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ドールズ・フェスティバル


ストーリー Story

 ――ひな祭り。
 それはとある国の女子の健やかな成長を祈る祭りである。
 そのひな祭りについて、異国の者が知らないのは当然として、とある国の者であっても、深く理解している者は少ないだろう
 しかしながら――あの人形の存在だけは知っている者も多いはずだ。

「あっ、『ひな人形』だ」
 魔法学園フトゥールム・スクエアの女子寮レイアーニ。
 複数あるレイアーニ寮のとある寮で、ヒューマンの女生徒が共用スペースに置かれていたひな人形を指差してそう言った。
 それを聞いて、女生徒の横にいたドラゴニアの少女は『ふむ』と声を漏らしてから続ける。
「これが……ひな人形というやつか。初めて見たが……聞いていたより小さいな。人形の数も少ないような気がする」
「これは3段飾りだからねぇ。本当は人形も……えーっと……何体だったっけなぁ。まぁここには10体しかいないけど、もうちょっと大きいやつだと、もっといるんだよ!」
「……曖昧だな。お前の国の風習じゃないのか?」
「しょうがないじゃん! 私だってあんまり詳しくないし!」
 女生徒の言うとおり、女生徒の目の前にある赤いひな壇は3段飾りであり、小道具よりも人形を重視するタイプなのか、みっちりと10体の人形が並べられていた。
 1番下の段には『五人囃子(ごにんばやし)』の5体。
 真ん中の段には『三人官女(さんにんかんじょ)』の3体。
 そして1番上には『内裏雛(だいりびな)』の2体。
 その並びを見て、ドラゴニアの少女はもう1度『ふむ』と声を漏らす。
「こいつらが1番偉いのか」
 そして躊躇うことなく、ドラゴニアの少女は内裏雛の1体を片手で掴んで、ひな壇の上から持ち上げた。
「……えっ!? 何してんの!?」
「ん? 1番上にいたから1番偉いと思ったんだが、違ったか?」
「そうだけど! そうじゃなくて! 何で掴んでんの!?」
「ん? 近くで……見るためだが。どうかしたのか?」
「そこ掴むところじゃないし! 雑だし!」
 内裏雛のお殿様の方、『男雛(おびな)』の冠から伸びる角のようなものを、ドラゴニアの少女は握りしめていた。
 女生徒はひな祭りについてあまり詳しくなかったが、男雛の冠のそれが、人形を持つためのモノではないことぐらいは分かる。
 それに何やら、女生徒は嫌な予感がしていた。
 ひな人形は雑に扱って良いモノではない。そう刷り込まれていた女生徒は、タタリのようなモノに怯えていたのだ。
 男雛を持つドラゴニアの少女を、他のひな人形達がにらみつけているように、女生徒には見えなくもない。
 ――というか、にらみつけていた。
「ひぃっ!?」
 叫び声を上げて、女生徒は思わずその場にへたり込む。
 先ほどまで正面を見ていた五人囃子と三人官女が、首を回してドラゴニアの少女を見ていた。
「おい、どうしたっ……うおぉっ!? なんだこれ!?」
 驚いて思わず、ドラゴニアの少女は男雛を放り投げてしまう。
 その様子を見て、五人囃子と三人官女、合わせて8体の人形が、『カカカカカカ』と一斉に笑い声を上げる。
 そして、三人官女の1体が『喋った』。
「龍の子よ、礼を言う。彼奴(きゃつ)が消えた今、我らは自由の身となった」
「おい! なんか喋ってるぞ! そういう機能があるのか!?」
「あるわけないじゃん!」
「けど喋ってるぞ!?」
「しかし、だ。童(わらし)らよ。そちらがこの城の主であるならば、そちらを生かしておくわけにはいかぬ。この城はたった今より、我らのものであるからして。生かしておくわけには――」
「って! なんかやっばいよ! 早くさっきのお殿様を――」
 三人官女の台詞から何かに気づいた女生徒が、お殿様を元の位置に戻すため、ドラゴニアの少女にそれを伝えようとする。
 その時、『ポン』という軽い音が辺りに響いた。
「はっ……ぐっ……!? から……だ……がっ!?」
「不味い……これは……ッ!」
 女生徒達の体が痺れて、身動きが取れなくなる。
 その瞬間を狙っていた三人官女の1体が、『長柄の銚子(ながえのちょうし)』と呼ばれる、長い柄のついた器を振り上げ――。
「動くなッ!」
 三人官女が振り上げた長い柄のついた器が巨大化したその時、凛々しい女の声が共用スペースに響き渡った。
 その声を聞いた人形達はピタリと動きを止めて、女生徒達は『麻痺』から開放される。
 そしてその声の主、男雛と対の存在、『女雛(めびな)』はひな壇を降りて、女生徒達に声をかける。
「早く外へッ! ここにいてはなりませぬッ!」
わけも分からぬまま、女生徒達は女雛と共に、寮の外へと飛び出した。

 立ち入り禁止の看板が置かれた、とあるレイアーニ寮。
 そこで女雛に正座をさせられて、女雛に『人形の扱い方が雑すぎる』と説教を受けていたのは、件のドラゴニアの少女。
 その光景を見て、立ち入り禁止の看板を置いた『とある教師』はにやりと笑う。
「せ……先生。あの……ひな人形は何なんですか?」
 とある教師に近づいて、件のドラゴニアの少女と一緒にいた女生徒が聞いた。
「ん? そうだな……古代の人工的に作られたモノか、途方もない時間の祈りが人形に魔法的な効果を与えたか……。どちらにせよ、アレは研究室の奥に転がってた、古いモノだからね。何があっても、おかしくはないさ」
「よ、よく分かりませんが……そうなんですか……」
 とある教師の台詞はおかしいのだが、女生徒はそれに気づかない。
 そしてそのまま、とある教師は微笑みながら続ける。
「幸い、寮の中には君達しかいなかったようだ。それに、あの女雛も協力してくれると言っている。……この件は僕の方から依頼として、教室に張り出させてもらおう。このままじゃ、たくさんの女生徒が困ってしまうからね」
「……えっ!? せ、先生達でなんとかしてくれるんじゃ……?」
「ここは『フトゥールム・スクエア』だからね。この学園の生徒達ならきっと、解決できるさ。……と言っても、君やあのドラゴニアの少女の技量では厳しいか」
「き……厳しい?」
「君達2人は学園で待機……および、他の女生徒達を学園に誘導しておきなさい。寮のことは、学園の仲間達に任せると良い」
「わ、分かりました……」
 女生徒はぺこりと頭を下げて、何とも言えない表情をしながら、ドラゴニアの少女の元へと駆けて行く。
「ふふ……面白いことになったな」
 人形達の城と化した寮を眺めながら、とある教師は呟いた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 4日 出発日 2019-03-06

