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台本のない演劇舞台


ストーリー Story

 街の端のさらに端にある、見るからに寂れた木造の建物。
 両開きの大きな扉を開けた先にある空間は、観客席。
 数十人入って一杯の広さのそこに置かれた椅子は、折り畳みの椅子が20脚。
 その正面にあるのは、これもまた木製の軋んだ舞台。
 元は鮮やかな赤色であったと思われるカーテンは見る影もなく煤けている。
 その舞台上でたった一人。
 白いワンピースをはためかせ、くるくると回り踊るヒューマンの少女。
 短い静かな曲を一曲、踊り終わった少女は折り畳み椅子に座る君たちに気付く。
「初めまして。『フトゥールム・スクエア』の生徒さんたちですか?」
 少女はふわりと、まるで妖精のように舞台から飛び降りる。
「私はこの劇場の支配人、【アンジェ・リリー】と申します。概要は学園側に伝えさせていただきましたので、伝わっているとは思いますが……」
 改めて説明をしようと口を開きかけたアンジェは、乱暴に開かれた扉の音にびくりと肩を揺らす。
 どかどかと中に入ってきたのは、ぱりっとしたスーツに身を包んだ3人の男たち。
「……乱暴に扉を開けないでください」
 努めて冷静に男たちを睨むアンジェに、男のひとりは肩を竦める。
「もうすぐ私のものになる建物を、どう扱おうが私の自由と思いますが?」
 にやにやと下卑た笑みを浮かべる男たちに、悔しそうに唇を噛みしめるアンジェ。
 男たちはアンジェの傍にいた君たちに気が付く。
「おや、お友達ですか」
「……この人たちは……」
 君たちを庇うように前に出たアンジェに、面白くなさそうに男は鼻を鳴らす。
「まあ、誰だろうと関係はありませんね。一週間ですよ。そこから1分もまけはしませんからね」
 男たちは言うだけ言って、またどかどかと扉を開けて出て行く。
 残されたアンジェは、泣き出しそうな笑顔で口を開いた。
「詳細を説明、しますね」

「この劇場は、祖母の代から続いていたんです」
 舞台の裏にある出演者用の控室に君たちは案内された。
「祖母と祖父が亡くなり、継いだ両親もついこの間……」
 悲しそうに目を伏せるアンジェは、両親の代から経営が傾いたのだと告げる。
「さっきの男たちは、両親からこの土地を建物ごと譲るように言ってきた、金貸しです」
 この劇場を建てるとき、暴利をふっかける金貸しからお金を借りてしまったのだという。
 建物自体の金額は返し終わっているが、膨れ上がった利子を返しきれていないとアンジェは言う。
 とうとう返す目処の立たなくなった両親に、金貸しはこの建物と引き換えに借金を無くすことを持ちかけた。
「ですが、両親はこれを拒否しました。……金貸しは、ありもしない風評被害を流し、とうとう少なかったお客さんも来なくなりました。働きすぎて体を壊した両親は、そのまま……」
 それを機に、残ってくれていた役者が辞め、脚本家が辞め、演出家が辞めていき、とうとう残ったのはアンジェひとりとなってしまった。
「私には、もうここを続けていくことができません。ですが、最後に一度だけ、お客さんに劇を見せたい。この劇場の、最後の劇を見せたいんです」
 金貸しには、一週間の猶予をもらったという。
 それまでに、なんとかして役者を集め、脚本を書き、お客さんを集めなくてはならないらしい。
「みなさんには、最後の劇を行うためにお手伝いをしてほしいんです。……どうか」
 アンジェはゆっくりと、頭を下げた。
 控室の灯りは、ちかちかと不安げに点滅している。
 アンジェが手ずから淹れた紅茶は苦く舌に広がった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2019-09-09

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2019-09-19

登場人物 5/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《ゆうがく2年生》アリア・カヴァティーナ
 アークライト Lv14 / 村人・従者 Rank 1
 幼い頃から聞かされてきた英雄譚に憧れて、いつしか勇者さまを導く人物になりたいと願ってきた。  その『導き』とはすなわち、町の入口に立って町の名前を勇者様に告げる役。  けれども、その役を務めるということは、町の顔になるということ。この学校でたくさん学んで、いろんなことを知ることで、素敵な案内役になりたい!  ……それが自分の使命であると信じて入学したけれど、実のところ勉強よりも、花好きが高じた畑いじりのほうが好きだったりする。そのせいで、実はそこそこの力持ちだったりする。  たぶん、アークライトの中ではかなり変人なほうなんだと思うけれど、本人はあんまり気にしていない模様。  基本的に前向き……というか猪突猛進なところがある、かも。
《勇往邁進》リズリット・ソーラ
 カルマ Lv17 / 魔王・覇王 Rank 1
ぼんやりとした表情の記憶喪失のカルマ 男の子なのか女の子なのか自分でもわかってない 口調がとても特徴的 外見 ・黒色の髪に金の釣り目 ・短髪だが、横髪だけ長くそこだけウェーブ ・基本的に無表情 ・魔法陣は右手の甲と左足の太ももの内側 性格 ・基本的にぼんやりとしている ・自分が色々と物を知らないことは何となくわかっているので、色々と勉強したい。最近はとある演劇の課題を通じて物語作りに少し興味を持ち出している ・独特な口調の持ち主(所謂関西弁) ・時折「雑音がする」と元気がない時がある 好きなもの ともだち、きれいな音 嫌いなモノ 人形扱い、雑音、■■■■ 一人称「うち」時々、戦闘中気分が昂ると「ウチ」 二人称「きみ」 名前の呼び捨て

解説 Explan

〇最後の劇を開演しよう
 経営の傾いた劇場で、最後の劇を行えるようにしましょう。
 猶予は一週間。
 現状は、台本ない、役者いない、客もいないのないない尽くしです。
 みなさんには以下の通りに、劇の準備をしていただきたいと思います。

〇台本を準備する
 劇でやる台本がありません。
 台本どころか、物語すらもありません。
 みなさんには劇で行う物語を作っていただき、それをもとに台本を作成してください。

