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4月1日


ストーリー Story

 嘘つき羊飼いは言いました。
「オオカミが来たぞ!」
 しかし村人はだれも信用しません。
 羊飼いはこれまで何回も嘘を吐き続けてきたためです。
 信用されなくなった羊飼いの羊は、本当に来たオオカミに食べられてしまいました。

「……というお話があるのよ。だから、嘘はついちゃいけないって言う戒めね」
 【アリス・サミサミ】は絵本をぱたんと閉じる。
 音が寝室に響いた。
 それを静かに聴いていたのは彼女の愛猫である【マダニャイ】。
「にゃあ」
「うふふ、ちょっと分からなかったかしら? まあ、マダニャイ、あなたは猫だものね」
 くすくすと笑うアリスはマダニャイの頭を撫でる。
「でもね、一年に一度だけ、例外があるの。それが、明日。『エイプリルフール』という日よ」
「にゃあ?」
「あら、興味があるの? エイプリルフールはね、嘘をついても特別に許される日なのだそうよ。午前中の間だけね」
 だから、明日は午前中の間、平民として過ごしてみようと思うの。
 楽し気に笑う主人に、マダニャイはくぁ、と欠伸を返した。
 夜はカンテラの灯とともに更けていく。

「わがはいはケットシーではなかったのである! 実はわがはいは犬だったのである!」
「はあ」
 いきなり学園窓口にやってきて、ふんすと胸を張り訳の分からないことを言い出すケットシー、マダニャイ。
 目が点となっている職員に、マダニャイは昨晩聞いたばかりの知識、エイプリルフールを語りだす。
 職員も聞いたことのあるイベントであったのか、合点がいったという顔をした。
「それで、今日はわが主人が平民として市井を練り歩かにゃいので、護衛の依頼はいらにゃいのである!」
 職員はしばし沈黙をし、翻訳:エイプリルフールを脳内で行う。
「ああ、つまりご主人様の護衛依頼を出したいのですね」
「出さにゃいのである!」
「はい、かしこまりました、受理いたします……受理しません」
 対応はまるで駄々をこねる子供へのそれではあるが、マダニャイは満足そうに頷く。
 職員は着々と依頼を提出する準備を始めた。

 市井は本日も活気づいている。
 しかし今日に限っては、普段とどこか違うことが分かる。
「さー! 高いよ高いよ! 古めの魚! ひとつどうだい!」
 と客を呼び込む店先に並ぶのは、通常より安めの新鮮な肉であったり。
「君のことが嫌いだ!」
「あ、あたしだって嫌いよ!」
 と言い合っているカップルが、傍から見てとても仲睦まじくハグをしていたり。
 市井は今日ばかりは嘘で活気づいている。
 度が過ぎない嘘は、こういう時ばかりは娯楽のひとつとして楽しまれているようだ。
 今日はどうやって過ごそう。
 嘘で溢れる午前中へ、胸を高鳴らせて足を踏み出した。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 4日 出発日 2019-04-01

難易度 簡単 報酬 通常 完成予定 2019-04-11

登場人物 6/8 Characters
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《ゆうがく2年生》ドリス・ホワイトベル
 リバイバル Lv12 / 芸能・芸術 Rank 1
【外見】 緑のショートウェーブ つり目 色白 実年齢は15歳だが昔から栄養あるものを食べさせて貰えなかったせいであまり成長出来なかった 【性格】 弱気な中二病 努力家 照れ屋 ちなみに、何故か光属性に拘ってるが名前がホワイトベルなんだから光属性であることを譲りたくない為らしい。 が、種族上どうあがいても闇属性である。 小さい頃に捨ててあった白猫のぬいぐるみ ボロボロで目がとれかけてたから眼帯をつけてあげた 今では白猫はお友達 名前は『ミルク』 よく腹話術でお話してくれるけど口が動いていて腹話術にならない。 【入学理由】 誰にも見向きもされなかった為、友達が欲しくて仕方がない ※アドリブ大歓迎
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。

解説 Explan

 その日の午前中は嘘をついてもいいとされる日。
 その行事の名を、エイプリルフールという!

〇概要
 エイプリルフールです。
 市井は嘘で溢れています。
 度を越した、人を傷つけるような嘘以外であれば、嘘をついても構わない日とされています。
 今回の日常依頼、皆さま各々お好きなようにお過ごしください。
 ケットシー、マダニャイの依頼を受けるもよし。
 受けずにエイプリルフールの非日常を楽しむもよし。
 それではどうぞ、楽しんでください。

〇ケットシーの依頼
 依頼主:マダニャイ(ケットシー)
 依頼内容:市井に平民として紛れ込んだアリス・サミサミの護衛。
 追記要項:アリスは愛猫であるマダニャイがケットシーであることも、今回依頼を出したことも知りません。
 マダニャイとしてもバレたくはないため、護衛していることを悟られず、且つ自然に依頼を遂行してほしいようです。
 行動範囲としては、危険の少ない大通り付近が予測されるため、そこまで目立つような危険はないと思われます。

