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【ゆうドラ】おいでませ魔法学園!


ストーリー Story

●グランドプロローグ(おまとめサイズ版)
 世界に広がる無限の魔法。
 世界を照らす勇者の伝説。

 それらが深く根付いた、不思議な世界『ラコン・パルション』。

 この場所で人々は精霊が授ける魔法の力を駆使しながら、かつて世界征服を試みた『魔王』の残党たる魔物の脅威と戦っていた。
 それはいわば、剣と魔法のファンタジーな世界。

 そんな世界には、『魔法学園フトゥールム・スクエア』という施設が存在する。
 そこでは明日の勇者を目指し、魔法を始めとした様々な物事を学びながら、沢山の人々が学生生活を謳歌しているのだ。

 僕は将来、この世界であんな風に生きていきたい。
 私は今、この世界でこんな事を成し遂げてみせる。
 俺は絶対、この世界であったあの過去を克服するんだ!

 様々な想い。個性豊かな精霊に愛されし種族達。
 色とりどりの個性が混じり合って、今日も魔法学園の新しい1日が刻まれていく。

 君達は、この世界で何を為すのだろうか。
 君達は、この世界に何を望むのだろうか。

 どんな形であったとしても。
 世界は君の存在を歓迎する。
 君がこの世界の勇者である限り。

 さぁ、一緒に貴方だけの『ゆうしゃの物語』を始めよう!



●前回の「ゆうしゃのがっこ~!」は!

 前回とは勇者暦2019年12月24日から25日の明け方までのお話。

 時は聖夜。
 学園生達は、時を司る精霊『トリミニ』達と出会い、各々の思う形で過去、今、未来に思いを馳せた。
 その結果、弱まっていた精霊達は無事に力を取り戻すことに成功。
 力を取り戻した未来を司るトリミニ【デェル】の力により、『ゆうしゃのがっこ~!』の世界に、不思議な出来事が起きた。

 空が割れたのだ。

 そこから出現するこの世の原理原則を超えた存在。
 そしていつの間にか訪れていた不思議なあの人と純金像。

 敵か、味方か? いや両方だ!
 集え、願いが紡ぎし希有な縁の下へ!

――この交わりに参加する意志を持ったとき空想(IF)が実現する――
 
 

●学園長(仮)と素敵な仲間達
 まさに怒濤の展開を迎えた12月25日の正午。
 魔法学園第一校舎『フトゥールム・パレス』内、空き教室にて。
 そこに無作為に集められた学園生達がいた。
 入学したばかりの者。長らく学園に住み着いている者。
 既にゆうしゃとして名を上げ始めている者から、背中に羽が生えた可愛いパンダのペットまで。
 種族性別お構いなしのこの状況に、集まった面々の大半は戸惑いを隠せないでいた。
 そのまま暫く待っていると、唐突に教室の戸が開け放たれる。
「遅くなってすまない」
 それだけ告げると、カツカツとあまり見慣れない靴の音を立てながら、その男性は真っ直ぐ教卓へと向かっていく。
「あれ、あんな独特な雰囲気のイケてるおじさん系男子いたっけ?」
「さぁ? でもうちの制服着てるし……。ちょっとパツパツだけど」
「そういえば! 私、あの人の顔と同じ純金像。購買部で売ってる人みかけたわ」
 学園生達がざわつく中、目標地点に到達した彼は、その磨き上げられた白い歯を見せつけながらこう言った。
「純白の閃光(ホワイトニング・フィッシャー)!」
「うおわ!?」
 突然の大きな声に、一部の生徒達はイスから転げ落ちてしまう。
 だが落ち着いて見てほしい。
 そこにあるのは、輝かしい歯がもたらす光の反射だけだ。
「突然驚かせてしまってすまない。だが、事態はこのサプライズの1000倍は下らない勢いで唐突に進行している」
 そういうと、彼は黒板に何やら絵を描き始めた。
 どうやら、先日出現した空の割れ目を描写しているらしい。
 迷いのない筆は中々の出来映えだ。
 仮に自分の像を造りたくなった時には、他人にイメージを間違いなく伝えられるデッサン力だろう。
「ご存じの通り、先日上空に開いた巨大な空の割れ目がある。そうだな、ここは分かりやすく呼称を『ゲート』としておこう」
 書く手を止める事無く、彼は淡々と説明を続けていく。
「ゲートからは、『ナイトメア』の出現が確認されている。君達の認識レベルを超える無礼を承知で言うならば、奴らは異世界より出現する謎の侵略生命体だ」
 ないとめあ?
 いせかい?
 不思議な言葉に困惑を浮かべる者も多かったが、『侵略』という言葉を聞いて、一部の者の態度は明らかに変化した。
「分かりやすく表現をリストラクチャーするならば、『招かれざる客』。だが、客人は彼らだけではない」
 教師風の男性はチョークを置くと、振り返り学園生達を一瞥する。
「いい目をしているな。君たちなら、この程度の認識阻害など苦でないだろう。というわけで、転校生を紹介する。全員入りたまえ」
 男の指示に従うようにして、女性が3人と不思議な生物が1匹。
 教卓の前で一列に整列する。
「紹介しよう。向かって左側から、SALF(サルフ)でオペレーターを務めている【リリ・リヴァイヴァル】君」
「リリと呼んでください。今の状況を端的に分析するならば、異世界転移なのです。折角の食事時を邪魔されたのは心外ですが、アニメみたいな展開を経験できたので、今回は許してあげます」
 ツインテールとメガネが特徴的な少女が、きっちりとした角度で一礼する。
「次は、ライセンサーの養成校に所属しつつもその報道手腕は一人前のそれを超えている、【中山・寧々美(なかやま・ねねみ)】君」
「宜しくね! あたし、こういう中世ファンタジー風なのも好きだけど、学校っていうのがなんか燃えるんだよね! 皆の知ってること、たくさん教えてほしいかな!」
 次に紹介された少女は元気が溢れているというのが適切だろう。
 この人当たりの良さが、他者に彼女と話したいと思わせるのかもしれない。
「次だ。SALFに所属するライセンサー、【三保・カンナ(みほ・かんな)】君。一流のゼルグナイトと聞いている」
「そんな、私なんてまだまだ……! あっ、え、えっと宜しくね。ナイトメアの脅威からは、私が皆を護ってみせるから!」
「そして、この兎にも似た姿で浮遊しているのは、【ハナビ】君だ」
「初めましてです! ハナビはハナビなのですっ! これからどんな冒険ができるかワクワクなのです!」
 可愛らしい声でふわふわと上下する様に、一部の生徒から黄色い歓声が上がった。
「紹介が遅くなったが、最後は私【レイ・フィッシャー】だ。入学して早々ではあるが、学園長【メメ・メメル】殿からの依頼により、学園長代理の任に着くこととなった。宜しく頼む」
 突然の学園長変更宣言。
 そして押し寄せる美少女+激カワマスコット。
 押し寄せる情報の波に攫われていく者は後を絶たない状況となっていた。
「君達の気持ちは既に把握している。だが、我々もこの世界について知らない事が多い。どうだろう? 互いの利益にコミットするために、まずは情報交換から始めようじゃないか」

 こうして、風雲急を告げる事態が勃発した。
 今回君達に課されるミッションは、この世界とあちらの世界の情報を繋ぐ事だ。
 検討を祈る。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 3日 出発日 2020-02-23

