍して移動も可能です)


作者コメント Comment
 はじめましての方ははじめまして! またの方はお世話になっております。へぼあざらしです。
 かつて先生が受けた課題を生徒が受ける……! そして、船上の戦い……! 熱いねェ!!(自分の趣味ですいません)
 こんな趣味全開の課題にお付き合いいただけると幸いにございます!! さぁ、物語のある大洋へ出航だ!!


個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:165 = 55全体 + 110個別
獲得報酬:4500 = 1500全体 + 3000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
今回はセインディーネの定着の阻止に協力するわ。

船(2号)に乗せてもらい、感覚強化系スキルでセインディーネの動きを探知。
水面下に隠れていると思われる時は特に集中して全方位警戒を行い、
爆弾船を庇う位置に2号船を配置

セインディーネには人と接触しない場所に住むよう【説得】
アルチェを去ってくれるなら追撃は行わない。

襲ってくるなら、自分は炎が苦手なので火は使わず、フドで攻撃。
セインディーネの歌には、ラベイカ(魔力補助で初めてでも弾ける)の音でカウンター、
それでも魅了された人がいたら、正妻の制裁で元に戻す。
セインディーネが逃げるなら追撃は行わない。

味方が水に落ちたりした時はロープを投げて救助。

アドリブ歓迎。

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
私は2号船の操船
操船の際は、事前に漁師さんに操船の仕方を教わり、周辺海域で注意すべき場所や海流が複雑な場所等あれば確認

◆操船
他の船と離れ過ぎない程度の速度で、水質学を生かしうまく水の流れや波に乗り、効率よく船を進めて
岩礁近くに着いたら、沈み瀬や岩礁に乗り上げないよう操船し、仲間が楽器演奏や岩礁破壊に集中できるように

沈み瀬や岩礁に近付きそうなら、うまく引き波に乗って船を岩礁等から引き離し、船を壊したり沈めないように

必要なら大声で敵の妨害

もし、船から落ちた者や他の船が沈んだ場合は、ロープの鉤を船に固定しロープの先を輪にして投げ仲間・漁師を救出

岩礁を破壊しセインディーネを撃退したら私達も速やかに撤退

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
セインディーネじゃん。ひさしぶりー。夏ぶり?
接触できる距離でも場所でもなし、見物なんだけど。
てかセインディーネの歌、覚え記憶で歌えたらできる?湖の水うねらせて魚取りとか。

なんせよ敵って思われたら色々試みやられんだろーけど、それまでは行動しない方がいーよね。疲れるから。…船は動かすけど。
見たことある魔物だし、無害ギリギリまで装って、歌いそうな構え動きしないか【魔物学】で【推測】しとくね。来そうなタイミングで伝えよ。
演奏無理だし、せいぜいかき消しの賑やかしに何か喋るくらいだけど。

常全力で叫び演奏の元気ならいーよ。ザコちゃんは無い。
か弱いモブ、呼吸も戦闘教官様の干し葡萄断ちの期間くらいしか続かない。

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
事前に味方全員の行動の射程を確認して認識を共有します。
船での移動で敵味方の位置を適切に確保して、
行動の効果が対象に届くようにするとともに
炎や爆発の行動が漁師さんの爆弾を不本意に誘爆させないためです。

戦いでは敵を警戒しながら装備しているラッパ「天使の歌」で、
できるだけ大きな音を出す反撃と
楽器効果:「射程内の自分を除く味方全員のたいりょくを30回復する」
での協力を行います。

敵への能動的攻撃も可能ですがきりょくの節約のため控えます。

オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
行動:船はザコさん、コルネ先生の3人で乗り、僕が操船します。
指示あればそのように操作しますが、視覚強化で敵の位置を判断しザコさんの投擲の距離を推測して距離を取ります。

大きな音:タイミングを見計らって大きな声を上げたり「とんでく花火」を使用、船頭に設置して必要になった時に発射。
敵の攻撃で仲間が傷ついた場合、コルネ先生に操船を代わってもらいリーラブで回復致します。

コルネ先生:船にザコさんと一緒に乗ります。先生にはお得意のゴリラなお声………いえ、咆哮をお願いしたく思います。
仲間の体力が削られた場合、コルネ先生に操船をお願いします。
ええ何も言ってませんよ。コルネ先生の美声をお願いしますって言いました。