難易度 難しい 報酬 通常 完成予定 2019-03-16

登場人物 7/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《過去を刻みし者》グレイ・ルシウス
 ヒューマン Lv16 / 黒幕・暗躍 Rank 1
やるべき事があり、やるべき理由もある。 だがその為の力が。知慧が、技術が、経験が足りない。 それでもやると決めた。決めて、武器を手に取った。 ならば繰り返すしかない。執拗に、着実に、徹底的に。 試行錯誤だ。事が成るなら手段は問わない。 ―――――――――――――――――――――――――――― 【外見】 灰色の髪に灰色の瞳。中肉中背の平凡な青年。 常に古びた皮鎧と要所を補強した皮兜で武装しており、 学生証の種族こそヒューマンとなっているものの 素顔を見たことがある者は極めて少ない。 また、当人もすすんで素性を明かそうとはしない。 【性格】 無遠慮で偏屈。禁欲的で真面目。慎重だが決断は早く、 まるで人間では無いかの様に作業的で事務的。 必要最低限の、自分にとっての事実しか語ろうとしない男。 ユーモアへの理解や相手への気遣い等も意識にはあるが、 とにかく不器用な性質の為、まず表には出てこない。 【戦闘】 良くも悪くも拘りがなく、見切りも選択も速度重視。 有効か、そうでないかの2択のみで物事を即断し、 場で利用出来る物を最大限利用して主導権を奪うスタイル。 その為、一騎討ちや果たし合い・決闘といった 正統派かつ王道の『対戦形式』には苦手意識がある。 【悪癖】 名前を呼ばれると大体1~半テンポ遅れ、 何処となくバツが悪そうな声音で返事をする癖がある。 また、人を呼ぶ時もあまり固有名詞を使わず、 「お前」「そこの」「そっちの」等の代名詞に頼りがち。
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《ゆうがく2年生》ドリス・ホワイトベル
 リバイバル Lv12 / 芸能・芸術 Rank 1
【外見】 緑のショートウェーブ つり目 色白 実年齢は15歳だが昔から栄養あるものを食べさせて貰えなかったせいであまり成長出来なかった 【性格】 弱気な中二病 努力家 照れ屋 ちなみに、何故か光属性に拘ってるが名前がホワイトベルなんだから光属性であることを譲りたくない為らしい。 が、種族上どうあがいても闇属性である。 小さい頃に捨ててあった白猫のぬいぐるみ ボロボロで目がとれかけてたから眼帯をつけてあげた 今では白猫はお友達 名前は『ミルク』 よく腹話術でお話してくれるけど口が動いていて腹話術にならない。 【入学理由】 誰にも見向きもされなかった為、友達が欲しくて仕方がない ※アドリブ大歓迎
《ゆうがく2年生》御影・シュン
 ルネサンス Lv11 / 黒幕・暗躍 Rank 1
おおっ!貴殿…初めましてでござるな!? しかも拙者と同じく新入生と見える! これは自己紹介といくでござろう! 拙者は御影・シュンでござる!あ、「ミカゲ」が苗字でござるよ。 種族は見ての通り祖流種…ルネサンスで、専攻は黒幕・暗躍科でござる! 敵地に忍び込んでの情報収集や、嫌いなあんちくしょうの闇討ちはお任せあれでござるよ! ……あ、物騒でござったか? そうでござるなー…居なくなったペットの捜索とかも請け負うのでござるよ!犬いいでござるよね!なんか親近感湧くー! 細々とした依頼は是非、拙者を頼って下され!…成功報酬は頂くかもしれないでござるがね? 拙者、ご学友の皆と比べるとちょーーっと歳が行っているでござるが、仲良くしてくれると嬉しいでござる! ◆プロフィール 狼のルネサンス 身長176cm 赤味がかった茶の短髪 素早く動く事に特化したしなやかな筋肉を持つ 顎と口元にかけて刀傷の跡が残っている 性格は明るく、社交的 表情がころころと変わり、喜怒哀楽もやや大げさに表す ただし人によっては、その感情に違和感を覚えるかもしれない 実は「ござる」口調はキャラ付けの意味で使っている ボロが出ると標準語になる 「シノビも客商売でござるからね~。キャラ付けは、大事。」 ※アドリブ歓迎でござるよ! ※フレンド申請も歓迎でござる!
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け

解説 Explan

●目的
 壊れた男雛を修復してひな壇に戻して下さい。
 もしくは、『すべての人形』を破壊して下さい。

●フィールド情報
 走り回れるほどの広さを有する共用スペースです。
 共用スペースの片隅には、壊れてバラバラになった男雛が転がっています。

●敵情報
 以下の情報はすべて、女雛によって語られたモノです。
 人形は持っている道具によって、能力が異なります。
 人形達が持つ一部の道具は、PCでも使用可能です。

 男雛がひな壇にいる時、もしくは近くにいる時、すべての人形は動きを止めます。

 ・三人官女
  加銚子(くわえのちょうし):酒器を使って、他の人形を再生します。

  長柄の銚子(ながえのちょうし):長い柄のついた器を巨大化させて攻撃してきます。

  三宝(さんぽう):盃を投げて攻撃してきます。盃は投げた後に巨大化します。

 ・五人囃子
  太鼓(たいこ)、大鼓(おおかわ)、小鼓(こかわ):各々の太鼓を叩き、音を聞いた『半径およそ3メートル以内にいる者』を『麻痺』させます。種類によって麻痺の威力が異なり、小鼓(こかわ)、大鼓(おおかわ)、太鼓(たいこ)の順で強くなります。この麻痺は特殊なもので、時間経過によっても回復しますが、3種類の音を同時に食らった場合、最低でも10秒は動けないでしょう。

  笛(ふえ):笛を吹き、音色を聞いた『半径およそ3メートル以内にいる者』を『睡眠』させます。笛の音が鳴り響いている間、効果を受けている者は絶対に起きません。

  謡(うたい):扇を振って『風の魔法』を発生させます。かまいたちのような小さな風の斬撃で、布の服を切り裂く程度の威力はあり、射程はおよそ5メートルと見られます。

  五人囃子には『必殺技』があり、5体で『能』を演じると、半径およそ2メートル以内に凄まじい衝撃波を発生させます。


●味方情報
 ・女雛
  半径およそ2メートル以内にいる人形の動きを、数秒だけ止めることが出来ます。1度使った後、数分のクールタイムを要します。


作者コメント Comment
 こんにちは、こんばんは、くそざこあざらしです。

 ひな人形が暴走しました。このままでは多くの女生徒が寮に戻れず、困ってしまいます。
 人形を『すべて』破壊するか、もしくは男雛をひな壇に戻すか……選択によって、迎えるエンディングは異なるでしょう。
 もしかすれば、少し悲しいモノになるかもしれません。

 難易度は『難しい』ですが、協力すれば十分に成功出来るエピソードとなっております。

 それでは、皆様のご武運をお祈りいたします。


個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:108 = 90全体 + 18個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
しゃーなしで人形沈静化のお手伝いするねぇ。
ザコちゃんは前衛ってか、官女とか五人組の気を引く係的な?
まず向かうのはおっきくなる棒官女だけど。

棒の攻撃は【基本回避Ⅰ】で避けて官女に接近で捕獲出来ればいーなー…って感じだけど、世の中そんなに激甘じゃないかもしぃ?
もし避けらんなかったら【基本棒術Ⅰ】な【全力防御】と【忍耐力】で凌げたらなぁ。
何にしても官女の捕獲できたら、棒は使えないようにどーにかしてから、首にでもかけといた【荷物カバン(小)】の中にぶち込んで頭数減らしに。
他の人形のお手伝い助力したら困るしぃ?

その後は修復組に注目が向かないよーに【挑発】かましとこ。
へいへーい。行動のセンスがいまいちー。

グレイ・ルシウス 個人成績:

獲得経験:135 = 90全体 + 45個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
担当:前衛、囮、陽動

行動:
共用スペース到着前に救急箱の包帯と消毒液から
耳栓作製を仲間に委託。音の遮断が確認出来るまで微調整

女雛には【笛】を抑えを交渉して依頼
荷物カバンに隠れ潜んで貰い、現地まで持ち運ぶ

到着直後、五人囃子を無視して三人官女まで突貫
五人囃子が立ち塞がるなら奇襲攻撃で強行突破
「能」が始まる気配には危険察知で対応
無事先手が取れたら女雛で【笛】を封じ、忍者に奇襲の合図

以後、加銚子を抑えつつ女雛への攻撃は極力庇う
後衛の魔法で三人官女に隙が出来たら
三宝の【杯】を奪おうと、する素振りをフェイントに
盾を武器等敵+精密行動で長柄の銚子の【長柄】にぶつけ
本命の【酒器】使用を誘う事で、奪う機を生み出す

オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:135 = 90全体 + 45個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
まったく、何をどうしたらこの人形が動くのか気になりますね。
後でその仕組みを調べたいので、壊すなんてとんでもございません。
直しますよ。
あぁ先生、そこのドラゴニアの女の子はふん縛っといてくださいね。

用意してくださった耳栓を付け
僕は後ろで仲間を【リーラブ、リーソル】回復支援しつつ
安全に修繕できるよう【陣地作成】発動。
バラバラになってしまった男雛をドリスさんが回収したら
陣地にて男雛の修復に取り掛かります。

「設計」スキルで部品がどう接続するか判断を付け
ドリスさんの修繕を支援します。
ただ、半分以下の体力の仲間がいたら少し回復に専念。

仲間による酒器の奪取が出来た場合、酒器を直す為に使う。

ドリス・ホワイトベル 個人成績:

獲得経験:135 = 90全体 + 45個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
男雛を集めて修繕、雛壇に戻す

【行動・心情】
人形さん、壊されてひとりぼっちなの…?

