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俺たちギルッチ団!!


ストーリー Story


 温泉街トルミンの名物。
 温泉、火山、そして――。

「財布を取り返してくれてありがとう!」
「いいって事ヨ。何故なら俺たち……」
「ギルッチ団!」
 勝利の雄叫びが『大温泉郷ギンザーン』に響いた。
「トルミンを楽しんで!」
 揉め事を解決した彼らは一般人へと戻り、再び活気に満ちた温泉街の景観へと溶け込んでいく。

 ――『ギルッチ団』。
 トルミンを仕切る【馬場・カチョリーヌ】の息子の一人【馬場・スカットン】が団長を務める、トルミン限定の自警団だ。
 魔物、チンピラ、災害。
 ギルッチ団に所属する者は『揺るぎないトルミン愛』を合言葉に、今日もならず者達からトルミンを守る。
 一人見かけたら近くに三人は潜んでいると思え。
 それが『ギルッチ団』である。

「トルミン花湯が近いせいか、最近観光客狙いのチンピラが多いナ」
「万引き、スリ、いちゃもん、食い逃げ」
「忙しいよお」
 その言葉が終わらない内に、一件の茶屋から破壊音が轟いた。
「ほえわわわ」
 一人の店員がガラの悪い四人組に囲まれている。
 中でもひと際目立つ巨体が咆哮をあげ、木造の茶屋全体がビリビリと震えた。
「こんな不味いもん、食ってやっただけでも有り難く思え。この下等生物」
 耳の後ろから伸びる黒色の曲がった角。鋭い黄金の瞳。
 振り上げた太い腕には赤銅色の鱗が輝いている。
「ドラゴニア種……」
 珍しい存在に、駆け付けた一人が目を開く。
「あわわわ、不味いってお客さん。おかわりまでしっかり食べたじゃないですかあ」
「何だって?」
「ひええ!! なんでもないですう!!」
 ドラゴニアに付き添っていた女が椅子を蹴り飛ばした。
 巻きこまれた茶椀が次々と床へ落ちていく。客は逃げ出し、店員は半泣きだ。
「待て待て、この無銭飲食犯め!!」
「私達の目が黒いうちは、トルミンの平和を乱すような真似は許しません!」
「誰だァ、てめえら」
「俺たちは!」
「私たちは!」
「ギルッチだ――ぶほぉ!?」
 ポーズと台詞を決める間も無く、赤い無情の拳が一人の頬にめりこんだ。
「決め台詞の途中で殴るとか、貴様、心が無いのカ!」
「弱えクソどもが、うるせえんだよ」
「存在がうざい」
「あらら、図々しくしゃしゃり出てきて弱いとか。救いようが無いグズ。ほんとグズ」
「うげっ!?」
 仰向けになった腹部にブーツの靴底が深く喰い込む。
「あわ、あわわわわ」
 そう、ギルッチ団はあくまで自警団。戦闘能力を持たない一般人も多い。
「……聞け、いい遊びを思いついた」
 竜の口元がニヤリと裂け、伝播するように悪意がさざめいた。



「『ギルッチ団』狩り?」
「そうだ。トルミン商店街でわざと騒ぎを起こし、出てきたパトロール中の自警団……もといギルッチ団に暴行を加える。そんな悪趣味な事件が報告されている」
 傭兵や、ギルッチ団の腕利きが魔物退治や観光客の救出に向かう隙をついた卑劣な犯行だという。
 相手も腕が立つのか、それとも力をもたない民間人だけを狙っているのか。
 普段なら、敵わないとみるとピューンと逃げるギルッチ団員の中にもかなりの怪我人が出ているそうだ。
「課外活動だ。至急現場に向かい事件を解決しろ。あ? 相手の名前? そんなもんチンピラAからDで充分だ」
 教師は笑顔で親指を下に向ける。
「一般人相手にイキがってるアホどもに、世間の厳しさを教えてこい」
 目が笑っていなかった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 4日 出発日 2020-03-25

