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きみの噂も、七十五日。


ストーリー Story

 ――フトゥールム・スクエア内、食堂。
「いや~冬休みッスわ~」
 暗い赤色の髪に、同色の獣耳を生やした青年が声をあげる。
 窓の向こうでは雪がひらりと振り舞うこの季節、彼はヒマヒマオーラを出しながら、食堂の机にうつぶせになっていた。
 名前を【東雲・陽】(しののめ よう)、去年の冬にこの学園にやってきた、勇者・英雄コース所属のルネサンス(レッサーパンダ)である。
「ですわねぇ……」
 そんな陽の言葉に頷きを返したのは、見るからにゴージャスな雰囲気の少女であった。
 ゴールデンパールを思わせるような金色の髪はミディアムで、毛先のみを縦巻きにした、清楚なお嬢様仕立て。
 その上絹のような光沢を持つドレスを身に纏っているのだから、正真正銘の『お嬢様』なのだろう。
 彼女……【ラスク・シュトラール】は、頬に手をあてながら、
「やはり日々の授業がありませんと、シャキっとしませんわね」
「だよなァ~。実は時間割って大事なんじゃね? ないと無限にだらけちゃう的な?」
「いやそれは……君達くらいだろう」
 思わずため息をつきながら、褐色肌の青年は、眼鏡の真ん中の金具を人差し指で持ち上げる。
 青みがかった黒の髪を、先の尖った長い耳にかけているあたり、エリアルの中でもエルフタイプに属しているらしい。
 見るからに真面目な雰囲気を漂わせている彼は、陽とラスクの友人でもあり、同級生でもあった。
 所属が違えば必修科目で会うことはそうないが、課題(直近ではグリフォンに乗って復興に回ったりもした)や選択科目で一緒になったのが運の尽き。
 考えるよりも先に動くタイプの陽と、独自の価値観で突っ走りがちなラスク。
 そんな二人の御守を自然とする形になった青年……【サフィール・エルネスト】は、本日二度目の溜息をつき、
「暇なら宿題でもすればいいじゃないか。長期休みなんだ、君達にも出されているんだろう?」
「あー……俺そういうのォ、ラストにばばーっとやっちゃうタイプなんで?」
「わたくしはもちろん、既に終わっておりますわ。えぇ、全て!」
 全く正反対のことを言いながらも、同じくらいに堂々とした態度で言われては、返す言葉もなくなるというもの。
 ゆえに三度目の溜息をついたサフィールは、『どうしてこいつらと1年うまくやってこれたんだ』と首を傾げる。
 そんな物思いに気付いているのか、いないのか、陽はおもむろに体を起こし、
「そーいや。冬休みナウってことは、俺らもここに来て一年経ったってことじゃね?」
「まぁ、そうだな」
「ヤバくね? 一年って言ったら蛹も蝶になって飛び立つレベルじゃん? 人生の岐路的な?」
「人生の岐路かどうかはともかく、蛹から蝶になるくらいなら、一年もかからな……」
「まぁまぁ! ではわたくしたちも、ついに勇者として羽ばたく時が来ましたのねっ!」
「君達、僕の話を全く聞く気がないな」
 だったら僕は部屋に帰るぞ。と立ち上がりかけたサフィールの腕を、まあまあと二人は引き留め、
「思い出話でもしようぜェ、サフィ。一年っていやー、結構な量できんじゃん?」
「できるって何がだ」
「Memoryよ。それにDream」
「なんだその無駄に良い発音は……」
「夢はともかく、思い出はたくさんできましたわね。去年の冬ですと、新入生歓迎会としてツリーフォレストマン様と相対しておりましたし」
「まさか今年は俺らが、メメたんセンセ側を手伝わされるとは思わなかったけどなァ」
「メメル校長には振り回されてばかりだったな。異次元お食事会もそうだし、そもそもカカオポッドの生育を命じたのだって校長先生なんだろう?」
「あれは不思議な生き物でしたわ……走り回るチョコレートだなんて、わたくし考えたこともありませんでした」
「いや、普通考えねぇっしょ。メメたんセンセっていや、水着姿がキャワたんだったなァ……コルネセンセも揺れが最高でd(*´∀`)bイイネ!」
「ヨウ……君はそういう事ばかり、よく覚えているな……」
「ですが、コルネ先生には『無垢な生徒を捕まえては干しぶどう狂になるよう調教している』なんて噂もありますわよ?」
「……マジで? それヤッベーんじゃ? 俺実はドライフルーツ系ちょー苦手なんだけど、コルネセンセにバレたら調教される?」
「いや、さすがにそれは……」
 ないんじゃないか? と言いつつも、ハロウィンの頃だったろうか、干しブドウを持った生徒を追い回していた姿を見かけたサフィールは口をつぐみ。
 そんな三人の会話を耳にしながら昼食をとっていた――別に聞き耳を立てていたわけではない、彼等の声が大きいのだ――『きみ』も、苦笑する。
 確かに、この学園に来て、色々なことがあった。
 夏にはアルチェでの臨海学校を楽しんだし、秋には記憶を失うなんていう騒動が起きて、3人の謎の人物と刃を交えたりもした。
 哀しいことがあれば、楽しいこともあり。振り返ってみれば、あっという間の一年であったような気もする。
 そうしてまた、新しい一年が始まる。
 『きみ』がぼんやり考え事に耽っていると、ふいに聞きなれた名前を耳にして、顔をあげる。
「なぁ、そういえばさ――」
 続いた話題は、どうやら『きみ』のことであるらしい。
 赤、青、黄色の三人組は、この場に本人がいることにも気づかず、噂話に興じている。
 このまま聞くか立ち去るかは『きみ』の自由だが、さて。
 彼等はいったい、どんな『きみ』を語っているのだろう――?


