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残照の番人


ストーリー Story

 音が、鳴っていた。それはまるで大地を揺るがすような轟音(ごうおん)で、鼓膜を圧し潰すかのような重さで。
 けれどその発生源は地下であり、走る二人のすぐ後ろから、鳴り響いていた。
(『ケルベロス』……っ! いったい何故、こんなところに……っ!)
『―――― ……ッ……―――― !!』
 迫りくる足音に加え、耳をつんざく咆哮(ほうこう)が、逃走する男……【シトリ・イエライ】の物思いを掻き消す。
 そうだ、今は考える暇などない。とにかく、逃げなければ。
「ハッ……ァア――ッ……!」
 しかし逃走していたもう一人、【ベリル・ドロン】の考えは違った。
 彼女は立ち止まり、振り返り、迫りくるケルベロスへと跳躍――並ぶ3つの頭のうち1つへ、蹴りを放つ。
「チッ……」
 だが、それは何の抑止にも至らない。
 ごわついた黒の毛皮に全ての衝撃が吸収されてしまったことを悟ったベリルは、振り上げられた爪に串刺されるよりも早く、再度跳躍する。
 そのまま後方へ、唸るケルベロスの鼻筋を蹴り飛ばすようにして、少女は再び大地へと降りた。
「マスター、やはりあれは……」
「あなたも学園で見たことがあるでしょう! 紛うことなきケルベロスですよっ!」
 悠長に話し始めたベリルの手を取り、シトリが走り出す。ありありと感じられる危機感の差は、教師と生徒という知識量の差でもあった。
 ――魔獣、ケルベロス。
 かつてこの世界を混乱に陥れた『魔王』が、ペットとして愛玩していたともいわれている、獰猛な獣。
 ヒトの何倍もの巨体を持つその獣には、犬科の頭が3つ……それらの全てに鋭い牙や優れた聴覚、嗅覚、そして知能が備わっている。
 つまり、単純計算でも通常の生き物――それはもちろん、ヒト種も含まれる――よりも五感が、さらには思考力が、三倍高いのだ。
 おまけにあの巨体に見合わせた体力、筋力もあり、魔獣らしい攻撃性だって備えている。
(どう考えたって、こんな状況で対峙する相手ではありません……っ!)
 それは自分が、フトゥールム・スクエアにて教師の立場を預かれるくらいの導師だったとしても、だ。
 仮に討伐に乗り出すのだとしたら、学園内の有力者が4人は欲しい。そんな相手を前にして、戦闘行為などもってのほかだ。
(ならば逃げるしかありません……っ!)
 万に一つも勝ちのない状況だとわかっているのに、立ち向かうのはただの無謀であって、勇気ではない。
 だからシトリは生き延びる方法を模索した。逃げながら、どうすればこの状況を切り抜けられるのか、思考する。
 そもそもどうしてこんな状況……古い坑道の中、ケルベロスに追われることになってしまったのか。
 それを話せるようになるまで、彼は暫くの逃走劇を繰り広げるほか、なかった。



「そういうわけで。私も久しぶりに、死の危険を感じましたねぇ。あっはっは……」
 いや、全く笑えないのだが。彼の話を聞いていた誰もが、そう思った。
 しかしシトリの様子から、彼の言葉が嘘ではないだろうことも感じていた。
 いつも笑顔が絶えず、飄々(ひょうひょう)とした様子のこの教師が、疲れを隠すことすら放棄していたからだ。
 それでも休まず教壇に立っているのだから、これから説明される課題はそれほど重要だということだろう。
「シトリ教官。まずどうして、ケルベロスに追いかけられるような状況に?」
 話を聞いていた生徒のひとりが手を挙げた。その表情は固く、険しい。
 だからシトリも笑うのをやめた。眼鏡の奥で、赤の瞳を細める。
「あなたは、グラヌーゼのことをどれほど知っていますか?」
「この学園の北部にあり、『繁栄と存亡の交わる村』と呼ばれ。かつての魔王大戦で大きな戦禍に巻き込まれたということ、くらいです」
「充分です。故にかの村の周りには今でも多くの傷痕が残り、グラヌーゼの村に関しては復興も満足にできてはいません」
 昔は美しいグラヌーゼ麦の稲穂に囲まれ、『黄金郷』などとも呼ばれていたのですがね。
 そう付け足しながら、シトリは教壇を降り、集まった生徒達に数枚の羊皮紙を配り歩く。
『きみ』もその一人だった。渡された羊皮紙に書かれた内容を確認しつつ、シトリの言葉を聞く。
「このグラヌーゼ村の近郊に、古びた井戸が点在しておりまして。周辺住民はそれらを纏め、底のない井戸……『果てなき井戸』と呼んでいるのですが」
 この井戸の奥にですね、やはりあったのですよ。秘密の地下道が。
 続いた言葉はどこか楽しげだ。不思議に思った『きみ』は、思わず顔を上げ、たずねる。
 やはり、とは?
「点在する井戸の底。そのそれぞれに、行き先の分からない通路があるという噂は、昔からあったのです」
 ですが本当にあるのかは、解明されてはいなくて。告げながら、シトリは名案とばかりに人差し指を立て、
「だからその中から適当に1つ選び、飛び込んでみたのです」
 なるほど、と『きみ』は思う。そうしてケルベロスに追われる事態になったのだろう。
 疑問が解消された『きみ』は、再び口を開いた。ならこの課題は、ケルベロスの討伐なのか?
「いやいや、そんなことはしません、させません。ケルベロスは並大抵の相手ではありませんからね。また見つかったら、即逃げます」
 迷うことなく言い切った教師に、『きみ』は再び問いかける。ならば、いったい何をする課題なのか?
「内部調査です。二枚目の資料をご覧ください」
 言われるがままに、羊皮紙を捲(めく)る。そこに書かれていたのは、シトリによる手書きの地図だった。
 スタート地点は、シトリが無作為に選んだらしい、井戸の底。そこから繋がる広い道をしばらく歩くと、T字路に突き当たり……。
「右か左か。分かれ道になっているようで、しかしこの道は、奥で繋がっています」
 つまりは一本道だ、ゆえに迷うことはないのだが。
「この道の上を、ケルベロスは巡回しています。ぐるぐると回るように」
 理由はわからない。どうしてこの場所にいるのか、どうやってこの場所で生きていられるのかも不明だ。
 しかしわかることもある。この通路の狭さでは、ケルベロスは『後退できない』。
「ケルベロスはかなりの巨体です。あれでは前に行くことしかできず、後ろを振り向くことすらままならないでしょう」
 優れた聴覚で音を拾うことはできるかもしれませんがね。
 そう続く言葉を聞いた『きみ』は、あることに気付いた。書かれている通路上、扉のようなものがいくつか存在していたのだ。
 この扉の先は? たずねる『きみ』に、シトリは首を振る。
「確認できてはおりません。ええ、だから、――皆さんに集まって頂いたのです」
 書かれている扉は全部で6つ。そのうちの1つは、シトリが『ケルベロスの視界から逃げる』ために飛び込んだらしいのだが。
「他の5つの扉の先に何があるのか、未だわからない状況でして。ですので、皆さんの力を貸して頂きたいのです」
 鬼が出るか、蛇が出るか。全くわからない状況だが、しかしその場所に何かが眠っているのは確かだろう。
 しかもその番人が、あの『魔王のペット』であるというのなら。
「……探ってみる価値があるとは思いませんか? 多少の危険が待ち受けているとしても、ね」


