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アルマレスに抱かれし邪悪


ストーリー Story

●山に隠された神殿
「おーい、お前らー。今回は山で体力づくりをしてもらうぞこのヤロー!」
 武神・無双コースのガチムチ女教師【ペトラ・バラクラヴァ】は課題案内板の前に立つと、板に貼り付けた紙をコンコンと小突いてみせた。
 そこで初々しさの残る学生が挙手、質問をする。
「山というとトルミンですか?」
「いんや、トロメイアのアルマレス山だ」
「えっ……あそこ超高い山じゃないですか! まさかそこを全力で踏破してこいとかいうんじゃないですよね?」
 ざわっと戸惑いの声を上げる学生達。するとペトラはからからと笑う。
「まさか、アタシの授業じゃあるまいし」
 ……お前の授業ならやるのか。そんな青ざめた顔を気にすることなく彼女は解説を続ける。
「実はだな、アルマレスの中腹に避難所兼神殿として整備された洞窟があるんだが……そこにガーゴイルが棲みついたらしいんだよ。で、民間人の案内人や神官が踏み込むのは危険だってんで、うちの学園に連中を討伐してほしいって連絡があったワケ。そこまではいいな?」
「はい」
 とりあえず素直に頷く学生達。その反応に満足したのかペトラは口元を吊り上げると『まぁ、ここからが問題なんだがな』と告げた。
「その神殿には山の自然精霊を模した石像が12体、並んでいる。ガーゴイルと精霊の石像を見分けるのはそう難しくない、真っ当な精霊像はそれぞれ自分が加護するものを持っている意匠だからな。例えば岩の精霊なら岩石を担いでいたり、木の精霊なら苗木を掲げ、実りの精霊なら果実の入った籠を抱き、水の精霊なら水瓶に手をかけている。土の精霊なら地面に手を伸ばして土を掴もうとしているようなポーズをしているという話だ。……ただし今までヒトが近寄れなかった分だけガーゴイルがどれだけの数が潜り込んでいるのかわからないっていう状況が問題なんだよな」
「それなら石像を片っ端から壊せば?」
「馬鹿野郎、そんな罰当たりなことをしたらトロメイアの神官連中どころか住民にまで学園生が白けた目で見られることになんだろ。どいつがガーゴイルか見極めて、他の石像や神殿が傷つけられる前にブッ倒せっていうなんともヘイトな課題だよ」
 ペトラはそう言って肩を竦めると『ひとまず案内人は既に手配してある。洞窟までは最短ルートで行けるから道程で悩むことはない』と告げ、眉を顰めた。
「あとはこいつはアタシからの助言だ。ガーゴイルって奴は知性はないが飛行能力があり、相手の動きを見極めようとする知恵もある。それを考えると……正直体どころか頭も使わなきゃならねえ課題だ。やる気のある奴は後でアタシに声を掛けな」
 こう言い残して校庭に出ていくペトラ。学生達が『どうする?』と顔を見合わせるなかに【メルティ・リリン】の姿もあった。
(石の怪物……困っている人がいるのなら頑張らないと、ですね)

●洞窟の前で
「……ここが件の洞窟です。一応途中までは先遣隊が蝋燭で目印をつけましたが、途中からはほぼ暗所となりますのでお気をつけて。最後の蝋燭からまっすぐ進んだ先に神殿があります」
 案内人はそう言うと学生達から預かった荷物を肩から下ろし、一息ついた。彼はここで皆の帰還を待つという。
「ここまでのご案内、ありがとうございます。必ず皆様に喜んでいただけるよう力を尽くしますので、帰りもなにとぞよしなに」
 メルティはそう言うと小さなランタンを括りつけた杖を手に仲間達と歩き出した。
 必ずガーゴイルを倒し、ここを清浄な祈りの場に戻してみせると誓いながら。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-11-15

