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雪と共に落ちゆく


ストーリー Story

 俺たちは息をしながら死んでいる。
 誰かがこの状況を絶望だと言った。
 絶望?
 資材が無い。金が無い。時間が無い。食べ物が無い。
 畑を耕す牛馬が無い。病を治す薬が無い。仕事を見つける学が無い。
 村を出るだけの勇気も無ければ、助けを呼ぶだけの気力も無い。
 何より、生きる意欲が無い。
 もう疲れてしまった。
 これは絶望なんかじゃない。
 ただの、無だ。


「ようこそ、みなのしゅ〜。デスマーチへ」
 いつものように微睡みながら保健室に生息している客員教授【メッチェ・スピッティ】が不吉な言葉を口にした。
 いつも慌ただしい保健室だが、今日は輪をかけて忙しない。
「グラヌーゼに行ったことはあるかメェ? ぶっちゃけ貧しくてご飯も医療も人手も足りてない。無い無いづくしの寂しい土地だメェ〜」
 運ばれていく木箱の山など気にするなと言わんばかりに、メッチェは仮眠室へと生徒たちを誘導した。
 部屋の中央に運びこまれた黒板にはどこかの配置図が貼られている。くすんだ紙の上には所々、大きな赤いバツ印が記されていた。
 仮眠室はいつの間にか作戦室に衣替えしていたようだ。
「ただでさえ冬は厳しいのに今年は病が流行しているとの報告があったメェ〜。普段ならグラヌーゼ南部に学園から治療士と応援物資を派遣して、栄養をとって温かくして寝てろ、と言って終わるところだが。……昨日、治療院として使っていた建物近くの防護柵が壊され、魔物の襲撃を受けたとの報告があったメェ」
 低くなった声に部屋の温度が下がる。
「病人はこれからも南部に集まってくる。しかし現場は怪我人が増え医療崩壊超えて医療アポカリプスな状態。柵は壊れ、襲ってきた魔物は無傷で去り、今は羊の蹄すら借りたいというありさまだメェ〜」
 デスマーチの内容がいま、明確な像を結ぼうとしている。
「今回はあっちが引率する。回復魔法が使える生徒は治療院の手伝いを、索敵や攻撃に長けた生徒は魔物の追跡を、交渉が得意な生徒は混乱した民間人を宥めて情報収集に当たってほしいメェ。薬も食料も不足してるけど、そこは自分で何とかするメェ〜」
 じゃあ準備よろしくとメッチェは軽く手を上げフラフラとした足取りで去っていった。
 部屋に残った生徒は思った。
 メッチェ先生、めっちゃ早口できるじゃん……。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-12-29

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2021-01-08

登場人物 6/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《新入生》神鵺舟・乕徹
 ドラゴニア Lv10 / 芸能・芸術 Rank 1
 文字通りの意味で流れ着いてやってきた、異国の侠客。  用心棒や刺客、はたまた小間使いや芸子としてあらゆる手段で食い扶持を稼いできた苦労人。切った張ったの世界に居座り続けていた為か、思考が少々短絡的。  それだけに本来はそれなりの実力を持っていたが、エイーア大陸の魔物や勇者の戦技は祖国とは勝手が違うため、経験や知識から学び直し、自らの流れに取り入れている最中である。  元の世界では、『戮妓』と呼ばれる剣闘士のようなものをしていた。屈強な戦士や魔物を舞の如き動きで殺め、強さと美しさを見世物にする、絶望の時代ならではの卑賎な稼業である。だが、滅びを求めている魔族や権力者には強く支持されており、人気のある戮妓にはパトロンが付くこともあったという。  人気はあったものの、それ以上に悍ましき本性が勝っていたからか、彼女には誰も寄り付かなかったため、生活には結構苦労していたらしい。  また、過去の果し合いにより、左目の下に裂傷を負い、更に角をねじり折られた後遺症で枯れ木の枝のような醜い角が生えるようになってしまった。が、本人は名誉の負傷としている。  尚、今の名前はかつて愛用していた脇差から借りた偽名である。  話に聞いたエイーア大陸は、魔王の居城があるとされる場所の筈だった。人などが到底住める土地ではなかったとずっと信じていた。  ようやく大陸や学園での生活に慣れてきたものの、今度は平和ボケで腕が鈍りそうになることを恐れている。  また、同性でも自分より背の高い人が多く(というより元の世界の国ではこのくらいが平均だった)、少しだけ気後れしている。  油断すると稀に訛りが強く出てしまうらしい。非常に荒っぽくまるで喧嘩腰のように聞こえるため、極力出さないようにしている。(広島弁や播州弁に似ています。難しいと思いますので、用意された台詞以外はあまりリプレイに反映しないで大丈夫です) 『何だか、妙なとこに来たみたいじゃねえ』 『消えた後に地獄でも待っとるとしたら、そんなのでも救いになり得るのかのぅ?』 『そりゃ誰もが全て見えてりゃ苦労せんわい。目を逸らせるなら、都合のいいものしか見たくないじゃろ』 『えぐい化生共がぎょうさんと。あー邪魔くさいのぅ。わっち、せっせと帰にたい』 出身地:極東の島国 身長:五尺 体重:十貫(よりは少し重いらしい) 実年齢:数え年で二十二 好きなもの:粋な音楽、刃物 嫌いなもの:説教や小言 特技:剣舞、推察 読み:カヤフネ・コテツ
《枝豆軍人》オルタネイト・グルタメート
 リバイバル Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
■性別■ えだまめ(不明) ■容姿■ 見た目:小柄で中性的 髪:緑のショートヘア 目:深緑色 服:生前の名残で軍服を好む。 あとなぜが眼帯をしてる。 ※眼帯に深い理由はない。 ■性格■ 元気(アホの子) 意気揚揚と突撃するが、結構ビビりなのでびっくりしていることもしばしば。 ■趣味■ 枝豆布教 ■好き■ 枝豆(愛してる) ■苦手■ 辛いもの(枝豆が絡む場合は頑張る) ■サンプルセリフ■ 「ふはっはー!自分は、オルタネイト・グルタメートであります。」 「世界の半分を枝豆に染めるであります!」 「枝豆を食べるであります!おいしいのであります!!怖くないのであります!」 「これでも軍人さんでありますよ。ビビりじゃないであります!」 「食べないで欲しいでありますー!!自分は食べ物ではないであります。」
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に

