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クリスマスダンスパーティのお誘い


ストーリー Story

「おーっほっほっ! 皆様ごきげんよう!!」
 それは紅いドレスを身にまとう王様・貴族コースへ通う【ミレーヌ・エンブリッシュ】の挨拶だ。
「皆様に集まっていただきましたのは他でもない、クリスマスに関するお誘いをするためですわ!」
 よくよく話を聞けばどうやらミレーヌはクリスマスにかこつけて学園でダンスパーティを開催することを学園へ申請し許可を得たのだという。
「いずれ王となるわたくしが開催するパーティですもの、どのような方でもつまらない思いなど絶対にさせませんわ!」

 まずは誰かしら誘い合わせてみてはどうかとミレーヌはいう。
 それは友人でも良いし、恋人などでも良いだろう。
 もちろん1人で参加しても十二分に楽しめるパーティになるとは断言する。
 そして参加を決めれば次に行うのは衣装選びだ。
 ドレスやタキシードなどはミレーヌが商人たちに交渉してレンタルで提供してくれる約束になっている。
 どのようなサイズでもデザインでも必ず揃うことだろう。

 次に行うのはやはりダンス。
 希望者には事前に教諭たちの協力によってダンスレッスンも行ってくれるということで恥をかく心配はないだろう。
 ダンスパーティの会場となる学園ホールでは芸能・芸術コースの生徒たちによる盛大な生演奏が鳴り響く。
 誰かの手をとって踊っても良いし、1人で音に合わせてくるくると踊りを楽しむのもまた一興である。

 そしてパーティというからにはやはり食事もつきものだ。
 食堂の方々によって用意されたちょっと豪華なパーティ料理は立食形式で楽しめるようになっているので是非美味しい食事も楽しんでもらいたい。

「というわけで一日を通して、人によっては事前準備から楽しめるダンスパーティの開催ですわ! おーっほっほっほっ!」
 ダンスパーティの開催日などを伝えた後、ミレーヌは高笑いを上げながら立ち去っていくのであった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2019-12-28