〇役者を集める
 劇を行う役者を集めてください。
 台本にもよりますが、最低5人は集めたいところです。
 初めにアンジェが、劇団を辞めていった役者の居場所を教えてくれました。
 また、役者のひとりはアンジェが名乗りを上げています。

〇お客さんを集める
 見てくれるお客さんがいないとなにも始まりません。
 お客さんをなんとかして集めてください。
 ですが、薄れてきているとはいえ、未だ劇場の風評被害は残っています。

【PL情報】
〇劇場への風評被害について
 風評被害は主に3つ。
・観劇するための椅子が古く、座り心地が非常に悪い。
・役者の質が悪く、演出で行う魔法などが客席に誤射されても謝罪すらない。
・なんだか怖い人たちが出入りして、怪しげな取引を行っている。
 等々の風評被害が残っています。

〇役者について
 アンジェから、劇団を辞めていった役者の居場所を教えられますが、みなさんが劇に出てくれても問題はありません。
 また、元劇団員たちは、最後の劇であることを伝えれば、渋々ではありますが出てくれることでしょう。

 【アンジェ・リリー】
 ヒューマンの少女。
 劇場の支配人兼役者。
 体を軽やかに動かすことが得意で、妖精のような踊りを得意とする。


作者コメント Comment
 アンジェの劇場の、最後の劇を成功させてください∈( oωo )∋
 今回は、みなさまの紡ぐ物語を見てみたいと思い、台本の無い演劇という舞台を出してみました。
 みなさんの物語を楽しみにしています。


個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
未得損益見据えて、契約外のことちくちくやる集団。
若干むかつき腹立つところあるよね。勿論、違法とかな存在じゃ無いんだろうけどさ。
あっちが風評被害流すならこっちが流してもいーんだよね?

劇の内容はさっきのやり取りでいーよね。
悪質な金貸しに付きまとわれながら、最後の舞台を行う劇団の、カーテンが上がるまでのお話。何かに似てる?どーだか。

ザコちゃんは金貸し役やるね。【変装】で格好とか寄せてこ。モデル?さあ。
【精神分析】で客席の反応伺いつつ、【会話術】で面白可笑しく【ハッタリ】でまぬけに振舞お。悪意?架空の人物だし。
具体的な台詞は決めずに、他のゆーしゃ様が言いたいやりたいことに繋げられるように立ち回るかな。

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【行動】
僕は…ステージに立ちますか。
「寂れたホテルに偶然 立ち寄った客役」として。
ホテルの歴史、衰退までを掘り下げる役で。

事前行動は…。
金貸しの組織規模を探ります、か。
その後は練習するか。一応、演者だし。
(ゲネまでめちゃくちゃ練習する。)

▶役者達が乗り気では無い場合
「本物は立つ場所を選ばねぇ!」
▶黒服の妨害があった場合
スキル【歌唱】【演技】でミュージカルのように、大袈裟に立ち回り。
さも演出のように振る舞う。
役者や支配人に、君達も歌うんだっ!という視線を送る
ステージ上に上がってきた、輩と臨場感のある殺陣を。

シキア・エラルド 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:195 = 65全体 + 130個別
獲得報酬:6000 = 2000全体 + 4000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
きっと素敵な劇場だったのだろうけど…
…うん、やれることをやろう?

・事前準備
よくない噂について

・宣伝
学園内にある施設にて宣伝のミニパフォーマンスをアンジェさんと共に
スペル湖や食堂といった人がいる場所へ
踊りと演技の練習も兼ねて、学園生や人々に披露
「学園生と合同で」「最後の劇を行う」ことをアピール
同時に反応を見て風評被害の具合や詳しい内容についても聞き込み

・本番
「踊り」「演技」「運動神経」
今の自分の技術を惜しみなく
あくまで主役は彼女や彼等劇団員のつもりで
されど足を引っ張らないように練習はしっかりと
演技中の役は「手伝う学生」 そのまんま

アリア・カヴァティーナ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
●集客
カンバンに『フトゥルーム・スクエアが劇場最後の公演!』と掲げて、町で羊皮紙で作ったパンフレットを、道行く人に手渡しで配り歩きますわ!
学園の信用を前面に出せば、役者の質の心配も、怖い人たちが来る心配も、きっと皆様不要になるはずですわ!
椅子のことで苦言を呈されたら…わたくしは、「思わず立ち上がってしまう公演にしてみせますわ」と答えるまでですわ!

●公演
もぎりとしてお客様をご案内した後、わたくしは語り手役を演じますわ!
『語り手』は、物語の舞台を訪れた渡り鳥…遠くから俯瞰できるがゆえに、自分のことで手一杯な人びとが争う様子に疑問を抱く役ですわ!
『視野を広く持ち真実を見抜くのが大切だ』と伝えますわ!

リズリット・ソーラ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
・劇の内容
かつでここで起きた出来事をなぞる
あくまで名前を変更する等でフィクションの形をとる
アンジェさんから事の経緯について改めて聞き込み
内容
舞台はかつて笑顔溢れたとある劇場
だが経営難により劇場の取り壊しが決まってしまう
せめて最後に、もう一度…この劇場に笑顔を
最後の舞台の為に、少女は仲間と共に度立ち上がる

・事前準備
アンジェさんに聞いてかつての劇団員に連絡を取る
直接赴いたり、手紙を書いたり
最低限伝えるのは
劇場がもうすぐ無くなること
最後に劇をやること
あなた達に出て欲しいこと
以上の3点

・本番
万が一の時を考えて警備
怪しい動きをするものは要チェック
動きを「推測」し、何かあるようなら外へ

リザルト Result

 スポットライトの当たる舞台。
 フィナーレの予感に、観客が胸震わせる中。
 少女は一歩、また一歩と階段を上る。
 少女の可憐な唇から零れる、台本に決められた想いを込めた台詞。
「……ここから始めよう。終わるための、最後の舞台を」