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 7日 出発日 2020-01-13

難易度 とても簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2020-01-23

登場人物 8/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《ゆうがく2年生》四季杜・カガヤキ
 ドラゴニア Lv6 / 黒幕・暗躍 Rank 1
「四季杜カガヤキと申します。……以後、お見知りおきを」 □ 名前 :四季杜 カガヤキ(シキモリ・ー) 四季杜→姓 カガヤキ→名 血液型:B 身長 :175センチ 年齢 :17歳 好物:温かい食べ物、飲み物 苦手:冷たい食べ物、飲み物(例外有り) 特技:物音立てず近寄る(忍び寄る) 趣味:刺繍、編み物 服装:タートルネックの上にフードマント、口布。 右目の隠れた混じりのない純黒の髪。 藍鉄の双眸に、褐色の肌。 誰に対しても常に一歩線を引いた距離で、固い敬語で人を選ばず淡々と話す。 独り言、ひとりの際は「〜だ、だろう」で、やはり淡々と話す。 争いごとの全てを好まないが、仕える主の為となるなら容赦はしない。 大体いつも、気難しげな表情をしているが、これは彼にとっての「無表情」。 機嫌が悪いわけではない。 (アドリブ等は歓迎致します)
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。

解説 Explan

・時刻/場所
 冬休みのある日/フトゥールム・スクエアの食堂

・テーマ
 他者から見えている「自分」。

・プランにてお書き頂きたい内容
①PCが耳にした「噂の内容」。
 皆さんは、3人にとってどのような同級生に見えていたのでしょう?
 座学の時はきまって寝ているのに、課題の時は鋭い剣技を見せる「カッコいい」人?
 空き時間を全て鍛錬に費やし、見ているこちらの胸を震わせるような、自己研鑽の人?
 はたまた、いつもはクールにしているのに、レゼントの街で可愛いぬいぐるみを買っていた可愛い人?
 他者が見た「あなた」は、日々の過ごし方によって様々に変わります。
 その内容(できれば理由も)を教えて頂きたく思います。

 印象お任せの場合、皆さんがどのような学園生活を過ごしていたかのみご記載ください。
 授業、課題、休憩時間など、どのような時間、内容でも構いません。
 その姿を学園内にてお見かけした誰かが、皆さんへの印象を自由に話します。
(プランにない限り、マイナス的な陰口のような話はしません)
 
②リザルト内でのPC描写の有無
 ありの場合
  →噂をどのように聞いていたか/それに対して自分はどうした/思ったかの記載をお願い致します。
   噂話はよくないと諫めるのも、訂正して割って入るのも、皆さんの自由です。

 なしの場合
  →PCの描写を削り、噂話(の中に見える皆さん)に文字数を回します。

・NPCについて
【ラスク・シュトラール】
 王様・貴族コースに所属するアークライトの女性。
 白馬の王子様に憧れる、とある貴族のご令嬢。
 カッコいい人(男女問わず)が好きだが、「カッコいい」の基準は彼女による。
  
【東雲・陽】
 勇者・英雄コースに所属するルネサンスの青年(レッサーパンダ)。
 目つきの悪いチャラ男だが基本的に良い奴。伝説の勇者に憧れている。
   
【サフィール・エルネスト】
 教祖・聖職コースに所属するエリアルの青年(エルフタイプ)。
 3人組で最も常識的な苦労性。実は中二的なものに心惹かれる。


作者コメント Comment
 エピソードの閲覧をありがとうございます、GMの白兎(シロ・ウサギ)と申します。
 本エピソードは、授業でも課題でもない、何気ない日常のお話です。
 
