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精霊王らの宴、スピリッツ・フィエスタ


ストーリー Story

 火の精霊王、エンジバ。
 水の精霊王、リーベ。
 風の精霊王、アリアモーレ。
 土の精霊王、プロギュート。
 雷の精霊王、イグルラーチ。
 闇の精霊王、ボイニテット。
 光の精霊王、オールデン。
 七柱の精霊王を称えて行なわれる、七年に一度の歌の祭典、スピリッツ・フィエスタ。またの名を、精霊王らの宴。
 毎度七人の歌手が選出され、特設のステージにて精霊王に捧げる歌を披露する。
 そして今年は、彼女が参加する事となった。若者を中心に人気を博し、魔物からも愛される紫の歌姫。【アメシスト・ティファニー】。
 と、言う事は、そう言う事だ。
「こんにちは。アメシスト・ティファニーです。フフ、お久し振りの方も、いますね」
「学園代表、【シルフォンス・ファミリア】だ。今回もあんたの護衛をする事になった。よろしく頼む」
「いいえ、こちらこそ。それで……その子がお話にあった、【アリエッタ】ちゃんですか?」
 自称、学園一忙しい天使、シルフォンスが依頼先で拾ったアークライトの少女、アリエッタ。
 アメシストの護衛依頼と聞いて自分も行くと言い出して聞かなかった彼女は、小さなドレスワンピースに身を包んだ姿でシルフォンスの脚に抱き着いていた。
 話題の歌姫を前にして、緊張しているのだろう。元々人見知りな部分はあるが、今日の彼女は少し照れ恥ずかしそうである。
 なかなか前に出れず、チラチラと歌姫を仰ぐ少女の赤く紅潮した視線まで自身のそれを落としたアメシストは手を伸ばし、伸ばした腕の上を、肩を伝ってケットシーが歩み寄って来た。
 目の前に下りたケットシーが長い尾をアリエッタの腕に絡めて、アメシストの前に先導する。
「初めまして、可愛いお姫様。私はアメシスト・ティファニー。今日は私達の歌、楽しんで行ってね?」
「……う、うん! アリエッタ! アメシストさん応援する! アリエッタ、アメシストさん大好き! 会えて嬉しい!」
「ありがとう。アメシストも、アリエッタと会えて、嬉しいわ」
 超が付くファンなら卒倒必至だろう、力強いハグで抱き寄せられる。
 頬を擦りつけられるアリエッタも嬉しそうで、見ていてとても微笑ましく、可愛らしかった。
 【コレット・ルティア】はそれこそ目に焼き付けんばかりに見つめて自身も頬を紅潮させて、【クオリア・ナティアラール】も表情こそ変えなかったものの、安堵したような吐息を漏らして、シルフォンスへと視線を向ける。
 視線で返したシルフォンスに対し、返事こそしないものの、返答だけは返した。
「アリエッタ。アメシスト様はこれから、祭典の準備をしないといけません。それまで私と、コレットお姉さんと一緒にいましょう」
「ヤぁ。もうちょっとぉ」
「また後で会えます。アメシスト様も、アリエッタに最高の歌を披露しようと頑張って下さるのですから、アリエッタも頑張って待ちましょう?」
「……うん。アリエッタ、頑張って待つ」
「偉いですね、アリエッタ」
 無表情は相変わらず一貫しているが、クオリアもだいぶ、アリエッタとの付き合い方がわかって来たらしい。
 と言うか、アリエッタもクオリアに対して随分心を許したものだ。最初はシルフォンスだけだったのに、今ではクオリアにも自分から抱き着くのだから、距離が縮まった証拠だろう。
「では、私とアリエッタ。コレットはシルフォンスの用意した関係者席にいますので、皆様はどうかよろしくお願いします」
「俺が用意したとか、余計な事を言うな! さっさと行け!」
「アリエッタ、バイバイ」
「バイバイ! アリエッタ、応援してるからね!」
 何度も振り返って、大きく手を振る少女に、稀代の歌姫も満面の笑みで手を振り返す。
 姿が見えなくなると嬉しそうに、可愛い娘さんですねと微笑んだ。
 彼女は天然だ。わざとではない。だから苛立ちの矛先は、共に護衛依頼へとやって来た自分達へと向いて来る。
「おまえら、今回は道中の護衛と訳が違うからな……歌姫様以外にも六人の歌手。彼女達を目当てに来る大勢の客。それら全員を守るのが俺達の仕事だ。あの歌姫様の出番は奇しくもトップだから、歌声に多くの魔物が引き寄せられるだろう。だから、全員気を引き締めろ。魔物一頭、蟲の一匹も入れない覚悟で迎え撃て!」

 建設された会場から、西に数キロ離れた先にある森の奥。妖しく美しく響く旋律があった。
 弦。金。木。打。鍵。
 楽器を元に作られた魔物達、アポカリプらの五重奏が、森の魔物達を呼び覚ます。
 ゴブリン。
 ジャバウォック。
 キラーバット。
 アーラブル。
 リザードマン。
 ワイバーン。
 コカトリス。
 土龍。
 元の習性も忘却し、呼び起こされた森の魔物達が、五重奏にそれぞれの声を重ねる。合唱とは言い難く、聞き心地の悪い不協和音だったが、不思議と一つの演奏として成立していた。
 それこそ五体のアポカリプを操り、多くの魔物を操る演奏を奏でるこの男、【ザンテ・クリエール】にとっては、開幕を告げる序曲として、相応しい楽曲であった。
「嗚呼、嗚呼、嗚呼! 酷いです、悲しいです、辛いです。七年に一度のスピリッツ・フィエスタ。ワタクシ楽曲担当としてお声掛けお待ち申し上げておりましたのに。あの場に集った七人の歌い手を飾れるのは、我が楽団以外にないと言うのに! 嗚呼、悲しいですが仕方ありません。我らを知らぬと言うのなら、知らしめるだけにございます」
 ザンテの背後の洞窟から、それは巨体を揺らしながら現れる。
 項垂れた顔は黒い髪で見えない。折れ曲がった猫背の巨体を二本の両腕で支え、這って出て来たそれに後ろ足はなく、代わりに大量の鱗が並ぶ蛇のような尾っぽがあって、森の奥の洞窟ではあったが、その姿はラミアないし、人魚のようにも似て見えた。
 曰く、人魚の中には歌で人をかどわかし、海に引きずり込む種類がいると言うけれど、その後の事は誰も語らない。が、それは引きずり込んだその先を、長い髪でも覆い隠せない大量の唾液から想像させた。
「さぁ、八人目の歌い手よ。我が楽団の麗しきディーヴァよ。並び立つ七柱の精霊の王に、おまえの歌声を捧げに行き給う! さぁ、奏でよう! 行進の時だ!」
 行進とは名ばかりの、おぞましき進軍が始まる。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 6日 出発日 2021-09-05