あたし、ミルクの修繕をいつもしてるから治せるかも
ね、ミルク!
ドリスにかかればあっという間にゃー!(ぬいぐるみ抱きあげ)

私が持ってる物を加工して皆に耳栓を作るわね

あとは…物理攻撃は大丈夫だけど「扇」は怖いから
「扇」がなんとかなるまでは『演奏』で太鼓の音をかき消せないか試してみるわ
あとは、必要があれば『鼓舞激励』で回復も出来たら

扇がなんとかなったら人形さんを回収するわ!
怖くないわ『物質透過』で攻撃をやり過ごせる
だから落ち着いて探すのよ

全部集めたらオズさんと一緒に修繕するわ

「酒器」で回復できるならしてあげたいな

御影・シュン 個人成績:

獲得経験:108 = 90全体 + 18個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
拙者は第一に【扇】の奪取の為動くでござる

部屋に入る時は皆の陰に隠れる様にし
他前衛達に気を取られている隙に奇襲攻撃Ⅰで【謡】を狙い、扇を奪う
一度目で奪えなかったら精密行動Ⅰでもう一度狙うでござる

扇の処理成功後は【酒器】奪取を支援しつつ、修復班が働ける様に戦場を動き、人形達の妨害を行うでござる
人形が複数で固まっている場合には厚手の布を被せたいでござるな

扇と酒器の奪取後も可能な限り人形から道具を奪う様に動くでござる

男雛が修復されたら、設置までのフォローを行うでござる

◆耳栓
耳栓制作班に依頼
獣耳に綿玉を詰め、上から包帯を巻く形

聴覚情報が少なくなるので視覚情報を重要視
至近距離での楽器攻撃には特に警戒を行う

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:108 = 90全体 + 18個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
●目的
人形達を止めるために力を尽くします

●行動
人形達は男雛を戻せば止まるらしいので、壊れた男雛を直して戻す時間を稼ぎましょう
なので、私は盾役として人形達から皆さんを守るために行動
五人囃子の奏でる音色はこちらの動きを封じるようなので、用意してもらった耳栓をつけます

戦闘時は三人官女の三宝を相手にして、飛び道具の脅威が他の方に向く前に対処します

戦闘時は【防護魔力】を『おおなべ』に展開
【全力防御】と【衝撃享受】と合わせて攻撃を受け止め、地面に叩き落とします

そのまま防御しながら前進。武器を失った官女を捕まえて【荷物カバン】にしまって無力化させます
その後、隙が出来たら【酒器】の奪取して修復班に渡します

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:108 = 90全体 + 18個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
■役割:男雛回収妨害の妨害

■行動
【プチヒド】を【精密行動】で謡の【扇】を攻撃し破壊、もしくは使用不可にさせる。最悪、謡と共に【扇】を燃やす。

次に、男雛回収の仲間の支援に回る。
人形が回収を妨害した場合は【プチヒド】で攻撃。
特に、【笛】は最優先で攻撃。
複数が妨害に出てきた場合は【厚手の布】で人形を覆って袋状に結んで閉じ込めれないか試みる。

また、隙があれば【自然友愛】で精霊を呼び出して人形から【酒器】を奪取できないか試みる。

■アドリブ度:A

リザルト Result

 春の宵(よい)、雪洞(ぼんぼり)うかぶ雛(ひな)の城、挑(いど)みし勇者は7人の雛。
 だが、この任務を乗り越えれば彼らは雛でなくなる。それでもまだ一人前と呼ぶことは出来ないが、生まれたばかりとは呼べなくなる。とある教師が想定しているひな人形の強さは、そういう強さなのだ。
「耳栓の具合はどうかしら……? 上手く出来ていると良いのだけれど……」
 立ち入り禁止の看板が置かれたレイアーニ寮、その寮の前で【ドリス・ホワイトベル】は仲間達に聞いた。
 仲間達の耳には、各々が持っていた布や包帯をドリスが加工した、お手製感あふれる耳栓がはめられている。それらはきっと、ひな人形の楽器に対抗するために作ったモノだろう。
 だが、ドリスの問いかけが聞こえているということは、つまりそういうことだった。
「あー……付け心地はすっごいいーよねぇ。ザコちゃんの耳にちょうどジャストフィットしてるし。さっすが白猫ペアのリバイバル様。あーんなやっすい包帯でも、こーんな耳栓が作れるなんてすっごぉい」
「そ、そうでござるな! うむ! ザコちゃん殿の言うとおりでござる! 拙者の布をいったいどのように加工すれば、このような便利なものになるのか! まったく検討がつかないでござるよ!」
「皆さんひとりひとりのお耳の形に合わせて、作っていただけたんですよね! ドリスさんの愛情が、まるで耳から伝わってくるようです! こんな耳栓が作れるのは、ドリスさんしかいません!」
 【チョウザ・コナミ】と【御影・シュン】(みかげ シュン)、そして【ビアンデ・ムート】は、核心には触れずに耳栓を褒めた。実際、付け心地は良かった。はっきり言っておくが、決して嘘ではない。
 ただ3人にはドリスの声が聞こえていて、ドリスには3人の声が聞こえていた。
「ご、ごめんなさい……。あたしがもっと上手く作れれば、うぅ……。ちゃんと音を防げたかもしれないのに……」
 耳栓は音を防ぎきれていなかった。
 しかしそれは、ドリスが悪いわけでも、誰かが悪いわけでもない。
 完全防音の耳栓を作ることは、祭りの後よりも静かな世界を得ることは、様々な素材と技能を必要とすることであり、ここにいる7人では実現不可能なことだった。
 だが、悲観しなくてもいい。すべてが無駄だったというわけではない。
「大丈夫ですよ、ドリスさん。皆さんの声は確かに聞こえていますが、『聞こえている』というよりも、『聞き取れなくはない』といった感じです。耳栓が役割を果たしていないわけではありません」
「そうだねえ。聞こうとしないと聞こえない、って感じかな。フフ……これだったら、人形の楽器には有効なんじゃないの? そもそも俺達には、演奏を聴く気なんてないしねぇ」
「俺も同意見だ。戦闘になれば、『雑音』は聞こえなくなる。この耳栓があれば、より聞こえないだろう。……味方の声にだけ耳を傾けていれば、問題はない。これで十分だ。礼を言う、ぬいぐるみ娘」
 【オズワルド・アンダーソン】が言ったとおり、耳栓は耳栓としての役割を果たしていて、【プラム・アーヴィング】と【グレイ・ルシウス】が言ったとおり、戦闘中に彼らが音楽を聴くことはないだろう。
 聴いていない音楽に影響されることはない。心を動かされることはない。それはつまり、効果を受けないということだ。
 ここにいる7人に、五人囃子(ごにんばやし)の演奏は届かない。
 もっとも、五人囃子の『必殺技』だけは別だが。
 ――前置きはこのぐらいで良いだろう。
 女雛(めびな)はグレイのかばんに隠れ、7人は各々の武器を手に持ち、立ち入り禁止の看板を横切って、ひな人形の城へと足を踏み入れる。