難易度 とても簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2020-01-07

登場人物 7/8 Characters
《勇往邁進》オリヴァー・アンダーソン
 ローレライ Lv14 / 武神・無双 Rank 1
「あいつを殺す、邪魔はするな」 出身:北国の有力貴族の生まれ 身長:186㎝ 体重:80前後 好きな物:戦争、酒、チェス 苦手な物:__ 殺意:弟→無し 補足:大きな期待を受けた男は一人の男によってあっさり見棄てられた。 傲慢な男は氷のような外道だった。 補足②:斬れば早いと思ってる脳筋であり、 冷酷かと思いきや実はツンデレで心配性なところがある、ガッカリしてくれ。 補足③:彼は思う以上に不器用な男であり、 褒められたがりな所がある。
《ゆうがく2年生》アリア・カヴァティーナ
 アークライト Lv14 / 村人・従者 Rank 1
 幼い頃から聞かされてきた英雄譚に憧れて、いつしか勇者さまを導く人物になりたいと願ってきた。  その『導き』とはすなわち、町の入口に立って町の名前を勇者様に告げる役。  けれども、その役を務めるということは、町の顔になるということ。この学校でたくさん学んで、いろんなことを知ることで、素敵な案内役になりたい!  ……それが自分の使命であると信じて入学したけれど、実のところ勉強よりも、花好きが高じた畑いじりのほうが好きだったりする。そのせいで、実はそこそこの力持ちだったりする。  たぶん、アークライトの中ではかなり変人なほうなんだと思うけれど、本人はあんまり気にしていない模様。  基本的に前向き……というか猪突猛進なところがある、かも。
《模範生》レダ・ハイエルラーク
 ドラゴニア Lv16 / 黒幕・暗躍 Rank 1
将来仕えるかもしれない、まだ見ぬ主君を支えるべく入学してきた黒幕・暗躍専攻のドラゴニア。 …のハズだったが、主君を見つけ支えることより伴侶を支えることが目的となった。 影は影らしくという事で黒色や潜むことを好むが、交流が苦手という訳ではなく普通に話せる。 ◆外見 ・肌は普通。 ・体型はよく引き締まった身体。 ・腰くらいまである長く黒い髪。活動時は邪魔にならぬよう結う。 ・普段は柔らかい印象の青い瞳だが、活動時は眼光鋭くなる。 ・髭はない ・服は暗い色・全身を覆うタイプのものを好む傾向がある。(ニンジャ…のようなもの) ・武器の双剣(大きさは小剣並)は左右の足に鞘がついている。 ◆内面 ・真面目。冗談はあまり効かないかもしれない。 ・立場が上の者には敬語を、その他には普通に話す。 ・基本的に困っている者を放っておけない性格。世話焼きともいう。 ・酒は呑めるが呑み過ぎない。いざという時に動けなくなると思っている為。なお酒豪。 ・交友は種族関係なく受け入れる。 ・伴侶を支えるために行動する。 ◆趣味 ・菓子作り。複雑な菓子でなければ和洋問わず作ることができる。
《ゆうがく2年生》グラニテ・フロランタン
 ドラゴニア Lv11 / 賢者・導師 Rank 1
名前:グラニテ・フロランタン(偽名) 年齢:25歳 性別:女性 種族:ドラゴニア 外見:白い前髪パッツンのおかっぱ たれ目の青い目 色白 巨乳 性格:大人しくおっとりしていてマイペース 普段は余りわがままを言わない 家出したのを気にはしてる 本来の性格は寂しがりで無邪気 お菓子が大好き ちょっと世間知らず 服装:明治の女学生さんスタイル 日傘をさしている
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《妖麗幽舞》サクラ・ブラディー
 リバイバル Lv14 / 黒幕・暗躍 Rank 1
イタズラ好きのリバイバル。 自分の名前や常識等以外記憶から抜け落ちている。 リバイバルになるための強い感情も抜け落ちておりなんで今ここに存在しているのかも本人にもわからない。(という嘘をついている) 取り敢えず毎日が楽しく過ごせればいい。 黒幕・暗躍コースなのは自分の特性がうまくいかせそうだったから 楽して成績優秀なら空いた時間は自由に使えるじゃろ? 趣味は人を揶揄うこと。 特技はなぜか舞踊、剣舞ができる。 また、占いもすることがあるようだ。 偶に変な雑学を披露する。 とある生徒の部下ではあるがそれを理由に相手をおもちゃにするために部下になってる ただ、ちょっとしたことならお願いは聞いているようだ 二人称:おぬし、または 名前殿
《新入生》ルーク・アレクサンダー
 カルマ Lv7 / 勇者・英雄 Rank 1
「僕は勇者であり騎士だ、君を絶対に守ってみせる」 銀髪の凛々しい顔付の青年。 真面目で強い正義感を持ち、平和を愛する勇者らしい性格だ…が、 過去の経験から「正義=圧倒的な武力」だと判断しており、 頭を使うのが苦手で自身や他人の無力さを毛嫌う。 といいつつ、友達が少ないため声をかければ誰であろうと喜び、君を「親友!」と呼ぶだろう。 (※フレンド申請いつでも大歓迎です) ちなみに料理好きという家庭的な一面を持つ。 印:背中 好きなもの:力、料理(主にデザート)、友達、 嫌いなもの:弱者、権力

解説 Explan

 シナリオは「衣装選びシーン」「ダンスシーン」「お食事シーン」といった感じでわかれます。
 どこかのシーンのみ希望でも構いませんし、全てにアクションをかけていただいても大丈夫です。
 この季節特有のちょっとした非日常を楽しみましょう。


作者コメント Comment
 メリークリスマス。
 ということでクリスマスダンスパーティを開催してみようと思います。
 学生でも、いや、学生だからこそ!
 皆でパーティして盛り上がれればと思います!


個人成績表 Report
オリヴァー・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---

俺は誰とも群れるつもりはない。本来ならこんなイベントなど参加するつもりも…(ぐうう)
食事だけはとろうか。…うまい。


…何?ダンスを?
くだらない、俺はそんなものをするために参加したのでは…

チッ、わかったわかったそんな目で見るな喧しく騒ぐな。
少しだけ踊ってやる。
アンダーソン家の名に恥じない貴族のふるまいを見せてやろうじゃないか。


アリア・カヴァティーナ 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
こういう場では、しがない村人のわたくしの使命は…場を盛り上げることですわ!
たくさんの人が楽しんでいるように見えれば、パーティーはますます楽しくなりますわ!