難易度 とても簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2020-03-04

登場人物 8/8 Characters
《ゆう×ドラ》シルク・ブラスリップ
 エリアル Lv17 / 村人・従者 Rank 1
「命令(オーダー)は受けない主義なの。作りたいものを、やりたいように作りたい……それが夢」 「最高の武具には最高の使い手がいるの。あなたはどうかしら?」 #####  武具職人志願のフェアリーの少女。  専門は衣服・装飾だが割と何でも小器用にこなすセンスの持ち主。  歴史ある職人の下で修業を積んできたが、閉鎖的な一門を嫌い魔法学園へとやってきた。 ◆性格・趣向  一言で言うと『天才肌の変態おねーさん』  男女問わず誘惑してからかうのが趣味のお色気担当。  筋肉&おっぱい星人だが精神の気高さも大事で、好みの理想は意外と高い。 ◆容姿補足  フェアリータイプのエリアル。身長およそ90cm。
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《イマジネイター》ナノハ・T・アルエクス
 エリアル Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
フェアリータイプのエリアル。 その中でも非常に小柄、本人は可愛いから気に入っている。 明るく元気で優しい性格。天真爛漫で裏表がない。 精神年齢的には外見年齢に近い。 気取らず自然体で誰とでも仲良く接する。 一方で、正義感が強くて勇猛果敢なヒーロー気質。 考えるよりも動いて撃ってブン殴る方が得意。 どんな魔物が相手でもどんな困難があろうと凛として挑む。 戦闘スタイルは、高い機動性を生かして立ち回り、弓や魔法で敵を撃ち抜き、時には近接して攻め立てる。 あまり魔法使いらしくない。自分でもそう思っている。 正直、武神・無双コースに行くかで迷った程。 筋トレやパルクールなどのトレーニングを日課にしている。 実は幼い頃は運動音痴で必要に駆られて始めたことだったが、 いつの間にか半分趣味のような形になっていったらしい。 大食漢でガッツリ食べる。フードファイター並みに食べる。 小さな体のどこに消えていくのかは摩訶不思議。 地元ではブラックホールの異名(と食べ放題出禁)を貰うほど。 肉も野菜も好きだが、やっぱり炭水化物が好き。菓子も好き。 目一杯動いた分は目一杯食べて、目一杯食べた分は目一杯動く。 趣味は魔道具弄りで、ギミック満載の機械的な物が好き。 最近繋がった異世界の技術やデザインには興味津々で、 ヒーローチックなものや未来的でSFチックな物が気に入り、 アニメやロボットいうものにも心魅かれている。 (ついでにメカフェチという性癖も拗らせた模様)
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《ゆうがく2年生》アリア・カヴァティーナ
 アークライト Lv14 / 村人・従者 Rank 1
 幼い頃から聞かされてきた英雄譚に憧れて、いつしか勇者さまを導く人物になりたいと願ってきた。  その『導き』とはすなわち、町の入口に立って町の名前を勇者様に告げる役。  けれども、その役を務めるということは、町の顔になるということ。この学校でたくさん学んで、いろんなことを知ることで、素敵な案内役になりたい!  ……それが自分の使命であると信じて入学したけれど、実のところ勉強よりも、花好きが高じた畑いじりのほうが好きだったりする。そのせいで、実はそこそこの力持ちだったりする。  たぶん、アークライトの中ではかなり変人なほうなんだと思うけれど、本人はあんまり気にしていない模様。  基本的に前向き……というか猪突猛進なところがある、かも。
《未来を願いし者》アルシェ・スレット
 ヒューマン Lv7 / 賢者・導師 Rank 1
アルシェ・スレット、対外的にはそう名乗っている長身で病的な痩躯の学園生。おおよそ艶というものの感じられない銀髪を長く伸ばし、紫色の瞳から感情は読み取れない。肌の色を表すならば、最も適切な語句は恐らく「死体」。 コミュニケーションと礼儀の概念はあるようで、普通に話は通じる、というか誰に対しても異様に慇懃な「御座います」調で喋る。 口癖は、「ははア。」 なお、このような幽鬼じみた外見をしておきながら結構な健啖家で、料理もする。得意料理は白米にかける前提のクリームシチュー。   普段は服の中にしまっているが、白い粉状の物体が入った小瓶を首飾りにしている。。
《新入生》アルバリ・サダルメリク
 エリアル Lv13 / 黒幕・暗躍 Rank 1
【外見】 糸目だが開いた目をよく見ると緑色 黒い短髪 エルフ系エリアル 見た目怪しい中国人 【性格】 腹黒守銭奴 お金をくれるなら大体なんでもやってくれる いつもなにか含みがある事を言ってる 金を稼ぐのは最早趣味 『口調』 ~ヨ、~ネ。 エセ中国人風 【服装】 中華系の袖の広い服を好んで来ている。 ※アドリブ大歓迎!
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)

解説 Explan

 今回は、「『グロリアスドライヴ』×『ゆうしゃのがっこ~!』」のスペシャルイベント、『ゆうドラ』シリーズ第一弾のエピソードとなります!
 コラボならではスペシャルな展開を通して、グロドラやゆうがくの楽しさを少しでも感じ取って頂ければ嬉しいです!

◆目的
・異世界から訪れた人々と交流しよう!

 ということで、やるべきことは上記のみです。
 グロドラ世界からゲストキャラが沢山訪れて下さいました!
 彼らとの交流を楽しみながら、グロドラ世界の知識、ゆうがく世界の知識を教え合うことで、楽しい異文化交流を果たしましょう!

◆人物
【レイ・フィッシャー】
 グロドラ世界で大人気の社長さん。
 20代の頃に父親からの会社を継いで、アサルトコア(グロドラ世界のロボットのこと)開発を躍進させた凄い人。
 だけど流れてくる噂だと自分の像を作りマーケットで流れる様を楽しむちょっと変わった趣味をお持ちらしい(熱い風評被害)。
 基本的にどういうノリでも大丈夫な方です。
 一足先にこの世界に来ていたので、多少はこの世界の話も知っています。

【リリ・リヴァイヴァル】
 人工知能を持つAI『ヴァルキュリア』の少女。
 外見年齢は14歳ほどだが、まだ製造されてから5年ほどしか経っていないらしい。
 趣味はアニメ鑑賞と毎日の日記という、ロリとティーンのスーパーハイブリット。
 子供っぽいと思われたくないらしいが、リリと名前を呼ばれたいあたり、年相応の可愛らしさを持つ。

【中山・寧々美】
 一言で言えば元気娘。
 三言で言えば制御不能の報道元気娘。
 流行に敏感で新しいものを見つけると、それに向かわずにはいられないらしい。
 いつも気楽で行き当たりばったり。
 だが裏を返せば、どんな時にも明るく前向きなその姿勢にはファンも多いようだ。
 情報収集やそれを伝える報道が好きな性格もあり、世が世なら新聞部の部長を務めているであろう。

【三保・カンナ】
 孤児院出身のライセンサー(ゆうがくで言う学園生の立場)。
 正義感が強く、明るくハキハキとした性格はまさに勇者そのもの。
 とってもお似合いの和風ゴス衣装に身を包んでいるが、これは元々孤児院のハロウィンパーティーで着ていた仮装なのです。
 『アニメのヒーローみたい!』と子供達に喜ばれたから戦闘用に改造したのだそう。
 ……子供達との思いを胸に戦う和風美女。実に良いイマジナリーです。
 ちなみにあと3年で成人らしい。

【ハナビ】
 リリ同様、ヴァルキュリアと呼ばれる人工知能を持つAI。
 ※リリちゃんのような人型もいれば、このようなぬいぐるみみたいなタイプもいるのです。
 NPC紹介のページではその愛くるしいビジュアルと素敵な高音ボイスで出迎えてくれるので是非チェックしよう。
 マスコット枠なので、存分にもふもふしてあげると良いだろう。


◆プランのすすめ

 今回のエピソードでは、主に以下の行動が考えられます。

・コラボキャラとお話しする
・コラボキャラ達に学園を紹介する
・そもそも今起きている事態の認識を深める
・ここに銅像を建てよう

 勿論その他の行動も可能ですが、日常エピソードなので特に気張る必要はありません。
 ゆうがく世界でロールプレイをすること、を楽しんでいただければエピソードは成功します。


作者コメント Comment
初めましての皆様は初めまして!
お久しぶりの皆様はいつもお世話になっております!