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【事前調査】
現場付近の海流
セインディーネの生態
歌かき消しに必要な音量や有効な音の出し方は仲間にも共有

【信用】で船を追加で二艘借り
以下の通り乗り合わせる

1号 タスク【操船】、依頼人、(爆弾)
2号 ベイキさん【操船】、エリカ部長さん、レーネさん
3号 オズワルドさん【操船】、ザコちゃんさん、コルネ先生

役場職員の父から教わった操船技術と【精密行動】で運航
依頼人を守るべく攻撃は【基本回避】
避けきれない攻撃は【衝撃享受】でガード

敵の歌は調査生かし仲間と交代でかき消し
炸裂の種を【投擲】
【歌唱】で鍛えた腹式呼吸で大声

魅了された仲間や依頼人に正妻の制裁を使用

依頼人の指示に従い
爆弾を設置しやすい場所に
船を確実に着ける


リザルト Result

 それは課題開始前夜の事だった。さびれた漁師小屋に集められた『魔法学園フトゥールム・スクエア』の生徒たちは、明日の戦いに備えて調整会議を行っていた。
「『現場付近の海流』や『セインディーネの生態』については事前に調査しておきました。セインディーネの歌をかき消すには大体これ位の音量が出ていれば大丈夫でしょう」
 【タスク・ジム】は資料を見せながら全員へ説明を行っていた。更にタスクは事前に船を合計三隻調達し、全員の意見を元に配置までまとめ上げてくれている。その周到と真面目さは流石と言うべきであろう。
 皆で決めた配置は次の通りだ。
 1号はタスクが操船を、漁師がサポートを行う。
 2号は【ベイキ・ミューズフェス】が操船し、【エリカ・エルオンタリエ】と【レーネ・ブリーズ】が戦闘を行う。
 3号は【オズワルド・アンダーソン】が操船を担当し、【チョウザ・コナミ】が戦闘、【コルネ・ワルフルド】先生がサポートをすることになった。
 因みに、操船を担当する生徒たちは漁師から簡単に説明を受けている。拙いなりにもきっとうまくやるだろう。
「そして、今回の目的はあくまでセインディーネがアルチェに定着することを阻止するもの。その為の撃退戦で、犠牲は出さないように努めるって事でいいんですよね……エリカ部長?」
 タスクはエリカの方を向いた。ちなみに、エリカとタスクは同じクラブに所属しており、エリカはその部長にあたる。エリカは目を閉じてしばらく沈黙してから、真剣な面持ちでこう告げた。
「ええ、わたしはやるべきだと思うわ」
 エリカの言葉の後、みな息を呑んだ。セインディーネは人間を食物としか考えていない。そんな危険な魔物のねぐらに赴いて、敵に犠牲を出さないように課題を遂げるとなると当然その分困難が予想される。出来る事なら、魔物と人間が争わずに済むのが理想だろう。だが、本当に上手くいくのか不安になってしまう。
「まー、別に良いんじゃない? 魔物を倒したいゆーしゃ様でも、魔物も守りたいけんじゃ様でも、人間それくらい振り幅あった方が自由で面白いんじゃん?」
 チョウザはゆるい調子で返事をする。
「それにザコちゃん、セインディーネとは遠いむかし、遥か過去のある夏に、バシバシビシビシやり合った仲だしぃー。よゆーだと思うんだよねー」
 チョウザはひとしきり喋ってから欠伸をした。そんな振る舞いをしながらも、チョウザは皆を安心させて心に余裕を与えてくれているのかもしれない。おかげで皆の緊張も少し和らいだようだ。
「ありがとうザコちゃんさん。感謝します」
 エリカの言葉に対してチョウザは何てこと無いと言うようにひらひらと手のひらを振った。
「わたくしも、一生懸命演奏を頑張りますね。きっと、上手くいくはずです……!」
 レーネはエリカと同じくセインディーネの歌をかき消すための演奏役。重要な役割だとレーネは感じ、皆との距離感や位置関係を入念に確認していた。
「アンタの生徒たち、中々威勢が良さそうじゃないか」
 漁師は生徒たちの姿を見てコルネへ笑みを向ける。それを聞いたコルネもまんざらでもない様で、腕を組んでドヤ顔している。
「まぁ、アタシの自慢の生徒たちだからね~!」
「ハハハ、何だか昔のことを思い出すな。アンタらも昔こうやって夜遅くまで話し合っていたじゃないか」
「確かにそうでしたね~」
 コルネは目を閉じてうんうんと頷き、過去の思い出にふける。
「まぁ、アンタは船上でグロッキーになってたけどな」
「生徒の前で余計な事言わないで!! 乙女に恥をかかすな~っ!!」
 漁師はコルネの様子を見て豪快に笑い、一方でコルネは顔を真っ赤にして抗議する。
「ふふふ、大丈夫です。コルネ先生の威厳は保たれていますよ」
 その様子を見たオズワルドはキラキラした笑顔でコルネへグーサインを送る。あぁ、なんて優しい生徒なんだろう。コルネは感動のあまり瞳を潤ませる。
「だから明日は先生のゴリラ張りのモンスターボイスを楽しみにしています!!」
 前言撤回。コルネはギロリと獰猛な野獣の様な眼光をオズワルドに向ける。
「今……何か言った~?」
「いえ! 先生の美声をお願いしますって言いました!!」
 こええ。野獣の低音ヴォイスこええ。オズワルドはちょっと青ざめている。それと同時に、オズワルドは咆哮の威力をちょっと期待していたりもする。怒ると怖いとひそかにささやかれているコルネの実力はいかに。
 さて、そんな調子で大体の作戦の目処が立ち、本日はお開きになったのであった。

