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海蝕洞窟に眠るのは



ストーリー Story

 海洋魔物学の授業の終わり際、先生のひとりである【ナイア・ライアー】が教科書を閉じて言った。
「さて、君たちは『アルチェ』に行ったことはあるかな?」
 夏にたっぷり遊びに行った生徒たちや、その他の理由で訪れたことのある生徒たちは頷き、まだ行ったことがない生徒たちは首を横に振る。
 それぞれの反応をざっと見て、ナイアは深く笑んだ。
「実はそこで、面白いものが見つかってね」
 すいすいとナイアは黒板に絵を描いていく。
 遊泳が許された浜辺から少し離れた崖。波打ち際のあたりに、赤い丸を記した。
「海蝕洞窟、という呼ばれ方もするらしい。長い年月をかけ、波が崖肌を削ってできたそうだよ。数日前に見つかった海蝕洞窟は、引き潮の間の一時間しか姿を現さない」
「一時間経つと、海の中に隠れてしまう、ということですか?」
「そうだよ。魔法を使えばその状況でも調査は可能だけどね。でもまぁ、面白いだろう?」
 たった一時間だけ自由に出入りできる洞窟。
 中は暗く、潮の匂いがして、どのような魔物がいるのか、どのような宝が眠っているのかも、まだ分からない。
「とはいえ、危ない魔物はいないんじゃないかな、というのがメメたん先生のご意見でね。新入生である君たちが行ってもいい、との許可が下りたんだ」
 不安そうに顔を見あわせた生徒たちがいた。
 目を輝かせ、今にも飛び出していきそうな生徒もいた。
 彼ら彼女ら全員の表情を、ナイアは穏やかに確認する。
「恐らく出てくるのは下級の魔物だよ。見つかるのはがらくたか、金銀財宝か。いずれにしてもレポートとして提出してね。では明日、午後四時に校門前に集合すること」
 タイミングよく授業終了を告げるチャイムが鳴る。
 ばいばい、と手を振って出て行こうとするナイアを、ひとりの生徒が慌てて呼びとめた。
「えっと、野外授業、ってことですか?」
「そうだよ。おやつや飲み物が必要なら各自、持ってくること。戦闘の用意も整えておいた方がいいよ。他に必要なものがあれば持ってきていいよ。あと、特別なカンテラを貸してあげるから、欲しい人は今日中に申請してね」
 少し考えてから、ナイアは笑顔でつけたす。
「ああ、僕は現場まで同行するけど、洞窟には一緒に入らないからね。溺死しそうになったら助けてあげるけど、気をつけてね」
 恐ろしい単語に生徒たちの顔が固まる。
 それを気にせず、今度こそナイアは教室から去った。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-11-03

難易度 簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2019-11-13

登場人物 7/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《這い寄る混沌》ニムファー・ノワール
 アークライト Lv20 / 王様・貴族 Rank 1
ニムファー・ノワール17歳です!(ぉぃぉぃ ニムファーは読みにくいかも知れないので「ニミィ」と呼んでくださいね。 天涯孤独です。何故か命を狙われ続けてます。 仲間やら友人はいましたが、自分への刺客の為に全て失ってしまいました。 生きることに疲れていた私が、ふと目に入った学園の入学案内の「王様・貴族コース」を見て考えを改めました。 「自分が命を狙われるこんな世界、変えて見せますわ!」 と思っていた時期が私にもありました(遠い目 今ではすっかり学園性活に馴染んでしまいました。 フレンドになった方は年齢にかかわらず呼び捨てタメ口になっちゃうけど勘弁してね、もちろん私のことも呼び捨てタメ口でも問題ないわよ。 逃亡生活が長かった為、ファッションセンスは皆無な残念女子。 な、なによこの一文。失礼しちゃうわ!
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に

解説 Explan

 一時間限定のお宝探しに、いざ出発!

●成功条件
 溺れることなく無事に海蝕洞窟から出てくること。
 なにか持ち帰ること。

●海蝕洞窟
 午後五時から午後六時の間だけ、砂浜から歩いて出入りできる洞窟。
 その引き潮の時間が終わると海中に沈む。
 最近見つかったばかりで、どのような魔物がいるのか、どのような宝物が眠っているのか、まだ誰も知らない。
 ただ、出てくる魔物は低級らしい。

 内部は複雑に分岐しているため、ひとりで探検しても、何人かで探検してもいい。
 また、内部は足元も見えないほど暗いので、明かりが必須になる。

●プランに記載していただきたいこと
・遭遇した魔物
 スライムかもしれませんし、水棲蝙蝠、お魚、ウミヘビ、貝っぽい魔物かもしれません。
 『こういうのと会った』と軽く記載しておいてください。
 ただしレベル1の方がひとりでどうにか倒せる程度の魔物しか出てきませんし、もしかしたら魔物は出てこないかもしれません。

・見つけたもの
 それはがらくたかもしれませんし、金銀財宝かもしれませんし、誰かの装備品かもしれません。
 あるいは植物、無害な小動物の可能性もあります。
 持ち帰り、浜辺で待機中の先生に提出してください。
 ただしどう頑張っても持ち帰れないものは置いてきて構いません。報告はしてください。

・グループタグ
 複数名で行動する場合は『A班』等のグループタグを使用していただくと、文字数が削減できるかもしれません。
 個人で行動する場合は必要ありません。

●カンテラ
 特殊な魔法石が入ったカンテラ。魔力を少し注ぐと魔法石が反応して光るが、ランタンより明るくない。
 開発段階のものであるため、ときどき明かりがついたり消えたりする。
 ただし岩にぶつけても傷ひとつつかないくらい丈夫。
 貸出希望の方はプランにご記載ください。

「見つけた品は先に出してね。レポートは後日提出でいいよ」とのことです。
 ご参加お待ちしています!


