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忍べ!隠密訓練!



ストーリー Story

「はぁい、では、本日の授業はぁ、『かくれんぼ』をしてもらいたいと思いまぁす」
 ふわっとした口調で告げられた言葉に、生徒たちは首を傾げる。
 その首を傾げる動作に、教師である【アキ・リムレット】はピンときた顔で手を一つ叩く。
「かくれんぼについて説明を忘れてましたぁ。かくれんぼは、まず隠れる人と、探す人に分かれますぅ。そしてぇ、隠れる人は色々なところに隠れて、探す人は隠れる人を探すゲームですぅ」
「あの、かくれんぼの遊び方が分からないのではないです。……なぜそれを授業で?」
 アキはんー、と少し考えた後、にぱっと笑う。
「隠密行動の訓練ですぅ」

「さて、それではぁ、授業を始めますねぇ」
 校庭にて、ほんわかと両手を合わせるアキの両隣には、4人の真っ黒な者たちがいる。
 比喩ではなく、足のつま先から頭の先まで黒い装束に身を包んでいる。
 例えるのならば、忍者。
 口は鼻までマスクに覆われ、見えている部分は目くらいしかない。
「その人たちは?」
「はい、みなさんの先輩方になりますぅ。ここにいる方々は匿名希望のため、このような格好をしていただいておりますぅ」
 質問に笑顔で答えるアキ。
 その背後にはホワイトボードが鎮座している。
「ではぁ、ルールのおさらいですぅ」
 ホワイトボードに黒い文字でルールが書かれる。
「まずはぁ、みなさんに隠れていただきますぅ。隠れたみなさんを先輩方が探しますぅ。これが基本になりますねぇ」
 アキがその下にも文字を書く。
「本来であれば見つかったらそれまでですぅ。ですが、今回に限っては先輩方に体のどこかをタッチされない限りは見つかったことになりません。つまりはぁ、みなさんは見つかっても全力で逃げてもいいのですぅ」
 アキは見取り図のような図と、そのさらに下に1の字を大きく書く。
「時間制限は1時間、この授業が終わるまでですぅ。使ってもいい範囲はこの地図の中までですぅ。5分後に先輩方はみなさんを探し始めますぅ。ではぁ、みなさん頑張ってくださいねぇ」


