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ある日ある時、食堂前でのひと騒ぎ。


ストーリー Story

●芸術コース授業風景。
 初等科の生徒達は胸像を囲んでイーゼルを構え、一心不乱に手を動かす。
 誰も喋るものはいない。紙の上を鉛筆が滑る音だけが響いている。
 ――授業終了のベルが響き渡った。
 鹿のルネサンスである監督教師が言う。
「――はい、皆、それまで。手を置きなさい」
 呼びかけ通り素直に手を置くもの、最後に数本急いで線を書き加えるもの、逆に消すもの、それぞれだ。
 教師は生徒の間を巡回しつつ、一人一人にアドバイスをかけて行く。修正のための赤鉛筆を片手に。
「うーん、もう少し全体を見て。こうやって中心線を引くと分かるが、左右バランスが崩れているよ」
「うん、いい。形は完全だ。でも、影の付け方がいい加減だ。雰囲気で描いては駄目だ」
「ここだけ光の当たりが逆になっているね。もっとよく対象を見て」
 この秋フトゥールム・スクエアに入学した新入生【トーマス・マン】のところまで来て教師は、ほう、と片方の眉を上げる。
「なかなかよく描けているね。形も影も正確だ。細部がやや、食い足りない感じもするが――どこかで絵を習ってきたことがあるのかい?」
 トーマスは、やや緊張しながら答えた。
「はい、あの、少しだけ教えてもらった事があるんです。画家の人から……」
 近くの子が彼の絵をのぞき込み、感嘆の声を上げる。
「本当にうまいや」
 それに引き続き、後ろの方で数人のひそひそ声が交わされる。
「あの子、この間開催してた展覧会で、賞をとった子だよ」
「ああ、道理で……わたしも見に行ったんだ、あの展覧会」
「出品した?」
「ううん、わたしはしてないけど。ほかの展覧会に出す絵に集中したかったし。でも、そうした子は何人かいるよ……」
 そのうちの一人がちらと、とある生徒に視線を走らせた。
 その生徒はクラスの中で、一番年かさのようだ。12、13というところか。
 数人の友達と何事か話し合いながら、トーマスの方を忌ま忌ましそうに見ている。

●喧嘩の売り買い
 お昼。
 トーマスは食堂に向かっていた。入学してまだ日も浅いながら、早速友達になった子たちと一緒に。
「すごいなトーマスくん、チップス先生から褒められるなんて」
「滅多にないことだよね」
「そうなの?」
「うん、そうさ。あの先生すごく厳しいんだ」
 とそこに、声をかけてきた者がいる。先程トーマスを見ていた同クラスの生徒【ロンダル・オーク】とその仲間数人だ。
 公平に見て彼らは、最初からトーマスに対し喧嘩腰だった。
「おいお前、ぽっと入ってきて、あまりいい気になるなよ」
 トーマスも相手が敵意を持っていることを感じ取る。自然、反応が荒くなる。
「いい気って何。僕は何もしてないよ」
 ロンダルは仲間に対し、トーマスが言ったことをおうむ返しにしてみせた。
「『何もしてないよ』だってよ」
 それを聞いて彼の仲間が笑う。
 間髪入れずトーマスが言った。
「なに笑ってんの。その人、僕の下手な口真似しただけなのにさ。面白くもなんともないじゃない」
 空気が一瞬固まる。
 トーマスと一緒にいた子たちは彼の袖を引っ張り、先に行かせようとするが、トーマスは頑としてその場から動かない。ロンダルを睨む。ロンダルもまた睨み返す。
「お前、カサンドラ賞展覧会とかいう昨日今日出来た催しに出品して賞取ったからって、勘違いするなよ。あんなもの、ただのホテルの客寄せ、素人展覧会だからな。キワものばかりで、描く方も選ぶ方もずぶの素人だろ。そこで選ばれたからって、ここじゃあ、三文の値打ちもないんだよ」
「キワ物があったのは確かだけど、ほとんどはそうじゃない作品だったよ。見に行ったならそういうことが分かると思うんだけど。そもそもカサンドラ賞のみならずほかの賞の審査も、学園の先生たちが多数当たってたよ。先生たちは絵に関して素人なの?」
 トーマスの言うことの方が正しいので、ロンダルは、まっこうから彼の言い分を否定することが出来なかった。だもので、意図的に話をずらしてくる。
「そもそもな、カサンドラなんてたいした作家じゃないよ。少なくとも俺は好かないね。やたら感傷的で、テーマも似たり寄ったりで。まあ、ああいうのが好きな人間もいるから、そこはしょうがないけど、早世したってことで不必要に評価を上げられ過ぎなんだよ。もっと長生きしてたら、絶対飽きられてたさ」
 その言葉は、カサンドラがどのような思いを持ってリバイバルになったか、またどうやって第二の死を遂げたか知っているトーマスには、到底受け入れられないものだった。
 眉間にしわを寄せ、きつい言葉を言い放つ。
「へえ、そう。じゃあ君も早世してみたら? そしたら評価が今より上がるよ。多分ね」
 ロンダルはカっときた。自分が売った喧嘩ながら、こうもはっきりした形で強烈に返されるとは思っていなかったのだ。
「なんだとお前、もういっぺん言ってみろよ」
「耳が遠いの? 早世してみたらって言ったんだよ」
 ロンダルの手が先に出た。
 トーマスの手が直後に出た。