難易度 難しい 報酬 多い 完成予定 2021-09-15

登場人物 4/6 Characters
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《新入生》ヒナ・ジム
 アークライト Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
ヒナ・ジムです!【事務雛型】 ひよこがだいすきです! おすとめすはみたらわかります! ひよこがすきすぎて、はねがはえちゃいましたあ! そしたら、にぃにが、がっこうにつれてきてくれました。 かっこいいおにいさん、かわいいおねいさんがいっぱい…! みんな、なかよくしてね! *** ガンダ村の事務職の家系であるジム家の末っ子。 ひよこを愛する普通の子であったが、村の学校で飼っていたひよこをいじめた男子にたいする怒りをきっかけに、アークライトに覚醒! 知らせを受け慌ててタスクの発案により、学園に入学することとなった。 アークライトとしての力と生き方を学び、そして外の世界を知るために…。 ひよこが大好きで、好きすぎて羽根が生えたという本人談もあながち間違いではない経緯ではある。 ひよこのオスメスの区別がつき、人間の顔と同じ精度で個体識別できる。 鶏に対する気持ちは普通で、ひよこの時から可愛がっている個体に対してはその愛着を維持する。 覚醒時のほかにも、夜店のひよこを全員脱走させ親が全額弁償などひよこに関する逸話に事欠かない。 また、覚醒前から同年代にあり得ない怪力で、祖父のお下がりのバトルアックスの素振りが日課である。 とにかく甘えん坊。誰彼構わず甘え、兄タスクをやきもきさせる。 【勇者原則】決め台詞 通常時「ヒナ、負けないもん!」 覚醒時「○○ちゃんを虐める悪い子は、絶ぇっ対に許さない!」

解説 Explan

 今回は、アメシスト・ティファニーの参加する歌の祭典、スピリッツ・フィエスタの警護依頼――だったのですが、【ザンテ・クリエール】率いる魔性の楽団による行進が、会場に迫っています。彼らの進軍から、アメシスト含め、会場の人々を守る事を目標に戦って頂きます。
 ゴブリン。ジャバウォック。キラーバット。アーラブル。リザードマン。ワイバーン。コカトリス。土龍がそれぞれ十体ずつ存在し、最後にディーヴァと呼ばれる巨大な魔物が姿を現します。これら全ての撃破が、成功の条件となります。
 ディーヴァに関する情報は以下の通りです。
【格】4 
【生態】上半身が女性の人型、下半身が蛇の尾のラミアのような姿。普段は猫背で俯いて見えないが、縦に裂けた巨大な口の中で単眼が光る異形の顔をしているので、あまり見たいものではない。自重を支える両腕で這う様に移動する。
【本能】ザンテの命令、基、演奏には絶対従順。歌を聞かせる、と言う命令しか組み込まれていない。
【属性得意/苦手】闇/光
【得意地形】平地
【戦闘スタイル】両手で圧し潰して来る。鳴き声が怪音波になっており、最初は不快感を感じるだけだが、長時間聞いていると精神崩壊を招く。また、顔を上げた態勢から口を全開してでの咆哮は、大気震動で対象を破壊する壊音波と化す。
【状態異常】混乱、気絶
 その他ゴブリン等の魔物は、共闘するNPC【シルフォンス・ファミリア】による弓矢の一斉投射によって一網打尽が可能ですが、魔力等の関係により、一発限りとなります。
 同士討ち等の可能性も考慮し、打ちだすタイミングを検討しておいて下さい。
 また後半、敵がディーヴァだけとなった場合、特殊なサポートを受けられます。是非、全身全霊を賭して事に当たって頂ければと思います。


作者コメント Comment
 こんにちは。こんばんは。
 戦闘で書くならEXがいい。と言うか、でないと文字数が足りない戦闘厨、七四六明です。
 今回も戦闘エピソードをEXで用意させて頂きました。
 アメシスト・ティファニーとアリエッタと魔物操る楽団指揮者となかなか濃厚な物語ですが、是非参加し、全力を賭して事に当たって頂けたら嬉しいです。
 難易度も高いので、参加者の皆様同士で相談し合って頑張って下さい。ご応募、お待ち申し上げております。


個人成績表 Report
タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:183 = 153全体 + 30個別
獲得報酬:5184 = 4320全体 + 864個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
事前に会場の【設計】を把握し
大規模な襲撃を想定した避難誘導をスタッフたちと打ち合わせ
戦闘から手を離せないであろう自分たちに代わり観客の誘導とケアを依頼
「あなたたちを信頼し僕たちは戦います」と熱く訴えて
スタッフたちの【信用】を獲得したい

一般人の防衛を第一に行動

晴天灰陣とヒ18で守りを固め
勇者原則で自分に注意を引付け
月下白刃で確実に仕留めていく
仲間や一般人の危機には我が身を盾にでカバーリング

雑魚集団が十分小さくなる瞬間を推測し
シル先輩に一斉射撃合図

ウィッシュ記載の理由により
ディーヴァへはなるべく攻撃しない

サンデを狙える隙を探し
好機があれば踏み込み
ヒ19ヒ20を重ねた月下白刃で仕留める

アドリブA

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:459 = 153全体 + 306個別
獲得報酬:12960 = 4320全体 + 8640個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
敵リーダーを探し優先的に攻撃
倒せずとも戦意を奪い撤退させることを目指す

危機的状況に本当は使いたくなかった手段(自分としては禁呪)を使ってでも
自分の命を投げ出してでも人々・仲間を死守する

エ27で加速
敵の多い所へ単騎突入(味方を巻き込まないため)
鮮血染華で最大の打撃を敵に与える

その後はスプリーム・クラッシュと超炸裂の種で可能な限り多くの敵を薙ぎ払う

回避は妖精の踊り
致命傷になる攻撃は身代わりうさぎ改で受ける

消耗した魔力は魔気変換で補充
自分・味方の体力は生命の息吹で回復

防戦失敗の可能性は想定
一般人・非戦闘員の安全の確保を最優先
会場・周辺地形を【事前調査】、効果的避難経路を提案
敵の追撃を防いで殿を務める

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:229 = 153全体 + 76個別
獲得報酬:6480 = 4320全体 + 2160個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
味方のみなさんを回復します。

きりょくを回復できる装備「リトラヴェルソ」を
わたくしの消耗のすくない「風の旋律」でつかいます。

たいりょくの回復は種族特性「言の葉の詩:ラブ・キャロル」で。

状態異常については「備えあれば何とやら」で装備「福の針」をつかって
対応していきますね。

そして、回数はかぎられますけど「魔法薬生成キット:B」も用意してます。

わたくし自身のけがはがんじょうをたかめる装備でふせぎます。

回復に専念するような準備……でも、わたくしは切り札も用意します。

おそってくる敵をふきとばす手段、「スプリーム・クラッシュ」

エルオンタリエさんほどの威力も範囲もないけど、
でも、これを追撃につかいますね。

ヒナ・ジム 個人成績:

獲得経験:183 = 153全体 + 30個別
獲得報酬:5184 = 4320全体 + 864個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ヒナはね、アリエッタとお友達だから、ずっとそばにいてまもるよ!