解説 Explan

 こんにちは。駒米たもと申します。
 ようこそ、デスマーチへ。
 今回は病が流行した上、魔物に襲われた不幸なグラヌーゼへ救援に向かいましょう。
 この課題では自分の特技を活かし、何班かに別れて行動することになります。
 広く浅く行動するよりも、方向性を一つに絞った方が行動の精度がより高まるでしょう。

目標
・グラヌーゼにて救援活動。

魔物
・中型の獣四匹、どうやら毒を持っているらしい。
・足跡はグラヌーゼ北部「幻惑の森」へと続いているようだ。

現在判明している状況
 病人は多数、怪我人も出ているが詳細な数や症状は不明。
 時間経過ごとに増えていく。
 土地柄、寒さが厳しい上に慢性的な栄養失調を患っている住民も多い。
・防護柵には南北2箇所に3メートルほどの穴が開けられた。
 治療院の建物は三割崩壊。
 民家や畑、家畜小屋も襲われたとの悲鳴があがっている。


作者コメント Comment
格2ポイゾネスジャバウォック×4
昼は近くの森に挟み、夜になると村を襲う。
長時間放置していた場合、村へ届けられる病人を街道で襲い始める。


個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:195 = 65全体 + 130個別
獲得報酬:6000 = 2000全体 + 4000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:グラヌーゼの羽翼
何度も訪れた縁の深い場所。何としても助けたい

カバンに入る限りの食料を入れて村へ
野菜のスープなど身体が温まったり心が落ち着くような食事を提供

リーラブやリーソル、言の葉の詩:ラブ・キャロルで人々を治療
魔力が減ったら『魔気変換』で気力を魔力に変える
自分の気力はレーネさんのリトラヴェルソで回復してもらい
レーネさんをリーソルで回復

『防御拠点』で柵や治療院を修理
動ける人には魔物の見張りをしてもらい
魔物が来たらすぐに逃げ、学園生に知らせてもらう

魔物が村に来た時は表へ出て戦う
攻撃はフド。回避は『妖精の踊り』
前衛の得意な味方には前衛を任せ、自分は後方からの魔法攻撃と
他方向からの魔物の襲来や村人の様子に注意を配る

神鵺舟・乕徹 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
早い内に魔物を討つ為、昼に出て幻惑の森に行き、魔物の足跡を探しながら追跡や動作察知Ⅰで周囲の動きに注意し見つける。

魔物との戦いは、基本的に間合いを取ってダガーステップを用いつつ様子見。
先手なら攻め、後手なら確実に敵の攻撃を回避。敵に大きな隙ができれば部位破壊Ⅰで爪や牙の破壊を試みる、無理なら龍爪撃Ⅰを。
できれば避けを主体として動きたいが、最悪攻撃を受けそうなら左腕を部分硬質化して防ぐか突き飛ばす。毒を持つ爪と牙に注意を払えば、動きも読みやすくなる筈。
毒を受ければ、間合いを取って毒消し草を服用。

魔物を倒してから、村の怪我人の応急処置や、ありあわせのもので飯でも作る。
傷んだ服も裁縫で少しは。

オルタネイト・グルタメート 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
心情:民を守るのも軍人の務めであります!

行動:敵討伐メイン、余力があれば炊き出し
【危険察知Ⅰ】『事前調査』『聞き耳』で索敵
接敵次第【楽園楽土Ⅰ】、散漫を振りまく

攻撃は近接中心
周りに攻撃がいかないように囮を買って出る
近くの敵は【切り落とし】と通常攻撃
遠い敵は【リ6】
囲まれたら【覇道進軍】
【リ1】【リ2】【リ4】で防御/回避

サーチアンドデストロイの精神で、スピード撃破をしたいと思っている
討伐班で誰かが毒になった場合は、毒消し草を使用
帰宅時に『植物学』で薬草や山菜確保

退治後は、町復興の手伝い
主に炊き出し(枝豆)をする
食べやすいようにスープなどに加工して提供

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
エルオンタリエさんと同行して楽器「リトラヴェルソ」を職業技能で「演奏」し、まわりのひとたちのきりょくを回復します。