難易度 難しい 報酬 多い 完成予定 2020-04-04

登場人物 8/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《這い寄る混沌》ニムファー・ノワール
 アークライト Lv20 / 王様・貴族 Rank 1
ニムファー・ノワール17歳です!(ぉぃぉぃ ニムファーは読みにくいかも知れないので「ニミィ」と呼んでくださいね。 天涯孤独です。何故か命を狙われ続けてます。 仲間やら友人はいましたが、自分への刺客の為に全て失ってしまいました。 生きることに疲れていた私が、ふと目に入った学園の入学案内の「王様・貴族コース」を見て考えを改めました。 「自分が命を狙われるこんな世界、変えて見せますわ!」 と思っていた時期が私にもありました(遠い目 今ではすっかり学園性活に馴染んでしまいました。 フレンドになった方は年齢にかかわらず呼び捨てタメ口になっちゃうけど勘弁してね、もちろん私のことも呼び捨てタメ口でも問題ないわよ。 逃亡生活が長かった為、ファッションセンスは皆無な残念女子。 な、なによこの一文。失礼しちゃうわ!
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《ゆうがく2年生》シィーラ・ネルエス
 ローレライ Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
「えぇ、私異世界から来たの」 「…そうね、そのはずなのに」 「うみにかえりたい、たまにそう思うの」 いつもおっとりした言葉遣いが特徴的なローレライの女性 おっとりとした言動とは裏腹にわりと勢いとノリがいい 自称、異世界からやってきたとのことだが… 容姿 ・海色のロングウェーブ、たれ気味の薄青の瞳 ・ゆったりとした服を好んで着ている ・胸は大きめ 性格 ・マイペースでおっとりとした性格…と見せかけてその実やりたいことはとことんやる、言いたいことはぶっちゃける ・困っている人には手を差し伸べるが、必要以上に他人と接しようとしない。あえて一定の距離を置いている節がある。人嫌い、というわけではない模様 ・ちなみに見た目よりかなり年上だが、間違っても「おばさん」とかは言ってはいけない ・笑いの沸点が低く、ちょっとしたことでもすぐ笑う ・取り繕うのは上手、なので平然とした顔で内心大笑いしていることは多々あり 好きなもの 海、歌 二人称:アナタ、~さん 仲良くなった人には呼び捨て、~ちゃん、〜くん 三人称:皆様、アナタ方
《大空の君臨者》ビャッカ・リョウラン
 ドラゴニア Lv22 / 勇者・英雄 Rank 1
とある田舎地方を治め守護するリョウラン家の令嬢。 養子で血の繋がりはないが親子同然に育てられ、 兄弟姉妹との関係も良好でとても仲が良い。 武術に造詣の深い家系で皆何かしらの武術を学んでおり、 自身も幼い頃から剣の修練を続けてきた。 性格は、明るく真面目で頑張り屋。実直で曲がった事が嫌い。 幼児体系で舌足らず、優柔不断で迷うことも多く、 容姿と相まって子供っぽく見られがちだが、 こうと決めたら逃げず折れず貫き通す信念を持っている。 座右の銘は「日々精進」「逃げず折れず諦めず」 食欲は旺盛。食べた分は動き、そして動いた分を食べる。 好き嫌いは特にないが、さすがにゲテモノは苦手。 お酒はそれなりに飲めて、あまり酔っ払わない。 料理の腕前はごく普通に自炊が出来る程度。 趣味は武術関連全般。 鍛錬したり、武術で語り合ったり、観戦したり、腕試ししたり。 剣が一番好みだが他の分野も興味がある。 コンプレックスは身長の低さ。 年の離れた義妹にまで追い抜かれたのはショックだったらしい。 マスコット扱いしないで欲しい。
《ゆうがく2年生》リベール・ド・ヴァンセ
 ヒューマン Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
リベール・ド・ヴァンセ。 聞き取り辛いなら名札か手帳を読みなさい。 ……わざわざ言うべきことはないの。
《1期生》アケルナー・エリダヌス
 ローレライ Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
目元を仮面で隠したローレライの旅人。 自分のことはあまり喋りたがらない。適当にはぐらかす。 ふとした仕草や立ち居振舞いをみる限りでは、貴族の礼儀作法を叩き込まれてるようにもみえる。 ショートヘアーで普段は男物の服を纏い、戦いでは槍や剣を用いることが多い。 他人の前では、基本的に仮面を外すことはなかったが、魔王との戦いのあとは、仮面が壊れてしまったせいか、仮面を被ることはほとんどなくなったとか。 身長は160cm後半で、細身ながらも驚異のF。 さすがに男装はきつくなってきたと、思ったり思わなかったり。 まれに女装して、別人になりすましているかも? ◆口調補足 先輩、教職員には○○先輩、○○先生と敬称付け。 同級生には○○君。 女装時は「~です。~ですね。」と女性的な口調に戻る。
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている

解説 Explan

迷惑客を取り締まり、トルミンの平和を守りましょう。

【A】と【B】
どちらに向かうかを選択し、プランをご記入ください。
課外活動内容のどちらかを達成すると成功になります。



【課外活動内容】
・トルミンの平和を乱すならず者をこらしめろ!
・「ギルッチ団」への襲撃を止めさせろ!


【A】トルミン商店街
トルミンの中心街の西側に位置しています。
トルミン最大の温泉郷『ギンザーン』と近いせいか、連日観光客で賑わっている地区です。
所せましとお土産屋が軒を連ね活気にあふれる場所ですが
それを狙ったチンピラからの嫌がらせが一番多く発生しています。

【B】温泉郷ギンザーン
トルミン最大の温泉街です。
巨大な共同露天風呂を囲むように、レンタル水着屋や温泉宿が建ち並んでいます。
薄らと雪化粧をした木造宿はどこか郷愁的な雰囲気を漂わせています。
馬場一族の目が厳しい為か、ここでの嫌がらせ件数は少ないようです。
老舗の旅館【六湯屋】には負傷したギルッチ団の面々が運ばれる療養部屋が設けられています。

【敵対者】
・チンピラA(仮名)
傭兵崩れのドラゴニア族の男性。今回の主犯的存在。
他種族を見下し、蔑ろにしている。
目立つ姿を自認しているのか騒ぎに姿を現すこと少ないが
飲食店への迷惑行為で度々目撃されている。
戦闘スタイルは格闘。

・チンピラB、C、D(仮名)
Aに付き従っているヒューマン族。
女性二人に男性が一人。
傭兵崩れであるのか、そこそこ腕は立つ。
商店街での騒ぎはこいつらのせい。
武器は両手盾/短剣//杖(無)



作者コメント Comment
こんにちは! 駒米たもと申します。
いざ征かん、湯煙温泉郷。

今回の課題はトルミンの治安維持に協力するものです。

プラン例としましては
商店街のパトロール、旅館での治療行為
そしてチンピラの討伐などがあります。

また、混雑した中でどれだけ周囲に被害を出さないかも重要なポイントになります。



個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
他者の諸々考えずに、利己的に自己剥き出しの自由な横暴。
…ぶっちゃけ割とザコちゃんの嗜好寄り思考。
それはそれして、合法的にちょっかいかけんの楽しそうだからザコちゃん側も自由するー。

温泉街の療養部屋周辺で、ぎるち…ギルッチ団に【変装】してうろうろしとく。
【化粧品セット】あるから地味弱系な顔を捏ね作ってー、団印的なのあるなら【ソーイングセット】で服にお【裁縫】。
でさ、団員が狙われてるーってなら、療養部屋の団員のギルッチ感なるだけ【隠匿】しとく。
そのほーが、ゆーしゃ様なりザコちゃんなりに狙いの目が突き刺さんでしょ?

