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黒き卵の孵化


ストーリー Story

 大陸のあまり人には知られていない隠された何処か。
 地下深くかもしれないし、異世界の果てなのかもしれない。
 海の底にあるのか、川の中にあるともしれない封じの神殿と呼ばれる場所。
 神殿と呼ばれるだけあって外見は神殿である。
 その内部はかなり広く、大きな柱が幾つも立ち並らんでいた。
 柱と柱を繋ぐように、赤いカーテンのような布が道を作っていた。
 年に一度の清掃のおりに、聖女達の力が込められている。
 初めてみる人間は、不思議な感覚を感じるかもしれない。
 その作られたの赤い道の奥には、多くの卵が並んでいる。
 白や青、色々な色があるのだが、それこそがこの神殿に封じられている何かだろう。
 卵の中に何が入っているのか、今は誰も知る術がなく、生まれて見なければ分からない。
 その中に詰まっているのが、人の希望であるとは限りはしないのだ。
 この夜、護られている黒い卵の一つがドクンと鼓動を始めた。
 揺れて、殻にヒビが入り、その内からは何者かの瞳が覗く。
 それに初めに気付いたのは、今宵の見回り役であった聖女見習いの、【ミレイズ・リレイズ】と、【モリガリア・モリモリ】の二人だった。
 二人は今年この神殿に来たばかりの、同い年の少女達である。
 適当に話しながら神殿を見回っているのだが、ミレイズの足が止まって道の横を見ていた。
 何事かとモリガリアがそれを覗くと、ミレイズが大きく叫び出した。
「あ~、割れてるううう! どうしよどうしよどうしよどうしよ!」
「おおおおお落ち着くのよミレイズ、まずは水を飲みに行きましょう。それから一晩寝てグッスリ考えてからもう一度寝るのよ!」
「違うよ、それは落ち着きすぎだよだよ! ていうか寝たら駄目なんじゃないかな?! 何もしなかったら不味いんじゃないの。まずいんじゃないの?!」
「まず一度深呼吸をしましょう。ゆっくりすって~」
 二人は大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出して行く。
『す~~~~はぁ~~~~~!』
 もう一度卵を見るも、やはり卵は割れていた。
『やっぱり割れてるうううううううう!』
 急ぎ走るミレイズとモリガリアは、神殿に居る一番偉い大聖女の【フラベルタ・アイズベルタ】へ報告をしたのだった。
「なにぃ、黒い卵が割れてだとぉ! 急いで封印を施すのだ。一週間は徹夜を覚悟せよ!」
 フラベルタの命令で二人は強制的に卵の封印を任された。
 三人で封印に挑むのだが、張られた結界の内側で卵が暴れ回っている。
「きゃあああああああああ!」
「いやああああああああああ!」
 卵は封印に挑む聖女達にぶつかり、詠唱の邪魔をして上手くはいかなかった。
「ぬうううう、落ち着かぬか二人共! 封印するには我等だけでは無理だ! 他の者達も起こしてくるのだ!」
『はい!』
 二人はフラベルタを残し、寝ている聖女達を片っ端から起こして行く。
 起こした聖女と共に総出で封印を始めるのだが、それでも上手くは行かなかった。
 全力で頑張る聖女達だったが、結界の内側で黒の卵が進化を始める。
 黒色の卵は大きく変化し、ひび割れの中からは卵よりも黒く、大きな左腕が現れた。
 丸太のように太い腕、体毛は濃く、大きく伸びる爪は何者をも引き裂きそうである。
 その腕を見たフラベルタは、内部に居るであろう何者かの姿を想像した。
「あ、あれはオーガの腕ではないか?! 絶対に出してはならん。なんとしてでも封印するのだ!」
 大聖女フラベルタの発言で、周りの聖女達の顔色が変わっていく。
 オーガとは、大きな体と巨大な腕、巨大な金砕棒を軽々と振り回し、その額には角がある人型の魔物のことだ。
 個体によっては小さなタイプも存在しているのだが、これは明らかに違っている。
 腕からオーガの本体を想像しても、全長五メートルは下らないものとなるだろう。
 全てが出てしまえば、間違いなく強敵となる。
 だが、暴れ回る今の状態では封印は難しい。
 それを理解したフラベルタは、封印を諦めて、時間稼ぎへとシフトした。
「このままでは無理だ。ミレイズ、モリガリア、我等が時間を稼いでいる間にフトゥールム・スクエアへと走るのだ! ただし、この場所を知られてはならんぞ。絶対に見られぬようにして連れて来るのだ! 絶対だぞ!」
「な、なんか無茶ぶりな気もしますけど、緊急事態ですものね。じゃあ行って来ます! 待っていてくださいね皆さん! がんばってくださ~い! がんばってくださ~い!」
「い、行って来ます!」
 そして二人はフトゥールム・スクエアへ向かい、彼の地で応援を要請したのだった。