●まずは引き分け
「うおーい、喧嘩だ喧嘩だ!」
「食堂の近くで喧嘩だぞー!」
「ほんと、どこの生徒?」
「芸能・芸術コースの奴だってよ!」
「へえー、あそこの連中が暴れるのは珍しいな」
「戦神・無双コースか、魔王・覇王コースなら珍しくもないけどな」
 テンプラ蕎麦をすすっていた【ラビーリャ・シェムエリヤ】はその声を聞いて即座に立ち上がり、現場に向かった。
 ついてみればそこには、ほかの生徒に押さえられたロンダルとトーマスがいた。
 二人とも相当にやり合ったらしい。髪も服も乱れているし、顔は打ち跡で赤くなっている。
「あ、先生。ちょうどいいところに。この二人がもう、激しくぶちあってまして……」
 トーマスを押さえている【アマル・カネグラ】の言葉を手で制したラビーリャは、当事者たちを問いただす。
「……二人とも、一体何がどうしたの?」
 ロンダルもトーマスも答えなかった。黙ってお互いを睨み合っている。
 ラビーリャは厳しい顔で腕組みをし、彼らに言った。
「言えないような理由なの?」
 そこで、トーマスとロンダルの連れが口を開いた。
「あの……」
「それが……」
 彼らから喧嘩の理由を聞いたラビーリャは、はあ、と息をつく。
「……二人とも、ちょっと職員室までおいで。そこで改めて話をするから……」




エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-12-10

難易度 簡単 報酬 通常 完成予定 2021-12-20

登場人物 5/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。

解説 Explan

朝晩冷えるようになりましたね。
今回は、『ご自慢の絵を持っといで』に繋がる話です。
生徒同士の喧嘩についての、先達としての後始末をお願いいたしたく。

トーマスは無事学園に入学しましたが、平穏無事に順風満帆とはいかないよう。
世の中いろんな人がいますからね。ましてこれからグングン成長して行くお年頃。ぶつかり合うのが正常といえば正常です。
ラビーリャ先生と一緒に、この諍いをうまいこと収めてください。

ロンダル・オークは優秀な生徒です。才能もあります。ただ、他者の才能に対しねたみそねみの感情が強いのが難点と申しましょうか。俺より出そうな杭は早いうちに叩いておこうと思うたちのようで(でも腕力はない)。そういうところを直したら、才能ももっと伸びていくと思うのですが……。
NPCへの絡みは自由自在。
エピソード本文に顔を出しているNPCは、【アマル・カネグラ】【ラビーリャ・シェムエリヤ】ですが、その他のNPC(学園関係に限る)も召喚可能です。

※これまでのエピソードやNPCの詳細について気になる方は、GMページをご確認くださいませ。
そういうものが特に気にならない方は、確認の必要はありません。そのままプランを作成し、提出してください。エピソードの内容に反しない限り判定は、有利にも不利にもなりません。


作者コメント Comment
Kです。
トーマスは元気です。学園に入学し、あれこれ経験を積んでいる真っ最中です。
先輩方におかれましては、トーマスを、よき方向へ導いてあげてくださいませ――よろしければ、ついでにロンダルも。





個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:60 = 50全体 + 10個別
獲得報酬:1200 = 1000全体 + 200個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【ロンダル・オーク】さんの名前から『王冠――新たな保護要請』で
ウルドさん襲撃犯ではないかと名をあげられた【トリス・オーク】さんの事を思い出し
2人が身内や家族である可能性を感じ調べてみる

事前調査でロンダルさん・トリスさんとその家系について図書館や噂で下調べ
2人の関係性を見つけたい

予想が外れている可能性もあるが、ロンダルさんの実家を見に行き
縁があればウルドさんの方の事件の手掛かりも得られないか頑張る

実家へは喧嘩の件は知らせず、学園で頭角を現し、将来有望で頑張っていると伝える
しかし、故郷や家族と離れていることで寂しさも覚えているようなので
励ましの手紙を書いて欲しいと頼む

手紙を待つ間に実家周辺で噂集め

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:75 = 50全体 + 25個別
獲得報酬:1500 = 1000全体 + 500個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
トーマスさん、ロンダルさんの喧嘩の仲裁
仲直りは無理でも……暴力に訴えたことは互いに謝罪するように話を進めたいです