ゆうしゃのがっこ~!にてSD(シナリオディレクター)を務めさせて頂いている、pnkjynp(ぱんくじゃんぷ)と申します!
私の事は特に覚えなくても良いのですが、せめてこんなにフリーダムな空気感のPBWがあることだけは覚えて頂ければ幸いです!
ゆうドラ、遂にゆうがく側でも本格始動です!
その序章は、解説にもありますように、キャラクター同士が交流を深める日常エピソードとなっております!

ゆうがくで良く遊んで下さっている皆様も、
グロドラから始めていらっしゃった皆様も、
よくわからないまま訪れて下さったご新規様も!

このゆうがくという世界で、皆様の創造したキャラクターが、動き出す楽しさを、感じて頂けるような物語に出来れば幸いです。
基本は楽しい感じになればどういう方向でも大丈夫です!
※相談期間短くてすみません汗

是非、皆様らしいプランをお待ちしております!
それでは!
次はリザルトノベルにてお会い出来ますことを、楽しみにしておりますね。


個人成績表 Report
シルク・ブラスリップ 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
レイ・フィッシャー『シャチョー』と交流。
ナイトメアと戦った先人との情報交換や、武具製作に当たっての知識を得られたら

●行動
「伝説の『シャチョー』って人が来てるですって!?」
※企業という概念をしらないため素読み。称号か何かと思っている

SALFスーツなど、漂着物も持参でフィッシャーと技術交流。
対ナイトメアの先人に、戦術や装備など今後の対策も込みで結構真面目に。

特に搭乗型ゴーレム(アサルトコア)については興味深々。
彼の作品のグロリアス防具も参考に形に出来ないかなど熱心に
「あれ、こっちでも作れない!?」

自分からは此方の魔法学(魔具設計)や服飾について披露
向こうにない技術もあるんじゃないかな、と。

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
…別の世界。あるんだ。
見えてる世界がどんなもんかはともかく、世界ってのは家だけじゃねぇ。地域だけでも無けりゃ、国だけの範囲でもまだ無い。極めた何かやら架空仮想やらに世界の視野を広げられる場合もあんだろ。或いは本当に別の世界ってもんがありやがる可能性だって………
…うん、あったよ、ほんとに。

とりませっかくの訳わかんない繋がり現象なんだし。
こっちからあっちに行けるのか…はともかく、あっちからこっちには色々来てるわけじゃん?人とか物とか魔物?とか。
その辺の原因…ってか要因な割れ目?あっこから出てるーってなら、直接そこ見た方が早いだろーし。
とりまザコちゃん現地…1番そーいうのが発見されてる場所?行く。

ナノハ・T・アルエクス 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
転校生と交流する

■行動
案内がてらに転校生と交流するよ。
場所は食堂にしよう。リリが「食事時を邪魔された」って言ってたからね。
御飯は大事だ!御飯(もしくはオヤツ)を食べながら談笑しよう♪
パクッムッシャパクッパクッムッシャムッシャ…

まずは自己紹介。
賢者・導師専攻、ナノハ・T・アルエクス。
趣味は動くこと食べること、それから魔道具弄り。
皆、よろしくね♪

質問されたら答えるよ。
真面目な話だけじゃなく文化とかトリビアとか個人的なのまで、何でも質問してね。
実演が必要ならするよ。

僕が知りたいのは、そっちで使われている装備や道具かな。
僕等が使っているものと違う感じだから、色々と教えて欲しいんだ♪

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
うん、いきなりこの世界に来させられて慣れてきたなと思ってたらSF持ってこられてびっくりだ

とりあえず言いたいことはハナビくん?、ちゃん?
マスコット型のAIは後で死んだかと思わせといて美少女型とか美少年型になって復活するって相場が決まってるんだ
え?そんな設定はないし予定もない?
そうか・・・

それはそれとして、お土産にカップ麺頂いたそうだが、確かに美味しいよな
ただ、この世界でも作れると思うんだ
カップ部分はちょっと難しいだろうが
麺とスープ部分は可能だろうな
麺は生麺を油で揚げれば一先ずはできるし、スープはコンソメスープの素があるから作れるはずだよな

ナイトメアについてもちょっと聞いておきたいとこだな

アリア・カヴァティーナ 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
異世界!
不安も期待もありますけれど、どなたが相手でもわたくしのなすべきことは変わりませんわ!

「フトゥールム・スクエアへ、ようこそ!」
元気にご挨拶をしたならば、校内の施設と授業の様子をご案内! わたくしたち学生だって、この学園で学んで世界を知ることになりますわ…その点では異世界の方も、入学希望者の方も同じですもの!
基礎的な授業や、わたくしが見ても驚くような授業をお見せすれば、この世界がどんなものか、大体お解り下さると思いますわ!
その後、どうお感じになったか、感想戦とディスカッションをお願いしてみますわ!
そうすれば理解を深めていただけますし、わたくしも至らないところや彼らの世界の観点を学べますもの!

アルシェ・スレット 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
「まずは皆様、ようこそ此方の世界へ。色々不便も御座いましょうが……どうか此方の世界も楽しんで頂きとう御座います。精神衛生も重要で御座いましょう?」

外見の悪印象を緩和するのに制服はきちんと着ておきませんと。

まず皆様を御案内するのはクイドクアム。此方の世界で生活を送るのに身の回り品を調達できないでは不便で御座いますからねえ。
特に食料品系統を重点に回り、皆様の苦手な物・食べられぬ物を確認しておかねば。

アリア様始め他の皆様が案内や御話をしている間に歓迎の料理を作り、振舞いましょう。
それはもう、料理技能と集中と自然友愛とをフル活用で御座います。
肉、魚、野菜、米、麺。皆様が楽しめるように。飲み物も忘れず。

アルバリ・サダルメリク 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
フィッシャー氏に商売を申し込む

【行動・心情】
アイヤー、貴方はあの金になる(けふんこふん)
趣味の良い銅像の方ネ!

なんでもこの前の空パッカーンした方から来たトカ

…ちょーっとここだけの話
ワタシと一緒に商売しないかなと思って声掛けたヨ

あっちにはこんな武器作れるような技術があるんデショ?
『試作型高圧魔力収束砲』みたいな凄い武器
ワタシ見てみたいネ

代わりにコチラは魔術を教えたらそちらも研究が捗るんじゃナイ?
まさに、ウィンウィンの関係ネ!

【PL意図】
購買にロングレンジライフルとか
対洗車ライフルとか
マシンガンとか
そういう武器が入っても良いと思うんです!
また、グロドラで魔法系武器が入ったら面白いと思う!

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:27 = 22全体 + 5個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【三保・カンナさんと戦いたい!】

最前線を往く彼女と剣を交えることで
こちら側の物理攻撃が通用しないことの理由
彼女達はどのような術を駆使し克服したのか
我々にも打開する力が、方策があるのか
戦いを通して見極めたい。
出来れば一緒に考えて欲しい。
実践主義なもんで、手間を掛けるさせるが
ま、これも異文化交流っつーことで…
ここは一つお手合わせ願えないか?