あと、にぃに(【タスク・ジム】)の「うちあわせ」をいっしょにきいて、
ヒナも【信用】してもらえるよう、すたっふさんにきちんとごあいさつするよ!


開始までの時間に
アリエッタと「たんけんごっこ」
【子供親和】で友情を深めつつ
会場内を把握する【事前調査】を兼ねる

警護位置はアリエッタ達の特別席の可能な限り近く

【第六感】で大規模な戦闘を予感した時点で
上記打ち合わせの通りスタッフ達と連携し
「借り返しのアリエッタ」で優しくしてもらったコレットさんにも協力を頼み
アメジストや演者や来場者を
会場内で丈夫かつ戦場から離れた場所へ誘導

連携交流大歓迎

アドリブA


リザルト Result

「七年に一度のスピリッツ・フィエスタ! 七年ずっと待っていました! 満員御礼、万人喝采! 満を持してのトップバッタァ……!」
 舞台を埋める白煙の中央から昇った影が、光の粒子を纏った風で煙を破る。
 中から現れた紫の歌姫は落下途中で一度浮遊。フワリ、と舞い降りた。
「【アメシスト・ティファニー】!!!」
 会場が一挙に盛り上がる。
 【ヒナ・ジム】と【アリエッタ】も、【コレット・ルティア】、【クオリア・ナティアラール】と共に関係者席から声援を送り、盛り上がる。
 熱気と歓声とは会場の外にいてもまるで衰える事無く、魔物の軍勢らを視認した【タスク・ジム】らにも届いていた。
 アリエッタの事は妹に任せた。もしもの場合も想定し、スタッフの人達とも綿密な打ち合わせもした。出来る限りの手は打ったが、緊張は拭い切れない。
 迫り来る魔物と、巨大怪物と対峙すれば猶更。
 恩讐に駆られた雨の怪物とは違う、数の圧力。
「大丈夫です、タスクさん。会場には先輩方もいます。スタッフの皆さんにも、誠心誠意思いの丈を伝えて来ました。大丈夫です、わたくし達なら」
 【レーネ・ブリーズ】は優しく微笑みかける。
 その優しさに毎度助けらているものの、此度は少し足りなかった。いつも自分の後ろで見守っていた人が、自分に背中を向けて立っている。
 【エリカ・エルオンタリエ】。
 事態の規模に対して、用意出来た戦力の少なさに対する緊張か。
 実際に敵戦力を前にしての不安故か、何だか話しかけ難い。
 彼女を取り巻く魔力が風を生み出し、エリカならざる何かに見せていた。
「二人共、手筈通りお願いします。わたしは、あの大きいのを相手しますので」
「エルオンタリエさん。無茶、しないで下さいね」
「……えぇ」
 巨大な魔物が低く呻く。
 腹の底に響くような太い声が治まると同時、エリカは自ら生み出した追い風に乗る。タスク、レーネが続くが、エリカの加速に付いて行けず、置いて行かれてしまった。
 一人突貫を仕掛けるエリカに、ワイバーンが火球を放って狙い撃つ。
 更に加速して回避したすぐ先の地中から現れた土龍に足を掴まれ、上空から石化を狙うコカトリスが、石化した体を粉砕すべくアーラブルが突進して来る。
「鮮血染華」
 静かに唱えられた魔法。現れ出た魔法陣の中、傷付けられた手の甲から赤褐色が黒く濁った色で噴き出し、濡れる魔物をその場で止める。
 漆黒に塗れて狂った魔物達の、自身の断末魔を察したような咆哮の後、繰り出された杖の一撃が、綺麗な断面を遺して一掃する。
 足を捕まえていた土龍の脳天を殴打。束縛から逃れ、漆黒の外にいたゴブリンとリザードマンへと、風と共に指先で弾く。
 弾かれた先、群れの中に飛んだ超炸裂の種は、その名に恥じぬ威力で爆発。リザードマンに重傷を負わせ、ゴブリンに至っては半数以上を片付けた。
 そのまま雑魚は無視し、巨大魔物へと肉薄。圧し潰すように襲い来る掌底を抜け、俯く顔に向けた杖の先から放ったフドーガで打ち上げ、フムスで叩く。
 顔面を地面に叩き付けられた魔物は沈黙。舞い上がる戦塵から抜けたエリカは、裾を払う。
「部長……」
「ジムさん! 足元!」
 レーネの指示を受け、その場から飛び退く。
 土龍の爪から逃れ、番傘を開いて視界を封じて抜刀。傘を宙へと抛(ほう)って繰り出した刺突にて、土龍の眉間を捉える。
 上空から迫り来るコカトリスとキラーバットがレーネのフドで叩き落され、タスクの剣が薙ぎ斬る。
 仕留め損ねたコカトリスの首を刎ねたタスクは、上空からの火球を躱し、レーネを抱き上げて一緒に距離を取った。
 十頭のワイバーンが二人の頭上で渦を巻くように飛び交い、コカトリスが石化を狙って爪を向け、キラーバットが牙を剥く。
 地上、地中共に、未だ多くの魔物が残っている。
 巨大魔物の巻き添えを嫌ってか、他の魔物が二人を集中的に狙っているこの状況は厄介ではあったが、それだけではなかった。
 何せ今、冷酷な天使が金色に輝ける弓を振り絞っているのだから。
「レーネさん……」
 抱き抱えたまま、レーネに耳打ちする。
 魔物が距離を詰め、襲い掛かって来た瞬間、レーネのスピリアで軽くなったタスクが高く飛び退き、二段ジャンプで更に後方へ跳躍した後、レーネがフドを打ち上げた。
 【シルフォンス・ファミリア】の放つ黄金の矢が空に弧を描き、飛来。地面に落ちた矢に向かって、光の魔力が落雷が如く落ちる。
 天と地を繋ぐ光の柱がキラーバットとコカトリスを跡形もなく滅却。焼却したワイバーンを墜落させ、ジャバウォックとアーラブル、更に地中の土龍まで焼き焦がした。