せっかく目移りするくらいいろんなドレスがあるのですから、お色直し用に幾つか選びますわ!
ドレスが違えば、一見、より多くの人が楽しんでいるように見えますもの!
貴族や勇者の皆さまがひき立つように、きらびやかすぎず、見苦しくもないものを選びたいのですけれど…わたくし、詳しくありませんの!
そんな時は…素直に貴族の方を頼ることで立てるのも、平民の務めですわ!

ですので…ミレーヌさまにドレス選びとステップを教えていただいた後、疲れ果てるまで踊りあかしますわ!

レダ・ハイエルラーク 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
・楽しむ
・エスコートする

◆お相手
・グラニテ・フロランタンさん

◆服装
・タキシード
(ただし胸ポケットの花の代わりに「泡立て器」がささっている)

◆プレイング
・全シーン参加
・衣装選びで黒のタキシードを選び胸ポケットに泡立て器を挿す
・お相手の衣装選びを手伝い褒めたりする
・ダンスシーンは【危険察知】【動作察知】【気配察知】で周りの人に注意を払いつつ、お相手の安全確保
・お相手がバランスを崩したらすぐにカバー
・ダンス中に一度離れ【ダガーステップ】で軽快なダンスをお相手の前で行い、その後再びお相手の手を取って踊る
・一般技能【音楽】【運動神経】【歌唱】【踊り】【演技】【緊急回避】【宮廷教養】辺りが使えそう

グラニテ・フロランタン 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
クリスマスデートを楽しむ

【お相手】
レダ・ハイエルラークさん

【ドレス】
青色のAライン和風ドレス
裾はやや短めで踊りやすい様になってる感じの



【行動】
ダンスパーティに参加

ダンスは事前に習えるしきっと踊りきれると信じている
踊りきれない場合は『龍翼演舞:花』の動きも取り入れながらやってみる

ご飯は食べるけど取りすぎない様に気をつける
けど洋菓子ばかりチョイスして食べる

【心情】
クリスマスデェトですわ!
ふふふ、レダさんとはお付き合いしたばかりですもの!
気合いが入りますわよ!

そう、恋愛小説(バイブル)ではこう書いてましたわ!
クリスマスを征する者が勝者なのですと!

レダさんに喜んで頂けますよう頑張りますわ〜!

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
ダンスに立食形式のパーティ料理・・・ね
魔王として部下を持つにはこういうのを覚えておいて損はないよなってことで勉強がてら参加してみるか

上手く踊れるかわからんがやってみないことには

サクラも参加しているみたいだしお相手して貰おうか・・・

合格貰ったらという前提だが他の人とも踊れれば踊るとしよう
勉強とは言ったが楽しまないとな

アドリブ、他の方との絡みなど大歓迎

サクラ・ブラディー 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
たまにはこうしたのに参加しないとダンスの腕などが錆び付いてしまうからの
参加させてもらうのじゃ

何やら我が魔王様も参加するとかしないとか?
これはこれは・・・良いからか、いや遊び相手もいるようじゃな
どのくらいできるのか見てやってもよいのじゃな

存分に魔王様で遊んだらあとはゆるりとパーティーを楽しむことにしようかの

アドリブ、他の方との絡みなど大歓迎

ルーク・アレクサンダー 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
ミレーヌさん誘ってくれてありがとうね。
僕パーティーとか初めてなんだ。
パーティーとかよくわからないんだけど僕みたいな人が参加してもいいのかな?

服装とかそういうのわからないから、周りの女の子たちに選んでもらおうかな。

食事は好きだ。デザートとかいいよね!これはなんだい?初めて食べるよ!