「お願いします、私達を助けてください。助けてください!」
「出来れば場所は内緒にしたいので、目隠しをお願いしたいのですけど」
 ミレイズ、モリガリアが先生達に相談している。
 その依頼や提案を加味され、先生達により相談が行なわれた。
 そして教師の一人、【レインメース・シャロライン】に対応を任された。
 二人の願い通りに場所の詳細を伏せられ、教師レインメースに生徒の編成を任せられたのだ。
「さて諸君、敵はオーガの一体だが、たかだか腕の一本だけだ。敵の封印が今回の依頼内容ではあるが、倒してしまっても問題はない。ただし、時間により相手も卵から出現してしまうかもしれない。全身が出現してしまえばハッキリと強敵と呼べる存在であるが、それまでにダメージを蓄積させれば倒せる可能性はある。相手はまだ視界さえ無いのだ。さあ、この依頼を受ける者はこの場で宣言するのだ!」


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 5日 出発日 2019-09-10

難易度 難しい 報酬 通常 完成予定 2019-09-20

登場人物 4/8 Characters
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」
《イマジネイター》ナノハ・T・アルエクス
 エリアル Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
フェアリータイプのエリアル。 その中でも非常に小柄、本人は可愛いから気に入っている。 明るく元気で優しい性格。天真爛漫で裏表がない。 精神年齢的には外見年齢に近い。 気取らず自然体で誰とでも仲良く接する。 一方で、正義感が強くて勇猛果敢なヒーロー気質。 考えるよりも動いて撃ってブン殴る方が得意。 どんな魔物が相手でもどんな困難があろうと凛として挑む。 戦闘スタイルは、高い機動性を生かして立ち回り、弓や魔法で敵を撃ち抜き、時には近接して攻め立てる。 あまり魔法使いらしくない。自分でもそう思っている。 正直、武神・無双コースに行くかで迷った程。 筋トレやパルクールなどのトレーニングを日課にしている。 実は幼い頃は運動音痴で必要に駆られて始めたことだったが、 いつの間にか半分趣味のような形になっていったらしい。 大食漢でガッツリ食べる。フードファイター並みに食べる。 小さな体のどこに消えていくのかは摩訶不思議。 地元ではブラックホールの異名(と食べ放題出禁)を貰うほど。 肉も野菜も好きだが、やっぱり炭水化物が好き。菓子も好き。 目一杯動いた分は目一杯食べて、目一杯食べた分は目一杯動く。 趣味は魔道具弄りで、ギミック満載の機械的な物が好き。 最近繋がった異世界の技術やデザインには興味津々で、 ヒーローチックなものや未来的でSFチックな物が気に入り、 アニメやロボットいうものにも心魅かれている。 (ついでにメカフェチという性癖も拗らせた模様)

解説 Explan

・目的と勝利条件
 オーガにダメージを与え、封印ができる状態にする。
 もしくは討伐する。

・場所
 四百メートル四方、天井も二十メートルほどには高い神殿の内部。
 物も何も無く、天井を支える極太の柱が点在するのみだ。
 柱は均等に並んで柱と柱を繋ぐように、赤い布が垂れさがっている。
 その布は人が動いても邪魔にならない高さにある。
 布は相当丈夫なもので、聖女たちの魔力が何重にも込められている。
 なぜか剣では切れても、打撃で破れることはない。
 聖女達はオーガの周りを囲み、戦いの邪魔にならないように自分で逃げてくれる。

・オーガの初期状態
 初期は卵に左腕が生えた状態。
 部位を破壊、卵が割れるごとに、敵の状態は変化する。
 変化し出現する順番は、右手、右足、左足、体、頭と出現する。
 体が変化しても、部位に与えたダメージは残り続ける。

・特徴
 丸太の如く太く黒い人型の腕。
 指の先には赤く鋭い爪がある。
 体毛が濃く、力は相当な物だろう。
 掴まれれば強烈なダメージがある。

 腕が二本になれば左腕が移動専用になり、右腕が攻撃専用になる。
 速度は倍。
 足が出れば、二本の腕が空き、攻撃速度が倍になる。
 両足が出れば、踏ん張りがきき、速度と攻撃力が増す。
 体が出ると、体の捻りが加わり、更に攻撃力が増す。
 頭が出ると、視界が広がり、武器の金砕棒も出現して攻撃力と攻撃範囲が倍になる。
 凶悪なダメージの為退避推奨。

:弱点
 『片腕時』
 腕一本で攻撃と移動をこなすので、相当攻撃は遅い。

 『両腕時』
 動きは素早くなるが、足になった腕を見ればどこに攻撃が来るか予測できる。

 『片足』
 攻撃速度が増すが、旋回能力はあまりない。

 『両足』
 速度と攻撃力が増すが、体が無いから正面にしか攻撃ができない。

 『体』
 頭が無い為背後が弱点。

 『頭』
 最後に出現する額についた二つの角が、オーガにとっての弱点。
 ただし頭は高いので、工夫しないと当たらない。
 金砕棒を持ったことにより、超重量で速度が落ちる。


作者コメント Comment
 倒しても敵が強化される戦闘シナリオで、いわゆるボス戦のようなな感じです。
 相手は黒いオーガ、黒鬼が相手。
 休みなく続けられる連続戦闘。
 無情に減り続ける体力と魔力。
 撃破する度に強化される相手の力。
 無駄に動いてはほぼ勝ち目はない。
 そんな相手を見事うち砕き、勝利を収めてください。

 ちなみに頭が出て来るまでは目や耳がないので攻撃が見えません。
 無茶苦茶に攻撃したり、柱に殴り掛かったり色々します。
 でも攻撃に反応して反撃してくるので注意が必要です。

 最終的に出て来るのは今現在のPCが真面に戦ってもでは勝てない相手です。
 ですけど、部位ごとにダメージを蓄積して、頑張れば勝てる状態にまでなるはずです。



 私の変身はまだ残されているぞ。


個人成績表 Report
チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
お初にお目見えの魔物見に来た。
味見と生態調査と意思疎通の解析…んー、味見くらいしか出来なげ?