 ゆうがく世界でも新しい一年、2020年が始まりました。
 ですがそれは、このフトゥールム・スクエアにて、皆さんが幾許かの時間を過ごされたことでもあります。
 今回はその中で、リザルトではクローズアップされていない皆さん自身に焦点をあてたエピソードです。

 課題ではカッコいい皆さんも、実は朝に弱くて遅刻ギリギリに登校したりしていませんか?
 皆さんはこの学園での何気ない時間を、どのように過ごされていたのでしょう。
 それを見た「誰か」は、皆さんをどのような同級生だと思っているのでしょう?
 もしかしたら意外な一面が見えてくるかたもいらっしゃるのかもしれません。
 
 こちらの文章としましては、プロローグや既出リザルトをご参考ください。
 それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。



個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:13 = 13全体 + 0個別
獲得報酬:360 = 360全体 + 0個別
獲得友情:1
獲得努力:1
獲得希望:1

獲得単位:0
獲得称号:---
置き忘れの棒取りに来ただけなんだけど。
話し声の切れ端断片と【第六感】が噂系の盛り上がりを感じる。
…明日でいっか。楽しんでるとこに水突き刺す理由もないでしょ。
こっちがめんどいこと身勝手に思い返すだけー。

――
①印象おまかせ
②無し

・授業
1部の内容を除きほぼ意欲的に受ける。
植物学の授業では雲を引きちぎってグリフォンに捩じ込む棒人間の絵など、授業ノートへの脈絡のない落書きも多い。常識的な問題を時々間違える。
・課題
興味のある理由があれば受ける、それ以外は受けないと両極端。
少なくとも正義感で動く姿はまず見られない。
・休憩時間
文字通り休憩する姿はほとんど見かけない。
周辺の森やアニパーク、スペル湖で目撃される。

朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
噂の内容

1:武神・無双コースという事で普段は服で隠れ解らないけれど、実は腹筋がバリバリに割れた筋肉ダルマ。毎日腹筋一万、スクワット一万、腕立て伏せ一万を行っていると思われている

2:1の内容により全身筋肉の塊なら本来脂肪の塊であるあの胸の大きさはおかしい。きっとパッドか何かを仕込んでいるに違いない!でもどんなに動いてもずれない落ちない物なら私も欲しい!と思われている

3:休み時間、特に予定が無い時は形の練習をしているのですが、胸を揺らしつつスリットの隙間から太ももをチラ見せして男性を誘惑していると思われている

総合して、ありえない筋トレで鍛えた筋肉と偽乳を見せつけようとする変態と思われているらしい?

四季杜・カガヤキ 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
 たまたま食堂の前を通りがかった時 ふと自分の名が聞こえて思わず足を止める
…?
(私の名前…?)
 自分のことを話しているのだと理解
 初めは気難しげな表情でカガヤキって感じしないドラゴニア。そう言われ思わず苦笑
(確かに 主の元へいた頃 他の子分方によく言われていたな…)
 1人からこの間重いものを持ってくれたから悪いドラゴニアではないと声が上がる

 立ち聞きしてしまっていることに気が付き申し訳ない気持ちになる
(…私は何を…? 立ち聞きなど良くない)
 その場を立ち去ろうと今来た道を戻ろうと踵を返す
 が、噂をしていた生徒からいつからそこに? と言われびくり

たった今でございます どうかされましたか?
そうでございますか では…私はこれで

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【印象お任せ】

授業態度…座学はしっかり寝ている時もあれば、寝ているようで聞いてる時もある。
目を見開き、起きているようで寝ている時もある。

休み時間…マイペースで寝起きが良いと近場の人と談笑する、そうでも無い時は灰皿が置いてある部室まで煙草を吸いに行く。

放課後…危険度が高そうな依頼を探す。無ければ寝る。

休みの日…寝てる。



仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
・心境

オレの噂なあ・・・
もうすでにコルネ先生の噂と一緒に広がってないか?
・・・被害者としてだけど
いや、それは別にいいんだ
干しぶどう好きになったしな、うん

後は、いつもだいたい被り物してる変な奴って認識だろうか・・・

・実際の生活

以外にも大きな問題は起こしてない
ただ、他の授業中でも仮面は外さないし、本人から見て人格的、能力的に問題がなければすぐに主語を抜かした誘い文句で部下の勧誘をしている
そのせいでナンパしているように思われている
対象は、男女関係なしとして・・・なので一部の人達から注目されている
本人は実際フツメンだと思っているのだがなぜかイケメンとの噂も
教師、生徒問わず仲がいいみたいではある