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2019-12-10

難易度 普通 報酬 多い 完成予定 2019-12-20

登場人物 8/8 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《ゆうがく2年生》クラウス・アイゼンブルク
 ヒューマン Lv12 / 勇者・英雄 Rank 1
よお、俺は「クラウス・アイゼンブルク」20歳 以前は樵をやっていたんだが、勇者や英雄になる夢を諦めきれなくてこの学園に入学したんだ。 力仕事なら任せてくれ。 どんな魔物だってぶん殴ってみせるぜ! ただし、頭を使うことだけは勘弁な。
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」

解説 Explan

・成功条件
 坑道内部を調査し、奥の扉を解錠する。
 全員で行動するか、二手に分かれるかは自由。

・時刻/場所
 夜/『エイーア大陸』北部にある『グラヌーゼ』村の近郊、『果てなき井戸』の1つ。

・ケルベロスについて
 遠い昔、魔王のペットだったという噂もある魔獣。
 (『アニパーク』内でも同じ種が飼育されているが、発見されたケルベロスのほうが巨体らしい)
 格5
 
 三つの頭を持ち、全長8mを超える大型獣。口からは『毒』性のブレスを吐く。
 甘いものを好み、美しい音楽を耳にすると、しばらくの間眠ってしまう。
(演奏技能や『歌唱』による場合、技能レベル1につき30秒ほど眠った後、起きてしまう)
(回を重ねるごとに、眠る時間は10秒ずつ短くなっていく)
 強力な光には弱く、浴びると『混乱』状態になるが、坑道を崩落させる可能性があるため非推奨。

・坑道内マップ
 以下はシトリがケルベロスから逃げながら記憶したものなので、信憑性は7割です。
--------------------------
   ①     ②
   ■     ■
  □□□□□□□□□□□
⑥◆□         □□□□□×スタート地点(井戸の底)
  □□□□□□□□□□□
   ■  ■  ■
   ③  ④  ⑤
--------------------------
 □=歩ける場所であり、ケルベロスが巡回しているルート。
 ④がシトリ達の逃げ込んだ部屋。中には埃をかぶった寝台があった。
 同じような扉が①②③⑤にも存在しており、その先にも部屋があると推測される。 

 ◆位置には魔法陣の描かれた金属製の扉が存在していた。
 何かを嵌め込めそうな丸穴が空いているのが見えたとシトリは言う。
  
・同行NPC:ローレライの導師(教員)/男【シトリ・イエライ】
 相談の結果、行動希望があればプランへの記載をお願いします。
(どなたか1人で大丈夫です)
 特に希望がなければ、彼なりに動きます。

!注意!
 現時点では確実に負ける相手であり、ケルベロスへの戦闘行動プランは『戦闘不能』に直結します。


作者コメント Comment
 閲覧ありがとうございます、GMの白兎(シロ・ウサギ)です。
 本エピソードは授業ではなく、課題という形となっております。

 エイーア大陸北部にある、繁栄と存亡の交わる村『グラヌーゼ』。
 かつて魔王と勇者が争っていた際の戦禍が今も色濃く残るこの村の近郊では、枯れ果てた井戸が点在しています。
 その調査にシトリ達が向かった結果、不思議な坑道の1つが明るみになりました。
 何のために? 一体どこに? 数多に浮かぶ疑問を明かしたくも、坑道には凶悪な番犬が巡回しています。
 どうか皆さんの知恵と勇気で、奥に繋がる扉の先に何があるのかを、つきとめては頂けないでしょうか。

 こちらの文章としましては、プロローグや既出リザルトをご参考ください。
 それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:234 = 78全体 + 156個別
獲得報酬:7200 = 2400全体 + 4800個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
ケルベロスをかわし、坑道の扉を開ける鍵を探す

●事前準備
シトリ先生に内部の様子について、覚えている限りを確認。

●行動
偵察担当の確認後に突入。
自分は確認後に突入担当。井戸に降りたら二班に分かれて。
班分けは皆に任せるが、タイプ(盾役)の重なるビアンデとは班を分けるように。

坑道では『危険察知』をこまめに使用し、また部屋から行動に戻る時も忘れず『聞き耳』
ケルベロスに気づかれた時は『白騎士グラン』を囮に全力離脱、『隠れ身』で部屋に皆で身を隠す
離脱困難な場合は犠牲覚悟で囮。

もし部屋を全て調べても鍵がわからない場合、ケルベロスに着目。
眠った間に『忍び足』で近付き、首輪などに鍵や相当するものがあれば回収を

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:2880 = 2400全体 + 480個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
・目的
謎の解明(魔王に関係する物がある?)
魔王に繋がる情報の入手(『残照』とは魔王の力や道具・記録か?)
全員無事に帰還

・行動
自分が先行しケルベロスの位置を確認(感覚強化スキル動員)
正対しないよう仲間を誘導
別方向に別れて回廊に入るとケルベロスと正対する班が危険なので
全員でケルベロスが通り過ぎた後をついて行く形で回廊を回り
扉ごとに各班で捜索
室内調査中も外の状況を警戒

捜索中の部屋にケルベロスが来ても、フリーな方の班が餌でケルベロスを釣るか
扉を塞がない位置で演奏・歌で眠らせてもらい回避

魔法陣の扉を開けるためのアイテム(宝石や棒状?)を1~5の部屋で探し
穴に嵌め込みその先を調べ、情報・アイテムを持ち帰る

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:2880 = 2400全体 + 480個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
◆調査方針
隠密行動に長けた仲間に先行して貰い、井戸の底からの直線にケルベロス(番犬)が居ないか確認
番犬が居たら侵入を一旦止め、時間を置いて再侵入し分岐まで進み、番犬の背後を取るように進み各部屋の調査

調査時は4人の一班が扉の内部に入り部屋を調査し、残る4人は番犬を移動させるフォロー
番犬とは交戦を避ける

◆調査
部屋の内部や扉の内側等を確認し、内部に残された遺物等を神話学や考古学、オカルト的な面から調査
壁面や天井、床、調度品の紋様やモチーフ等から、何のための場所だったのか?
どういった人達が居たのか等調べたいですね

気になった事や地下の様子は羽根ペンを使いローブや服の裏地等にメモ

フォロー時は周辺警戒や祈祷

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:2880 = 2400全体 + 480個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
ひゅー、ケルベルちゃん。なっつかしー。1年前くらいだっけ、あれ。
せっかくなら抜け毛の1本くらい持って帰って弄りたいもんだけど。毛先にでもあみ込めばいー感じくない?抜けてないかな。

とりまザコちゃんさっさと真っ先に降りるね、井戸。
降りて秒速の高速で出くわす可能性ゼロじゃないし。巡回場所的に。
ほら、ザコちゃん如きの一般ヒューマンならなんかあっても世の中情勢に影響ないモブだしぃ?ふふ。

暗くても【暗視順応】するし、【聴覚強化】した【聞き耳】で【気配察知】して、ケルベルちゃんの位置推測できるよーにしとく。【魔物学】で状態把握出来っとなお楽。
微妙な位置なら石なり貰えるならお菓子でもぶん投げ【投擲】したり。