・【立体機動】【ダガーステップ】で回避UP
・「ライセンサー」「ゼルクナイト」に対抗意識を燃やす【競争精神】
・『跳躍』『二段ジャンプ』で自由落下から【刻閃斬】
・『マド』

ま、実現可能かっていうのも考慮してアドリブ度はSにしておこう。

リザルト Result

●歓迎、異世界勇者様ご一行!
「そういうことでしたら、是非わたくしにお任せ下さいませ!」
 【レイ・フィッシャー】なる人物の提案に、我先にと反応したのは【アリア・カヴァティーナ】であった。
 右手を高々と掲げ、背負う2枚の翼がまるで子犬の尻尾のようにパタパタ揺れる様はとても愛らしい。
 そんな彼女には『こういうのアリアちゃん専門だもんね、頑張って!』とか『ああ、これが俺達の天使。アリアエルか』などと、幼女を尊ぶ視線と言葉が送られる。
「今一部聞いてはいけないタイプの音声を認識した気がするのですが」
 勿論これらは全て、純粋なる激励と親愛の結晶。
 【リリ・リヴァイヴァル】の感じたような懸念は全くないので安心してほしい。
「そう? 皆さん見知らぬ私達に温かく迎え入れてくれて、嬉しいじゃない?」
 そういって【三保・カンナ(みほ・かんな)】は、笑顔でアリアの元へと近寄っていく。
「じゃあ、私達の案内……お願いしていいかな? アリアちゃん」
「勿論ですわ! わたくし、立派に皆様を導いてみせたいと思いますわ!」
 カンナの言葉に、アリアのにっこり笑顔の輝きが増した。
「学園はとても広いですから、紹介できる場所は沢山ありますの! まずは第一校舎フトゥールム・パレス、学生寮や大図書館、山や湖も! あとは、授業風景なども見て頂いて、それから――」
 嬉しさのあまり、ついつい口調が早くなっていくアリア。
 そんな彼女の視界へ小さな体で大の字を作りながら【ナノハ・T・アルエクス】が入り込んだ。
「ストップストップー! アリア。気持ちは分かるけどもうお昼だし、まずは食堂にでもいかない?」
「はわわ!? わたくしとした事が、うっかりしておりましたわ……!」
 目に見えて落ち込むアリアを、まぁまぁとなだめるナノハ。
 彼女は『エリアル』と呼ばれる、風の精霊の加護を受けた種族の1人だ。
 背中に生えた4枚の羽根と70cm程度しかない体の小ささは、彼女がエリアルの中でも『フェアリータイプ』に当たる存在であることを示している。
 だが、背が小さいからといって油断してはならない。
 こう見えてヒューマンよりもはるかに長生きしている者もいれば、ナノハのように女性ながら僕っ子属性を有している者もいる、由緒正しき種族である。
「確か、リリも食事時を邪魔されたって言ってたよね? 良かったらどう?」
「お誘い、感謝します。ではお言葉に甘えさせて頂きますね。異世界転移物では、転移先の妖精の類いに従うのは定番ですから」
「はいはーい! 私もついて行って良い? 何か不思議な食べ物とかあったら食べてみたいし!」
「皆様がいかれるのでしたら、【ハナビ】も一緒にいきたいのですー」
 リリがぺこりと一礼し、それに続いて【中山・寧々美(なかやま・ねねみ)】とハナビも同行を表明する。
「良かった♪ 僕は賢者・導師専攻、ナノハ・T・アルエクス。趣味は動くこと食べること、それから魔導具弄り。宜しくね♪」
 その様子を見ていたフィッシャーは、
「スピーディーな申し出に感謝する。私はある程度メメル殿から紹介を受けているのでね、案内の方は気持ちだけ頂くことにしよう」
 と告げて、学園制服のマントを翻した。
「では諸君。これにてホームルームは終了だ。解散」
 そして来た時同様に、颯爽と教室を横切っていく。
 彼が部屋を出たのと、授業の終わりを告げる鐘が鳴り響いたのは、全くの同時であった。

●異文化交流1:ラーメンは世界を繋ぐお話
「こちらが、第一校舎第三食堂ですわ!」
 教室から出てアリアに付いてきた一行。
 ある場所に近づいてきたところで、アリアは突如パタパタと駆け出し、入口真横で静止すると手を差し出しながらそう教えてくれた。
「食堂で食事を頂くには、受付で注文をする必要がございますわ! まずはその様子をご覧に入れますわ!」
 ナノハに場所取りをお願いし、一行はアリアを先頭に飢えた勇者の波をかき分けながら進み、カウンターへ到着した。
「注文をお願い致しますですわー!」
「はいはい……っておう。カヴァティーナ君か」
 受付にいたのは、仮面をつけた青年【仁和・貴人(にわ・たかと)】。
 アリアが彼に事情を説明する。
「おおー。こちらの世界は、仮面で顔を覆うことで衛生管理を行うのですね。ハナビも調理時の参考にするのです~」
「よく見てください。幾ら不思議溢れる異世界と言えど、仮面をつけているのはこの方だけ。というかこの形状の仮面では、衛生効果が得られるとは思えません」
 リリにかけられた言葉に、異世界は複雑なのですね~と呟くハナビ。
 少々不思議な雰囲気を醸し出すこの2人(1人と一匹が正確かもしれない)。
 彼女達は自分自身の意志を持つ人口生命体『ヴァルキュリア』だ。
 言い換えればそれは、ヒトに造られながらも知性を持ち、感情を持ち、人と変わらない心を見せることができる、彼女達の世界における、1つのヒトの形。
 こちらの世界で言えば、魔法生物と認識されているカルマに多少生態が近い。
「話は分かった。料理は俺が席に持っていくとしよう」
「貴人様、ありがとうございますですわ! では皆様、お席に参りましょう!」

 そうして暫く。
 席で談笑を楽しむ一行の元へ、沢山のどんぶりを運ぶ貴人がやってきた。
「へいおまち」
 彼は手際良く、それをテーブルに並べていく。
「えっ、これって……」
 鼻腔をくすぐる醤油の香りは、庶民の味方である狼煙。
 チャーシューの脂で輝くスープの海を流れる天の川は、黄金色の中太ちぢれ麺。
 散りばめられた野菜達と肉が、唾液の分泌を強制的に加速させる。
「ラーメンだよラーメン! この世界にもあるんだね!」
 寧々美の言葉が、カンナの推論を確信に変えた。
「ほう、ラーメンが分かるのか。それは良いことだ」
 そして貴人も席に着くと、全員に手を合わせるよう促す。
「さぁ……いただきますの時間だ」