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
〇噂話
・見た目と性格からは想像できないギャップがある子
普段は目立たず、輪の外で大人しく過ごしているちょっと臆病で雰囲気に流されやすそうな華奢な子という印象が強かった
しかし課題の時に盾役として率先して最前線で体を張るなど普段とは違う姿を見せていた事で普段とのギャップに驚いたから
学園内でも普段様々な盾を持ち歩いてたり、誰かの手伝いでかなり重量がありそうな物を持ったりと力強さを発揮している事が多い
最近自分の身長より大きく重厚な盾を持ち歩いていたという目撃情報もあった模様
*『ヴァン・ガード』の事

〇PC描写:あり
偶然通りがかり、思わず立ち聞きしてしまう
はっと我に返り、気づかれないうちに退散する

フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
●噂・他者からの印象
手前ほど普段の、後半ほど余り見せない顔
・物静かで真面目な優等生
・悪人、貧民に慈悲深く寛容
・勇者のあり方に悩んでる?(実際は経歴の通り)
・勇者の理想に拘り?シニカルな揶揄に相手がドン引きする勢いで罵声を浴びせてた(※真フィリンと彼女の考えを馬鹿にされて切れました)
☆悪夢に悩まされてる?就寝中、自分の名前や『ライア』『ルガル』の名前で許しを請うようにうなされていた
☆『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で何かあった?狼男を追撃したはずが、泣きながら帰還した姿が…

※その他GMの印象で追加・補足大歓迎。

●PC描写
あり

追及は想定した『ハッタリ』でやりすごしますが
☆の噂だけは予想外。凄い狼狽します


ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:16 = 13全体 + 3個別
獲得報酬:432 = 360全体 + 72個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
・座学以外では、よく服やスカートの裏地に羽根ペンでメモを取る(ポケット枠の都合で紙持てない)
・そう言えば、ハロウィンの報告書整理の資料として服を先生に提出したことも
・考えてみたら、スカートが一着足りないような?
・まさか、校長先生のお宝になってたり?

・授業では必要なら、胸が薄い若妻や巡礼者に扮したり
・ハロウィンでは、ある村で深紅の魔王に扮して、貴重な労働力たる臣民達を支援
・何故か一部から女王様と言われる
・解せぬ

・最近は学園の食堂の厨房を借りて、自分で釣った魚を調理したり
・魚を〆る際、包丁の背で頭を叩き気絶させ手際よく〆て手際よく捌く
・綺麗に三枚下ろしできたら、ついつい笑みが零れる
・傍目に怖いかも

リザルト Result

●【チョウザ・コナミ】の噂
「ザーコちゃーん」
 パチン。指を鳴らしながら【東雲・陽】(しののめ よう)が告げたのは、ある女性の通称だった。
 この学園でそう呼ばれている人物は一人しか思い当たらず、あぁ、と【ラスク・シュトラール】が頷く。
「ザコちゃんさん、不思議なかたですわよね。課題によく参加されているようですが、率先して人助けをするタイプには見えませんし」
「あれは興味が湧くかどうかで決めているらしいぞ? しかし自分から『雑魚』と名乗り、そう呼ばれたがるというのは、確かに不可思議だ」
 で、彼女がどうしたんだ?
 尋ねてくる【サフィール・エルネスト】に、陽はニヤリと笑い、
「俺見ちゃったんだわ……ザコちゃんが、めっちゃ高そうな宝石身につけてんの」
「宝石? それくらいなら王様・貴族コースでたくさん見かけますわよ?」
「そーだけどよォ。ザコちゃん村人じゃん? なのに服派手めだし、キラッキラの宝石に、あの金ピカ水煙草よ? こう……感じね?」
「『こう』と言われてもな」
「実は没落しちゃった貴族の一人娘とかァ、そんでもってその宝石形見に握りしめて、学園に逃げてきたとかァ~」
「その妄想、失礼ですわよ? それに、彼女ならこの前、身に着けていた宝石を貴族コースの子にあげていらっしゃいましたから、それはありませんわ」
「えっ、マジで?」
「えぇ、陽さまが見たものと同じかはわかりませんが。『素敵ですね』って褒めた子に、『じゃ、あげる』って。石ころみたいに」
「あ~ザコっちゃんっぺ~……めっちゃ想像できんわ~」
「そういえば、前に。食堂に魔法生物が逃げ込んだことがあったじゃないか」
「あーあったあった。ふわっふわのリスみたいな奴なァ~」
「あの時、ちょうど僕もここに居たんだが。どさくさに紛れてチョウザくんのランチを食べ散らかしたんだよな、魔法生物が、勝手に」
「マジで? ザコちゃんおこ? ゴング鳴っちゃった?」
「いや? いつもの調子で笑っていたな、『よく食べるねぇ』って。彼女の笑み以外を見たことがない」
「あー、『むかつく』って言う時も笑ってんもんなァ、あれ俺ちょっと怖ェわ」