ダンスはさっき先生に教えてもらったから得意だよ。
一緒に踊ってくれる人はいないかなぁ。


リザルト Result

●ドレスコード
 ダンスパーティに向けた事前準備のため、レンタル衣装が並べられた一室。
 並べられた衣装は全てドレスコードを満たすもの。
 数々の礼装が選ばれるその時を待っていた。

-和気あいあい-
「こちらの黒いベストなどはいかがですかルークさま!」
「なるほど……やっぱり僕の場合黒のほうが良さそうかな?」
「えぇ! ルークさまの銀の御髪には黒色のほうがお似合いだとわたくしは思いますわ!」
 それは【アリア・カヴァティーナ】と【ルーク・アレクサンダー】の会話。
 2人は今、クリスマスダンスパーティへ参加するための衣装を選んでいる所であった。
 それぞれ他者に自分が着て似合う衣装を選んでもらいたいという希望の元、ルークの衣装はアリアが。
 アリアの衣装は今回パーティを主催する【ミレーヌ・エンブリッシュ】が行うということになった。
「それにしても……ミレーヌさんは誘ってくれてありがとうね」
「おーっほっほっほ! わたくし当然のことをしているまでですわ!」
 パーティへの参加など経験がないというルークだが、それでも参加を決定したのは色々な理由があった。
「これと、これ。それにこれも良さそうかしら」
 ミレーヌはアリアに似合いそうな服を2、3点手にし本人に重ね合わせて確認をする。
「わたくし、他の皆様を引き立てられるようなドレスが良いですわ!」
 アリアがこの学園で目指しているのは町の入口に立ち、勇者や英雄を導くため町の名を告げるような人物。
 そのため他の者よりも目立たつ、なおかつTPOに合わせた振る舞いができることを常に意識している。
 今回のダンスであるならば、その場を賑やかすためなるべく長い間踊っていられることが目標であった。
 3人はあれやこれやと衣装を選び、その後はダンスの練習をして本番へと備えるのであった。

-タキシード、そして泡立て器-
「当日のお楽しみ、か……」
 【レダ・ハイエルラーク】は1人レンタル衣装を選びに来ていた。
 ダンスパーティ自体はつい最近正式に付き合い始めた【グラニテ・フロランタン】をエスコートする予定である。
 グラニテはオーダーメイドのドレスをすでに持っているということであった。
 一度着て事前にみてもらおうかとも考えていたグラニテであったが、最終的に当日のお楽しみにすることにしたようだ。
 どのようなドレスなのか聞いていないレダは相手のドレス姿をあれこれと想像しつつ、自分の衣装を選び抜いた。
 それは黒がベースのダンス用タキシード。
 そのタキシードの胸ポケットにポケットチーフの代わりに刺すのは……泡立て器。
 もはやレダの代名詞、むしろ本体ではないかという噂までたつ泡立て器。
 レダにとって礼装であろうとも欠かせないものなのであった。

●ダンスホール
 ダンスパーティの会場となっている学園ホールは、芸能・芸術コースの生徒たちによる生演奏が鳴り響いていた。
 奏でられる音楽はどれも踊りやすい楽曲が選ばれ、生演奏ならではの臨場感や豪華さが感じられる。
 クリスマスということもあり、ホールには大きなツリーやクリスマスの飾りが施され豪華さの演出に一役かっていた。
 美しい音色と共に、参加した生徒たちはそれぞれ楽しいひとときを過ごしているのであった。

-レダ&グラニテ-
「すごく、素敵だ……」
「レダさんこそ、タキシードとてもお似合いですわ」
 甘い空気で周囲を包んでいるのはレダとグラニテだ。
 学園ホールで待ち合わせした2人はいつもと違う互いの服装を見て、褒めあっていた。
 レダの服装はタキシードに胸ポケットには泡立て器。
 グラニテはAラインの青い和風ドレスで身を包んでいた。
 ある程度踊りやすいよう裾は長過ぎない形をしており、ドレスに合わせた水色のヒール。
 それにツマミ細工で作られた豪華な髪飾りなどが華やかさを演出する。
「踊って頂けますか?」
「はい。喜んで!」
 レダはグラニテに手を差し出し、かしこまった口調で誘い文句を口にすればグラニテも微笑み承諾の言葉を述べる。
 レダはグラニテの手を取り、踊れる場所へしっかりとエスコート。
 奏でられている音楽にのせ2人は踊り始める。
 レダは万全の注意を払いつつステップを踏み、グラニテをリードしていく。
 レダの素晴らしいエスコートのおかげで、色々と緊張気味であったグラニテもリラックスして楽しく踊ることができている。
 これこそ恋愛小説(バイブル)にかかれていた、クリスマスを征する者という状態なのだろうかなど一瞬思考がよぎる。
 だが今はこの状況へと意識を戻す。
 近くで見つめあい、互いの手を取り合えるこの時間を堪能するのであった。