作者コメント Comment
 はじめまして、あるいはお久しぶりです。新人GMのあいきとうかと申します。
 海で洞窟で探検です。

 一時間が経過するとじわじわ水位が上がってきますので、頑張って脱出してください。
 死にそうになったら先生が助けます。
 戦闘は肩肘張らなくていい難易度です。ただし素手で戦うよりは武器があった方がいいと思います。

 皆様がなにを見つけるのか、楽しみにしています。
 よろしくお願いします!


個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:18 = 15全体 + 3個別
獲得報酬:360 = 300全体 + 60個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
実質海の中歩けるって、変わってんの。
海は好きだよ、ザコちゃん。周りには山と庭と道と森しかなかったし。
なんせよ、見たことないもんは見れそうだし、覗きに行こ。…課題?あー、見てから考える

とりまカンテラは借り預かるね。丈夫らしい灯り、欲しいし。どーせ暗いだろーし。
でも中身はいらない。なんかよわよわ点滅の粗悪品っぽいし。
代わりにザコちゃんの【キラキラ石】詰め込むから。あれよかちゃんと光るだろーし、ちょうどいいでしょ。

あと【桶丸】も持ってくね。
面白いお魚とかいたら、そのまま入れて持って帰れんじゃん?
面白い魔物とか石とかだと要らないかもだけど。それはそれとして。

ニムファー・ノワール 個人成績:

獲得経験:18 = 15全体 + 3個別
獲得報酬:360 = 300全体 + 60個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
洞窟探検がんばりますよー。
まずは【カンテラ】お借りしまーす。
迷わないように【地質学】を駆使しつつマッピングしながら進みますね。

【魔王】グループの皆様と進んで行くと・・・
unknownな敵に出会ったわ。意外と弱かったけど何者かしら・・・

更に進んだら【巨大な船】を発見したわ。
私は船の外観調査をかってでたわ。
ラ・レアル型のガレー船のようだけど、櫂の大きさが尋常じゃないわ。
どう見ても人が扱える大きさじゃないのよねぇ。誰が漕ぐのかしら・・
多数の櫓とマストに巨大なラテンセイルがあるのは私の知識と合致するわね。
もう少し調べたいけどこのあたりが限界ね。みんなと一緒に戻るわ。


エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:18 = 15全体 + 3個別
獲得報酬:360 = 300全体 + 60個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【魔王】

●遭遇した魔物
影のような姿をした古代の邪悪な霊(数は多いが力は弱い)
黒い甲冑(中身は不明。魔王に近い存在?魔王の劣化コピー? )

●見つけたもの
魔王の空中戦艦(過去の魔王と勇者の戦いで使用された)

この夏、アルチェで事件が多発したことに関係があるかも?

●カンテラ
貸出希望

●行動
同じクラブのタスクさんと同行

今回は謎の船が沈んでいたという『情報』を持ちかえる
可能であれば船の中に残っている調度品なども持ち帰る
後日、引き上げや本格的な調査をできないか学園と相談

調査では視覚強化や第六感
戦いではフド
負傷者にはリーラブ

仲間とは適時協力やフォローを行う

みんなで生きて帰る事を優先する
過度な戦闘や深追いはしない

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:18 = 15全体 + 3個別
獲得報酬:360 = 300全体 + 60個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
単独
へへ、狙うはジャックポット。この洞窟を暴いてやるぜ。

しかし…この海蝕という性質。隠し物をするにはうってつけだな。
発見者にも分け前が貰えりゃあな…。

まず、タイムスケジュールは守ろう。命に関わる。
カンテラは申請すっぜ。腰元に装着っと。

装備は海水から目を保護する【GOゴーグル】だな。
海水が入ってきても、調査範囲を狭めないようにするためっと。
考古学や地質学なんてのはサッパリだが…。
【視力強化】で怪しい箇所は見落とさないようにしよう。

→魔物遭遇時
俺の剣捌きを見やがれ。刺身にしてやんぜ。
海水が残ってる、戻って来てる時は【プチラド】で相手の足元に放ち感電を狙い
【刻閃斬】で首を撥ねます。

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:18 = 15全体 + 3個別
獲得報酬:360 = 300全体 + 60個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
グループ【魔王】
沈没船を発見!
調べると魔王に関すると思われる記載
「候補36 未だ目覚めず 時をおき経過観察 R」

探索中に謎の強敵に遭遇!
真っ黒な筋骨隆々の巨体の大男
「おで、まおう。にんげん…くう!」
「うわーっ! 手も足も出ない! 逃げろー!」
タスクはしんがりを勤め壁役。
盾で何とかしのぐが限界は時間の問題!

危ういところで、強敵弱体化し事なきを得る。
「はら、へった。…ねむぅ」

巨大な船のことを記録、おとなしくなった謎の人物を警戒しながら連れ帰り、学園に報告

アドリブA

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:45 = 15全体 + 30個別
獲得報酬:900 = 300全体 + 600個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【勇者】

◆用意
カンテラをお借りして洞窟内へ

◆魔物
でっかいウミウシやフナムシの群れに追われるかも

◆見つけたもの
魔物の群れに追われて、追い詰められたと思ったときに背に当たった何か
指に触れる読めない文字みたいな紋様と石碑のような大きさから、最初は墓標と勘違いしそう

その時

天井の岩の隙間から光が差して照らし出された、墓標と思ったもの
それはまるで、「鉄塊」としか形容できない……巨人が振るうような大剣だった

なんとか魔物が居なくなって、剣を抜くにも抜けないし、悪いものを封じたりしててもいけないので、剣に刻まれた紋様を羽根ペンでローブや帽子の裏地に書き写し

神話学、考古学、オカルトの知識をもとに調査し先生に報告を

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:18 = 15全体 + 3個別
獲得報酬:360 = 300全体 + 60個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
海蝕洞窟ねぇ・・・
特定の条件を満たさないといけない場所ってなんかロマンを感じるよな
それこそ何かの隠し何とかってぇのがありそうで

マッドな魔法使いだとか禁忌に触れた何とかが研究所とか隠れ家とかありそうだ
・・・あとは世界渡りの術とか?