●【ベイキ・ミューズフェス】の噂
「怖いと言えば、わたくし見ちゃったんですの。この前、ベイキさんがここの厨房で、魚を下ろしていらっしゃるのを……」
「あ、見ちゃった? あれ、ヤッベーよな。最近魚料理ブームなのか、釣った魚持ってよく来るっておばちゃん言ってたけどよォ」
「厨房で魚を下ろすことの、何がヤバいんだ?」
「まー想像してみ? 魚ビタンゴロン! そこをトントンズバッ! 血ドバーッ! 頬にビチャッ! ニコォ……ッ!」
「包丁の背でまず頭を叩き、気絶させてから手際よくシメているのはわかった」
「んで、綺麗に三枚に下ろせたらァ、それを指でつまんで、さらにニコォ……ッ!」
「うまくできて思わずニッコリ、なのもわかった。確かに映像で見たら、なかなか壮絶なのかもしれないな……血の量も多いだろうし」
「命を頂いているわけですし、当然ではあるのですが……わたくしには真似できませんわ。慣れていらっしゃるのかしら?」
「魚サバくの? それとも血? どっちにしても、強ぇよなァ。さすが『女王様』ってカンジ」
「女王様? あぁ、仮装をして復興に向かった村で、そう呼ばれて男達から大人気だったとか」
「そぉそぉ、俺等も参加した奴。俺、あの仮装ちょースキ。めちゃキャワ。揺れが控えめだけど、そこもベリキュ」
「ヨウ、失礼だぞ」
「踏みつけられてぇー……」
「聞け」



(そんなふうに思われていたとは……)
 釣った魚を手に厨房にやってきたベイキは、聞こえて来た噂話にビシャーン! となった。
(い、いやでも! 魚はともかく! 女王様は、普段の私ではなく! あの時限定であって……!)
 解せぬ!! そんな言葉を背負ったベイキへ、フォローとばかりに食堂のおばちゃん達が声をかける。
「でも、あんたが厨房にいると、普段より客が増えるのよ」
「そうそう。卒業できない時はウチにおいで、大歓迎だから」
「あ、ありがとうございます~……」
 にこやかに返しながら、ススス……と隅――食堂側からは見えない位置にだ――へ移動したベイキは、
(ちゃんと卒業できるよう、頑張るもんっ……!)
 固い決意をその胸に秘め、包丁を振り下ろした。


●【朱璃・拝】(しゅり おがみ)の噂
「揺れっていやァ、俺、朱璃ちゃんもスキ」
「だからヨウ、女性をそのように……」
「まぁ、聞けって。朱璃ちゃん、あれでいて筋肉スゲェっぽいのよ。たぶん腹筋バキバキ」
「どうしてそう言えますの? そのようには見えませんが」
「いやァ、この前ホウキで空飛ぶ練習してたらさァ、見ちゃったのよ俺。朱璃ちゃんが筋トレしてるトコ」
「武神・無双コースのようだし、自己鍛錬中だったのでは? 努力家で素敵じゃないか」
「いやでも腹筋とスクワット一万回ずつよ? それでお腹ふにゃっとか無くね? なのにあのたわわも顕在って、もう芸術じゃね?」
「数えてたのか、キミは」
「いやだって、想像してみ? はい、ふっきーん。体を起こしてぇー、たゆんっ! 俺目ぇ離せなくって」
「コホン。ですが、そんなに鍛えられているのでしたら、脂肪の塊である胸も平らになってしまうのでは?」
「確かに。それだけの鍛錬を何度もこなしていたら、筋肉だるまになってもおかしくはないな」
「えっ、まさかパッド疑惑? でもあんなに動いてズレないパッドとか無くね?」
「わかりませんわよ? それに屋外での筋トレも、鍛錬ではなく、ヨウのような殿方を誘惑していただけかもしれませんし」
「ま~確かに型? の練習っぽい時は、スリットの隙間から脚チラチラすっし、ここが楽園か? って思ったけどよォ」
「ちょ~っとお待ちくださいませ!」
 ずいっ。三人の会話に割り込む影があった。朱璃だ。
 彼女は腕を組み(その仕草で寄せてあげられた芸術に、サフィールはそっと視線を外した)ながら、堂々とした様子で、
「確かに拳士として体を鍛えてはおりますが、それは必要な部位の筋肉を、必要なだけ鍛えているにすぎませんわ」
 ええ、ゆえに!
「この胸は自前ですわ! 疑うなら確かめて御覧なさいませ! あ、でも触るなら女子でお願い致します」
「では……コホン」
 やわっ。ふにゅっ。ふわわ。
「これは……確かに……」
「わかって頂けて光栄ですわ。それに私、形の練習は目立たないよう人気(ひとけ)の無い校舎裏で行っていますのに、誰を誘惑するというのです?」
「ふむ……わたくしの勘違いのようですわね。申し訳ありません、朱璃さま。それで、えっと……」
 『必要な部位の筋肉を、必要なだけ鍛える』とは、どのように?
 そんな乙女の会話がコソコソとされている中、噂話は次へと移る。