いだいた「つらい想い」はかえられない。
それはいっしょにがんばるしかないです。
でも、「こころのつかれ」だけでもささえてあげたいから。

いっしょにいる仲間のきりょくも回復します。
魔気変換とリーソルがつかえるエルオンタリエさんのきりょくも回復して、わたくし自身のきりょくを回復していただけるようにしますね。

重傷の方が大勢おられるならわたくしも種族特性「言の葉の詩:ラブ・キャロル」で回復のおてつだいします。
痛みがはげしい方には一般技能の「魔法薬生成(治療)」でつくった痛み止めを差し上げますね。

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
「遅刻遅刻~!」詫びつつ時間ピタリに登場
ギリギリまで事前調査
事前資料と突き合わせる形でグラヌーゼ地理と毒魔物の生態を復習
棲みかと思われる位置に当たりをつけ
好物のハライタダケ(他課題に実績あり)で釣る罠を考案

事前調査結果を戦闘組と共有し
戦闘組を伴い毒魔物探索へ出発

調査結果と追跡で棲みかを割り出し
忍び足と隠匿で絶妙な位置にハライタダケの罠をかけ
毒魔物がハライタダケに釣られたところを
不意討ちで急襲

必殺技にグラヌーゼを守る思いをのせて
初手から全力!
魔法剣ヒ17月下白刃で魔物を貫き
敵の注意が向いたら勇者原則と挑発で戦意挫き敵意引付
不屈の闘志でタンク役担う

掃討後も油断なく追跡と聞き耳で残党確認

アドリブA

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
食料もないとのことだったのでお野菜を持っていく
日持ちするものをメインに大量にだな
煮炊きする人員とグラヌーゼのまとめ役に渡して分配などは任せてしまおう

治療院や民家などで魔物に襲われた者の治療に行く
と言っても怪我人の口の中に毒消し草を押し入れに行くだけなんだがな
時間が無いので迅速に行動しよう

治療?が終わったら防護柵や建物の修理だ
破壊された上に足跡が残る北側を優先的に直していこうと思う
直すのに資材が無ければ破壊された廃材などを集めて柵の穴埋めだけでもしておこう
再度魔物が来た時には時間稼ぎにはなるはずだ

作業中に魔物が来たら作業を中断して獣の対処に向かうとしよう

アドリブA 絡み大歓迎

リザルト Result


「……言伝の方が違ごたのかの?」
 短刃に散った飛沫を払いながら【神鵺舟・乕徹】は瞬きをした。珍しくキョトンとした様子は、隙のない彼女の横顔を普段よりわずかに幼く見せている。
 エイーア大陸の事を魔族が跋扈反乱する魔境地帯と思っていた彼女にとってゴブリン程度の襲撃は逆に拍子抜けする出来事だったらしい。
「お見事です!」
 ――リン。上品な金属の音色が波紋のように耳に届いた。乕徹が視線を向けると少し離れた場所で笑顔を浮かべた【タスク・ジム】が片手剣を納刀している。
「こっちも終わったでありますよー!」
 集約した闇の魔力を散らしながら【オルタネイト・グルタメート】も邪気の無い笑顔で両手を振り、ぴょこりと跳ねてVサインで決めていた。
「……化生の類はちびっとしか斬ったことがないが、それで戮妓の妙技は鈍らん」
 純度100パーセントの笑顔をすり抜け、乕徹は心の中で独りごちる。
(まったく、けったいなことよの)
 勇者の学び舎。おかしな学園長に押し付けられる怪態な依頼。生ぬるいこの場所は、死と悪意に慣れた身には居心地悪くてたまらない。
「……もうちょい、勘が戻ればのう」
(いっそこれが幻であれば悩む事もあるまいに)
 見上げた空の色は青。吹き抜けた風が長く伸びた白糸を捉えて遊んだ。