とりま明らかにへっぽこ感剥き出しで入れば、あっちから狙ってくれんじゃん?
保証?無いけど。

ニムファー・ノワール 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
温泉に湯治にきたお客に【変装】してトルミン商店街を巡回するわ。
見つけたら【挑発】をうまく使ってなるべく他の観光客のいない場所へ誘導。
戦闘中も【号令の鞭】にて観光客の方にはいかないように誘導。人質とられると面倒だからね。
そしてガッツリとお仕置き&温泉愛(謎)を愛のムチで叩きこんであげるつもりよ。

主犯Aがいればいいんだけどいない場合は、他のチンピラに【説得】【信用】【ハッタリ】を駆使して口を割らせたいわね。
もちろんAにも温泉愛を体に叩き込んであげるんだから。
温泉好きに悪い人はいない!(極論)

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
人様を断罪できちまうような立派な人生って訳じゃないけど
今回の件とこれ迄の余罪分はしっかりシメてやらんとな。

どチンピラ共が単独か複数で動いてるのか分からねーが
見つけたら「すばやさ」のゴリ押しで地の果てまで追いかけるし
自慢の羽で逃げようもんなら、2段ジャンプ+Gブースターで背に跳び乗ってヘッドロックで墜落だー。

…そうさな。
相手が盾持ちなら跳躍でバックを取って切りかかる
そいつをフェイントに股の間に蹴りを打ち込む。悶絶。
杖持ちなら回避に専念して無駄弾を打たせて接近戦に持ち込む。
短剣相手なら【競争心理】が働きそうだ。
相手か格闘なら、こっちもステゴロだぜ。
負けそうになったら、マドとか撃っちゃうかもだけど。


シィーラ・ネルエス 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
こんな典型的なチンピラ、まだいるのねぇ
…罰ゲームじゃないの?くすくす!

行先…A

観光客に扮して町の見回り
事前に団員に被害にあった店や状況を聞き
仲間と情報共有、次に狙われるであろう店を「推測」

パトロールも兼ねて推測した先の店で買物
店員に尋ねる際、他の観光客に聞こえないように聞き込みも
「最近、柄の悪い人がいるって聞いたわ
大丈夫かしら…」

店員に不審な人物が近づいたら、わざとぶつかる等で気を引いた後に気の弱い観光客のふり
より加虐心が湧くような「演技」をして、逃げるように見せて店の外へ誘導
抵抗する際に武器に触れれば【武器破壊】を試みて
戦闘に入れば【アクラ】で後方から攻撃
残体力3割の味方に【リーラブ】


ビャッカ・リョウラン 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
チンピラAを倒す

■行動
まずは店外に出つつ、煽って私に注意を引き付けるよ。
私が相手してあげるから表に出ろ!それとも小娘相手に尻尾巻いて逃げる?
向かい合ったら、身の丈程ある剣を構え…ない。素手で戦うよ。
周りを巻き込まないためと、相手の土俵で戦うことでよりこちらに引き付けるためにね。

素手と言ったけど、足技主体。
手は主に防御に使って、動作察知で相手の動きを読んで手で受け流す。
そして、部分硬質化で鱗に覆われた脚で徒手空拳を応用した蹴りを打ち込む。
リョウランの技は、剣だけじゃないよ!

隙が出来たら大技で決める。
駆け出して一気に懐に潜り込んで、振り上げながらの龍爪撃。
私の本気、受けてみろぉぉーーっ!!

リベール・ド・ヴァンセ 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【A】
まず団本部で奴らに狙われやすそうな所を絞り込む。特に団の巡回ルート上にあり、カモにされて繰り返し事件が起きてる所。
複数の敵に備え、捜索は二人以上で。
敵が取り込み中なら何も言わずに近づき(奇襲攻撃)、武器を持った腕等を基本拳術で掴んでへし折る。(できれば杖持ちに)
向こうから来たなら敢えて動かず反逆精神で反撃。
どちらにせよ動きの少ないやり方で周囲が逃げて空く時間を稼ぐ。
周囲が空いたら勇者斬りを惜しみなく使う。
一人ぐらいは逃がしてもいい。泳がせれば親分の居所を割ってくれるかもしれない。そのために尾行の得意なギルッチを連れていきたい。
倒した屑は吊るして晒し者よ。残りが来る餌になるといいけど。

アケルナー・エリダヌス 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【B】
みたところ、商店街で暴れてるのはチンピラ……つまりは手下のようだね

主犯は自身が目立つのを理解してるのか、騒ぎの場に姿を現すことは少ないようだけど、もしかすると……温泉辺りでゆっくりしながら、手下に悪さの指示を出したりしてるかもね

商店街で手下を痛め付ければ、逃げる手下を追って隠れてる主犯のもとに行けるかもしれない
私は温泉街で、主犯がよく出入りしてる場所を聞き込んでみるよ

そこに隠れて、見下してる手下に指示を出して……高みの見物
そういう可能性もある

聞き込み先は、温泉街の温泉宿や酒場……特に、六湯屋の商売敵の温泉宿なんかがあるなら、そこの様子も調べてみよう

主犯の所在がわかったら仲間に知らせるよ

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:122 = 102全体 + 20個別
獲得報酬:2592 = 2160全体 + 432個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【B】
簡易救急箱を使用。団員の怪我の治療をする。気休め程度だけれど、祈祷をしてあげる。今後、同じようなことが起きないとも限らないので、これを機に、身の振り方を決めるよう話をする。また、敵が襲い来る可能性もあるので、すぐにでも戦えるよう心構えと警戒をしておく。敵が現れた場合、宿に被害が出ないように表へ誘い込む。