クラウス・アイゼンブルク 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:2880 = 2400全体 + 480個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
基本的に慎重に行動する。
仲間と一緒に行動する。
ケルベロスに気づかれたら、【歌唱】スキルを使用した歌(樵時代の歌「与作」とか…)を歌う。
ケルベロスの気を引くためにジャックッキーを使用することを検討している。

部屋の中は隅々まで丁寧に探索する。特に六番の扉を開けるための「鍵」となるアイテムの捜索は積極的に行う(恐らく「球体」のものか「円形(メダルみたいなもの)」のものであると思われるのでそういったものを探してみる。発見したら全て持っていく)



アドリブは「B」ある程度のアドリブならOKです

シキア・エラルド 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:234 = 78全体 + 156個別
獲得報酬:7200 = 2400全体 + 4800個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
入学したばかりの時より、腕前も上達してる…と思いたいなぁ

・行動
中へ侵入する際【聴覚強化】【動作察知】で入り口付近にケルベロスがいないか確認
足音の音量で大体の位置関係の把握を試みる

万が一遭遇した場合は即座に【演奏】で眠らせる
眠らせた回数のカウントも忘れずに
次に演奏した際の眠る時間をある程度把握しておく
「曲調変えたら少しは寝ると思う?」
ケルベロスのルートが単調なので先生が残してくれた地図にある道以外にもあるのでは?と考察
歩いている最中も【聴覚強化】や「聞き耳」でケルベロスの位置把握を試みる

口の動きを観察してもごもごしてたらブレスを警戒
毒状態になった味方がいれば毒消し草で解毒

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:2880 = 2400全体 + 480個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
大図書館で、ケルベロスや、ケルベロスが番をする施設、その持ち主の魔族に関する史実や伝承を【事前調査】

シトリ先生に詳しく話を聞き
先生と仲間で綿密に作戦会議・情報共有

先生には、以下の通り緊急時対応をお願いする。
・重傷者回復
・撤退判断及び実施

緊急時は先生の判断で
先生の強力な光魔法発動
その光を合図に全員【全力撤退】
光が見えない等の保険として
タスクが前回同様の大音声で「撤退~!」と叫ぶ

内部を調べる際には【事前調査】結果と【推測】【設計】を駆使して効率よく手がかりを探す

敵の攻撃を受けそうなときは【音楽】を【楽器演奏】
【博愛主義】的な優しい音色を
【精密行動】で正確に奏で
僅かでも動きをとめる

アドリブA

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:2880 = 2400全体 + 480個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
*目的
ケルベロスを警戒しつつ内部を探索

*行動
今回は盾の出番はなさそうなので捜索に専念
夜の坑道は著しく暗いかもしれないので、【暗視順応Ⅰ】で暗闇でも視界を確保

現地ではこっそりケルベロスの後をつけながら部屋を調べるので、部屋に入るまでは【視覚強化Ⅰ】や【動作察知Ⅰ】で周囲やケルベロスの挙動を確認しながら進みます

部屋に入ったら、物音を立てないよう注意しながら坑道奥にあるらしい扉にはめこめそうな物や、坑道についてわかる物がないかを調査
目的の物を見つけるか部屋の調査が終わったら、外にいるケルベロスを警戒しながら部屋から出ます

扉を開けられそうな物を見つけたら、扉を開けて奥まで進む、という事でいいですよね?

リザルト Result

●序
「……でけぇ……」
 思わず声に出しながら、【クラウス・アイゼンブルク】が覗き込む。
 平野続きの大地に空いていた井戸は、大柄なクラウスが両手を広げても足りないほどに大きく、深く。
「こんな中に飛び込んで大丈夫なんすか、イエライ先生。足の骨折ったりしません?」
「大丈夫ですよ。飛び降りた時の衝撃は、魔法で和らげますので」
「へぇー、すげぇな……便利っすね」
 恐らく魔法というものにまだ慣れていないのだろう。心の底から感心している様子のクラウスがなんだか懐かしくて、【タスク・ジム】は笑みを零す。
(勇者に憧れて、村を出て。学園に来たばかりの僕も、そうだったな)
 そんなことを思いつつ、タスクは持っていた羊皮紙を【シトリ・イエライ】へと差し出した。
「先生。事前にグループ分けを考えてみたんですが、どうでしょうか?」
「ありがとうございます。そうですね……盾役も分かれているようですし、これなら問題ないでしょう」
「では、皆さんに知らせてきます! あっ、それともし、どうしても撤退しなければならなくなった時なんですが……」
 行く先に、何が待ち受けているのか。出発日まで毎日のように大図書館で調べていたタスクにも、答えは見えなかった。
 ゆえに、事前準備にも熱がこもる。思いつく度に質問をし、シトリもまたそれに応じた。
 そんな二人の会話に耳を傾け、時に疑問を投げかけたのは、【ベイキ・ミューズフェス】と【フィリン・スタンテッド】だ。
「シトリ教官。撤退は最終手段として。ケルベロスに追われた時は、相手が『目を離している隙』に『視界から消える』のが有効かと推測したのですが」
「ええ。私が追われた時も、その方法でやり過ごしました。具体的に言えば、ポケットにあったお菓子を投げてから、近くの部屋に逃げ込みましたね」
「なるほど。後退できないケルベロスは見失った姿を探して前へ進むことしかできない……ので、部屋の中で息を潜めて、過ぎ去るのを待つんですね」
 納得を声に乗せ、ベイキはポケットから羽ペンを取り出す。
 それから、身にまとっていたローブの端を摘まみ、眼前に持ち上げたところで、
「ベイキさん? 何かローブに不具合でも?」
 不思議そうにたずねるシトリに、ベイキを慌てて首を振る。
「あ、いえ。忘れないように、大事なことはメモしておこうかと……」
「お召し物の裏に? でしたら、これを」
 言葉と共に、鞄から取り出された羊皮紙――課題説明の時、シトリが配った地図入りのものだ――と鉛筆に、ベイキはぱちりと瞬きをひとつ。
 そんな彼女にふわりと微笑んだシトリは、
「地図が間違っていたら、直そうと持ってきていたのです。よければその役をお願いできますか? 空きスペースはメモに使って頂いて構いませんので」
「はい。元々マッピングもしたいなと思っていたので、有難くお借りします」
 ベイキがにこやかに受け取った、その時。井戸の中から勢いよく何かが飛び出した。
 ――パァン。夜空で鮮やかに弾けたそれは、先行組が合図として持っていった『とんでく花火』だ。
 しかし、井戸の底へと視線を向けても、先行して潜入のタイミングを計っていた【チョウザ・コナミ】や【エリカ・エルオンタリエ】の姿は見えない。
 あるのはただの深い闇。それでも頷き合い、井戸の中へと飛び込もうとした面々へ、控えめな声がかかった。
「あの……」
 【ビアンデ・ムート】だった。彼女はどこか、覚悟を決めたような眼差しで、
「奥の扉を開けられそうな物を見つけたら、扉を開けて奥まで進む。……という事で、いいんですよね?」
 問いかける。その言葉を否定するものはいなかった。