「みなさんには、最後の劇を行うためにお手伝いをしてほしいんです。……どうか」
 そう言って頭を下げた劇場支配人【アンジェ・リリー】を見るや、彼らの行動は非常に迅速であった。
「劇の内容はさっきのやり取りでいーよね」
 【チョウザ・コナミ】は机に広げた紙にかじりつく。
「悪質な金貸しに付きまとわれながら、最後の舞台を行う劇団の、カーテンが上がるまでのお話」
 何かに似てる? どーだか。
 飄々とした笑みを浮かべ、そんなことをのたまうチョウザの提案に、反対する者はいない。
「アンジェ、こうなった経緯を、改めて教えてくれへん?」
 【リズリット・ソーラ】はチョウザの言葉を受け、かつてここで起きた出来事を聞き込みする。
「実名は、色々と問題が起きそうで……」
「名前は変えて、フィクションの形を取るんよ」
 心配そうな表情を浮かべるアンジェに、リズリットは、あくまでこれはフィクションだと強調する。
「……」
 少しの躊躇い。
 しかしアンジェは、覚悟を決めたような顔で話し始める。
「私の知っていることは、体験したことと、祖父母、両親から聞いたことだけです」
 アンジェはぽつ、ぽつ、と語る。
 劇場を建てる時に祖父母がお金を借りたこと。
 初めに借りたところは良心的な金貸しであったが、借用証書が何らかの理由で悪質な金貸しに渡ってしまったこと。
 以降、取り立てはその金貸したちが行なっていること。
 祖父母たちの代で、何らかの契約が交わされ、金利が暴利とも呼べる額になってしまったこと。
 細々と返してはいたものの、とうとう支払いきれなくなってしまったこと。
 金貸したちが劇場を対価に借金を無くす取引を持ちかけてきたこと。
 両親が断ったこと。
 以降、風評被害を流し出したこと。
 両親が亡くなったこと。
 アンジェが一人切り盛りしていかなくてはならなくなったこと。
 しかし役者や裏方たち、スタッフが離れていってしまったこと。
 本当に一人になってしまったこと。
 お金を返せなくなって、一週間後、引き渡す約束を了承してしまったこと。
 アンジェは噛みしめるように話し、伝える。
「私が知っているのは、ここまでです」
 リズリットは礼を言う。
 一番辛いはずのアンジェが、ここまで詳細に語ってくれたことに感謝をして。

「それでは、台本ができたら教えてください」
「承知ー。役者とかはザコちゃんたちにお任せお任せっ、てね」
 劇場の入り口で深々と頭を下げるアンジェに目礼し、足早に劇場を去る。
 劇場が離れるにつれて、その足取りはどこか重くなっていく。
「未得損益見据えて、契約外のことちくちくやる集団」
 チョウザが吐き捨てるように呟く言葉は、無言の空間では、案外よく響く。
「若干むかつき腹立つところあるよね。勿論、違法とかな存在じゃ無いんだろうけどさ」
 チョウザは空を見上げる。
 一番星の見える空に、いたずらを思いついたように口角を上げた。
「あっちが風評被害流すならこっちが流してもいーんだよね?」
 チョウザの言葉に、身を乗り出すように賛成の意を唱えるのは【ヒューズ・トゥエルプ】。
 彼は握りこぶしを作り、やろう。と首肯する。
「僕は金貸しの組織規模を探ろうかな。何かの役に立ててください」
 各々が各々にたくらみ、計画を立てていく中で、【シキア・エラルド】は劇場の方向を振り返る。
「きっと素敵な劇場だったのだろうけど……。……うん、やれることをやろう」
 その言葉には、どこか寂し気な響きが含まれていた。

「みなさま! よろしくお願いいたしますわ!」
 翌日。その小さな体を精一杯大きく使い、羊皮紙で作られたパンフレットを配る【アリア・カヴァティーナ】が街中で見られた。
 その背後には、『フトゥールム・スクエアが劇場最後の公演!』と大きく宣伝文句を書いた看板を立てている。
(学園の信用を前面に出せば、役者の質の心配も、怖い人たちが来る心配も、きっと皆様不要になるはずですわ!)
 その宣伝には、集客目的の他にも、風評被害を払拭する狙いもあるようだ。
 しかし、懸命に頑張るアリアの元に、如何にも意地悪をしたがっている顔の男がやって来る。
「でもねぇ。ここって、接客の態度も悪ければ、設備だってろくなものもないんだろ? 長時間座らせる椅子の質だって悪いってなったら、みんな行きたくないよなぁ?」
 男はにやにやと嫌な笑みを浮かべながら、特に必要のない大きめの声で民衆へ知らせる。
 アリアは怯まない。
 失礼なことを言う男にも、しっかりと笑みを浮かべて応答する。
「思わず立ち上がってしまう公演にしてみせますわ」
 だから椅子など必要ない。
 男は気圧されたか、恥ずかしく思い始めたか。アリアの目の前からそそくさと撤退していった。

 ほぼ同時刻。
 チョウザは学園の食堂まで来ていた。
「えーっと、次の授業って……」
「今日の日替わり何だった?」
「しまった、忘れ物!」
 お昼時の食堂では、多くの生徒や職員たちが、思い思いに騒いでいる。
「……で、劇の話?」
「そ。実はこの日に、ここの劇場で最後の劇やるから見に来てってお話ー。今まで誰もやらなかった題材だから面白味あると思うよ」
「ふうん。……最後のって? 公演最終日ってこと?」
 チョウザは雑談の中で集客を試みる。
 興味を持った風の女生徒は、最後の、に疑問を持った。
「実はー」
 チョウザは全て打ち明ける。
 風評被害のことも、劇場が本当の意味で最後であることも。
「今時、まだそんな古臭いのいるのね。……分かったわ。何人か誘って行くわ」
「ありがたみー」
 チョウザは残った紅茶を飲み干し、席を立つ。
「あ、そうそう」
 ふと、思い出したように先の女生徒に振り返る。
「実はこの舞台の後も役者を探してるんでぇ。だれかよさげな人材紹介してくれっと良き良き」
 じゃねー。と手を振り、今度こそ食堂を退室するチョウザに、女生徒は呆れたように笑う。
「終わらせる気なんてないじゃない」

「どうも。うちはフトゥールム・スクエアのリズリット・ソーラ。こっちはヒューズ・トゥエルプ」
「初めまして。今回は歓談の席を設けていただきありがとうございます」
 ここ数日、リズリットとヒューズの両名は、アンジェから聞いた劇団員の住所を頼りに、元劇団員たちを訪ねていた。
「最後の、劇ですか……」
 自分たちが離れていってから、遠からずこんな日が来ることは簡単に予想できたのだろう。
 相対する元劇団員は、その顔に罪悪感を浮かべる。
「そう。劇場ももうすぐ無くなる。だから、きみたちに出演してほしい」
 真剣に正面を向いて乞い願うリズリットに、しかし元劇団員は俯く。
「もうすぐ潰れる劇場で劇なんて……」
 自身のキャリアに関わるからか、はたまた罪悪感を誤魔化す代わりに出てしまった呟きか。
 元劇団員は俯きながら薄笑いを浮かべる。

 ダンッ!!