戦闘

格上相手に守勢に回るのは得策ではないので、速攻を仕掛ける。龍の翼であいての頭の高さまで飛び、頭部を狙い、全力攻撃。


セリフ

「そは生命のたぎり。そは魂のぬくもり。火の精霊よ、彼ものに炎の加護を与えよ」
「表へ出なさい。それとも、誰彼構わず巻き込まなければ戦えないほど、あなた、弱いのかしら?」

リザルト Result

●商店街
「観光客なんだから、お買い物しなきゃ不自然でしょう?」
「その通りっ!」
 両手に紙袋を下げて商店街を歩く【シィーラ・ネルエス】の足取りは軽やかだ。湯治客に変装した【ニムファー・ノワール】も温泉卵を片手に頬をゆるめる。
 温泉街を満喫する泡麗族と天遣族。どちらも珍しい種族であり、並んで歩くだけでも衆目を集めていた。
 さらに言ってしまえば、二ムファーの選んだ奇抜な、蛍光虎柄のレンタル浴衣が決め手となり彼女達は注目の的だ。勿論、それを良しとしない者の目にも止まる。
 前方から近づく怪しげな人影に、二人は目配せを交わした。
「次は、きゃっ」
「いったァーい」
 両手盾を持った女が、わざとらしくシィーラの肩にぶつかった。
 甘ったるい声と値踏みするような不躾な視線には隠しきれない加虐の色がにじんでいる。
「これは慰謝料でも貰わないとお」
「な、何です。あなたは」
 シィーラがたじろいでみせると、女は蛇のように笑った。
「アタシの事、知らないのぉ」
 二人の進路を塞ぎ、女は距離をつめる。じりじりと後退すれば冷たい白壁が二人の退路を遮った。
「もう、逃げ場は無いわよぉ?」
「……くすくす、こんな典型的なチンピラ、まだいるのねぇ。それとも罰ゲームでもさせられているのかしら」
 突如として雰囲気の変わったシィーラに女は眉を動かした。
「あらぁ、驚かせてしまったかしら。演技は女のたしなみよ? それより、本当に彼女を説得するの」
「勿論!」
 二ムファーが手首でスナップをきかせるとハートの刺繍が入った鞭が地面を打った。
「温泉好きに悪い人はいませんから」
 断言したニムファーにシィーラものんびりと同意する。笑いの発作が止まらないのか。シィーラの唇から堪えきれなかった笑い声がはらはらと舞い落ちる。
「アンタ達もギルッチ団とか言う馬鹿?」
 半眼の女に、二ムファーはにっこりと微笑んでみせた。
 温泉に対する愛が足りていないと判断したらしい。
「そんな事を言ってしまう人にはガッツリとお仕置き&温泉愛を叩きこんであげます!!」
 破裂する空気音が闘いの始まりを告げた。

「こンのクソがああ!! マドガトル!」
「勇者斬り!!」
 相対した衝撃波が地に激震を齎す。
 舞い上がった砂埃が収まると、地面に伏せていたのは腕を折られた杖使いの女であった。
「短剣使いが逃げたわ。追跡を」
 口の中に溜まった血を吐きだしながら【リベール・ド・ヴァンセ】は傍らの影に告げた。
「地の果てまで追いかけてやるよ」
 なかば微睡みかけた口調に反して軽い跳躍音が屋根を伝っていく。
「ぐぞっ、殺してやる。テメェらクズは纏めて皆殺しに……ギャアッ」
 リベールを睨みつけた杖使いの女は、髪を掴まれズルリと地面から持ち上げられた。
「屑、と言ったのかしら」
 杖使いの腫れた顔が恐怖に歪む。
 晒し者に丁度良いとリベールは目を眇めた。紫瞳に映った獰猛な炎は、未だ憤怒の色を宿している。
「残りが来る餌になるといいけど」
 道の中央に開いた巨大なクレーター。瓦礫でボロボロになった屋台のテント。
 避難していた人々が、恐る恐ると顔を覗かせた。

「何だよ、何なんだよ、あいつらは!」
 一方、短剣使いの男は連なる温泉宿の屋根の上を逃げていた。戦闘による疲労と血が男の焦燥感を募らせる。
「何だろうなー」
 思わず零した独り言に答える声。誰もいないと思っていた短剣使いは蒼褪めた。
「お前、いつからオレの背後に!?」
 最初からだと答える代わりに追跡者は親し気に笑って見せた。
「案内ありがとな。いくぜ、グロリアスブースター」
 中天に更に一歩を踏み出して、太陽を背に【ヒューズ・トゥエルプ】は跳躍する。
 上空から石畳に落下してきた短剣使いをドラゴニアは一瞥した。その足の下には鮮やかなマゼンタが散らばっている。
「アンタが噂のリーダー?」
 へらりと口元を歪めるとヒューズは双剣を取り出した。
「俺も人様を断罪できちまうような立派な人生って訳じゃないけど」
 眼前で二翼を十字に構え、重心を軸足に乗せる。
「今回の件とこれ迄の余罪分はしっかりシメてやらんとな」
 ――だからさっさと、その足どけろや。