◆ ◆ ◆

 漁師の朝は早い。今はまだ夜明け前の時間で周囲はまだ暗く、おかげで皆はちょっと寝不足気味。この後船に激しく揺られると考えると気分が悪くなる。コルネがグロッキーになったのも皆なんとなく分かる気がした。
 ……とは言ってもこれでも全員ゆうしゃのタマゴ。鍛え方が違う。船に乗り込んでしまえば全員面持ちが変わる。
「さぁ、行くぞお前らァ!!」
 漁師の大声を合図に生徒たちは一斉に船を漕ぎだした。東の果て、暁に染まる雲を旗印にして、彼らはこの海原を征く。
「私が波の流れを読んで安全な航海ルートを確保しますね」
 そう口にしたベイキは他の船と離れ過ぎない適切な距離感で船を漕げている。勿論、タスクやオズワルドもうまく船を前に進められているが、ベイキがうまく位置取りをしている為、素人集団でも船同士が接触しないで済んでいる。気が付けばあっという間に沖合まで出てしまった。
「海が荒れてきたわね……」
 エリカは周囲の変化にいち早く気が付く。波は少し荒くなり、船の揺れも大きくなってきた。
「イヤな予感がする……わたしたち、既にセインディーネのなわばりに入っているかもね」
 その言葉で全員に緊張が走る。エリカとレーネは互いに背中を預けるように立ち、武器である楽器を構えてセインディーネの攻撃に備える。二人はどこから現れるか分からない緊張感の中で、全神経を来たるセインディーネの攻撃に向けていた。
 時間が経過するほど神経はすり減らされていく。本当にじれったい。かといって集中の糸を切る訳にはいかない。ただ揺れる水面を見つめ続けていると気分が悪くなり、体力も消耗されていく。
「コルネ先生がグロッキーになった気持ち、分からなくもないかもね」
 エリカは毒づいた。額には汗が溜まり、時折それを拭って深く息を吐く。
「でも、わたくしたちならきっと大丈夫ですよ」
 そう言うレーネの方も息が荒く、辛そうだ。しかしながらレーネはエリカの方へ顔を向け、健気にも微笑んで見せた。レーネだって辛そうなのに。エリカは彼女の気遣いを受けて微笑みを返す。
「そうね、わたしたちならやれる」
「金糸の髪のけんじゃ様も不思議大好き系エルフ様も頑張ってんねー。ま、ザコちゃんはそういう緊張集中疲れっから、せいぜい水面騒がしとくのが限界だけど」
 チョウザはそう言って、『キラキラ石』を水面に向けて思いっきりぶん投げる。それは水を切って二、三度跳ねてから、何かにぶつかったのか変な跳ね方をして海の中に沈んでいった。
「……ん?」
 チョウザが異変に気が付いたその後に、何かが水中から顔を出す。それは美しい乙女の容姿をした魔物、セインディーネだった。
「おー、牽制のつもりがクリーンヒットじゃーん」
 何はともあれラッキーチャンス。敵の位置が分かれば対策もできる。セインディーネが口を開いた瞬間をエリカは見逃さない。
「攻撃が来るわ! 演奏の準備をお願い!」
「分かりました! エルオンタリエさん行きますよ……せーのっ!!」
 セインディーネが歌うその直前に、耳をつんざく大きな音がした。セインディーネはレーネとエリカの大音量の演奏に驚き、海の中に潜り込んでしまった。
「この調子ならいけますよ! 二人ともナイス演奏でした!」
 タスクは演奏組をたたえる。しかし、その油断が命取りだった。
「タスクさん! 危ないですっ!」
 突如、タスクの死角から現れたセインディーネ。しかしオズワルドは見逃さず、咄嗟に声を上げる。ただ、その時にはすでに手遅れで、セインディーネは魅惑の歌を口ずさむ。
「う……あっ……」
 そのせいでタスクの意識は混濁しはじめ、セインディーネに瞳がくぎ付けになってしまう。このままタスクがセインディーネの餌食になってしまったら大変だ。この事態を重く見たオズワルドは奥の手に出る。そう、こんな時の先生だ。