◆流れ
まずはふたりから、双方の言い分を聞く必要がありそうですね

ふたりの言い分を聞いたら、一旦、各々を別室に分けて、更に個別に話を聞けば、互いが居ると言いにくいことも話してくれるかも

その後は、ふたりを引き合わせて大丈夫そうなら引き合わせて、最低でも互いの暴力に対しては謝罪するように
できれば仲直りできたら上々です

◆分担
私は各々を別室に分ける際に、ロンダルさんの言い分を聞きにいきます
話を一通り聞いてから、こちらが思うことを伝えたりして、なるべく頭ごなしの否定にならないようにしましょう

朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:60 = 50全体 + 10個別
獲得報酬:1200 = 1000全体 + 200個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
トーマス様の喧嘩の話を聞き、急いで職員室へ向かいますわ。喧嘩のいきさつを聞いた後、トーマス様、ロンダル様、それぞれに私の想う所をお話してみようと思います

別室に分けてそれぞれのお話を聞く際、私はトーマス様達の教室へ行き、お二人の画材を持ってきます。その上で、もし両者の気がどうしても収まらないようなら画材を渡して、絵で勝負をしてみては?と提案してみますわ。殴り合うよりはよほど建設的でしょうし

もし勝負するなら、言い出しっぺの私がモデルになりますわ。ただ時間を考えるとデッサンがよいかもしれません。素の実力が出るでしょうし。それと、勝敗はお互いがお互いの絵を評価して決める、という事を提案いたしますわ

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:60 = 50全体 + 10個別
獲得報酬:1200 = 1000全体 + 200個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
現場に急行し
ラビーリャ先生とアマルくんを労いつつ簡単に事情を聞く

まずは双方の言い分を聞く
【信用】をフル活用で傾聴し
揉めそうになれば【会話術】や【説得】で流れを捌いて脱線防止

次に二人を別室に分けて詳しく聞き取り
ベイキさんがロンダルくんを
僕はトーマスくんを担当

より詳しく傾聴し
まずは共感
尊敬する人を貶める発言に怒りを覚える気持ちは当然だし
先に手を出さなかったのは偉い

そしてアドバイス
心ない悪口が百や千あろうが
君の大切な人の尊厳は何ら貶められない
無視してよい
君の心の中にいる先生だけが真実だ

むしろ彼は何故そう言ったのかな
他者への批判や攻撃は自分の劣等感の裏返しともいうから
彼ももがいてるのかもね

アドリブA

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:60 = 50全体 + 10個別
獲得報酬:1200 = 1000全体 + 200個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
トーマスさんとロンダルさんの喧嘩の仲裁
できれば互いに謝罪して、いい関係になるといいけど

◆分担
私はアマルさんやラビーリャ先生と一緒に、周りの生徒から喧嘩になった経緯を聞き出して、一応裏取りしとこうかしら

トーマスさん、ロンダルさんのどちらかが嘘をついても、周りの話と違えば……検証することもできるし

◆仲裁
親しき仲で、トーマスさんに思い入れがあるからこそ、どちらかに肩入れせずに中立公正な立場で、ふたりの言い分を聞いて

先に入学した先輩が、気に入らない新入りをイビるのも情けないけど……トーマスさんの「早世してみたら」は言い過ぎだと思うわ

それは、言い方が違うだけで……「死ね」と言うのと同義
それはダメよ

リザルト Result

●子供の喧嘩
 昼食をとろうと【タスク・ジム】が食堂に来てみれば、入り口に大勢の生徒が集まって、わいわいやっていた。
(……何だろう?)
 ひとまず手近な通りすがりを掴まえ、尋ねてみる。
 するとこんな答えが返ってきた。
「芸能・芸術コースの連中が派手に喧嘩してたのよ。名前? ええと、一方はトーマスとか言ってたかなあ」
 まさかと思いつつ人垣を分け騒ぎの中心に向かえば、まさにそのまさかであった。【トーマス・マン】と【ロンダル・オーク】が【アマル・カネグラ】含む複数の生徒に押さえられ、【ラビーリャ・シェムエリヤ】から諭されている。
「……二人とも、ちょっと職員室までおいで。そこで改めて話をするから……」
 ただ事ではないと察したタスクは、一体何があったのか尋ねた。
 アマルが頭をかいて、それに答える。
「僕も詳しいことはわかんないんですけど、なんか、こっちのロンダルくんっていう子がトーマスくんに喧嘩を売ったみたいで――」
 それに対しロンダルが、猛然と反論した。
「売ってない! 売ってきたのはこいつだ! 俺はただ、普通に挨拶を――」
 するとトーマスがやり返した。
「挨拶? ウソつけ! 因縁つけてきただけだろ!」
 そこでラビーリャが鋭い制止をかける。
「静かにしなさいロンダル、トーマス――話は職員室で聞くって言ったでしょう」
 迫力に押され、双方黙り込む。
 そこにタスクと同じく異変を聞き付けた【ベイキ・ミューズフェス】、【パーシア・セントレジャー】、【エリカ・エルオンタリエ】が、やってきた。
 タスクとアマルは彼女らに事情説明をする。
 それを聞いたエリカは気掛かりそうな表情になり、何事か言って場を離れた。
 その後タスクがラビーリャに、こう申し出る。
「仲裁ご苦労様です、先生。あの、僕たちがトーマスくんたち職員室へ連れて行きましょうか? 先生はまだ、昼食を召し上がられてる最中でしたでしょう?」
「……そうだね。そこは、あなたたちに頼もうか」
「はい、分かりました。さ、行こう二人とも。何があったか知らないけど、喧嘩はよくないよ――」
 と言いながらタスクは、ベイキと一緒にそそくさと、トーマスたちを連れていく。
 ラビーリャはやれやれと行った調子で席に戻り、のびかけたテンプラ蕎麦をすする。
 居残ったパーシアが、彼女に、小声でこんな提案をした。
「先生、私はもう昼食を終わらせていますから――よろしければ、アマルさんと一緒に、トーマスさんのクラスで聞き込みをしてきましょうか? 当事者とその友人の証言だけでは、客観性に乏しくて、物事の経緯を判断する材料になりにくいかと思われますので……」
「……そうだね。じゃあ、頼むね。私もこれを食べ終わったら、そちらに行くから」

