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わたしはパフェが食べたいの!!


ストーリー Story

●こう叫びながら振ると盛り上がるんです(個人差があります)
 勇者暦2020年。
 魔法学園『フトゥールム・スクエア』では学生発案のある遊びが流行していた。
 目の前にあるのはサイコロと、36のマスに食材の名前のかかれた表。
 ふたつのサイコロを3回まで振って、出目によって盛り付ける食材を決めるゲーム。
 人呼んで、『パフェの中身はなんじゃろな』!
 どんな食材になるのか、その決定権はサイコロのみぞ知る。
 そんなギャンブル的な要素と、シンプルだが予想もつかない結果になるドキドキ感が学生たちの間でウケ、瞬く間に広場は大にぎわいとなった。
 そんな参加者の一人、――仮に学生Aとしよう――はふと思った。
「このパフェ、おいしそうだなぁ……」
 そう考え出したらもう止まらない。このはやる気持ちはまるで恋する乙女のよう。
 そう、この学生Aはとても食いしん坊であった。

●料理、それは魂の調べ(パーフェクト・クッキング)
 というわけで、学園の調理室には広場の表に沿った食材が並んでいる。
 あちらでは作ったパフェは提出してしまうので、自分達の口には入らない。
 しかしここは調理室。作る為の材料は自ら揃え、作ったものは残さず食べなくてはならない暗黙のルールがある。
 つまりここでなら、作ったパフェを自分で食べれるというわけだ
 広場のイベントで作ったものの再現をしてもよし、ここで新たにサイコロを振り、作り直してもいい。
 もちろん、自分の好きな食材ばかりを使ったパフェを作っても構わない。
 ルールはただひとつ、『作ったものは残さず食べきる』こと。
 さぁ、あなたはどんなパフェを作るだろうか?


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 4日 出発日 2020-02-28

難易度 とても簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2020-03-09

登場人物 2/8 Characters
《新入生》クルト・ウィスタニア
 ヒューマン Lv9 / 勇者・英雄 Rank 1
「まったく……彼女はどこに行ったんだ!」 「俺は魔法はさっぱりだけど……入ったからには、頑張ってみるさ」 「もう、だれも傷つけたくない。傷つけさせない。そのための力が欲しい」 [略歴]  以前はとある国で、騎士として活躍していた。  しかし、とある出来事をきっかけに国を離れ、パートナーと共に各地を旅していた。  その道中、事件に巻き込まれパートナーとはぐれてしまう。  人の集まる魔法学園でなら、パートナーの行方の手がかりがつかめるかもしれないと考え、入学を決めた。 [性格]  元騎士らしく、任務に忠実で真面目。常識人っぷりが仇となり、若干苦労人気質。 [容姿] ・髪色…黒。 ・瞳……淡い紫。 ・体格…細マッチョ。ちゃんと鍛えてる。 ・服装…学園の制服を着ている。が、若干イタイんじゃないかと心配もしている(年齢的に)。 [口調補足] ・一人称…俺。改まった場では「私」も使う。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」「様」をつける。 ・語尾…~だ。~だろう。目上の人には敬語。 [戦闘] ・剣を扱う。 ・「もっと守る力が欲しい」。  そう思い、最近は魔法と剣を融合させた剣技を習得したいと考えている。
《新入生》スピカ・コーネル
 ルネサンス Lv7 / 芸能・芸術 Rank 1
「この学園……ううん。世界中に、私の歌を届けたい!」 「私の歌で誰かが幸せになったら、嬉しいなって思うんだ!」 「先生。私、ちゃんと追いつけてるかな……?」 【略歴】  とある海辺の街で、宿屋の一人娘として暮らしていた。  芸術の文化を持たないルネサンスだったが、幼い頃にとある音楽家が聞かせてくれた歌と音楽に心を奪われる。  それ以来、その音楽家を「先生」と慕い、自分も音楽の道を進みたいと考えていた。  「先生」と同じ道を歩むため、学園に入学することを決意した。  リスのルネサンスで、ふわふわの尻尾がチャームポイント。  ただし、触られると怒る。恥ずかしいらしい。 【性格】  天真爛漫で、元気いっぱい。時折、暴走しすぎて周りが見えなくなることもある。 【容姿】 ・髪色…茶色。ロングヘアをポニーテールにしている。 ・瞳……エメラルドのような緑色。 ・体格…普通。スタイルが特別良いわけではない。 ・服装…学園の女子制服をスカートではなくショートパンツに改造して着用。動き回ることが多い故の配慮らしい。 【口調補足】 ・一人称…私。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」や敬称をつける。 ・語尾…~だよ。~だね。目上の人には敬語。 【芸術について】 ・歌を得意としている。楽器は猛勉強中。 ・明るく、ポップな曲が好き。 ・身体能力を活かして、ダンスにも挑戦したいとか考えている。

