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【新歓】本日の戦闘訓練は甘い?


ストーリー Story

 午後、魔法学園フトゥールム・スクエアの屋内練習場内、特別闘技場『ブラーヴ・オブリージュ』。
「ようこそ! 我が学園へ! 新入生も在校生もマジック・オブ・ディライトを楽しもうぜ!」
 15歳の少年フェアリーが羽を羽ばたかせながら、呼び集めた皆を歓迎した。
「俺は【ルタン・リー】。隣のカルマは【シャレー・ジョイ】。御巫山戯クラブの一員だ。俺の信条は『おふざけは最高』だ」
 ルタンは名乗ってから、隣に立つ10歳のカルマの少女を紹介した。
「御巫山戯クラブは毎日笑って楽しく過ごそうというクラブです。生まれたばかりのシャレーの大切な居場所です」
 シャレーは、利き手である左手の甲の魔法陣を皆に見せつつ噛み締めるように挨拶をした。
「この学園に馴染んで貰うために戦闘訓練を行うぞ! 許可は貰ってるから安心してくれ! 戦う相手は俺達が魔法の布で拵えた菓子人形だ! 倒して中に詰まったお菓子を手に入れてくれ!」
 挨拶を終えた所でルタンは、本日の集まりについて説明を始めた。傍らにはカラフルな布で作られた人型が控えていた。顔は適当に切れ目を入れただけだ。
「中に詰めているのは料理研究クラブの皆様に用意をして貰ったお菓子です。普通に美味しいそうです。飴、パイ、ケーキ、チョコなど様々です」
 シャレーは真面目な面持ちで一生懸命に説明をする。
「こいつらは試合が始まったら闘技場内を逃げ回るけど、時々飴やパイをぶつけたり中身のお菓子を使って攻撃もしてくる。逃げ回るだけじゃつまんねぇから俺が追加した動きだ。何体倒してもいいし、誰かと協力をするのもありだ。魔法に耐久があって、打撃や斬撃にすごく弱いからな。魔法と武器を上手く使って頑張ってくれ」
 ルタンは人形の周囲を飛び回りつつ、余計な機能を付けた事をドヤ顔で説明した。
「ルタン様の設定により、勢いよく吐き出される飴玉はレンガをぶち抜くほどの威力があります。攻撃する度に手に入るお菓子は減りますが、戦闘力は低くなります。中身が空になった場合は動きを停止します」
 シャレーは変わらず真面目な表情で、訓練の危険性とルタンのやらかしをさらりと言った。
「俺の事はともかく、戦闘場は草地、砂地、沼地、乱立する建物と色んな条件をシャレーに揃えて貰ったから好きな場所で頑張ってくれ! もちろん、戦闘が苦手な奴は見学も構わないぞ!」
 ルタンは、話を逸らすように場内に展開された様々な立地条件を紹介した。
「訓練を通して皆様が仲良くなり美味しいお菓子で心和む事を目指すと共に御巫山戯道具のお披露目を兼て御巫山戯クラブが計画しました」
 シャレーは、誇らしげに遅まきながら御巫山戯クラブの目的を明かした。
「まあ、説明はこれくらいにして、訓練開始だ!」
 何とか説明が終わると、ルタンの合図で戦闘訓練が始まった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-05-10