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2020-11-25

登場人物 2/8 Characters
《新入生》クルト・ウィスタニア
 ヒューマン Lv9 / 勇者・英雄 Rank 1
「まったく……彼女はどこに行ったんだ!」 「俺は魔法はさっぱりだけど……入ったからには、頑張ってみるさ」 「もう、だれも傷つけたくない。傷つけさせない。そのための力が欲しい」 [略歴]  以前はとある国で、騎士として活躍していた。  しかし、とある出来事をきっかけに国を離れ、パートナーと共に各地を旅していた。  その道中、事件に巻き込まれパートナーとはぐれてしまう。  人の集まる魔法学園でなら、パートナーの行方の手がかりがつかめるかもしれないと考え、入学を決めた。 [性格]  元騎士らしく、任務に忠実で真面目。常識人っぷりが仇となり、若干苦労人気質。 [容姿] ・髪色…黒。 ・瞳……淡い紫。 ・体格…細マッチョ。ちゃんと鍛えてる。 ・服装…学園の制服を着ている。が、若干イタイんじゃないかと心配もしている(年齢的に)。 [口調補足] ・一人称…俺。改まった場では「私」も使う。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」「様」をつける。 ・語尾…~だ。~だろう。目上の人には敬語。 [戦闘] ・剣を扱う。 ・「もっと守る力が欲しい」。  そう思い、最近は魔法と剣を融合させた剣技を習得したいと考えている。
《新入生》スピカ・コーネル
 ルネサンス Lv7 / 芸能・芸術 Rank 1
「この学園……ううん。世界中に、私の歌を届けたい!」 「私の歌で誰かが幸せになったら、嬉しいなって思うんだ!」 「先生。私、ちゃんと追いつけてるかな……?」 【略歴】  とある海辺の街で、宿屋の一人娘として暮らしていた。  芸術の文化を持たないルネサンスだったが、幼い頃にとある音楽家が聞かせてくれた歌と音楽に心を奪われる。  それ以来、その音楽家を「先生」と慕い、自分も音楽の道を進みたいと考えていた。  「先生」と同じ道を歩むため、学園に入学することを決意した。  リスのルネサンスで、ふわふわの尻尾がチャームポイント。  ただし、触られると怒る。恥ずかしいらしい。 【性格】  天真爛漫で、元気いっぱい。時折、暴走しすぎて周りが見えなくなることもある。 【容姿】 ・髪色…茶色。ロングヘアをポニーテールにしている。 ・瞳……エメラルドのような緑色。 ・体格…普通。スタイルが特別良いわけではない。 ・服装…学園の女子制服をスカートではなくショートパンツに改造して着用。動き回ることが多い故の配慮らしい。 【口調補足】 ・一人称…私。 ・二人称…君、名前呼び捨て。目上の人には「さん」や敬称をつける。 ・語尾…~だよ。~だね。目上の人には敬語。 【芸術について】 ・歌を得意としている。楽器は猛勉強中。 ・明るく、ポップな曲が好き。 ・身体能力を活かして、ダンスにも挑戦したいとか考えている。

解説 Explan

目的:ガーゴイルの殲滅

戦場について:灯りがないため暗所となります。
 メルティが小型ランタンを持っていますが、10m四方を照らす程度のものですので行動範囲が広いガーゴイル相手では心もとありません。
 なお、神殿の広さは20m×30m程度。高さは10m程度となります。

敵情報:ガーゴイル(数は不明)
 いずれも格【3】。
 知能が弱く決定的な強さはない敵ですが、頑丈な体と狡猾な気質と飛行能力をもって相手を翻弄しようとします。
 体が石でできているため石像と見紛う可能性があるので要注意です。
 神殿に入った時点から既に警戒状態に入っていると思われますので慎重に行動してください。

成功度について:ガーゴイルの殲滅が最低限の成功条件です。
 しかし他の石像や神殿の最終的な状況次第では下がることも上がることもあります。
 より良い結果に繋がるファクターを考えてみてください。

登場NPC
 メルティ・リリン
 血液忌避の気がまだ抜けていないリバイバル聖職者見習い。
 でも最近は噴き出すほどの大出血以外はなんとか自我を保てるようになってきています。
 彼女にやってほしいことがありましたらプランに指示をお願いします。
 祈祷・復活呪文・癒しの言葉を使用可能。