●商店街to温泉郷
「とっても腕っぷしの強いドラゴニアの殿方がいらっしゃるそうですね。一度、お会いしてみたいわ……」
 そう言った女性に温泉宿の奉公人はやつれた表情で首を横に振った。
「止めておけ、そいつはアンタの思っているような奴じゃあない」
 そのローレライは美しかった。あまりに美しかったから男も口が滑ったのだろう。
「あれは暴君だ」
 女は温泉宿の屋根を走る二つの影を視界の端に捉えた。しかし、そ知らぬ顔で目の前の男に向き直る。
「それは、どう言った意味でしょう」
「噂だが、そのドラゴニアは六湯屋の主人に重症を負わせ、従業員を脅して宿を根城にしているらしい。六湯屋は商売敵だがあんなのに目を付けられちゃあ同情するよ。アンタも自分の身が大切なら、あの周辺には近づかない方がいい」
「ご忠告、ありがとうございます」 
 たおやかな仕草で一礼すると、女性は細い路地裏に身を滑らせた。
 取り出した仮面を顔につけると淑女たらしめていた雰囲気が霧散し、精悍な出で立ちへと変化する。
「急いで合流した方が良さそうだな」
 【アケルナー・エリダヌス】はそう言って足早に路地裏の奥に身を投じた。
「ん、向こうの方が騒がしいね」
 商店街の入り口で聞き込みをしていた【ビャッカ・リョウラン】はぴょこんと顔を上げた。
「ビャッカ先輩!」
「確かきみは……」
 目元を仮面で隠したローレライの青年が路地の奥から現れる。
 先輩と呼ばれたビャッカは、緩んだ目元を慌てて引きしめた。
「アケルナーです。それよりも至急お耳に入れたい事が。とにかく時間が惜しい」
 先程聞いた話をアケルナーが手短に伝えると、ビャッカは力強く頷いた。
「分かった! 私は一足先に六湯屋に向かうよ。その話が本当なら大変だ」
「お願いします。私は他の諸先輩方にも伝えてきますので」
 温泉郷と商店街の距離は近い。すぐにまた会おうと、藤色の白風と紫の雷光が散開する。
「あれは……!」
 ビャッカの視界が遥か遠くに見える六湯屋の黒瓦を捉えた時、窓の外に何かが落ちていった。

●六湯屋
 刻は少し遡る。
 温泉宿、六湯屋。上階の、眺めの良い一室に布団が並べられ、包帯を巻いた数人が横たわっていた。
 その間では青緑の髪を持った古龍族の少女が祈りを捧げている。
「そは生命のたぎり。そは魂のぬくもり。火の精霊よ、彼ものに炎の加護を与えよ」
「おおー!」
「凄いナ、痛みが消えタ」
「何でなんで、すごーい!」
 包帯の巻かれた傷口に淡い紅光が灯る。祈祷による加護は初めてなのか、はしゃぐギルッチ団の面々に【アルフィオーネ・ブランエトワル】は纏っていた神聖な空気を霧散させた。
「今回はたまたま、怪我で済んだけど相手次第では命を奪われることもある。人を護るということはそういう事よ。あなたたちに、その覚悟はあるの?」
「覚悟はある。オレたちは生粋のトルミンっ子だからな。故郷と故郷を愛してくれる人を守るのは当然の事だ」
 アルフィオーネは、怒れる母親を思わせる、どこか冷ややかな視線を投げつけた。
「観光客に安全に楽しくすごしてもらいたい。その意志は尊いけど、力なきもののすることではないわ。今後、同じようなことが起きないとも限らない。これを機に身の振り方を決める事ね」
「すんません」
 幼児ほどの背丈のアルフィオーネに諭されシュンとうなだれる一同。
「自警団など、とっとやめるか、力をつけるか、その二択よ。その気があるならこちらをどうぞ」
「なるほどこれがツンデレか」
「こらっ」
「お気遣い、痛みイル」
 差し出された学園のパンフレットと入学願書を受け取り、ギルッチ団の面々は頭を下げた。
「しかし――」
 言いかけた言葉をアルフィオーネは手で遮った。廊下から、破壊音が聞こえる。

「釣れた釣れた。お前、ギルッチ団だな」
「そ、そうですけど」
 地味な顔立ちをした女性が廊下に立っている。たらいと手ぬぐいを両手に抱え、赤銅色の巨躯を見上げる気弱なヒューマンの翡翠。黄金色の瞳がいやらしく上弦を描いた。
「なら死ね」
 直後、ドラゴニアの拳が女の頬に深々と食い込み、飴色の廊下に細い身体が毬のように跳ねた。
「あ、あぅ……」
「逃げるなよ」
 這って逃げようとする女性の首を黒爪が掴む。
「待ちなさい」
 アルフィオーネが立っていた。小柄な体躯を怒らせ静かに相手を睨みつけている。その後ろでは廊下の騒ぎを覗くギルッチ団の姿があった。
「同族か。俺の味方という面ではなさそうだが」
「当たり前よ。さっさと表へ出なさい。それとも、誰彼構わず巻き込まなければ戦えないほど、あなた、弱いのかしら?」
「いいぜ、出てやる。その代わり」
 静かな声色の中に煮え滾る炎を感じたのか。早々にアルフィオーネの話し合いに区切りをつけるとチンピラは獰猛に歯を剥いた。
 窓の外に出た女の裸足が、宙をもがく。
「! 待ちなさい」
「最初に出るのは、こいつだ」
 女の首から手が離される。
「いーやーー」
 落下していく悲鳴は……やや棒読みであった。