「まずいです! ゴリラ先生……じゃなかったコルネ先生! お得意のゴリ……あ、美しい咆哮をお願いします……!」
「わかったよ~! ……オズワルド君はあとで校舎裏ね」
 やだこわい。そして生きろオズワルド。
 まぁいいだろう、この怒りはきっとセインディーネへの咆哮とともに発散されるだろうから。コルネは深く息を吸い込んで、勢いよく目をかっぴらき、そして口を開く。
「がおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
 その叫びは周囲に轟いて、海面さえ振動させた。でたらめな威力である。おかげでセインディーネも堪らず海面へと帰っていった。一方でコルネは疲れたのと船酔いでグロッキー気味だ。しばらくは使い物にならないだろう。
「やったか……?」
 オズワルドは静かになった海上を見て呟き、それを聞いたチョウザは一言こう添えた。
「あー。その台詞、言ったらアウトの死亡フラグってヤツだよねー」
 流石は勘が鋭いと自称するだけあってお見事と言うべきか、その予感は的中してしまう。海面は荒波を生み出し、船は激しく揺れる。嵐が激しくなってきた。
 そして、再びセインディーネが顔を出す。ただそれも……、
「どうやら騒ぎを嗅ぎつけて来たようね……セインディーネの数が増えている……!」
 エリカの言葉で全員が戦慄した。海面から顔を出す美しい悪魔たち。セインディーネの群れが船を取り囲んでいる。そしてセインディーネたちは一斉に口を開き、その美しく魅惑的な絶望を奏で始めた。
 意識の混濁しているタスク以外の生徒は咄嗟に耳を塞げたのだが、このままセインディーネの歌を耐えきれるだろうか? きっといつか限界を迎えるに違いない。
 ――さぁ、一体どうしたらいい? 生徒たちは焦り出す。このまま全滅してしまうのだろうか。
 だがしかし、昨晩に行った作戦会議で全員の情報を共有しておいたことが功を成す。エリカの記憶の片隅から、ある情報がふと思い出される。準備の良いタスクがあるものを持っていくと確か口にしていたはずだ。エリカの思考は高速で回転し、そして自身が考えていた戦闘計画と重ね合わせる。その答えが導き出されて、エリカは叫ぶ。
「……タスクさん! 今すぐ『炸裂の種』を上に投げて!!」
「ぶ……ちょう……?」
 それが何に繋がるのか分からない。しかしタスクは部長であるエリカを信じ、混濁する意識の中で、何とか懐に仕込んでいた炸裂の種を天に投げたのであった。運命を分かつコイントスのように、それは永く宙に滞空し、そして……、
「みんな! 伏せてッ!」
 エリカは叫び、手の平を炸裂の種へ向ける。
「『フド』ッ!」
 そう、エリカの狙いは炸裂の種を空中で起爆させることだった。外したら全滅。しかしやるしかない。エリカは手のひらにありったけの魔力を集中させて、それを射出した。
すると魔力の塊は見事に炸裂の種を砕き、周囲には激しい音が響き渡る。たまらずセインディーネ達は海中へ逃げ出した。全員安堵して胸をなで下ろす。
 しかし、一難去ってまた一難。知らぬ間に発生していた異常事態に気が付いて、漁師が叫ぶ。
「ボウズが連れて行かれちまうッ……!」
 そう、タスクはセインディーネの魅了に囚われたままだ。見ればタスクはセインディーネに背負われて今にも海底深くに連れて行かれようとしていた。
「ザコちゃんさん!」
「おっけー」
 だが、互いに支えあう学生達の絆に抜かりはない。オズワルドの咄嗟の指示にも、チョウザは問題なく応えて見せた。チョウザはすぐさまキラキラ石を投げ、セインディーネの顔面にぶつけてやる。すると顔面にそれはクリーンヒットし、セインディーネは驚いてタスクを手放した。