 フトゥールム・スクエアに齎されたグラヌーゼ村からの凶報。
 それを聞いた生徒たちの行動は早かった。
 何度もグラヌーゼを訪れ、土地勘のある【エリカ・エルオンタリエ】とタスクは別れて行動している。
 タスクはオルタネイトと共に襲撃してきた魔物の正体を推察するための情報収集へ。一方、エリカは必要となる食材や薬品を推察し、【レーネ・ブリーズ】と協力して物資の確保にまわった。
 引率役である【メッチェ・スピッティ】に物資の運搬手段や援助について相談しようとした【仁和・貴人】はそのまま捕まり、交渉ルートと物資一覧の確認作業を任されている。面倒くさがりの彼にとっては厄介事以外の何物でもないが、生来の真面目さからか。小さく溢しながらも荷馬車の台数を手際よく確認している。
「もう少し日持ちする食材も載せられないか? そっちはもっとしっかり縛ってくれ。道が良い内は飛ばすからな」
 物資リストの品目を確認し判断する手腕は鮮やかだ。
 そんな中、荷を積み込む作業班から視線を感じた貴人は顔を上げた。仮面越しの視界の中に荷を抱えた乕徹の姿を見つけた貴人は小さく頭を下げ、乕徹もまた会釈を返した。彼らの表情は変わらない。しかし連帯感に似た奇妙な感情で一瞬のうちに確かに通じ合う。
 言うなれば、スピッティ教授被害者の会。
「遅刻遅刻~!」
「で、ありますか~!?」
「いいえ、おふたりとも時間ぴったりですよ」
 全力疾走してきたタスクとオルタネイトにレーネはクスクスと笑う。付箋のついた書類の束を抱えたタスクが照れたように頭を掻いた。
「皆、揃ったわね?」
「いざ出発! でありまーす!」
 微笑んだエリカの眼差しとオルタネイトの弾む声が、地獄へ臨む陰鬱な空気を打ち払う。
 これから彼らは希望を届けに行くのだ。沈んだ顔では始まらない。
 フトゥールム・スクエアからグラヌーゼまでの道は迷うほど複雑では無い。学園の敷地を抜け北東に向かうほど街道は荒れていく。グラヌーゼの特産品である麦もすでに刈り取られて久しいのか、眼前には黒と象牙の土肌が寒々しい荒涼とした景色ばかりが広がっていた。
 哨戒役を任された先行、迎撃班はタスク、オルタネイト、乕徹。
 荷馬車の傍で護衛をするのはエリカ、レーネ、貴人。
 魔力回復のため荷車の上でギリギリまで爆睡しているメッチェは戦力と数えず、哨戒役は見晴らしの良い三方を警戒し、残りの三名は一列に集めた荷車を守る峰矢の陣を取っていた。
 多少の襲撃はあったものの、隊列を乱すことなく一行はグラヌーゼ村南部へとたどり着く。
 ごろごろと雷のような音を立てていた車輪がようやく止まった。
「これは思った以上に酷いメェ」
 グラヌーゼはその起こりからか。普段からどこか物憂げな空気を持つ村だった。それでも野に咲く花のような活気があり、人の生活する炊事の香が漂っていた。
 それが、今はどうだろうか。
 門戸に守衛の姿はなく迎えも無い。荒れた道は灰色の重い沈黙で覆われ人気がない。それどころか、生気がまるでない。
 普段の南部らしからぬ様子を見て最初に動いたのはエリカだった。
「のんびりとしてはいられないわね」
「はい。私たちはこのまま治療院へいきましょう」
 緊張感のこもったエリカの呟きにレーネは厳しい表情で頷いた。
「自分は魔物の方を当たってみるであります。こういうのはスピードが命でありますからな!」
「お任せください。敵の正体、あらかた見当はついています」
 タスクとオルタネイトの後に続いた乕徹は一度振り返る。
「オレは、誰か適当な奴を見つけて物資を押しつけておく。分配までやるのは面倒だからな」
 荷を守るように寄りかかりながら、貴人はひらひら、蝶のように手を振った。
 

 オルタネイトを先頭に三人は残された魔物の足跡を追って幻惑の森へと辿り着いた。幸いにも森にかかった幻惑魔法の影響が少ない箇所を通ったようだ。突如として目の前に現れた青黒き森は侵入者を腹に納めんとする禍々しさで覆われている。森の威圧感に負けじとタスクは顔を上げた。
「恐らく魔物の正体はジャバウォック。それもポイゾネスジャバウォックと推測します」
「ポイゾネス、ジャバウォック?」
 聞きなれない単語だったのか。言葉尻を上げた乕徹の前でタスクは手帳を開く。そこには付箋や書込みがぎっしりとされていた。
「姿形から森に棲む獣と間違えられることが多いのですが、ジャバウォックは赤い目と発達した牙と爪が特徴的な、好戦的な魔物です」
 好戦的と聞いた乕徹の口端に微かな笑みが浮かぶ。
「これは、住人の皆さんから聞いた魔物の特徴と一致します。そして魔物に襲われた人たちの中に毒の症状を訴える方がいたこと」
 恐怖から口を閉ざした幼い子供たち。
 ――これは村で取れた素晴らしい麦で作ったんだ。また麦が取れるよう僕たち頑張るよ。
 彼らに白いハート形のクッキーを配り心を溶かしたのはタスクだった。
 ――あのね、こわい狼さんに引っかかれた守衛さん、凄く苦しそうだったの。助けてあげて。
「症状から診て単なるジャバウォックではなく、毒を持つポイゾネスジャバウォックなのではないかと思われます」
「学園から気になっていたのでありますが、そのキノコは何でありますか?」
「これはハライタダケと言う毒キノコでジャバウォックの好物です」
「ちなみに自分の好物は枝豆であります!」
「これでおびき寄せれば一網打尽!」
「即座索敵&完全滅殺の精神は大事でありますからな!」
 にんまり笑う二人に乕徹は戸惑い顔で同意した。
 