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-02-25

難易度 普通 報酬 少し 完成予定 2019-03-07

登場人物 8/8 Characters
《ゆうがく2年生》御影・シュン
 ルネサンス Lv11 / 黒幕・暗躍 Rank 1
おおっ!貴殿…初めましてでござるな!? しかも拙者と同じく新入生と見える! これは自己紹介といくでござろう! 拙者は御影・シュンでござる!あ、「ミカゲ」が苗字でござるよ。 種族は見ての通り祖流種…ルネサンスで、専攻は黒幕・暗躍科でござる! 敵地に忍び込んでの情報収集や、嫌いなあんちくしょうの闇討ちはお任せあれでござるよ! ……あ、物騒でござったか? そうでござるなー…居なくなったペットの捜索とかも請け負うのでござるよ!犬いいでござるよね!なんか親近感湧くー! 細々とした依頼は是非、拙者を頼って下され!…成功報酬は頂くかもしれないでござるがね? 拙者、ご学友の皆と比べるとちょーーっと歳が行っているでござるが、仲良くしてくれると嬉しいでござる! ◆プロフィール 狼のルネサンス 身長176cm 赤味がかった茶の短髪 素早く動く事に特化したしなやかな筋肉を持つ 顎と口元にかけて刀傷の跡が残っている 性格は明るく、社交的 表情がころころと変わり、喜怒哀楽もやや大げさに表す ただし人によっては、その感情に違和感を覚えるかもしれない 実は「ござる」口調はキャラ付けの意味で使っている ボロが出ると標準語になる 「シノビも客商売でござるからね~。キャラ付けは、大事。」 ※アドリブ歓迎でござるよ! ※フレンド申請も歓迎でござる!
《模範生》レダ・ハイエルラーク
 ドラゴニア Lv16 / 黒幕・暗躍 Rank 1
将来仕えるかもしれない、まだ見ぬ主君を支えるべく入学してきた黒幕・暗躍専攻のドラゴニア。 …のハズだったが、主君を見つけ支えることより伴侶を支えることが目的となった。 影は影らしくという事で黒色や潜むことを好むが、交流が苦手という訳ではなく普通に話せる。 ◆外見 ・肌は普通。 ・体型はよく引き締まった身体。 ・腰くらいまである長く黒い髪。活動時は邪魔にならぬよう結う。 ・普段は柔らかい印象の青い瞳だが、活動時は眼光鋭くなる。 ・髭はない ・服は暗い色・全身を覆うタイプのものを好む傾向がある。(ニンジャ…のようなもの) ・武器の双剣(大きさは小剣並)は左右の足に鞘がついている。 ◆内面 ・真面目。冗談はあまり効かないかもしれない。 ・立場が上の者には敬語を、その他には普通に話す。 ・基本的に困っている者を放っておけない性格。世話焼きともいう。 ・酒は呑めるが呑み過ぎない。いざという時に動けなくなると思っている為。なお酒豪。 ・交友は種族関係なく受け入れる。 ・伴侶を支えるために行動する。 ◆趣味 ・菓子作り。複雑な菓子でなければ和洋問わず作ることができる。
《新入生》ロスト・ナンバー
 カルマ Lv8 / 黒幕・暗躍 Rank 1
いちいち動きがキビキビしている軍人口調のカルマ。 大半の記憶を失い、現代の常識から今までに至る歴史まで再学習中だが年齢相応の振る舞いはできる様子。 人に紛れる為に、しっかりと生物の五感は備えているので魔法陣さえなければ人と区別がつかない。 過去の自爆の影響か、敵国の修復の際に生じたものかは不明だが、無いに等しかった自我がめきめき芽生えてきている。 しかし、まだまだ表情や声の抑揚はぎこちない。 【容姿】 髪:黒髪のソフトモヒカン。デコ出し短髪。 目:瞳が漆黒すぎてハイライトがない。所謂死んだ目。 服:中世ヨーロッパの風の軍服。マント着用。黒地に金の装飾が   施されている。カッチリめ。 魔法陣:右手の甲と喉仏に黒と赤色の魔法陣。 眉と目が近く、目は死んでいるが意志の強そうな軍人らしい精悍な顔つき。体系も細マッチョと男らしさを感じさせる。 【口調】 一人称:小生、自分 「小生はロスト・ナンバー。黒幕・暗躍専攻のカルマであります。よしなに。」
《新入生》バルド・ダールベルク
 カルマ Lv7 / 黒幕・暗躍 Rank 1
とある研究所の実験体として作られたカルマ。 様々な実験と教育を受けていたが、ある日突然研究所が壊滅し、身寄りがなくなり困っていたところを別の研究所の所長に保護され、助手として働いていた事がある。 学園に入学したのは、学園での生活に興味があったのと、もっと色々な知識と技能を身につけて、恩を返したいと思ったから。 保護者のことは「ばあちゃん」と呼び、慕っている。 ・性格 陽気で少々荒っぽい。 元は淡々とした性格だったが、保護してくれた人物が豪快で荒っぽかった為、その影響を受けて現在の性格になった。 ・日課 本を読む事。 ジャンルは、小説、詩、魔導書、漫画、絵本など、日によって様々。 時間があれば黙々と読んでいる。 ・身体構造 かなりヒューマン寄りに作られており、味覚なども感じるように調整されている。 ・魔法陣 左手の甲と腰にある。 ・服装・装具類 ジャケットと長ズボンを着用していることが多い。 両手は黒革の指抜きグローブで手の甲の魔法陣を隠している。 縁にアンティークゴールドのレリーフが施されたゴーグルを常に身につけて、大事にしている。
《新入生》ウェルカ・ラティエンヌ
 アークライト Lv15 / 王様・貴族 Rank 1
■身長:152cm ■実年齢:14歳 ■髪形:腰までのストレートロング ■容貌:ややたれ目気味の目元の、大人しそうな容貌の美少女 ■体型:身長は小柄ながら、バストやヒップはかなり大きく、非常に発育は良いが、ウェストや手足等は細めの、極端な体型 ■性格:基本的には内向的で大人しく、穏やかな性格だが、金銭面には非常に厳しく、利害が絡むと冷酷になる面も ■コンプレックス:桁違いに豊満な上、未だに発育途上の胸/[誕生日]の時点で、既に120cmに届くとのこと ■体質:体重が増えるときは、その殆どが胸に集まり、痩せるときは他から痩せるタイプ ■服装:背中の開いたドレス/色は特に決まっておらず、気分次第で変えている ■特技:経営・商売に関連する豊富な知識/一通りの礼儀作法/実は家事全般
《ゆうがく2年生》ハイネ・セレネイド
 ヒューマン Lv11 / 黒幕・暗躍 Rank 1
怪盗紳士 物を盗むのは弱者の為に 他人を傷つけたり殺すのは絶対にせず 盗む物に対して最大限の敬意を払うべき それが怪盗紳士としての誇りであり品格である 【外見】 長い銀髪を三つ編みにしている 青い瞳 背が高く細身 【性格】 正義感が強い好青年 どんな時でも紳士を名乗り相手への最大限のリスペクトを忘れない また、フェミニストであり、女性は守るべき存在だと思っている 趣味の手品で今日も怪盗紳士は物を盗む
《新入生》アムル・アムラ
 ヒューマン Lv3 / 村人・従者 Rank 1
〇ご挨拶 初めまして、僕はアムル・アムラ。 14歳のヒューマンだよ。 専攻は村人・従者コース、立派な村人Aを目指そうと思ってるよ。 皆さん、よろしくね!   脱獄かー。 城塞だの監獄だのって聞くと難攻不落・脱出不能に感じるよね。 だけど、たった一人内通者がいるだけで、簡単に陥落しちゃったりするらしい。 今回はどうなるかな?   〇見た目でわかる事 無造作に切った髪は灰色。 肌は薄い褐色。 やや釣り目ぎみのパッチリお目目、瞳は暗い緑。 背は低く声は高く、ひどく中性的。 そんな訳で「大人になりかけの子ども」と認識する人が多いだろう。   衣服へのこだわりはなく、基本清潔なら満足して着る。 ただ上着はブカブカの物を好む。 現在、支給された制服を愛用中。 「最近、たまに女子制服を着たりしてるけど、変装の練習だからね?」   〇目立った性分 元気で気まぐれ、マイペース。 東で走り回っていたかと思うと、南で昼寝してたりする。 モフモフ好き、可愛いも好き、甘味大好き(食い気! 泣き虫、泣くと【しぶとさ】が大幅に上がる。 「そんなの、ステータスにないっ!」   〇口癖 「うん、興味深い!」 「世知辛いっ!」   〇アドリブ 基本A、応用でもA。 つまりアドリブ大好きにんげんだった。 「人生って想像つかないくらいのが興味深いよね?」
《新入生》鳥珠・菖蒲
 ルネサンス Lv12 / 芸能・芸術 Rank 1
名前:鳥珠 菖蒲(ぬばたまの あやめ) 種族:黒狐のルネサンス 【外見】 ・黒髪ゆるウェーブで右側お団子サイドテール ・グラマーな巨乳 ・紫の瞳 ・左目に泣きぼくろ ・妖艶な色香が漂う女性 【服装】 ・黒のオフショルダーミニ着物 ・制服のマント着用 【性格】 はんなりマイペース お茶目で悪戯っ子だがドジっ子な為に悪戯が成功しない 料理が壊滅的に下手なのに出来るはずとやりたがる 舞妓に憧れており舞を習えるのが嬉しい ゆうがくの皆の事を「我が子」と同然と捉えておりすんごく可愛がる 基本的にポンコツお姉さん 【口調】 普通の時は ~ですわ。 ~かしら。 テンション高い時 ~でありんす。 どうやら素は~でありんす。の方で意識してないと方言が出てしまうらしい。

解説 Explan

〇概要
 かくれんぼの授業です。
 間違えました、隠密行動の訓練です。
 みなさんは以下の行動範囲の中で、先輩方から全力で隠れて全力で逃げてもらいます。
 制限時間は1時間。
 先輩方は始まってから5分後に行動を開始します。
 また、教師のアキ・リムレットは傍観に徹していますので、探す側にまわることはありません。
 それではみなさん、頑張ってください。

〇行動範囲
『校庭』
 だだっ広い校庭です。
 開始からすぐはアキ・リムレットと先輩方4名、総勢5名が中央にいます。
 遮蔽物はホワイトボードを除いて何もありません。