冒険がてら頑張って探してみるか

まずは洞窟に入れるようになる前に皆と時間の確認の方法を確認し合っておく
水没したら死んでしまう可能性が高いからな

一応、貸し出しのランタンは借りておくが基本キラキラ石で光源は確保
研究所や隠れ家は空気溜まりで比較的無事なのを期待するこれは財宝全般だが

・遭遇した魔物 スケルトン

・見つけたもの 怪しげな魔道研究所 珍しい魔法道具やヤバイ魔道書

リザルト Result

 引率の【ナイア・ライアー】の話が終わった直後、動いたのは【ヒューズ・トゥエルプ】だった。
「お宝は早い者勝ちってなぁ!」
 狙うはジャックポット。双剣を両手に持ち、腰には先ほど渡されたカンテラをしっかり装着、ゴーグルもかけている。
 砂を蹴って一番乗りした。暗さに怯むことなく、海水の気配が濃厚に漂う洞窟の中を進む。
「さーてさて」
 体内時計は正常だ。五感どころか第六感まで研ぎ澄まして、お宝の気配を探る。呼吸も足音も最低限まで殺した。
 ときおり剣先で目印代わりの傷を壁につける音が、大きく聞こえるほどだ。
 ぴちゃん、と天井から潮のにおいがする水が落ちる。
 ――人のものではない移動音。気配が二つ。
「ガァァ!」
「邪魔すんじゃねぇよ!」
 棍棒のようなものを持ったスケルトンが前方から突撃してくる。
 それが海水の水たまりを踏むタイミングを見計らい、ヒューズはプチラドを放った。感電した魔物が背をそらせてけたたましい声を上げる。
 その隙を見逃すはずがない。
「俺の剣捌きを見やがれ。刺身にしてやんぜ」
 素早く接近したヒューズの双剣が魔物の首を刎ねた。後ろにいたもう一体は俊敏な動作で撤退していく。
「クリア。骨と棍棒、提出しときゃいいか。……そういや、骨格標本のどこから声が出てたんだ?」
 どうでもいい謎は捨ておくことにした。

 風音のような声を上げ、なにかの影のような魔物が襲いかかってくる。
「エリカさん!」
「この……っ!」
 別の影を鞭で打ち据えた【ニムファー・ノワール】の声に焦りが混じる。剣を振るう【タスク・ジム】の表情も引きつっていた。
 タイミングを見計らい、【エリカ・エルオンタリエ】は影の頭部を殴打する。潮の香りが強い湿った空気に溶けるように、影が消えた。
「みなさん、お怪我はありませんか?」
「ええ、わたしは大丈夫。タスクさんも無事そうね」
「わたくしも無事です。それにしても、数が増えてきたわね」
 海蝕洞窟に入ってしばらくは、影どころか魔物も出てこなかったのだ。それが、ある地点を越えたころに一変した。
「……先に進みましょう。きっとこの先に、なにかがあるわ」
 鋭い光を宿した赤の双眸で、エリカは前方を見据える。タスクとニムファーが浅く顎を引いた。

 帰り道が分からない、という状態に陥らないように注意しながら、【ベイキ・ミューズフェス】は逃げていた。
「これは無理です。多すぎます」
 壁を砕き、岩をものともせず、海水の水たまりを掻き乱して迫ってくるのは、巨大なフナ虫とウミウシの群れだった。
 そう、群れだ。十体までは数えたが、徐々に数を増やしていると知ってしまったのでやめた。色々と無理だ。
「まだなにもとっていませんよ? 一体私のなにが皆さんをそうさせるんです?」
 ため息交じりに軽口を叩くのは、勝機を見出しているからではなかった。限界だからだ。息は切れてきたし、ここがどこだか徐々に不明確になってきた。
 もう本当にいい加減にしてほしい。魔物たちは声もなく接近している。言葉が通じないと理解していても、文句のひとつも言わなくてはやっていられない。
「……行き止まりですか。そうですか」
 カンテラが一瞬だけ照らしたのは、三方が壁になっている空間だった。魔物がいる以上、戻れない。前方の壁際にはなにかが突き刺さっている。
 石碑のようだ。墓標だろう。じりじりとそちらに追いつめられながら、ベイキは皮肉気に笑う。
「やれやれ、こんなときに墓標だなんて。準備がよすぎやしませんかね?」
 せめてなんと書かれているのか読みとろうとして、それに触れる。文字のような紋様が彫られているようだが、よく分からなかった。