 その魔物たちは久方ぶりの多幸感に酔っていた。
 理由は分からないが森に棲む魔物の数が増えている。度重なる縄張り争いで溜まった苛立ちは久方ぶりに訪れた人間どもの村で発散してやった。
 今日はその上、ハライタダケまで見つけたのだ。本当ついている。
 その瞬間まで、本当に魔物たちはそう思っていた。
「イソフラボンジュール!!」
 茂みが動いたのは突然だった。
 否、茂みではなく森によく似た色の小柄な何かが茂みから飛び出してきたのだ。黒い布切れに隠されていない、淡く大きなエメラルドの片瞳には爛々とした輝きが宿っている。
「ふはっはー! 自分は、オルタネイト・グルタメート! いずれ自分は、世界の半分をこの枝豆に染める所存! なぜって自分は秘密結社『えだまめん』の総統でありますから! お子様のおやつに! ビールのお供に! ビバ! 枝豆!」
 魔物たちの表情を擬音で表現するならポカンといったところか。
 だがどうしてだろう。名乗り上げる姿に、声に、目が耳が、離せない。威嚇の鳴き声すら忘れた頭に新たな声が響いた。
「敵、ポイゾネスジャバウォック三体!!」
 青空の中に白月が舞う。森闇の中、黄金を片手に騎士たる指揮者は奔った。切り揃えられた麦色の髪が頬を擽り、清廉を奏でる横凪の一閃が熊の頭蓋を見事に落とした。
「残り二!」
 無音の蘭曲に合わせ、夢の名を冠した銀刃が軌跡を描く。雅に咲いた狼の血華は、揺れる金梅と共に舞い散り踊る。毒持つ爪は左腕に防がれ、崩れ落ちる緋色の瞳が最期に写したのは鬼の再誕。
「残り一」
「これでトドメであります!!」
 眼前に迫る死神の鎌。渾身の力をこめた新緑の一断は必ずや身を裂くだろう。己の処刑台を見上げた蜥蜴は、ポイゾネス・ジャバウォックは、深紅の瞳孔を嘲笑うかのように歪めた。
「?」
 ごろりと転がる身体はあっさりと両断された。間際の瞳に不吉なものを感じたオルタネイトは着地と同時に素早く地面に目を走らせる。
「どうかしましたか?」
「トカゲ、おおかみ、クマ」
 追ってきた足跡の数は三。死体の数も三。
「ワシさんはどこにいるのでありますか?」
 されど巣に残された爪跡の数は四。


 村に人気が無かった訳では無い。
 グラヌーゼの村人殆どが南の治療院へと集まっていた。外まで広がる傷病者の寝床は広げた麦の穂。壊れた外壁は補修がされておらず、あちこちに灰色の破片や煉瓦の残骸が転がり落ちている。風の中に濃く滲む呻きと悲鳴、そして病人と血の臭い。
 遠くに見える学園の制服に、誰かがアッと喜びの声をあげた。
 それが開戦の合図であったと今になってなら分かる。
 惨劇の名残は冷たい冬風を招き入れ、内側から僅かな体力を奪っていく。しかし穴を塞ぐだけの手も、これだけの患者を移す広い建物も、この村には存在していない。
「次っ!」
 はらりと落ちてきた金の髪を結いあげながらエリカは唇を噛んだ。蝋燭の灯りのように、かき消えそうになる冷静な思考回路を繋ぎ止める。
 蘇生ができるメッチェがいるのは心強いが、蘇生できる数には限界がある事を彼女は理解していた。
 重傷者から治す。
 エリカとレーネの実力があれば可能だ。これは自惚れなどではなく経験に裏打ちされた結論であり、それだけの修練を二人は積んできた。
 村へと向かう途中、何度も二人でシミュレートして編み出した最善の手を惜しみなく出していく。
 しかし寄せる波のように、患者の数はまったく減らない。
「お願いします、うちの子を助けてください!」
「いや、うちの妻を!」
 重症者は声が出せない。代弁者は自分の家族を優先して欲しいと願う。
 すぐに全員を助けてあげたいと、善なる心が悲鳴をあげている。
 数手、数十手先を読まねば死神相手のチェスゲームには勝てない。
「レーネさん、お願い!」
「はいっ」
 彼女たちが回復をかけるのはこれで何度目だろう。数回か、それとも数十回か。数える事などとうに止めた。
 寒さか、緊張か、疲れか。普段は薄桃色に色づく二人の唇は雪のように白い。
 そっとふれた横笛の冷たさを、レーネは感じない。柔らかく澄んだ音色を奏でる楽器、銘はリトラヴェルソ。泣きたくなるほど哀しく温かい旋律が薄布のように治療院を包み込む。
「いだいたつらい想いは変えられませんが」
 花々が芽吹くような優しさを。
「でも、心のつかれだけでも支えてあげたいから」 
 星が瞬くように穏やかなる希望を。
 エリカは星を宿した杖に祈る。輝く星々は悠久なる宙の動きを模しながら祈りに呼応する。
「リーソル」
 仄かな光がレーネの体を包み込む。祈りから目覚めるように瞳を開けたレーネの視線を誘導するように、エリカは壁際へと目をむけた。体力や気力が回復した治療院のスタッフがちらほらと動き始めている。  
 二人だけで戦っているわけじゃない。戦局を示す天秤は生へと傾き始めていた。
「まだ先は長いけど、頑張れそう?」
「わたくしは大丈夫です。けれどエルオンタリエさんが……」
 不安げに見つめるレーネの瞳に気丈に微笑むエリカが映る。その顔色は透けるほど白く、瞳の緋は揺れている。
 理論上は可能だ。きりょくを回復し、まりょくを回復し、患者に励ましの声をかけながら治し続ける。しかし。
「わたしも、大丈夫よ」
 疲弊した心を見せない強いあなたへ。
 レーネの唇から詩があふれた。
 自分のできる精一杯を尽くし、エリカを守るために彼女は祈る。
 詩が、重なる。
 エリアル達が共に詠うは優しき言の葉。それは生命を紡ぎ、織りなす為の慈しみの讃歌。
「ほう」
 治療院から響くその声を、北で拾う仮面の青年の姿があった。
「あちらは順調そうだ」
「俺達はいい。先に、治療院の中にいる奴らを」
「そうもいかん」
「もがっ!?」
 貴人は壁に寄りかかった村人の口に迷いなく毒消し草をおしこんだ。
「悪いが今すぐ人手が必要なんだ。なら、動けないだけで体力のある君たちを治すのが一番てっとり早い。はい次」
「分かった。俺たちは何をすればいい?」
 動けるようになった村人が問えば、貴人は思案げに呟いた。
「そうだな。防護柵の修繕はひと段落ついたし、治療院の壁を……」
 その言葉を遮るように轟音が響き、地が震える。パラパラと土壁から砂が落ちあちこちから甲高い悲鳴が煙のように伸びていた。
 仮面は音のする方向を見定めた。表情は変わらない。けれどもぽっかりと空いた黒の眼孔は酷く怒っているようにも見えた。
「前言撤回だ。君たち、今すぐ逃げ遅れた人を探して避難してくれ。オレは今から」
 破壊された廃材を集め、泣きすがってくる住民を南部に誘導し、何とか形にした壁。
「……原因を排除してくる」
 それを一瞬で台無しにされた理不尽さは筆舌に尽くしがたし。亡、と。黒い陽炎が外套と共に揺れた。