 その後の流れは手早いもので、ベイキは荒波の中うまく操船してタスクの近くに船を寄せる。そして準備していたロープをタスクの方へ投げた。
「タスクさん! このロープに捕まってください!!」
 そして、タスクは朦朧とした意識の中で何とかロープを掴み、そのまま船の上に引き上げられる。
「申し訳ないけど、歯を食いしばっててね!」
 そして、エリカはタスクを正気に戻すため、『正妻の制裁』を使用して頬を叩いた。するとタスクの意識は正常に戻ったのでエリカは安堵する。
「……ベイキさん……エリカ部長……ありがとうございました」
「大丈夫よ。タスクさんもよくあの状況で私の指示に応えてくれたわね。流石だわ」
 一方でベイキはあることに気がついて声を上げた。
「あっ……!!」
 見れば漁師の乗っていた船は岩礁に辿り着いていた。船に積まれていた爆弾も荷下ろしされている。だがその一方で、セインディーネの群れが岩礁へ押し寄せている。だから波の動きも落ち着いて来ていたのだろう。漁師は任務の遂行と同時に敵の気を引いていたのだ。
「漁師のおじさま一人であんな無茶を! ……早く助けに行かないと!」
 ベイキは急いで漕ごうとするが、船は定員オーバーで速度が思うように出ない。
「このままでは間に合わないです! おじさまがセインディーネに襲われてしまいます!」
 ベイキが叫んだその瞬間、彼女の耳に優しくも力強い声が語り掛ける。
「大丈夫ですよ……!」
 それは必死になって操船するオズワルドの声。彼の船はベイキ達の船を追い越すとみるみる岩礁へと近づいていく。
「お医者様志望のけんじゃ様。流石に飛ばしすぎじゃない? へーきぃ?」
「大丈夫ですよ……! これでも体力はある方ですからね……! さぁ、しっかりつかまっていて下さいね!」
 オズワルドの言葉を聞いてチョウザは軽く笑む。これまでもずっと荒れる海の中を操船し続けていたのだ。例え屈強な漁師だったとしても、疲労を感じずにはいられないだろう。
 彼の額から零れ落ちる雫もまた、それを物語っていたが、チョウザは敢えて彼に操船を託すのであった。
 そして、岩礁から少し離れた位置でオズワルドは船体を爆弾の方へ向けて止め、船体のバランスを取ることに努める。船の先頭には『とんでく花火』が括り付けられていた。
「漁師のおじさんは直ぐに逃げてください! ……さて、派手にやりますよ!」
「よしきた、ボウズ!」
 オズワルドは漁師が海中に逃げ込んだことを確認して、花火を着火する。すると花火はバチバチと音を立て勢いよく発射され、岩礁の爆弾群へ綺麗な放物線を描いて飛んでゆく。それを見たセインディーネ達は全てを察したのか、反転し慌てた様子で引き返して行く。
 そして、花火が着弾したその瞬間、辺りに轟音が鳴り響く。次に訪れるは衝撃波。船は強烈な波に抱かれることとなった。全員何とか船にしがみついてやり過ごしたが、全身に海水を浴びてもうめちゃくちゃだ。
 やがて波が収まり全員岩礁の方を向く。岩礁があったはずの場所には雲の様な灰色の煙が立ち込めており、岩肌はきれいさっぱりと消え失せた。まさに海の藻屑といえよう。だが……、
「漁師のおじさまは……?」
「ぶはぁっ!!」
 レーネが心配していた時に、漁師が海面から顔を出す。何とか爆発から逃げ切れた様だ。漁師は笑顔を浮べ、豪快に笑いながらこう口にした。
「ボウズと嬢ちゃんたちにここまでやってもらったんだ。そう簡単に死なないさ!」
 空を見上げれば嵐は過ぎていた。波は穏やかさを取り戻し、空と海の境界は再び調和を生み出している。セインディーネの影はもう周囲にない。アルチェの海はかつての穏やかさを取り戻したのだ。