〇人物紹介
 【アリス・サミサミ】
 貴族・王族コースの生徒。
 好奇心旺盛で、イベント事が大好き。
 今回はエイプリルフールということで、実は貴族コースではなく平民だった、という嘘を行動に起こす模様。

 【マダニャイ】
 アリス・サミサミに飼われているケットシー。
 アリスの前では大人しい猫のマダニャイを演じている様子。
 今回は嘘とはいえ、平民の格好をするアリスの護衛を依頼した。

【PL情報】
 依頼内容に、目立つような危険はないとされていますが、アリス・サミサミがお忍びと言っているのに高貴な衣装を着てきたり、金銭感覚が平民とは違い、豪華なお金遣いをしていたりでバレる可能性があります。
 そのため、バレて誘拐される可能性もございますので、担当の人はしっかりと護衛を務めてほしく思います。


作者コメント Comment
 エイプリルフール、皆さま毎年嘘はつきますか!∈( ºωº )∋
 宇波は臆病者なため(笑うところ)、せいぜい卵から鶏が孵ったよ!
 という嘘くらいしかついたことがありません。
 一年に一度の非日常、皆さまどうぞお楽しみください!


個人成績表 Report
朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:82 = 55全体 + 27個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
護衛対象のアリス様に接近して同道するようにいたしますわ。言動は子供の頃を思い出して男の子っぽく。同じ女性なので同道した方が護衛し易いでしょうか

隠れて様子を伺い、貴人様のナンパをアリス様が嫌がるようでしたらフォローに回り、そうでない場合は面白そうだという理由でアリス様と同道するように致しますわ

あ、フォローの際の言葉は嘘では無いので念の為

誘拐されないよう気を付けますがもし目を離した隙に連れていかれそうになったら祖流還りと立体起動で

「誘拐なんて人の風上にもおけねぇな!」

犯人を追いかけ追い詰め気絶させる程度に殴り取り返しますわ

お別れの時は

「今日はアリスと一緒でオレも楽しかったぜ♪」

と手を振りさよならを

フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
アリスの護衛依頼を受けて一緒に遊びに。
自分の設定は「勇者に助け出された元奴隷の一市民」…名前以外、本来の自分を『嘘の身分』という事で使用。
(名前は混乱防止のためフィリンのままで)
また他の依頼受ける人の設定も、可能な限り事前に情報交換。アリスとの合流や会話が詰まった時のフォローに(自分の知り合いだと紹介したり、会話が詰まったら話題を変えたりetc)
自分はマダニャイの情報を元にアリスを探し、街を案内しようか?と流れで知り合うように。
『ハッタリ』『説得』を駆使してぐいぐいいきます。自分も地を出して話せることを楽しみながら。
「街、初めて?なんだか緊張してるみたい」
「案内するよ、今日の街は嘘が多いから」

ドリス・ホワイトベル 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
マダニャイの依頼を受けて護衛をする

【行動・心情】
マダニャイ可愛い…ってち、違う

あたしは白の天鵞絨、ドリス・ホワイトベル!
こっちは使い魔のミルクよ!

『ミルクだにゃー!宜しくだにゃー!(両手をぶんぶん』

えっと、あたしの同胞(はらから)が依頼してないんだもの!
護衛するわよ!

えっと、具体的には「マダニャイのお友達」って 言って着いていくわよ

そして危なくなりそうならさりげなく『プチシルト』で守ってあげるわ

あとは…その…
マダニャイとお友達になれないかな?
ミルクも友達になりたいって言ってるわ
『お友達になりたいにゃー!』

えっと、えっと…駄目かな?
『僕もマダニャイとお友達になりたいのにゃー!』

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:82 = 55全体 + 27個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
護衛の依頼を受ける
お金がなければ好きなものも買えやしないからな。

自然に護衛をするために出会いから演出…ナンパだ!!
勢いとノリでどうにかするとしよう…

「いぇーい!そこのお嬢さん、今ひとり?、オレと合わせて今からふたりっ!!」

やらかした感があるかもだがどうにかなるだろ
猫ちょっとはフォローしろ
後は流れで
お嬢さんに嫌がられたら引く。少々粘るけど強引なのは良くないからな
拝くん、スタンテッドくんがフォローしてくれる手筈だから退散っと。

ナンパがうまくいったら他の護衛と合流。友人といって一緒に回ればいいだろ
目的は出会い、友人作りってことにして。
団体でいれば変な奴も来ないだろ
来たらガードマン的な動きだな

オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【心情】
僕の故郷では「嘘ついたら、とりあえず内臓を捧げる」罰がありますが
この文化を楽しみましょう。
ところでミサオ、鱗が当たって痛いので引っ付かないでください。