なんせよ、あんなけどでか膨大な存在なんだし、闇雲にちゃかぽこしたってかすり傷だよねぇ。
そったら一点に攻撃集めた方が良さげ。一部位に一点的な。

だからザコちゃん、聞きかじりの【魔物学】で動脈とかの弱点【推測】して、濡らした【カラフルチョーク】をぶん投げ【投擲(小物)】して、目印入れるね。
そこ狙えば捗るかも?的な指標印として。

あとそもそも、頭出るまでは攻撃の向きで判断してんじゃん。
そったら疲れた時は垂れてる布?の後ろから石とか投げて、攻撃向きの調整してもいいかもね。大盾の女ゆーしゃ様側に行かせるよーに、とか。

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:427 = 142全体 + 285個別
獲得報酬:15000 = 5000全体 + 10000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【行動】
▶腕出現時
長期戦を見越して消耗狙いで、動脈を狙う。
▶足出現時
柱にロープを括りつけて、引っ掛ける。
黒鬼が転倒した場合はしめしめと黒鬼の足首にもロープを括りつける。
逆足の腱に斬りかかる。
▶頭が出てしまった場合
【ダガーステップ】【立体機動】を発動し回避する準備を整え
金砕棒による叩きつけを誘う。
振り下ろした金砕棒から駆け上がり【精密行動】
鬼の肩口から跳躍し、双剣で角を叩き折ろうとします。
黒鬼の背後を狙い、剛毛にしがみつきながら登攀。
腕の可動域に入らないように尚もしつこく角を狙っていきます。

味方や自分に消耗の色が出たら、幕から出ることを提案します。

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
*目的
皆さんとオーガを撃破します

*行動
時間が経つと強くなるという今まで戦った事のない敵ですが、逆を言えば立ち回り次第では有利な展開にする事ができるので、完全体になる前に出来る限りのことはしましょう

・戦闘
方針は「動きが阻害される部位に集中攻撃」
腕なら爪や動脈、足なら健などにダメージを蓄積させれば移動や攻撃に影響を与えられるはずです

私は皆さんが攻撃に集中できるよう盾役として防御に専念
盾を鳴らしたり声をかけて『挑発』して私を攻撃するよう仕向けてから『リター』を使って【全力防御】と【衝撃享受】に【防護魔力】による二重の防御で対応
受け止めきれないと『危険察知Ⅰ』で判断したら攻撃を受け流す方針に変更

ナノハ・T・アルエクス 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:427 = 142全体 + 285個別
獲得報酬:15000 = 5000全体 + 10000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
オーガの討伐

【行動】
頭が出てくるまでは、距離を取りつつ柱を遮蔽にしながら側面や背後に回り込みつつ、
弱点やザコちゃんが印を付けたところを重点に矢を撃つよ。
とにかくダメージを与えるんだ。撃てる時にはとにかく撃ちまくる!
ただ陽動が必要なら引き付けたい方向から攻撃するよ。

頭が出てきたら戦術変更。
まず盾を捨てて身軽に。あんな金棒相手じゃ邪魔になる。
動き回りつつマドガトルを放って牽制と撹乱。
隙が出来たら大技で勝負。
自然友愛で精霊を召喚して、技能の集中で自身の感覚を研ぎ澄ませ、狙い撃ちで強力な矢を弱点の角に目掛けて撃ち放つ。
これが僕の全力全開!マキシマムディープシューティング!いっけぇぇーーーっ!!

リザルト Result

「ということで、黒いオーガの退治をお願いします! お願いしま~す!」
「仲間達が戦っているんです。急いでください!」
 依頼者である【ミレイズ・リレイズ】と【モリガリア・モリモリ】に、集まっていた四人は急かされている。
「お初にお目見えの魔物見に来た。味見と生態調査と意思疎通の解析……んー、味見くらいしか出来なげ?」
 【チョウザ・コナミ】は急かされているにもかかわらず、ゆっくり手荷物を確認している。
「黒いオーガつうとレア種ですかね? あんまり魔物とは戦ったことがないですけど、少し奮い立ってきましたぜ」
 【ヒューズ・トゥエルプ】は、オーガという強敵を相手にどこまでやれるかと、心を沸き立てた。
「強そうな敵ですね。でも私は皆の為に……」
 【ビアンデ・ムート】は、初めて戦う相手という事で緊張と恐怖を覚えるが、ここで倒さないと自分達以外の人間が傷つく事になると考えて勇気を奮い立たせた。
 自分の準備を整え、出発を待っている。
「聖女さん達が助けを求めている……だったら、行くに決まってる!」
 【ナノハ・T・アルエクス】は、聖女達のピンチに心をたぎらせる。
「ありがとうございま~す! ありがとうございま~す!」
 ミレイズに何度もお礼を言われ。
「うん、わかったよ♪ 微力ながら全力で頑張るよ♪」
 ナノハは頷き、出発の準備を進める。
「……よし、準備万端。ナノハ・T・アルエクス、行きまーす♪」
 荷物カバンに片手弓の矢をありったけ詰め込み、準備を整えた。
 四人が顔を見合わせて頷くと、颯爽と立ち上がる。
「それじゃあご案内しますね勇者様。ついて来てください。ついて来てくださ~い!」
「急いでください。今もまだ戦っている最中ですから」
 ミレイズとモリガリアの二人に連れられ、四人は目隠しされたままで馬車に乗せられる。
 ただよう煙に眠らされて、気付いた時には大きな神殿の内部に立っていた。
「おー、何時の間に? まいっか、激辛ハバネロソースの半分は武器に塗っとく。ゆーしゃ様の武器にも塗っとく? こーいうの粘膜とか傷口ならきつめだろーし、集中力阻害妨害出来んでしょ? ふふ」
 チョウザが激辛ハバネロソースを取り出し、自分の武器に塗り込んだ。
 それを見た他の三人も続き、自分の武器に激辛ハバネロソースを塗りこんでいく。