 石畳の上に倒れ伏した女性以外、六湯屋の正面玄関に人の姿は無い。
 翼膜を畳んだチンピラは倒れた女性の頭を乱暴に踏みつけた。次の瞬間、土煙をあげたドウという音が響き渡る。
「なんだあ?」
 石畳の上で、見覚えのあるヒューマンが伸びていた。
「……何にも無知謎いって幸せだよねー」
 間延びした声が聞こえたのは予想だにしない場所からだった。
 異変を察した時には既に遅く、肉薄したヒューズの一閃がチンピラの胴を切り裂く。たたらを踏んだ足が頭から離れた。
「平気か?」
「へーきへーき、よゆー」
 陽炎のように起き上がった【チョウザ・コナミ】はヒューズの隣に並ぶと、ごっほ、と肺の中の空気を吐きだした。
「ぎるち……ギルッチ団、だっけ? できる限りトルミンに来たお人を傷つけたくないからって団の優しみで、全く反撃しないでいてくれてえ」
 あげた顔にはのっぺりとした笑みがはりついている。
「うっかり傷つけすぎないために学園からザコちゃん達が呼ばれたー、なんてことにも気づかないでさぁ。この程度のへっぽこで済むならいーよねぇ。よかったねー。終わりー」
「こざかしい真似しやがって。テメェ、誰だ」
「ザコちゃん? ザコちゃんはぁ、ただのモブー」
 ドラゴニアの大振りな蹴りを両腕で受け止め、チョウザは置き土産とばかりに足払いをかけた。体勢を崩した隙に距離を開け、それでも逃げようとしない相手に苛々と尻尾を揺らす。
「何を企んでやがる」
「……ん? 何ってハッタリ系会話術で遊んでんだけど。内緒ないしょー」
「目的は時間稼ぎか」 
「見つけたぞチンピラ!」
 朗々とした声。勇者の如く舞い降りた紫電がビシッとチンピラに人差し指をつきつけた。
「このビャッカ・リョウランが、ギルッチ団に代わってお仕置」
「何匹来ようがザコはザコだろうがよお!」
「ひゃっ!?」
 名乗っている途中に飛んで来た蹴りをビャッカはクロスさせたグロリアスアームで受け止めた。
「リョウラン家の人間かぁ? その割には似てねえけど」
 ピキリ、と硬質な音が響いた。
「……流儀も礼儀も知らない、そんな戦士じゃない崩れチンピラが相手なら」
 ビキビキと音を立てビャッカの両腕と両脚を白銀の鱗が覆っていく。巨体の懐を目がけ、弾丸のように地面を踏みつける。
「私も流儀や礼儀を尽くす義理はないよ!」
 速度を乗せた鋭い蹴りはビャッカの小柄な身体ごと、深くチンピラの腹部へとめりこんだ。
「遅くなりました!」
 温泉郷から商店街までを走り続けたアケルナーは荒くなった息を抑えつけ、すぐさまレイピアを正眼に構える。
「お待たせしました!」
「加勢するわ」
「温泉愛、叩きこんであげます!」
 遂に八人が六湯屋前に揃った。
「楽しくなってきたなあ、『暴君誕生(チャイルドプレイ)』!!」
 豪腕から繰り出される暴力の嵐をリベールとアケルナーは後方へ跳躍する事で避けた。しかし飛散した礫片までは避けきれない。肌の上に数多の朱裂を刻んでいく。
 ニムファーによる牽制とヒューズの撹乱、リベールとビャッカによる直接的な攻撃によって相手へのダメージは確実に蓄積している。
 しかしチンピラはしぶとく立ち続けていた。
 執拗に狙われる回復役のアルフィオーネと属性魔法で攻撃するシィーラには無視できない傷が増えている。チョウザの挑発によって広範囲への攻撃は押しとどめられているが、徐々に破壊される範囲は増えていく。
「さっきから邪魔なんだよ、女あ!」
「カハッ……」
 咆哮をあげるドラゴニアの拳を胸骨に受け、リベールは強制的に肺の空気を吐き出した。振動に揺れた金髪が顔を覆う。しかし獲物を狩った瞬間に見せる一瞬の余裕、その隙をリベールは見逃さなかった。
「あなたの方が邪魔よ」
 強い意志を宿した狩猟者の拳がチンピラの急所――眼球を迷いなく捕らえる。
「マド!」
「マドガトル!」
 のけぞった瞬間を狙い、シィーラとヒューズが放った魔力の塊が時間差で着弾し、爆発すると同時に鮮血を撒き散らした。
 ――戦うということは、何を意味するのか。その姿で語るようにアルフィオーネはハンマーを振り上げる。いま守勢に回るのは得策ではないと判断し小さな龍翼を広げると相手の頭上まで飛びあがった。
「全力攻撃っ!」
 手にしたハンマーを全力で振り下ろすが――。
「軽い」 
 片手でハンマーを抑えたチンピラは侮るように笑った。
「そうね。だけど片手は抑えたわ」
「何?」
「種族で見下し傲慢に振舞い、名乗らず名乗りを遮り、犯罪行為を踏み倒し、弱い者の虐めて楽しむ。ドラゴニアとしても、戦士としても、勇者としても、人しても許せない!」
 体勢を低くし疾風のように死角を駆け抜けたビャッカ。その白銀の五爪に力が収束していく。
「弱者は淘汰され、強者が生き残るが世の理。弱点は晒した時点で己の失態。それを捻じ曲げるテメエらの方が自然の掟から反してるってモンだ。俺を下すには速度が足りなかったな青二才!! 『全力――」
「させません、号令の鞭!!」
 ニムファーの攻撃が起こした破裂音がドラゴニアの意識を一瞬の間ビャッカから逸らし、懐に飛び込むだけの時間を稼いだ。
「私の本気、受けてみろぉぉーーっ!!」
 ――龍爪撃。
「ぐ、うぉ……?」
 赤銅の鱗に包まれた顎から脳へと衝撃派が抜け、チンピラの目がぐるりと宙を向いた。ぐらりと傾いだ巨体はそのまま地面に倒れ込み、動かなくなった。