【行動】
依頼を受けず、ミサオ・ミサオと行動、一緒に買い物をします。
僕は薬品調合の器具を買いに、ミサオはたしか煙管…でしたっけ。

もし護衛の依頼を受ける学友に遭遇でもしたら挨拶をしましょう。
「よろしくお願いいたしますね」

「もちろん嘘ですよ」
「わかってると思いますが嘘ですからね」

【補足】
手助けの必要があれば離れたところから仲間たちの様子を見守ります。
トラブルがあれば少しばかりお手伝いをさせていただきますね。



チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
面白い自称平民がいるらしーから、ちょっかいかけに行こ。

そーいや今日って嘘ついて楽しむ日らしーじゃん?
ザコちゃんもそれに乗っかり便乗で、実は貴族でしたーって村人コース感【隠匿】しつつ【変装】と【ハッタリ】かまして喋りに行こ。理由謎だけど【宮廷教養】知識あるし。
…口にするだけでも若干鳥肌だけど、今日限定お遊びなら、ね。

ただ平民ってより貴族み感じて面白くないし、それを上回る感じのむか…可笑しな貴族的非常識さを【会話術】絡めて冗談めかして見せつけてこ。
貴族ってのにもジャンルはあんだけどね。
少なくともザコちゃんが合わないって思う、目立ちまくり権力振りかざし系はこんな感じ多いから。

…自分の事、省みよーね?

ミサオ・ミサオ 個人成績:

獲得経験:66 = 55全体 + 11個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
依頼を受けず悪友と買い物がてらエイプリルフールを楽しむ。

【行動】
オズワルドと行動を共にする。
煙管を新調するのにも付き合ってもらうことにしたんだぁ。
オズワルドも調合器具が欲しいみたいだしちょうどいいねぇ。

あぁこれ「らぶらぶおでぇと」ってやつだねぇ。
オレとオズワルドは親友恋人以上な関係なんだからねぇ。(無理矢理恋人繋ぎ)
もちろん嘘。

もし依頼を受ける学友に遭遇でもしたら挨拶でもしようかぁ。
「キミとは宜しくしないよォ」
………にっこり。


【補足】
仲間から手伝ってほしいと言われたなら
離れたところから仲間たちの様子を見守ろうかぁ。
トラブルがあれば微力ながらお手伝いしようねぇ。
理由?
面白そうだから。



リザルト Result

 いつも通り、否、いつも以上に活気付いている街を見て、【オズワルド・アンダーソン】がぼそりと呟く。
「僕の故郷では『嘘ついたら、とりあえず内臓を捧げる』罰がありますが。ですが今日は、この文化を楽しみましょう」
 中々怖いことを言う。
 しかし、ここは彼の故郷ではない。
 それに、今日ばかりは嘘を吐くことを、周囲の人間が許容している。
「ところでミサオ、鱗が当たって痛いので引っ付かないでください」
 オズワルドは腕に引っ付く【ミサオ・ミサオ】を引きはがそうと試行錯誤をする。
 彼の悪友であるミサオは今日、煙管を新調するためにオズワルドと街に来ていた。
「オズワルドも調合器具が欲しいみたいだしちょうどいいねぇ。あぁこれ『らぶらぶおでぇと』ってやつだねぇ。オレとオズワルドは親友恋人以上な関係なんだからねぇ」
 そう言って手を振り払われてもめげずに無理矢理恋人繋ぎをするミサオ。
 それはまるで、照れ隠しをする彼氏。
 それと、そんな彼氏を理解して、それでもくっつこうとする彼女……彼氏のよう。
 二人は仲のいい恋人同士のようだった。
 まあ、もちろん嘘だけど。