『教室』
 移動範囲内である建物の各階にあります。
 建物は4階建てとなっており、1階は玄関階です。
 教室は2階からあります。
 各階への移動手段は基本は階段です。
〇教室A
 3階にある、初めに授業開始の合図があった教室です。
 机と椅子、正面には大きな黒板、後ろには掃除用具入れがあります。
 窓にはカーテンがかかっており、現在は全開です。
〇教室B
 2階にあります。
 教室Aとほとんど同じ作りです。
 こちらのカーテンは、すべて取り払われていてありません。
〇教室C
 4階にある教室です。
 黒板はありますが、掃除用具入れはなく、椅子や机もありません。
 カーテンがすべて締め切られており、室内は薄暗いです。
〇屋上
 手すりで囲まれた、見晴らしのいい屋上です。
 屋内からの入口はひとつしかありません。

『箒乗り場』
 学内で無料で貸し出されている箒に乗って、敷地内を移動出来ます。
 費用はかかりませんが、飛んでいる間は魔力を消費するのであまり遠距離の移動には向きません。
 箒に乗って移動しても構いませんが、行動範囲からは出ないよう気を付けてください。

【PL情報】
 先輩方の専攻は、4人中3人が【黒幕・暗躍】コースとなっています。
 そのため、簡単に隠れられる場所は工夫をしなければ大体見つかってしまうとお考えください。
 しかしこのかくれんぼは、工夫をすれば隠れ切ることが可能です。


作者コメント Comment
 童心を思い出し、かくれんぼを久しぶりにしてみたら腰を痛めた宇波(うぱ)です∈( ºωº )∋
 今回は隠密訓練、間違えました、かくれんぼをしてください。
 工夫に満ちたプランもとても楽しみですが、小細工? 知らんわ! 正々堂々と戦ってこそ! なプレイングも好物であります。
 それではみなさま、よろしくお願いいたします。



個人成績表 Report
御影・シュン 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目標
先輩方から逃げ切る

◆教室A
階段を飛ばし急ぐでござる

先ずは、隠れ場所を増やすでござるよ
息を整えつつ、掃除道具入れから道具を出しておき中身は分かりやすい場所へ

陣地作成Ⅰの技術で机や椅子を数か所に分けて、出入りがしやすくしつつ人が隠れられる場所を作り…厚手の布で中が見えない様にも工夫するでござるかな

ああ、窓の鍵を開けておくのは忘れないでござる
経路を増やすのは、皆にも有益でござるから

複数の隠れ場所を作れたら、先ずは出入口から遠い場所に隠れる
他の場所を探している隙を狙い、隠密と沈黙影縫で先輩が一度探索した場所へ隠れ場所を移すでござる
一度探した場所への警戒は薄れると思うのでござるが、如何でござろう?

レダ・ハイエルラーク 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:156 = 52全体 + 104個別
獲得報酬:4800 = 1600全体 + 3200個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
◆主な目的
・隠れる
・撒く

◆使用する特性・技能・道具
・龍の翼
・隠密
・沈黙影縫
・緊急回避Lv1
・隠れ身Lv1
・調理道具一式

◆プレイング
・最初は教室Bで窓を開けて【隠れ身】を使用し窓際で潜伏。周囲を窺いつつ誰かが教室Bに近付いてくるようなら、周囲を確認し窓から降り1階へ
・基本【隠密】で移動。影や暗所があれば【沈黙影縫】を追加。見つかりそうなら【緊急回避】を使用し【隠れ身】で身を潜める
・箒は使用しない
・階段は周囲に人がいなければ使用
・屋上・教室Cには入らない
・教室Aは出入口か、窓から教室Bへ移動(場合によっては【龍の翼】使用)
・調理道具(泡立て器)を廊下または教室に不自然に立て囮にする(終了後回収)

ロスト・ナンバー 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
■目標:潜伏

■行動
先ず、箒乗り場にて箒を持ち出し走って教室Aに向かう。
教室Aの掃除用具入れに箒を隠し、【隠れ身】、【忍び歩き】、技能の【隠密】や【沈黙影縫】で一か所に留まらないように周りに警戒しつつ各階を移動。
見つかった場合は、教室Aに【立体起動】で全力で逃走し掃除用具入れに隠した箒で窓から脱出。屋上へ向かう。

時間・魔力切れまで、上記のような
①掃除用具入れのある教室に箒を隠す
②一ケ所に留まらず移動
③見つかったら箒を入れた掃除用具入れのある教室に技能等駆使して全力で逃げる
④屋上/校庭へ脱出
を繰り返す。

バルド・ダールベルク 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
●目的
捕まらないように頑張る

●行動
箒を持ち、隠密を使いつつ階段で屋上へ向かう
常に気配察知Ⅰと視覚強化Ⅰで警戒し
鉤爪付ロープを手すりの下の方に引っ掛けてぶら下がり身を隠す
ぶら下がる時、校庭側ではなく校舎裏の壁に足をついて体を支える形をとる

先輩も箒で捜索、索敵を行う可能性があるので
見つかって捕まりそうになったら緊急回避をし
ロープぎりぎりの距離まで下がり、跳躍又は箒で校庭へ降りる

>校庭に追手が来たら
再度箒で屋上へ向かい、思い切り入口ドアを開け
急いで屋内に逃げ込む…ように見せかけて
開けっぱなしにしたドアの影に隠れ身で潜む
先輩が屋上を捜索し始めたら、隙を見て隠密で屋内に移動し
誰もいない所を探して身を隠す


ウェルカ・ラティエンヌ 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
このルールですと、「隠れる場所」をきちんと検討した方が良さそうですわね。
『居場所がばれても、触れられなければよい』ということでしたら『入口が一カ所しかない場所』に籠って、内側から[針金]を巻き付けて閉鎖してしまえば逃げ切れる筈ですわ。
(少し考えて)
此方などは、如何でしょうか?