 借り受けたカンテラに期待はしていない。開発段階の不安定な品なのだ。
 光源は手にしたキラキラ石だった。カンテラの魔法石の光よりはるかに明るく、周囲を照らしている。
「ロマンだな」
 ふっと【仁和・貴人】は笑った。
 彼の眼前にあるのは、研究室のような一角だ。海水の浸食を全く受けていないのは、空気だまりだからという理由だけではないだろう。
 残滓程度だが、魔力を感じる。これが完全に消えたとき、ここは波に食らわれるに違いない。
「いいタイミングでこられたらしい。さて」
 簡素な椅子とテーブル、開け放たれたまま放置されている棚がひとつ。本や瓶その他細々とした道具が散らばっている。実用的とは思えない短剣もあった。
「マッドな魔法使い、禁忌に触れたなにか」
 盗賊に荒らされたというより、まるで必要な物だけ引っ掴んで逃げたようだ。
「……あとは、世界渡りの術」
 手近な本を拾い上げて、ぱらぱらとページを捲った。古代文字だということはなんとなく理解できるが、内容はさっぱりだ。

 お宝目的ではなく、積極的に課題にとり組みたいわけでもない【チョウザ・コナミ】が急ぐ理由はなかった。
 散歩感覚で海蝕洞窟に向かい、思い出して借り受けたカンテラを開く。
「よわよわ点滅の粗悪品はいらないでしょ」
 見る限り、洞窟内は光源がなければ自分の手さえ目視できそうにないほど暗い。
 魔法石をまだ濡れている砂に捨て、持ってきたキラキラ石を代わりにつめる。比較すれば陽の光の下でも分かるくらい明るくなった。
「万全おっけー。ちょうどいいじゃん」
 檜でできた桶が手元にあることも確かめて、チョウザは鼻歌を歌いながら海蝕洞窟に入った。
 カンテラが揺れるたび、海水の気配が濃厚に漂う壁や天井、足元で光と影が躍る。ぴちゃん、と水が滴る音が絶えず響き、チョウザの足は何度も海水の水たまりを踏んだ。
 溺れる趣味はないため、ある程度道を覚えつつぶらぶら進む。
「変わってんの」
 視線を上げて呟いた。まるで海の中にいるようだ。
 周りにあったのが山と庭と道と森だったこともあり、チョウザは海が好きだ。胸いっぱいに湿った空気を吸いこんで、伸びをしてみる。
「お?」
 カンテラがなにかを映した。
 天井から下がっているそれは、どうやら香炉らしい。鎖は今にも千切れそうなほど腐食しているにもかかわらず、香炉からは経年劣化しか感じない。
「ふーん」
 この先は道というより壁の裂け目だった。細身のチョウザがようやく通れる程度の幅しかない。
「これくらいなら厄介お邪魔になんないでしょ」
 ひとまず香炉を回収することにして、爪先立ちになって手を伸ばす。
 掴んだ。壁に打ち付けられた棒切れから、するりと鎖を外せた。
「なんか面白いもの、あっかなー」
 ふふ、とチョウザは背中を壁に擦らせながら、裂け目を通る。

 背後で海水の水たまりを踏む音。
「奇襲を仕掛けたいなら、足音を立てるな」
 振り向きざまに鎌を一閃させ、貴人はスケルトン首を刎ねた。
「基本だろうが」
 鼻を鳴らし、倒れた魔物の骨をひとつ奪っておく。提出用だ。
「一体だけとはな。つまらん」
 引き続き研究所の調査に戻る。
「この本は読めるな。現代のものと古代のものが入り混じっているのか」
 少し考えて、貴人は翼を持つ魚と大きな船が表紙に描かれた本を隠し持つことにした。素知らぬ顔で謎の液体が入った瓶を拾い、これは提出することにする。
「全員、時間の管理はしているのだろうか」
 この課題をともに受けている生徒たちを思い出す。時間の確認方法は決めてあったが、全員がそれを守れるとも限らない。不測の事態もあり得るのだ。
「水没すると死ぬ可能性が高いが……。先生が助けてくれるという話もあったしな。大丈夫か」
 たぶんきっと。
 地面に落ちていた魔導書も提出することにして、貴人は立ち上がる。
「一通り見たが、世界渡りについての本はないな。まぁオレが読める範囲でだが」
 もとより期待はしていなかった。戻れないならそれはそれ、この世界での生活を楽しむだけだ。
「それで? ここで誰が、なんの研究をしていたんだ?」
 わざわざ海に沈む洞窟に研究道具を持ちこんで、波除の結界まで張って。そのくせ飲食物など、生活の痕跡は残さずに。
「水位が上がってきたな。ここが引き際か」
 研究所の一歩先では足首より高い位置まで海水が嵩を増している。貴人は残されたものたちを一瞥し、帰路を辿り始めた。

 腐食しきった宝箱を慎重に開き、ヒューズは目を輝かせた。
「あるじゃねぇか!」
 いつの時代、どこで使われていたのか分からないが、純金であることは確かな金貨が、あふれんばかりにつまっている。
「いいねぇ」
 口から笑い声が洩れる。
 すべてを持ち帰れば確実に没収されるだろう。口惜しいが、ポケットに入れて違和感がない程度にとどめるしかない。
「また迎えにくるからな」
 それまでどうか波にさらわれ沈んでしまわないことを願いながら、ヒューズは名残惜しく宝箱を厳重に閉めた。
「はぁ。なーんで発見者に分け前をやる制度がねぇんだ?」
 肩を落としたヒューズは、ポケットの中の金貨の感触を確かめながら海蝕洞窟をあとにする。

 爪先が水を踏んだ。立ちどまったのはちょっと深かったからだ。
「お魚じゃん」
 足場のすぐ先が小さな海になっていた。その中を、一匹の魚がゆったりと泳いでいる。
 金魚より一回り大きな体と、深海のような青の瞳の小魚だった。ただ、その尾が異質だ。小さな体をすっぽりと覆ってしまえるほど、幅が広くて長い。
 ひらひら、ふわふわと尾ひれを動かして、名前も知らない魚は小海をくるり、くるりと行き来している。
 屈んだチョウザはカンテラを脇に置き、桶でそっと魚を掬った。海の生物は暴れることもなく、呑気に動いている。
「なんて名前?」
 暗い洞窟で生きていたが、光を嫌うわけではないらしい。魚は応えないものの、特に不調をきたしてもいない。
 時間はまだある。もうしばらく散歩をしようと、チョウザは立ち上がった。