 荒い呼気が白い蒸気となり剥きだした牙の隙間から天へと昇る。
 巨大な二角は枝を張り、黒の巨体を支えるは鷲の脚。鋭く伸びた四爪が固い地面をえぐり取る。炯々と光る赤い眸こそ森の獣たるジャバウォックが証。新たな獲物を見つけ地へと垂れた涎が糸を引く。破砕された罠板が黒々とした巨軀に突き刺さり、夥しい血を流していた。
「あれは、鹿?」
「脚はワシのようですね」
「毒を持ってる。ポイゾネスジャバウォックだ」
 駆けつけたエリカとレーネが敵影を認め足を止めると、交戦していた貴人がペリドットの鎌を肩に担ぎ一足飛びに相手から距離を取った。
「お疲れさま。治療院の様子は?」
「すぐに容体が悪化しそうな患者さんはいなくなったわ。村人は?」
「南に避難させた」
「なら、あいつを早く倒さないと」
 そう告げたエリカの顔に疲れの色を見た貴人はレーネへ視線を投げた。普段物静かなレーネがエリカを庇うようにポイゾネスジャバウォックの前に立ち塞がっている。
「……来ます」
 囁くようなレーネの呟きを合図に三人は左右へ散開する。
 直後、轟音と共に振り下ろされる爪をエリカは軽やかな足取りで避けた。勇壮なる横笛の旋律に合わせ舞い踊るは妖精、そして黒の緑月。
 一瞬見惚れたジャバウォックの背を鋭く伸びた三日月の刃が捉える。夜会の宝石と称えられる色が黒鹿の太き喉を刺し貫けば、遂にグラヌーゼの暗雲を刈り取った。


「はい、どうぞ」
「ありがとうございます!」
「ZZZ……メェ〜」
「ふふふ、お疲れさまです」
 治療院での作業もひと区切り。レーネは集めた薬草を煎じることに専念していた。
 グラヌーゼのような場所では、一体いつ怪我人が出るか分からない。そんな時のために傷薬は多めに作っておいて損はないだろう。
 ぐっと伸びをすると風が運んでくるのは楽し気な笑い声。
 温かな食事と薬草の香りを胸にいっぱい吸い込んでレーネはそっと微笑んだ。忘れていた空腹感がくぅ、と胃で主張している。
「まだ、のこっているでしょうか」
 眠る背中に布団をかけて、弾む足取りは楽しげな笑い声へと向かっていく。

「食べやすい枝豆のポタージュに枝豆豆腐、枝豆と山菜のオムレツに枝豆のクリームリゾット、枝豆おにぎりもあるのでありまーす!」
 炊き出しの陣頭指揮をとるオルタネイトの横では乕徹がせっせと握り飯を作っている。出汁で炊いた白米に枝豆とほぐした鮭を混ぜ込んだ三角形は出来た先から消えていく。
 貴人はひたすら材料を洗って切ってを繰り返している。冷たい水に文句も言わず……というより、もはや働き過ぎて無の境地に至ってしまったらしい。
 枝豆を湛える美味しいの声にゆるんでいたオルタネイトの笑顔が遂に爆発する。
「ふはっはー! もはや今年は枝豆が席巻したといっても過言ではないのでありますー!」
 貴人は両手についた水を払うと嬉しそうなオルタネイトの頭をよしよしと撫でた。