-貴人&サクラ-
 黒い生地に豪華な銀の刺繍が入ったタキシードを着用し学園ホールへと現れたのは【仁和・貴人】だ。
「魔王としては、ね」
 このクリスマスダンスパーティは一般的なダンスに立食形式のドレスコードを設けられた、よくあるありふれたパーティ。
 1つの教養として嗜んでおくべきかと考え、貴人はこのパーティへと参加しにきていた。
 実際魔王として催し物を開いた際、自分が無教養では恥をかきかねないという点もある。
 とはいえ貴人は異世界からこの世界へやってきた来訪者。
 元世界ではただの学生であった貴人がダンスなど経験があるわけもなく。
 貴人は前もってダンスレッスンならびにパーティにおけるマナーなどもすべて学習してきていた。
 本当ならば衣装は普段からきているブレザーが楽だとも思ったのだが、これで良いのか多少不安になったため衣装の相談もしていた。
 衣装の相談をしたところ、悪くはないがせっかくだからと押し切られタキシードを着ることに。
「そこにおわすは我が魔王様」
 未だ入り口付近で立っていた貴人に声をかけたのは【サクラ・ブラディー】だ。
 サクラは黒をベースにワインレッドの色が入ったオフショルダーのイブニングドレスを身に纏い髪は結い上げた姿で会場へと現れた。
 腰回りはピッタリと体のラインに沿う形のドレスはサクラのスレンダーさを際立てる。
「サクラも来ていたのか」
「わっちもたまには踊っておかないと腕が錆びついてしまうのじゃ」
 サクラが参加しにくる理由としては貴人に伝えたとおりなのだが、貴人が居ることで良いからかい相手ができたなどと考える。
 2人の関係としては魔王とその配下……であるはずなのだが魔王の扱いが大変軽いのはご愛嬌というところなのだろうか。
「では、お相手いただけるか」
 踊りに来たというサクラの言葉を聞き、貴人は事前に学習したとおりの動きで手を差し出す。
「魔王様のお手並み拝見なのじゃ」
 手をとり開けたところへ移動した後は、音楽のリズムにのせステップを踏んでいく。
 踊り始める前はちゃんと本番で踊れるか不安が多少あったものの、その不安はすぐに解消された。
 事前に学んできたとおり、貴人はしっかりとした足取りでダンスをこなす。
 うまく踊れなければからかってやろうなどと思っていたサクラだったが、貴人のそつのなさに少しばかり驚く。
 若干面白みにかけると思いながらも、しっかりダンスを踊り切るのであった。

-オリヴァー&アリア-
「さっそくですが疲れ果てるまで踊り明かしますわ!」
 ホールに現れたアリアは早速、事前に教えてもらったことを思い出しながらクルクルと音楽にのせ踊り回っていた。
 着ているドレスは女の子らしいピンク色。
 ハイウエストから広がるスカートはアリアが回るたびにふわりと広がり華やかさを演出する。
 靴は長く踊るためにヒールは低く、ドレスにあわせたピンク色のラインがはいった白いものをチョイス。
 長い金色の髪も可愛くセットされ、頭の先から足の先まで目立ちすぎず、かつダンスパーティにふさわしい格好となっていた。
「なぜ俺がこんなイベントに参加するはめに……」
 楽しそうに踊るアリアと対照的な様子でホールに現れたのは【オリヴァー・アンダーソン】。
 しかめっ面をしながらもウェルカムドリンクはしっかりと受け取っているあたり、ちゃっかりとしている。
 本来このようなイベントに参加するつもりなど毛頭もなかった。
 しかしクリスマスダンスパーティのお誘いをしていたミレーヌと目があったが最後。
 その押しの強さに負け、まんまと参加するはめになってしまったのだ。
 ちびちびとドリンクを飲みながら食事ぐらいはと考えていた所、ふいに声をかけられ声の主を探す。
「……ガキが何のようだ」
 それはオリヴァーに声をかけたアリアであった。
 10歳前後の外見年齢をしたアリアはたしかにオリヴァーから見ればかなり子供だ。
「はい、よろしければわたくしと一緒に踊って頂けないかというお誘いですわ」
 一見つまらなさそうにしていたオリヴァーを見たアリアが声をかけてみることにしたのだ。
「ダンスを? くだらな……チッ」
 幼い見た目のアリアがきゅるんとした瞳でオリヴァーを見つめていると、オリヴァーは舌打ちをしながらも手を差しのべた。
「少しだけだ」
「はいっ! 貴方のようなお方と踊れて光栄ですわ!」
 踊るからには貴族らしくと背を正すオリヴァーはアリアの手をとりエスコートしていくのであった。