『該当の場所』に到着しましたら、まずはきちんと閉鎖しましょう。
[針金]を巻くことに加え、追加で出来ることが有れば、それもしたいですわね。
無事に籠ることが出来ましたら、あとは時間との勝負ですわ。
[偽の声]等に騙されませんよう、[授業終了のチャイム]が鳴るまで、決して外には出ませんわ。
何とか逃げ切れます様、全力を尽くしますわ。


ハイネ・セレネイド 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
制限時間を逃げ切る

【行動・心情】
中々興味深いイベントだ
逃げ切れるか否かは判らないが、私も参加させて頂こうか

ふむ、教室Cは薄暗いようだから罠を仕掛けるにはうってつけかな

ドアの前に「ランタン用油」をばら蒔いて
入ってきた時に滑りやすくさせる

入って来た際に足元を見られては面白くないからね
私は窓付近で窓の鍵を開けておき、いつでも下の階に降りられるよう待機
念の為箒をくすねておいた方が無難かな

開けた時に目に入りやすい位置に待機して自分に注視させておきたいところ
降りるタイミングは足を踏み入れ転んだ時がベスト

ここは4階
箒で滑空に近い状態で校庭に降り玄関にかけ上り
階段付近に潜伏して待機がいいかな
どうなるき

アムル・アムラ 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
〇目的
鬼役の先輩から逃げ切ろう!
無理そうなら仲間を助ける!

〇開始前
アキ先生を通して鬼側にお願いするよ、せめて1)だけでも通るといいな。
1)行動開始まで目隠し。
「見られてたら、かくれんぼにならないよ?」

2)購買/校庭にない道具/魔法/技能の禁止、あるのは可。
「そもそも鬼って圧倒的に有利だし…ダメ?」

〇5分間の攻防
1)視界微封鎖。
アキ先生を巻き込むと悪いから、先に避難してもらう。
発煙筒の青い方を点けて、鬼側を囲むように3分ぐらいグルグル歩く。
後は校舎の方に投げる。

2)『校庭』のアキ先生の陰に隠れる。
仮に誰かと被っても、それはそれで面白いよね。
千手観音!

〇仲間ピンチ
庇いつつ「ヒ2」+「自己犠牲I」。

鳥珠・菖蒲 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:156 = 52全体 + 104個別
獲得報酬:4800 = 1600全体 + 3200個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
制限時間を逃げ切る

【行動・心情】
…ここは狐として正しくある為にも参戦しなきゃいけないと思ったのですわ
ふふ、先輩方、お手柔らかにお願い致します(しゃなりと頭を下げて)

とはいえ先輩方はその道のえきすぱーと
目を離すのはとっても危険ですわ

校庭の、ホワイトボードから隠れて様子を伺わせて頂きましょう(耳と尻尾がチラ見え)
えっと、ホワイトボードが校舎の入り口にあれば障害物になりますわよね!
じゃあ移動して~(むっちゃ音を立てながらガラガラガラガラ)

先輩方が近づいて来るならホワイトボードと一緒に一定の距離を取って離れますわ

それでも気づくなら笑顔と演奏で切り抜けますわ
ひぇ!?こ、こっちに来るなでありんす!

リザルト Result

 校庭で向き合う12人の生徒たち。
「ふふ、先輩方、お手柔らかにお願い致します」
 初めに口を開いたのは【鳥珠・菖蒲(ぬばたまの・あやめ)】。
 彼女はしゃなりと優雅に頭を下げる。
「中々興味深いイベントだ。逃げ切れるか否かは判らないが、私も参加させて頂く」
 続いて【ハイネ・セレネイド】が長い三つ編みを揺らす。
「何とか逃げ切れます様、全力を尽くしますわ」
「かくれんぼは、研究所にいる子供達としたことがあるが、こういう本格的なのは初めてだから、どうなるかなぁ……?」
 意気込みを語る【ウェルカ・ラティエンヌ】の隣で、【バルド・ダールベルク】が不安そうにぼやく。
「1時間、やれるだけやるでござるよ」
 【御影・シュン(みかげ・しゅん)】は頬を叩き、気合を入れる。
「はいはーい! アキ先生、目隠しをしてください!」
「え? 目隠しですかぁ……。しょうがないですねぇ……」
「違う、違います! 先輩たちに目隠しをしてほしかったんだよー!」
 【アムル・アムラ】は、要望に応えて自身に目隠しをしようとするアキを慌てて止める。
「見られてたら、かくれんぼにならないよ?」
「それもそうですねぇ。では、みなさんは開始まで目隠しをしてくださいねぇ」
 アキは一体どこにしまっていたのか、豊満な胸の谷間に手を突っ込み、そこから4枚の目隠しを取り出す。
 それを言われるがままに着ける先輩たちは、心なしか微妙な表情をしていた。

「それでは準備はよろしいですねぇ? この砂時計の砂が落ち切った時点で、鬼役はみなさんを探し始めますぅ。それではぁ、スタートぉ」
 砂時計がひっくり返される。
 それと同時に真っ先に走り出したのは【ロスト・ナンバー】。
 彼の向かった先は『箒乗り場』。
 同じ方向に、バルドとハイネも駆けだす。
 3人は揃って箒を手に取り、教室のある建物へと疾走した。

 同じ頃、真っ先に建物の中の一室、『A』と書かれた3階にある教室に滑り込むシュン。
 彼は鬼から隠れるための場所を準備していた。
 4つの塊に分けられた机や椅子にかかる厚手の布やカーテン。
 掃除用具入れの中身はすべて教室の中の目につくところに置かれている。
 入口から離れた隠れ場所に身を潜めたシュンの耳に、タタタと軽やかに走る足音が複数聞こえてくる。
 もしや、もう追手が。
 身を固くしたシュンの目に入るのは、箒を持ったロスト。
 ほっと力を抜くシュンに気が付かず、ロストはばたんと掃除用具入れの扉を開ける。
「ん? 中身が……ありましたな」
 中身が空っぽになった掃除用具入れを奇妙に思うが、床にひとまとめにされた掃除用具の山を見て納得した。
 だれかが外に出したのだろうと、山には触れずに手に持っていた箒を中に立てかけて扉を閉める。
 一連の行動を終えた彼はそのまま、上の階へ向かって走っていった。

 ロストが駆け抜けてさらに上の階へ向かった頃。
 彼が通り過ぎた4階、『C』の教室では、ハイネが仕掛ける罠を考えていた。
「ふむ、ここは薄暗いから罠を仕掛けるにはうってつけかな」
 カーテンで閉め切られた薄暗い教室。
 ハイネはドアを閉め、その前にランタン用油をばら撒く。
「入って来た際に足元を見られては面白くないからね」
 窓の鍵を開けながら、彼は悪戯気な笑みを浮かべた。