◆ ◆ ◆

 さて、ここからは嵐の様な戦闘を終えた後日の話。
 生徒たちはベイキの提案で漁師と共に釣りへと赴いていた。狙うはいわゆる『フラットフィッシュ』、海底に主に生息する魚たちだ。彼らはまた平穏が訪れたアルチェの美しい海で、今は平和なひと時を過ごしている。
「こうして見ると、こんなに素敵な海だったんですね」
 レーネは瞳を輝かせる。この広大な海に眠る神秘と不思議に、彼女は想いを馳せていた。
「そうですね。この先もずっと、この素晴しい景色を守っていきましょう!」
 ちなみに後日、タスクの提案によってこの一帯にセインディーネが近寄らないよう対策が施されていく事となる。
「俺の妻はこの海でセインディーネに襲われて亡くなったのさ」
 釣りの最中に漁師はそう呟いた。
「当時、俺はセインディーネを許すことができなかった。セインディーネの討伐ばかりを考えていた。けど、嬢ちゃん……いやコルネ先生は違っていた。セインディーネを追い払い、アルチェに平穏をもたらした。大したものだよ。結果的にセインディーネの怒りを買わなかったことが正解だったのだから」
 憎しみは憎しみを、争いは争いを生む。その連鎖を断ち切るには並大抵の想いが無ければ成し遂げられない。しかしコルネは過去にそれを成し、そして今回も生徒たちは想いを貫き通すことができたのだ。
「どうやら、正しく生徒へ教え伝えられていた様だな。先生」
 漁師は笑みをコルネへ向ける。彼女は柄にもなく顔を真っ赤にしてそっぽを向いていた。顔を両手で覆って照れを隠しているようだが、尻尾が激しく揺れていて隠しきれていない。それを見て他の生徒たちも自然と笑みがこぼれた。漁師は海原に向けて両手を広げてこう叫ぶ。
「誇ると良い! この美しい海原はお前たちが守った世界なんだ!!」
 先生から生徒へ受け継がれたこの想い。皆はこれからも魔物と対峙する際に色々な判断や決断を迫られるだろう。その時にどんな選択をするのか、考えを守れるのか、コルネは生徒たちに期待を膨らませるのであった。



課題評価
課題経験:55
課題報酬:1500
!船・戦!海嵐の歌姫
執筆:へぼあざらし GM


《!船・戦!海嵐の歌姫》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2020-01-10 00:01:49
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
よろしくね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 2) 2020-01-10 05:45:18
わたくしは芸能・芸術のエルフ、レーネ・ブリーズです。よろしくお願いします。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2020-01-10 18:04:30
勇者・英雄コースの、タスク・ジムです。よろしくお願いいたします。
コルネ先生が経験したはじめてのお困りごと、今度は僕達が解決いたしましょう!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 4) 2020-01-10 22:35:42
とりあえずのところ、わたしの考えているのは
セインディーネの歌には、ラベイカ(魔力補助で初めてでも弾ける)の音でカウンター、
それでも魅了された人がいたら、正妻の制裁で元に戻すつもりよ。

セインディーネが水面下に隠れている時は感覚強化系スキルで位置を探ってみるわ。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 5) 2020-01-11 11:17:12
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。
大きな音というと、太鼓とかは漁を始める際の合図なんかでも使いそうですし、現地にもあるかもしれませんよね。
それ以外では、例えば水中で花火・火薬を爆発させると魚が採れるそうですし、敵が水中にいる場合は特に有効かも。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 6) 2020-01-11 21:33:33
大きな音でしたらわたくしも楽器をもっていますからエルオンタリエさんと同じように反撃できます。
それから楽器効果で他の方のたいりょくの回復もできます。
ただ、船にはそれぞれ三人までしか乗れなくて私たちと先生で今7人ですから乗り方も考えた方がいいと思います。
反撃だけでしたら影響ないと思いますけど、楽器効果で回復するためには演奏し続けないといけないかもしれませんから、わたくしは船を動かせないですし。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 7) 2020-01-11 22:14:05
う~~む、楽器は僕も考えたのですが、
単独の楽器演奏が、「大きな音」に該当するか、が不安です。