「落ちましたか。天使の一撃が」
「じゃあ、にぃに達が……」
 曲と曲の間、わずかな静寂と轟音とが重なり、クオリアの耳には最低限の戦況が届く。
 今はアメシストと代わった二人目の歌手が、会場を一体としているところだ。
 七人の歌手が順に歌うが、一人一曲と言う訳でもないし、まだ時間はある。
 問題は祭典の時間よりも、戦う者達の時間か。
「クオリアさん。ヒナも一緒に――」
「今は問題ないようです。あなたは彼女の護衛と、避難誘導を優先して行なって下さい。大切なお友達のためにも」
「アメシストしゃん、また来る?」
「えぇ。それに他の方も凄いんですよ。だから他の方も応援しましょうね」
「うん! アリエッタ! おーえんする!」
 二人目の歌手が歌い始める。
 こちらも人気の歌手らしく、弦楽器を手に激しい曲調の歌を熱唱し、会場を熱気で包む。
「あなたも楽しみなさい。それが、友達のためです」
「……うん」
 開演前に渡しておいたウサギを抱き締めるアリエッタと、ヒナも一緒になって声援を送る。
 熱気立ち込める中、一人冷静なクオリアが意識する戦場では、未だ厳しい戦いが続いていた。

 襲い来るジャバウォックを番傘で受け止め、弾き飛ばす。
 背後から襲い来た個体の眼球を抉るように番傘の先を突き立て、怯んだ隙に翻った勢いで繰り出した刺突で突き飛ばした。
 奏でられる横笛の旋律に背中を押され、リザードマンの剣撃を受けたタスクのカウンターが硬い鱗を突き砕き、肉を抉り飛ばす。
 地中から襲い来る土龍の攻撃を反射的に躱し、二弾ジャンプで取った高さから自重をかけ、開けられた大口の奥にある喉を突き刺した。
 直後、背後から襲い来る二匹のゴブリンが、駆け付けたレーネのスプリーム・クラッシュに薙ぎ払われ、上空から飛んで来た矢に眼球と脳天を貫かれて倒れる。
「大丈夫ですか」
「さすがに、多過ぎますね」
 番傘で弾き飛ばしたジャバウォックが、ゆっくりと起き上がる。
 多少の傷を付けた程度では意味がない。回復の魔法でも掛けられているかの如く、ゆっくりとだが起き上がって来る。
 故に、あれは不死身に感じられた。
 巨大怪物は先程頭を強打したにも関わらず、何事もなかったかのように周囲を駆けるエリカを狙って掌底を落としていた。
 が、エリカも負けていない。
 スプリーム・クラッシュの直接攻撃とフムス、フドーガ、エアルの三つの風で攻め立て、ダメージを蓄積させていく。
 レーネの奏でる旋律によって回復する気力を魔力に転換。繰り出される掌底を舞う様に潜り抜けて、鮮血染華で怪物の意識を狂気に落とそうとする。
 背後からエリカを狙っていたリザードマンが狂気に呑まれて膝を突く中、怪物は上半身を大きく揺らし、ヘッドバンキングでもするかのように頭突きしてきた。
 妖精の踊りにて躱す中で、エリカは見る。
 深く項垂れ、大量の髪の毛に隠れる最奥。エリカの顔と同じくらいの大きさの単眼。それが、リザードマンを圧し潰した口の中で光るのを。
「……!」
 背筋を悪寒が駆け抜けて、一瞬ながら硬直する。
 次の瞬間、項垂れる頭から声が響いて、地面を伝い震動。エリカは揺らめき、悲鳴を上げる鼓膜を守って耳を塞ぐ。
 震動はタスクらにも響いたものの、音が伝わりにくい地中を行く土龍には影響が薄いらしく、今までと変わらず、地中から飛び出して爪や牙で襲い来る。
 更にジャバウォックやアーラブルに手間取っている間に、シルフォンスが撃ち落としていたワイバーンが回復を終えた順に飛翔。
 せめてもの抵抗で飛翔出来ていないワイバーンの首を断ち、胴を貫き、飛び上がる直前にフムスで押さえた翼を斬って落とし、脳天を刺し穿つ。
 結果として三体仕留めたが、他の回復と飛翔を許してしまった。口内に灼熱を蓄え、復讐心に燃える眼光で狙っている。
「ジムさん! 後ろ!」
「晴天灰陣――」
 アーラブルの突進を真正面から受け止め、深く押し込まれながらも下顎を蹴り上げて止める。
 深く沈み込んだ姿勢から腰を入れ、渾身の突きを繰り出した。
「月下白刃!」
 アーラブルの巨体に風穴が空き、陰から奇襲せんとしていたゴブリンらの頭が消し飛ぶ。
 刺突の生み出した余波が他の魔物にも風を浴びせ、その場に踏み留めさせた。
「レーネさん!」
 レーネの手を取り、再び抱き上げる。
 体を軽くするスピリアと横笛の助力を受け、また魔物の群れから距離を取った。
「残りは……」
「ゴブリンは今のが最後です。先程の先輩の攻撃で、コカトリスとキラーバットも殲滅されましたし、アーラブルも、残り一頭だけのようです。しかし――」
 だがまだ、結構残っている。
 半数にまで減ったジャバウォックと、一頭だけのアーラブルはまだいい。
 が、地中から襲い来る土龍。硬い鱗と高い知能を持つリザードマン。そして、空から火球を飛ばして来るワイバーンが厄介だ。
 魔力と気力にはまだ些かの余裕はあるが、疲労は否めなくなって来た。
 しかもそのときに聞こえた。彼らを従え、率いる楽団の演奏が。
 そして見えた、五体のアポカリプを指揮して演奏する、男の姿が。
 彼らは突如地面から湧いて出て来た、ボタレシアに似た悪質なくらい派手で巨大な花の中から、華麗だろと言わんばかりに現れた。
「御機嫌よう、フトゥールムの皆皆様! 此度の演奏は如何でしょうか! 八〇を超える魔物達のパレード、お楽しみ頂けていますか」
「【ザンテ・クリエール】……」
 赤い体液が染みついた黒いコート。痩せぎすの肉。
 狂気をタクトに乗せて振る楽団の団長が、歪んだ笑顔で目尻に深い皺を刻む。
「おやおや、これはこれは……獅子奮迅のご活躍、誠に――」
 無駄話に付き合う気はない。
 前に対面した時もほんの少しの時間だったが、彼にはペースを狂わされた。
 故に今回は、狂わされるより前に叩く。背後で演奏を続けるアポカリプの楽団を相手にするのなら、長期戦に持ち込む理由こそない。
 白銀に輝く刀身を突き出し、風切る刺突で突き穿つ。
 しかし、ザンテに届くより前に不可視の障壁に衝突。アポカリプの演奏が紡ぐ五重の音壁に阻まれたタスクは、繰り出した刺突諸共弾き飛ばされた。
「ジムさん!」
 タスクの下へと駆け付けたレーネだったが、ジャバウォックに囲まれる。
 強く弾かれた弦の音を聞き取ったアーラブルが、強制的に荒モードへと移行。大きく発達し、膨らんだ筋肉を持った巨体を揺らしながら、一歩一歩迫り来る。
「すみませんが、演奏中は他のサービスを御遠慮させて頂いております。皆様のお相手は、パレードスタッフ一同と我が最高傑作にして至高の歌い手、ディーヴァが務めさせて頂きます。何卒、ご容赦を」
「そうかい。なら料金を払わねぇとな」
 奏でられる旋律と魔物達の唸り声の中、冷たい声が寂しいくらいに鮮明に響く。
 次の瞬間、炸裂の種が括りつけられた矢が飛来。先にタスクを弾き飛ばした音壁とぶつかって爆ぜ、黒煙を広げる。
 両脇にタスクとレーネを抱えたシルフォンスが飛び立ち、代わりに翼を射抜かれたワイバーンが落ちて行く。
「ただのクソ外道じゃねぇか。偵察の時にぶっ放しておくべきかとも思ってたが、どのみち仕留められなかったな」
 色々と問い質したい事はある。
 だが、今はそれどころではない。
「戦力不足はわかるが、もう少し要領よくやって欲しいもんだな」
「す、すみません……」
「ごめんなさい、ファミリア先輩」
 だが仕方ない。最早、数の暴力だけではないと理解した。
 真っ向から相対して、ザンテと言う人間の悪質さを知る。
 正気を奪われ、操られ、ある程度の傷ならば強制的に治されて動かされる。死、以外の終幕を与えぬ卑劣さは、理解した瞬間から苛立ちを感じて仕方ない。
 強さ云々はさておき、真っ向から対峙する面で言えばシルフォンスは終ぞ対峙する事のなかった雨の怪物の方がよっぽどマシだ。
 何より、エリカが相手取っている魔物に関しては、もう汚い言葉しか浮かばない。
「タスク・ジム。あの怪物が操られてる推察かましてたが、どうやら甘かったみてぇだ。あいつぁそもそもまともな生物でも魔物でもねぇ。あの化け物はてめぇが作ったのか? ザンテ・クリエール」
「作っ、た……?」
 楽しそうに、愉快とばかりに笑う。
 童心に返り、クイズを出した相手が正解に近付いてくれた。そんな風に一瞬でも見えてしまったから、タスクもレーネも怖かった。
「御慧眼……そう、これは我が同胞の傀儡。魔物にして魔物ならざる者。ローレライを基盤に作成された歌姫、ディーヴァ! 操られている、それは当然。操らねば動かない生きる傀儡! しかし、その歌声はまさに絶世! ディーヴァ! 聴かせて差し上げなさい!」
 高々と上げた両手を振り下ろし、生じさせた風圧でエリカを吹き飛ばして、天を仰ぐ。
 前髪を掻き分けながら横に開いた口の中心で、巨大な眼が周囲を見渡し、シルフォンスらを見つけて息を吸い込み始めた。
「タスク・ジム! レーネ・ブリーズ! 俺の後ろに回れ!」
「でも、エリカ部長が!」
「いいからさっさとしやがれ!」
 エリカも、間に合わない事は察している。
 せめてもの抵抗とフムスを重ねて軌道を変えようと試みるが、先程効いたのが嘘だったかのように動じず、ビクともしない。
 ならば唯一の死角である猫背の下に潜ろうと走ったが、両足を二体の土龍に捕まった。
 直後、爆ぜる。
 声と認識するのは難しい音の爆弾。凄まじい声量とビブラートが織り成す震動とが炸裂する爆弾が、戦場中央へと投下された。