「このルールですと、隠れる場所をきちんと検討した方が良さそうですわね」
 ウェルカは2階、『B』教室へ足を踏み入れる。
「居場所がばれても、触れられなければよいということでしたら、入口が一カ所しかない場所に籠って、内側から針金を巻き付けて閉鎖してしまえば逃げ切れる筈ですわ」
 彼女は少し考えて、教室の一か所に目を留める。
「此方などは、如何でしょうか?」

 ほとんどの生徒が建物の方角へ逃げていき、生徒は誰もいなくなると思われた校庭。
 そこにはまだ、アムルと菖蒲の2名が残っていた。
 そのうちの1名。
 アムルはマントの下に着ていた女子用制服で少女に変装している。
 掛けた眼鏡とふんわり整えられた髪で、まるで文学少女のようだ。
そしてその文学少女(仮)アムルは、回っていた。
 なぜか鬼たちの周りを回っていた。
 発煙筒を持って回っていた。
 かれこれ3分は。
 周囲が煙に覆われ、鬼たちが咳き込み始めた頃、残った発煙筒を校舎の入口に向けてぽいっと投げる。
 その後はアキの背後に隠れ、準備は万端。
 直後、アムルの背後にあったホワイトボードが音を立てて動く。
 動かしたのは菖蒲だ。
「……ここは狐として正しくある為にも参戦しなきゃいけないと思ったのですわ」
(とはいえ先輩方はその道のえきすぱーと。目を離すのはとっても危険ですわ)
 神妙な顔で呟き、策士のように思考する割には、ホワイトボードはすごく音を立てている。
 とてもガラガラ音を立てている。
 これでは、いくら目を閉じていようが居場所が丸わかりだ。
 やがてその音は、校舎の入り口前で止まった。
「では、こちらで様子を窺わせていただきましょう」
 障害物のつもりか、校舎入口に立てられたホワイトボードは明らかに不自然。
 そのホワイトボードからふわふわの尻尾が揺れて見えるのも明らかに不自然。
 隠れるつもりはあるのだろうか。
「これならきっと見つかりませんわね!」
 ……隠れるつもりはあるのだろうか(二度目)。

「うわ、煙い!」
 風に煽られた煙を吸い込み、こん、とひとつ咳込むバルド。
 屋上の手すりから身を乗り出すようにして彼は、鉤爪付ロープを手すりに引っ掛けていた。
「ああして、こうして……、と。うん、ちょっと無茶をしないと……ではあるけれど」
 くん、と引っ張り強度を確かめたバルドは、それを伝って校舎の陰に身を隠す。
 足元には校舎裏の地面が見える。
 ここならば、校庭側から見えることはないだろう。
 油断は大敵ではあるが、ひとまず隠れ場が見つかり安心したバルドの耳に、ひとつの足音が響く。
 扉を開けたのはAの教室からここまで上がってきたロスト。
 彼は手すりに手早くロープを掛ける。
 やがてその作業を終えたロストは、さっと下の階へと降りて行った。

 再び2階、B教室。
 【レダ・ハイエルラーク】は窓を開け放つ。
 春の訪れを感じるような、涼やかな風が教室を満たす。
 廊下を出てすぐのところに、不自然に立てた泡だて器の準備も万全。
 そうしてようやく、レダは掃除用具入れの方へと目を向ける。
「……なにをしているんだ?」
「この中に隠れようとしているのですわ」
 胸がばいんと、お尻がぼいんとつかえ、ひとりでは入ることも出ることもできなくなったウェルカは涙目になっている。
「……手伝うか?」
 レダは少々不憫に思ったためか、手伝いを申し出る。
 ウェルカはこくりと頷く。
「押し込んでください、さあ!」
「押し込むのか? 出たいというわけではなく」
 困惑しながらも、肩を押して押し込めようとするレダ。
 しかし中々収まらない。
「別の場所を探したほうがいいんじゃないか?」
「……そうですわね、トイレなどに隠れましょう、か? ……きゃっ!」
 言った矢先、がったんと音を立てて、掃除用具入れの中にウェルカが収まった。
「隠れられましたわ! やったあ!」
 外から見れば、内側から圧迫されてやや膨らんでいる。
 だが、入ってしまえばこちらのもの。
 いそいそと扉を無理矢理閉め、ウェルカは内側から針金で固定をする。
 強度としてはやや不安なところもあるが、授業で物を壊すことはないだろうと考えるウェルカ。
 彼女の入った掃除用具入れはやや膨らんでいる。
 見届けたレダは、当初の予定通り窓際にそっと潜む。
 その直後、まだ遠い足音が4つ、聞こえた気がした。
 
 シュンはひたすら息を殺してゆっくりと移動をしていた。
 目線は先ほど入り口から入ってきた鬼のひとり。
 鬼は入ってきて真っ先に掃除用具入れの扉を開ける。
 しばらく中を凝視した後、静かに閉める。
 続いて鬼は、明らかに人が隠れていそうな布に目を向ける。
 鬼は手近な布を捲り上げる。
 その隣、またその隣と布を捲っていく。
 その度にシュンは、鬼が見た隠れ場所に場所を移す。
 すべてを見終わった鬼は、教室を出て行く。
 ほっと息をついたのも束の間、やはり気になるのかもう一度鬼が入ってきた。
「この部屋はフェイクか……? いや、この部屋にいそうだ。ひとつの隠れ場所を見ているときに移動すれば、視界に入らなくて済む」
 シュンの額に冷や汗がたらり。
(バレてるでござるーっ!)
 シュンは逃走を考える。
 できるだけ時間を稼げる方法を。
(他の皆への追手が減るという事でござるからね! そういう役目は昔何度もやらされたでござるよーうーん何故かな胃が痛い)
 胃の辺りをさすさすし、タイミングを伺っているシュンと鬼の間を切り裂く、けたたましい足音。
 鬼の間を縫い、教室へ転がり込んだ者。
 それは、ひとりの鬼に追われるロスト。
 彼は掃除用具入れの扉を開き、中に入れておいた箒を手に取る。
 そして窓を開き、箒で飛び出す。
 あと一歩届かなかった鬼は窓の桟(さん)で鳩尾(みぞおち)を押してしまい、くぐもった声を出す。
「屋上に行った!」
 慌ただしく駆けていく鬼に、シュンを探していた鬼も追随する。
 間一髪。
 シュンはなんとか見つからずに済んだ。