解説 Explan

【最初に】
 このエピソードは現在開催中のイベント『パフェTRPG』を題材にしたものになります。
 このエピソードで出てくるゲームは上記ゲームのことを指します。

【目的】
 楽しくパフェを作って、おいしく食べる!

【ルール】
 今回は行動選択制エピソードとなります。
 皆さんには下記の選択肢の中から、どのようにパフェを作るか選んでいただきます。

(A)TRPG再現プラン
 皆さんが実際に、キャンペーンで作ったパフェを作ります。
 プランにはキャンペーンで皆さんがトッピングした食材を記入してください。
(B)新境地開拓プラン
 TRPGの表に沿って、新たにサイコロを振った食材を決定します。
 ご自分で振った内容をプランに記入してください。
 ※GMがサイコロを振って食材を決める『完全おまかせコース』もあります。
(C)これじゃなきゃダメ! プラン
 サイコロを振らず、表の中から食材を指定してパフェを作ります。
 ご自分が選んだ食材を、プランに記入してください。

【注意】
 ※選んだ選択肢は、必ず『プランの文頭に記入』をお願いします。
 ※パフェにトッピングできる食材とパフェの土台は、2月末まで行われているダイスキャンペーンと同じです。
 ※当エピソードに参加することで、キャンペーン結果に影響を与えることはありません。


作者コメント Comment
 地元の甘味処で提供しているフルーツポンチが大好きです。(パフェじゃない)
 皆さんこんにちは。ゲームマスターの樹 志岐で御座います。
 このエピソードでは、皆さんがパフェを作って食べ終えるまでをかかせていただきます。
 皆さんの力作をお待ちしています!


個人成績表 Report
クルト・ウィスタニア 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
選択肢:B

広場に立ち寄ったら声をかけられて参加してみた。変わった遊びだな。

物は試しだ、とサイコロを振ってみる。
「あんこ」「最中」「パイ」
中々いい組み合わせじゃないか?
……若干茶色が過ぎるような気もするけど。

パフェの土台をもらって、盛り付けてみる。
あんこはアイスのようにボール型にして、最中をウエハースのように刺してみる。
パイ……も刺すか。

うん……うまいな、普通に。
少し俺には甘すぎる気もするな。

周囲の生徒は阿鼻叫喚、といった風情だが……なに? 俺も食べて見ろ、と……。
そ、そうか。じゃあ、せっかくだからいただこう……。

……!?
い、いや。大丈夫だ。残さず食べるのがルールだろう。
頑張って食べてみるよ……。

スピカ・コーネル 個人成績:

獲得経験:14 = 12全体 + 2個別
獲得報酬:252 = 210全体 + 42個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
選んだ行動B