●【ビアンデ・ムート】の噂
「筋肉スゲーじゃねぇけど、ビアンデちゃんもスゲーよなァ。この前ちょー重たそうな盾持って歩いてたわ、自分よりもでけぇ奴」
「課題に向かっていたのだろう。彼女はよく、戦闘系のものに参加しているようだし」
「スゲーよなァ。いやここだけの話、俺ビアンデちゃんってもっと大人しめな子だと思ってたんだわ。流されやすそっつーか、怖がりっつーか」
「あぁ、わかる気がする。彼女は見た目も性格も、静かそうに感じるしな」
「そーそー。しかも背ぇ低くて、華奢じゃん? なのに戦闘始まっと、率先して前に出て、盾でガツーン! って攻撃受け止めんの。すごくね?」
「自分より体の大きい敵も多いだろうに、余程鍛えているんだろう。そういえば、重い荷物を肩代わりしている姿を見たこともあるな」
「天使か。そう、そのハートもよ。俺ビビって無理ムリの無理だったけど、めちゃデケェ熊にも立ち向かったらしいじゃん? スゴくね?」
「確かに……自分の背丈の何倍もあるモンスターを前に、退かぬ心というのは、なかなか持てるものじゃない」
「だろ? カッコイイわー、勇者ってそゆトコ必要じゃん? まァちょーっと、いつかデカイ怪我するかもなァって心配なとこあっけど……」
「自殺願望があるわけでもなし、抱え込まなければ大丈夫だろう。仲間がいるんだ、僕らのような盾役以外がフォローすればいい」
「だなァ、俺らも頑張ろうぜ~」



(わぁ……)
 かぁっと、少女の頬が赤らむ。食堂の入り口で足を止めていたビアンデは、持っていた盾の陰に隠れた。
 鍛錬後の水分補給をとやってきたビアンデではあったが、まさか自分の噂を耳にするとは。
(でも……ちょっと驚いたけど、)
 嬉しい。そういえば、成績という形で評価をされることはあっても、同級生がどのように思ってくれているのかを聞くのは、初めてだ。
 しかもそれが、『スゴい』とか『カッコいい』とか、肯定的な内容ばかりでは。
(嬉しい……)
 でも、照れくさい。思わず隠れてしまったビアンデではあったが、はっと我に返った。
(あっ、でもこれ、盗み聞きになるんじゃ……?)
 いけないっ。そう思った彼女は、パタパタと場を後にした。
 今日はもう1セット頑張ろうかな、そんな思いと共に。

●【ヒューズ・トゥエルプ】の噂
「かっけぇっていや、俺、ヒューズサンも……ヒューズ君?」
「『さん』で良いだろう。よく煙草を吸っている所を見かけるし、僕たちよりも年上のようだぞ?」
「マジで? 俺よりちっ……っとォ、身長は男のデリケェートステだからやめやめ。でもあの煙草スパーって奴カッコよくね?」
「手慣れているようには見えるな。健康を害する程で無ければ良いんだが」
「あー……どうだろ。なんかヒューズサンって、割かし自分どうでもよさげな雰囲気あんじゃん? アブねー課題ばっか受けてるっぽいし」
「戦闘系に進んで参加しているようには見えるが、そうなのか?」
「わかんね、俺の妄想かもしんねぇし……そゆとこ含め、ヒューズサンって掴みドコロないっつーか、謎っつーか……糸の切れた風船的な?」
「休み時間に談笑していたり、背筋を伸ばして授業を聞いている姿を見ると、そうは思えないが……君にはそう見えるのか」
「俺のやせーの勘が何かキャッチしてんのかねェ。そいや、ピシッとして目ぇかっ開いてる時でも、寝てん時あんべ。あれ中々オモシロ案件」
「へぇ? 初めて知ったな……まさか授業の時も……?」
「どーだろ? でもそん時声かけっと、何事もなーく受け答えしてくれんのよ。そゆオモシロなトコもあんのよなァ、オトモダチになりて~」