●破
 視界は暗く、空気は冷たく。しかも埃っぽいものだから、呼吸をするたび喉がイガイガして、咳が出そうになる。
 坑道への考察を冷静に頭の中で並べながら、チョウザは視線を前へと向けた。
 数歩先。手を伸ばしたら届きそうな距離に、魔獣ケルベロスの尻尾がある。
(ひゅー、なっつかしー。前に会ったの1年前くらいだっけ……せっかくなら抜け毛の1本くらい持って帰って弄りたいもんだけど)
 思いつつ、保った距離は乱さない。それが今回の、皆で決めた作戦だからだ。
『後ろをついて行くように移動して、各扉の先を調べていくのはどう?』
 学園を出る前に、そう提案したのはエリカだった。
 心優しき彼女は、もしかしたら未だ魔王の言いつけを守っているのかもしれないケロべロスのことを案じて、
『戦闘は絶対回避したいの。だから、巡回しているケルベロスの後方に、常にいられるように気を付けて……』
『そんなら、先発先行隊にザコちゃん立候補ー。先に井戸ん中降りてー、ケルベルちゃんのお尻尻尾が分かれ道に来た時、いけるよーって知らせる役』
 必要じゃん? ゆるりとしたチョウザの言い方はどこか口八丁の夢現(ゆめうつつ)だったが、その内容には現実味があった。
 ゆえに誰もが頷き、彼女の合図を受けて乗り込んだ今は、ケルベロスの背後につきながら、2つの班に分かれて行動している。
 片方がケルベロスに気を配り、中に入ったグループが調査を終えて巡回路へと戻る際、ケルベロスと鉢合わないようフォローするためだ。
 調査をしている間も、魔獣の足は止まらない。
 だからこその2グループ制であり、調査が長引いて見張り班が鉢合わせそうになった時は、現在調査している扉の中に逃げ込むことで対処した。
 これは、フィリンの『視界から消えるのが有効』という推測が、タスクにより事前に全員へと行き渡っていたからこそできたことだろう。
 ちなみに、A班はビアンデを盾役に置き、エリカ、チョウザ、タスク、シトリ。
 もしも撤退する場合は、タスクとシトリが連携して撤退の号令をかけることになっている。
 そしてB班はフィリンを盾役に据え、クラウス、ベイキ、【シキア・エラルド】が続いていたが。
 そのどちらにも『日々の鍛錬に対応した感覚が鋭くなっている』者がいたことは、この作戦をより良い結果に導いてくれた。
 忍び歩きや危険察知に長けたフィリンは、染み出た地下水による水たまりがあれば、他者が踏んで音を鳴らさないようそっと指で示し。
 暗闇に順応するのが早かったビアンデやチョウザは、闇に同化して見過ごしがちな扉を正確に捉え、周囲に知らせる。
(唯一気になるのは、全員で一部屋ずつ調査をしているから、探索が長引きそうなことだけど……)
 日頃、音に対して殊更意識を向けているからだろうか。耳の良いシキアは、確信めいた推測を抱いていた。
(たぶん、この坑道には今。俺達とケルベロスしかいない)
 ならば、焦る必要はないんだろう。長時間の隠密行動に疲労は蓄積するかもしれないが、ケルベロスにさえ見つからなければ、危なくはない。
(……音楽系のものとか、見つかったりしないかな)
 わくわくして良い状況ではないと、わかっている。
 けれど、何が見つかるかわからないというのは、想像の翼を無限に羽ばたかせられるもので。
(昔使われていた楽器とか、譜面とか、歌集とか……)
 あるといいな。なんて思っていると、次の扉が見えた。今回は自分たちが中に入る番だと、気を引き締め直す。
 無言で近づき、罠がないか確認したフィリンが、そっと手で押す。
 キィと。軋んだ音と共に、扉が開いた。



 ゆっくりではあったが、調査を終えた面々は、最後の部屋にて円陣を組むような形で座り込んでいた。
 ケルベロスは時計回りに巡回していたので、地図で言うなら②の部屋――ここには壁びっしりに刻まれた『―』と、寝台しかなかった――だ。
「さて、全ての部屋を回ったわけですが……」
「なかったよなぁ。鍵っぽいもの」
 不思議そうに腕を組むタスクの言葉を、クラウスが継ぐ。
 彼はシトリの情報から『扉の鍵は球系か円形のものだろう』と目星をつけ、精力的に探したのだが、そのようなものは見当たらなかったのだ。
「もしかして、鍵なんて元々なかったとか? よし、イエライ先生をケルベロスの前に差し出そう」
「いやぁ。それはさすがに、勘弁願いたいですねぇ」
 言葉とは裏腹に楽しそうな笑みを浮かべているのは、クラウスの言葉を冗談と受け取っているからだろう。
 しかしシトリは、すぐさま緩んだ頬を正すと、
「ベイキさん。気になったことを綴ったメモがあれば、見せて頂けますか?」
 ベイキさんさえよければ、皆さんにも見えるよう、真ん中に。
 その言葉に答えるよう、ベイキは手にしていた羊皮紙――坑道に入る前、シトリから受け取ったものだ――を、指定された位置に置く。
 わぉ、とチョウザが声をあげた。そこには、びっしりと文字が書き込まれていたのだ。
「ふーんほーん、③の部屋には読めなかった本……もしかして深緑髪のせーしょくしゃ様、持ってきてる?」
「はい。シトリ先生なら解読できるかもと思いまして……これです」
「感謝感激雨あられ。んで教官様にぽいっと……そーいや班ごと交互に入ったのに、まだなーんも情報共有してなかったねぇ」
「そうですね。といっても、私達A班が入っていないのは③だけですから、私達がB班に⑤と①の部屋について話すべきでしょうか」
 告げながら、ビアンデの人差し指が地図の上を動く。まずは⑤の上で止まり、
「ここには魔法陣のようなものが地面に描かれていました。ですがシトリ先生によると、最近使われた痕跡……魔力の残滓(ざんし)はないようです」
 続いて①へ、
「こちらには、武器や防具と思われるものがたくさん置かれていました。ですが、私個人の見解ですが、いずれも最近のものではないように思います」
「どうして?」
 前に出ることが苦手なビアンデが、聞かれもせずに自分の意見を添えるとは珍しい。
 ならばきっと、当てずっぽうではないんだろう。そう思ったフィリンが尋ねると、ビアンデは『えっと』と前置いてから、
「以前【ネビュラロン】先生と、武器や防具を置いているお店を見て回ったことがあるんですが」
「ネビュラロン先生と?」
「はい。ですが今回見たものは、そのどのお店にも置いていないものでした。何より錆(さび)や汚れも酷かったので」
『汚れ』。きっと『どんな』とは聞かないほうが良いんだろう。そう思ったフィリンは『なるほどね』とだけ返し。
 少し冷えた空気の中、シキアが『あっ』と声をあげた。
「これ、五線譜なのかも……っ!」
『しーっ』
「あっ、ごめ……すみません」
 四方八方から、唇の上に人差し指を置くようなジェスチャーを向けられて、シキアがピッと背筋を伸ばす。
 けれど、それから。彼はどこか興奮した様子で、持っていた紙きれを真ん中に置いた。
「それ、確かこの部屋で拾ったものよね? よれよれの線が5本と、規則性のない点が並んでいたような……」
 確認するようなエリカの言葉に、シキアが頷く。
「うん。それで、ずっと考えていたんだけど……ベイキさん、ちょっと鉛筆貸して貰える? ありがとう、それで……」
 話しつつ、シキアが線を足していく。すべての点の上には棒を、そして左からト音記号、拍子記号、ところどころに小節線を描き、
「こうするとね、曲っぽくなるんだ。いや、聞いたことのないものだけど、でも俺の第六感が、これは古代の音楽なんじゃないかって……」
 言いながら、根拠のない主張だと気付いたのかもしれない。少しずつ言葉が小さくなるシキアに、タスクが微笑む。
「今は第六感……思いつきが必要なのかもしれません。手掛かりと思われていた部屋は、調査しきってしまったんですから」
 ですから、もっとみんなで、自由に話し合ってみませんか?
 その言葉をきっかけに、声が飛び交った。推測、憶測、考察が集い、羊皮紙の隙間を埋めていく。
 そんな彼等を視界の端に捉えつつ、シトリは瞳を細めた。
 視線の先にはベイキが回収したという『読めない本』。しかし、そこには。
(『ついに始まった』……『魔王様が動き出されたのだ』……)
 これは校長先生行きですね。そう結論付けたシトリは、そっと本を閉じた。