まだ学園に来てから日が浅いんだけど、すごいことをやってるね…
わ、私も参加するの!?
仕方ないなあ…

うーん、トッピングはお任せしようかな。
ちょっと怖いけど 

な、何が来ても頑張って食べるよ!
頑張るもん…

リザルト Result

●れっつ・コロコロ!
 ある春の昼下がり。学生たちが集まるこの教室は普段よりも賑わいをみせていた。
 ここは調理室だ。しかし普段の調理室にはあるはずのないものがそこにはあった。
 それを指先でつついてみたり、つまんで積み重ねてみたり、そうして高く築かれた塔をイタズラに倒してみたりしている【スピカ・コーネル】の尻尾がゆらり、左右に揺らめく。
 壁に張り出された表と、目の前に置かれたいくつかのサイコロをじぃっと見つめてふぅとため息をついた。
 その様子を見て、不思議そうに【クルト・ウィスタニア】が首を傾げた。
「どうした?」
「あぁ……えっと……」
 困った表情をしてもごもごと口ごもるスピカとその手の中にあるものを見て『あぁ』と納得したような声を上げた。
「何が出るか怖い?」
 図星。
 今までこういった課題を受けるのは初めてで、自分の運で食材を決めるシステムは何が出るのか分からなくて。
 広場での阿鼻叫喚、もとい独創的なパフェの数々。
 伝え聞いたり実際にみたりしたそれらは中々に『ゆうき』がいると思ってしまった。
 彼女の不安な気持ちを聞いたクルトは少しだけ考え込んだようなそぶりを見せた後に、じゃあ、と手を差し出した。
「俺が先に振ってみるよ。そうしたら怖くないだろう?」
 確かに、同じ目的を持ってこの場にやってきた誰かと一緒なら、すこしは安心できるだろう。
 6面ダイスを2つ差し出すと彼は少しだけ笑って、それを卓上に転がした。
 コロ……。
「2と5」
 コロコロ……。
「5と6」
 コロコロコロ……。
「2と4……ふむ、あんこ・最中・パイか」
 まぁまぁパフェに合う組み合わせなのではなかろうか。悪くない。
 若干セピア色が強いのが気になるが、それはそれ。
 きっとおいしいパフェができるだろう。
『ガタンッ』
 何かが落ちる音が響き、そちらの方を向く。
「大丈夫か?」
「う、うん……大丈夫……」
 膝から崩れ落ちた彼女に手を差し伸べながら声をかけると、大丈夫だと応えその手を取った。
 どうしよう。こんなにいい結果を出されてしまうとプレッシャーがのしかかってくる。
 吸って吐いて、気持ちを落ち着かせてもサイコロを握る手に力が入る。
(大丈夫、大丈夫……この人だっていい結果だったのだもの、私だって……)
 振らないことには何も始まらない。スピカは意を決してサイコロ机に放り……。
「あっ」
 ……思い切り机の端からこぼれ落ちた。

●れっつ・アレコレ!
 抹茶はちみつ最中。
 新作の和菓子でしょうか。いいえ、パフェの材料です。
 そんなわけでスピカのパフェの材料が決まった。
 程よく彩りもよく、食材同士が喧嘩しない組み合わせになったのではなかろうか。
(何よりも奇抜な組み合わせにならなくてよかった)
 胸を撫で下ろしてから前掛けの紐を少しきつめに縛って腕をまくった。
 さあ、はじめよう。
 パフェのタネ……土台はシリアル、生クリーム、チョコレートソースにチョコレートムース。
 一番下にシリアルを入れる。これはちょうど食べ飽きた頃に食感を変えるアクセントになる。
 その上にはあっさりめのチョコレートムースを厚めによそい、上から琥珀色のハチミツをかけると、ムースの表面がつやつや、キラキラとしていて甘い甘い宝石のようだ。
 同じようにシリアル、チョコレートムース、生クリームとパフェグラスに盛り付けていき、グラスの縁まで三重に四重に層を重ねたそれは見た目はやや地味だが、美しいグラデーションになった。
 一番上に生クリームを程々にグルグルと巻いて、上に抹茶を振りかければこれはもう、立派なパフェだろう。
「あとはこの最中だけど……」
 普通にトッピングするだけではなんだか味気ない気がする。上から下からあらゆる角度で覗き込んでみたり、ほんの少しかじってみたり。
 最中の皮が口の中に張り付いて、中からあんがちらりと見える。
「……そうだ!」
 もう一つ最中に手を伸ばし、中を割ると白いあんこがたっぷりと詰まっていた。
 その中身を全て掻き出し、抹茶と合わせれば抹茶あん出来上がる。
 そうしてできた抹茶あんを元の最中の皮に戻して、グラスに沿わせるように差せば完成だ。
 チョコレートと抹茶のほろ苦さのある組み合わせに、トロリと甘いはちみつ。ザクザクとしたシリアルの香ばしさがきっと口の中の甘ったるさを和らげてくれる筈だ。
 名付けるなら『チョコレートwith抹茶パフェ』とかどうだろうか。
 一緒に合わせる飲み物はコーヒーがいいだろうか。あとで食べるのが楽しみだ。