 大きな、張り倒されるような音だった。
 世界が揺れたと錯覚したのは、目の前の机が大きく揺れたせいかもしれない。
「本物は立つ場所を選ばねぇ!」
 脳裏には、客が来なくなっても尚舞台に立ち続ける、アンジェの姿が浮かんでいる。
 勢いをつけすぎたのか、出されたお茶は零れている。
「と、失礼……」
 差し出された布巾で、零れたお茶を拭くヒューズの正面。
 神妙な顔をして元劇団員は言葉を零す。
「……アンジェのお嬢さんは、元気でやっていますか?」
 ヒューズはこくり、頷く。
「今もまだ、頑張っているよ。最後の最後まで」
 元劇団員は顔を上げる。
 真っ直ぐと、ただ愚直に前を向いて生きてきたあの頃のように、彼は二人を見据えた。

「本日もありがとうございました!」
「劇の本番は明日だよ。学園生と合同で演じる最後の舞台、ぜひ観に来てね!」
 シキアはアンジェと共に、学園内の様々な施設でプチパフォーマンスを行い、期限ぎりぎりまで集客に勤しんでいた。
「とうとう、明日が本番か」
 普段練習に使っているスタジオに着いた時、感慨深そうにシキアが零す。
 アンジェは、そうですね。と寂しそうに笑った。
「最後まで気を抜いてはいけませんね。ケガをしないように、練習をしましょう」
 アンジェは踊りだす。
 用意された台本の通りに。
 シキアはそれを食い入るように見詰める。
 場面が終わり、アンジェがほんの一息つくと同時に、照れ臭そうにシキアへ問いかける。
「あの、いっつもそうやって眺めていますよね? どこか変な所でもありましたか?」
 シキアは首を振って否定する。
「授業で習うのと、やっぱり少し違うのかなって」
 シキアはアンジェの真似をする。
 本職として踊り慣れているアンジェの動きには、まだ遠い。
「男性と女性の違いもあるのかもしれませんね」
 体格や体のラインが違うから。アンジェはシキアの体をまじまじと見つめている。
 そんなアンジェを眺めて、シキアはふと。
「逃げたいと思ったこと、なかったの?」
「……え?」
 固まってシキアを見上げるアンジェ。
 その顔は、強張っている。
 シキアは慌てて否定する。
「他意はないよ。そういう道があったんじゃないかってだけ」
「そういう、道」
「うん。誰も彼もいなくなって、あんな物騒な人まで来て。キミが別の道を歩んでも、いいんじゃないのかなって」
 言われたことにピンときていない様子でアンジェは虚空に視線を彷徨わせる。
「……たしかに、辞めてもよかったのかもしれないです」
 ぽつり、ぽつりと話し出すアンジェの言葉を、シキアはそっと拾い上げるように聞く。
「お花屋さんでも、ケーキ屋さんでも、何にでもなればよかった。おしゃれをして、恋をして、普通の女の子のように生きてもよかった」
「……うん」
「……でも」
 アンジェは振り返る。
 その視線はシキアを見ているようで、見ていない。
「もし、私が何度、私として生まれ変わっても、やっぱりあの劇場で劇をしたいと思います」
 視線は、大勢いる観客の内のひとりを見る、感謝の瞳に変わっている。
「あの劇場は、お客様の笑顔のためにあるんです。私が、そのお仕事をしたいと思ったから、やっているんです」
 シキアは笑んだ。
「明日、絶対に成功させよう」
「はい!」

 長らく客の入っていなかった劇場は、見るに久しい満員御礼。
 椅子の数が足りなくなり、急遽眠らせていた折り畳みの椅子を引っ張り出してくることになった。
 その客の中には、あの金貸しも座っている。
「お客さんがいっぱい……! 私、こんなたくさんの人に観てもらうの、初めてです」
 感極まった様子で舞台裏からアンジェが客席を覗く。
 そのさらに奥の方では、シキアとリズリットが相対していた。
「何もないと思いたいけど、頼んだよ」
 シキアは警備に回るリズリットの身を案じる。
 リズリットは力強く頷く。
「うちは大丈夫、壊すのはできる。……劇場は壊さんよ?」
 軽口にも、尚心配そうなシキア。
「もしキミが怪我したらどうしよう? 舞台から蹴っ飛ばしに行こうかな」
 軽い冗談のつもりだったのだろう。
 ジト目で見遣るリズリットに、シキアは咳払いをする。
「……冗談だよ、ちゃんとやるってば」
 リズリットは鷹揚に頷いた。
「飛び出したらあかんよ……。ちゃんとあそこで踊るシキアを見せて、な?」
 肩をポンポン、と叩くリズリットに、シキアは首肯する。
「ちゃんとリズリットの作った台本、演じてみせるよ」