作者コメント Comment
いつも大変お世話になっております。ことね桃です。

今回は山の神殿に潜んだ魔物退治という王道冒険ものでございます。
相手は図抜けて強い存在ではありませんが、それをどうやって倒すのかが重要視されるエピソードです。
皆様のご協力があってはじめて成功できるお話ですので、なにとぞお力添えのほどよろしくお願いします。


個人成績表 Report
クルト・ウィスタニア 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:180 = 60全体 + 120個別
獲得報酬:4500 = 1500全体 + 3000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
自然精霊の石像か、興味深いな。
余裕があればどんなものかしっかり見ておきたいが…さすがにこの状況じゃ難しいか。

灯りはキラキラ石で確保。
それでも暗そうだから、【視覚強化】や【聞き耳】で相手の動きに注意を払う。

偽物の石像は何を持っているんだろうな…少なくとも、本物と並べたときに違和感があるんだろうな。
授業で習った【精霊学】のことを思い出して、本物と見分けられるように頑張ろう。

ガーゴイルと戦闘になったら、本物を傷つけないようにできるだけ石像から距離を取りたい。
せ、狭い空間で飛ばれたら厄介そうだな。

スピカ・コーネル 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ガーゴイルってはじめて見るかも…。
どんな感じなんだろ。ちょっと楽しみ…!

で、でも暗いところは怖い!!
だ、誰か一緒に歩いてくれないかなー(メルティをチラ見)

ガーゴイルは私の【やせーの勘】で見分けられないかやってみるよ。
ダメだったらごめんね…。

この間授業で扇の使い方をならったから、チャレンジしてみたいんだ。
うまく扱えるといいんだけど。
余裕があったら【鼓舞激励】でみんなの支援もできるといいな。

リザルト Result

●精霊とは如何なるものぞ
 暗闇が支配する洞窟で【クルト・ウィスタニア】はキラキラ石を握りながら、周囲を警戒しつつ歩みを進めていた。
「自然精霊の石像とは興味深いな。余裕があればどんなものかしっかり見ておきたいところだ」
「そうですね、ガーゴイルの討伐が成れば拝見する時間もありましょう。クルトさん、スピカさん、今回もどうぞよろしくお願いします」
 そう言って【メルティ・リリン】がいつもの儚げな笑みを浮かべると、【スピカ・コーネル】は元気いっぱいに頷いた。
「うん! 実はガーゴイルを見るのは初めてなんだよね。だから皆が傍にいてくれるなら好奇心で暗いのが怖いの跳ね返しちゃえる、かな? ペトラ先生も期待してくれてるし頑張らないとね!」
 ――学園きっての肉体派女教師【ペトラ・バラクラヴァ】。
 その名を聞いた途端、クルトが頭を抱えた。
「どうされました、クルトさん!? お体が優れないのですか? 頭痛のお薬なら……」
「ああ、いや。大丈夫だ。これは気持ちの問題で……俺の騎士時代の上官とペトラ先生が妙に似てるなと思って。あの頃は重装備で一日中筋トレとか、逆に短剣一本か手作りの弓矢で猛獣と戦えとか笑顔で命じられ……何度死にかけたか……!」
 どうやら学園だけではなく他国にも脳味噌まで筋肉で出来た猛者はいるらしい。
 彼のトラウマにメルティは『まぁ、それはさぞかしお辛かったでしょう』と心底同情し、その背を優しく擦った。するとクルトは照れ笑いを浮かべ、再び歩き出す。
「ありがとう。でも俺はあの日々があったからこそ学園で順調に生活できてるとも考えてるよ」
 彼がそう呟いた時、誘導用の蝋燭がこの先から無いことに気がついた。
 スピカがメルティの顔を不安げに見上げる。
「暗いの、嫌。だ、誰か一緒に歩いてくれないかなー……」
 そんな彼女のランタンにも既に火は灯っている。しかし遠方まで見通せないのが怖いのだ。
「大丈夫ですよ、スピカさん。いつも私達が傍にいますからね」
「……うん」
 そこでメルティが杖を突き出しランタンで細い道を照らしだせば、すぐさまクルトが目を凝らす。
「この道の先にある扉の彫刻……精霊学の授業で見たことがある。ということはこの道で正解か」
 彼はそう言うとキラキラ石を手に扉を開けた。たちまち湿った洞窟に埃が立ち込める。
(ここが魔物のいる神殿……ガーゴイルってどんな姿をしているんだろう)
 早速スピカ達はそれぞれの光源を頼りに目の前の精霊像から姿の確認を始めた。