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2020-05-20

登場人物 2/8 Characters
《2期生》シルワ・カルブクルス
 ドラゴニア Lv15 / 村人・従者 Rank 1
細い三つ編みツインテールとルビーのような紅い目が特徴のドラゴニア 元々彼女が住む村には、大人や数人ぐらいの小さい子供たちしかおらず同い年程度の友達がいないことを心配した両親にこの学校を薦められて今に至る 一見クールに見えるが実際は温厚な性格であり、目的である世界の平和を守ることはいわば結果論、彼女の真の目的は至って単純でただの村人として平穏に暮らしたいようである しかし自分に害をなすとなれば話は別で、ドラゴニアらしく勇猛果敢に戦う 一期生にはたとえ年下だとしても「先輩」呼びをするそうだ 「私はただの村人、できる限りのことをしただけです」 「だれであろうと私の平穏を乱す者はすべて叩き伏せます」 ※口調詳細(親しくなったひとに対して) 年下:~くん、~ちゃん 同い年あるいは年上:~さん ※戦闘スタイル 盾で受け流すか止めるかでダメージを軽減しつつ、斧で反撃するという、いわゆる「肉を切らせて骨を断つ」戦法を得意とする
《新入生》クルト・ウィスタニア
 ヒューマン Lv9 / 勇者・英雄 Rank 1
「まったく……彼女はどこに行ったんだ!」 「俺は魔法はさっぱりだけど……入ったからには、頑張ってみるさ」 「もう、だれも傷つけたくない。傷つけさせない。そのための力が欲しい」 [略歴]  以前はとある国で、騎士として活躍していた。  しかし、とある出来事をきっかけに国を離れ、パートナーと共に各地を旅していた。  その道中、事件に巻き込まれパートナーとはぐれてしまう。  人の集まる魔法学園でなら、パートナーの行方の手がかりがつかめるかもしれないと考え、入学を決めた。 [性格]  元騎士らしく、任務に忠実で真面目。常識人っぷりが仇となり、若干苦労人気質。 [容姿] ・髪色…黒。 ・瞳……淡い紫。 ・体格…細マッチョ。ちゃんと鍛えてる。 ・服装…学園の制服を着ている。が、若干イタイんじゃないかと心配もしている(年齢的に)。 [口調補足] ・一人称…俺。改まった場では「私」も使う。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」「様」をつける。 ・語尾…~だ。~だろう。目上の人には敬語。 [戦闘] ・剣を扱う。 ・「もっと守る力が欲しい」。  そう思い、最近は魔法と剣を融合させた剣技を習得したいと考えている。

解説 Explan

【御巫山戯クラブについて】
 おふざけをして、毎日笑って楽しく過ごす事を目的に活動しているクラブです。目的のためであれば、怪我などしない限り何をしても構わないと考えています。
 魔法を使うため部室は第八校舎内の一角にあります。

【菓子人形について】
 適当に切れ目が入ったカラフルな魔法の布で作られた人型の人形です。基本行動は逃げだが、時折体に詰まった様々なお菓子で攻撃を仕掛けます。
 その度に中身が減り戦闘力も低くなり空になった場合は、動きを停止します。
 布の特性のため魔法には強く打撃、斬撃に弱いです。

【闘技場内について】
 草地、砂地、沼地、建物だらけだったりと様々な条件を持った戦闘場所が用意されています。

【NPCの行動について】
・ルタン・リー
 おふざけ大好きで、調子に乗りやすく怒られてもめげない性格のため、本日は見学したり戦闘加わったりと騒ぎます。

・シャレー・ジョイ
 真面目な性格で、御巫山戯クラブが自分の居場所と考え彼らのために行動します。本日は雑事に精を出します。

 上記の二人との交流の有無やこういう学生と交流したいや戦いたい場所や食したいお菓子など、希望がありましたらアクションプランに記載をお願いします。


作者コメント Comment
 プロローグを見て頂き、ありがとうございます。
 訓練に挑みお菓子を手に入れたり、見学に励み訓練を盛り上げたりと自由に活動して頂ければと思います。
 少しでも楽しんで頂ければ幸いです。


個人成績表 Report
シルワ・カルブクルス 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【戦場:森林】
敵の動くときなどで発する音を聞き逃さないように、盾を構えて『危険察知』ができるように警戒しながら周囲に耳を澄ませておく
敵が攻撃してきたらしばらくの間、盾で防御しておくことで人形の中に入っているお菓子を消費させる
ついでに転がっているお菓子は回収しておく
戦闘能力が低下して動きが鈍くなってきたらそのまま盾で構えながら突進してから『通常反撃』を行う
また、事前に『基本斧術』を基にして命中率を高めておるイメージをしておく

クルト・ウィスタニア 個人成績:

獲得経験:62 = 52全体 + 10個別
獲得報酬:1920 = 1600全体 + 320個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
魔法に強く、物理攻撃に弱い……俺向きの敵なんだが、魔法を使えないのは少し残念かもしれないな。
まあ、たまには勘が鈍らないように剣で戦うのもいいよな。

できるだけ早めに残弾が切れるように、わざとこちらから攻撃をしかけたりして沢山相手に攻撃をさせるように狙ってみよう。
挑発もできればいいんだが……残念ながらその辺りの特技を持っていないんだよな。

弱り始めたら「全力攻撃」で一気に攻める。

相手の攻撃は避ける方向で。ただちょっと地面にお菓子が落ちるのはもったいないな……。
もし包装紙に包まれているようなら後から拾って食べるなり配るなりしよう。
直に落ちるようなら……いけ、る……いやさすがにやめておくよ……。