-ルーク&ミレーヌ-
 緊張した面持ちで音楽に乗り踊る人々が楽しむ様子を見ているのはルークだ。
 アリアに選んでもらった衣装を来て本番を迎えたはいいものの、パーティにおいての振る舞い方がよく分からず入り口付近で立ち尽くしていた。
「あ、ミレーヌさん」
「ごきげんようルークさん! クリスマスダンスパーティ楽しんでいらっしゃるかしら」
「ええっと……」
 ルークはミレーヌを見かけ声をかけたは良いが、まだ楽しむ以前の段階にいるため返答に詰まる。
 その様子を見てそれを察したミレーヌはルークの前でスカートの裾をつまみ上げ腰を下げて挨拶をする。
 これはダンスのレッスンを受けた際に踊る前に行われていた挨拶だ。
 それを見たルークはミレーヌをダンスの相手をしてもらえるのだと察する。
「お相手お願いします」
「もちろんですわ」
 何度も練習の時に踊っていた相手ではあるが、ミレーヌも普段とは違うダンスパーティ用のドレスを着用しており、また違った雰囲気を醸し出している。
 緊張せず、自信を持ってリードするよう励まされつつ、ミレーヌと踊っていくルーク。
 最初はぎこちなかった動きも踊っていくにつれどんどん滑らかで自信がついた動きへと変化していく。
 ルークはミレーヌと共に1曲しっかりと踊り切る事に成功した。

●ダンスパーティ
 一通り踊った面々は次第に料理が並べられているテーブルへと向かっていた。
 しっとりとしたクリスマスソングの生演奏をBGMに見た目も味も整えられた華やかな料理が並べられ食欲を刺激する。
 自然と会話ができる近さにそれぞれが固まりながら、それぞれの楽しみ方でこの時間を過ごしていく。