●急
 話し合いの後、一同は再び調査に向かった。
 ケルベロスの足音をシキアの聴覚や、チョウザ、フィリンの聞き耳で確認してから、過ぎ去ったところで部屋を出る。
 それから、ビアンデが気にしていた『①と②の間にもう1部屋ないか』を確認すべく、間の道を注意深く歩いた。
 その結果、魔法で隠された部屋をエリカが感知し、シトリが無効化することで中に入ることができた。
 しかし、それでも。見つかったのは小さな金色の鍵だけで。
「うがーっ! 鍵は鍵だけど、奥の扉に鍵穴なんてなかったぞっ!?」
 ぐしゃりと頭を掻いたクラウスが、発見したものを全員へと見せる。確かにこの形状では、⑥の扉を開けそうにない。
「でも、わざわざ魔法で隠した部屋に置かれていた鍵って……それだけで怪しくありません?」
 と、私の第六感が。場を和ませるためだろうか、そんな言葉を添えたベイキに、エリカが頷く。
「私もそう思うわ。たとえば、この坑道のどこかに。奥の扉を開ける『丸いもの』をしまった箱があって、これはその箱を空ける鍵……とか」
 都合よく考え過ぎかしら。首を傾げるエリカに、そうだなぁ、とシキアが腕を組み。
「俺だったら、大事な物ならそれくらいするかも。それで、誰にも取られないような場所に隠しておくかな」
 だから十分ありなんじゃない? 笑って言ったシキアに、はっとフィリンが顔を強張らせる。
「ねぇ、この坑道で誰も近づけないような、安全な場所って」
「ケルベロス……?」
 同じ結論にたどり着いたのだろう、ビアンデがフィリンの言葉を受け継ぐ。
 しん、と。重い沈黙が降りた。



 話し合いの結果、彼等はケルベロスと向かい合うことを選んだ。
(大丈夫……入学したばかりの頃でも、ちょっとだけ眠らせられたんだ)
 緊張で煩い鼓動を抑えながら、シキアがハープを構える。
 作戦はこうだ。まず⑥の扉の前を全員で陣取り、ケルベロスが見えた(ケルベロスの視界に入った)瞬間、各々が持っていたお菓子を投げる。
 そしてそれらに気を取られている隙に、チョウザが清廉のオルゴールを奏で、動きが鈍ったケルベロスにシキアが歌を聞かせ、眠らせる。
(あれから何か月も経ったんだ。俺だって、少しは上達してるはず……!)
 チャンスは一度きり。失敗した時は即座に撤退すると決めてはいるが、
(どうせなら、成功させたい)
『―――― ……ッ…… ―――― !!』
 ――来た。来訪者をその眼に捉えたケルベロスが、駆けて来る。多数のクッキーやスライム饅頭が投げつけられた。
 お腹を空かせていたのかもしれない。甘い香りにケルベロスが足を止めた瞬間、チョウザがオルゴールの蓋を開く。
 丸みを帯びた音色が坑道を包み、反響し、ケルベロスの殺意を薄れさせた。
(今だ……っ!)
 そう思ったシキアは、思いきり息を吸った。あれ? でも何歌おう?
 僅かな逡巡(しゅんじゅん)、しかし迷う暇などないと思ったシキアは、『一番初めに頭に浮かんだもの』を声にする。
「――……♪……♪♪~……♪……――」
 それは、名前も知らない曲だった。
 頭の中で音を思い浮かべ、区切りの位置や音の長さを自分流に調整して繋いだ一曲。
 謎めいた部屋で拾い、シキアがその好奇心と共に掬い上げた、『名もなき譜面』――。
(……すごい。これが芸能・芸術コースの……)
 思わず聞き入っていたタスクは、目の前のケルベロスがゆっくりした動きで伏せ、目を閉じたのを見る。
(今だ……っ!)
 動いたのはフィリンだった。忍び歩きに聞き耳、自分にできる全てを使って、眠る魔獣に近づき、
(あった……!)
 鎖状の首輪にぶら下がる小さな箱を見つけ、そっと鍵を差し込む。
 解錠技術にも覚えがあったフィリンは、難なく中見を取り出し、皆の元へと戻ることができた。
(でも、何なのかしら、これ……)
 不思議がるフィリンの手には、赤く、丸い、ガラス玉のようなものがある。
 中央には黒の縦線が入っており、まるで爬虫類系モンスターの瞳のようだ。
「いえ、考えている暇はないわね。ケルベロスが起きる前に、進みましょう」
 その言葉の通り、少女は『鍵』を⑥の扉へと嵌める。
 フィン。妖精の羽音のような音がして、扉の表面に描かれた魔法陣に、光が走った。



 扉を開き、念のため『鍵』を回収した面々を迎えたのは、緑の光だった。
 正確に言えば、地面に描かれた魔法陣から上へと立ち上る、光の波だ。
「これは①の部屋にあったのと同じ転移魔法陣です。が、こちらは魔力が宿っていて、使えるようですね」
「シトリ先生、では、これを踏むと……」
 恐る恐るというようなビアンデの質問に、シトリは頷く。
「この魔法陣と繋がっている『どこか』へ飛ばされます。……どうされますか?」
「ここまで来たんだ。俺は最後まで見届けたいぜっ!」
「ザコちゃんもー。何かあったら教官様が、どーにかしてくれんじゃない?」
 クラウスの意見に賛成しながらも、相変わらずなチョウザの言葉に、シトリは『もちろん』と笑う。
 それが理由になったのだろうか。頷き合った面々は、迷いなく足を進めた。
 フィィ――ン。扉を開く時にも聞こえた音が響き、続き、緑の光が視界を埋め尽くしていく。
 前も、後ろも。周囲の景色を掻き消すほどの光に呑み込まれた彼らは、すぐさま『入れ替わるように現れた』景色に息を呑んだ。
 景色だけじゃない。体感温度も、明るさも、さっきまでとはまるで違う。
「朝……?」
 地上に出たのだと真っ先に理解したのはエリカだった。明け始めの空を見上げる彼女を、柔らかな風が包む。
 そんなエリカに声をかけたのは、タスクだ。
「エリカ部長、あれ……っ!」
 指差されるままに後ろを振り向けば、暁の光に照らされた城壁が見える。
「サーブル城……っ!」
 見覚えのある建物だった。かつてグラヌーゼの人々を厳しく支配したという、ノア一族が拠点としていた城。
(どういうこと……?)
 わからない。しかし純然たる事実が1つだけあった。
(あの坑道は、グラヌーゼの近くとサーブル城の近くを繋いでいて……)
 ――誰かが、最近。使ったのだ。