1.
 聖女の二人に案内を受けて戦いの場に向かうと、卵から飛び出ている『黒腕』が暴れ続け、多くの怪我人を出している。
 掌だけで人が一人が隠れるほどの大きさがあり、全体が出てきてしまえばどれほどの巨大さなのかと想像を掻き立てる。
 あれがオーガと呼ばれる魔物の左腕なのだろう。
 大勢の聖女達が黒腕を囲み、封印を試みているが、上手くは行っていないようだ。
「フラベルタさま~、つれてきました~! つれてきました~!」
「お待たせしましたフラベルタ様!」
 ミレイズとモリガリアがフラベルタを見つけて手を振っている。
「おお、勇者様がいらしたぞ。皆の者、後退せよ!」
 聖女達は指揮をとっていた大聖女【フラベルタ・アイズベルタ】により後退させられた。
 オーガの黒腕を囲むように聖女達は配置され、四人の戦う場が整った。
 それでも聖女達に襲い掛かろうとするオーガの黒腕に。
「あれがオーガ……すごいプレッシャーだ。あんな化け物を外に出す訳には行かない。ここで討つ!」
 ナノハがハウンド・ドッグとよばれる弓で矢を打ち込むと、黒腕はその方向に振り向いた。
 指をバネに剛力を使って飛び掛かって来る。
 四人はそれぞれに武器を構え、黒腕を待つと。
「皆の者、勇者様に負けるでないぞ。こちらも全力で儀式に挑むのだ! 聖楽器をここに!」
 フラベルタの声が掛かり、聖女達にも希望の光が灯された。
「もう準備はできています! できていま~す!」
 ミレイズの手には、クラシックギターとは違う、魔力で鳴らすマジックギターと呼ばれる物が握られている。
 ギュイーンとかき鳴らし、音階を確かめていた。
「何時でも行けます、フラベルタ様!」
 モリガリアの手には少し形の違うマジックベースが握られている。
 グオーンと音を鳴らす。
 他にも、ドラムと呼ばれる楽器や、ピアノ、バイオリンを持った者も見えている。
「さあ始めるぞ、超応援封印術うううう!」
 フラベルタの手には、マイクと呼ばれる声の増幅装置が握られる。
 カッカッカッカ、ドン、ッ、ドン、ッ、ドン!
「黒ぃい世界にぃ、帰れええええ、ええぇ、ええぇ! お前の世界はぁ、ここには無いぃんだああ! 黒の世界のぉ闇へぇ、もどれえぇ! 勇者の光に、倒され、眠りぃにつけよおおぉ、おおおぉお! おおお、おおおお!」
 神殿の中に、音楽に乗せたフラベルタの声が発せられた。
 グン、ギャン、ギャギャン、ギャンギャン、ギャギャン!
 かき鳴らされるギターやベースの音に、神殿内部に光の力が満ちていく。
 黒腕は光に包まれ、その動きがほんのりと鈍くなる。
 だがお構いなしに動き続け、矢を放ったナノハが居た場所へ向かっていた。
「んー、今の内に味見したげなんだけど、ちょっくら固そうな肉じゃね? 叩いて柔らかくしよっと」
 そこにチョウザは待ち構え、六角棒で黒腕を叩きつける。
 しかし分厚い肉に六角棒は弾き返されてしまう。
 黒腕は狙いを変え飛び掛かるも、そこにチョウザは居なかった。
「皆が戦いやすいように、そこで止まっててください!」
 ビアンデが大盾のリターを構え、黒腕の動きを止めようとしている。
 だがオーガと言われる魔物の力は強く、何時までも止めていられない。
 床に足を滑らせずり下がって行く。
「やっぱりかったいわ。そったら一点に攻撃集めた方が良さげな感じ。一部位に一点的な。んじゃカラフルチョークで印つけとっか。あらよっと」
 チョウザは弱点を推測し、肉の少ない部位にカラフルチョークをぶん投げた。
「おっと、僕を忘れたらいけませんぜ。最初の一撃食らっときな!」
 ヒューズは双剣フギン・ムニンを印がつけられた部位に振り抜いた。
 それにより大きな傷が残されている。
 激辛ハバネロソースの効果もあって、黒腕は少し苦しんでいるようだ。
「そこだ。僕の攻撃を食らえーー!」
 ナノハは、傷のある部位を狙い矢を射ち放つ。
 それは見事に命中して、黒腕に更なる痛みを与えた。
「もう一発です!」
 ビアンデの大盾が、黒腕の傷に打ち付けられた。
 苦しみ続ける黒腕は、床をバキィっと握り潰す。
 そして変化が訪れた。
 黒い卵がドクンと脈打ち、その度に卵の大きさが変わり成長を始める。
 左手が生えた逆側にヒビが入り、スドオオオと大きな腕が生えそろう。
 傷ついた片腕を足として使い、四人に向かって右腕を振り上げた。