 ブーッ。長い長いブザー音が鳴ると同時、舞台が暗転。
 雑談で騒がしかった客席も、波を打ったように静まり返る。
 ぱ。
 照明が舞台を照らすと、そこに浮かび上がるのは白い翼をはためかせるアリア。
「わたしは、渡り鳥。どうして人は、二本の手を持ちながら、こうも争ってしまうのでしょうか……?」
 アリアのナレーションは、彼女が舞台に降り立つまで続く。
 次の出番を舞台裏で待っているヒューズは、難しい顔で呟く。
「さて、題材が題材だな。いくら、こちらに害意が無くとも……動員数や湧き具合によっちゃあ。向こうさんが黙って見てるとは思えないな」
 その言葉にか、それともこの客数に緊張しているのか、強張るアンジェの肩をぽん、と叩く。
「ま、何にせよ、アンジェさんや。奴らにゃ、家族との思い出が詰まった劇場は渡さねーデス。こちとら客は客でも、フトゥールム・スクエアからの刺客だぜ。……なんちゃって」
 お道化たように言うヒューズは、照れた笑いを隠し舞台へ立つ。
「ここは、劇場か?」
 彼は歴史を辿る客。
 劇場が建ちあがってから今までを、ずっと見てきた常連のひとり。
 かつて笑顔溢れたとある劇場。
 だが経営難により劇場の取り壊しが決まってしまう。
「おーおー、金は用意できた、かね?」
 舞台袖から現れたのは、チョウザ扮する金貸し。
 動員できた役者たちの、取り巻き役がいい味を出している。
「金だけに!」
「ボス、シャツの裾が出ています」
 金貸しチョウザは、支配人演じるアンジェに詰め寄る。
 そのコミカルな動きに、客席から笑いが漏れる。
「とにかく、あと一週間。それ以上は待ってやらんぞ」
「首洗って待ってるんだな!」
「ボス、社会の窓が開いています」
 わいわいと賑やかく退場する金貸しチョウザたち。
 誰もいなくなった舞台上ではアンジェが打ちひしがれる。
「どうしよう……」
「少女は考えます。もう一度、劇場に笑顔を灯すにはどうすればいいのか」
 せめて最後に、もう一度……この劇場に笑顔を。
「僕たちが手伝うよ」
 舞台に上がり、彼女に手を差し伸べるのはお手伝いの学生、シキア。
 彼の手を取った少女は最後の舞台の為に、仲間と共に立ち上がる。
「この劇場がどうなってしまうのか。残るのか、はたまた無くなるのか、それは誰にも分らないこと」
 アリアは飛びながら花を降らし祝福する。
 花の降る舞台へ一歩、また一歩と上ってくるのはアンジェ。
 アンジェは劇場いっぱいに響き渡る声で、舞台を締めくくった。
「……ここから始めよう。終わるための、最後の舞台を」

「……無事、成功したようやね」
 劇場の外、リズリットは達成感溢れる表情で息を吐く。
「悪いことは、もう考えん方がいいで?」
 踏みつけられるように拘束されていたのは、あの金貸し三人衆だった。

 物語は喝采のうちに幕を閉じた。
 後日、その報告書を読んだ男がひとり。
「俺は、あの劇場を買い取ってテーマパークにする予定だったんだ。立地的にもちょうどいい、うまくいけばこちらの懐も痛まない好条件。なのに、このざまは何だ」
 目の前に散らばる報告書に、三人の男が身を竦ませる。
 あの、金貸し三人衆だった。
「これじゃあ、悪い噂が立って客が来ねえじゃねえかよ! 最後の最後でやり返されやがって!」
「すいません!」
 男は不愉快そうに足を鳴らす。
 口から吐き出される紫煙は、天井へと昇っていく。
「フトゥールム・スクエア……」
 天井に透かす報告書を夕日が照らす。
 男はぐしゃり。それを握りつぶした。
「邪魔だなぁ……。あのガキども」
 夕日は沈むその瞬間まで、煌々と輝きに満ち溢れていた。



課題評価
課題経験:65
課題報酬:2000
台本のない演劇舞台
執筆:宇波 GM


《台本のない演劇舞台》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-09-03 00:11:30
既得損益ならぬ、未得損益を勝手に見据え捉えて。
しょーもないわけわかんないことをちくちくやる集団って、どこの国にもいるもんだよねぇ…むかつき腹たちみ。
ならさ、どーせ最後だってなら。思い通りにだけはしたくないよねぇ。
…って、少なくともザコちゃんは思いみ。他のゆーしゃ様がどーしたいかにもよっけど。


でさ。台本はもうあるよね。ここに。
ほら、さっき目の前でやっすい舞台の悪役の嫌がらせみたいなの繰り広げられてたじゃん。あれ使えるでしょ。
むかつく集団に嫌がらせを受ける劇場が、最後の公演をたちあげるまでの物語。これでいけるじゃん?
ゆーしゃ様みんなに【演技】の心得なくったって、自分達のままで通るんだし、支配人様を主役に立てられっし。
あ、ザコちゃんはさっきの集団の誰かやるね。名前とか名乗ってたっけ。名乗ってたらはちゃめちゃに連呼しよ。

あとは集客と風評被害の諸々だけど。
全部素直にぶちまけた上で、真偽不明な最後の舞台について、根も葉も空気もない
噂流しまくるのがいいかなって。
欠片でも心に引っかかっちゃえば、見に行くいかないに関わらず話題には登るだろうし。あとはその繰り返し的な。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 2) 2019-09-03 00:51:36
ははーん。同じ事考えてたのかな。
僕もその案はアリアリの推し推しです。
ノンフィクション、ドキュメンタリーをワンステージで。
演技を止めるな!みたいな。
うはうは、天才すぎる僕、芸能業界でいっちょメイクマネーですか、これ。
もういっそのこと金貸しを舞台に立たせちゃうってのは?
勧善懲悪、活劇よろしく、リアリティーショーで成敗しちゃうとか。
結末なんて知らないけど、はは、事実は小説よりも奇なり的な!

好奇心は人だか猫を殺すってことですかね。あれ、なんか違うか。
まー怖いもの見たさの心理を利用したいとこですね!
風評被害=プロモーションの方程式、うはは。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 3) 2019-09-03 01:38:20
んー、かんぜんちょーあく、はどっちでもいーんだけど。
奴ら……あの集団?を舞台にあげるのは、ザコちゃん非推奨推せなみ。

だってさー、攻撃矛戟の先がザコちゃん達に確実に向く、ってならどーにでもなるけどぉ。
多量大量な観客が集まるように頑張り励む客席にそれが向いたら。
傷1つ付けないよーにできる、なんて保証はないかんねぇ。炸裂する種でも投げられたら1発でダメだし。
って考えって、あの集団が預かり知らぬところで広まり騒がれんのが理想かなーって。思いはする。
…あくまでザコちゃんは、ね?