 所変わって、『フトゥールム・スクエア』学園窓口。
 この日、ケットシー、【マダニャイ】の依頼を受けに来た者が数名。
 そのうちの一名、パンダの【マオ・マオ】は、受付職員の眼前にアップで映る。
 おっとなんだかおかしくないか?
「……ん? パンダ?」
「パンダじゃない……。【仁和・貴人(にわ・たかと)】だ……」
 訝しみ呟く職員の正面。
 マオの向こう側から、くぐもった声が聞こえてくる。
 慌てて職員はマオを退かす。
 ぽーん、とボールのように跳ねて床に転がるマオから顕になるのは、仮面。
 否、仮面を着けた貴人であった。
 どうやらマオは、依頼を受けに来た貴人の顔面に引っ付く遊びをしていたようだ。
 貴人の視界の端で、マオは学園長である【メメ・メメル】に摘ままれ連行されていった。
 これからお説教だろうか。
 南無、強く生きろよ、マオ・マオ。
「あたしは白の天鵞絨、【ドリス・ホワイトベル】! こっちは使い魔のミルクよ!」
「ミルクだにゃー! 宜しくだにゃー!」
 連行されたマオを通りすがり、たたた、と眼帯の付いた白猫のぬいぐるみとともにやって来た。
 使い魔と称されたぬいぐるみ、ミルクはぶんぶんと腕を振っている。
 ドリスの手によって。
 愛らしい声でミルクは自己紹介もしている。
 ドリスの口の開いた腹話術によって。
 ドリスはちらりと、窓口の傍に立つマダニャイを見る。
「マダニャイ可愛い……ってち、違う! えっと、あたしの同胞が依頼してないんだもの! 護衛するわよ!」
 思わず漏れた本音にあたふたと取り繕いながら、ドリスはエイプリルフール語を職員に話す。
「えーっと、確か、貴人って言っていたわよね。貴人も依頼を受けるのかしら?」
「ああ。お金がなければ好きなものも買えやしないからな」
 ドリスの言葉に、貴人は返事を返す。
 そんな二人とマダニャイを遠くから見ていた人物がひとり。
「マダニャイ様、好きだった方が結婚して気落ちしておられないか心配でしたが。今は幸せそうですわね。良かったですわ」
 安堵した風に息を吐く【朱璃・拝(しゅり・おがみ)】は以前、マダニャイの護衛依頼を受けたことがある。
 彼女はその時のことを思い出しながら、受付へ近付く。
「その依頼、私もお受けしてよろしいですか?」

「面白い自称平民がいるらしーから、ちょっかいかけに行こ」
 掴みどころのない笑みを浮かべ、マダニャイの依頼に参加する者たちの元へ向かう【チョウザ・コナミ】。
「変な風習……そんなに嘘がつきたい?」
 彼女の背後で片眉を上げるのは、【フィリン・スタンテッド】。
 フィリンが受付を済ますと同時に、マダニャイが指定した時間となった。
「さて。依頼の内容はバレないように護衛……だったわよね。一応私の設定は『勇者に助け出された元奴隷の一市民』にするつもりだけど」
 フィリンは設定に矛盾が出ないようにと、皆が考える設定を共有しようと声を掛ける。
 それに対し、ああ! と今日がエイプリルフールであったことを思い出したかのように、チョウザはその両手を叩く。
「そーいや今日って嘘ついて楽しむ日らしーじゃん? ザコちゃんもそれに乗っかり便乗で、実は貴族でしたーって村人感隠しつつ、貴族的雰囲気かまして喋りに行こ。理由謎だけど貴族の教養あるし」
 チョウザはいつも通りに飄々と掴めない笑みを浮かべる。
 しかし内心では苦々し気な表情を浮かべていたことだろう。
(……口にするだけでも若干鳥肌だけど、今日限定お遊びなら、ね)

 ……さて、その面白い自称平民はというと、現在ナンパを受けていた。
「いぇーい! そこのお嬢さん、今ひとり? オレと合わせて今からふたりっ!!」
 やらかした感満載でナンパをする仮面男。
 何を隠そう貴人である。
 仮面を着けた男がナンパをする……。
 傍目から見ても、中々シュールな絵面である。
 猫ちょっとはフォローしろ。
 内心で悪態付く貴人。
 しかし、当のナンパを受けている【アリス・サミサミ】はというと。
「まあ! さすがエイプリルフールですわね。こんな仮面を着けた方も闊歩しているなんて!」
 ……ナンパを受けている自覚などなかったし、何ならエイプリルフールとハロウィンを混同していた。
 いや、もしかしたらナンパを受けているという自覚はあったのかもしれないが、今日はエイプリルフール。
 ナンパさえも嘘であると思っていたのかもしれない。
 そんなやや天然気味のアリスに、貴人は尚もしつこく声を掛ける。
 アリスが笑顔を浮かべながらも、少し引き気味になっていくのを、貴人は感じていた。
 ここらが引き時か、と踵を返そうとしたところでかかる声。
「ちょっと、しつこい男は嫌われるよ!」
 女性のようでもあり、しかし口調が少年らしくもあるその声の持ち主は、朱璃だった。
 その後ろから、同じく止めようとフィリンが小走りでやって来る。
 フィリンは、マダニャイからの情報をもとにアリスを探していたが、平民というには些か無理のある……。
 端的に言えば宝石などがくっついた豪華なワンピースを着ていて、人込みの中でもよく目立つ服装をしていたアリスを見つけるのは簡単だった。
「案内するよ、今日の街は嘘が多いから」
 貴人から僅かに距離を取りつつ、フィリンはアリスににこりと笑む。
 フィリンの笑みに、アリスは警戒を解いたように笑う。
「オレも祭り楽しみに来たんだ。よければ一緒に回らないか。ま、ついでにそっちの兄ちゃんも一緒に」
 少年風朱璃は片眼を閉じ、お茶目にアリス、そして貴人を同行者として誘う。
 貴人は軽く肩を竦め、小さく両手を上げた。
「賛成っ」
 貴人がそう口にした瞬間、人の足を縫う小さな手毬。
 否、アリスの腕の中にぽすんと収まる猫が一匹。
 何を隠そう、マダニャイである。
「なぁお?」
 ケットシーマダニャイ、中々に見事な猫への偽装ぶりだ。
「あーっと……。その猫は……」
 当然、ここにいる彼らは正体を分かっている。
 自分たちに依頼をしたケットシーであるから、名前までも分かっている。
 しかし、アリスの腕の中で欠伸をするマダニャイは、どこからどう見ても気ままな飼い猫のそれであった。
 本当に彼がケットシーなのか不安に思ったフィリンは、アリスにそう聞いた。
「この子はマダニャイというのですわ。私の飼い猫ですの!」
 アリスが隠しきれないお嬢様言葉で我が子自慢をしていると、遠くからドリスがやってくる。
 目線はアリスの腕の中にいるマダニャイへと向かい、ぱあぁ、とその顔に花を綻ばせた。
「見つけたわ!」
 ドリスの腕の白猫ぬいぐるみ、ミルクの両腕がぶんぶん。
 嬉しそうに上下に振られるミルクの腕と、ドリスの笑み。
「あたしはこの子のお友達! ねえ、あたしも着いて行ってお友達と遊んでもいい?」
 自分よりも幼い見た目のドリスに、アリスは優しく微笑む。
「ええ、もちろん! ……あ、えっと、も、もちろん、よろしくないですわ!」
 思わず本音が出てしまい、しどろもどろにエイプリルフール語で言い直すアリスに、ドリスは温かい目を向けた。