「チンピラをボコッてくれてありがとな!」
「おかげでトルミンも平和になります~」
「この様子なら悪さはしないダロウ」
 回復した被害者三人組は縄でぐるぐる巻きにされた元チンピラB、C、Dを見下ろしている。
「ごめんなさいごめんなさいもう二度と悪さはしませんごめんなさい」
「温泉大好き~!」
「お前ら、どうしちまったんだよ!?」
 虚ろな視線で謝り続ける杖使い。
 人が変わったようにニコニコしている両手盾使い。
 様子の変わった二人に恐怖を感じる短剣使い。
 彼らの身に何が起こったのか。
「真摯な説得と信用。そして何より、強い温泉愛が彼らの心に伝わったのです」
「口では何とでも言えるわ。本当に反省しているか疑問ね。もう少し罪の重さを自覚するべきよ」
 慈母の如き表情で愛の鞭を抱しめるニムファー。
 腕を組み一切の感情を廃した表情で指を鳴らすリベール。
 時には知らない方が幸せな事もある。
「おっ、いたいた。忙しいところ呼び止めて悪いな」
 ギルッチ団の一人に呼び止められたアルフィオーネは首を傾げた。
「オレ、さっきの闘いを見て分かった気がするよ。何かを守るためには、力が必要だって意味」
 鼻の下をこすりながらギルッチ団の一人ははにかんだ。
「学園に行くかは分からない。けど、いつか絶対に、アンタに誇れるギルッチ団になってみせるからな!」
「好きにしなさい」
 勝手に死なさいと言わんばかりにアルフィオーネは息を吐く。
「それに六湯屋も繁盛させないとな!!」
「オーナーがやる気になってくれて何よりです~」
「名物の露天風呂もアル。ぜひ入っていってクレ」
「露天風呂ですか」
 シィーラは紅潮した頬を両の掌で包んだ。
「折角ですもの。買い物に行って温泉に入ってさっぱりしたいわ~」
「ド派手な浴衣を着た人ならもう行ったぜ。何でも『せっかく来たんだし、泉質に差があるかもしれないから女湯、男湯、混浴、全ての湯を制覇する』とか何とか」
「ああ~」
 一同は見上げた青空の中に満面の笑みを浮かべたニムファーを幻視する。
「……さすがに男湯を制覇されるのは不味くないカ?」
「よし止めに行くぞっ、ギルッチ団出動~!」
「皆さ~ん、また会いましょうね~」
「そういえば、あの人はどうなるんだろう」
 手を振っていたビャッカが声を潜めて言った。
 腕利きのギルッチ団に連れていかれたドラゴニアのチンピラの事だ。
 処断は馬場家に一任したが、また再び悪さをするとも限らない。
「んー、あれだけの傷だ。しばらくは起き上がれないと思うがなぁ」
 顎をさすり、欠伸混じりにヒューズが告げる。
「他者の諸々考えずに、利己的に自己剥きだしの自由な横暴。……ぶっちゃけ割とザコちゃんの嗜好寄り思考」
「えっ」
 遠くに聞こえる明るい口上。
 たなびく湯煙の中には笑い声。
 平穏を取り戻したトルミンの温泉街に、賑やかで華やかな一行が加わった。


●牢屋の中のチンピラA
「あいつら、魔法学園の生徒か」
 風にのって迷いこんできたチラシを黒爪が引き裂いた。紙片は一瞬の内に炎に包まれ、灰燼が牢を揺蕩う。
 男は強者を求めていた。強い者を圧倒的な力でねじ伏せる。それでこそ、己の強さが示されると信じている。
 同時に、男は弱者を求めていた。無力な弱者が成すすべもなく蹂躙され、消えゆく様は実に無様で滑稽で爽快だった。
 ただ単純に見たいのだ、他者の悲鳴、苦痛、落胆を。
 ただ純粋に感じたいのだ、己の勝利、優越、絶対を。
 牢の中、渇望の情念に喜色の炎を灯して。敵を見つけたと男は笑った。



課題評価
課題経験:102
課題報酬:2160
俺たちギルッチ団!!
執筆:駒米たも GM


《俺たちギルッチ団!!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 1) 2020-03-21 09:21:57
ニムファー・ノワール17歳です!(ぉぃぉぃ

温泉街の平和を破るなんて、美容の風上にもおけないわね(意味不
【A】トルミン商店街で、私が逆にチンピラ狩りをするつもりよ。
よろしく~♪

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 2) 2020-03-21 12:14:26
勝手自由にやってるーって時点では、ぶっちゃけ何処ぞのお貴族様よか好感もてんだけどね、こーいう気まま。
でもそれはそれとして、合法的にちょっかいかけんの許されたのは楽しそーだし、ザコちゃんも自由にやるー。

とりまあっちが…ギルティ…?何とか団にちょっかいかけてくるーって分かってんだし、
ザコちゃん【変装】してあっちから来るの待つかな。捜索探すのも手間いし。
ただでさえザコちゃんなんて軟弱モブだけど、恐怖とか怯えとか何とか【ハッタリ】で見せとけば、
あっちも調子の掌に乗って足踏み踏んでくれんじゃん?たぶん。

《ゆうがく2年生》 リベール・ド・ヴァンセ (No 3) 2020-03-21 20:42:39
叩き折って吊るしてやる。

ギルッチ団にユニフォームはあるかしら。変装はないけど、あれば是非とも着ておきたいわ。屑共が団を狙うなら、わかるような恰好はしてるんでしょうね。
敵が徒党組んでくるときの為に、二人以上で動きたいわ。その場合、団の格好する人は一人だけにしましょう。こっちが一人だけだと思ってくれるかも。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 4) 2020-03-21 21:42:35
馬場一族…か…なんつーか、他人事とは思えないな。

ま、先生からGOサイン出たことだし、余罪分も含めて徹底的に絞っちゃるか。
俺はギルッチ団の口上を拝借して巡回してますよっと。

《ゆうがく2年生》 シィーラ・ネルエス (No 5) 2020-03-21 23:04:24
(部屋の前から大笑いしてる声が聞こえる)
(笑い声が収まり、入室)
はー…はー…ごめんなさい、ちょっとツボに入っちゃった…ふ、ふふふっ!今時そんな典型的なチンピラがいるのねぇ!罰ゲームかと思っちゃったわ!
けほん、改めて…シィーラ・ネルエスです

えぇ、えぇ、おいたが過ぎる人にはちょっと痛い目見てもらいましょう
私は…そうねぇ、折角だから店員さんのフリをしようかしら
巡回もだけど、観光客の人を巻き込まないように気をつけないといけないわね