●ぶつかり合い
 遅れて食堂前の喧嘩騒ぎの話を聞いた【朱璃・拝】は、駆け足で職員室へ向かった。
 そこではもう、タスクたちによる聞き取りが始まっていた。ロンダル、トーマス揃っての。とはいえ、なかなか進展はしていないようだ。当事者二人が黙り込んでいるところからするに。
 折りよくいいタイミングで、ラビーリャたちが戻ってくる。
「二人の様子はどう? 少しは落ち着いた?」
 とのラビーリャの質問にタスクは、察してくれと言わんばかり頭を振った。
「それが、双方どうにもいがみ合ったままで。喧嘩の詳しい事情は、分かりましたか?」
「まあ、おおよそのところは――」
 喧嘩に至るまでの細々した情報を得た朱璃は、ため息をつき、トーマスに言った。
「貴方の気持ちは解りますが、だからと言って人に死ね、というような事を言うのは感心しませんわ」
 パーシアもそれに続く形で、言う。
「トーマスさんの『早世してみたら』は確かに私も言い過ぎだと思うわ。それはやっぱり、言い方が違うだけで……「死ね」と言うのと同義。それはダメよ」
 その言葉にロンダルが、意を得たとばかりに食いついた。
「ですよね! こいつ性格最悪ですよね!」
 朱璃とパーシアは即座に、返す刃で彼を斬る。
「貴方の手は絵筆を握る為の物で、人を殴る為の物ではないでしょう?」
「先に入学した先輩が、気に入らない新入りをイビるのも、相当情けないわよ……?」
 そこでトーマスが、じろりとロンダルを睨む。
「性格最悪なのはお前だろ。僕はただお前が言ったことをそのまま返しただけじゃないか。何が気にくわないんだよ」
「なんだと」
 タスクは急いで二人を分けた。どうもうまくないなあ、と思いつつ。
「はいはいやーめーなーさーい。ここは職員室だよ」
 先生がいない間にも、事情を聞こうとしてみたのだが、ずっとこんな調子。一人が喋れば一人が噛み付くといった形で、いっこうに話が進まない。
(これは、いったんお互いを分けて話を聞いた方がいいなあ……)

●あの子の素性
(ロンダル・『オーク』……)
 その名がエリカには、引っ掛かってしょうがない。何しろ、先頃学園で保護した少年とその家族を襲撃した(かも知れない)人物と、同じ名字なのだから。
 もちろん世界は広いから、同姓同名の人間など、数知れず存在することだろう。とはいえ……。
(まあ、思い過ごしならそれでいいのよ、うん)
 自分自身に言い聞かせながら彼女は、芸能・芸術コースへ足を運ぶ。そこでロンダルについてそれとなく、尋ねて回る。
「彼なんですけど、どのあたりの地域から入学してきた子なのか、教えていただけませんか?」
「ああ、あの子はシュターニャから来てるんだよ。なんか、親の勤め先が一族経営の不動産会社とか言ってたかな。地元でも有名だって」
「そう、ありがとう」
 新情報を得たことによってエリカの抱いていた『まさかね』は『もしかしたら』に変わった。でも、まだだ。『やっぱり』とまでは言い切れない。たまたま偶然同じ会社名という可能性は消えていない。
 続いて図書館に向かい、シュターニャの産業や文化に関する最新の本を探す。
「『オーク』、『オーク』……」
 あった。
 『不動産会社オーク』。
 虫眼鏡をかざし目を皿のようにして付属の地図を確かめるが、不動産関係で同じ名前の会社は、一つも存在しない。
 エリカは会社の住所を書き留め、大急ぎで席を立つ。