2.
「きゃあああ! 腕が生えそろってしまいましたフラベルタ様ぁ! どうしましょ、どうしましょ!」
 演奏の手を止め、ミレイズは慌ててしまっている。
「お、落ち着くのよミレイズ。深呼吸をしましょう。吸ってー、吸って―、吸って―、吸って―!」
 モリガリアは宥めようとしているが、自分も混乱しているようだ。
「うげほ、げほ。モリガリア、吸うだけだと苦しいんですけど。ですけど!」
 何度も息を吸い込んだミレイズは、咳き込んでしまっている。
「ええい、落ち着かんか二人共、このぐらい許容範囲内じゃ! 勇者様達は負けてはおらぬわ! さあ、演奏を続けるのだ! では……第二楽章いくぞおおおおお!」
 フラベルタの声が掛かり、聖女達の演奏が再び始まった。
 卵のヒビがほんのりと修復され、演奏の効果がみえる。
 大音響が鳴り響く中、四人は変化した『黒い両腕』を相手に戦いを続けていく。
 まず最初に動いたのは、小さな体のナノハである。
「一ヵ所集中って感じでアターック!」
 黒い両腕の後ろに回り込み、先ほどの傷の場所に矢を打ち込んだ。
 傷は大きさを増して、明らかに動きが鈍っている。
「お二人共、私が動きを押さえます。攻撃をお願いしますね!」
 ビアンデは盾を鳴らし、敵を誘導しようとしている。
 チョウザとヒューズに声を掛け黒い両腕の前に立ち塞がった。
 そして振り下ろされる爪に、大盾を合わせる。
「ぐっ、きつっ……!」
 だが黒い両腕の力は凄まじく、ビアンデの体は床に沈み始めた。
 それとは逆に、力を入れる度に黒い両腕の傷が開いていく。
 その場所を狙い。
「それじゃあいきますぜ。あらよっとぉ!」
 ヒューズの双剣が。
「はいよ、盾の女ゆーしゃ様。ザコちゃん一発行っちゃうよ」
 チョウザの六角棒で押し込まれた。
 激辛ハバネロソースが付いた双剣のダメージで、黒い両腕が地面にのたうち回っている。
 しかし、すぐに復活しそうな雰囲気だ。
「ふぅ、受け流さないときつそうですね」
 ビアンデは退避し、肉体を休ませるように息を吐いた。
「ビアンデは休んでもいいけど、敵は休ませないからね!」
 ナノハは矢を放ち傷を狙う。
 しかし黒い両腕は暴れ続けて狙いがそれる、矢は違う場所に命中する。
「あれ、外れちゃった。まあ腕に当たったからいいかな?」
 ナノハは気にせず、弓に矢を番える。
「ほいさ」
 黒い両腕が立ち上がる前に、チョウザと。
「いよっと!」
 ヒューズがダメージを与え続けている。
 痛みにもがく黒い両腕だが、突如として二つの腕を地に付けた。
 バーンと大きく後ろに飛び退き、またも卵に変化が起きる。
 卵が脈打ち大きさを増すと、底を割ろうと床にぶつけ始めた。
 バキイイイイと卵にヒビ割れが起こると、丸太を思わせるような筋肉質の右足が現れる。
 卵の内から『ウヲオオオオオオオオオオオ』っと、魔物の声が聞こえ始めた。
 オーガの両腕は自由を得て、怒りをぶつけるように床を殴りつけている。
 そして黒い右足が大きく跳躍し、四人へと襲い掛かった。