 アリスと護衛依頼を受けた4人が合流し、少し。
 あとひとり足りないな? とだれかが首を傾げた時。
 わさっ。
 わさっと、そんな豪快な音がするような。
 アリスのワンピースが地味に見えてくるような。
 そんな豪奢すぎるドレスを着た、チョウザが通りに現れた。
「ち、チョウザ様……?」
 思わず設定を忘れ、素に戻りかけてしまう朱璃。
 しかしそれも仕方のないことだろう。
 常より、自身のことをモブだモブだと自称するチョウザが、まさかこんなに目立つ行動をとるとは。
 アリスはすぐ傍にいたフィリンに耳打ちをする。
「あの、どなたですの? 私にこのようなお知り合いはいらっしゃらないと記憶しておりますが……」
「あー、私の友人……なんだけど……」
 エイプリルフールだからね。
 苦笑いをするフィリンに、合点がいったという顔をするアリス。
 そんな二人を傍目に、歩き辛そうなドレスにチョウザは眉を顰める。
「とりま、歩くのたるいし、馬車でも拾って移動しない?」
 チョウザが言っているのは、麻布を張った幌付きの、広いけれども少し雨漏りしそうな乗合馬車のことではない。
 そう、お貴族様や王族様などが乗るような、高級そうな、なんかすっごい馬車のことを指していた。
 当然、平民には中々乗れないどころかお目にかかることすら稀な代物であり、そんなものを頼んだ日にはきっとお財布の軽さに泣きを見る。
 チョウザの提案は、一行の苦笑いにより却下となった。
 どうやら彼女は、お貴族様はお貴族様でも、なんかちょっとむか……可笑しな感じのお貴族様設定らしい。
 チョウザの目的は果たされ、現状、アリスとチョウザであれば、人目を引いているのはチョウザである。
 アリスはチョウザの服装を見、そして自分の服装を再度見る。
 周囲の人々の服装を見ると、チョウザ程とはいかないにしても、アリスのワンピースも中々に豪華なものだと、アリスははっとした顔をする。
「どうしたの? なんだか緊張してるみたい。街、初めてだから?」
 周囲との違いに愕然としていたアリスに、フィリンはそう声を掛ける。
「え、ええ……。そうですね、あの、まず服屋に行きたいですわ……」
 アリスはそう言い、大通りにある店を指さした。