課題評価
課題経験:78
課題報酬:2400
残照の番人
執筆:白兎 GM


《残照の番人》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2019-12-04 00:04:43
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
わたしにとって、グラヌーゼはとても縁の深い場所。
この場所に魔王大戦から続く因縁があるのなら、それをつきとめて解決するのが
わたしに課せられた役目だと思っているわ。
よろしくね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 2) 2019-12-04 00:13:03
けるべろす。ひゅー、なつかしー。
ちょうど1年くらい前に、この子檻の中に追い立てる課題とかやってたんだよねぇ。
今回は転移魔法も強い檻もないし、厄介の取っ掛りなんだろーけどさぁ。

ただあれ、音楽がいいってのは同じっぽいし。なるべくそーいう手段用意しとくのが丸みじゃん?
少なくともザコちゃん【清廉のオルゴール】あっから、ネジきれるまでくらいなら多少いけっかもだけど。
音楽超絶に得意なゆーしゃ様とか来たなら、求められる難易度上がってるだろう何回目かに回る方が良さそう。たぶん。

あとはあれかな、なんかあった時にカバー入りやすいように、二手に別れてぐるっと回る方が良さげかなって。
片側に密集密着すっと、部屋の大きさが思ったよりちっちゃかった時に大変じゃん?
とーといぎせいがー。ってなりかねないしぃ?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 3) 2019-12-04 17:04:58
同じ所をぐるぐるとまるで機械仕掛けのカラクリみたいね……

ケルベロスは圧倒的な強さみたいだけど、行動パターンは決まっているようだし
こちらから余計な事をしたりして自爆しなければ、探索は充分できそうだわ。

ケルベロスの前には出ないようにして、実質後をついて行くように移動して
各扉の先を調べていくのはどうかしら?

もちろん、甘い食べ物・楽器・歌唱などがあれば、いざという時の調整もできるから安心ね。
わたしは演奏や歌は得意じゃないから、なにか甘い食べ物でも持って行くわ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 4) 2019-12-04 21:10:58
勇者・英雄コースのフィリンよ、よろしく。
ケルベロス…まだ1年だけど、懐かしいわね。
今回は授業じゃないし、気を引き締めてかからないといけないけど。

>対ケルベロス
私も演奏や歌はないし、食べ物で釣る方ね。
後は食べ物を引っ張れるロープなんかもあると気を引く時に安全かしら?

>開錠
何かをはめる穴がある、ってことは填めるものがどこかにあるのだと思うけど…とりあえず部屋を片っ端から回ってみる、でいいのかしら。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 5) 2019-12-04 22:33:15
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。
ケルベロスは避けるしか無さそうですし、二手位に分かれて探索するのがいいかもと思います。

そうすれば、単純に時計回りと反時計回りに回っても、どちらかはケルベロスの後ろに付くことができそうですし。
実は、井戸の底で待っててケルベロスをやり過ごして、ケルベロスに着いて行けばいいかもとも思いましたが……井戸の底もケルベロスの自宅警備の範囲っぽいのが。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 6) 2019-12-04 22:43:50
リスク分散や捜索の効率化のために班分けをするのは賛成だけど、
単純に二手に別れて回廊に入ってしまうと、ケルベロスと正対する班が危険過ぎるので、
全員でケルベロスが通り過ぎた後をついて行く形で回廊に入って、
扉ごとに班で別れて入っていくのがいいんじゃないかしら?
入る扉はすぐ隣ではなく、一つおきぐらいにすれば
捜索中の扉の前にケルベロスが止まっても、もう一つの扉から餌でおびき寄せるなどして
フォローがしやすくていいと思うわ。

魔法陣の扉を開けるためのアイテムは1~5の部屋にあると思いたいわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 7) 2019-12-05 06:21:06
遅刻遅刻~!
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いいたします。

魔王に関する謎に迫れるかもしれないこのチャンス、
暗くて深い井戸の中、みんなで探索いたしましょう!

僕は音楽レベル1ですが、一瞬の足止めにはなるかも?
ラペイカ装備、技能で補強して臨むとしましょう。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 8) 2019-12-05 06:28:42
理想はエリカさんの仰るように、ケルベロスが通り過ぎたのを確認して、その背後に着いて行ける展開だと思いますが……。
まあ、時間の制限があるわけではないですし、隠密技能ある方がいらっしゃるなら、先に井戸の底付近まで降りていただいて、ケルベロスをやり過ごし次第、他のメンバーも井戸に降り追跡する手もあるかもしれませんよね。

最悪なのは、井戸から降りたスタート地点の直線コースでの鉢合わせなので、それを回避して背後をとれれば、かなりやり易くなりそうですから。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 9) 2019-12-05 18:59:23
勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。皆さんよろしくお願いします。

今回は戦闘メインではないのでどこまでお役に立てるかわかりませんが、できうる限りの事をするつもりです

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 10) 2019-12-05 19:31:06
芸能・芸術コースのシキアです、みんなよろしくね
一度対峙したとはいえ、大きさも状況も違うから気を引き締めていくよ

俺はこの間もらったハープを持っていって、万が一対峙した時に演奏するよ
【聴覚強化】で足音にも気を付けるつもり
先生が地図を書いてくれてるけど、もしかしたら別に道があるかもしれないしね

《ゆうがく2年生》 クラウス・アイゼンブルク (No 11) 2019-12-05 20:03:31
勇者・英雄コースのクラウス・アイゼンブルクだ。
よろしくな。
少しは歌うことはできるぜ。
あと、念のため菓子をもっていくつもりだ。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 12) 2019-12-05 21:46:23
タスクさんとシキアさん、クラウスさんが音楽や歌を担当してくれるなら助かるわね。
食べ物では使う度に減っちゃうから、心強いわ。

>スタート地点の直線
ケルベロスは方向転換やバックができないみたいだから、
こっちには入って来ないで、ループ部分をグルグル回っているだけだとは思うけれど
隠密系の人がいなければ、わたしが感覚強化系のスキルを使って先行するのは構わないわ。

>別に道
魔法陣の先はかなり怪しいわよね。
もしかしたら、ケルベロスの餌の世話とかしてる人が出入りしてたりしないかしら?