 寮の入り口からひな人形が置かれている共用スペースまでの廊下は短く、元気の良い女子生徒なら数秒で駆け抜けてしまえるほどだ。
 その廊下を7人は、まるで門限を破ってしまったかのように、怒られないように、誰にも気づかれないように、息を殺しながら進んでいた。
 先手必勝。あるいは不意打ち上等。それは卑怯でも何でもない。人形達と7人の戦力を比べれば、卑怯とは呼べない。
 狙うはまず、扇の強奪。もしくは無力化。魔法を使えなくして、五人囃子の必殺技を防ぐことが、7人の最優先事項。
 ――先頭を歩いていたグレイが、廊下の角の手前で立ち止まる。
 その一瞬の間が何を意味するのか、グレイは言葉にしなかったが、6人は理解していた。
 グレイが毅然と1歩を踏み出すと同時に、チョウザは悠然と、ビアンデは粛然と、シュンは隠然と、オズワルドは泰然と、プラムは艶然と、ドリスは凛然と、動き出す。
 戦闘開始だ。
『――っ! 鎧――貴様、何奴(なにやつ)っ!?』
 共用スペースの入り口、手前には五人囃子、奥には三人官女(さんにんかんじょ)。
 耳の良い五人囃子ならばグレイの足音を捉える可能性は高かったが、グレイは幸運にも奇襲に成功した。
 五人囃子を無視して、グレイは三人官女に突っ込む。
 その五人囃子を横切った際に、グレイはカバンに手をかけていた。
「笛を封じろ、女雛」
 グレイの淡々とした声の後、『動くな』という凛とした声が共用スペースに響く。
 影響範囲は2メートル以内とそこまで広くないが、女雛の声は絶対遵守の鶴の一声である。嫌っているとしても、ひな人形であれば逆らえない。
 さらに、その声を聞いてしまったのは『笛』だけではなかった。
 ひな人形の性(さが)とでも言うべきか、そうしなければならない決まりでもあるのか、五人囃子も三人官女も、近くで並んでいたのだ。
 五人囃子を5体並べても、その幅は2メートル未満。
 つまり、五人囃子すべての動きが止まった。
(好機到来――これはむしろ失敗する方が難しいでござる!)
 女雛が叫ぶとほぼ同時に、シュンは仲間の影から抜け出し、五人囃子の扇に向かって駆け出していた。
 三人官女はグレイの後に続くチョウザとビアンデに気を取られている。五人囃子は動けない。この状況下でシュンが失敗することは、五人囃子が6体に増えるぐらいあり得ない。
 もっとも、シュンの身のこなしならば好機でなくとも成功していたが。
 小さな人形に滑り込むようにして近づき、シュンは小さな扇と、扇の近くにあった小さな笛を奪い、ちらりと後ろを見て、その場からすぐに離れる。
 シュンの後ろにいたのは、薄っすらと微笑む修道士。
 その表情から何を考えているのかは読めないが、怪しく光る目と、手に持った大きな布から、プラムがよからぬ事を考えているのは明らかだった。
「丁寧に扱うべきなんだろうけど、この場合は『多少』、しょうがないよねえ」
 全長15センチあるかないかの人形5体を、人の体に巻きつけられような布で包み込むことは、不可能ではないだろう。
 プラムは五人囃子すべてを布で包み込み、振った。片足を軸にして踊るように、ステップを踏みながら踊るように、振って、床に『軽く』叩きつけた。
 布の中で滅茶苦茶になった人形達を、プラムは袋となった布の口を絞って、結び、完全に封じ込める。
 その行為を酷いとは言うまい。ひな人形が敵だということもあるが、布にプチヒドで火をつけなかっただけ、まだマシなのだ。
 五人囃子を封じ込める少し前、『男雛(おびな)修繕組』とでも言うべき2人、オズワルドとドリスも動き始めていた。
 否――扇が瞬時にして無効化されたこともあって、ドリスはすでに男雛のパーツを拾っていた。
「ぼ、帽子がこんなところにまで……。これで全部かしら……?」
 お世辞にも戦闘向けと呼べる体格ではないが、ドリスは忍者のように速い。もっと言ってしまえば、ドリスはこの共有スペースで1か2を争うほど速かった。
 『リバイバルだしちょっと浮いてるんじゃないか』と錯覚してしまうような速度で、愛くるしい小動物のように駆け回り、ドリスは男雛のパーツを回収していく。
 その間、オズワルドは『陣地』を作っていた。
 男雛の体が落ちていた壁際で、オズワルドは近くのソファーや家具を転がし、安全に修繕作業が出来そうな陣地を作る。
 医学の道を突き進むオズワルドにとって、このような肉体労働は専門ではない。しかし、オズワルドは粛々と陣地を作り続ける。仲間達を信頼して敵に背を向け、見えないところで歯を食いしばりながら、ドリスが帰って来れる場所を作り上げる。
 ――ここまでの作戦は100点満点で言えば90点以上であり、運が味方したこともあって、ほぼ完璧と言っても過言ではなった。
 しかし――この任務はそう、簡単ではない。かと言って、普通でもない。一筋縄ではいかない。
「ぜぇ……ぜぇ……陣地の作成が終わりました……っ! ドリスさん……っ! 男雛の部品は――」
 オズワルドは絶句する。
 振り返ったオズワルドが見たのは、チョウザが長柄の銚子(ながえのちょうし)に殴り飛ばされる瞬間だった。
 チョウザは長柄の銚子を挑発し、1度は攻撃を避けた。チョウザの身のこなしであれば、そのまま攻撃を避け続け、官女を捕獲することも不可能ではなかった。しかし、何かがチョウザの動きを鈍らせ、不運を呼び寄せた。
 チョウザはそのまま壁に叩きつけられ、床に倒れこむ。
 そしてチョウザの近くでは、同じように飛ばされたであろうグレイが、壁を掴みながら立ち上がろうとしていた。
『チョウザさん! グレイさん!』
 ほぼ同時に、数人がその異常事態に気づく。
 作戦という塔の根元、もしくはだるま落としの1番下。重要な役割を果たしていた前衛が、ハンマーのようなもので崩され始めていた。
「私が長柄の……でもここから動いたら……っ! 誰か……お願い……っ! お2人を……お願いします……っ!」
 防御に全力を尽くしていたビアンデでさえ、ヨーヨーのように手元に戻る三宝(さんぽう)の攻撃を防ぎきるのが精一杯で、2体の相手は出来ない。
 その三宝と長柄の銚子の破壊力が同じであれば――そんなことを考える前に、3人の男達は動いていた。
「ドリスさんは男雛の修復を……っ! 僕はお2人の回復に向かいます……っ!」
「でもっ……いえっ……! 分かったわ!」
 オズワルドは駆け出し、男雛をドリスに任せて、チョウザとグレイの元へ向かう。
「あの皿は……これ以上放っておくのは不味いか。アーヴィング……殿! 長柄の――」
「ザコちゃんとグレイさんに何してるのかなあ……? この人形は……!」
「――言うまでもなかったでござるな」
 シュンはすぐさまビアンデの援護に回り、プラムは長柄の銚子にプチヒドを放っていた。
 ここで感情に振り回されれば、全滅すらあり得る。そう理解していたからこそ、全員が可能な限り冷静に振舞っていた。
 それでも、言葉の節々に動揺と怒りがにじみ出る。
 微笑を崩さずに放たれたプラムのプチヒドは、明らかに人形を消し炭にしようとする威力であり、それを受けて、チョウザとグレイを追撃しようとしていた長柄の銚子は後ろに下がった。
 その隙に、オズワルドはチョウザとグレイに近づく。
「チョウザさん! グレイさん! 今、回復を……っ!」
「俺は……いい。モブを見てやれ……」
「ザコちゃんは……げほっ……こーゆーのも役目だからさぁ……。先に……」
「黙って……ろ。……俺は『先に』行く」
 まともに立ち上がることすら辛いはずだが、立ち上がったグレイはダメージを感じさせぬ足取りで、長柄の銚子へと向かっていく。
 その背中を見ながら、オズワルドのリーラブによる回復を受けながら、チョウザは少しだけ笑っていた。
「ザコちゃんはいい……って。それより、あっちの援護手助けをさ……」
「これが僕の役目ですから」
 チョウザがモブを志すように、オズワルドは医者を志す。その意思を止めることは、誰にも出来ない。
 オズワルドに押し切られ、チョウザは押し黙る。
 チョウザの視線の先には、人形の攻撃を凌ぐ仲間達。プチヒドがかなり有効なのか、拮抗しているようにも見えるが、それもプラムの魔力がなくなるまでだろう。
 この形勢を立て直し、そのまま押し切るには、モブが必要なのだ。
 笑みを浮かべながら、チョウザは人形をにらみつけていた。
「……やられっぱなしってのも、ねぇ」
「チョウザさん……!? まだ回復し切っては……!」
「いやじゅーぶん。それに、ザコちゃんも役割果たさなきゃダメじゃん?」
 チョウザは立ち上がり、鉄の味がする唾を飲み込んで、長柄の銚子に向かって駆け出す。
「チョウザさんが……戻られる前に……せめてこの官女だけは……っ! 私の力で、どうにかしてみせます!」
 チョウザを横目で捉えて、ビアンデは盾を握る手に、真っ赤な液体が滴る手に、力を込めた。
 ここまで三宝の攻撃を受け止め続けていただけでも凄まじいことなのだが、それと同時に、ビアンデは盃を地面に叩き落そうと試みていた。
 そこまで器用なことをするのは難しかったのだが、ビアンデの努力が、献身的な防御が、ようやく実を結ぶ。
 数度目の攻防の直後、パキンという音を立てて、盃にヒビが入った。
 三宝は一瞬だけ動きを止めて、その後ろに、加銚子(くわえのちょうし)が現れる。
「盃が……盃が! 今がチャンスです! 皆さん!」
 ――恐らく、最後の混戦。
 グレイは1歩大きく踏み出し、長柄の銚子を無視して、三宝の盃に手を伸ばす――が。
「……あまり、人間をなめるな」
 その動きはフェイントだ。
 隙を見せたグレイを狙う、嬉々とした長柄の銚子が手に持つ銚子の柄に向けて、グレイは盾を思い切り投げつける。
 柄か盃か、迷いが生じた加銚子に、グレイは手を伸ばし――。
「そちこそ……人形をなめるなよ小童ァァ!」
 長柄の銚子は跳び上がり、盾を器で受け止め、そのまま打ち返さんとしていた。
 しかし、不可能だ。盾を打ち返す前に、長柄の銚子は打たれる。
 跳び上がった長柄の銚子の後ろで、チョウザがひのきの棒をバットのように構えていた。
「へいへーい。バッターびびってるぅ?」
 赤く染まった歯を見せて笑いながら、チョウザはひのきの棒をフルスイングする。
 ヒットかホームランか、確認するまでもないと思ったのだろう。グレイは振り返らずに酒器を奪った。
「フフ。これでチェックメイト……ってやつかな」
「将棋で言えば詰みでござるな!」
「え、えっと! これで……終わりです!」
 残った三宝に、プラムとシュンとビアンデは攻撃を仕掛ける。
 三宝は最後の抵抗をしたが、盃を犠牲にしてプチヒドを相殺し、盾とナイフを回避したが、そこまでだった。
 武器を失い、再生する力を失い、三人官女の2体に残されたのは、言葉だけ。
「この……この餓鬼共がッ! 我らを愚弄するような真似を……必ずや死を以って――」
 そしてその言葉も、最後の最後には失う。
「控えおろぉ~! ひっ……控えっ……控えおっ……控えるにゃ~!」
「貴様っ……!? バカ……なっ……!?」
 1回目は勢いで言えたが、2回目は恥ずかしくなったのか、ドリスはぬいぐるみ『ミルク』の手と、男雛を振りながら言った。
 ドリスは――男雛を完成させたのだ。
 男雛の修繕そのものは、そこまで難しいものではなかった。
 問題は、パーツを集めることが出来るかどうかだった。
 『物質透過』を使っていたドリスは、障害物をすり抜け最短距離を移動し、すべてのパーツを集めきって、酒器を使わずに男雛を完成させたのだ。
 男雛を持って近づいてくるドリスに、三人官女は何もすることが出来ない。女雛と同じ、鉄の掟(おきて)。男雛がひな壇にいる時、『もしくは近くにいる時』、ひな人形達は動けない。
 そして、男雛は壇上へと戻される。
 ――かくして、7人の『雛』祭りは無事に終わった。