 屋上。
 鬼たちよりも速く到着したロストは、手すりに用意しておいたロープを何度か引き、強度を確かめる。
「もし、窓が開いていない場合は蹴破って逃走しても……許されるでありますかね」
 自身が次に着地する場所のことを考える。
 悶々と思考していてもいいが、時間がない。
 意を決し、ロープをするすると伝っていく。
 幸いにも窓は閉まっていたが鍵は開いていた。
 ロストは4階の教室へ体を滑り込ませる。
 鬼たちが屋上へ到着したのは、既にロストが逃走した後。
 彼の使っていたロープを発見した鬼たちは、進路を確認すると、また来た道を戻っていった。
(っはー、危なかったー)
 気付かれることなくその場に身を潜ませ続けるバルド。
 彼は青空を見上げる。
(箒に乗って探しに来る先輩もいると思ったけど、もしかして警戒しなくてよかったのか……?)
 彼の懸念。
 その答えは、少し前の校庭にあった。

 時は遡り、開始後すぐ。
 鬼のひとりが、玄関前のホワイトボードという異物に気が付く。
 そして、そこからはみ出たもふもふの尻尾にも容赦なく目を向ける。
 鬼の唯一見えている2つの目が光った気がした。
 他の3人は呆れたような目をその鬼に向けて校舎の中へと走っていく。
 その際、菖蒲に何も触れなかったため、うまく隠れていたのだと勘違いを助長させる結果になってしまったのだが。
 じり、鬼が距離を詰める。
 じり、菖蒲はホワイトボードごと後退する。
 瞬間。
 鬼は菖蒲に向かい、勢いよく走りだす。
「ひぇ!? こ、こっちに来るなでありんす!」
 その勢いに驚いた菖蒲は、思わず黒い狐の姿になって逃げる。
 しかし逃げ切れず。
 勢いよく伸ばされたその手は、思いのほか優しく菖蒲の頭に乗る。
 もふっ。
「あ、あの……?」
 困惑する菖蒲をよそに、鬼は菖蒲の耳を撫で続ける。
「……最高」
 箒で上空から索敵する予定だった鬼は、菖蒲の魅惑のもふもふにしばらく拘束されることとなった。

 ……気になる。
 じぃっ。
 ……とても気になる。
 なぜ! 教室傍の! 廊下に! 見事な直立不動で泡だて器が立っているのか! とても! 気になる!
 わなわなと震える拳で泡だて器を掴んだ鬼は、そのままの勢いで扉を開く。
 しかしその中は空。
 否、全開の窓と、少し膨らんだ掃除用具入れ以外は何の変哲もない教室だ。
 泡だて器の持ち主であるレダは、鬼が泡だて器に気を取られている隙にさっさと自前の翼を使い、玄関へと降り立った。
 今頃、そのまま別の教室へと足を運んでいることだろう。
 しかし鬼の興味は今、別のところにある。
 膨らんだ掃除用具入れ。
 誰か、いる。
 がちゃ。
 内側から固定されているのか、開かない。
 中では固定されていることがわかり、ウェルカが胸を撫で下ろしている。
 それも束の間。
 がちゃ、がちゃがちゃ、がちゃがちゃがちゃ!
 ぶちぃっ!
 幾度目かの扉への猛攻に耐えきれず、強度に些か不安のあった針金はあえなく千切れてしまう。
 びくりと肩を揺らすウェルカの目の前。
 ホラー映画張りにゆっくりと開いた扉の先には、鬼がいた。
「はい、見つけました」
「見つかりましたわ……」
 ぽん、と肩を叩かれ、撃沈するウェルカ。
 立ち去ろうと背を向ける鬼に、恥ずかしそうに声を掛ける。
「あの……。抜け出すのを、手伝ってくれると嬉しいですわ……」
「ちょっと! あなたどうやってここに入ったんですか?!」
「私にもわかりませんわーっ!」

 鬼とウェルカの叫びが響く中、校庭は平和だった。
「へー! じゃあ、アキ先生は元々宿屋で働いていたんですね。……ちなみに好物ってなんですか?」
「トマトが好きねぇ。お砂糖を付けて食べると美味しいのよぉ」
 アムルは隠れることもなく、おしゃべりをしていた。
 菖蒲のもふもふに拘束されている鬼に、別の生徒が迷い込んできたと思われて一度注意されたが、それきりだ。
 これぞ、灯台下暗しの計!
 ばーん、と心中で密やかに胸を張る。
 そこに別の鬼が、拘束されている鬼に呆れたように目を向ける。
「私はもふもふに拘束された。もうここから動かない」
「変なこと言ってないで、早く探しに行きなよ。授業だよ」
 その言葉に渋々と、実に渋々と菖蒲を開放した鬼は、名残惜しそうに箒乗り場へと向かっていく。
 やれやれと菖蒲とアムルに背を向けた鬼は、ん? とアムルを二度見する。
「まだ捕まえてない生徒だ」
 ぼそりと呟かれた言葉に合わせ、アムルは全力で後退する。
 箒乗り場に向かおうと――して、先に向かった先輩に挟み撃ちにされる形でタッチされた。
「あー、捕まっちゃった……」
 捕まったのはしょうがないから、持ち込んだお菓子でお茶会をしよう。
 アムルは再び、アキと菖蒲の元へ戻っていった。

 さて、屋上から逃げ出したロストはCの教室へ来ていた。
 そこでは、罠にかからないかと今か今かと待っているハイネがいる。
「びっくりした、鬼かと」
「申し訳ないであります。追われている身でありますので、これにて」
「あ、扉の下には気を付けて。油を撒いているんだ」
「忠告、感謝するであります」
 びしっ! と敬礼したロストは足早に教室から出る。
 しかしそのタイミングが悪かった。
 ちょうど鉢合わせた鬼たちは、ロストの姿を見つけると追いかける態勢に入る。
「待て、中にまだいるかもしれない」
 鬼たちはアイコンタクトをする。
 ひとりは教室の扉に手をかけ、もうひとりは既に逃走の態勢に入っていたロストを追いかける。
 その背中を見送った鬼は、扉を開く。
 薄暗がりの中、まるで挑発をするように大きく腕を広げるハイネがいた。
「さて、捕まえられますか? 先輩」
 ひらり、一歩背後に動く様は紳士の風格。
 ハイネは笑みを鬼に向ける。
 釣られ、教室に踏み込んだ鬼は足元が疎かに。
 すってーん!
 小気味いい音を立て、鬼は床に滑って転ぶ。
 シャッ!
 勢いよく開け放たれたカーテンから燦燦と降り注ぐ外の光。
 薄闇にようやく慣れた目には毒。
 目が眩んだ鬼を置き、ハイネは開け放った窓から箒で飛び立った。