 呆然と三人が眺めるのは、巨大な船だった。
 波に削られて朽ちたというよりも、戦いの末に命を散らせたという印象を受ける。周囲には例の影のような魔物を含め、あらゆる動くモノの気配がなかった。
「入りましょう」
 一日のうちたった一時間だけ侵入が可能になる海中の洞窟の、行き止まりのひとつに打ち捨てられた船。エリカの胸中で、その威容に対する恐怖に好奇心がわずかに勝った。
「はい」
「わたくしは外側を見てみますわ」
 歩き出しかけていたエリカと、意を決して同行を決めたタスクに、ニムファーは軽く片手を挙げて言う。
「分かりました。異変が起こったらすぐに呼んでください」
「そちらも」
 三人は頷きあい、手分けしてこの沈没船の調査にあたった。
「船の形自体は、見たことがあるわ」
 岩や瓦礫を足場にして船内に入る二人を見送り、ニムファーは周囲をざっと見回す。
 船側にびっしりとつけられた櫂、半ばから折れていたり、上部が消し飛んでいたりする無数の櫓。切り裂かれ、焼け焦げたような跡さえある大きな帆。帆柱も無事ではない。
「妙なのよ」
 じっと船を観察しながら、ニムファーはその周りを緩やかな足どりで歩く。
「ガレー船。古い造りとはいえ、今でもたまに見る船だわ。でも、この大きすぎる櫂は誰が漕ぐの?」
 どう見ても人が扱える大きさではないのだ。魔法で動いていたのだろうか。
 しかし、それ以上に。
「……この船、本当に海の上を走っていたのかしら?」

 びくりとタスクの肩が跳ねる。とっさに悲鳴をのみこんだのは、気配がないとはいえ、敵がいるかもしれないという警戒を捨てきっていなかったからだ。
「タスクさん?」
 同じ思いを抱いているのだろう、エリカも極力、声量を抑えていた。
「大丈夫です、海藻でした……」
 頬を赤くしてタスクは告げる。エリカが微かに笑うのが分かった。
 暗くてよかった、とこのときばかりはタスクも光源がなければ爪先さえ見えない闇に感謝する。おかげで恥じらう顔を見られずにすんだ。
「船首と船尾、どちらから調べる?」
「……船首から行きましょう。なにかあるとすればそちらだと思います」
「そうね。時間もないわ」
 ここにたどり着くまでの時間と、帰りの時間。あわせて一時間が生徒たちに与えられた猶予だ。
 溺れたとしても先生が助けてくれるらしいが、できればせいぜい泳いで帰れる時間で脱出したい。
 廃材に気をつけながら、二人は船首を目指す。意識は周囲に向けられていたが、聴覚は外にいるニムファーを気にしていた。
 ふっとエリカの腰につけられたカンテラの明かりが消える。
「なっ」
「だ、大丈夫よ。こういうこともあるって先生も言っていたわ。試作品だから……!」
 慌ててエリカはカンテラを振った。やる気を失っていた魔法石が再びぼんやりと発光する。
 はぁ、と同時に深い息をついて、エリカとタスクは顔を見あわせた。
 少しだけ、肩の力が抜けている。いい感じだとエリカは思った。過剰に気を張るということは、体力と気力の浪費に繋がる。
 光り輝く剣を抜身のままにして、わずかでも足元を照らそうとしているタスクも、きっと同じ気持ちだ。
「エリカさん、あれはなんでしょう?」
「壁……、扉ね。本当だわ、なにか描いてある」
 部屋の位置から推測するに、ここは操舵室でも船長室でもない。ではなんの部屋なのかと、エリカはカンテラを掲げた。
「うーん。掠れていてよく分からないわ」
「入ってみましょうか」
「そうね」
 すっとタスクが前に出て剣の柄を握り直し、扉を開いた。
 暗闇だ。カンテラを貸してくれと、タスクが手で合図する。エリカは無言で合意した。
「誰もいませんね」
 ずいぶんと広い部屋のようだ。元がなんであったのか分からないものが、あちらこちらに散乱している。
「待って。タスクさん、さっきのところもう一度照らして」
「ここですか?」
 口早に言ったエリカに、タスクは首を傾けて従う。
 息をのんだエリカの顔は、青ざめていた。
「……これ」
 落ちていた銀色のエンブレムを、彼女は震える手で拾い上げる。
「翼を持つ魚と鎖が絡んだ槍の意匠。……間違いないわ。デベロ・ヴォレの家紋よ」
「デベロ・ヴォレ、って、あの!?」
 思わずタスクの声が大きくなった。
 魔王麾下の六十六家、そのひとつがデベロ・ヴォレ家だ。
 現在に伝わる暴虐の数々が正確であるなら、この船が海を渡ったことはない。
「先生に報告しなくちゃ」
「エリカさん、扉が!」
 隣室に続くかろうじて形を残している扉が、ぎぃ、と嫌な音を立てて開く。