3.
「はわわわわわわ! フラベルタ様、足まで出ちゃいましたよ! 封印全く聞いて無いんじゃないですか? ないんじゃないですか!?」
 卵の変化に驚き、ミレイズは声を上げた。
「そんな事を言わないでよミレイズ、私も怖くなっちゃうじゃないの! 今直ぐ部屋に帰ってお茶を飲んで爽快に眠りたくなってくるじゃないの!」
 モリガリアも狼狽えるが。
「お前達はいちいち反応するんじゃないわ! あの勇者様方は負けはせん、負けはせんのだ! 封印術の効果もきっとある。だから……第三楽章、始めるぞおおお! うッ、あアアア、アアアアア!」
 フラベルタのシャウトと共に、今までよりも激しい音楽が始まった。
 ドラムのやギター、楽器の音に呼応するように、戦いは激しさを増してゆく。
 音は剛力を奪うように、うねりとなって『黒い片足』に纏わりついた。
『グオオオオオオオ!』
 黒い片足は四人の中心に着地し、大きく両腕を振り回した。
 無茶苦茶な攻撃は、巨大な柱の一部を壊し、威力の程を見せつけている。
「これは受け流さないと腕が壊れてしまいそうですね。……でも、みんなを守るために!」
 ビアンデは、黒い片足の腕の動きを見極め、挑発するように音を鳴らす。
「誰か手を貸してくれないかな? 僕が罠を仕掛けてやりますぜ」
 ヒューズはロープを取り出し、柱に括り付けていた。
 チョウザやナノハも合流し、そのまま待機して黒い片足が来るのを待っている。
「そちらに誘導いたします。ヒューズさん、合図をください」
 ビアンデはヒューズに呼びかける。
「もう何時でもいいですぜ」
 合図が来てビアンデは黒い片足を誘導し、垂らされたロープに向かって行く。
 黒い片足が着地するタイミングを見計らい、三人は思い切ってロープを引っ張った。
 ロープは足元に引っかかり、黒い片足はバランスを失い倒れていく。
「ここです。たあああああああ!」
 ビアンデは盾で体当たりを仕掛け、反撃を待つように正面に移動する。
「やっぱりここは、手首に集中攻撃!」
 ナノハは反撃を警戒して柱に隠れ、ダメージを与え続けていた手首に矢を放つ。
 大きく開いた傷に命中すると、黒い片足は身もだえている。
「チャンス到来? まずはちょっくらぶっ叩きよ。よいさっと」
 チョウザも六角棒で傷を突き刺し、腕の機能を潰そうとしている。
「僕も行くとすっか。じゃあやってやりますぜ!」
 ヒューズは柱に繋がれたロープの端を手に持ち、倒れた黒い片足の足首に巻き付けた。
 起き上がろうとするところに、ロープを引いて阻止しようとしている。
「重すぎて動かねぇや。だったら別の行動に行きますぜ!」
 ヒューズはなんとか有効な結果を出そうとしたが、手段に拘るよりも他の手段を取った方が勝率が上がると考えた。
 その間にも黒い片足は難なく立ち上がり、残っている片腕で爪を振り上げる。
 それは正面に居るビアンデではなく、チョウザの方に向けられた。
「おっとこっち来る感じ? ちょっと踏ん張るかな……」
 チョウザは身を守り爪の攻撃を受け止めるが、かなりの距離を吹き飛ばされた。
「思ったよりキツイ……やっぱ回避すっかな」
 床を滑り大きなダメージは受けたものの、チョウザは無事に立ち上がる。
 そのまま距離をとって、瓦礫を投げつけることに専念する。
 黒い片足はまだチョウザを狙っているが。
「僕には大振りの攻撃なんて当たらないよ! それー!」
 ナノハは動きを変えるように魔力の玉を直撃させた。
 それは肩の後ろ辺りに直撃し、黒い片足が後方に向く。
 襲い掛かって来る黒い片足を、ナノハは柱を利用して逃げ続けている。
 黒い片足に繋がれたロープが動きを制限し、柱の周りをグルグルと回転させた。
 そのまま柱にぶつかると、敵だと思って攻撃を始める。
「……えっと、これは、計算通りですぜ!」
 ヒューズは真面に動けなくなった黒い片足の健を狙い、双剣で斬りつけた。
 ザクっと切れ込みが入るも、健は硬くて斬れてはいない。
「だったら私が! とりゃあああああ!」
 ビアンデは盾を横にして、足の傷口へと叩きつけた。
 相当の痛みを与えたようで、無茶苦茶に大暴れしているが、柱が邪魔して攻撃は単純な物になっている。
 そのまま三人の攻撃が続くが……。
『ヌウウウウオオオオオオオ!』
 卵の内から、身も竦むような雄叫びが発せられた。
 この場に居る全員が硬直し、辺り一面に静寂が増す。
 卵は力強く脈打ち、人の身長よりも巨大な物体へと変わっていく。
 ヒビ割れが加速し、二本目の足が生えそろった。
 四肢を地に付け強烈に飛び上がり、繋げられたロープがブチっと切れる。
 自由となった『黒い四肢』は、四人の前に立ち下りた。