(『やせーの勘』ねぇ)
 思いながら、立ち上がる。
 床を引きずる椅子の音に気付いたのだろう、『おっ、噂をすればヒューズサンじゃん! やっぱかっけぇな~』なんて声を聞きながら、歩を進めた。
(『自分どうでもよさげな雰囲気』、『糸の切れた風船的』……根拠のない『勘』ってのは厄介なもんだ)
 噂話なんて正直どうでも良いが、意外にも踏み込んできた内容に笑ってしまう。
(そう見えるかねぇ……まぁ、見える人には見えんのかもな)
 見方なんて人それぞれだ。同じものを見ても、全く違うように見えることもあれば、感じることもある。
 ゆえに、ヒューズは食堂を後にした。結局自分は自分でしかないのだと思いながら、フードを被り、近くの喫煙所へと向かう。
 マッチを探すために両手を空けようと。火のない煙草を咥えると、少しだけ苦い気がした。

●【四季杜・カガヤキ】(しきもり かがやき)の噂
「あら、お友達になりたいかたについてですの? でしたら、わたくしも混ぜてくださいな」
 コソコソ話は一段落したらしい。朱璃を見送り、再び席についたラスクが切り出す。
「わたくし、カガヤキさまともっとお話ししてみたいんですの」
「カガヤキ? あぁ、もしかして四季杜くんのことだろうか」
「あー……あのいっつも気難しい顔してるドラゴニアの子? カガヤキって名前で全然輝いてないカンジの?」
「失礼ですわよ、綺麗な黒髪に黒曜石のような鱗色ではありませんか」
「そうだな。それに彼はとても礼儀正しい人だ、少しだけ話したことがあるのだが」
「えっマジ? もしかしてサフィのダチ的な?」
「いや、荷物を持ってもらっただけだ。先生にお願いされて、授業に必要なものを運んでいたんだが、結構な量でな」
「あら、サフィールさまもですの? わたくしも、カガヤキさまに重い荷物を肩代わりして頂いたことがありますの」
「そりゃイケメン度高ぇわ。ちなみに喋るとどんな感じ?」
「あの時は、『御一人で運んでらっしゃるのですか? 宜しけばお手伝い致します』と」
「うわイケメン、やっぱ見かけで判断しちゃ駄目だなァ~……」



(不覚にも聞いてしまった……これは盗み聞きではないだろうか)
 しかし、『カガヤキって名前で全然輝いてないカンジ』とは。
(主の元にいた頃、他の子分方によく言われていたな)
 懐かしい。ふっと頬が緩んだものの、これ以上は良くないなと席を立つ。
 ギッ。椅子の足が床を引っ掻き、三人の目がこちらに向いた。
「カ、カガヤキさま……いつからそちらに?」
「たった今でございます。どうかされましたか?」
 表情を正し、応える。空になったグラスを指定の場所に戻したころ、答えが返った。
「な、なんでもございませんわ……」
 声の主は顔を赤くしながらも、しかしカガヤキの『聞いていない』という優しさに乗じた。
 『友達になりたい相手』なんて、当の本人に聞かれたら気恥ずかしいものだ。
 ゆえにカガヤキは『そうでございますか、では』と食堂を後にする。
 少しだけ。自分が噂されていたという状況に、ドキドキとしたままで。

●【フィリン・スタンテッド】の噂
「しかし、もっと話してみたい相手か」
「お? サフィもいんの?」
「正確に言えば、最近『少し雰囲気が変わった』と思う相手だが」
「あー、俺わかっちゃったわ。それ、フィリンちゃんじゃね?」
「よくわかったな。物静かで真面目なところはいつも通りなんだが、どこか肩の力が抜けたというか、雰囲気が丸くなった気がしていたんだ」
「なんとなくわかりますわ。昔はもっと剃刀の刃のようで……礼儀正しさはあっても、なんだか怖かったのですが」
「最近そうでもないよなァ。いやドン引きする勢いで罵声浴びせてるコトあっけど……あれ相手を圧倒させる演技なんかね? キレ芸的な?」
「どうだろう? 逆に、普段の優等生を演じているということも考えられるが、理由は思い当たらないな」
「代々勇者を輩出してるスタンテッド家のご令嬢だもんなァ。素が高ステの塊だし、これ以上良く見せる必要ないっしょ。っつーことは、やっぱ演技か」
「あのルガルに対しても、弱っている所を狙わず、諭そうとしたって話ですものね。元々勇者らしく、慈悲深くて寛容的なかたではと思いますわ」
「あれなァ……俺ちょーっと気になってるコトあんだけどさァ……」
「そういえば、ヨウはあの夜、ルガル方面に向かっていたな」
「そ。んでめちゃくちゃにやられたんけど、俺んことはさて置き。あの帰り、フィリンちゃん見かけた気すんけど、泣いてた気ぃしたんだよなァー……」
 ――ガタタンッ!
 けたたましい音が鳴り、会話が途切れる。音を立てた相手はフィリンで、理由は彼女が突然立ち上がったからだった。
 やべっ。そんなヨウの声が零れる中、フィリンは三人へと近寄り、立ち止まり。
「な、何でもなかったわ。ルガルとはその、少し話をしただけで、何でもなくって」
「お、おぅ……そんなら良いんだけどよ……」
「だから、泣いてないしっ! その、気にしなくて大丈夫だからっ!」
「そ? んなら良かった、フィリンちゃんは笑ってっほうが可愛いしなァ~」
 フィリンの言葉を鵜呑みにしたヨウが、ニカっと笑う。
 そんな彼の様子に何も言えなくなってしまったフィリンは、『ありがとう』とだけ告げ、席に戻り。
 食器を下げ、足早に食堂を出ていった。