 なにが引き金になったのかなど、推測する余地もない。
 唐突に視界が光に包まれた。思わず目を閉じて、次に目蓋を開いたとき、魔物たちは消滅していたのだ。
「今度はなんですか……」
 ようやく。
 墓標が墓標ではないことに気づいた。
 それは鉄の塊のような剣だった。異質だと直感したのは、巨大すぎたからだけではない。自ら光り輝いていたのだ。
 しばらく粘ってみたが、剣は抜けなかった。
「悪いものを封じているのかもしれません」
 ひとまず紋様をローブの裏地に書き記し、ベイキはもう一度、剣に触れる。
 直後、映像と感情が流れこんできた。
 この剣を持つ誰か。
 大きなその背中。
 民衆の歓声。力なき者たちの祈り。
 仲間たちの死。慟哭。悲哀。終わりの見えない戦い。
 決意。――嗚呼、だって。
 立ちどまれない。背負った全てが立ちどまることを、諦めることを、許さない。
 戦場を駆ける。剣を振るう。切に願う。どうか、どうか。
 この世界が、人々が――。
「……っ」
 剣の記憶、だったのだろうか。
 胸が塞がるような奔流は火が吹き消されるように途切れた。ベイキの頬を、一筋の雫が伝う。
「報告を、しましょう」
 目元を指で拭う間も惜しんで、ベイキは剣について調べた。

「ニムファーさん、逃げて!」
「え、え!?」
 考えこんでいたニムファーは悲鳴に近いエリカの声を聞き、素早く瞬いた。瓦礫や廃材を足場に、彼女が転びそうな勢いで下りてくる。その背にはタスクと、
「なにあれ!?」
 闇の中でもそれが巨大であることは分かった。タスクが持つエリカのカンテラが一瞬だけそれに光を投じる。
 漆黒の甲冑に身を包み、兜で顔を隠した巨大な二足歩行のなにかだ。
「分からないわ!」
「船の中にいたんです!」
 それが片手に持った長大な剣を振るう。邪魔な瓦礫どころか岩と壁まで紙のように斬れた。ニムファーは呆気にとられる。
「急いで!」
「はいぃっ!」
 立ちすくむニムファーの手を掴み、エリカは走った。しんがりを務めるタスクも、これが夢であることを願うニムファーも、エンブレムを持ち帰ることにしたエリカも、痛いほど分かっている。
 現状、あれには敵わない。
「っとぉ! どうしたんですか、そんなに慌てて」
 脇道から合流したヒューズが、鬼気迫る三人を見て半歩引く。
「ヒューズさん!? 逃げて、後ろから敵が!」
「敵?」
 訝し気な彼の様子で、ようやくエリカとニムファー、タスクは足をとめた。背後を振り返る。
 なにもいない。
「え……、だって、さっきまで……」
「いました、よね……?」
 息を荒げるタスクが、途切れ途切れに呟く。ニムファーも信じられなくなってきた。
「逃げきれたんじゃないですか? じゃ、僕はもうちょっと探索して行くんで」
 手に持った骨を振り、ヒューズはどこかに行く。
「追いかけてこなかった……? それとも、追いかけてこれなかったの?」
 この夏、アルチェで起こった事件の数々が不意にエリカの脳裏をよぎる。関係しているのだろうか。
「なんだったの」
 座りこみたいという衝動を抑え、ニムファーは脳内で地図を展開する。現在地から洞窟の出入り口までの経路は、どうにか割り出せた。
「デベロ・ヴォレ……」
 黒い甲冑。だがあれはきっと、船の持ち主ではない。
 呼吸さえ凍るような恐怖と威圧感を思い出し、タスクは奥歯を噛んだ。

「……ってわけで、これが回収品でごぜーます」
 スケルトンと遭遇したことは話し、宝箱のことはあえて語らず、ヒューズは骨と棍棒をナイアに渡す。
「なるほどね。うん、無事でよかったよ。一応、あとでレポートを出してね。さっき言ってくれた内容でいいから」
「りょーかいっす。じゃ、これで」
「ん?」
「……ん?」
「いや、そのポケットの中のものも、提出してね?」
 にこにことナイアは微笑む。
 固まっていたヒューズは天を仰ぎ見て観念し、古びた金貨を全て出した。



課題評価
課題経験:15
課題報酬:300
海蝕洞窟に眠るのは
執筆:あいきとうか GM


《海蝕洞窟に眠るのは》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2019-10-29 15:45:11
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
よろしくね。

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 2) 2019-10-29 17:30:51
ニムファー・ノワール17歳です!(ぉぃぉぃ

なにかいいものが発見できるといいんだけど。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2019-10-29 22:04:29
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!
よろしくお願いいたします!

何が出てくるか分からない洞窟、わくわくしますね!
ここのところしんどい授業が続いていただけに、
久しぶりに冒険気分で頑張ります!

(こういう楽しそうなロールプレイをするのもいつ以来か…)

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 4) 2019-10-30 00:51:27
時期的なことはちょっと横に置いておくとして、
綺麗な海中の光景を眺めるだけでも、貴重な体験になりそうね。
そこに冒険要素を加えるなら、沈没船とか海底遺跡なんかを見つけるのも楽しそうだし、
そこを縄張りにしている巨大サメや巨大タコとのバトルがあったりすれば、
そういうのが好きな人の見せ場もできるかしら?