事前情報によると、依頼主の発言「爆弾でも太鼓でも」がひとつの目安でしょう。
通常装備品の楽器は、歌声に対して、アンサンブルにはなってもかき消しあうとは考えにくいし、唯一の打楽器も小太鼓なのでパワー不足は否めません。

そこで、僕が考える音消し案は以下の通りです。
・爆発系 炸裂の種(持ってます)もしくはとんでけ花火など
・大きな太鼓 ベイキさんの、漁の太鼓を借りる案はかなり有効そうです。
・楽器総動員 管楽器を3人以上で固まって鳴らせば、何とかなるかなあ…

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2020-01-11 22:22:55
船の割り振りも早めに考えたいですね。

例えばなんですが、楽器総動員パターンを考えてみました。

1号 操船、(依頼人)、(爆弾)
2号 操船、楽器、楽器
3号 操船、楽器、(コルネ先生)

僕は、経歴を活かして操船が出来るプランを以前書いたことがあるし、
楽器演奏も持ってるので、どちらでも対応できます。
盾職経験もあるので、1号で依頼人護衛を兼ねることも出来ます。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 9) 2020-01-12 12:56:16
どうも、賢者・導師専攻のしがない医師見習いオズワルド・アンダーソンです。
どうぞよしなに。

レベルが10では無いのでひとつしか持てませんが、花火を所持してるのでお役に立てると思います。
あとはゴリr……んん!怒ると吠えるコルネ先生の咆哮とかいけそうな気がしますね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 10) 2020-01-12 18:15:29
もし最大人数での出発になれば、8人に+コルネ先生の9人に、依頼人1名の10名になるんですよね。
借りられる船は定員3名で、依頼人の船には爆弾があるので依頼人+同乗者1名の2名のみ。

最大人数で乗船する場合は、依頼人の船+3隻の船を借りる感じですかね。

今のところは6名なので、船を2隻借りればタスクさんの案の人数配分で大丈夫だと思います。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 11) 2020-01-12 21:47:53
楽器の音量については、わたくしはラッパをできるだけ大きく吹くように
してみますね。
爆発や太鼓もいいアイデアだと思います。

船の乗り方もジムさんの案でいいと思います。
楽器効果をできるだけ多くの方に確実にと考えますと、
わたくしはみなさんがよろしければ2号の船に乗りたいです。

コルネ先生は直接攻撃はなし、サポートで力仕事はしてくださる
とのことですから操船はお願いできるのでしょうか。
それでしたら3号の船の操船をお願いできるかもしれませんね。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 12) 2020-01-13 00:04:56
それじゃ、わたしは2号艇の楽器担当をさせてもらっていいかしら?
特に理由はないので、3号艇へ移って欲しいという話があれば、
早めに言ってもらえれば対応できるわよ。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 13) 2020-01-13 20:04:03
私は特に希望する担当はないのですが、楽器関係の技能もないですし、操船の方に回りましょうか?
特に体力があるわけでもありませんが、一般技能の水質学が役に立つかもしれませんし。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 14) 2020-01-13 22:15:18
ぶっちゃけ、ゆーしゃ様全員で叫び倒しまくればかき消せるくない?って思った。
……息と体力続かない?わかるー。
でも用意した音だけじゃ足りな不足なら、頭の隅っこの端切れに入れといてもいーかもね。言うだけ。

ザコちゃん船なんて触ったこともないし、楽器なんてなおのことだし。
するなら【キラキラ石】か【炸裂の種】あたりをセインディーネの顔面にぶん投げ【投擲】するくらいかな。
当たれば物理邪魔妨害、ダメでも水音で誤魔化せんでしょ。たぶん。

あとあれ、どっちみち枠に余裕あるなら【耳栓】あった方が魅了の歌声誤魔化し消せっかなー…って思いはした。枠。
ザコちゃんが【ソーイングセット】と布して配ってもいーけどさぁ、
そこまでするよか炸裂の種2つ持ってった方が、音消しと攻撃兼ねれて良くない?感はあるし。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 15) 2020-01-14 20:05:02
自分の声が1番近い自分の口から出るからこそ音楽を遮らせてくれるかもしれませんね。
方法はひとつだけが正解ではありませんから、沢山案を出して書くのもいいかと。
ところでコルネ先生の咆哮とか凄そうですから案のひとつに書いておきますね。
声出し程度ならサポート範囲だと思うので。