「はむはむはむ! はっふ! う~ん!! おいひぃ♪ むしゃむしゃむしゃ! ずるるー!」
 ナノハは、先程も確認したように、フェアリータイプのエリアルである。
 だが、お分かり頂けるであろうか。彼女は普通サイズのラーメンを、どんどんとその胃袋に流し込んでいくのだ。
 その様はまさにフードファイター。生きるブラックホール。
 彼女の可愛らしさがなければ、この世界にあるかも定かではない質量保存の法則が乱れてしまうこと必定である。
「ナノハちゃんすごい~! でも、こんなに食器が大きいと食べるの大変じゃない?」
 寧々美の疑問に、一人皆の食事風景を見ていた貴人が答える。
「確かに彼女達フェアリータイプから見れば、俺達を想定して作られた物は大きすぎる。だが大抵、彼女達に合わせてリサイズされた品があるから大丈夫だ」
「へぇ~。何だかミニカップ麺みたいな感じになりそうだね」
「カップ麺か。カップの技術がないからな、この世界には」
「この世界にはって、もしかして。貴人さんも私達と同じ世界から来たの?」
 だってSALF(サルフ)のスーツを着てるし、そう続けたカンナの言葉に、貴人は残念ながら、と返す。
「これはある日突然部屋に届いていたんだ。メメた……学園長から『フィッシャーたんからのもらい物だぞ! 大切にしておけよ☆』ってメモと一緒に」
 ついでにこれも、と言って、貴人はポケットから『純金の偉い像』を取り出しテーブルに置いた。
「フィッシャーさんの像なのです。あちらで流通している『純金の等身大フィッシャー像(パーフェクトフィッシャー)』よりも専有面積が少なくてオブジェに向いているのです~」
「構造を分析……私達の世界の金と同様の鉱物構成を検知。この世界の文化は未知数ですが、恐らく、飾るよりも売った方がお得ですね」
「フィッシャーさん、余所の世界にまでこんな物を……!」
 楽しそうに見つめる者。
 冷静に分析する者。
 本当はすごいはずの人の奇行に頭を抱える者。
 三者三様の反応と輝く純金像に、寧々美は爆笑していた。
「あはは! はー面白い! じゃあ気を取り直して質問続き! 結局、貴人さんも私達とは違う『異世界人』ってこと?」
「ああ、多分」
「多分?」
「異世界、という概念に対する認識力から見て、君達の世界だとそういうのが当たり前にあるんだろ?」
「うん。私達は地球って星に暮らす人間だから、『地球人』って名乗ってるよ。ただ私達の世界には、地球にない文化や知識を持っている人達が時々やってきて、そういう人達は『放浪者』って呼んでるんだ。まぁ、リリちゃん達みたいな人工生命体もヴァルキュリアって呼んだりして区別はしてるけど、ちゃんと同じ人として受け入れてるよ!」
「なら、俺もだいたい同じ認識だ。俺はこことは全然違う知識や文化を知っているつもりだ。まぁ、それを証明する術はないが」
「そっかー。ちなみに貴人君は自分の世界に戻る方法を知ってるの?」
「いや。そもそもこの世界には異世界という概念が根付いていないというか、まるで絵本の中の世界、といった空想の産物だと認識されることが多いらしい。少なくとも君達が来るまでは」
 仮面の中の表情は読み取れないが、その声からは悲観的な様子は感じられない。
 しかし、あくまでそれは貴人の話だ。
 ここで分かったことはただ1つ。それは寧々美達の世界と同じ。
 『異世界からやってきた者は、元いた世界に帰ることができない』。
 その事実に、カンナの表情が一瞬曇る。
「ご心配には及びませんわ!」
 だが、そんな勇者の様子を見逃さない村人がいた。
「わたくし達学生だって、まだまだ知らないことがたくさんありますけれど、だからこそ学園で学ぶことで世界を知ることができますわ! その点は、異世界の方でも変わりませんもの。皆で探せば、きっといつか皆様の世界に帰る方法も見つかりますわ!」
 ぎゅっと口を結び、まん丸な瞳がカンナ達を見つめる。
 そこにあるのは、自身の助けるべき存在が困っている。だから励まし、手を差し伸べる。
 ただそれだけの、ありのままの心だ。
 それは彼女にとって一番大切な何かを奮い立たせてくれる。
「ふふっ。ありがとうアリアちゃん。じゃあ、まずはこの学園の事から勉強していかないとね!」
 カンナの言葉に、再びアリアの笑顔が咲いた。
「ぷはぁ~! ごちそうさまでした!」
 丁度その時、ナノハが3杯目のどんぶりを空にし、ご満悦の表情を浮かべていた。
 続くように他の面々も食べ終えたところで、貴人の挨拶で食事を終える。
「それでは、学校案内を再開致しますわ!」
 アリアへ続き席を立つ一行。だがここで、ナノハの頭にある疑問が過ぎる。
「あれ、そういえばお勘定って……」
 振り返れば、少し離れたカウンターで、仁王立ちのおばちゃんと向かい合う貴人の姿があった。
「坊や。今日は『M』から何も言われてないからねぇ。ラーメン9人前。耳揃えて払ってもらうよ」
「残念ながら今G(ゴールド)の持ち合わせはない」
「ほう。もしや……食い逃げかい? そいつぁ問屋が卸さないさねぇ……」
 食堂のおばちゃんの声色が変わった。
 エプロンのポケットに手を入れたかと思えば、そこから包丁か何かが擦れるような金属音が漏れ出してくる。
「待ってくれおばちゃん」
 だが貴人もまた、おもむろにスーツの内ポケットを漁り始めた。
「ま、まさか?!」
「こいつで頼む」
 それは学園長【メメ・メメル】が脅威の魔法力で創り上げた、試用中の特殊なシステム『メメペイ』のカード。
 自分の分は我慢したし、先程までのバイト代も考慮すれば、計算上いけるはずだ。
 ゆっくりと、しかし着実にカードはカウンターに刻まれた魔法陣の上に近づき、そして……。

『メメペイ☆』

こうして食堂内に、決済完了を告げる妙に気の抜ける音が無事響き渡ったのであった。

●異世界交流2:言葉は刃に乗せる話
「こちらは第八校庭ですわ! 今日は戦闘訓練の授業が行われておりますの!」
 次にアリアに案内された場所では、生徒達が模擬戦を行っていた。
「喰らえ、『勇者斬り』ぃぃ!」
「甘い」
 目の前の戦いでは、一瞬で高く飛び上がった少年の剣が、相手の青年を確かに捉えていた。
 だがまるで彼の体だけをすり抜けるかのように、剣は青年を傷つけることなく地に達してしまう。
「なっ!?」
「リバイバルに物理攻撃をするなら、使い所を見極めろ」
 そして青年は剣を握りしめると、少しだけ透けた全く同じ剣を手の中に生成してみせる。
「それから。不用意に武器を近づけるな。こうして再現されてしまえば、折角の力が脅威になるぞ」
 それだけ言うと、青年は半透明な剣の峰で少年を弾き飛ばし、模擬戦が終了となった。
「ん。今、私のことを何か言いましたか?」
「ん? ああ、そういえばリリの苗字はリヴァイヴァルだったね。この世界には『リバイバル』っていう不思議な種族がいるんだ。少し違うんだけど分かりやすく言うと、オバケみたいなものかな?」
 ナノハが指で示しながら解説する。
「僕達も含め、この世の全てのものには精霊から授けられた魔力が宿っているんだって。中でもリバイバルは体がほぼ魔力でできているから、魔力を調節して、壁をすりぬけたり、『再現』って言って、触った物の魔力を読み取ってそれを自分の魔力で創り出しちゃうこともできるんだ。勿論、物の能力まで含めた完璧な再現は簡単な事じゃないけどね」
「なるほど。先程のは自身の体と剣の魔力を同調させることで体内透過させ、再現で剣を生成し、再現した剣の魔力と相手の肉体の魔力を反発させ、衝撃を加えたということなのですね」
「リリ頭良いね!」
「当然です。私はオペレーションと分析担当。説明を聞き、冷静に、そして合理的に判断しただけにすぎません」
「でもやっぱりかっこいいよ♪ 僕はわりと動いてから考えるタイプだから、そういうのもちょっと憧れるなぁ」
「……あ、ありがとうございます。戦闘スタイルはそれぞれかと思いますが、ロジカルに戦う事を推奨しますよ」
 少し恥ずかしそうにしながらメガネをくいと直すリリ。
「よーし。全員模擬戦やったかー? 終わったやつは移動しろよー」
 暫くして校庭に担当教師の声が響く。
 学園生達が指示に従い移動した結果、模擬戦用に校庭へ引かれた白線内には、腕組みをしただ立ち尽くす【ヒューズ・トゥエルプ】だけが残っていた。
「おいヒューズ! お前まさかまた寝てるのか!?」
「……はっ。ああいや、寝てませんよ」
「ほー。だったらお前のパートナーは誰だ?」
「あ~……っと、ああ! 彼女っす」
「えっ? 私!?」
 なんとヒューズは、真っ直ぐにカンナの事を指さした。
 そして『いや~待ってたっすよ~』などと言いながら急ぎカンナの元へ駆け寄ると、そっと耳打ちをする。
(突然で悪いだが、ちっと協力してもらえないっすかね。軽く戦ってもらえればOKなんで。ねっ? そこをなんとか! 人助けだと思って~)
 矢継ぎ早に話しかけながら、拒否する暇を与えないヒューズ。
 こうなるとどうにも断りづらいのがヒーロー志望の辛いところだ。
(は、はぁ。分かりました)
(ひゅー! ありがとうございます!)
 そして、2人は戦いの準備を整える。
「カンナちゃーん! 頑張ってー!」
「ヒューズ様、ファイトですわー!」
 寧々美とアリア、それぞれの元気印から声援を受け、各々は挨拶もそこそこに武器を取り出した。
 カンナは赤い刀身が美しい太刀を左手に持つと、右手を峰に添える。
 表情も、和らいでいた物から真剣な物へと変化した。
「いつでもどうぞ」
「レディーファーストのつもりだったんだが。……なら遠慮なく!」
 先に飛び出したのはヒューズ。
 先程まで眠っていたのを感じさせない軽やかな動きで接近すると、双剣を刺すように前へ押し出した!
「はっ!」
 だがその直線的な攻撃は、カンナに後方へいなされる。
(弾かれた。でもありゃあ『壁』じゃあない。剣の技量か。なら、もう少し本気を出してもらわないとな)
「う~ん流石。どんどんいきますよ!」
 リーチの短い獲物を使うヒューズにとって、懐に飛び込むのは定石。
 再び接近をすると、フェイントを交えつつ四方八方から斬りかかる。
 だがカンナもまた歴戦を戦い抜いた猛者だ。
 刀身で受け流すようにして最低限の動きだけで防いでいく。
「防戦一方っすか? まさかですけど遠慮は無用! こう見えても刃物には斬られ慣れてるんでね!」
 真偽は別として、これが挑発であることは百も承知だ。
 だが今後訪れるであろうナイトメアとの戦いを考えれば、カンナも元の世界と同様に戦えるかどうか確かめておきたい部分があった。
「なら、反撃しますよ。避けて下さいね!」
 彼女は連撃の隙をついてバックステップで距離を取ると、居合いのような構えをとる。
「エクストラバッシュ!」
 太刀に魔力のような光が収束したかと思った次の瞬間、言葉と共に抜き放たれた刃は、飛翔する斬撃となって襲いかかった。
「ちっ!」
 ヒューズは飛び退けるようにしてなんとかこれを躱し、正面に手をかざす。
「ならこっちは……!」
 今度はヒューズが手のひらに生成した魔法陣から水色の魔力弾、『マド』を放つ。
 遠距離攻撃が使えるのは、カンナにとっても予想外だったのだろう。
 一瞬驚く様子を見せたが、同様に彼女も片手を突き出す。
「イマジナリーシールド!」
 これこそがカンナ達ライセンサーが自分自身を守る最後の砦、『想像の障壁』だ。
 展開された不思議な防御壁の前に、マドはあえなく霧散する。
(あれか!)
 そしてこれこそ、風の噂に聞いたナイトメアなる生物が持つ障壁に類するもの。
 1人障壁について探っていたヒューズにとって、この機を逃すわけにはいかなかった。
 彼は二段ジャンプで一気に高く飛び上がると、カンナの頭上をとる!
「『刻閃斬』!」
「つっ!」
 カンナは刀で受け止める体制を取りつつ防御壁も展開した。
 刃の煌めくような一瞬の、判断の攻防。
 結果……振り下ろされた双剣は、壁を前にその歩みを止める。
(くっ、ダメなのか。魔法が使えなきゃ!)
 今の彼はまだ、多彩な魔法を使いこなせるとはいえない。
 扱えるといえばせいぜい初級の魔法。
 これではナイトメアの障壁を打ち破ることは叶わないだろう。
(こいつさえ……破れたならば!)
 ヒューズが『もしも』をイメージしたその時。
 ほんの少し。
 防御壁の中に剣先が沈む。
「……え?」
「今っ!」
 一瞬だけ、壁の先が見えた。だがそれが油断となった。
 カンナの防御壁に一気に押し返され背中から地面にたたきつけられてしまう。
「『幻想之刃(オーバー・ブレイド)』!」
 そして彼が身体を起こした時には、宿した光によって肥大化したカンナの太刀が、既にその姿を捉えていた。
 斬撃一閃。
 振るわれた刃は、咄嗟に構えた武器ごと彼を白線の外へ送り出すのであった。