 同時刻。
 コレットは一人、爆弾の音を聞いた。
 恐ろしい事に、現在五人目の歌手が歌う会場内部は熱気と爆音とで周囲への注意力が散漫となり、客席の誰も外の惨状に気付いていない。
 スタッフも何人か気付いている程度で、全員気付いている訳ではない。なので躊躇われた。
 今から外の事態を会場内にいる全員に伝えて、避難するまでにどれだけの時間が必要か。
 状況を理解させるための説明し。避難誘導をパニックを起こさないように――言うは易い。
 規模が大き過ぎて、スタッフ総出でも対応し切れるかどうか不安だ。パニックでもなったら、それこそ収拾がつかなくなる。
「ヒナ! スタッフのひとたちにおねがいしてくる!」
「……そうですね。では、お願いしてもいいですか?」
「うん!」
「ヒナちゃん、どこか行っちゃうの?」
 話を聞いていたアリエッタが、不安そうにヒナの袖を引っ張る。
 内心抱えていた不安を煽られたヒナは言い難かったが、言うしかなかった。
「だいじょうぶ! にぃにたちも頑張ってる! ヒナも、できることをしなきゃ! アリエッタは――」
 トテトテと、足音こそ聞こえないものの、そんな感じの小さな歩幅でやって来る。
 ツンとした態度で皆の顔を見上げながら脚を潜って来たケットシーが、尻尾でアリエッタの腕を絡み取り、来いと促すその首には、専用の許可証らしき物が下がっていた。
 見覚えのあるケットシーに誘われるまま、一行は後を付いて行く。
 席を抜け出し、関係者用通路も難なく通過。誰にも咎められず止められず、戸惑っている間に到着した。
「連れて来てくれたのね、ありがとうケット」
 最初とはまったく違う姿に変貌を遂げたアメシストの膝の上に、ケットシーが座る。
 衣装の上に乗られれば嫌がりそうな衣装担当が何も言わないからして、この程度は日常茶飯事の様子。その証拠に衣装についた体毛を払うべく、既にメイク担当がスタンバイしていた。
「突然ごめんなさい。少し大変みたいだったから」
「お! 何何、アメシスト! この世の物とは思えない天使!」
「従姉妹!? 妹?! わぁ、可愛い!」
 今回の参加歌手の中で、メイク室を同じにする比較的若手の女性歌手が集まって来る。
 ヒナは脇を抱えて持ち上げられ、アリエッタは抱き締められて頬を擦りつけられる。
 幸せいっぱいの光景に現状を忘れかけていたコレットはふと我に返り、そんな場合じゃないと訴えた。
「外で暴れている魔物の実力が、こちらの想定を超えていました。すぐさま避難しなければなりません。皆様、スタッフに避難誘導を呼び掛けて頂けませんか」
「お願い、アメシストさん!」
「そうね。だけど、うん……」
「お願い、します……」
 必死で懇願するヒナの目に、ジンワリと涙が滲んで来る。
 今もこうしている間に兄を含めた人達が必死になって戦っていると思うと、早く何とかしたいのに、何も出来ないのが悔しくて、涙以外に出せる物がないのがイヤだった。
 が、そんなヒナの目尻から、アメシストが涙を拭う。
「心配しないで。みんなが頑張ってくれてるのは、知ってるから。でも私から一つ、お願いがあるの」
「おね、がい……?」
 アリエッタも首を傾げる。
 マイクを持つのも苦労しそうに見える細い指の手が、二人の小さな手を掬い取った。
「二人共、私達のステージに出演しませんか?」