 酒器は『一部の道具』であり、人形でなくとも使うことが出来た。
 すべての人形達は再生され、リセットされ、ひな壇には9体の人形が並ぶ。
 後は、男雛の横に女雛を置くだけだ。
「あなた達のおかげで、どうにか大事に至らずに済みました。ありがとうございます」
 座った姿勢で固まったまま、女雛は生徒達に礼を言った。
 その言葉を聞いて、チョウザは笑う。
「床とか焼け焦げてるしぃ、ザコちゃんはまだぽんぽん痛いしぃ、大事とは言わずとも中事(ちゅうじ)ぐらいにはなってると思うんだけどぉ」
「床は俺が燃やしちゃったんだけどね。あ、反省はしてるよぉ。……まさかとは思うけどさ、もしかしてって感じなんだけどさ、ザコちゃん拗ねてる?」
「さぁー? どーだろーねぇ?」
 冗談なのかマジなのか、チョウザとプラムの笑みからは分からない。ただ、楽しそうではあった。
 そんな2人を見て、シュンは呟く。
「うむ。終わり良ければすべて良しでござるなぁ」
「ゆ、床はそのままで良いのかしら……? ちょっと不安なのだけど……」
「大丈夫ですよ、ドリスさん。戦闘による被害は、先生方も想定されているはずっ――」
 ドリスの言葉を聞いて、ビアンデは焼け焦げた床を足で確認するように踏んだ。
 その床が『バキィ』と音を立てて割れたのを見て、ビアンデは目を泳がせた。
「――こ、この程度であれば、特に何か怒られるようなことはない……はずです。と、思われます。たぶん、ですが」
「ど、どんどん不安な感じになってるにゃー!」
 生徒達と女雛は反省会というか、別れの挨拶というか、雑談に花を咲かせていた。
 その円から少し離れたところ、小さな箱を取り出して何かをしているグレイに、オズワルドはそっと近づく。
「……傷の具合はどうですか?」
「問題ない。……問題は、俺が官女の攻撃を受け切れなかったことだ。実行出来ぬ作戦になど――」
「終わり良ければ、でしょう? 傷を見せて下さい。そんな消毒液で、どうにかなる傷ではないはずです」
「……何度言えば」
「傷を、見せて、下さい」
「……世話になる」
 7人はその後、女雛を元の位置に戻して、祭りの会場を後にした。
 祭りの後の静けさは寂しいが、悲しくはない。名残惜しいこともない。7人の表情は明るく、その足取りはしっかりとしている。
「予想外ではあったが……無事に終わって何よりだ。ふふ……」
 その様子を見ながら、どこか遠いところで、とある教師は呟いた。



課題評価
課題経験:90
課題報酬:2000
ドールズ・フェスティバル
執筆:くそざこあざらし GM


《ドールズ・フェスティバル》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-03-02 00:08:13
全員課題とか広場とかでお目見え面識な気がするし、自己紹介は割愛省略。
なんか難し厄介そうな課題だけど、それなりに収まるといーねぇ。

で、まず何よりの指標は、あの人形をぶっ壊すかお直し修復か、だよねぇ。そこ決めなきゃ方針作戦決めらんないし。

とりまザコちゃんはぶっ壊し派で。
個人的にあの手の人形にいい思い出がそんなに…ほとんどないって言う私怨半分、
ちょっと触った程度でああなるもの放棄放置はあまりに危険危うすぎない?ってのが半分。

他のゆーしゃ様が心大海原でお直し派多めならそっちに寄せてくけどね。
それでもお直しが遂行不能に見えたら壊す方針、ってのは揺るがなぶれないかも。

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 2) 2019-03-02 00:38:29
黒幕・暗躍科専攻、御影・シュンでござる。
皆々方、よろしくお願い致す。