「いやぁ、今日は中々に……悪い天気ですね」
 店の建ち並ぶ大通りでオズワルドが見上げた空は、見事な快晴。
 青い空に白い雲が目に眩しい。
「僕は薬品調合の器具。ミサオはたしか煙管……でしたっけ」
「うん、別に買わないでくれてもいいんだよォ?」
 翻訳すれば、奢ってくれてもいいんだよ? である。
「はいはい。買いま……すね」
「えっ! ……ああ、なーんだ」
 一瞬喜びかけたミサオだが、オズワルドの意図を汲み取り、ずーんと肩を落とす。
 要するに、奢らないよ、と返されただけだ。
 拗ねたようにオズワルドの腕に引っ付くミサオ。
 オズワルドはミサオの頭をぺしんと軽く叩いた。
「あ、あそこにいるのって……」
 えへらーと笑うミサオは、一軒の服屋を見つける。
 そこで買い物をしている集団に、ミサオとオズワルドは見覚えがあった。
「アリスはどっか遠い所からきたのか?」
「いえ……え、ええ! 実はそうなのですわ!」
 中には大金をそのまま出そうとしたアリスに、その大金を両替する朱璃。
 注目を集めるように、店の服を片っ端から買い占めようとするチョウザと、それをやんわり窘めるフィリン。
 外でマダニャイと戯れているドリスに、その店の前でガードマンの如く佇む貴人。
 何を隠そう、ふたりの学友であった。
 ちら、と貴人と視線が合ったオズワルドは、にこりと微笑む。
「護衛、ぜひ頑張らないでください。よろしくお願いいたしませんよ」
 仮面の下で眉をひそめた貴人。
 オズワルドの陰から、ミサオがひょこりと顔を出す。
「キミとは宜しくしないよォ」
 オズワルドは苦笑いを零した。
「わかってると思いますが嘘ですからね」
 貴人は肩を竦めた。
「そういえば、エイプリルフールだったな」
 バイバイ、と手を振るドリスに手を振り返し、オズワルドとミサオは目的の店へと向かう。
 かちゃ。
 棚に並ぶ煙管を手に取りながら、ミサオはふと思いついたようにオズワルドに話しかける。
「そういえば」
「なんですか」
「花粉症に効く民間療法があるんだってぇ」
「詳しくお願いします」
 有益な情報を逃すまいとオズワルドの目が鋭く光る。
「わさびを舌にのせると症状が収まるんだってぇ」
「わさび……」
 オズワルドは口の中で呟く。
「この後、生鮮食品売り場にも行ってみるぅ?」
 煙管の支払いを終えたミサオは、どこか楽し気にオズワルドを誘う。
 一も二もなく頷いたオズワルド。
 その数分後。
 生鮮市場では、わさびに悶えうずくまるオズワルドと、それを見て爆笑するミサオの姿があったという。
「もちろん嘘だよ!」
「殴るぞてめぇ」
「あっはっはっはっは。はーたのしっ」
 爆笑するミサオに、思わず口の悪くなるオズワルド。
 仲のよさげな彼らの横を、ひとりの男が通りすがる。
 この市場をただ歩いている。
 別段、不思議はない。
 しかし、やけに彼らは気になった。
「ねぇ、オズワルド、今の」
「はい。……気になりますね」
 ふたりは男の後を音無く尾け始めた。

 男は焦っていた。
 標的にするはずの貴族のお嬢様が、すぐ先にいる。
(どういうことだよ。護衛も付けずに街にのこのこ出てきたお嬢様を攫うだけの簡単な仕事だったはずだろ! なのに、なんで!)
 どうして、中々近付けないのか。
「さっきの服、とっても似合っていた! ねね、写真撮らないー? 記念にさ!」
 対象であるアリスには、貴人が軽快な口調で話しかけつつ、常時張り付いている。
 ナンパ野郎だが、けして相手に隙を見せない。
「ああ! それ、いいな。後でみんなにも声を掛けようぜ!」
 朱璃が貴人に同調し、ふたり揃ってアリスの左右を固めている。
 さらに付け足せば、わっさわっさしたチョウザのドレスが後方からの視界を塞ぎ、うまく照準を合わせることすら叶わない。
「そのフリル、わざとだろ」
「えー、なんのことだかー」
 きゃらきゃら楽し気に会話をする朱璃とチョウザの間でも、一瞬の警戒も解かれない。
 下手に手は出せない。
 そんな謎の圧が、男を襲っている。
(くそっ!)
 男は焦ってしまった。
 バレないように事を運ぶつもりだったのだが、焦ってしまいその姿を人込みから晒してしまう。
 ばっとその腕をアリスに伸ばす。
 フリルを通り抜け、アリスの腕を掴もうとする。
 しかしそれは男の想像していなかった力で弾かれる。
「お友達のお友達を傷つけないでほしいの! ……ってミルクも言ってるわ!」
「そうだにゃー!」
 ドリスが魔法を発動しアリスを庇う。
 同時に男の足元、その地面に衝撃が走る。
 後ろに2、3歩、後退る。
 飛んできた方向を見れば、遠くからオズワルドが男に指を向けていた。
「クソガキっ!」
 頭に血が上った男は、背に背負っていた弓を構え、オズワルドの方向へと向ける。
「ミサオ、撃つみたいですよ」
「オレたちに撃つなんて、いい度胸してるねぇ?」
 男は弓を彼らに射ることができなかった。
 ふたり、正しくはミサオから放たれる威圧感に腕が、足が震え動かない。
 一瞬見せた男の隙。
 男は視界の端に、狼の顔を見た。
「誘拐しようなんて人の風上にもおけねぇな!」
 狼の姿になった朱璃が、男の横っ面に拳を入れる。
 男は街道を横切り、道の端へと吹き飛ばされた。
 勢いよく吹き飛んだ男は、しばらく目を覚ますことはないだろう。
「え、今の……もしかして、私を狙って……?」
 背後の騒ぎに気が付いたアリスが震えながらチョウザに聞く。
 チョウザは不敵に笑う。
「みーんな今日は嘘つきなんだって。……ほら。自称平民様と同族じゃん?」
 今日の楽しい嘘も悲しい誘拐未遂も、すべて嘘にしてしまえばいい。
 嘘が蔓延る午前中。
 終わりを告げる鐘が街中に鳴り響いた。