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 6) 2020-03-22 01:30:07
やあ。私は勇者・英雄コースのアケルナー。諸先輩方よろしく頼むよ。
みたところ、商店街で暴れてるのはチンピラ……つまりは手下のようだね。

主犯は自身が目立つのを理解してるのか、騒ぎの場に姿を現すことは少ないようだけど、もしかすると……温泉辺りでゆっくりしながら、手下に悪さの支持を出したりしてるかもね。

商店街で手下を痛め付ければ、逃げる手下を追って主犯のもとに行けるかもしれないね。

と言っても、私は入学したてで、実のところチンピラの手下相手でも分が悪そうだ。
今回は温泉街で、主犯が隠れてそうな場所を聞き込んでみるよ。

《大空の君臨者》 ビャッカ・リョウラン (No 7) 2020-03-22 03:00:56
勇者・英雄専攻のビャッカ・リョウランだよ。よろしくね。

私はチンピラAと戦いたいかな。
飲食店で見かけられてるらしいから、その辺を重点的に見回ってみるつもりだよ。

周りを巻き込まないようにしないと。
大振りな両手剣はちょっと不向きかな?
ちょっと考えておこうっと…

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 8) 2020-03-22 08:31:00
今回は【A】トルミン商店街か、【B】温泉郷ギンザーンのうちどちらかを各々選んで、行動を起こすことになるようだね。
私は先ほど申し上げたとおり、【B】温泉郷ギンザーンに向かうことにするよ。

とりあえず、誰がどちらに向かうかがわかれば、みんな行動を絞りやすくなるかもしれないね。

《ゆうがく2年生》 リベール・ド・ヴァンセ (No 9) 2020-03-22 11:21:51
どっちに行くって?【A】よ。
よく見ると、ギルッチ団は事の解決後は一般人に戻って周囲に溶け込んでるし、屑共もわざと騒ぎを起こして誘き寄せてるようね。となると、変装には期待できないように見える。全くの受け身とはいかなそうね。
じゃあまずは団の本部に問い合わせて、奴らが狙いそうな所を絞り込んでみましょう。まだ被害がなくて評判のいい所、カモと見られて繰り返し騒ぎが起きてる所を。
エリダヌスの案に乗って、のしたクソどもを一人は泳がせようかしら。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 10) 2020-03-23 00:19:56
被害多いって聞いたから商店街…とは思ったけど、こだわり縛りじゃないし。
ザコちゃんゆーしゃ様達の少ない方でいーよ。様子見。

あとなんがしかの変装するってならザコちゃん手伝えるよ。多少はできっし、今回は両手も空いてっし。
いらないならいーけど、どっちみザコちゃんはするし。
なんせよ、らしく見せとけば、被害者目撃者が居場所持ってきてくれんでしょー?ゆるゆるしとこ。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 11) 2020-03-23 02:02:49
わたしはアルフィオーネ。どうぞ、よしなに。

わたしは負傷したギルッチ団員の世話をするわね。手下相手でも実力不足だと思えるのもあるけど、彼らにはケアが必要かなと。

標的の団員がいる以上、ここを襲い来る可能性も0ではないから、戦えるようにはしておくわ

《ゆうがく2年生》 リベール・ド・ヴァンセ (No 12) 2020-03-23 17:57:26
悪いわね、変装は結構よ。明確なギルッチらしい恰好以外に、変装したいものがあるわけじゃないから。

《ゆうがく2年生》 シィーラ・ネルエス (No 13) 2020-03-23 22:28:57
あぁ、私もAよぉ。Bも考えたけど、ぶちのめすならAじゃない?

お店の人のフリをするつもりだったけど…どこの店なのかハッキリとした特定出来ない以上、あんまり意味がないかしらぁ…?とはいえ、ある程度絞り込めるのならそうしておきたいわね
混雑してる中で迷惑行為、えぇ、目立つでしょうし。戦闘に入った時にお店を巻き込まないようにしなきゃ…。
んん、これはギルッチ団の人に協力してもらった方がいいと思うんだけど…

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 14) 2020-03-24 06:50:49
現状の希望は、

【A】トルミン商店街
ニムファー、リベール、シィーラ


【B】温泉郷ギンザーン
アルフィオーネ、アケルナー

【様子見、未定】
チョウザ、ヒューズ、ビャッカ


以上のような感じかな?
敬称略で申し訳ないね。

確実にどちらと判別できない人も様子見、未定に入れてるから、必要なら補足頂けると助かるよ。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 15) 2020-03-24 18:57:40
あんま参加できなくて申し訳ないね。
俺は【A】だ。
ギルッチ団に扮して闇討ちしてやろうかとも考えたけど、正々堂々と成敗する所存。

《ゆうがく2年生》 シィーラ・ネルエス (No 16) 2020-03-24 20:15:47
え?もう出発?はやいわねぇ…

考えたけど、私は観光客のふりをしようと思うわ
もしチンピラが絡んでいきそうなら、わざとぶつかったりして気を引いて…気の弱い、いじめがいのありそうなか弱い(強調)女の子を「演技」しようと思うの
そのまま外に出ていけば、少なくとも店内で戦闘とか、そういうのは避けられるんじゃないかしら?
ま、多少何かしらされるのは覚悟の上よ。顔に傷つけたらひっぱたいてやるけどね!

《大空の君臨者》 ビャッカ・リョウラン (No 17) 2020-03-24 21:11:45
ギリギリになっちゃったけど…

私は【A】トルミン商店街の方だよ。
チンピラAに狙いを絞って探して、
店内で見つけたら、ちょっと煽って引き付けて表に出るつもり。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 18) 2020-03-24 23:09:54
商店街行くゆーしゃ様多めかな。
そったらザコちゃん温泉街行っとくね。

そーなったら、ザコちゃんも変装すっけど、いっそホントのぎるち…
…ギルッチ団からギルッチ感抜いていても良さみかも。ふふ。