「グラヌーゼの麦は品質や味が良いから人気があるの」
「本当ですか?」
「ええ、名産品よ」
「また、美味しい麦を楽しみにしてます」
 穏やかなエリカとタスクの言葉を寝物語に農家の父親は再び夢路へと旅立つ。
「エリカおねえちゃん。つぎはいつくるの?」
「出来る限りたくさん来るつもりよ」
「ほんと!? お泊りする?」
「時々はね」
「うちに泊まってよー」
 二人が提供するのは明るい話題。その人柄も相まって、怪我や病気を治してもらった子供たちに常に囲まれている。
「さあ、早くしないとご飯がなくなっちゃうわ」
「やだぁー!!」
 炊き出し組へと走っていく子供たちの背を見送りながら二人はようやく顔を見合わせた。
「お疲れ様、タスクさん」
「エリカ部長さんも」
「あちらはもう良いの?」
 そう問いかけるエリカにタスクは頷いた。
 タスクが持ち帰ったポイゾネスジャバウォックの頭は、ある者には勇気を、あるものには恐怖を与えた。
 脅威が取り除かれたと示すには良いが、中にはそんな見せしめのような事をして仲間が報復に来たらどうすると激怒する村人もいた。
「難しいわね」
「人の数だけ意見があります」
 でも、とタスクは顔を上げ晴れやかに告げた。
「グラヌーゼの復興は学園で最初に見つけたテーマですから。どんな困難があっても乗り越えていくつもりです!」
 その言葉に、エリカは何も言わずにタスクの肩を叩く。
 訪れた時に見た死にかけの村はもう無い。
 小さな歩みは着実に進んでいる。



課題評価
課題経験:65
課題報酬:2000
雪と共に落ちゆく
執筆:駒米たも GM


《雪と共に落ちゆく》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2020-12-25 00:45:59
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

グラヌーゼは何度も訪れた縁の深い土地だし、まずは救護活動から
できれば魔物の掃討までやってしまいたいところね……

《新入生》 神鵺舟・乕徹 (No 2) 2020-12-25 01:55:49
わっちは乕徹。芸能・芸術とやらにおる。
いてこますしか能のない無頼の徒に過ぎぬが、それならそれでやれることは分かりやすいのぅ。

然しけったいな。そもそもこの大陸に他にも人が住めているとはのう。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 3) 2020-12-25 12:08:22
>乕徹さん
来てくれて心強いわ。ありがとう。
人手が集まらない可能性も踏まえて作戦を練る必要がありそうだわ。

わたしはまずは回復魔法を使って必要な人の治療を行うけれど、
魔物の襲撃があるようなので、できる範囲で防衛しようと思うわ。
少しでも動ける村人があれば、見張りについてもらうとか、
柵の修理とかワナの設置を手伝ってもらえないかと考え中よ。

《新入生》 神鵺舟・乕徹 (No 4) 2020-12-25 17:57:06
おう、よろしゅうな。
今は二人でできる範囲の事を考えるべきじゃろか? あまり考えたくはないがのぅ……。

わっちは魔物との戦闘を重視しようと思っとるが、ちょいとかじった舞で、
村人を治せないかとも考えとるよ。
どうにもやるべきことが多いが、少なくとも治療や飯炊きは欠かせんじゃろうな。

《枝豆軍人》 オルタネイト・グルタメート (No 5) 2020-12-25 23:46:42
いそふらぼんじゅーる!
魔王・覇王コースの枝豆でありますよ~

防衛なら任せるでありますよ。
全員、枝豆演説の虜にしてやるであります。

治療は、ちょっと専門外でありますが、魔物退治と炊き出しは任せるであります!

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 6) 2020-12-26 06:19:51
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。

わたくしは回復を中心にしていきたいです。
ただ、とってもいっぱい患者さんがいるみたいですから、たいりょく回復ときりょく回復のどちらの楽器にしようかは今、かんがえてます。

よろしくおねがいします。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 7) 2020-12-26 23:39:27
とりあえず魔気変換は持って行くわね。

《新入生》 神鵺舟・乕徹 (No 8) 2020-12-27 01:11:54
今のところプランは、戦闘が9割の民間人の救助が1割程度といったところかの。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 9) 2020-12-27 10:21:52
それではリトラヴェルソ(楽器効果:射程内の自分を除く味方全員のきりょくを20回復する)にしますね。。
干しブドウも用意しますけど、できましたら、杖の気力回復職業技能「リーソル」で、わたくし自身のきりょくの補充をしていただけましたらたすかります。
六ターンに一度で、ほぼエンドレスになりますから、患者さんがいっぱいいて、あとからもいらっしゃるという状況でしたら安心できそうですから。

魔物をやっつけに行く方も休息のときにきてくださったらいっしょにきりょくは回復できますから、物理攻撃とかの職業技能をつかいやすくなるかなっておもいます。
職業技能の絶対音感とかで回復量は増やしておきますね。


わたくしでは回数に限界はありますけど、エリアルの種族特性の「言の葉の詩:ラブ・キャロル」はわたくしもつかえますから、重傷の方がいるならそちらでのおてつだいもしますね。
大きすぎですけれど、三人の方を一度になおせるのでまりょくあたりの効率はとってもいいんですよね。