リザルト Result

●1章 訓練開始
 午後、魔法学園フトゥールム・スクエアの屋内練習場内、特別闘技場『ブラーヴ・オブリージュ』。
「参加してくれてありがとうな。今からお菓子を入れる容器を貸し出すぞー。魔法製だから見た目以上に沢山入るからな。シャレー、お菓子を入れる容器をみんなに配ってくれ」
 本日のイベントの説明を終えた【ルタン・リー】は、集まってくれた参加者達に向かって笑顔で礼を言ってから傍らのシャレーを促した。
「はい、ルタン様」
 【シャレー・ジョイ】は頷いてから、いそいそと皆に容器を配った。
「これにお菓子を入れるのか……魔法製というが」
 【クルト・ウィスタニア】は、受け取った容器をまじまじと関心深げに見た。
「多く拾えたら、皆に配って回るのもいいかもしれませんね」
 近くにいた【シルワ・カルブクルス】が、借りた容器に目を落としながら話し掛けた。
「それはいい考えだな」
 クルトは振り返り、頷いた。
(それほど甘いもの好きではないしな)
 と思いながら。
 とにもかくにも、シルワとクルトは希望する戦場に移動した。

「訓練の相手はお菓子の入った人形ですが、死角からの攻撃に対応するためにこの場所にと希望したからには、頑張ってコツをつかみたいところですね」
 シルワは、眼前の生い茂る森林と垣間見えるお菓子人形を見回しつつ、片手斧である花残の斧を握り締める。
「気を引き締めて、行きましょう」
 そして、しっかりとした足取りで森に入った。
(……冷静に判断し、勇猛果敢に攻め入って、敵の隙を突いて……)
 自身が身につけた斧技の基礎を脳内で繰り返して戦いのイメージを抱きつつ。

 森に入った後。
(周囲に耳を澄ませて、敵の動きを聞き逃さないように……)
 呼吸を整えて視線を鋭くするシルワはミラーシールドを構え、敵の襲来を警戒しながら足音を抑えて歩き回る。
「それにしても色んな植物がありますね」
 シルワは警戒をしつつも、持っている植物に関する知識が顔を出す。
 その時、付近から葉擦れの音が響く。
「いました」
 気付いたシルワは、ミラーシールドを構えたまま振り向いた。クールな見た目を一層クールにして。
 先にいたのは逃げ回る菓子人形の姿。
「まずは攻め入りましょう」
 シルワはドラゴニアらしい勇猛果敢さと共に翼を羽ばたかせ、上手く舞い上がり、木々の間を縫って距離を詰めようと試みる。
「あと少しと思ったら……」
 間近にまで迫ったと思った瞬間、鬱蒼とする木々に紛れてしまう。
「!!」
 見失った所で木上のシルワは、背後に危機を感じて反応しミラーシールドを構えた。
 別の菓子人形が現れ、シルワを狙って飴を次々と飛ばしてくる。
「しばらくの間、盾で防御をして人形の中に入っているお菓子を消費させてからです」
 シルワはミラーシールドで防ぎつつ、木上から飛び降りる。
「間合いを……」
 反撃に転じられる距離を保ちつつシルワは防御を続ける。
「ついでに回収を」
 ただ防御するだけでなく、転がっている飴を回収するのも忘れない。
(随分戦闘能力が低下して動きが鈍くなってきましたね)
 めげずにお菓子人形の攻撃を耐え忍んだ末についに機会到来。
「今こそ……」
 シルワはミラーシールドを構えたまま突進し、菓子人形に接近。
「はぁぁぁぁぁ」
 菓子人形が攻撃を行うよりも先に花残の斧を振りかざし、見事に撃破した。
「……油断は禁物ですね」
 初戦の勝利の余韻に浸る暇を与えまいと、死角から攻撃が飛んでくる。
「死角からの攻撃……多少苦戦するかもしれませんが、頑張りましょう」
 再びミラーシールドを構え、戦いに身を投じた。

 一方。
「魔法に強く、物理攻撃に弱い……俺向きの敵なんだが、魔法を使えないのは少し残念かもしれないな」
 希望した戦場の前に立ったクルトは逃げ回る菓子人形を一瞥し、残念そうな溜息を吐き出した。
「まあ、たまには勘が鈍らないように剣で戦うのもいいよな」
 目標である魔法を学ぶが出来ず、やる気が出ないのかと思いきや騎士の顔を見せ、ルーンソードを握り締め、戦場に踏み入った。