 ディーヴァの咆哮が轟く。
 音壁を敷いたザンテと楽団だけ無傷で、他は全て吹き飛んでいた。
 タスクに庇われる形で倒れていたレーネは起き上がり、鼓膜が破れていない事を確認しながら、裂傷だらけの耳の中に溜まった血を掻き出す。
 周囲を確認しようとして、レーネは遅れて起き上がったタスクと共に言葉を失った。
「ファミリア、先、輩……」
 攻撃が来る直前にアーラブルを仕留め、背中に担いで盾にしたらしいが、直撃を受けたアーラブルの皮膚と肉とが剥がされた無惨な姿を見せられては、とても無事には思えなかった。
 羽を散らせる湾曲した翼が、痛々しい。
「先輩!」
「大声を出すな、頭に響く。エリカ・エルオンタリエはどうなった」
「……そうだ。部長、エリカ部長は?!」
 起き上がって来るリザードマンやジャバウォック。
 先に墜落させられながらも、未だワイバーンらも、鎌首をもたげて唸る。
 それらよりずっと先。ずっと奥の方で、原型の留まっていない元土龍が二匹、潰れていた。
 最悪の未来を想定したタスクだったが、二匹が今わの際まで押さえていただろう物を見つけて、吐息する。
 二匹の魔物の赤で濡れた、元ウサギのぬいぐるみ。身代わりになってくれていなかったらと思うとゾッとすらしない憐れな姿が、タスクを一時的に安堵させた。
 そうしてエリカを再度探した時、上空で苦しそうにもがくワイバーンの背の上に見つけた。
 風を使ってディーヴァの咆哮に合わせて飛び上がり、未だ飛行を続けていた数少ないワイバーンの一体の背に飛び乗ったらしい。
 馬の手綱を引くかの如く、首根を杖で押さえ付けて強引に操っていたエリカは、ディーヴァの頭上を取ると躊躇なく飛び降り、気力から変換した魔力によって生じた風を纏った杖を振り下ろした。
 鈍重な一撃が、項垂れるディーヴァの頭を捉える。
 捕まえようと伸びて来た腕の上を走って勢いを付けたエリカ渾身の一振りが、凄まじい風速を誇る風の塊と化して、ディーヴァの巨体を薙ぎ倒した。
「やった!」
「エルオンタリエさん!」
「てめぇら気を抜くな! 敵に囲まれてるんだぞ!」
 シルフォンスの言う通りだ。
 先程の攻撃で巻き添えを受けたジャバウォックは、正直言ってもう敵ではない。
 が、未だ地中深くを泳ぐ土龍が数匹。剣を持って対峙するリザードマンが四体。そして、空に落とされながらも牙を剥き、火球を向けるワイバーンが四体と、空を飛ぶのが三体。
 そしてもう、シルフォンスは動けない。
 彼を庇いながら戦うには、二人も消耗が激し過ぎる。今のままで、一体どこまでやれるか。
 事態はすでに、撤退を考慮せねばならない状況まで追い込まれている。
「素晴らしい! 素晴らしいです、フトゥールムの皆皆様! 是非ともディーヴァのバックダンサーとしてスカウトしたい! 如何ですか? 如何でしょう」
「訊くまでもないでしょう。答えは、ノーです!」
 飛び掛かって来たジャバウォックを月下白刃にて貫き、突き飛ばす。
 ジャバウォックを盾に陰から襲い掛かって来たリザードマンの剣撃を受けたが、それすらも囮。背後から襲って来たリザードマンの剣撃に背中を斬られる。
 振り返りながら繰り出した斬撃で首を叩き斬り、再度斬りかかって来たもう一体の剣も砕いて、胴を貫いた。
 が、死に際に刀を握り取られ、這い出て来た土龍に足も取られて捕まったタスクの肩を、リザードマンの剣が死に逝く仲間の体ごと突き穿つ。
「いい加減鬱陶しいな……」
 皆の意見を代弁した口で矢筈を噛み、解き放ったシルフォンスの狙撃が見事、土龍の側頭部に命中。これで全ての土龍を仕留められた。
 だが同時、シルフォンスがまだ戦えると知った残りのリザードマンとジャバウォックが、シルフォンスを狙い始める。シルフォンスに撃ち落とされたワイバーンらも、口内で灼熱を燃やしながら、ゆっくりと脅すように迫って来た。
「ファミリア先輩!」
「こっちはいい! てめぇはタスク・ジムの補佐だ! 俺を助けようなんざぁ百年早ぇ!」
 要はダメージの大小より戦力の有無を考えて、動けない自分よりタスクを助けた方が生存ないし逃走出来る確率が高いだろ、とかなんとか、クオリアならば要約していそう。
 まぁ、単にプライドが許さないだけな気もするが。
「わかりました……ご武運を!」
「今更だな」
 今はシルフォンスを信じるしかない。
 窮地に立たされているのは、二人だけではないのだから。
「断られてしまいましたか、残念……しかし、あの方は踊って下さる様子! さぁ、歌いなさいディーヴァ! 妖精が如き可憐な踊り子に、あなたの歌を捧げるのです!」
 吹き付け、圧し付け、叩き付ける風の中、大きく揺らしながら上半身を持ち上げる。蛇の尾を叩き付けて地面を割ると、天を仰いで咆哮。妖精の踊りにて回避するエリカ目掛けて、でたらめな力で掌底を落とす。
 レーネの演奏による補助がない今、魔力に変換出来るだけの気力もない。つまりは魔力もほとんどない。ここまでほぼ無傷を誇って来たが、さすがに限界が近いか――。
 そう、不安が過ぎった時、エリカは見た。見てしまった。
 全身傷だらけでも剣を握るタスクと、彼を支えるレーネ。最早意地と根性でリザードマン相手にヘッドロックを決めて足掻くシルフォンスのグチャグチャになった翼を見て――硬直した。
 だから捕まる。今までが嘘のように、呆気無く。
 自ら禁じた手まで使って、命投げ出す覚悟で飛び出て、結果、背後は悲惨な有様。
 皆を守ると決断して、皆を死守すると決めて、結局無傷だったのは自分だけ。後悔ばかりが、胸に積もる。
「さぁ歌を! 踊り子には歌が必要です! ディーヴァ!」
 捕まえる手諸共、ディーヴァの衝撃波に変わる歌声が響く。
 エリカの全身がナイフで裂かれたように切れて、赤い体液を弾かせた。
「素晴らしい踊りでした。彼女も持ち帰って、踊り子として作り変えて頂きましょうか」
「そんな事――!」
「タスクさん!」
 よろめいたタスクへと、巨体を揺らしながらワイバーンが迫る。
 それでもエリカを助けようと立ち上がろうとしたとき、背後から走って来た何かがワイバーンの頭を足蹴に、大口を開けるディーヴァへと跳び込んでいった。
 大気を焼き裂く青白い雷電が、大口の中で見開くディーヴァの目に映る。
「キラ・カルマ――!」
 ディーヴァの悲鳴が轟く。
 雷電を纏った拳がディーヴァの顔面を歪ませ、尾の先まで走った雷電が炸裂した。
 拘束から解放されたエリカを受け止めたクオリアが、地面を砕き割って着地する。
「クオリア先ぱ、い――!?」
 不意に落とされたかと思えば振り返った直後に胸座を掴まれ、思い切り頭突きされる。
 文句も浮かばず呆然と見上げるしかないエリカを、砕け散る左腕に構う事無く睨んでいた。
「誰が身を捨ててまでして戦えと? 私の前で死ぬつもりですか?」
「でも、わたしがやらないと――」
「言い訳は結構。あなたの強い責任感こそ認めますが、捨て身で掛かれば勝てるなどと、私の前で良い度胸ですね。もう二度とそのような考え方が出来ない様、私が殺して差し上げます」
 クオリアの言葉に呼応するかのように、もう一方も動く。
 高々と掲げられて掌で回る三叉槍の石突が地面に突き立てられた瞬間、天を衝かんと伸びる水柱が地中から噴き出し、ジャバウォックの巨体を持ち上げながら貫いて、ワイバーンとリザードマンの鱗の亀裂を生じさせ、空を飛んでいた個体を撃ち落とす。
 激しく荒々しい攻撃を見せた直後にシルフォンスへと駆け付けたコレットは、痛々しい背中に抱き着いた。
「重いから止めろと言ってるだろ」
「我慢して下さい。今は回復が優先です、シルフォンス様」
 舌打ちしながらも、受け入れたシルフォンスの傷が徐々に塞がり、流血が止まる。
 己が生命力を分け与え、回復を促すコレットの魔法によって息を吹き返したシルフォンスの放つ矢が、タスクとレーネを側面から襲おうとしていたリザードマンの側頭部を貫いた。
「そら、今の内だ」
「はい! タスクさん、これを」
「ありがとうございます。でも、一本はレーネさんが」
「……はい」
 共に、満身創痍なのは変わらない。
 二人で魔法薬を飲み、体力を回復させた。
「コレットてめぇ、チビ二人のお守りはどうした」
「心配無用です。少なくとも、こちらよりは」
「そいつぁ手厳しい。なら、さっさと片付けるぞてめぇら」
『はい!!』
 先のコレットの一撃で、残っているリザードマンとワイバーンももう虫の息。後は止めを刺すだけだ。
 また飛ばれると面倒なワイバーンを優先に、タスクとシルフォンスで的確に急所を突き、痛みを感じさせる間もなく仕留めていった。
 そうして雑兵掃除を終えたタスクは、真っ向からザンテへと飛び込んで行く。
 魔物らにはなるだけ痛みを与えぬようにと加減していたが、彼に情け容赦はない。確実に、仕留める事だけを考える。
「月下白刃!」
 濃厚かつ重い低音が、繰り出された刺突を止める壁と化す。
 摩擦で生じる火花に臆する事無く突き続けるが、またも不可視の防壁に阻まれた。
「あぁ! 素晴らしい! 何度やられても起き上がる不屈の精神! 未だ光を失わぬ強い眼差し! 良い! 凄く、良い!」
 本心なのか挑発なのか、とにかく腹立たしく気持ちが悪い。
 ディーヴァの件といい、目的といい、問い質したい事は山ほどあるが、答えて貰えるとは思えないし、刃すら届かないのが何より悔しい。
 が、突然ザンテが表情を変える。
 変わらず冷める事のない熱気と共に会場から伝わって来る、温かく優しい抱擁のような歌で。
「何ですか? この、幼く粗末で不完全な歌は……こんな、こんなものが七年に一度の祭典に、流れて良いと思っているのか?!」
「だから、良いのですよ」
「何か仕組んだのか」
「いえ、依頼です。アメシスト・ティファニー含め、祭典に参加した歌手全員の!」