●ロンダル個人聴取
「なんなんだよ。あいつは。カサンドラが贔屓の画家なのかも知れないけど、それをちょっと批判されたくらいで、キレまくって――」
 色眼鏡で見てはいけない、とベイキは己を戒める。
 ロンダルはカサンドラの作品に魅力を感じてないと言っている。それは事実だ。しかし絵の好き嫌いは単なる感性の問題。それ自体はよくも悪くもない。
 なにより問題なのは、彼が、自分の気持ちに向き合い切っていないというところだ。
「あなたの言い分は分かりました。でも、どうしてトーマスさんにわざわざ、そういう話を持ち出したのですか?」
 肝心のところは、こんなふうに誤魔化そうとする。
「……別に。ただ、なんとなく」
 だからベイキは思い切って、ぶちまけることにした。彼が口にしたがらない、彼自身の気持ちを。
「……ロンダルさん、あなたはもしかしてこう思っているのではないですか? トーマスは後から来たくせに自分よりも目立ってて、先生の覚えがいい。ああ面白くない、悔しい、妬ましい」
 ロンダルの顔が紅潮した。図星だったようだ。
「そんなことないっ! なんで俺があんな奴にそんな、悔しいとか――」
 ベイキは静かに彼を見つめる。その目には非難ではなく、理解と励ましがこもっていた。
「その気持ち……私もわかりますよ。自分の努力を、否定されたような感覚になりますからね。でも、本当にそうでしょうか?」
 ロンダルは歯を食いしばって、己の膝を見つめる。続けての彼女の言葉を聞いて。
「妬むだけじゃあ、相手の実力を上回ることはできませんし、邪魔して相手を追い落としても……自分の実力が上がった訳じゃない。結局……自分と向き合って、自分の弱みを知って、相手の優れた点を見つけて……相手の技を盗んででも、自分の実力を上げて、彼を追い越すしかないんじゃ……ないでしょうか」

●トーマス事情聴取
「カサンドラ先生のことをあいつは馬鹿にしたんだ。何も知らないくせに」
 トーマス本人から、ロンダルが何を言ったか正確なところを聞き出したタスクは、まず共感を示した。相手の両肩に手を置いて。
「尊敬する人を貶める発言に怒りを覚える気持ちは当然だし、先に手を出さなかったのは偉い」
 それから、こう続ける。でも、という接続語を挟んで。
「心ない悪口が百や千あろうが、君の大切な人の尊厳は何ら貶められない。そういうものは、無視していいんだ。君の心の中にいる先生だけが真実だ」
 トーマスは唇を噛んだ。
 きっと、カサンドラのことを思い出しているに違いないとタスクは思う。自分もまた、そうだから。
「むしろロンダルくんは何故そう言ったのかな。それを考えてみるのも悪くないよ? 他者への批判や攻撃は自分の劣等感の裏返しともいうから、彼も、もがいてるのかもね」
「……そんな繊細な奴じゃないと思うけど」
「さあ、それはどうかな? 人は往々にして、見かけによらないものだよ」

●結論――絵筆で殴り合え
「――ロンダル様もなかなか、辛らつなことをおっしゃいます」
「『カサンドラさんが長生きしてたら飽きられてた』ねえ。そういう可能性も、否定はしないけど……所詮タラレバの話ね」
 パーシアと朱璃は話をしている。トーマスたちが別室から出てくるのを待つ間に。
「結局は作品の需要があるかどうか、多くの人が何らかの魅力を感じて、大金を投じてでも手元に置きたいと思うのか。それだけの魅力をもつ作品を、世に遺せるか……なのかしらね? でも、師匠思いなのねトーマスさん」
「ええ、とても……いい子ですわ」
 別室の扉が二つ、同時に開いた。
 トーマスとロンダルは改めて顔を合わせる。
 ラビーリャが促す。
「二人とも、お互いに何か言うことはない?」
 トーマスとロンダルお互いを見やった。
 どうひいき目に見ても『ごめんね』という顔ではない。
「殴ったことは悪かったね?」
「はい」
「はい」
「じゃあ、そこは謝罪して」
「……悪かったな」
「……悪かったよ」
 繰り返すが、両者どうひいき目に見てもそんな顔はしていない。敵意は分かりやすく継続中だ。
 そこで朱璃が彼らに、聞き取りがなされている間に取ってきた、それぞれの画材を渡した。
「私も小さい頃はよく喧嘩はしましたわ、と今はそれはどうでもいいですわね。お二人とも、まだ気がどうしても収まらないなら、絵で勝負をしてみては? 殴り合うよりはよほど建設的でしょう」
 ロンダルが聞き返す。
「勝負って、誰が判定するんです?」
「それはもちろん、お二人が互いの作品を評価して決めるのですわ」
 えっ、とトーマスが目を見張る。
「ちょっと待ってよ朱璃さん。それじゃ、勝負にならないよ。こいつ、まともな評価なんかしないに決まってる」
「それはこっちの台詞だ! 俺はやらないぞ、そんな無駄な――」
 朱璃がだん、と床を踏んだ。
 トーマスとロンダルは、どきっとして黙る。
「私が拳士である事に誇りがあるように、貴方達にも画家としての誇りがある筈ですわね? それは他者の絵を観る場合でも同じ筈。貴方方は何があってもその誇りを傷つけ芸術を裏切る真似はしないと信じておりますわ」
 ラビーリャが静かに、そうだね、と言った。
「あなたたちは画家の卵なのだから、その土俵で争うのが本当だよ。それが出来ないというのなら――今のコースにいる意味はないね。二人とも、別の道を選びなさい」
 突き放した物言いはトーマスたちの心に、動揺を引き起こした。
 不平不満をひとまず飲み込み、彼らは、朱璃に聞き返す。
「画題は?」
「時間を考えるとデッサンがよいかもしれません」
「何を描くの?」
「言い出しっぺの私がモデルになりますわ」