《枝豆軍人》 オルタネイト・グルタメート (No 10) 2020-12-27 13:12:22
きりょく回復をご所望でありますな?
それなら、シャンティ・パリマラを持っていくでありますよ。
射程内にいれば、きりょくとまりょくを3ずつ回復するでありますから。
微量ではありますが、使ってやってほしいであります。

自分の行動方針は、アイテムを患者さん回復してくださる方々のところに、設置。
敵を探して、ぶった斬る。ってところでありますかね?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 11) 2020-12-28 09:51:57
きりょく回復は、心が折れたり折れかかっている人にも効くかもしれないので
リーソルとリーラブの両方を持って行くわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 12) 2020-12-28 11:23:09
遅刻帰国大遅刻~!勇者・英雄コースのタスク・ジムです!
よろしくお願いいたします!

ギリギリ参加になりすみません!
どこまで出来るかわかりませんが、手が足りないところがあれば
教えていただけたら助かります。ベストを尽くします。
自分でも最善を尽くしてプレイングを考えますね!

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 13) 2020-12-28 11:47:25
グルタメートさん、エルオンタリエさんありがとうございます。

エルオンタリエさんの魔気変換で何回でもつかえるリーソルの回復がいただければわたくしのきりょくはなくなりません。
それでも毎ターン18くらい、エルオンタリエさんが自由につかえるまりょくが回復できるとおもいます。
リーラブと言の葉の詩:ラブ・キャロルのつかいわけでしたらささえられるかんじだとおもいます。

グルタメートさんのポケットの装備品は毒消しなどにしていただいても大丈夫です。

《枝豆軍人》 オルタネイト・グルタメート (No 14) 2020-12-28 15:55:58
ほむほむ、ならばお言葉に甘えて違うものにするでありますかね…
ちょっと購買部行ってくるであります

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 15) 2020-12-28 18:17:05
グルタメートさん、対応ありがとうございます。

このきりょく回復につきましては「消費するきりょくより増えるきりょくの方が大きい」というリトラヴェルソの特徴が原因ですからわかりにくいとおもいます。
それでも手をさしのべてくださってうれしかったです。

ただ、魔物が毒もってるそうなのでそちらを優先していただきたくて。
見てくださってよかったです。


ジムさん、よろしくおねがいします。
魔物退治の方に行っていただくのがよさそうでしょうか。
やっつけた魔物をもってきて村のひとたちを安心させてあげるとかしていただけたらとかおもいます。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 16) 2020-12-28 18:49:22
魔物が分かれて行動していたら、
一部を相手している時に手薄な方向を別動隊に襲われる可能性もありそうだわ。
魔物の対応をする人たちは気を付けてね。

わたしは基本はリーソルとリーラブによる治療と、
防御拠点で柵や建物の修理をおこなうけれど、
魔物が村まで来た場合は作業をやめて戦うわ。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 17) 2020-12-28 19:28:45
魔王・覇王コースの仁和だ。
ギリギリになってしまったがよろしく頼む。

食料もないとのことだったので野菜を持っていく。
あと、エルオンタリエくんと同じく防御拠点で柵や建物の修理も行う。
・・・この間勢いで覚えた、『備えあれば何とやら』を活かすために毒消し草を持ってくつもりだ。

柵や建物の修理と防衛がメインだな。

《新入生》 神鵺舟・乕徹 (No 18) 2020-12-28 21:31:27
魔物の毒対策として、部位狙いで爪や牙を破壊してみようと考えたのじゃが、まあ気休め程度かもしれんか?

戦闘を重視したいのでな、村人の救援はやれそうならやる程度かの。すまんが期待せんでくれ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2020-12-28 22:16:42
大変ギリギリにすみません、自分のために状況をざっくり整理してみます。
良かったらご参考に!

治療院の手伝い エリカ部長さん、レーネさん
魔物の追跡 オルタネイトさん
民間人ケア エリカ部長さん(リーソルによるメンタルケア)

防衛 オルタネイトさん
炊き出し オルタネイトさん
建物修繕 エリカ部長さん、貴人さん

戦闘 乕徹さん

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2020-12-28 22:23:39
プロローグを読んで悩んだのが戦闘の位置づけで、
防衛なのか、追跡なのか、です。

検討した結果、レーネさんの一言をかんがみ、追跡に重きを置いたプランにしてみます。

手持ちの元気を索敵関係に振り分け、
戦闘組を伴って追跡に行く、というようなプランにしてみますね。

そして、民間人ケアを、追跡の前後に行いたい考えです。


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 21) 2020-12-28 22:27:14
以上を踏まえ、このように整理してみました。
あくまで私見ですので、ご参考に。
僕の認識誤りなどありましたらご指摘いただけると助かります!

治療院の手伝い エリカ部長さん、レーネさん
魔物の追跡 オルタネイトさん、乕徹さん、タスク
民間人ケア エリカ部長さん(リーソルによるメンタルケア)、タスク(勇者原則+討伐の証拠)

炊き出し オルタネイトさん
建物修繕 エリカ部長さん、貴人さん

あとは、ポイズンジャバはハライタダケを好むという実績があるので、持参してみますね!