●異世界交流3:不思議な道具に未来とビジネスを見るお話
「やっと見つけたわ! あなたが伝説の『シャチョー』なんですってね」
 ホームルームを終え学園長室へと戻る途中のフィッシャーは、自分を呼ぶ声に足を止める。
 声の主は紫色の髪を靡かせる美しいフェアリーの女性。
 その身には、一足早く手に入れ自分なりの改造を施した『SALFスーツ』を身に纏っていた。
「私の記憶では、君のような麗しい女性は、SALFに所属していなかったかと思うが」
「あら、ヒューマンであろう貴方がフェアリー種であるあたしを美しいだなんて。お世辞でも嬉しいわ」
「お世辞などではないさ。これでも他人には興味がある方でね。君の体躯がいかに小さくとも、その内面は我々と同じ」
 彼女の目を真っ直ぐに見据えながら、フィッシャーは続ける。
「その制服。私が銅像の着せ替え用に持ち歩いていてメメル殿へプレゼントした物か、新たにこの世界に迷い込んだものかは分からない。だが、君のその身体の大きさにも羽根にも……配慮は施されていなかったはずだ」
「ええ。これは学園長から頂いた物をあたしが自分用に仕立て直したわ。一度全部糸をばらして、普段あたしが仕事で使う糸も交えながら縫ったの」
「ならば私の見る目に曇りはない。クリエイターの熱意はその作品にこそ現れる。おびただしい糸の中から厳選し、かつ自身の魂たる素材も加え仕上げたそのエフォートが麗しい」
 そういってフィッシャーは手を差し伸べる。
「問いに答えるのが遅れたようだ。私がフィッシャーコア社代表、レイ・フィッシャー。いわゆる社長という者だ。名前を聞いても?」
 一目見ただけで人を見抜く分析力と、尊大ながらも気品漂う態度。
 清潔感溢れる白い歯の煌めき。
 胸ポケットから僅かに覗かせる純金像の光。
(……さすがシャチョー。まるでどこかの大きな町かギルドの長かと思わせる立ち振る舞いね)
 差し出された手の内、数本の指を握って彼女は答える。
「【シルク・ブラスリップ】。そうね。……いつか世界を救う武具職人になってみせる女、とでも言っておこうかしら?」

 こうして鮮烈な自己紹介を終えた2人。
 シルクから技術交流をしたいという申し出を受けたフィッシャーは、彼女を連れ、学園のある地下施設へ向かっていた。
「一体どこに向かっているのかしら? 確か聞いた話だと、この先はただの物置だったと思うけど」
「そうだったのか。それは初耳だな」
「どういうこと?」
「私がメメル殿にこの場所を教えてもらった時、既にここは……」
 目的の場所についたのであろう。フィッシャーは、他の学園の部屋と同じ何の変哲もない扉を開ける。
「こうなっていたということだ」
「ちょ……何よこれ!?」
 扉の向こう。それは全くの別世界。
「我々の世界でいう研究所、そして格納庫だ。今はまとめて『研究室』と呼んでいるが。理屈や理由は全く不明。だが、私の世界にあるものが、ほぼそのまま転移したらしい」
 目の前に広がる未知の道具達。その宝の山に、シルクは目を輝かせていた。
「すごい、見たこともない道具が沢山……! 近くで見ていいかしら!?」
「勿論だ」
 その言葉が引き金となった。シルクは弾けるようにして研究室の中へ飛び込んでいく。
 一方のフィッシャーは、先程通ったばかりの曲り角を振り返った。
「……さて。そこにいる君も一緒にどうかな?」
 暫しの沈黙。
 だが、やがて観念したのか角の影から、ぬっと1人の男が姿を現した。
「アイヤー、ちょっと水を差さないようタイミングを伺ってただけネ」
 彼は【アルバリ・サダルメリク】と名乗ると、打って変わってフィッシャーへと近づいていく。
「なんでもアナタ、あのパッカーンした空から来たトカ。しかも、少し前から市場に出回っている趣味の良い銅像の方と聞いているネ!」
「ん? 私の像が市場に?」
「けふんこほん。デザインが市場でも高く評価されている、って意味ネ」
 まさか像を手に入れた一部の者達の間で、金を目的に比較的高額で売買されていると言う訳にはいかない。
 そこは商人アルバリ。
 気まずい空気は速やかに払いのけていく。
「実はワタシ、ちょーっとだけ商売やってるネ。ここだけの話、アナタを凄腕と見込んで一緒に商売しないか誘おうと思って、声を掛けたヨ」
 フィッシャーもまた『欲しいものは全て手に入れる』を地でいく男だ。
 商売という言葉には沸き立つものがなくもない。
「面白い。ならばまずはこちらがベットできるものを紹介しよう。この賭けに乗るかどうか、決めるといい」
「ウーン♪ 勿論おっけーヨ」
 こうして、アルバリを連れ立ったフィッシャーは、研究室の中へと進んでいく。
「実は、私以外にこの世界へ転移してきた4人には、破壊されたユニットの研究と修理のためにSALFの研究施設へ各種資材を集めていてもらったところでね」
「ユニット? 聞き慣れない言葉ダケド……あれの事カナ?」
 アルバリが指さす先には、片腕が外れた巨大な人型が直立していた。
「ああ。それは『アサルトコア』だ。あれに人が搭乗して操作する」
「人が乗るですって!? 搭乗型のゴーレムなんて滅多に見つからないのに……」
 そこへ他の所を見ていたシルクが合流した。
 確かにこの世界において人が中に乗って何かをする、という物はほとんどない。
 せいぜい馬車やグリフォン便に引かれる箱の部分が精一杯だろう。
「どうやって動かすの?」
「我々の世界には『イマジナリードライブ』という技術がある。これはいわば、想像力を力に変える事ができる技術で、通して出力する機械がある」
「ヘー。ナラ、そのキカイとやらがあればワタシ達も動かせるのカナ?」
「残念ながらここにある物はそのほとんどが戦闘で傷つき破損した物だ。パーツも含め現状今すぐは使用できない。勿論修理してみなければ分からないが、修復設備はあっても動力がないからな」
「想像力……なら、私達が用いる魔法で近い事ができるかも知れないわ! 魔法は呪文と魔力を持って術者の望みを顕現させている、という考え方もあるから」
「ふむ。だがこの世界の魔法は私達には扱えないだろう?」
「なら魔法石がいいネ。魔法石は魔法と魔力を封じ込めた鉱石。持つ人の使おうとする意志で魔力を解放するカラ、もし魔法や魔力が動力になるとスレバ、このゴーレムに埋め込めば代用出来そうヨ?」
「そうか。それは用意できるのかな?」
「先日賭けで狩……勝ったお友達に頼むアテがあるネ! そこまで純度の高い物は用意出来ないと思うケド」
「私も、今は服飾専門だしどこまで役立つかは分からないけど、志望は武器方面よ。武具や防具の中には、魔法石を装備に埋め込むために錬成したり、加工して作る物もあるの。多少なら手法を聞きかじっているわ。きっと何か役に立てると思う」
「……ならば善は急げだ。宜しく頼む」
 アルバリとシルクの心強い言葉に、フィッシャーは深く頷いた。