「その、本当に大丈夫なのでしょうか」
 アリアは料理自体には興味はあったのだが、借りているドレスを汚してしまうことを危惧し自ら料理には近づかずにいた。
 しかも今着ているドレスはお色直しをし、純白のドレスを着ているのだ。
 少しでもこぼそうものなら大惨事間違いなしである。
「おぬしは少々気にしすぎじゃ。どのみちレンタルが戻った時には洗いに出されるのだし、貸し出しなぞ汚れること込みじゃ」
 アリアが気にする様子をサクラはフォローする。
 その言葉にミレーヌも同意を示す。
「アリアさんは一番踊っている時間も長かったし、食事を嗜むこともパーティを楽しむには大事ですわ」
 疲れ果てるまで踊りあかすつもりだったアリアを食事へと誘ったのはミレーヌであった。
 単純に心配だったというのもあるが、食事もせっかく皆のためにと用意されたものなのだから楽しんで欲しいという気持ちもある。
「うん、本当にそうだよ。だってどれもこれも並んでいる料理はとても美味しいよ」
 ルークは緊張が解けたこともあり、気になる料理を端から堪能していた。
 手に持つ皿には料理が入れ替わりのせられ、食されていく。
 こうやって誰かと食事を共にするというのはかつての大事な記憶と重なる部分もあり、ルークにとって楽しい時間となっているのだ。
 食事を堪能するルークにつられ周りの者たちもそれぞれ目についたものを取り、その味や食感を楽しんでいく。
「確かに美味いもんだ。これを普段から出してもらうわけにはいかないのだろうか」
 貴人も料理に舌鼓を打ちつつ、これが立食形式での食事かと経験を積む。
 流石にパーティ用の予算で作られた料理は普段から出すには贅がすぎるのだが、普段から食したいほど美味しい料理が並んでいるという証拠だろう。
「レダさん、これとっても美味しかったから是非食べてみてください。はい、あーん」
「……確かに、美味しい」
 それは相乗効果もあっての美味しさか。
 グラニテとレダは他の人達と混ざりながらも、恋人らしさをこれでもかと醸し出していた。
 これがデェトの定番あーん! などと思いながら嬉しそうにするグラニテとそれを堪能するレダ。
 2人とも食事は控えめにとっているがグラニテの手が伸びるのは主に洋菓子ばかりであった。
「ふん……」
 面々の端で1人食事をとるのはオリヴァーだ。
 最初、貴族出身の身である己には食事もさして美味しいとは思えないのではなどと勘ぐっていたのだが。
 実際食べてみればどれも上手に作られオリヴァーの舌を満足させる出来であり、この場を去るには未だ少し時間がかかりそうであった。
 そんなオリヴァーの様子を時折見ている者がおり……それはルークであった。
 ルークはオリヴァーの事を友人を通し知っていたのだが、今は居る位置も遠く、そういった雰囲気でもない。
 そのため食事を楽しみながら時折様子を見る程度にとどまっていた。
「本当にとっても美味しいお料理ですわ! わたくしとても感動しておりますわ」
 アリアはドレスを汚す事を恐れていたが、一度料理を口にすればその美味しさから気になるものをあれやこれやと口に運んでいた。
 食事のとり方もちゃんとしており、ドレスを汚す心配はなさそうだ。
 本来は踊りを楽しむ賑やかしになれればと思っていた所だが、これはこれで食事を楽しむ賑やかしとして悪くないのである。

 ダンスで疲れた後は皆でわいわいと料理を楽しみ、次第に日は暮れクリスマスダンスパーティはこれにて閉会となるのであった。

●アフター
「今日はありがとう」
「そんな、私のほうこそ。とても素敵な時間を頂けて嬉しい限りですわ」
 パーティ閉会後、レダはグラニテの肩を抱き部屋まで送り届けていた。
 外は凛とした空気に包まれその中で互いの温もりが伝わり合う。
 グラニテの首には赤いマフラーが巻かれ、手にはふわふわの白い手袋がはめられていた。
 これはレダが事前に用意していたクリスマスプレゼントである。
 部屋へとエスコートするため外に出た時、これをグラニテへとプレゼントしていたのだ。
 寄り添いながら戻る途中、少し開けた場所に差し掛かった時。
 グラニテは唐突にレダの手を離れ、開けた場所の中心へと向かう。
「あの、よかった私からもプレゼントを送らせてください!」
 そう言うとグラニテは『龍翼演舞:花の型』をアレンジしながらレダのためだけに舞を踊り始める。
 グラニテが身に纏うドレスとマフラーは動きにあわせヒラヒラと動き、グラニテと舞の美しさを引き立てる
 舞が終わりペコリとレダに向けお辞儀をすれば、レダからは讃美の拍手が送られる。
「それと、これを…」
 グラニテは舞とは別に薔薇の飾りがあしらわれたリトルローズをレダへと渡す。
「こんなに素敵なプレゼントを貰えるとは思っていなかった。本当にありがとう」
 プレゼントを受け取ったレダの微笑みを見て、グラニテは軽くレダへとハグをした。
「せっかくのクリスマスですから! それじゃあその、参りましょう?」
「ああ、しっかりと送り届けさせてくれ」
 少しの気恥ずかしさと共に再び寄り添った2人は一年でたった一日の特別な日を過ごし、帰路へとつくのであった。



課題評価
課題経験:12
課題報酬:210
クリスマスダンスパーティのお誘い
執筆: GM


《クリスマスダンスパーティのお誘い》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!