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 13) 2019-12-05 23:45:54
>スタート地点の直線
私も最初は、この直線には来ずに周回するイメージで考えてたんですが、解説を見ると、
「□=歩ける場所であり、ケルベロスが巡回しているルート。」

になってて、スタート地点の直線も地図上では□になってて、同じ表現なんですよね……。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2019-12-05 23:54:18
僕も、依頼文を見て、ケルベロスに着いていけばいいよね、と思いました。

AB二手に別れるとして、例えば

ABケルベロスに着いていく→A②に入る、B着いていく→B①に入る
→A②、B①の扉から外を覗き、ケルベロスの背中が見えたら部屋を出てケルベロスに着いていく
→⑥はスルー→A③に入る、B着いていく→④はスルー→B⑤に入る
A③、B⑤の扉から外を覗き、ケルベロスの背中が見えたら部屋を出てケルベロスに着いていく
→填めるものを見つけたら⑥を開けてみる

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 15) 2019-12-06 00:25:10
>ベイキさん 直線
言われてみると、ケルベロスが入れないわけではないから
追撃や待ち伏せなどのような事が発生すれば、ここへ来る可能性がないわけでもなさそうね。
念のために、井戸から直線通路へ入る時は気配を伺うようにするわね。

>タスクさん 探索手順
だいたいそんな感じで行けたら大丈夫かと思うわ。

>懸念
地図の信憑性が7割ということだし、もしかしたら
ケルベロスが行き止まりで詰んでしまったりしないように抜け道なんかがあるかもしれないわね。
(非常用のターンテーブルかも)

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 16) 2019-12-06 06:31:08
>抜け道?
確かに一方通行だと不便でしょうし、方向転換用のスペースなんかがある可能性は高そうですよね。
実際に現場を見ないとなんとも言えませんが、井戸から降りたスペースがそれなりに広ければ……そこで方向転換してる可能性もあるのかも。

>探索手順
大まかなイメージは、タスクさんが仰るような流れで行けるとスムーズに進みそうですね。
あと、ケルベロスは結構な巨体みたいですし、接近してきたら部屋の中まで足音とか聞こえたりするかも。

部屋の中から扉を開ける際には、その辺も注意するといいかもしれませんね。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 17) 2019-12-06 20:03:19
>抜け道
井戸の入り口まで巡回ルートがある以上、確かに井戸から降りた場所が広くなってる可能性はありそうですね。そうなると降りる前の確認したほうがいいですね

>ケルベロスの後ろを追って~
ケルベロスは五感が鋭いようですから、やるなら隠密系の技能を使いつつある程度距離をとったほうがいいかもですね。足音とか、お菓子の香りで察知されるかもしれませんし

ところでケルベロスは甘いものが好きとありますが、食べたらどんな反応するのでしょう? 単純にお菓子のおいしさに夢中になって動かなくなるとかでしょうか?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 18) 2019-12-06 23:06:00
今までの話から、AB班分けについて考えると、
隠密(索敵)、音楽、甘味を持ってる人が固まらずにバラけたいところですね。

僕は、【音楽】1レベルを【楽器演奏】【精密行動】【博愛主義】を絡めて強化できるよう、プランを工夫する方針です。
また、白騎士グランとホールケーキを装備した上で【料理】と絡めるプランも予定しています。

以上の自己申告と、皆さんの書き込みから、ざっくり整理するとこんな感じでしょうか。

隠密(索敵) エリカ部長さん(感覚強化系)、シキアさん(聴覚強化)
音楽 ザコちゃんさん(清廉のオルゴール)、シキアさん(音楽超絶に得意なゆーしゃ様!)、クラウスさん、タスク
甘味 エリカ部長さん、フィリンさん、クラウスさん、タスク

他にも上記に当てはまる方、他にこんな役目もあるよ、など、自己申告をどしどしお待ちしておりまーす!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 19) 2019-12-06 23:17:02
わたしは、スライムまんじゅうと、井戸の上り下りや、他の出入り口があった時など用に鉤付きロープを持って行こうと思うわ。

『強力な光』は、なにかを想定して持って行った方がいいかしら?
それとも危険があるし持って行かない方が安心かしら?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2019-12-07 00:33:23
う~ん、例えば、ケルベロスに完全にロックオンされるなど、
探索を放棄せざるを得ないような場合の最終手段としては、良いんじゃないでしょうか。

光って、混乱させることに成功したら、崩落やむなしと割りきって、
入り口まで全員【全力撤退】が安全でしょうね。
命に勝るものはなし、です。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 21) 2019-12-07 13:03:27
>甘いもの
近くに投げるとか、注意を逸らすには有効じゃないかな
ただ夢中になって動けなくなるかと言われると…うーんどうだろう?
ある程度その場に留まらせるのが目的なら量とか大きさがないと、それこそ一瞬で食べ終わっちゃうかも

>光
最終手段として持っていくのは、俺も有りだと思う
本当に最終手段だけどもね

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 22) 2019-12-07 17:05:32
ひゅー、ちょっと出かけてるうちに超絶に盛り上がってるーぅ。この流れから産み出されたりしない?げんき。

降りて開幕ケルベルちゃん遭遇問題についてはあれ。ザコちゃん先行斥候やってもいーよ。
【魔物学】使えっかもだし、【気配察知】【聴覚強化】と【聞き耳】で最低限の認識把握は出きっし。
帰れる程度には動けるとはおもうけど、ダメでも【身代わりうさぎ】あるしね。
でもってー、金糸の髪のけんじゃ様、スライム饅頭もってくらしーじゃん?1個ちょーだい。
これぶん投げ【投擲】でケルベルちゃん遠くに追いやって、他のゆーしゃ様呼び込んだほーが確実じゃん?

後ろからみーんな追っかけると、どうしても探索時間の長期化でやらかしが起こりかねないしー、
二手に割れると最後に合流できて探索速度は上がっけど、なんかあった時のカバー力は目減り半分にって感じ。
どっちにしても、利点弱点あっから、どっちをどー見るかーって感じなんだろーねぇ。たぶん。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 23) 2019-12-08 00:28:47
1:先に偵察担当が井戸の底の最初の直線を確認
2:ケルベロスが直線部分に居た場合は一旦侵入を延期
3:ケルベロスが直線部分にいない時に全員で別れ道まで行く
4:ケルベロスの進行方向を視覚や聴覚などで確認しお尻側について行く
5:各扉毎に1班(4名ぐらいが適切か。中が狭ければ2名ぐらいまで減らす?)ずつ入って内部を調査・魔法陣のキーアイテムを探す
6:扉の中を調査中にケルベロスが来た場合、その班は扉内に立てこもる
7:フリーな方の班が音や食べ物でケルベロスをその場から移動させる
8:ケルベロスが移動したら立てこもり班は可能な限り先の扉へ入るか地上へ脱出
9:基本的にケルベロスの前には出ないことを徹底(戦闘も回避)
10:全部屋捜索して魔法陣のキーや有力情報を得られなければ帰還
11:魔法陣のキー(らしきもの)があれば試し、その先に通路があれば捜索

おおまかにはこんな感じで動けば、それなりにうまく行くんじゃないかと思うけど、どうかしら?

>強力な光
それじゃ、わたしは積極的には用意していかないから、
もしもの時を想定する人がいたら、その人が持って行ってね。

>スライム饅頭
わたしが持って行く分は、わたしのタイミングで使うから、他の時に使うつもりなら自分で用意して持って行ってね。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 24) 2019-12-08 00:54:14
>流れ
私はその流れで問題ないと思います

>担当
そういえばまだどこで何をするか表明してませんでした……音楽は苦手なので、今のところ隠密が手薄なのでそちらに回ろうと思います。感覚を強化する技能はいくつか持っているので、お役に立てるはずです



ところで今回もシトリ先生が同行してくれますが、先生には何をしてもらいましょう?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 25) 2019-12-08 03:46:39
>シトリ先生
もしもの時の保険として、重傷者が出た時の搬送とかをお願いしてもいいかもしれないわね。
生憎わたしはプランの文字数が厳しいので、指示を書くのは文字数に余裕がある人にお願いするわ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 26) 2019-12-08 08:09:15
エリカ部長さん、さすがです!
作戦了解であります!