●【仁和・貴人】(にわ たかと)の噂
「んじゃァ最後。俺のダチになりたい相手発表ー! 貴人クゥン~」
「わかったぞ、ヨウ。あの仮面がカッコイイって言うんだな?」
「それな! しかもあのマント、鎌、鎖ジャラァ! サイッコーに魔王ってカンジじゃん? あー、一緒に古の勇者ごっこしてくんねェかなァ~」
「なんですの、それ……ですが、貴人さまと言えば、王様・貴族コースの女生徒の一部で、要注意人物として知られていますわね」
「なんで? 貴人君良い奴よ? 仮装の課題ん時、できれば全部回りてぇって言いだしたのだって、貴人君じゃん?」
「あぁ。それに、校長先生に振り回されている所はよく見るが、彼自身が問題を起こしたという話は聞いたことがないな。先生方とも仲が良いようだし」
「良いかたなのは知っておりますわ。ですが、貴人さまは、少々ナンパ癖があるというか……」
「あー、見たことあっかも、それ。『お前が、欲しい……』って奴?」
「そうですわ。わたくしたち王族・貴族コースの女生徒は、軽々しく恋愛というものができませんの。ですから、そのように熱っぽく迫られては……」
「ロミオとジュリエットになっちゃう的な? まァ貴人君、声もいいからなァ~……あれで囁かれたらイチコロかも」
「しかし、アレ。男女関係なく言っているらしいぞ?」
「マジで? 貴人君、男もオッケーなカンジ? 俺言われたらどうしよ……仮面外してくれたら考えちゃうかも」
「あぁ、そういえば外しているところを見たことがないな」
「絵に描いたような美形だって聞きましたわよ? なんでも、それが理由で仮面をつけていらっしゃるとかで……」



(噂、こぇー……)
 誰が男も女もオッケーなナンパ野郎だ。しかも超絶美形って、どうしてそうなった。
(オレはただのフツメンなんだが)
 なのに、噂を聞いていた周囲の、期待の視線を感じる。ぶっちゃけ仮面を外し辛い。
 いやでも、せっかく頼んだんだから食べたいぞ? あったかクリームシチュー。
(よし、今日の所はおばちゃんに頼んで、部屋に持って帰ろう)
 名案だ。そう思い行動に移った貴人は、この時知る由もなかった。
 次の日、『素顔を見せると女の子が倒れかねないので、自室で食事を取っているらしい』なんて噂が、新たに追加されることを。



課題評価
課題経験:13
課題報酬:360
きみの噂も、七十五日。
執筆:白兎 GM


《きみの噂も、七十五日。》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 1) 2020-01-06 20:33:53
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 2) 2020-01-07 06:39:13
勇者・英雄コースのフィリンよ、滑り込みだけどよろしく。
噂…噂ね、うん。色々されてる自覚はあるわ…

《ゆうがく2年生》 四季杜・カガヤキ (No 3) 2020-01-07 12:42:44
黒幕・暗躍専攻、四季杜カガヤキ。皆様、宜しくお願い致します。

ええと……噂、でございます、か。
……何か、してしまったのでしょうか……

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 4) 2020-01-07 14:58:13
黒幕暗躍コース専攻、座学の時はきまって寝ているのに、課題の時は鋭い剣技を見せつけるヒューズ・トゥエルプです。よろしく。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 5) 2020-01-07 18:26:55
勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。よろしくお願いします
噂、ですか……一体どんな事を言われてるんでしょう

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 6) 2020-01-09 03:12:01
魔王・覇王コースの仁和だ。
・・・噂ね
まぁ、あれこれ言われてはいるんだろうが・・・

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 7) 2020-01-11 11:06:57
噂……私は目立たない子ですから、きっと大丈夫ですね(教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします)。