>指標
ふむ。拙者は修復に一票でござる。
特殊な力が宿り現在暴走しているとはいえ、道具とは使い方次第。
出来うる事なら元に戻してやりたいでござる。
というか、そんな人形を警告文もなしに設置していた先生方がどうかと思うでござるよ…。

ただしザコちゃん殿と同じく、修復できぬと判断した場合は自体収束の為に動きたいとも思っているでござる。

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 3) 2019-03-02 03:30:19
ふむ。昨今良く見る顔が並んでいるな。
そこのリバイバルの娘はほぼ初見の様な気がするが……まあ良い。
黒幕・暗躍コース、グレイ・ルシウスだ。
今回は件の人形が魔物か、魔物でないかを確かめに来た。

さしあたり破壊、修復については……
必要最小限の破壊は、選択肢として持たざるを得ないだろう。
破壊出来ん。よって攻撃0で捕獲する。では余りにリスクが重すぎる。
ただ、破壊すべきはどちらかと言えば人形そのものより「道具」だ。

加えて人形の再生効果がある加銚子だけは是が否でも奪取しておきたい。
こちらが使えるならば破壊して良い範囲が広がる。
縦しんば使えなくとも敵が回復しなくなる。デメリットがない。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 4) 2019-03-02 08:49:40
賢者・導師コースのオズワルド・アンダーソンです。
よろしくお願いします。

僕は動く雛人形自体に興味があるので出来れば壊したくはありませんが…
やむを得ません。
ですが、やはりさすがグレイさんよく見てますね。
道具もとい彼らの武器を取り上げるか破壊するかは1つの手ですね。
女雛のおかげでクールタイムはあれどやりやすいですしね。
その形で話を進めるのであれば、役割と優先順位を考えましょうか。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 5) 2019-03-02 11:03:52
勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。皆さんよろしくお願いします

個人的には修復も考慮して動きたいなと思ってます
あまり雛人形を壊したくないというのもありますが、見たところ結構厄介な能力を持ってる人形が多いですから、それらと戦って勝つより人形一つ直して設置する方が、場合によっては穏便かつ早く決着するんじゃないかなと

とはいえ、私自身防御はそれなりですが手先の器用さはさほどではないのでどこまでお役に立てるかわかりませんが……

《ゆうがく2年生》 ドリス・ホワイトベル (No 6) 2019-03-02 15:25:08
え、えっと…。
芸能・芸術コース所属…リバイバルのドリス・ホワイトベルです…。
(ぬいぐるみを構えて)
僕はドリスの使い魔のミルクだにゃー!宜しくなんだにゃー!
(両手を振りながら)

…あ、あたしは…できれば修復する方で行きたかった、けど…。
さ、裁縫なら…LV1で持ってたからできれば修復したいんだけど…。

皆が、壊す方で行くなら…そっちに合わせる方がいい、かな?

どっちかにしないと、ダメよね。
(ぬいぐるみ抱きしめながら)

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 7) 2019-03-02 15:55:15
ん、これで一応参加するゆーしゃ様と追加でおいでませな大盾の女ゆーしゃ様の達の意見で揃い系?
基本みんな心大海原で修復考え系な感じぃ?きゃー、ザコちゃん排斥されちゃーう。

あー…(課題の詳細をチラ見)そっか。あのなんかよく分かんない棒が仮にザコちゃん達にも使えんなら、
極端な極論、それ以外全部ぶっ壊し破壊して、悠々と男雛を真っ先に直せばあとは急がずのんびり、もできんだもんねぇ。
まず気になり所は、どうやって真っ先にあの修復できる棒を確保するか、ってと、使えるかの確認法?

【裁縫】はザコちゃんも使えるし、もうちょっと練習訓練したらしゃあなし修復出来なくも…
まで言いながら思ったんだけど、壊れた状況(描写?)を見るに、あれあんまり布部分の破損はない系かなって。
紙雛か陶器雛か木製か混ざり混合のハイブリッドか…は不明未知数だけど、ぶん投げて壊しちゃったっぽいしね。

とはいえ、備えあればうれしいな。あの修復棒が使えない時のために縫い繕う用意しとくのはきっといーんじゃん?
選択肢はあればあるほどいーんだし。良きにも悪しきにも、ねぇ。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 8) 2019-03-02 23:11:31
飛び入り参加可能なパーティー会場はここ?
…なーんて。
こんばんは。まだ空きがあったから途中からだけど参加させてもらうね。
俺はプラム・アーヴィング。賢者・導師専攻コースだよ。

今のところ修復、厄介な人形だけ破壊か無力化を試みる感じで話が纏ってる感じかな。

【加銚子】を最優先で対処しつつ、欲を言えば【五人囃子】の一体も破壊しておきたいな。
というのも、一体でも欠けたら必殺技使えなくなるんじゃないかなって思惑。


で、ザコちゃんも言ってるけど、男雛の修復ってどうするの?
まさか、加銚子の持ってる【酒器】の使用?
そうすると、【酒器】は破壊より奪取したいけど…この奪取したのは人間か女雛でも使えるのかな。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 9) 2019-03-02 23:15:23
人間でも「一部」の道具は使用可能って女雛は言うけれど、【酒器】はそれにあたるのか否かで大分頑張りの方面変わってくるよね。

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 10) 2019-03-02 23:40:21
ぬいぐるみ娘は宜しく頼む。
裁縫は有用だろう、何せ布類の道具破壊に躊躇をしなくて済む。
2人が使えるのであれば、助かる。

基本、男雛の修復と人形の無力化は同時並行出来ると考えている。
なので、修復に力を割く者が居ても良い。
加銚子の酒器が使えれば一気に手順が省略出来るとは言え、
確かに「一部」に含まれているかは確認の方法もない。
使えない場合に自力で直す手段を用意はしておきたい。

最低限、女雛のアドバイスと時間稼ぎは必須だろう。
あの人形が「生体」であるなら単純に回復魔法が効く可能性もある。
となれば、医学が応用出来るな。本当は、一般技能の「修理」があれば
一番成功の目が高いのだが、俺は魔法はまるで使えん。魔法道具も同上だ。

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 11) 2019-03-03 00:13:57
戦闘に関しては、魔物相手と想定すれば少々細かく意見がある。
まず、五人囃子に関して最優先で警戒する条件は「能が演じられるか」だ。
一体でも欠けたら~と言うのは適切な指摘だ。俺もそう思う。

極端に言えば道具が1つ欠けたら「能」としては未完成になるだろうが、
壊すなら特に【扇】を推したい。「能」には欠かせない一品の様だしな。
何より、裁縫である程度治せる目処が付くと言うのが大きい。

一方で笛や各太鼓は一見脅威だが、ブラフだと読む。
音を聞いた、音色を聞いたと言う条件がある以上
聞いたか聞いていないか、という点は受動側で判断出来なければおかしい。
確りと音を遮断出来る耳栓でも着けておけば、それで無効化出来るだろう。
ソーイングセットとハンカチでもあれば事足りる。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 12) 2019-03-03 13:25:43
ヒールのゆーしゃ様もよーこそ。ここ最近しばらくご一緒同行でお世話様?

聞こえなきゃ影響がないってのは確かに。観客のいない演奏会なんて虚し寂しそ。ふふ。
ただ、耳栓しちゃうとお互いと女の子人形との意思疎通とかも難しめになっちゃうのが困りどころちゃん?
演奏よりも爆音大音量で叫んだり歌ったり………流石に異様な光景音声すぎるか。

てかザコちゃん若干ちょっと思い考えたんだけど。
たぶんおそらく人形たちの大きさって(握り拳を二つくっつけて)こんくらいじゃん?
ならさ、『厚手の布』とかばっさーっ、ってしたらぐわーっ、って布に埋もれて踊るどころじゃないんじゃん?ダメ?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 13) 2019-03-03 23:11:36
そうだねえザコちゃん。
好みが似てたりするのかな?