 校庭に向けて滑空していったハイネの上空。
 箒で上空から監視を行う鬼と、バルドが見つめ合っていた。
 見つめ合うバルドの顔は、心なしか線が太い。
 眉毛も太くなっている気がする。
 全体的に顔が濃い……ような、劇画を思わせる表情を浮かべるバルド。
「……失礼しましたー」
 何事もなかったかのようにするするとロープを伝って下階に降りようとする。
 だが、鬼はそれを許さない。
 容赦なく滑空してくる鬼に、バルドは思い切り身を捻って避ける。
 手放すことなく持っていた箒で校庭まで降りようと身を屈め、滑空した。
 それを窓から窺うのは、A教室へシュンとともに潜伏していたレダ。
「箒での追いかけっこが始まっている」
 シュンに手短に伝えたその時、ロストが大きな音を立て教室に転がり込む。
 その背後に迫るのは鬼。
 レダは咄嗟にその気配を影に紛れ込ませ、教室からの脱出を図る。
 ロストはシュンが作った隠れ場で鬼を撒くつもりのようだ。
 隠れ場の上を跳び回り、鬼もそれに続く。
 鬼を奥まで誘い込み、そこから教室からの脱出を図るが運悪く布の皺に躓いてしまう。
「くっ」
 盛大に布を巻き込んで倒れたロストの肩に、鬼の手が触れる。
 さらに間が悪いことに、崩れた障害物の場所にはシュンの姿があった。
「見つかったでござるよ!」
 さっと鬼の手を避け、廊下に転がり出る。
 どこまでも追いかけると言わんばかりの気迫。
 廊下にて身を潜めていたレダも、思わず共に走り出してしまう。
 玄関から校庭へ。
 すでに捕まった何人かも含めて、現在、校庭にほぼすべての生徒が集結している。
「これじゃ、まるで鬼ごっこだな……!」
 レダが吐き出した言葉は的を射ている。
 残り時間はあと僅か。
 上空からの猛攻を寸でのところで避けるハイネは、大きな砂時計の粒が落ち切るのをその目で見た。

 疲労困憊の面々に、アキは非常に楽し気だ。
 なんとか時間内に掃除用具入れから抜け出すことのできたウェルカは大きく伸びをする。
「本日捕まらなかったのは4人ですねぇ。半数残るとは、今年の生徒は非常に優秀ですねぇ」
 アキは、す、と真剣な顔になる。
「今日捕まってしまった人も、逃げ切った人も、お疲れ様でした。やってみて、囮になろうと考えた人、最後まで捕まらずに頑張ろうと考えた人、色々いたと思います」
 アキは一同をぐるりと見渡す。
「みなさんはこれから、もしかすると敵陣にこっそり侵入することもあるかもしれません。ですがそれもすべて命あってこそ。もしも捕まっても最後まで諦めないで足掻いてほしいです。それが、私がみなさんに伝えたいことです」
 真剣な顔で聞き入る生徒たちに、アキはにっこりと笑いかける。
「ではぁ、逃げ切った人のひとりにインタビューをしたいと思いますぅ。では、レダ君」
 名指しされたレダはびっくりした様に目を丸くし、そろそろと立ち上がる。
「レダ君が、逃げ切った秘訣は何ですかぁ?」
「あ、ええと……泡だて器の、おかげだな」
 泡だて器バンザイ。



課題評価
課題経験:52
課題報酬:1600
忍べ!隠密訓練!
執筆:宇波 GM


《忍べ!隠密訓練!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 バルド・ダールベルク (No 1) 2019-02-20 00:03:25
黒幕・暗躍コースのバルド・ダールベルクだ。
よろしくお願いします!

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 2) 2019-02-20 02:25:14
黒幕・暗躍専攻のレダ・ハイエルラークだ。よろしくな。

《ゆうがく2年生》 ハイネ・セレネイド (No 3) 2019-02-20 11:23:41
私も、参加させて貰おうかな。
初めまして。
黒幕・暗躍コースのハイネ・セレネイドだ。
宜しく。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 4) 2019-02-20 16:14:50
皆様、初めまして、もしくはご機嫌良う。
王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。
現状、一人だけ違う専攻みたいですわね。
宜しくお願い致しますわ。

内容からしますと、「[同じ場所]を指定した結果、広さの関係で何方かが隠れられなくなる」「同じ場所に集まって目立ってしまい一網打尽」等を防ぐ為にも、最低限「隠れ場所の予定表明」はしておいた方が宜しいでしょうか?
その上で、重なりそうであれば「協力」乃至「調整」の流れで良いのではないかと思われますわ。

一応、私は「トイレ(順当に考えて[建物内]にあるはず)」か「教室Bの掃除用具入れ」を考えておりますわ。
「体のどこかをタッチされない限りは見つかったことになりません」とのことですから、「[狭い場所]に籠って内側から[鍵]や[針金]等で封鎖、[場所]がばれても触れないようにする」ことで対応する形ですわね。

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 5) 2019-02-21 01:04:25
移動可の隠密訓練か…。
移動は階段と箒だが、外壁の伝いの移動もできそうだな。
出来ても1階層くらいだとは思うが。

まだ思案中ではあるが、教室Bで潜伏しようと思っている。
近付いてきたら窓から出て1階か教室Aに飛ぶことができそうだが…最初Aの窓は閉まっているだろう。
1階に降りるとしよう。

まだこの先は考えている最中だ。

《新入生》 バルド・ダールベルク (No 6) 2019-02-21 07:08:52
俺は「屋上」からスタートしようと思ってる。
鉤爪付ロープをフェンスに引っ掛けてぶら下がって身を隠してようかなぁっと。
で、捕まりそうになったら、跳躍で降りたり箒で移動を考えてるよー。

《ゆうがく2年生》 ハイネ・セレネイド (No 7) 2019-02-21 10:13:43
私も迷って居たけど、教室Cにしようかな。
暗闇って書いていたし。
カーテンを開けるまでの途中トラップを仕掛けるのにうってつけだ。
さて、どんな罠を仕掛けようかな?