4.
「グッ、は……くぅ、またも変化が起こるとは、相手の力が強すぎるのだろうな。しかし効果がないわけではない。本来の姿に戻るのを多少でも阻止しているはずじゃ! 勇者様の力になっているはずじゃ!」
 フラベルタは硬直から立ち直り、聖女達に檄を飛ばす。
「はい、フラベルタ様! フラベルタ様ぁ!」
 ミレイズは頷き、マジックギターを鳴らす。
「ええ、封印楽曲を続けましょう!」
 モリガリアはマジックベースの音を奏でた。
「さあ楽曲を続けるぞ聖女達いいい! 第四楽章だあああ! アアアアォ!」
 強弱の波のある音が奏でられ、場に緊張感を増してゆく。
 音の力は波となり、相手の防御を緩和させる。
 そのやり取りに、戦う四人の気が戻った。
「たかだか足が生えただけですぜ。回復もしていないしいけるっすよ!」
 ヒューズは気を取り直し、双剣を構えて黒い四肢の後ろへ回って行く。
 足の傷に双剣を合わせるが。
「うおおおおおおおお!?」
 当たった瞬間、黒い四肢は跳びあがっていた。
 大きな体がヒューズ目掛けて落ちて来る。
 踏まれればただでは済まない。
 そう感じたヒューズは咄嗟に飛び退くと、ギリギリ横に黒い四肢が落下してくる。
 ドオオオンと着地した床は、バキバキに砕け散り、絶対の死の臭いを漂わせていた。
 四人は一撃でも全滅すると冷や汗を拭う。
 それでも足は前に動かし強大な魔物に挑みかかる。
「これで、どうですか!」
 ビアンデの大盾は、黒い四肢の足の健を狙い続けている。
「シュート!」
 更に浮遊したナノハが、矢を放ち。
「あらよっと」
 チョウザの六角棒が落とされる。
 鋼鉄のようだった足の健は、徐々に傷を増やしていく。
 黒い四肢は立ち上がることはせず、腕を曲げて跳びあがる体勢をとっている。
「皆、また来るよ! 離れて!」
 ナノハの声で三人が一斉に距離をとると、黒い四肢の体が空中に浮いた。
 手足を広げているのを見て更に遠くに離れていく。
 轟音と爆風が聖女の音楽をかき消している。
 しかしその騒音が消えていくと、音楽はまだ鳴り続けていた。
 聖女達は誰一人諦めていないと感じ、四人は前へと進んで行く。
「怖いけど、負けません! たああああああああ!」
 ビアンデは、黒い四肢の爪先に大盾を叩き落す。
「この程度で負けないっすよ。僕達の反撃ですぜ!」
 ヒューズは、黒い四肢の指先に双剣を滑らせた。
「聖女さん達の為にも、負ける訳にはいかないよ! てええええい!」
 ナノハは、足の傷に矢を放つ。
「ザコちゃんは何でもいいけど、とりあえず……ほいっと」
 チョウザは黒い四肢の踝へ六角棒を打ち付ける。
 四人は攻撃を入れると即座に距離をとり、黒い四肢の動きをじっくり見定めた。
「おっと、来るっぽい?」
 チョウザが予備動作を見極めると、黒い四肢はまたも身を沈めて跳びあがった。
 しかし、もう四人は退避したあとである。
 黒い四肢は誰も居ない床に落ち、轟音を立てて体を打ち付けた。
 だが、四人が攻撃をする間もなく、何度も跳びあがって体を打ち付けている。
 床を敵と認識したのかと思ったヒューズだが、思いなおし考えを巡らせた。
「これは……不味いかもしれねぇですよ。たぶん殻を壊そうとしているんですぜ!」
 そして一つの可能性を導き出した。
 三人がそれを見ると、打ち付けれれた卵の中心には小さなヒビが増えていく。
 そして。
『ウオオオオオオオオオオオオオオ!』
 卵の内から怒りが見える。
 黒い四肢の筋肉が大きく膨れ上がり、片腕で卵を脱ぎ捨てようとしていた。
 ビキビキと割れる卵から黒色の体が現れる。
 残されているのは、スッポリと覆われた頭だけだった。
 それも脱ぎ捨てようと試みているが、まだ封印は破られてはいない。