あ、僕は音楽とかは得意ではありませんので
操船に回らせていただきますね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 16) 2020-01-15 00:37:15
さすが皆さん、アイデア満載ですね♪
皆さんのお話をもとに、船割案を考えてみました。

1号 タスク【操船、護衛】、(依頼人)、(爆弾)
2号 ベイキさん【操船】、エリカ部長さん【楽器】、レーネさん【楽器】
3号 オズワルドさん【操船】、ザコちゃんさん【投擲】、(コルネ先生【咆哮】)

まず、現状メンバーで盾は僕かな、というのと、楽器持ちさんを一ヶ所に、
というのが主なコンセプトです。
僕は炸裂の種と大声(他授業で実績有り)で歌の妨害もできるので、
3隻揃って歌の妨害が出来る編成になってると思います。

もし、この編成でよければ、オズワルドさんには、コルネ先生に咆哮を依頼していただければ助かります。
上の書き込みで、そのような内容を書くことを表明いただいてるので、安心はしておりますが、念のため改めて申し添えますm(_ _)m

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 17) 2020-01-15 00:40:14
あと、耳栓は歌を防ぐにはいいんですが、意志疎通が妨げられ、
連携を取りづらくなった事例が、確かあったような。
そのため、やはり音によるかき消しに限る方がよいかな、と思います。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 18) 2020-01-15 02:40:05
タスクさんはわかりやすいまとめをありがとう。
わたしはその班分けでOKよ。

あと、誰かが船から落ちた時の為にロープを持って行くわ。
使わないで済めばそれに越したことはないけれど、一応お守りにね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2020-01-15 08:15:11
部長さんにそう言っていただけると安心です。
ありがとうございます♪

僕は、炸裂の種と正妻の制裁を持っていきます。
正妻持ちが二人いれば、互いの魅了に対してフォローできますから
魅了対策は安心ですね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2020-01-15 08:32:47
あと、僕個人的には、今回は、セインディーネと渡り合うより
依頼どおり爆弾設置の補助、セインディーネに「退去いただく」ことに
集中したほうが、良いような気がしてます。

具体的には、武器はもたず専守防衛、
炸裂の種は当てようとせずあくまで音を出すために使うつもりです。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 21) 2020-01-15 19:06:12
ジムさん、いろいろありがとうございます。撃退集中も賛成です。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 22) 2020-01-15 21:36:10
かしこまりました。
そのように先生にお伝えしますね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 23) 2020-01-15 22:09:58
>方針
戦場になりうる海自体がセインディーネに有利なフィールドでしょうし、無理に撃破等を狙うよりも撃退に重きを置くことに賛成です。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 24) 2020-01-15 22:14:01
撃破か撃退か妨害かー…ってのは、場合場面によるかなー、とは思った。
直撃の進撃食らってんなら、音で誤魔化すーってだけで言ってらんないし。
とりま撃退のつもりでいて、場面【推測】して調整するー、って感じにはしとくかな。

なんせよ、もうちょっとで出発だし。書き忘れ考え忘れはないよーにね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 25) 2020-01-15 22:22:29
お疲れ様です。いよいよ出発ですね!

船割は僕が書いておきましたので、担当教官さんには伝わると思います。

今回、船が別れてること、依頼人と爆弾のガードを優先することから、
皆さんの盾役を務めるのが難しい点、お詫びします。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 26) 2020-01-15 22:36:22
僕は自分とコルネ先生の立ち回りをメインに書かせていただきました。
僕は操船と大きな音対策、回復支援。技能は回復、余裕を持てるように魔力系、死力強化で
コルネ先生は咆哮、あともし僕が回復することになった時に交代していただく感じで書いてます。
文字数も少し余裕があるので何か欲しいことあれば仰ってくださいね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 27) 2020-01-15 23:41:44
こちらは、落水対策の【水泳】&学園指定水着や、
セインディーネの生態調査をもとに、より近づきにくくする後処理【設計】【罠設置】
といったことも盛り込んでみました。

これだけ充実した会議を重ねたのですから、きっとうまくいきます。
お互い武運を祈りましょう。

ご一緒いただいた皆さま、本当にありがとうございましたm(_ _)m

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 28) 2020-01-15 23:41:56