「皆様、こちらに集まってください!」
 街中の公園で、朱璃が声を上げる。
 嘘が無くなった午後、朱璃の口調はいつも通りに。
 そして、貴人の口調も。
「あー、今日は悪かったな」
「あら、いつもはそんな口調ですのね」
 貴人の口調にアリスはくすくすと笑う。
 貴人はバツの悪そうに視線をそらした。
「いいと思いますわ、その口調も」
 アリスは貴人に笑いかけ、集合を掛ける朱璃の元へと小走りで向かう。
「え、いえ、僕たちはいいですよ」
「いいじゃない、交ぜてもらおうよォ」
「そーそー。何よりあの自称平民様がそう望んでるんだって」
 遠慮するように手を振るオズワルドの背をミサオが押す。
 さらにオズワルドの手を引き、チョウザが先行し、向かう。
「……しょうがないですね」
 オズワルドはそう言いつつも、足取り軽く着いていく。
 ドリスはアリスと、アリスの腕の中にいるマダニャイに話しかける。
「マダニャイとお友達になれないかな? ミルクも友達になりたいって言ってるわ」
「お友達になりたいにゃー!」
 不安げにアリスを見上げるドリスとミルク。
「えっと、えっと……駄目かな?」
「僕もマダニャイとお友達になりたいのにゃー!」
 アリスはにっこりと笑う。
「もう、マダニャイとあなたたちはお友達ですわ。私とも、お友達になってくださらない?」
 ドリスはぱあ、と顔を輝かせる。
 それを見て、にゃあんと一声、マダニャイが鳴いた。
 わいわいと集まる彼らを少し離れたところで見ているフィリンに、朱璃が近付く。
「いかがなさいました?」
 今日一日、嘘を楽しんでいた皆を思い出し、フィリンは口ごもる。
「普段から嘘ばかりな人は、こういう時どうすればいいのかな、って」
 朱璃は少し考え、にこりとフィリンの手を引いた。
「一緒に写真を撮ればいいと思いますわ」
 軽やかに手を引く朱璃にフィリンは着いていく。
「すみません、写法術をお願いいたしますわ」
 朱璃は通りすがりの女性に声を掛けた。
 快諾した女性が準備をする。
 それを見届けると、朱璃は急いで位置に戻る。
「3、2、1」
 カシャッ。
 午後の青空に、魔法の音が高らかに響いた。



課題評価
課題経験:55
課題報酬:1500
4月1日
執筆:宇波 GM


《4月1日》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 1) 2019-03-28 00:12:19
勇者・英雄専攻のフィリンよ、よろしく。

4月1日にそんな風習があるのね…まず依頼を果たさなきゃ、だけど。
平民に扮するアリスの護衛…だと、一番自然なのは友人、あとは家族とかかしら?
もちろん、みんなでピッタリ張り付く必要はないでしょうし、
距離を取って見守るなら、カバー(偽装)は拘らなくてもいいかもね。

あと考えておかないといけないのは、脅威や事件の事前予測と対応くらいかな?

私は…せっかくだし、平民の友人って設定でお付きしようかしら

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 2) 2019-03-28 00:41:54
賢者・導師コースのオズワルド・アンダーソンです。
どうぞよろしくお願いいたします。

「途中で何らかのきっかけで出会い、
アリスさんの…もとい平民の友達として一緒に同行しつつ護衛する」
というのがやりやすいのかなぁと。

とはいえ、僕は護衛でなく
ゆっくり非日常を楽しませてもらおうかなと思っております。
その時にお会い出来たら幸いです。

《ゆうがく2年生》 ドリス・ホワイトベル (No 3) 2019-03-28 00:46:51
芸能・芸術専攻のドリス・ホワイトベルよ!
こっちはあたしの使い魔のミルク!
『ドリスの使い魔のミルクなんだにゃー!(ぬいぐるみを構えながら』
えっと、オズさん以外は初めましてかな?
宜しくお願いしまーす!

ふふふ、マダニャイ可愛い…じゃなかった。

あたしの同胞(はらから)が困っているみたいだから。
あれ、困っていないのかしら?
う、うーん?