●精霊像とガーゴイル
「精霊学で一通りのことは学んだつもりだが、全てが資料通りの姿とは限らないんだな。ここでは皆、自然物がモチーフになっているようだ」
「多分、精霊って信仰する人の考えによって姿が違うんだろうね。ここはトロメイアのヒト達が受け継いできた自然への想いが形になってるような気がする」
「なるほど、自然現象への畏怖心が精霊をありのままの自然の形に捉えさせているということか」
 キラキラ石で暗所を照らすクルトと、やせーの勘で精霊像を探るスピカ。
 そこでクルトはガーゴイルと精霊の違いについて思考を傾けた。この神殿の精霊像が自然を形にしたのなら、ガーゴイルはそれと異なるものを持っているかもしれないと。
 同時に彼は慎重に精霊像を見つめるだけでなく、その数も数える。
 本物は12体、しかし今並んでいる像は14体。2体も多いことになる。
 早速彼が周囲を見回したその時――『メルティ、危ないっ!!』とスピカが鋭く叫んだ。
 翼を持つ禍々しい石像が立ち上がった瞬間、メルティへの危険を感じ取り彼女を突き飛ばしたのだ。
「スピカさんっ!」
「私は大丈夫。空は飛べないけど、リズムに合わせた動きなら負けない。石の魔物になんて負けないよっ!」
 そう言いながら両手にずしりと重みのある鉄扇を構えるスピカ。
 クルトもメルティを襲撃したガーゴイルと同じ姿の石像へ宝珠の剣を閃かせた。当然奴も飛行し、剣を躱す。
「スピカ、メルティ、ガーゴイルのあぶり出しに成功した。後はこいつらを精霊像から引き離して一網打尽にするぞ! メルティは緊急時の治療と敵の誘引を頼めるか?」
「ええ、獲物の素振りをみせるぐらいなら!」
 メルティは覚悟を決めた。仲間が傷つけられるぐらいなら自分が傷ついた方がずっといい。それにクルトとスピカは幻惑の森を共に駆け抜けた大切な戦友なのだから放っておけるはずもない。
「……わかった。メルティと他の石像ができるだけ傷つけられないように、私、精一杯頑張る!」
 スピカはメルティの覚悟に応えるように扇を構え、自分達の上空を舞うガーゴイルへプチミドを詠唱。強い水圧でバランスを崩したガーゴイルが落下すると同時に、メルティが奴の頭部を杖で叩いた。
「わ、私だってこれぐらい! 悔しかったら私を捕まえてみなさいっ!」
 そう告げて石像に影響が及びにくいであろう神殿中央部に向けて後退りするメルティ。それを見たクルト側のガーゴイルも彼女を目指し、低姿勢で飛行を開始した。
 それを見逃すクルトではない。
(地上戦での魔法は精霊像を巻き込む可能性がある。それを防ぐには白兵戦しかない!)
 彼は二段ジャンプで一気にガーゴイルの背後をとると全力の一撃をその翼に叩き込んだ。
 みしりと音を立てる翼。しかし奴は翼を落とすことなく彼を振り落とし、メルティに突進した。
「くっ! 間に合えッ!!」
 急ぎ体勢を立て直し、駆け出すクルト。このままでは背後が無防備なメルティが危ない!
 だがそこに鮮やかなステップを踏むスピカが鉄扇を振り下ろした。とはいえ彼女の動きはまだ洗練されてはいない。
 しかしその不安定な揺らぎこそがガーゴイルを翻弄し、僅かながら腕を砕くことで槍を払い落とした。
「槍がなければ戦いにくくなるでしょっ!」
 そこでメルティはすかさずその槍を暗所へ蹴り飛ばす。これで奴が中距離から攻撃することは叶うまい。
 しかし今度は槍持ちのガーゴイルがメルティの胸を貫かんと再度宙へ舞い上がる。
 そこに全く無駄のない動きで宙を跳ぶのがクルト。
 彼は剣を構えたままガーゴイルの腰に足を掛けると、奴の後頭部に捻じり込むように鋭い切っ先で突いた。
 ――ガッ!!
 後頭部から首筋にかけてひびがはしり、奴なりに痛みを感じたのだろうか。動きがにわかに鈍くなり、地面にその身を堕とした。
 一方徒手空拳となったガーゴイルはスピカに石の拳を叩きつけた。
 槍と異なりその動きは速い。
 彼女はそれを懸命に鉄扇で弾こうとするも、肩に重量級のパンチを当てられては扇の骨で身を守るのが精一杯だ。
「……っ、何とか切り返したいところだけど!」
「お願いいたします、精霊の皆様。スピカさんにどうか癒しのご加護を!」
 メルティがすぐさま敬虔な祈りを捧げ、杖を掲げる。
 その瞬間スピカの傷が癒され、彼女は空中を滑らせるようにガーゴイルへ鉄扇を閃かせた。
「もう油断なんてしない。覚悟してよねっ!」
 その一閃と同時に魔物の顔がバクン、と割れた。たちまち悶絶するように崩れた顔を手で懸命におさえるガーゴイル。
 そこで力いっぱいに切り込んだのがクルトだ。
「もう俺の前で誰も失わせない……精霊像も守ってみせる!」
 その誓いに応えるように精霊達が彼の手に力を貸した。清らかな祈りが、願いが、邪悪を破る聖なる力に転じる。それは錯乱するガーゴイルの頭頂部から背中までを両断し、そのままただの石くれと化させた。
「後は墜落したガーゴイルだけだね。さあ、一気にやっつけちゃおう!」
 スピカは大好きな歌に乗せて鼓舞激励を披露、クルトとメルティの戦意と力を高める。
「メルティ、俺と共にいけるか」
「勿論、魔物を浄化する魔法はなけれど……戦う意思は私の中に!」
 クルトはガーゴイルの肩から腰までを袈裟懸けに、メルティは杖でその上から崩すようにスイングする。
 そしてスピカが高く跳ね上がり扇を振り下ろした瞬間――ガーゴイルは粉々に粉砕され、戦いは幕を下ろした。