一時的に時間稼ぎくらいはできるかもね、厚手の布。
でもそのあとに【風の魔法】で切り裂かれてしまうかもしれないから、有効に使いたいところ。

ぶっちゃけると、厚手の布にランタン油を染み込ませてプチヒド着火とか思わなくなかった…けど、屋内だし自重しよう。それに今回は…直す、方向。うん、我慢。
火遊びはほどほどに。

さて、グレイさんも言ってるけど【酒器】の奪取と【能】の妨害を優先して作戦立てる感じだね。
残り日数も少ないので作戦の組みくらいはしっかりさせておきたい所。

んーそうだな、俺は【厚手の布】もしくは人形を捕獲できそうなアイテムで加銚子から【酒器】を奪取したら、正直その他の人形はどうなろうと【酒器】で再生できるんじゃないみたいな考えなんだけど。

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 14) 2019-03-04 00:16:43
実は抜け道として。【酒器】を奪取だけ出来れば
最悪人間が誰も使えなくとも同族の女雛が使えるのではないか。
という案はあるのだが……幾ら何でも台無しではある。最後の手段にしたい。
厚手の布については、俺も【扇】が健在の間は目眩ましにしかならんと思う。
逆を言えば、無理矢理でも【扇】が壊せれば能の妨害は可能だろう。

とりあえず、前衛である盾の勇者、俺、そしてすまんがモブは
三人官女に対応すべきだろう。斥候の忍者は【扇】の破壊か奪取。
魔法使いは正に火遊びになってしまうが、人形の移動阻害を頼みたい。
特に【扇】の対応と、男雛回収の邪魔を防げると成功確率が格段に上がる。
相手も人形だ、燃やされる事に嫌悪感は有るだろう。

最低前衛3人は耳栓が有ると良いだろう。
それぞれ担当さえ決めてあれば指示は原則不要の筈だ。
ぬいぐるみ娘は物体通過が出来るな。男雛を回収して修理を頼みたい。
注意は前衛が惹きつけられると思う。【扇】が対処出来たら走って欲しい。
【扇】以外物質透過したぬいぐるみ娘にダメージを与えられる攻撃手段は
今回一切存在しない筈だ。出来るか。

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 15) 2019-03-04 00:32:13
そして医師見習いの賢者は設計技能を持っているな。
男雛修理の手伝いを頼めるか。どの部品がどう接続するか判断が付く筈だ。
恐らく魔法道具の扱いに関してはそちらが今回の面々では
最も長けていると見ているのだが、どうだろうか。

あとは女雛の投入タイミングだが、初っ端に五人囃子の【笛】を止めたい。
前衛が抱えて笛の効果範囲まで踏み込むのが確実だ。
誰もする者が居なければ俺がやるが、希望はあるか。
尚、それ以外の前衛2人と斥候。3人はそれぞれ誰でも良い。
手が空いたら【酒器】を奪いに行く。男雛が直ったならばこれで詰みだ。

と、大体およその流れは作ってみた。
『前衛3人が耳栓を付けて五人囃子を無視し三人官女へ向かう』

『女雛で五人囃子の【笛】を止める。五人囃子の注意が前衛に向く』

『斥候が奇襲し五人囃子の【扇】を奪うか、破壊する』

『ぬいぐるみ娘が男雛を回収して後衛に戻り、賢者と修理に入る』

『男雛が直るか三人官女の隙をつき【酒器】を奪い次第残りは全力足止め』

『後衛の誰かが男雛を雛壇に据えれば勝利』という感じだな。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 16) 2019-03-04 02:51:17
あー、布切れる斬撃の魔法ならそりゃ切れるもんねぇ。出会い頭にぶん投げ広げるわけにもいかないか。

てか今更ながらハンカチよりは【簡易救急箱】の包帯で耳栓作り…作ってもらって?の方が肌触りも気密性もいーのでは。
と、思わなくもないザコちゃんであった。包帯もピンキリだから安物だとゴワッとしてあれだけど。

ひゅー、作戦表見やすーい。クールな鎧様、つくづくこーいう献策対策強いよねぇ。
矢面に立つのには慣れ慣れ案件だからザコちゃんもおっけーだし、どれ官女の担当でもいーんだけど。
…これ一時的に官女…は万が一的にダメか。修復棒以外の道具ならぶっ壊し破壊してもいー感じ?それもダメ?
こう、あの手の人形を前にしてやっぱ色々思い返………あー、合わないものって世の中あるし、ね、うん。

官女…五人組のもだけど、人形自体はもし捕獲できんなら、【荷物カバン(小)】にでもしまい込み収納しとけば安心なのかな。
ほかの道具使うこともないだろーし、それこそ『能』とか踊れなくなるだろーし。
内部で暴れて壊れたら?…考えてない。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 17) 2019-03-04 09:21:42
グレイさん、作戦の立案ありがとうございます
では私は三人官女の対応にまわります。幸い物理攻撃しかして来ないので、盾役として頑張ればなんとかなりますね
……巨大化した器や盃が迫ってくるのはチョッピリ怖いですけど、そこは頑張って気を張って耐えてみせます!

耳栓については、包帯や布をそのまま使うより水気のあるものを使えばもっと効果的と聞いたので、自分の汗なりを使って作ろうかなと思います
あくまで応急的ですが、戦闘が終わるまで持てばいいのでそれで問題ないでしょう

>カバンにしまっちゃう
暴れて壊れる前に振ってみるというのはどうでしょう?
人形に器官みたいなものが備わっているかわかりませんが、少なくとも動きは封じられるはずです
……振ってる間に壊れちゃったら、その、とりあえず戦闘が終わるまで散らばらないように保存をお願いするという事で

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 18) 2019-03-04 15:02:57
モブの言ではないが、適材適所だ。
出来る者がやれば良い。出来ないことは、すまんが頼る。

……なるほど、包帯か。言われてみればその通りだな。
確かに盾の勇者の言うように戦闘中保てば何でも良いが、
少しでも肌触りが良い方が良い、と言うのも分かる。
工夫してみると面白いかもしれん。

道具に関しては、最悪邪魔なら破壊してしまっても
良いと思うがな。その程度なら作り直せば良いだろう。
少なくとも、人形その物を作り直すより遥かに容易の筈だ。

鞄にしまう、はここぞと言う時の切り札にはなりそうだな。
少なくとも道具を巨大化させる官女2体には有効だろう。
……振って壊れないようには、気を付けて欲しいが。







《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 19) 2019-03-04 15:48:45
グレイさんは作戦を纏めていただきありがとうございます、
皆さんに案をいただくばかりで申し訳ない。
設計技能は陣地作成用に用意してたのですが、人形修復のお役に立てるのであれば
後衛の回復役で行いつつ、人形の回収ができましたら離脱してドリスさんと人形の修復に集中させていただきますね。

あと、ドラゴニアの女の子には男雛様に謝罪してもらいませんとね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 20) 2019-03-04 22:53:57
頼られたからには、最低限はこなせるよーに、やらかし

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 21) 2019-03-04 23:04:51
(あからさまな咳払い)…ま、相当な失敗のないよーにだけ?実力不足とかは知らない。
ただ救急箱持ち込みなぶん【ソーイングセット】は持ってけないし貸し借り禁止な校則だし、
耳栓作りは白猫ペアのリバイバル様におまかせ案件。

道具なら壊してよさげなんだね、…ねぇ?もし治らなくっても煮干でも持たせとけばいーんじゃん。たぶん。似てるし。
ってな訳でザコちゃんはあのでっかくなる棒官女か投げてくる官女のどっちかに行くつもりだけどぉ?
大盾の女ゆーしゃ様、どっち官女いきたいとかあるぅ?ザコちゃん選ばれなかった官女の道具ぶっ壊…対応に行くねぇ。

何気に明日いっぱいでプラン受付締切だし、ぼちぼち決まった作戦を下地原型にして、書き始めるのが良き良きじゃん?