●実家方面情報
 ロンダルの実家は、シュターニャの都心ほど近い一軒家。なかなか裕福なたたずまい。父親はオ-ク不動産で、役員をしているとのこと。現社長は、その兄だとか。
 本人は仕事で不在だったが、奥さんがエリカの訪問に快く対応してくれた。

「ご子息のロンダルさんは、なかなか成績優秀です。とても頑張っておられます」
「まあ、そうですか。よかったわ。心配していたの。あの子は末っ子だから、ねえ、どうしても気がかりで……わたしは寄宿させることには気乗りしなかったのですけど、主人が、甘やかしてはいかんと申しましてねえ……」
 どうやら夫唱婦随の家風らしい。
 思いながらエリカは、母親に言った。
「そうですか……ですが、わたしの見たところロンダルさんは、故郷や家族と離れていることで、やはり寂しさも覚えているようです」
「あらまあ、やっぱり……」
「ですので、お母様。よろしければ彼に、励ましの手紙を書いていただけませんでしょうか? わたしが責任を持ってお持ち帰りいたしますので」
「分かりましたわ。少々お待ちくださいませ」
 手紙が書き上がるまでの間にエリカは、屋敷周辺をぶらぶら歩き、オーク社長について、いくらか情報を仕入れる。
「ちっと、もめごとを抱えてましてな――ほれ、見えるでしょう。あの『ホテル・ボルジア』と、市の再開発地について係争中なんですよ」
「『ホテル・ボルジア』が開発計画に横入りしてきたんですわ。一部の土地所有権はまだこちらにあるとかで。どうも、後ろ暗い連中を抱き込んでいるみたいでしてなあ。開発地として市に売り渡した個人所有地が、その前にボルジアに売却していたことになっていたと」
「社長は品行方正な方ですよ。慈善活動にも積極的で。今度市議会議員に立候補されるんじゃなかったですかね」

●好敵手
 出来上がった二人のデッサンを見て、タスクは目を見張る。それぞれがそれぞれに、甲乙つけがたい出来だったから。
「すごくリアルだね! この毛並みとかどうやったら、こんなに細かく描き込めるんだろう? トーマスくん、ロンダルくんに聞いてみたらどう?」
 タスクの評につられてトーマスが、ロンダルの絵をのぞき込んだ。
 そして、難しげな顔をした。細部の正確さや質感が、自分のものより優れていたから。
「優しい表情……色づかいからも、暖かい想いが伝わってくるようだね。そう思わないかい、ロンダルくん。どうすれば、絵にこんなにも想いを乗せられるんだろうね」
 今度はロンダルがタスクの評につられ、トーマスのデッサンを見た。
 そして、嫌そうな顔をした。躍動感と生命感が、自分の絵に勝っていたから。
 二人は無言でお互いを見やる。そして認める。相手が、才能を持っていることを。他はともあれそこだけは、認めざるを得ないことを。

●言伝
 後日エリカはロンダルに、手紙を渡した。
 花柄の実にかわいらしい封筒だ。
「はい、あなたのお母様からのお手紙。頼まれたのよ、届けてって」
「あ、そうですか。ありがとうございます」
 そっけなく言ってロンダルは手紙を受け取った。
 彼が大変うれしがってるのだと、エリカにはすぐ分かった。
 去って行く足取りが、いたく弾んでいたので――。





課題評価
課題経験:50
課題報酬:1000
ある日ある時、食堂前でのひと騒ぎ。
執筆:K GM


《ある日ある時、食堂前でのひと騒ぎ。》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-12-04 01:02:52
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

わたしは気になることがあるので、ロンダルさんの実家をあたってみたいのだけど、
人手がないようだったら、学園内で2人のフォローをしようと思うわ。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 2) 2021-12-04 19:42:39
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

とりあえず私はお二人と話しをしてみようかと思いますわ。ロンダル様の妬み嫉みの感情も向かう方向次第ではないかと思いますし、トーマス様も気持ちは解りますが他者に死ねというような事を言うのはどうかと思いますし。


《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 3) 2021-12-04 20:51:39
あまりに過激な争いや憎しみの応酬は不毛だけれど、
身近にライバルがいるという事をいい刺激にして、お互い切磋琢磨してしてくれればと思うわ。
トーマス君とも長い付き合いのある朱璃さんが行ってくれるなら安心なので、
わたしは先の宣言通りに、ロンダルさんの実家へ行って家庭環境などを見てくるわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2021-12-04 22:50:26
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いいたします!
ケンカだ喧嘩だ青春だ~!これぞ学園ドラマの華じゃないですかっ!?