では、こちらはシトリ先生との打ち合わせを担当しましょう。
緊急重傷対応については確実にお願いし、他にお願いできることがあれば、ここで相談の上追加しますね。
もちろん、皆さんから「シトリ先生に○○してほしい!」というご提案があれば、検討して盛り込みますね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 27) 2019-12-08 08:21:12
それでは、今の状況を確認しますね。

隠密(索敵) エリカ部長さん(感覚強化系)、シキアさん(聴覚強化)、ビアンデさん(感覚強化)、そして安定のザコちゃんさん♪
音楽 ザコちゃんさん(清廉のオルゴール)、シキアさん(音楽超絶に得意なゆーしゃ様!)、クラウスさん、タスク
甘味 エリカ部長さん、フィリンさん、クラウスさん、タスク
シトリ先生打ち合わせ タスク
【緊急】重傷回復 シトリ先生
【緊急】強力な光 ???

抜け漏れがあれば教えていただけると助かります。

強力な光魔法についても、シトリ先生にお願い出来そうな気がします。

スライム饅頭が複数個詰め合わせならば、
・エリカ部長さん スラ饅を仲間に一個分ける(12字)
・ザコちゃんさん 仲間から饅頭一個もらってポーイ!誘導に使う
みたいな記載で、ザコちゃんさんの誘導行動の延長とみなされれば、
スライム饅頭を余分にに装備しなくても、実施出来そうな気はしますけれども。
部長さんの残り文字数と、GM様がどう判定するかの問題ですね。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 28) 2019-12-08 08:41:02
>流れ


>隠密
隠匿、隠れ身、忍び足は全部3Lvはあるけど…ただ正面からだと厳しそうなのよね。
見つかった後ならなんとかなりそうだけど、探索メインがいいかしらね。

>強力な光
強烈ってどれくらいなのかしら?
プチコードとか、花火くらいでいいなら持っていけない事もないけど…
シトリ先生にお願いした方が無難かな?


《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 29) 2019-12-08 16:31:52
>強力な光
感覚が鋭いケルベロスなら、私達が「眩しい」と思うぐらいの光なら十分強力なのかなと思いますが、実際どうなのでしょう

光でふと思ったのですが、今回は夜に井戸の底にある坑道を調べるという事なのですが、坑道内ってどれくらい明るいのでしょう?
慌てて逃げていたシトリ先生でも7割は把握できたみたいですし、全然動けないぐらい暗いという事はなさそうですが……念のため【暗視順応Ⅰ】や【視覚強化Ⅰ】でそのあたりの対応をできるようにしていこうかなと思います

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 30) 2019-12-08 22:59:29
>流れ
基本はエリカさんの仰るような感じでいいと思います。ありがとうございます。

>確認
ところで、ビアンデさんも仰ってますが、井戸の底となると明かりもあった方が良さげでしょうか?
強力な光という話もあったので、キラキラ石を用意しようか考えてたところでしたが。

ただ、個人的には内部のメモやマッピング用に羽根ペンも欲しいなと思ってたので、両方準備するのは難しいのががが。

>強力な光
思いきって、キラキラ石一袋(10個入り)の中身をぶつけたら……大暴れするほど驚かずに怯んでくれたらいいなあ。
とか思ってはみたところでした。

>調査
残された遺物を神話学や考古学、オカルト的な面から調べてみようかと思ってます。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 31) 2019-12-09 21:55:48
ずいぶん悩んだところですが、今回は調査に重きを置こうかと思うので、羽根ペンを用意しますね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 32) 2019-12-09 22:52:11
会議室確認が大変遅くなり、すみません。
しかも、【調査】という重要なファクターを見落としていましたね、反省です。
それを踏まえて、再度状況確認です。

隠密(索敵) エリカ部長さん(感覚強化系)、シキアさん(聴覚強化)、ビアンデさん(感覚強化)、フィリンさん(忍び足等)そして安定のザコちゃんさん♪
音楽 ザコちゃんさん(清廉のオルゴール)、シキアさん(音楽超絶に得意なゆーしゃ様!)、クラウスさん、タスク
甘味 エリカ部長さん、フィリンさん、クラウスさん、タスク
調査 ベイキさん(神話学、考古学)、タスク(事前調査、推測、設計)
シトリ先生打ち合わせ タスク
【緊急】重傷回復 シトリ先生
【緊急】強力な光 シトリ先生?

なお、緊急時の撤退については、シトリ先生に判断を仰いだ上で、
僕が撤退~~!と叫び、崩落覚悟でシトリ先生が強力な光魔法発動、
即時【全員撤退】 というのを想定してみましたが、どうでしょう。

そして、チーム分けがまだですね~・・・ギリギリですが、今から考えて見ますが、ほかにご意見ありましたら大喜びで飛びつきます(笑

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 33) 2019-12-09 23:02:46
チーム、分けてみました!!!

これでよければ、僕がプランに全員分書けば、恐らく、みなさんのプランにAとかBとか書く必要はなくなる、と思います。

しかし、いいかどうか不安なので、もしまだ会議室見てる方がいたら、ご意見いただけると助かります。

A班
シキアさん(隠密・音楽)
フィリンさん(隠密・甘味)
クラウスさん(音楽・甘味)
ベイキさん(調査)

B班
エリカ部長さん(隠密・甘味)
ザコちゃんさん(隠密・音楽)
ビアンデさん(隠密)
タスク(音楽・甘味・調査)
シトリ先生(打ち合わせ担当:タスク)

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 34) 2019-12-09 23:05:45
諸々りょーかい。ダメだったなら奥の手最終ザコちゃんがおやつってことで。ふふ。

【全力撤退】の準備してくのは両手上げてさんせーなんだけどー。ザコちゃんも持ってくし。
危険を察知→教官様に相談→叫ぶ→光魔法→全力撤退 だと時間差がぱやぱやじゃん?
そのもたもたの間に手遅れになる可能性あるしぃ?ないかもだけど。

ふつーに教官様に、危険が危うかったら光魔法よろしくーって言っといて、
光魔法が爆裂したら全力撤退、って目印にしとけば良くない?

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 35) 2019-12-09 23:14:17
タスクさんありがとうございます。
私は問題ありません。

一応、幻視でなんかあかんヤツがみえたりしたら、みなさんにもお知らせするようにしておきますね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 36) 2019-12-09 23:17:03
さっすがザコちゃんさん、それでいきましょう!!

皆さん、先生の光魔法を見たら全力撤退、ここ試験に出ます!なんてね。
まあ、光が見えなかった場合の保険として、僕は叫ぶことにはしときますね。

先生にこのことを打合せたうえ、先生の光魔法の特徴を聞いて、
皆さんに情報共有しておきますので、
他の光魔法やキラキラ石等の光と間違えないよう、ご注意下さいね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 37) 2019-12-09 23:27:44
ベイキさん、ありがとうございます!

幻視のその使用法は、もんのすごい重要ですね!助かります!

連絡ですが、上記のチームわけをウィッシュプランに記載しておりますので、よろしくお願いいたします。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 38) 2019-12-09 23:50:12
いよいよ出発ですね。
今回も濃密な会議で、最善を尽くした作戦を立てられたと思います。
きっと、今後に有力な手がかりとか何とかを持ち帰れることと思います。

プランの出し忘れ、装備の忘れ物等に気をつけて
あとは、運を天に任せましょう。

今回もご一緒頂き、ありがとうございました!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 39) 2019-12-09 23:50:26