 歌に籠める祈りは十人十色。
 詞、曲、衣装。全てに籠められた想いがあり、意思があり、心がある。
 今、ヒナ・ジムとアリエッタを前に置き、共に歌う歌手らは祈る。この歌は七柱の精霊王ではなく、自分達のために戦ってくれている七人の英雄の卵達のために。
 ヒナも兄のため、みんなのために心を籠めて歌う。
 負けないで。頑張って。みんなならきっと出来る――そう、信じていると。

「アメシスト・ティファニー、あれも只者じゃあねぇなさては。歌で元気づけやがる」
 シルフォンスの言葉はすぐにわかった。
 体に力が戻って来る。気持ちがグッと強くなる。魔力が全身に満ちて来る。
「こんな、こんな雑で幼稚な歌、私は認めません! 認めませんよぉぁ――!」
「妹の歌、馬鹿にしないで頂けますか」
 気が動転して、防壁が展開されなかった隙を突く。
 片腕を突き飛ばされたザンテは悲鳴を上げながら倒れ、直後に巨大な花が閉じて地中に潜っていく。逃がすまいとしたタスクにディーヴァが掌底を落とし、立ち塞がった。
「奴はいい! それよりこの化け物だ! ってかクオリアてめぇ何自爆技使ってんだ!」
「自殺行為は彼女も一緒です。こうなるより前に止めて頂きたかったですね。全員、後でお説教です」
 ディーヴァよりクオリアが怖く感じるのも、気力が回復した証拠なのだろうか。タスクとレーネは、揃って首を傾げる。
 エリカは落ち込んだ様子で俯いていたが、再生したばかりのクオリアの手に小突かれた。
「後でお説教と言ったのです。今は敵を倒す事に集中なさい。一撃で、決めますよ」
「……はい!」
 大きく息を吸い込むディーヴァに対し、エリカは与えられた全ての魔力でクオリアが纏う風を編み、レーネは祈る様に強き言の葉を捧ぐ。
 放たれた咆哮をコレットの水が何重にも重なって威力を削ぎ、タスクの月下白刃とシルフォンス渾身の一矢とで相殺。そして、クオリアが飛ぶ。
 一発限り。後先考えないからこそ出来る一撃必殺の自爆特攻。
「デス・カルマ」
 繰り出したクオリアの腕諸共、ディーヴァの胸部が爆散。核を失った事で機能を停止した怪物は、最期に声一つ遺す事無く消滅した。
「クオリア先輩!」
「先輩!」
「問題ありません。すぐに治ります。それよりも、忘れていませんね? 正座」