「さて、と」
 試行錯誤を繰り返すスピカの後ろ姿をちらりと見てからクルトは材料を見つめる。
 基本のパフェの材料に加えて、クルトにあてがわれたトッピングはあんこ、最中、パイだった。
「やっぱり茶色が強いな……」
 爽やかな酸味と甘さのあるイチゴやオレンジ、苦味のある珈琲ゼリーがあれば多少は違ったかもしれないが……、まぁ決まってしまったものは仕方ない。全ては女神の思し召し、だ。
 さて、料理男子クルトは一番下にチョコレートソースを沈めた上にムースを重ねてみた。
 さらにその上にシリアルをちりばめ、シリアルの畳の上にあんこを塗り広げてみる。
 あんこが隠れるようにシリアルを厚めに重ね、チョコレートムースに生クリームをこんもりと盛り付けて上からチョコレートソースをかけて完成だ。
 さて、残った最中とパイはどうしたものか。首を傾げて、唸る。
「とりあえず……差すか。」
 左右に2本、その間に最中を挟むようにして乗せて、その側にあんこをアイスのボールのようにすくって添えてみた。
 男性らしさの片鱗がやや滲む茶色いパフェを『チョコとあんこのブラウンパフェ』と名付けることにした。

●れっつ・モグモグ!
 よく晴れた3月の陽射しが柔らかに包み込む外のテラスに2人が作ったパフェが並ぶ。
 やや肌寒さを感じる空気が、心身をどこか引き締めてくれる。
 パフェに適した柄の長いスプーンでパフェをすくい上げると、あっさりと甘い生クリームとパリパリとしたシリアル、口馴染みのない不思議な甘さのあんこが口の中に広がる。
 さらにその下、ひんやりとしたチョコレートムースと生クリームで冷たくなった口内はてっぺんに差したパイでリセットできるだろう。
 正直甘いものは得意ではない。まぁ苦手でもないのだけれど。
 パフェなんてものを食べたのは数える程度しかないし、最後に食べたのは何年か前……『彼女』とまだ一緒だった頃のような気がする。
(彼女なら喜ぶだろうが、俺には甘すぎるな……)
 苦笑いにも似た表情を浮かべ、クルトは静かに食べ進めていった。

 あざやかな緑色が目に優しい、スピカの作ったパフェは抹茶のほろ苦さと、甘い甘いはちみつの香りが絶妙な組み合わせだった。
 甘い食べ物には口の中をさっぱりとさせてくれる飲み物が欲しい。
 先程調理室に集まっていた生徒の1人が持ってきていたコーヒーをカップに注いで一息つく。
(にがい……)
 一口飲んで、顔をしかめた。スピカには少しだけ大人の味だったようで、慌てて口の中を甘味で満たす。
 こうやって交互に食べ進めていけば、ペロリと平らげられそうだ。
(そういえば『先生』はコーヒー飲めたっけ)
 実家の宿屋の一室。日の当たる窓辺で音楽を学びながら飲んだのは甘くてミルクたっぷりのカフェオレだったけど。
 ある程度食べ終わったところで、そうだ、と思い立って席を立つ。
 初めて出会った顔も知らない彼へのお裾分け。
 背中を押してくれた彼に、一杯のお礼を差し入れよう。

●れっつ・号令!
 スピカの差し入れたコーヒーを息を吹きかけて冷ましながら一口啜れば、苦味の中にフルーティな香りが突き抜けていく。
 とてもおいしいコーヒーだ。口の中を支配していた甘味をすっきりさせてくれる。
 気づけばグラスの中身は空になっていて、カップにわずかに残ったコーヒーをあおればスプーンを置き、両手を合わせる。
 それと同時にスピカも手を合わせて声を上げる。
「ご馳走さまでした」
 昼下がりには十分すぎるおやつだ。8分目をやや超えているかもしれない。
 けれど『食べきること』のルールは守ることができた。あとはしっかりと片付けておしまい、おしま……。
「おぉい! ちょっとそこのお前ら!」
 校庭の方から、20代と思われる学生がこちらに声をかけてくる。
 ――なんか、どこか、そこはかとなく嫌な予感がする。
「学園長が作った『パフェ(笑)』を今片付けてんだ! 手伝ってくれ!」
 2人は顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。
「これは……、今日の夕飯は食べれないかもな」
「でもやっぱり食べきらなきゃね」
 2人を含めた何人かの学生は、校庭に駆け足で向かい消えていった。



課題評価
課題経験:12
課題報酬:210
わたしはパフェが食べたいの!!
執筆:樹 志岐 GM


《わたしはパフェが食べたいの!!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 クルト・ウィスタニア (No 1) 2020-02-27 00:10:23
勇者・英雄コース、クルト・ウィスタニアだ。
……かなり悩んだが、今回は新境地開拓に挑戦してみよう。
というわけでサイコロだ。

《新入生》 クルト・ウィスタニア (No 2) 2020-02-27 00:36:18
…なぜ3つ振ってしまったのだろうか、俺は。
もう3つ振ればいいか?