《新入生》 アムル・アムラ (No 8) 2019-02-21 19:09:09
僕はアムル、村従コースのヒューマンだよ。
はじめまして&何度目まして、みんなよろしくねっ!
かくれんぼ…って言っても、このルールだと半分鬼ごっこ?(笑)
『全力撤退』憶えていこうっと。

隠れる場所は…うーん、そうだなあ、『校庭』のアキ先生かホワイトボードの後ろに隠れようかな。
だけど猶予が5分あっても、隠れるトコロをオニに見られてると困っちゃうんだよね。
発煙筒を使って開幕煙幕?
後、匂い袋の中身を振りかけて、先輩たちの鼻を誤魔化しておきたいかも。
ポッケが2個ほしいっ!

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 9) 2019-02-21 23:37:53
挨拶が遅れてしまったでござるね。
拙者、暗躍・黒幕科専攻の御影・シュンと申すでござる!
貴殿らよろしくお願い致すでござる。

そうでござるなー……うむ。隠れる場所は「教室A」にするでござる。
ハイエルラーク殿、窓の鍵は開けておくでござるよ!拙者にとっても、退路になり得るでござるからね。

そういえば、先輩方に一人いらっしゃる「暗躍・黒幕科」以外の先輩はどのコース所属なんでござろうかね。
……ううむ、箒の扱いが上手いのでござろうか…?上空から監視されたりするかもしれないでござるから、外に隠れる場合は気を付けた方が良いかもしれないでござるね。

《新入生》 アムル・アムラ (No 10) 2019-02-22 00:17:33
>シュンさん
なるほど箒担当かあ、そうすると賢者・導師コース?
妖精にも注意しないとだね。

箒って言えば、一度『箒乗り場』でゲットしておけば、授業中いつでも使えるのかな?
もしそうなら、箒上手い先輩説の信憑性が増すね。

匂い袋で嗅覚乱すより、上空にも有効そうな発煙筒の目くらましにしようかな~。(悩)

《新入生》 ロスト・ナンバー (No 11) 2019-02-22 00:21:13
遅ればせながら、作戦会議に参加させていただくであります。
小生、暗躍・黒幕専攻のカルマ、ロスト・ナンバーと申します。

隠密の訓練、手練れの先輩方が鬼とは…中々の難題でありますな。

むう、箒を持っていざという時に教室から脱出できないか試みるであります。

《新入生》 ロスト・ナンバー (No 12) 2019-02-22 00:23:27
箒の数が明確であれば、箒を隠し仲間内でのみ共有し先輩方に使用されるのを防ぐ…等出来たのでありますが。

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 13) 2019-02-22 00:39:41
私の場合、一般技能で緊急回避と隠れ身、職業技能で隠密と沈黙影縫、種族特性の龍の翼が使えそうだな…。

職業技能の不可視気Ⅰは恐らく使えないだろう。
相手は先輩…つまり少なくとも実力は私達より上だろうからな。

この場合、見つからない限りは自由に動けそうだな…。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 14) 2019-02-22 17:17:28
「追手の残り一人」は、確かに有りそうですわ。
「先輩同士の連携」をどのようにしているのかが気になりますから、「指揮官・連絡塔」としての役割を担当する「魔術師系」の方も有り得るかと思いましたが、この役目は、「箒の専門家の方」と「兼任」可能なのですわね。
現状では、「此方にとって一番都合の悪いことをしてくる相手」と仮定しておく方が良さそうでしょうか。

「屋上」の「屋内からの入口はひとつしかありません」という記述は、利用できるかもしれませんわね。
もっとも、「先輩方の種族」が不明ですから、普通に「飛行される可能性」は有るのですが。
「箒乗り場」に「保管庫」が有れば、皆様方が必要な分を外に出した上で、其方に立て籠っても良いかもしれませんわね。

《新入生》 ロスト・ナンバー (No 15) 2019-02-22 21:04:22
移動手段は手近に用意できれば心強いであります。

ふむ、かくれんぼにも制空が要されるとは。
挟み撃ちにされず、1時間の耐久をするとすれば定期的な移動が推奨されるでありますな。

また、我らの専攻の先輩方にも要注意でありますが、箒を使用すると予想される先輩にも注意しなけば。
屋上に立てこもって挟み撃ちなどは避けたいであります。

《新入生》 バルド・ダールベルク (No 16) 2019-02-22 21:48:36
箒得意な先輩がいるかもしれないか。
そのあたりも警戒して、頑張ってみる!

《新入生》 アムル・アムラ (No 17) 2019-02-22 23:29:34
そういえば、鬼側って動き出すまで5分あるんだよね。
ちゃんと目をつぶって待っててくれるのかな~?
隠れるところを全部見られてるのはちょっと嫌かも(笑)

最初に「目隠しして!」って、アキ先生を通してお願いしてみようか。

《新入生》 鳥珠・菖蒲 (No 18) 2019-02-24 11:15:12
ギリギリ参加申し訳ありません。
お初にお目にかかります。
芸能・芸術コースに席を置いております。
名を鳥珠 菖蒲(ぬばたまのあやめ)と申しますわ。

わっちは能力といえばからきし。
一方先輩方はどうやらその手のえきすぱーとのようですし
怖いから視線で捉えられる範囲に隠れさせて頂きたいと思ってましたわ。
校庭に、隠れて…ちょっと余裕があれば悪戯…コンコン。
罠を仕掛けたいですわ。
宜しくお願い申し上げます(しゃなりと頭を下げて)

【PLより】
PL意図になりますが、当方ポンコツざんねぇちゃんにて、校庭で先輩方相手に多分最初に捕まるような囮になりに来ましたー!
制限時間があるなら少しでも多く引き付けてみようかと思いますので宜しくお願いしますー!

《新入生》 アムル・アムラ (No 19) 2019-02-24 14:02:01
菖蒲さん、はじめまして&よろしくーっ!
8人揃って心強いね♪
今夜0時の出発だからプランはお早めにっ!

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 20) 2019-02-24 16:56:14
ギリギリまで練っていた。
そろそろ送るとしよう…。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 21) 2019-02-24 21:27:42
私も提出済みですわ。
改めまして、皆様宜しくお願い致します。
あとは、上手く行くことを祈るだけですわね。