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 5) 2019-10-30 11:13:44
エリカさん。羊の船首像のキャラベル型帆船や、怪盗が思わず「俺のポケットには大きすぎらぁ」と言ってしまいそうな海底遺跡。
ボウケンレッドな私としては心が踴りますわね。
乗っかってもいいかしら?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 6) 2019-10-30 17:13:22
ニムファーさんは大変な提案をしていきました……

わたしもアイデアは煮詰まってないので、みんなで果て無き冒険魂のおもむくままに
ネタ出しをしていきましょう。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 7) 2019-10-30 17:41:31
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。
よろしくお願いします。

私は洞窟の中で謎の墓標をみつけたり、墓標をずらしたら地下に秘密の部屋があって、そこに宝の地図があるとか……のロマンがあったらいいな。
とか思ってました。

もしかしたら、巨大ウミウシとか巨大フナムシに追い回されるかもしれませんが。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 8) 2019-10-30 21:17:41
プレシャス…ゴールドラッシュ…匂うぜ……!フフ。
【考古学】とか【地質学】なんか探索に役立ちそうだ。
造詣の深い者が参加しているなら、是非とも同伴したいところですね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2019-10-30 22:00:22
どのご意見も楽しそうっ!
「オラぁワクワクしてきただ!」(一人だけ世界観が違う)

ニムファーさんの台詞「俺のポケットには~」を聞くと、どうしても、いい話で終わらせたくなりますよね。
持ち帰ればものすごい価値なのは分かってるけど、そっとしておいてあげたい、みたいなね!

それか、船班と墓標班にわかれるのも面白そう(笑)

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 10) 2019-10-30 22:13:32
ちょっとよそ見してたら、いつの間にか限りなく満員なんだもんね。
みーんなこの季節に海とか、物好きぃ。ふふ。

ザコちゃんはてきとーに遊んでる。
海特有の石とか植物眺めたり、打ち上げられたお魚見てたり、普段じゃ見れないよーな魔物探したりして。
その辺は【魔物学】で【推測】したりして。

面白いなんかあったら拾って帰っけど、お宝が欲しー訳でも無いし。
どっちかってーと、見物中心にしてる。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 11) 2019-10-30 23:46:53
今回は難易度も低いし、時間と明かりにさえ気を配っておけば、
それぞれの気の赴くままに別行動をとっても大丈夫そうね。

今のところ提示されたルートは、こんなところかしら?

1:謎の墓標とお宝の地図(巨大生物との遭遇可能性) ベイキさん
2:てきとー(散策?) チョウザさん 
3:沈没船(船首像?)
4:遺跡(持ち帰れない?)
5:その他

わたしは3か4でこの辺りの歴史に触れたいなーとぼんやり考え中よ。

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 12) 2019-10-31 05:16:55
「どっちにつく?」
「沈没船!」
「だろうな」

いったい私は誰と話しているのかしら…
さてさすがに両方は無理だから、私は沈没船発見に賭けてみようと思うの。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 13) 2019-10-31 14:01:15
「大きすぎらァ」の台詞をキメるなら、海底遺跡もしくは墓標の地下に広がる古代遺跡でしょうね。

沈没船は、「この船を後の世のゆうしゃに託す」などの書き置きがあって、一時間以内に浮かぶ状態まで補修できれば、持ち帰れる可能性もありますよ!
ウィッシュをこれに賭けてみるのも、ロマンですよね(笑)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2019-10-31 14:07:21
なにも僕たちで補修しなくても、担当教官に報告を上げて、
学園が「よし引き上げてみるか」と判断すれば、
将来的に学園に古代船がもたらされるかも、と想像するだけでロマンです。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 15) 2019-10-31 16:24:31
墓標だと思ったら、由緒ありそうな古い剣だったり、
沈没船の主の残留思念との邂逅で船が再浮上したり……

今(できる妄想)はこれが精一杯。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 16) 2019-10-31 19:07:53
二手に別れるとしたら、こんなコースはどうですかっ?
(ツアコン気分で、ノリノリで提案)

1 勇者の遺産コース
沈没船を探索→後の世の勇者に託す旨書いてある→奇跡的に浮かび上がる、もしくは学園に報告して引き上げを提案する

2 魔王の手がかりにコース
魔王もしくは魔王的な存在の墓標を発見→地下へ繋がる通路を発見→復活や創造しようとした儀式などの形跡を発見→お好みで何らかの戦闘→脅威として学園に報告
※ラスボスの魔王の手がかりを今回得たい、というのは憚られるけど、「歴代魔王の中でも一番の小物」もしくは複製などなら、ありかと思います。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 17) 2019-10-31 23:03:06
墓標だと思ったら古い剣……まるで「鉄塊」としか形容できないものに、天井の岩の隙間から光が差して照らし出されたら、それは巨人が振るうような大剣だった。
とか言う感じでしょうか。

最初は化け物に追い回されて、追い詰められたと思って背に当たった壁だと思ったものが、目の前の鉄塊であった。

とか言う感じの光景が見えた気がしました。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 18) 2019-11-01 03:38:53
今、タスクさんが提案していかなかったか?
ばっかやろー! そいつが名案だ!

というわけで、タスクさんの案とベイキさんの案を合体して混ぜてから分離して

剣の墓標を『勇者の遺しし物(仮)』のルートにして、
沈没船(海底神殿とかでも良さそう?)を『魔王の影(仮)』のルートにすれば
スッキリ分かりやすくならないかしら?