 戦場に踏み入った後。
「周囲を警戒しつつ、探すとするか」
 クルトは聞き耳を立て、少しの足音も逃さぬよう静かに警戒しながら歩き回る。
(さて、どう攻めるかな。挑発とか出来ればいいんだが、残念ながら……)
 クルトは真面目な様子で、あれこれと作戦を考える。
「!!」
 その時、背後に気配を感じ、振り返ると同時に直感的に横に跳びのいた。
「俺が取る事が出来る作戦はただ一つ……」
 クルトは対峙する菓子人形を睨み、ルーンソードを振るって、基本技でありながら鋭い斬撃を放つ。
「出来るだけ早めに残弾が切れるようにするだけだ」
 わざと攻撃を仕掛けて相手に攻撃させようという心積もりだ。
「来たか」
 思惑は上手くいき、菓子人形はクルトを狙って様々なお菓子を発射する。
「こちらは避ける方向で……ただ」
 クルトは巧みに避けていきながらも、自分に当たらず地面に落ちるお菓子に同情を抱く。
「ちょっと地面にお菓子が落ちるのはもったいないな……」
 ケーキ、パイ、チョコに色々だ。
「どれもなかなか美味しそうだ。直だが……いけ、る……いやさすがにやめておくか」
 見るからに美味しそうな見た目もあって、直に食べる事に一瞬迷いを生じるも挑戦は控えた。
「包装紙に包まれているお菓子は後で拾って食べるなり配るなりしよう」
 ただし、包装紙に包まれているお菓子については別だ。
「それにしても、甘い物に……魔法で動く人形……」
 クルトは攻撃を回避しながら離れ離れとなったパートナーの事を思い出し、口元が優しくなる。
「彼女が見たら喜びそうだな……どんな魔法を使っているんだ……?」
 何せ、パートナーは甘い物が好きな魔法使いだから。
「そろそろ、攻めようか」
 攻撃を避けに避けた末、菓子人形の動きは鈍り始めた。
「はぁぁぁ」
 機会が来たと攻撃に転じたクルトはルーンソードを振るい、強力な一撃を繰り出して動きを止めた。
「……よし、お菓子を拾っていこう」
 戦闘終了を確認してから、お菓子を拾って容器に収めた。
「……次に挑むとするか」
 その時、クルトは戦場を逃げ回る菓子人形を目の端にとらえ、ルーンソードを握り直してから向かった。

●2章 訓練を終えて
 菓子人形達との戦いはあれやこれやと騒々しい中、無事に終わった。
「入りきれないほど回収出来ましたね」
 シルワの容器は、お菓子で溢れかえっていた。
「自分へのご褒美に一つだけ」
 シルワは可愛らしい包装で包まれた飴を一つ掴み取り、包装紙を剥いてから口に放り込んだ。
「……甘くて美味しいです」
 口内に広がる程よい甘さに和んだ。
「他の学生達にも配って回りましょうか」
 それから、シルワは菓子を配って回る事にした。

「沢山集まったな……一つ食べてみようか」
 クルトは容器いっぱいのお菓子に目を落としてから、おもむろにクッキーを一つ手に取り齧った。
「……甘さも控えめで悪くないが、一人では食べきれないから配ろう」
 素朴な味を楽しんだ後、菓子の多さから配って回る事に決めた。
「お疲れ様です。よろしかったら、どうですか?」
 その時、シルワがお菓子を配るべく声を掛けてきた。
「あぁ、貰おう……代わりに好きなお菓子を選んでくれ」
 クルトもまた同じ目的を抱いていたため、お菓子の入った容器を見せながら応じた。
 という事で、シルワとクルトは互いが得た菓子をあげたり貰ったりをしてからそれぞれ他の学生達や教師に配って回ってから、借りた容器を御巫山戯クラブに返却した。
 ちなみに、今回の催しを開催したルタンとシャレーは成功を大層喜んだという。



課題評価
課題経験:52
課題報酬:1600
【新歓】本日の戦闘訓練は甘い?
執筆:夜月天音 GM


《【新歓】本日の戦闘訓練は甘い?》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 クルト・ウィスタニア (No 1) 2020-05-08 23:33:32
クルト・ウィスタニアだ。
個人競技になるのだと思うが、一応よろしく頼む。

《2期生》 シルワ・カルブクルス (No 2) 2020-05-09 10:45:22
シルワ・カルブクルスです
私も多分個人訓練になると思いますのでよろしくお願いいたします