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 4) 2019-09-03 02:15:27
ふむ…しかし、このままではドラマ性に欠けると思いますねぇ。
題材が未完である故か。
何より、この物語に動きを齎している支配人のお嬢というよりは
実は金貸しの存在なんじゃないかと…。
物語を着地させるにゃ、金貸しさんに
何らかのリアクションを起こしてもらった方が成立させる上で
大事だとヒューズ氏は考えます。金を貸してくれた恩。
しかし、暴利を貪り箱を奪うために営業妨害を売ってくる怨。
明かされる真実に秤にかけた大衆達は果たしてどんな感情を抱くだろうか。

真っ当かどうかは別として「商い」を営んでいる以上
ちょいと挑発したところで、多量大量な客共の前でいきなりそんな暴挙に走っちゃう?
何なら舞台監督的なポジで
客席に危ないもんが飛んでかないようにマークしとく?

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 5) 2019-09-03 19:55:07
二人ともよろしくね

台本については異議なしだよ、一から考えるのも大変だしね
…たしかに結末どうしよっか?お話にする以上、結末は用意すべきだし
向こうが飛び込んでくれるなら、諸悪の根源はこいつらだーってできそうだけど
問題はそこまでして本格的な妨害をしてくるかどうかだよね…
「どうせ何しても無駄だろう」ってタカくくってる感じもするし

…始まる前に妨害しにきてくれるなら、いっそとっちめてやれそうだけど
宣伝もかねて、こう…「安全は学園が保証します」みたいな…
うーん、もうちょっと考えてみるね

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 6) 2019-09-03 21:43:42
よろしくお願いします。ヒューズ・トゥエルプです。(サッと敬礼して)

客を大量に集めさえすれば、傍観なんて決め込めなくなる状況を作るのです。
そもそも、このプログラム自体が挑発行為。
このホテルの箱を使って、何をするかは分かりませんが、
商売をするにしても、拠点にするにしても。
舞台を完結させてしまえば、此奴らも風評被害の餌食です。
というより事実である以上、金貸しの方が分が悪いのでは、と考えます。
意趣返しの屈辱感の相乗を期待して、充分な効果が見込めるかと。

そして結末は、支配人のお嬢様が握るんじゃないかなぁー。
僕のヴィジョンでは金貸しに助け舟を出すことによって
お嬢様に選択肢を与えてやることが出来ると思うんです。
表面はダイナミックな殺陣で金貸しを打ち倒す。
しかし、裏は
「この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体とは一切関係ありません」
金貸しを金貸し"役"にするアナウンスと引き換えに
暴利を消すことを呑んでもらう。
まぁ。これは僕のシナリオです。

共通項としてはトラブルシューティングして
初めて物語が結末へと向かうのではないでしょうか。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 7) 2019-09-04 00:10:41
その辺の思考の意向は全く合わなみかなあ。それもこの世の個性だけど。丸っと画一よかだいぶ良さみ。

ザコちゃん的に舞台にあげたくないもう一個が、剥き出しの私刑は行うべきじゃない、ってことかな。
だってそもそもさぁ、むかつき腹たちな存在概念ではあっけど、違法な金貸しじゃないんでしょ?
そこを無法な私刑で、払うべきだったお金を帳消しのなしなしにすんのは。
それこそ、短期的にはよくったって、後々にめんどい風評被害の元種になりかねないじゃん?
資金繰りの手腕がなく金貸しに借りておきながら、姑息な報復で返済を怠ったー、的な。

風評被害には風評被害、同じ程度でぶん投げ返せば、後々のジワジワであっちなめんどいしこり残せんだろーし、
ってのともう半分が、そもそも客席を埋めることに成功しちゃえば、利子くらい返せるくない?ってのと。
(自分の個人口座を覗き込んで)
…ザコちゃんおかね使う予定も無いしいらないのに、課題の度に学園から振り込まれるせいで余ってんだけど。
これ押し付けて終わっちゃダメ?50万Gくらい即金で出せっけど。めんどいこと全解決じゃん。
…学園的に資金の譲渡は認められない?そっかー。

後ついでに、結末は無理して作らなくてもいいんじゃん?派。これも多数決で負け負けっぽいけど。
そもそもさっきと今?のやり取り台本にしてる時点で、テーマはわりかしのノンフィクションじゃん?
そったら、事実まだこの先ないんだから、次回へ続く、にしとくことでそれを期待する観客引けるでしょ。
なおのこと、あの集団が、手だししにくい状況を作る意味でも。
どれだけ人員いるかわかんない分、こーいう概念的な手出しの方が後々いいかな、って。

っても、歯向かい対立はめんどいし、ゆーしゃ様達全員がそっち系で行くってなら。
ザコちゃんは大人しくモブらしく、隅っこの木っ端モブしてっから。
だったら、おもしろそうなとこだけちょっかいかけよ。展開やり方によるかな。
ゆーしゃ様育成学校なんだし。頭数にも含まれないザコちゃん如きの弱っちモブよかそっち優先じゃん?ふふ。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 8) 2019-09-04 02:08:05
(ザコちゃんの講座を盗み見ようとしながら)
僕もそこは同意見だよ、ザコちゃん。
姿勢思想指向は人それぞれ。
みんな違って、みんな良い。千差万別。十人十色?あとはー…百花繚乱?
僕は群像激が大好きなんですよ、金貸しにすら魅力を感じるくらいに。
なので金を借りる奴が悪い。そう思う人が居るのもまた自然のことだと思います。
だが…このままでは些か不公平に思えます。
どうもバランスが悪いように思える。
暴利で金を毟るのは結構。
しかし、金貸し達の吹聴行為、これは真っ黒ですね。漆黒漆黒♪
…ズバリ、その心はですね…暴利とはいえ返済できた可能性を潰しちゃったんですよ。彼らは。両親の代からの嫌がらせ、即ち長期に渡る営業妨害。
間接的ではあるが両親の死を招いてしまっていること。
金を返せと宣うが、返済手段を取り上げる矛盾。
そして家族の温もりが残った、ホテルにまで手を伸ばす鬼畜っぷり。

これもう風評被害とか自業自得とか、そんな言葉で終わらせてもいいのでしょうか!いーや駄目だぁ!こんな悪辣な行為は一勇者として許せません!
ジャスティス!ジャスティスだあああ!
というか僕自身無理だ!流言は良くない!俺の仲間もありもしない流言で命を落とした!やっぱ、金貸し嫌いだ!
ごめん!この主張は私情だから!捨て置いて!
閑話休題!!