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 22) 2019-03-04 23:28:20
とりあえず、盾の勇者とモブ、忍者の3名は
「隙が出来たら【酒器】の奪取」だけは忘れないでおいて欲しい。
そこが抑えられんと【扇】や【笛】、破壊した道具を再生されて
最悪ジリ貧に陥る可能性がない訳でもない。

耳栓は包帯の量を調整すれば剣で切って消毒液で濡らし
雑に作れないことも無い……とは思うが、縫って貰う方が確実か。

ふむ。確かに男雛への謝罪と、迷惑を掛けるだろう女雛への感謝は
しておいた方が良いかもしれんな。敢えて悪印象を残す理由も無い。

それと、修理組の2人は【酒器】が奪取出来た場合に備え
壊れた部品など諸々あり、【酒器】が使えそうなら直す為に使う。
と、一文加えておいてくれると助かる。使えるかは五分だがな。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 23) 2019-03-05 00:14:32
ん、【謡の扇】で『風の魔法』魔法ならプチヒドより【重力思念】で妨害できないかな。
…って言っても、いまいちコレの有効案件が分かりにくいんだけど。
とりあえず魔法であれば妨害できそうだし?物的被害は出さなくてすみそう。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 24) 2019-03-05 00:24:44
………いや、やっぱやめる。
説明何度か読んでみたけど、【魔法道具】使用時の魔力消費も抑えられるのか微妙。
めっちゃ使い時わからねぇ【重力思念】。なんだこれ。
誰か教えてプリーズ。

良いよ燃やすよ【扇】を【プチヒド】で…。
物理的にケシズミの方が確実だろうしな。

《ゆうがく2年生》 ドリス・ホワイトベル (No 25) 2019-03-05 01:15:56
あんまり相談に参加できてなくてごめんね;

わ、グレイさんは作戦まとめてくれてありがとう!

えっと、分かったわ。
じゃあ私、男雛を透過して回収してオズさんと修繕して。
あと、耳栓も作っておくね。

【酒器】も使えそうだったら直すために使うにゃー!
(ぬいぐるみの片手をあげて)

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 26) 2019-03-05 02:10:44
あまり顔を出せず、本当に申し訳ないでござる。作戦立案等々感謝致す…!

うむ。では拙者は【扇】の奪取又は破壊を第一に動き、また【酒器】の奪取も意識するでござる。

>最初に女雛が【笛】を止める
ふむ…その役目は拙者の方が適任でござろうか…?
すばやさが20以上あるのは現状、拙者とホワイトベル殿だけの様でござるし、五人囃子は近くに固まっている可能性が高そうでござる。
成功率を上げそうな「奇襲攻撃Ⅰ」は拙者もルシウス殿も所持しているでござるが…ああ、それならば他の御仁にお願いして動きが止まっている時に動いた方が良いのでござろうか…?悩ましいでござるなぁ。

修復班が人形たちに狙われぬ様に妨害を行おうと思っているでござるから拙者も「厚手の布」と「荷物カバン(大)」を用意しておこうと思うでござる。

とりあえず、拙者も耳栓するでござるねー。……ルネサンス用の耳栓をお作り願えるでござろうか…?

《過去を刻みし者》 グレイ・ルシウス (No 27) 2019-03-05 08:11:57
まずは助力感謝する。各人宜しく頼む。

魔法妨害>
魔法道具の扱いが良く分からん、と言うのは事実だな。
実験的に重力思念を使ってみて、結果を見て判断する。
と言うのも有りだとは思うが……クラブで聞いてみても良いかもしれん。

実はかしこさを下げる都合上、クイズ対決など
戦闘と何ら関係無い時に真価を発揮する可能性すらある。

奇襲>
そうだな、前衛が五人囃子を無視して三人官女を狙う都合上
出来れば忍者は時間差で動き、隠密からの奇襲攻撃を狙って貰いたい。
注意が此方へ向いてさえいれば、気配を消すも死角に入るもやりやすい筈だ。

ぬいぐるみs>
やることが多くてすまんな。俺には出来ん分野だ。
忙しなく動く事になると思うが、
男雛回収は【扇】の破壊か奪取が合図代わりだ。宜しく頼む。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 28) 2019-03-05 08:37:41
>チョウザさん
では私は盃を投げてくる三宝へ向かおうと思います。飛び道具ですから他の方に向く前に対処したいですし

>グレイさん
ではプランにその旨書いておきます。とはいえ防御主体なので自発的に行くより他の方のサポート、という感じになるかもしれませんが

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 29) 2019-03-05 13:42:17
重力思念はー…ほら。わるわるな思考行動な魔法使い達と戦う時にでも役立ったりすんじゃん?たぶん。

白猫ペアのリバイバル様は戦闘前から忙し多忙になっちゃうけど、よろしくね。
てか耳栓、鎧様は兜でつけらんないーとか、わんこ感あるルネサンス様は布が足りないかもーとかで面白…一悶着ありそう?ふふ。

ん…?あー、おっけー。りょーかい。じゃーザコちゃんはあのどでか棒官女の方いくねぇ?
ザコちゃんは出来ること的に隙あれば修復棒狙うってより、他のゆーしゃ様が奪いやすい様に気引き続ける方が良さげ?
【挑発】かまし続けて…そーでもない?

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 30) 2019-03-05 13:48:31
あとそれからねぇ、わんこ感あるルネサンス様【荷物カバン(大)】よりは【荷物カバン(小)】のが使い勝手いーかなって。

ほら、ちっちゃいのは肩掛け式だからぱっとしまえるだろーし、落とすの不安なら紐短くして首掛けにでもすればいーけど。
おっきい方は背負い込み式じゃん?捕獲しても、鞄開けてぶち込むのにもたついちゃったら大変苦戦だし。

《ゆうがく2年生》 ドリス・ホワイトベル (No 31) 2019-03-05 19:05:23
>グレイさん
了解だにゃー!
(ぬいぐるみの手をぶんぶんふりながら)

えっと、扇を無力化したら動くとしたらそれまでの時間で太鼓の音をかき消すようにハープを弾いてみようかなって!

かき消せるかわからないけど…。

>ルネサンスの耳栓
包帯で耳を巻いて綿球いれたらどうかしら?
綿球なら簡易救急箱にも入ってそうだし!

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 32) 2019-03-05 21:33:33
>ルシウス殿
うむ。では拙者は女雛は持たず、隙を付き【扇】の奪取を第一に動くでござるな。
女雛の扱いに関してはよろしく頼み申すでござる。

ああ、確かに背負う形だと面倒そうでござるね。では「荷物カバン(小)」を装備していくでござる。
ザコちゃん殿、ありがとうでござるよ!

>耳栓
ホワイトベル殿、提案感謝致す。
拙者は道具を持ち込む予定が無いでござるから、作成をお願いする形になるのでござるが…形状については拙者の方でも記載しておくので、耳栓作成班に文字数の負担は掛けないと思うでござる。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 33) 2019-03-05 23:16:05
あー、それから。連続であれなんだけど。
道具の貸し借りは禁止校則案件だから、たぶん耳栓の材料用意確保も、つける側持ちになっちゃうかも…?
校則の拘束力がどんなもん具合なのかはまだちょっとわかりきってないんだけど。

だから、わんこ感あるルネサンス様はポケット的に救急箱持ってけないっぽいし、
【厚手の布】の端っこで耳栓作ってもらうようにするのがいーのかなって。たぶん。
それくらいなら許してくんないかなーって思わなくもないんだけど。

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 34) 2019-03-05 23:30:39
>耳栓の材料確保
あー、その可能性も無きにしも非ずでござるな。
ウィッシュプランの方に「その場合は厚手の布を一部割き代用する」旨を入れておいたでござる。備えあれば患いなし!
これで厚手の布を使用せずに耳栓が作れたのならば、いいに越したことはないのでござるがねぇ。
助言感謝でござるよ、ザコちゃん殿。

もう直ぐ出発でござるね。改めて、皆々方よろしくお願い申すでござるよ!