「にぃに! ヒナ、怖かったよ……」
「よしよし。応援してくれて、ありがとね」
 兄の腕の中で、ヒナは堪えていた不安を涙に変える。
 アリエッタはアメシストからサインを貰って、大いにはしゃいでいた。
「また、お歌うたおぅね」
「えぇ、また」
「結局、彼の目的は何だったのでしょうか」
「知らね」
 レーネの質問をシルフォンスは一言で一蹴する。
 エリカは一番長く説教されたせいか大人しくて、回復のために眠るクオリアを見下ろしながら。
「次はもっと、上手く……」
 としか、言えなかった。



課題評価
課題経験:153
課題報酬:4320
精霊王らの宴、スピリッツ・フィエスタ
執筆:七四六明 GM


《精霊王らの宴、スピリッツ・フィエスタ》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 1) 2021-09-01 08:21:18
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!
よろしくお願いいたします。

せっかくの歌の祭典を邪魔する輩を成敗して、
歌姫とお客様方を守り抜きましょう!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 2) 2021-09-01 21:10:47
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

敵が多いけど、リーダーを先にやっつければ、敵を全部倒せなくても
戦意喪失して撤退してくれないかしらね?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2021-09-01 23:05:05
部長さん、よろしくお願いします!

確かに、少人数であればそこに活路を見出すしかないですね・・・

「すべての撃破が成功条件」と明記してあるし、
前回のザンテ登場エピ「月下戦陣」でも逃げられてしまったので
厳しいかもしれませんが、下書きプランには
「ザンテを狙える好機があれば狙う」旨を書いてはみました。

そして、僕が考えている作戦は完全にウィッシュ案件なのですが・・・

「また後半、敵がディーヴァだけとなった場合、特殊なサポートを受けられます。」というレギュレーションが気になってまして、
もしかしてこのディーヴァ、正気に戻るのでは?と推理しています。

そこで、ディーヴァの音波にアメジストが絶対音感でピタっと合わせ
ハーモニーの楽しさを思い出したディーヴァが正気に戻るという
トンデモ展開を、ウィッシュに書いてみたいと思っています。

これは、ザンテの首を取るより無茶かもしれませんが、ロマンです。
このロマンにどれだけの文字数を割くべきか、じっくり考えつつ、
部長さん、そしてこの後参加してくださるであろう皆さんの
忌憚のないご意見をいただければ幸いです。(早口)

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 4) 2021-09-02 00:56:24
>ザンテ狙い
撃破まではならなくても、リーダーが逃走すれば、配下の士気も下がって撤退してくれるかもしれないし、
可能な範囲で狙っていきたいと思うわ。

>ディーヴァを正気に
ザンテ狙いと同じで、不利な状況をひっくり返すための賭けとして、
一考の余地はあると思うわ。
だけど、ザンテ狙い以上に根拠や確実性に乏しいのが難点ね。

どちらの案も、また正攻法で全部の敵の撃破にしても
失敗する可能性はそれなりにあると覚悟して、
最終的な非戦闘員の安全の確保など、最悪の状況時の想定はしておきたいわね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 5) 2021-09-03 06:14:13
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。

てきがいっぱいいる、ファミリアさんの一斉投射で、
一網打尽にしてもらえるようにてきをしっかりあつめるか、
スプリーム・クラッシュとかで範囲攻撃するか、でしょうか。
かんがえてみますね。

よろしくおねがいします。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2021-09-03 08:32:25
レーネさん、よろしくお願いいたします。
秘密情報部三役そろい踏みですね!

部長さんの言われるとおり、安全確保策を考えるなら
避難誘導かなあ・・・しかし戦闘しながらだと難しそうですね。
劇場主催者と打ち合わせて段取りを整えておくとか・・・

レーネさんの言われる、敵を集める作戦は有効そうですね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 7) 2021-09-03 18:33:22
敵を集めて、ファミリアさんの一斉掃射を活かすには・・・

僕にできることは、勇者原則と挑発でとにかく多くの敵を自分の目の前に惹きつけることですね。

例えば、お二人にお願いするとすれば、魔法による遠距離攻撃が出来るので、
集団の外側を狙って撃っていただいて、集団の規模(面積?)を少しづつ狭めていく、ということが考えられます。

充分狭まったところで、どーんと!シルフォンス先輩にお願いする、というのはどうでしょうか?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-09-03 18:40:01
非戦闘員の安全確保策として、
戦闘前のアクション記載を以下のようにしてみました。

***

事前に大規模な襲撃を想定した避難誘導をイベントスタッフたちと打ち合わせ
戦闘から手を離せないであろう自分たちに代わり観客の誘導とケアを依頼
「あなたたちを信頼し僕たちは戦います」と熱く訴えて
スタッフたちの【信用】を獲得したい

《新入生》 ヒナ・ジム (No 9) 2021-09-04 23:02:28
ちこく、きこく~!ヒナ・ジムです!よろしくおねがいします!

ヒナはね、アリエッタとお友達だから、ずっとそばにいてまもるよ!

あと、にぃにの「うちあわせ」をおぼえておいて、
すたっふさんをてつだって、おきゃくさんをまもるよ!

あとは・・・これは、「うぃっしゅ」ってことになるけど、
【第六感】と【幻視】をくみあわせて
「あっ、にぃにがよんでる!」っておもって、
アメジストおねえちゃまを、にぃにのとこへつれていくよ!
・・・ということが、できるといいなあ(*^^*)

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 10) 2021-09-04 23:34:42
わたしは範囲攻撃で雑魚散らしを行うので、
避難誘導やシルフォンスさんへの指示は、他の人にお願いするわね。

《新入生》 ヒナ・ジム (No 11) 2021-09-04 23:41:15
ぶちょおさん、よろしくおねがいします!

ヒナはひなんゆうどうをいっぱいがんばります!(文字数結構割きました)

でも、シルフォンスさんの指示はむずかしそう・・・
にぃにもよゆうないみたい、です・・・

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 12) 2021-09-04 23:59:20
「雑魚集団が十分小さくなる瞬間を推測し
シル先輩に一斉射撃合図」

ギリギリねじ込んでみましたよ!!

いよいよ出発ですね!お互いご武運を!!