●下山は大丈夫だと思ってたんだよ本当だよ
 洞窟の前で待機していた案内人は3人の報告を一通り聞くとにっこりと笑い胸をなでおろした。
 これで神官やアルマレス信仰の民、観光客も安心してこの神殿を訪れられることだろうと。
「……さて、帰るとするか。皆で精霊像に一通り祈りを捧げたことだし、これから何かご利益があるといいよな」
 そうクルトが声を弾ませた時、ドスのきいた低い声が響く。
「おぉ、やるじゃねえか3人とも。学園からわざわざ迎えにきた甲斐があったってもんだ」
 その声の主はペトラ先生。クルトが顔を引きつらせるのも構わず彼女は言った。
「んー、全員大した傷もなさそうだしもう少し鍛えても良さそうだな。よし、ここから麓の街まで装備を外さず全力で駆け下りろ! 健脚は戦場での命そのものだからな!」
『ええーーーっ!!?』
 3人は思いっきり嫌そうな顔で叫ぶ。
 しかし――結局はペトラに追い回される形で山を下ることになるのだった。恐るべし、脳筋女教師。



課題評価
課題経験:60
課題報酬:1500
アルマレスに抱かれし邪悪
執筆:ことね桃 GM


《アルマレスに抱かれし邪悪》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 スピカ・コーネル (No 1) 2020-11-14 00:22:16
芸能コースのスピカです!
ガーゴイルって初めて見るんだけど、ちょっと楽しみかも♪

で、でも暗いところはちょっとにがて……ランタンちゃんと持っていかないとだね。

《新入生》 スピカ・コーネル (No 2) 2020-11-14 00:22:58
あ、私は今回扇で敵と戦ってみようと思うんだ。
支援の用意もしていくけど…