と、とにかく同胞が外に行くなら一緒にお外で遊んだら素敵よね!
マダニャイのお友達としてついていけたらいいなぁ♪

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 4) 2019-03-28 01:30:25
魔王・覇王専攻の仁和だ。
よろしく。・・・無事、オレで依頼登録できたな。

ふむ、お嬢様が護衛が付いてるのを知らないのとマダニャイくんが喋れるのを知らないのだろう?
水を差すようで悪いが元々の知り合い、友人で無ければ逆になにかある・・・と思われてしまうのだないか?
いらんお節介だったらすまんが気になったのでな。


護衛の依頼を受けようと思う。
まずは出会いから演出した方がいいかもな。
ってことで街中で俺は声をかけようと思う。
アンダーソン君の案に乗る形だな。
何を目的に話しかけるかだが・・・・・・ナンパってことでいいか。(考えるのめんどいし)

嫌がられたら引くつもりだがその場合誰かフォローしてもらえると助かる。
あれだ、強引なナンパから助けるというヤツだな。

古典的な気もするがそれだけ効果的ってことだろ?

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 5) 2019-03-28 18:59:59
武神・無双コースの朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

マダニャイ様とは初見ではありませんが、今は飼い猫ライフを楽しんでおられるのですね。

具体的にどういう風に行うかはまだ考え中ですが、私もマダニャイ様の依頼を受けようと思いますわ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 6) 2019-03-28 22:49:46
>護衛の設定
あ、そうね…アリス様にも知られるとまずいのよね。
補足ありがとう、オズワルド、貴人。

くっついてガードするなら、知り合う所から始めて友達になって…という流れかしら。
設定を作るならアリスに気に入られやすい感じにした方がいいかもしれないわね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 7) 2019-03-29 01:52:13
嘘をつくことを許される、なんて訳わかんない文化慣習があるもんだよねぇ。
嘘かほんとかどっちでもないのか、いっつも言いたいよーに言っときゃいーのに。
結局最後がどーなろーと、自分の自由の結果なんだから、ねぇ?

ザコちゃんはザコちゃん。村人・従者コースの村人の方。そこらにいる棒振り回してるモブの方。

ザコちゃんも自称きぞく様のとこにちょっかい掛けに行くかなぁ。
…ぶっちゃけ貴族って人種はザコちゃんとは合わない感じなんだけど。嘘なら別に、ねぇ?

なんか若干浮上する鳥肌はあるけど、1日くらいはけーけんとして。
ザコちゃんも逆に実は貴族でしたーってノリ(の【ハッタリ】)で便乗して話に行こ。
不服ながr…理由は分かんない不明だけど、何でだか【宮廷教養】あるし。ほんとにモブ系なのか様子見しつつ。
…ほんとーにへーみんなんだよ、ねぇ?
っても、ザコちゃんが合わないタイプの理解できない意味不明の価値観押し付ける系じゃーなさそうだけど。元から。

((【ハッタリ】【隠匿】【宮廷教養】で実は貴族でしたーって嘘のようなことを言いつつアリスに接近し、
アリスが貴族的なボロを出しそうになれば、それを上回る貴族的非常識さを【会話術】で嫌味じゃないように見せ、
街で目立つ貴族的価値観の違いをある程度伝えると同時に、注目をアリスに寄せないようにするつもりです。))

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 8) 2019-03-29 09:58:01
>拝くん、スタンテッドくん、ザコちゃん
出会いの仕方を考えているのなら良ければオレのフォローしてくれないか?
失敗したらってやつさ。
ナンパ成功したら合流するし。
あとこれすごく大事なことなんだが・・・オレにはここいらの常識が微妙に欠けてるんだ
物価とかマナーとか。
そこいら変もフォローしてもらえると助かる。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 9) 2019-03-29 19:54:16
>貴人様
解りました。アリス様が嫌がるようでしたらフォローに入らせていただきますわ。

私自身は男の子っぽい言動の町娘みたいな感じでいってみましょうか。演技というより小さい頃を思い出して、という所でしょうか。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 10) 2019-03-30 20:17:09
>貴人
わかったわ、できるだけフォローしてみる。
…言われてみると、ちょっと変わった雰囲気ね、貴人って。

私は先の通り、平民の感じで近づいてみようと思うわ…ちょっといつもと雰囲気違うかもしれないけど、驚かないでね?

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 11) 2019-03-31 12:44:11
>拝くん、スタンテッドくん
協力、感謝する。
護衛もそうだがそれを含め良い一日になるといいな。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 12) 2019-03-31 22:34:14
仮面のまおー様に限らず、なんか怪しまれたらてきとーにはぐらかすよーなことはするつもり、だけどぉ。
個々それぞれな対応する(文字数的)余裕はちょーっとできなげ?
っても、そもそも何事もなく上手くいったら、そのへんも気にせず杞憂なんだけどねぇ。

もうすぐまもなく締め切られっし、プラン提出はわすれずに。
問題とか危うげなこととか。起きずにこなせるといーねぇ。