「君も早世してみれば?」とトーマスくんが言った流れは、
仕方のないものだと思いますよ~。
カサンドラさんの残した思いと彼の努力を思うと、
そのロンダルくんとかいうやつの言動には腸煮え繰り返りそうで、
完膚なきまでギッタンギッタンに懲らしめてやりたいくらいですけどねっ

…という気持ちを抑えて、大図書館の異世界書架で読んだ
伝説の教師ゴールデンエイトや、グレートティーチャーオーガみたいに
跳ねっ返りな少年たちを、熱く導いてあげないとですね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 5) 2021-12-04 22:50:38

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 6) 2021-12-06 00:19:41
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。ご挨拶が遅れましたが、よろしくお願いします。
まあ、まずはふたりから、双方の言い分を聞く必要がありそうですね。

そのうえで、一旦、各々を別室に分けて、更に話を聞けば、互いが居ると言いにくいことも話してくれるかも。
その後に、個別フォローして、仲直りは無理でも……暴力に訴えたことは互いに謝罪するように話を進めたいですね。

私は心情的にはトーマスさんの味方寄りですが、ロンダルさんの話を聞いてみましょうか。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 7) 2021-12-06 19:37:50
喧嘩の仲裁は気も使いますし難しいですけれど、お互いが良いライバルになれればいいとは思いますわね。ひとまずはそれぞれが思う所をトーマス様、ロンダル様のお話してみる、という感じになりそうでしょうか。

どうしてもお互いの気が収まりそうになければ互いに絵を描いての勝負で決着をつける、というのもアリかもしれませんが、それはそれで遺恨が残りそうなのであまりやりたくはないですわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-12-06 22:58:35
ベイキさんのおっしゃる通り、
双方の言い分を聞く→別室に分けて個別に話す
という流れが良いでしょうね。

まず第一ラウンドの双方の言い分を聞くターンについては
これから作戦を詰められたらと思いますが、
第二ラウンドの別室に分けるターンは分担出来そうですね。
ベイキさんがロンダルくんを担当してくださるなら、
僕はトーマスくんのフォローに集中出来て有り難いです。

絵で勝負!という方向は、遺恨が残らないよう流れを工夫すれば、
意外と良いかもしれませんよ?

古来、ライバルキャラは夕陽の下で喧嘩して草むらにねっころがり
「なかなかやるな」「オマエモナー」などと友情を深めると言いますし(偏見)

絵の勝負で言うなら、双方の良いところをきちんと評価してあげると、
遺恨が残りにくく、絵を通じてお互いわかり会える可能性を感じます!

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 9) 2021-12-08 19:57:38
>絵で勝負
そうですわね・・・それでは何かしら考えてみましょうかしら?別室に分ける、のターンの際にもし絵で勝負(勝負でなくても何かしらお互いに描いてみる?)のような事をするならその準備なりしてみましょうか?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2021-12-09 08:32:25
朱璃さん、お申し出ありがとうございます!
絵の勝負についてお願い出来れば大変助かります!
もし、別室ターンで大変上手くいってスムーズに和解がなったとしても、
互いに絵を描きあうことはさらなる親善に大変有効と思われ、
それはそれで、良い展開になりそうです。

さて、いよいよ今日いっぱいで出発ですね!
これまでの経過から、流れを確認してみますね。

①双方の言い分を聞く ベイキさん、朱璃さん、タスク
②別室に分かれて個人面談 ベイキさん(ロンダル)、タスク(トーマス)
③絵で勝負! 朱璃さん
◎ロンダル実家調査 エリカ部長さん


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2021-12-09 13:04:23
二人が絵画勝負する場合、「二人の絵がこうあってほしい」という要望(ウィッシュ)と、タスクのコメントを考えてみましたので、良かったらご意見いただけたら嬉しいです。

・ロンダルくんの絵 精緻な建築画または風景画

タスク「すごくリアルだね!どうやったら、こんなに細かく描き込めるんだろう?(トーマスに)ロンダルくんに聞いてみたらどう?」

・トーマスくんの絵 カサンドラ先生の肖像画

「何て優しい表情…色づかいからも、先生への想いが伝わってくるようだね。そう思わないかい、ロンダルくん。どうすれば、絵にこんなにも想いを乗せられるんだろうね。」

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 12) 2021-12-09 19:20:44
>絵
肖像画なり、風景画なり、題材は何でもいいとは思うのですが、勝負なので両者同じ物を描いた方がよいのではないかと思いますわ。あとはこの依頼内で収めるならあまり時間のかからないデッサンでの勝負が良いかと。