…そう、ステージの上で処す必要性はまるで無いけども。
金貸し達に気を遣う必要性がないとも思える。
個人的には、ツケがあるのは向こうだとも思ってて…これはもういいや。
ま、作品の糧にしちゃっても良くね!ってくらいの感覚です。
むしろ作品の協力費みたいなもんですよ、この助け舟はね。
あと、安易に金を借りたらヤバいよねって教訓だけじゃラストステージを銘打ったのに、ちょっとパンチが弱いと思うんだ。それこそ、もし次回があるとして、見に来ようって思わせる作品になるかな。

金貸しさんの規模に関しては現状は不明だけど、準備段階で探ればわかるはずさ。金貸しさんを丸々と観客として呼び込みますか?引っ張り込めれば妨害の対処は絞れそうだし。なんか、何にもしなくても来そうな気はするけど。
こいつらが妨害するなら、それこそ。こっちも客席に忍ばせて。
これはフラッシュモブ的な奴ですよ〜。って思わせるのも面白いかなって。

…もしこれがベース案になるのであれば、前提の話なんだけどね〜!
(喋り疲れて、水分補給)




《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 9) 2019-09-04 02:14:58
アリア・カヴァティーナ、皆さまのお力になるために参りましたわ!
わたくしも、ザコちゃんさまと同じで……せっかくの最後の舞台を復讐や、交渉の道具で終えてしまうのは、悲しいことだと思ってしまいますわ! だって……なんだか、寂しいですもの!
けれども……『どこかにありそうな題材を元に』『リアリティあふれる劇を作り上げた』結果、観客の皆さまがこの劇場のことだと勘違いしてしまって、何か行動を起こしてしまいそうになるのだとしたら、それはきっと、劇が素晴らしかった証拠だと思いますわ!

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 10) 2019-09-04 03:22:41
(ペットボトルの蓋を閉めて)
確かに思惑や打算で雁字搦めですね。うんうん。
我が案ながら気になります。
ただ、復讐や交渉の道具では終えるつもりは僕も無いかな。
今回の題材に限って言えばあくまでこれらは道程に過ぎない。
僕達の存在という転を経て、結び。
アリアちゃんのその型も面白いし、僕の好みであります。
確かに、演じ手のモチベーションに差異は出そうだけど。
つまるところ、明確な違いなんですけど。
問題部分の解決をお客様に委ねる。
というのが引っかかるかな。ヒューズ的に。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 11) 2019-09-04 03:29:40
あくまで、依頼は「舞台を作る」ことなんだけど。
どうしても節介を焼かずに居られない性質は母ちゃん譲りか。
くぅー…。違うなって思ったら、遠慮なく蹴ってください。僕じゃなくて案を。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 12) 2019-09-04 21:55:41
うーん……金貸しの扱いは、ちょっとまだ考えさせてね。あんまりまとめられてないんだ
一番はアリアさんが言ったみたいに、お客さんが行動を起こしてくれるくらい素敵な舞台を作ることだよね?
あ、そうするとザコさんが言ったみたいに無理に結末作らない方がいいのか
「もう終わり」じゃなくて「つぎがある」方がいいもんね(頷き

……で、ふと思ったんだけど
そもそも風評被害が原因でお客さん来ないんだよね
ただ「最後に潰れる前に劇やります」だけじゃ、内容以前にお客さん来るかなって
椅子とか役者さんは実際に見なきゃわからないけど、風評被害扱いされてるってことは実際そこまで酷くないってことだと思ったんだけど…
だったら宣伝がてら、ちょっと街に出て軽く劇をしてもらうとか…どうかな?
少なくとも、演者としては俺たちより元の人たちがやった方がいいと思うし
最後の怪しい奴は…それこそ俺たちが制服着て「見回りしてます」みたいな…?

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 13) 2019-09-05 00:21:54
観客動員に関しては、ひとつのやり方でもそもそやるよか、各々がそれぞれでやる方がいーかなって。
ほら、興味関心の引き込み取っ手、それぞれちがうんだろーからさぁ。

さっきも言ったよーに、ザコちゃんは全部素直にぶちまけた上で、でまかせ撒き散らし流布だけと。
舞い手のヒューマン様だったら例えば、踊りに自信あるっぽい支配人様と一緒にどっかで踊りの練習やるとか。
食堂の一角とかがいいかな、ぶっちゃけ他に人の集まるとこが思いつかないだけ。
結果的に一目引ければ、実はここで舞台やるからその練習でー、とかさらっと繋げられんだろーし。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 14) 2019-09-05 04:13:57
その場のフロウに任せ、ライフゴーズオン。ごく自然なことです。
其れ、即ち。ベリーリアル。結末については了解しました。

客動員も各々で行うという案も賛成です。
僕は、そうですね。僕もゲリラ劇をしようかな。
本番のキャスティングは未定だけども
とりあえずその場では黒服役を演じてみようかと。
その場に居る方達に僕の愛嬌溢れる笑顔を送るつもりです。
「なんでい!出入りしてたのは劇場の役者じゃねんか!べらんめぇ!」
…って思ってくれたら儲け物…。
とにかく悪いイメージでも払拭できたら良いよね〜



《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 15) 2019-09-08 08:17:37
●宣伝
わたくしは、『フトゥルーム・スクエアが劇場最後の公演!』というのを前面に出してゆくことで、役者の質の心配も、怖い人たちが来る心配もなくしてしまう……という案を考えておりますわ!
実際には役者が全員生徒なわけではありませんけれど、学園監修なのは事実ですし、この中に主役を担当してくださる方がいらっしゃるようであれば、なおさら問題ありませんわ!
椅子のことは……「思わず立ち上がってしまう公演にしてみせる」とお約束すれば、きっと関係ありませんわ!