●異世界交流4:空の穴に世界を感じる話
 学園の校舎外には、マゼンタを基調としたカラフルな髪色が特徴的な【チョウザ・コナミ】が、ぱっくり割れた空を見上げていた。
「……別の世界」
 誰にも聞こえぬ小さな声が空に溶けていく。
 その代わりなのか、『ゲート』と名付けられた割れ目からは時折鉄くずのような物がパラパラと落ちてくる。
 彼女はそれを拾い、軽く手先で弄ぶ。
 そして興味を失うとまた放り投げることを繰り返していた。
「こんな極小ミニマムな金属が摩訶不思議な装備武装になるんだっけ? この世界、1年くらいモブな村人として眺めてっけど、ナゾいことだらけなのはホント笑う。……本当に」
 ふと――頭に過去の言葉が過ぎった。
 それはかつて、彼女が【○○】であって、チョウザ・コナミになる前の、僅かな時間。

『見えてる世界がどんなもんかはともかく、世界ってのは家だけじゃねぇ』
 ある兎のルネサンスの老人に、あなたにとって世界とは何ですか? と、問いかけた時の事であった。
 その返答は、それまで自分の暮らす屋敷だけが『世界』であった彼女の中で大きく響き渡る。
『地域だけでも無けりゃ、国だけの範囲でもまだ無い』
 老人は狩ったゴブリンの死体を漁ると、それがこしらえたであろう歪な木くずを向けてきた。
『ザコな嬢ちゃんよぉ。これに世界を感じるか?』
 不思議だなとは思う。
 これまで目にするような物ではなかったから。
 そうは答えたが、この時の彼女にはそれはゴミにしか思えなかった。
『当然ザコな嬢ちゃんはゴブリンじゃあねぇ。思想思考なんざさっぱり分からんだろ。だがよぉ? この物にはゴブリン共の魔界不可解な世界が詰まってんだろうよ』
 言われて見ると、何故ゴブリンがわざわざ木くずをこうして加工したのか。
 そんな誰もが気にしないような事実に興味がわいた。
 知る必要のない知らないこと。
 これまでそれは、学んではいけない事だった。
 しかし今こうして問いかけられれば、それは屋敷で学んだどんな事よりも難解だ。
 貴族なりの思想。政略。人の内に潜む何か。
 そんな答えありきの世界には存在しない、意味不明の謎だからかもしれない。
『どっかの誰かが極めた何かやら架空仮想やらに世界の視野を広げられる場合もあんだろ。或いは本当に絵物語みてぇな別の世界ってもんがありやがる可能性だって否定できやしねぇ』
 それだけいうと、彼は木くずを軽率に投げ捨てた。
『ま、その世界を受け入れるかどうかはザコな嬢ちゃんの自由だが』

「……あったよ、ほんとに」

 彼女が見つめる先は虚空。
 この先、ここから悪夢のような不幸が生まれいづるかもしれない。
 だが今の彼女には、この虚空の中に光の瞬きが見えているのかもしれない。
 あの日。噂話に興味を惹かれ、窓の外の暗闇に飛び出した時のように。

「ん?」
 そしてまた、虚空から零れ落ちる白き頭部が1つ。
「なにこれ、兜? てか、なんかちょうどザコちゃん達の頭部にピッタシバッチシ的な? とりま全身隠密な教官様のとこにでも持ってこ」