あとは勝敗については、互いに互いの絵を評価してもらおうかと。描くだけではなく評価もできないと駄目だと思いますし、絵にもその人の個性が出るでしょうから互いを理解できるのではないかと。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 13) 2021-12-09 21:31:10
あ、カサンドラさんの肖像は不味い気ががが。
カサンドラさんがリバイバル化してたのは、一般に知られた事実ではないので。

でも、トーマスさんの師匠を問われたときに、答えに詰まるのも悩みどころでもあるんですよねえ。
オープンにしたい気もしますが、そしたらルサールカさんの商売に影響が出て恨まれそうですし……。

難しいものです。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2021-12-09 21:53:39
なるほど、なるほど。

勝負というなら、確かに同じもののデッサンが適切ですね。

カサンドラ先生の肖像が、状況的にむずかしいのも頷けます。

それでは、二人の絵についてのウィッシュ案は引っ込めることにして、
何を書くかなど、絵画勝負の詳細は朱璃さんに一任でお願い出来れば助かります。

相互評価で互いの理解を深める狙いはすごくいいと思うので、
狙い通りに行くためには、ベイキさんと僕の面談で、下地作りを頑張らないとですね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 15) 2021-12-09 21:58:04
朱璃さんが、もし、デッサンの題材を検討中の場合は、
以下に、思い付くアイデアを挙げますので、参考になれば幸いです。

・手
・デッサンによくあるやつ(リンゴ数個と花瓶とかそんなの)
・互いの顔
・霊樹
・メメタン像

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 16) 2021-12-09 22:01:42
誰かその場にいる先輩がモデルになっても面白そうね。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 17) 2021-12-09 22:02:33
>師匠
そうですわね、ぼかした方がよさそうですが・・・「自分の名前を出さない条件で教えてもらった」とか?

あと書き忘れていましたが、タスク様のお二人の絵の特徴、でしょうか?こうあって欲しいという希望そのものは問題ないかと思いますわ。

プランは一応提出しましたが、絵の題材については同じ物を描いた方がよいのでは、とだけ書いて特に指定はしておりませんわ・・・

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 18) 2021-12-09 22:07:49
と書き込みをしている間に題材のアイデアを書いて下さっておりますわね。それではタスク様が最初に仰っていた肖像と、エリカ様の案を足して、言い出しっぺの私がモデル、と一先ず書いておこうかと思いますわ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2021-12-09 22:13:05
そうですね~、あ、そうだ!
ラビーリャ先生を描いてもらうとかどうですか??
プロローグで止めに入ってくれた張本人ですし!

先程の案のうち、絵の特徴については問題ないとご意見いただきましたが
(朱璃さんありがとうございます!)
カルマのラビーリャ先生であれば、
ロンダルくんは正確さ、細かさを活かして書けるし、
トーマスくんにとっては恩のある存在なので、感情を乗せられるし。

もしこれでよければ、僕のプランで「ラビーリャ先生をモデルにする提案」が出来ますよ。
また、他にもっといい題材案があれば、そちらを提案することもできます。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2021-12-09 22:14:13
と、もっといい案きましたね!
朱璃さんがモデル、素敵です!
ピンナップの発注が待たれますね(笑)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 21) 2021-12-09 22:19:50
自分のウィッシュのほうも、朱璃さんでイメージができてます。
ロンダルくんは毛並みの書き込みの細やかさ、
トーマスくんは、やはり保護施設で恩のある朱璃さんへの気持ちが乗っている、
という点を評価できたらな、と思います。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 22) 2021-12-09 22:38:08
はい、それでは勝負をするなら私がモデル、としておきますわ。タスク様の方もそれではそれでお願いしますね。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 23) 2021-12-09 22:40:02
王様・貴族コースのパーシア。出発直前だけど、よろしくお願いします。
さて、私はどうしようかしら……アマルさんやラビーリャ先生と一緒に、周りの生徒から喧嘩になった経緯を聞き出して、一応裏取りしとこうかしら。

あとは、個人的な想いだけど……生きてる間に評価される芸術家よりも、世を去ってから評価される芸術家の方が多いと思うのよね。

なかには、生きてる間は大人気だったのに、世を去ったら、いつの間にか忘れ去られてた……そんな人もいる。

流行り廃りがある世界でしょうし、売り手の思惑なんかもあるんでしょうけど、結局は作品の需要があるかどうか。

なのかしらね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 24) 2021-12-09 22:52:07
ふむふむ。
リバイバルだし人生経験の豊富なパーシアさんだからこそ
説得力をもつご意見かもしれませんね。

是非とも、二人に語って聞かせてあげてほしいですね。
今は難しくても、後々理解したり、何かが分かるきっかけになるかもしれませんからね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 25) 2021-12-09 23:40:26
何とか書けました!
聞き取りが初動と個別の2ラウンド制、そして絵画勝負と、
やること盛りだくさんながら、うまく分担出来たと思います。
そして、エリカ部長さんによる調査結果も楽しみです。

今回もご一緒いただきありがとうございます!
良いリザルトになりますように!