ベイキさんの『視た』ビジョンはカッコよくて思わずむせるわね。
壮大な物語の1ページという感じで、夢が広がるわ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2019-11-01 05:24:04
なるほどっ!それは熱いですね!
ではその方向で整理しなおして見ましょう。

1 勇者の遺産ルート
化け物に追い回される(よっぽど強敵か、キリが無いほど多勢に無勢かはお好みで)
→追い詰められたと思って背に当たった壁だと思ったものが
→まるで「鉄塊」としか形容できないものに、天井の岩の隙間から光が差して照らし出されたら、それは巨人が振るうような大剣だった
→仲間みんなで力を合わせて引き抜くと一瞬だけ光り輝き化け物を一掃(ウィッシュ案件か?)
→鉄塊に戻りそれ以降光ることは無かったが、学園に持ち帰り調べてもらうことにした。

・・・と、こんな感じでしょうか。

魔王の手がかりルートはちょっと展開に迷いますね。
儀式の形跡なら、遺跡かと思いますが・・・
もしくは、魔王が使った船、とか・・・

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 20) 2019-11-01 06:14:21
>勇者の遺産ルート
大き過ぎてなかなか抜けないとか、そもそも剣と認識できていなかったけど
追い詰められた人の心に呼応するかのように一瞬輝いて魔物を追い払った後に
よく見たら巨大な剣で、その表面には読めそうで読めない刻印が……
とかでもドラマチックな感じがするわね。

>魔王の手掛かりルート
むう、あれは伝説に名を轟かせた星砕き級空中戦艦。本当に存在していたとは……
奥に黒い甲冑が見えるが……まさか動いている?(シュコー……シュコー……)
うわーっ! 仲間が次々と! 手も足も出ない! 逃げろー!

新しい希望へ続く。

そんな夢を見たり見なかったりしたので、わたしは魔王ルートに行ってみようかと思うわ。

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 21) 2019-11-01 06:21:55
魔王が使った船・・・となると海賊王になる予定の人が最初に乗船していたキャラベル型帆船だと力不足ね。
ラ・レアルかあるいは戦列艦あたりかしら。

いずれにしても発見できればかなり凄そうね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 22) 2019-11-02 06:09:52
それでは、グループタグは【勇者】【魔王】あたりにしておきますか?

【魔王】の手がかりコースが激アツになってきましたので、僕も参加します!

ウィッシュ案件として、ためしにmy設定周り(ジム家関連)をぶっこんでみたいと思ってます。
信じるか信じないかは貴方次第、叶うか叶わないかはGM様次第。
一行でも載れば御の字、リザルトをドキドキしながら待つのもロマンです。

そうこうしているうちに出発前日になってしまいましたね!
ここまでの流れ(あくまで仮案)を、書き込みを勝手に忖度してまとめて見ますね!

【勇者】の遺産コース ベイキさん(墓標の書き込みから)
(内容例)魔物(強大もしくは多勢に無勢)に追い回され、
ふと背中を見ると、墓標のような巨大な鉄塊
よく見たら巨大な剣で、その力で魔物を追い払い事なきを得る
→(成果例)巨大な剣をゲット、もしくは学園に報告

【魔物】の手がかりコース ニムファーさん、エリカ部長さん、タスク
(内容例)沈没船を発見!調べると魔王に関する記載
探索中に謎の強敵に遭遇!「うわーっ! 手も足も出ない! 逃げろー!」
危ういところで、強敵弱体化(甲冑の経年劣化か、長期間何も食べてないから消耗か)し事なきを得る
→(成果例)巨大な船と謎の人物(船の守護者?魔王の子孫とか素体とか?)をゲット、もしくは学園に報告

自由行動コース ザコちゃんさん(見物中心に)

検討中 ヒューズさん、貴人さん

仮に2コースとしても、各コース内で、みんな自由に書いていいのか、
ばらばらだとGMさんが困るからある程度統一したほうがいいのか・・・

迷いながら、仮プランを書いて見ますね。

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 23) 2019-11-02 06:19:25
グループタグ【魔物】了解で~す。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 24) 2019-11-02 06:21:46
ごめんなさい、【魔王】の誤りでした!
お詫びして訂正いたします!

(誤) 【魔物】
(正) 【魔王】

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 25) 2019-11-02 11:47:09
グループ【魔王】作戦会議

あくまで提案なんですが、描写する部分、希望に応じて
ざっくり分担出来ればなあ、と思っております。

例えば、僕は今回、船に記載された手掛かりと、
謎の強敵についての描写をしてみたいので、
沈没船、お宝、その他の要素についてお二人にお任せ出来れば
ありがたい、と思っています。

出発間際にすみません。
あくまで提案ですので、ご意見いただければ嬉しいです。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 26) 2019-11-02 15:09:39
>【魔王】コース
今の流れで了解よ。

細部や希望は各個人で思い思いに自由に書いて、GMさんのアレンジにお任せするのがいいかなと思ったわ。

ゆうしゃは我と共にあり、我はゆうしゃと共にある!

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 27) 2019-11-02 21:30:15
タスクさんは色々おまとめ感謝します。私は【勇者】コースですね。
追い詰められたときに
「やれやれ、こんなときに墓標だなんて、準備が良すぎやしませんかね?」

とか愚痴ってみたいところですね。
大物の持ち帰りは厳しいかもですし、何か悪いものを封じたりしててもあれなんで、鉄塊は抜かない方向がいいかもと思ったりしてますが、エリカさんの「光が魔物を追い払う」展開は魅力的ですね。
是非狙いたい。

《這い寄る混沌》 ニムファー・ノワール (No 28) 2019-11-02 21:48:16
>【魔王】コース
私もOKです。

見つかった沈没船の外観調査に廻るつもりよ。


《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 29) 2019-11-02 21:50:45
鉄塊が近くにあることで魔の船がさまよわずに固定されている……
という妄想

大き過ぎて持ち帰れない場合は、一部パーツ(宝石とか柄とか)が取れて、
それを持ち帰って調査することで新たな情報が得られるというのも、いいかもしれないわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 30) 2019-11-03 00:00:33
何とかプランかけました。
自由というのも、それはそれで難しいものです。

とはいえ、本当に楽しかったです。
ご一緒いただいた皆さん、本当にありがとうございました!
結果が楽しみですね!