 そして彼女は、ほんの気まぐれにその栄光を掴み上げた。 

●異世界交流5:最後は皆で夕食を
「本日最後は夕食会になりますわ!」
 こうして一日かけて行われた濃密な学園ツアーは、敷地内に存在する学園都市『レゼント』のとある飲食店で終演を迎えようとしていた。
「いらっしゃいませ……。ようこそ。……お待ちして、おりました……」
 入店即挨拶。
 店の人は接客業の鑑のような対応ではあったが、何せまるで地の底から聞こえるような擦れ声だ。
「ひゃああ!? ゾンビ!?」
「はわわ~。不思議なお肌の色と学園制服、そして真っ白なエプロンと三角巾がそれぞれとっても個性を主張しながら合わさっているのです~」
「それをミスマッチというのですよ、ハナビ」
「寧々美様、ハナビ様、リリ様。こちらのお方はわたくし達と同じ学園生の【アルシェ・スレット】様ですわ!」
「これはこれは……。アリア様、ご紹介有難う御座います」
「せめて外見を整えようと、制服に袖を通したのですが、お気に召さなかったなら申し訳ございません……」
 アルシェは、ヒューマンの中でも、まるで生気が抜け落ちてしまったかのような姿が印象的な学園生だ。どうやらそれは彼女達の世界で動く死体などとして認識されている『ゾンビ』に近しいようだが、清潔感のある三角巾類が、恐怖よりもシュールを加速させていた。
「ははア。ぞんび、ですか。そのような特徴を持たれるのであれば、アルシェがそう呼ばれるのも、納得で御座います。ええ。ええ」
 そういってアルシェは恭しく一礼する。
 その動きに合わせて腰のあたりからバキッ! という異音が聞こえた気もするが、きっと気のせいだろう。
「改めまして皆様、ようこそ魔法学園へ。来たばかりで色々不便も御座いましょうが……どうかここでの生活も楽しんで頂きとう思い、ささやかながら一席を設けさせていただいた次第に御座います」
 アルシェに案内された席には、肉、魚、野菜、米、麺類。
 ありとあらゆる食材を用いて作られた料理が、テーブルに所狭しと並べられていた。
「兎にも角にも、これだけあれば、何かしら皆様のお口に叶う物があるかと存じます。ええ。ええ。もちろん、ご希望があればここにない物もできる限り用意させて頂きます」
「もしかしてこれ、全部貴方が?」
 驚くカンナの方へアルシェが振り向くと、彼の首がゴキリとえげつない音を立てた。
「えぇ。そうですね……。ある方に頼まれまして、ほとんどはアリア様の案内の間にアルシェが用意した物で御座います。ですが、手助けを頂戴致しました」
 アルシェが厨房の方へ呼びかけると、ヒューズが少しばつが悪そうな様子で顔を出した。
「ヒューズさん! お体はもう?」
 カンナの問いに、頬を書きながら答える。
「ええ。あの後保健室で少し眠って回復したんで、街をぶらついてたらアルシェさんから話を聞いたんすよ。ま、さっきは迷惑をかけちまったんで、そのお詫びに」
「ヒューズ様は、とても不器用なお方で御座います。アルシェが言えたものではありませんが……ええ。ええ」
 アルシェは、ヒューズから、彼がナイトメアなる生物へ対抗策や、異世界から訪れた人々をどう守ろうか考え、行き詰まっていたこと。しかしカンナとの模擬戦を通して何かを感じられたことを聞いていた。
「手間かけさせちまったけど、おかげさまで少しは感じられるもんがあったんで助かりました」
 礼を述べる彼の表情が少し明るく思えたのは、つきものが落ちたからか睡眠が取れたからか。
「はわー。見て下さい寧々美さん。このお盆で蓋されていた中のゼリー、まるで生きてるみたいに動くのが面白いのですー」
「ホントだ。すっごいコラーゲン入ってたりするのかな?」
「ハナビ、寧々美さん。明らかにこの動体は生命反応を持っていますよ」
「リリ様、これは立派なお料理、スライムの活け作りですわ! 食べるとお腹の中でぷるぷるした感触が残ると言われていますの!」
「って魔物料理も出しちゃうのー?!」
 テーブルの向こう側では、また明るい声が響く。 
「ははア。どうやら余興に用意した出し物が見つかってしまったようで御座いますね……。ではヒューズ様。是非カンナ様と楽しい一時をお過ごし下さいませ」
「え? あっちょ」
 騒ぎを治めに向かおうとするアルシェだったが丁度その時、店のドアがまた開いた。
「遅くなった、スレットくん。道中で丁度ザコちゃんにあって連れてきたんだが、問題なかっただろうか?」
「やっほー。呼ばれも飛びでもしないけど、暇に耐えかねてついてきたモブ一匹……的な? 飽きたら適当に消えるかもだけどそれでも了承承諾な感じなら、お邪魔するね」
「貴人様、ザコちゃん様、いらっしゃいませ。料理は豊富に用意しております故、歓迎に御座います」
 こうして貴人達も合流し、何とかスライムゼリーを捕獲した一行は、談笑に花を咲かせつつ宴の主の到着を待った。
 カランコロン。
 来客を告げる鐘の音がなる。
「遅くなってすまない。だがその分、土産話に事欠かぬだけの結果は出せたつもりだ」
「フィッシャーさん! それって……」
 寧々美の言葉に、一行の視線は彼が持つ不思議な形状のアイテムに集中していた。
「これは今日の会計用に持ってきた黄金ぞ……」
「アー。多分胸のそれじゃなくて武器の事ネ」
 アルバリに促されて、彼は抱いていた筒状の武器を持ち上げる。
「これのことか。これは『試作型高圧魔力収束砲』。アルバリ君とシルク君の協力も得て素体を作成した」
「ちゃんとあたし達フェアリーも使えるように別サイズも制作したわ。まだまだ改良の余地は残るけどね」
「へぇー! 何かかっこいい!」
 シルクの持つフェアリーサイズの試作品にナノハはまるでご馳走を前にした時のような目の輝きで見つめる。
「ではここからが本日の課外授業だ。グルメはコミュニケーションを弾ませる適切なチョイスの1つ。これを活かしながら今日を通して知った事を全体で共有し合う事が課題だ。そして私の頼みにこの場を用意してくれたアルシェ君に感謝を」
「いえいえ……。少しでもお役に立てたのであれば、僥倖に御座います。ですが明日はクイドクアムなる商店を中心に、この世界での生活をご紹介致します故、話の盛り上がりに夜更かしなさる際にはご注意を」

 こうして一行は、会話を肴に食事の一時を楽しむ。

 出会った縁。混じり合う文化。
 それはこの世界に一体何を産み落とすのであろうか。



課題評価
課題経験:22
課題報酬:720
【ゆうドラ】おいでませ魔法学園!
執筆:pnkjynp GM


《【ゆうドラ】おいでませ魔法学園!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 アルバリ・サダルメリク (No 1) 2020-02-20 11:52:41
アイヤー、なんか楽しそうな事になっているネ。

異世界という事は未知の技術。
金の匂いがするネ。
フィッシャーなる人物に金の話をしに行くヨ!
宜しくネー。

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 2) 2020-02-20 18:01:20
賢者・導師コース、アルシェ・スレットで御座います。

情報交換の基礎は互いの信頼とアルシェは思うております。
当地にまかり越してからまだ日も浅い身では御座いますが、まずはおもてなしから入ってゆこうかと。

具体的には文化の違いに気をつけつつ料理などふるまえればと。ええ、ええ。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 3) 2020-02-20 21:18:58
村人・従者コースのシルクよ。よろしくー。
異世界の鎧職人が来てるって聞いたけど、あのスーツかしら?
先達のご意見、是非聞いてみたいわね!

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 4) 2020-02-20 23:02:55
黒幕・暗躍コース専攻のヒューズ・トゥエルプ、よろしく頼みますよっと。
報告書に上がってたナイトメアでしたっけ?
出来ればその脅威と最前線でバチバチ繰り広げてる人の話を聞いてみたいです。


《イマジネイター》 ナノハ・T・アルエクス (No 5) 2020-02-21 01:43:52
賢者・導師専攻、ナノハ・T・アルエクスだよ♪
よろしくね♪

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 6) 2020-02-21 22:17:28
魔王・覇王コースの仁和だ。
よろしく。

(なんて言うかこっちの世界でカップ麺見るとは思わなかったよ・・・
あ、袋麺なら作れるな)

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 7) 2020-02-21 22:47:49
村人・従者コース、アリア・カヴァティーナですわ!
相手がどこの世界の方であろうとも、わたくしのなすべきことはたったの1つ……いらした皆さまをご案内するだけですわ!
皆さま、よろしくお願いいたしますわ!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 8) 2020-02-22 17:17:48
…広いね、世界。ほんと。

とりまザコちゃんは違う世界ってなら文化とか何とかどんだけ違うのー、ってのとか、
何処までこっちきてんのー?とか見てるだけ。

面白い生き物とか来てない?ないか。
あのぬいぐるみ?んー、別に物語にはよくいたから。ザコちゃんの読めたやつでも。
だいたい女の子の手助けするやつか、現地解説してたよね、あれ。

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 9) 2020-02-22 19:39:49
――ふと思いついたわけで御座いますが、アリア様。案内はどの程度の範囲をなさる想定でいらっしゃいますか。

と、申しますのも。
アルシェも異界の御一行様に料理をふるまうにあたって食材の確認もかねてクイドクアム(商業施設)あたりを案内ようかと思った次第で御座います。
アリア様がそのあたりの周辺施設をご案内なさるのであれば、アルシェもご一緒できればと。ええ、ええ。

《ゆうがく2年生》 アリア・カヴァティーナ (No 10) 2020-02-22 22:31:36
わたくしは、校内をご案内して、いろんな授業をお見せしようと思っていますわ!
基礎的な授業をお見せすれば、異世界からの方々がこの世界のことを知るのに、役に立つのではないかと思っていますわ!

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 11) 2020-02-22 22:41:09
心得まして御座います。(頷)
であれば案内する場所が重複することはそこまで御座いませんでしょう。
有難う御座います。