●台本と配役
そろそろ、こちらもしっかり考えておかねばなりませんわ! それと台本をプランに記しておく方も必要ですわ!
わたくしは……もぎりをやりたいですわ!
配役のほうは……人々の諍いを目にして心を痛めて、解決するよう状況を見届ける天使役……とかでかまわないでしょうか! つまりはナレーション役ですわ!

●役者集め
こちらは……わたくしは、宣伝と配役でプランが精一杯になってしまいそうですわ! どなたかにお任せできるとうれしいですわ!

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 16) 2019-09-08 09:17:37
あっ……やっぱり天使役は恥ずかしいので、渡り鳥役にしますわ!!

《勇往邁進》 リズリット・ソーラ (No 17) 2019-09-08 10:45:45
ギリギリの参加でごめんな、うちはリズリット。
話の流れは大体分かった、ほんなら役者集めはうちがプランに書いとく
話したらしぶしぶでも出てくれる言うから、早めに声かけといて一緒に練習できるようにしてみるな

えっと、うちは本番の日は警備?みたいなことしよかな
大丈夫やと思うけど、警戒しとくにこしたことないやろうし

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 18) 2019-09-08 13:48:18
もう今夜には準備終えなきゃだもんね。はやいはやーい。
色々の諸々、決め確定しとかないとね。

ザコちゃんのやることはさっきいったとーり。
盛って現状ぶちまけて宣伝、風評被害負けそうなあの集団役でやる。おわり。

後ついでに、余裕あったらこの劇場で役者をやりたい人物、をひければいいかなって。
今回の劇についてってよりかは、これからここで学ばせて欲しい的なあれの。
そったら、こーんな事情で閉め譲っちゃうんだー、ってなった時に不平不満は出るだろうし。
仮に現支配人様が劇場譲るってなっても、あの集団がこの劇場を雑無碍には出来なくなるじゃん?

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 19) 2019-09-08 14:05:11
あとはあれ、衣装必要になりそうなら、劇団のあまりなりカーテンなりをザコちゃんがお【裁縫】で……
(言いかけて手元の羊皮紙をぱらぱらとめくる)
…文字数これ以上増えると削りきれないか。そっか。
そったらこれに関しては、いけそうなら書いとくかなって感じで。 言うだけ言っとくね。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 20) 2019-09-08 20:16:54
何とか脳ミソから絞り出しましたぜ〜。
柄じゃないがステージに立つよ。
「ホテルに訪れた客役」として
ホテルの歴史や衰退を掘り下げようと思いますよっと。

とりあえずまー。僕はプロモとかその辺は辞めて。
金貸しの動向でも見ながら、ゲネまで練習に明け暮れますよー。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 21) 2019-09-08 20:34:19
俺もだいたいまとめられたかな
アンジェさんと一緒に学園とかスペル湖にきてる人たち相手に宣伝しようかなって
見てくれた人の反応見たらどのくらい風評被害が流れてるのかもわかるだろうしね
本番は…ひねりはないけど「手伝いの学生」役で

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 22) 2019-09-08 20:35:36
途中送信ごめんね

劇団の人たちと一緒に練習していく中で色々聞けたらいいかなって思ってるよ
あとは個人的にアンジェさんに聞きたいことがあるから、それも聞く感じかな
そろそろ出発だね、みんなでがんばろう!

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 23) 2019-09-08 21:20:15
ええシキアさま! がんばりますわ!

ところで結局……台本はどなたかプランに書いてらっしゃるのでしょうか!?
書いていらっしゃらなければわたくしのほうで何とかしますわ!

《勇往邁進》 リズリット・ソーラ (No 24) 2019-09-08 22:02:24
あ、台本……どないしよ、下手くそなりでもええなら、うち書くけど…
そもそも劇の内容がここで起きたことやっけ…?結末はあえて語らずの方向で

《勇往邁進》 リズリット・ソーラ (No 25) 2019-09-08 22:21:43
思ってんけど、これ劇の最後どうやってしめよう…
結末決めないにしろ、ある程度キリのええとこで終わらせんと、お客さんも混乱すると思うんやけど…
うちは「そして少女は最後の舞台へ」って感じで、アンジェさんが最後の劇をやる為にステージは立つってところで切ったら丁度ええかなって
…劇場の歴史と、あとは練習を通して仲間ともう一度心を通わせるところにフォーカス当てたら、案外いけそうな気もするけど
うぅ、ギリギリになってごめんな…

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 26) 2019-09-08 22:25:22
わたくしも、そんな感じのエンディングでいいと思いますわ!
それからのことは、観客の皆さまに考えてもらう、という作品にしたいとわたくしは思っておりますわ!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 27) 2019-09-08 22:32:48
台本はそもそも、全員が対面体感したことを脚しょ…盛ってやるだけだから、要らなくない?
要らないってよか、全員知ってるもんだから、改めて作り作成しなくてもどーにかなりそう、みたいなあれ。
あるならあるで、困ることは無いけどね。管理人様とも共有できるし。ただ色々あるしいるから紛失注意だけど。

もうちょっとで提出だもんね。
とりあえず何よりも、自分が何やっからーってことは忘れずに書こうね。
己の存在が宙ぶらりん浮遊しちゃいかねないからねぇ。ふふ。

《勇往邁進》 リズリット・ソーラ (No 28) 2019-09-08 22:37:49
台本プランに書いてきた!…あ、でも…あらすじもどきやから…そこはごめんな
一応、あったらあったでみんな余計なこと書かんでもいけるかなって…
細かいところはアンジェさんに改めて話聞かんと分からんところ多いし
ま、そこは…みんながプランに書いてあることが台本みたいなもんやね
勿論、みんながやりたいことを優先でな……うん、やれることはやろう

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 29) 2019-09-08 22:42:01
たとえ全員わかっていても、それを伝えるプランがなければ、探した役者の皆さまにはお伝えできませんわ!
リズリットさまのあらすじがあれば十分だと思いますので、よろしくお願いしますわ!