5.
「ぐぬぬぬぬ、これまでとは比べ物にならぬプレッシャーが……くぅ、怯むな皆の者、腹に力をこめて気を保つのじゃ!」
 フラベルタの一喝に、聖女達はハッと意識を取り戻す。
「うっ、ハァハァ、つ、ついに体まで現れてしまいましたよ。勇者様、がんばってください! がんばってくださ~い!」
 ミレイズは振るえる体を押さえつけ、楽器に手を伸ばす。
「うぅ、頭が……でも、勇者様も戦っているんです。こちらも負ける訳にはいきません!」
 モリガリアは膝をつきながら楽器を鳴らした。
 二人に続き、他の聖女達も次々に演奏を再開してゆく。
「勝負はまだわからぬ、楽器が弾けぬ者は声を上げよ! クライマックスはすぐそこぞ! 第五楽章を演奏開始だああああああ!」
 ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ!
『ハァアア……アァァァアアアア……』
 ギュィィン! ギャン! ギャン! ギャン!!
『あぁ、続けられる、戦いよぉ、導きの勇者の手で、終わらせようぞ、おおオオオ! ああ、世界の、運命は、今君の、手の中ぁ、あああ、ぁぁあああアア! 剣を薙げ、矢を放て、打ち砕けよオオオオ、おお、オオオオ!」
 神殿内に、静かな闘志がわき上がるような歌が響く。
 音の力は『黒い体』に纏わりつき、二度目の減速の効果を与える。
 そのオーガの黒い体は、今動きを確かめるように手足を動かしていた。
 だが左腕は動かず、右足の動きは悪い。
 今までのダメージが蓄積されているのだ。
「改めて見ると、やっぱり大きいですね。でも、ここで逃げる訳にはいかないですね。これだけ応援されたら、やらない訳にはいきませんよね!」
 ビアンデは携帯食料を口に入れて、体力の回復を試みた。
 疲れた体に染み渡り、力が少し戻ってくる。
「頭が無いっていうのに、雰囲気出てますね。こりゃあ、無暗に近づくのは危険っすかね?」
 ヒューズは黒い体の周りを回って隙を伺っている。
「ふぃぃ、ザコちゃん疲れて来たから早く終わりたい。どうせ頭出て来るっしょ。認知認識、丸分かり」
 チョウザは六角棒を構えて、ヒューズの逆方向に回って行く。
「じゃあ僕が誘導するよ。さあ、勝負だよ!」
 ナノハが放った魔力弾は、黒い体の背後からぶつけられた。
 その攻撃を食らい、黒い体は突如として動き出した。
 体を使い躍動すると、大きく手を広げて爪を振るう。
「こ、こわ!」
 それはナノハには命中せず、後方にあった大きな柱が半分ほどなくなっている。
 だが黒い体の爪は柱に刺さって、引き抜けなくなっていた。
「ここまで素早いとなると、やっぱし足を潰さないとっすね! とらああああああ!」
「丁度良い感じ? ザコちゃんやっちゃうよ」
「この一撃で、決めます!」
 ヒューズとチョウザ、ビアンデは、傷のある右足へ攻撃を仕掛ける。
 三つの武器が打ち付けられ、足の健がブチっと千切れた。
『グアアアアアアア!?』
 黒い体は強引に爪を引きはがし、無茶苦茶に腕を振っている。
 しかし片膝をついてしまい、四人には届かなかった。
「これならいけます! もう一方の足も潰してしまいましょう!」
 ビアンデは仲間に指示を出し、ヒューズとチョウザと共に動き始めた。
 ナノハは正面に残り、手の届かない範囲で攻撃をして、黒い体の注意を引いている。
 黒い体は足に少しずつ傷が増える度に、もがきながら届かない腕で攻撃を繰り返していた。
 その間に、四人は慎重に攻撃を続けているが、相手もただではやられてくれないようだ。
『グアアアアアアアアアアア!』
 片足を踏みしめ、強引に手を伸ばして来ている。
 指先で床はガリガリと削れ、殺意の暴風が四人に吹き付けた。
「もうそのぐらいじゃあ怯みませんぜ! うおおおおおお!」
 ヒューズの双剣が舞い。
「結構叩いたし、お肉柔らかくなった?」
 チョウザの六角棒が踊り。
「私達は負けません!」
 ビアンデの大盾が躍動す。
「絶対に勝あああああつ!」
 そしてナノハの放つ矢が、黒い体の中心に突き刺さった。
 黒い体はブルブルと震え。
『グウウ……ガアアアアアアア!』
 突如叫んだ声は、顔を覆っていた卵の下半分を粉砕した。
 封印を破ろうと割れた部分を掴むも、それでも一向にはずれない。
 だが、開いた口に手を突っ込むと、ズシンと大きな金砕棒が取り出された。
 大きく一振りすると、猛烈な風が四人を襲う。
 しかしこれは、四人への攻撃ではない。
 両腕で金砕棒を掴み自身の頭へと打ち付けた。
 卵のヒビは膨大に増えて、そしてついに、バカ―ンと弾け跳ぶ。
 ついに完全体として現れた黒い『オーガ』だが、その体には無数の傷がつけられている。
 満身創痍とも呼べる状態ではあるが、怒りの力がその体を突き動かした。
 片足の力で立ち上がり、金砕棒を片腕で振り回すと。
『グオオオ……グアアアアアアアアアア!!』
 神殿内に暴音が轟いた。

6.
「ぬぅあッ……これ程の重圧とは、ワシでも立っていられぬわ。恐怖で竦んだ者は邪魔になる。這ってでも逃げよ。ここに残る者は声を出せ! 最後の戦いが始まるぞ!」
 フラベルタは膝をつきながら聖女達を励ましている。
 だが震えている者の一人でさえ、逃げ出すことはない。
「ハッハッハッハッ……うぅ、つ、ついにオーガが完全体になってしまいました。勇者様達は大丈夫でしょうか。大丈夫なんでしょうか!?」
 ミレイズは楽器を持つことも出来ずに狼狽えている。
「あ……ぐッ……大丈夫よミレイズ、勇者様達を信じましょう! 私達も続けなければッ!」
 モリガリアは足に力を入れても立ち上がる事が出来ず、座りながら楽器を握った。
「やるぞ、最終楽章!!」
 ドゥロリロリロリロ ドゥン! ドゥン! ドゥン! デェェデェデェデェデェェ!
 ドゥルルル ドルルル ドゥルルル ドルルル ドゥルルル ドルルル ドゥルルル ドルルル!
 ダン ダ ダ ダン ダン!
『ああああああああああああ!』
 聖女達が決戦の音を鳴り響かせる。
 音はオーガにぶつかって、今までの傷口を開かせている。
 そして四人は血をたぎらせる音の波に、勝利を求めて戦いを続けた。
「先制攻撃やっちゃうよ」
 チョウザは瓦礫を掴み、オーガに投げつけた。
 顔面にぶつかるが、瓦礫の方が爆砕される。
 オーガはチョウザを見据え、お返しとばかりに金砕棒を振り上げた。
 直接攻撃は当たらなかったのだが、爆砕された床の破片がチョウザを襲う。
「おあッ……」
 その全てを避けることは出来ず、傷を負ってしまった。
 しかし、その金砕棒に飛び乗ったのがヒューズである。
「うおおおおおおおおおお!」
 金砕棒から腕を駆け上り、跳躍してオーガの角を狙っている。
 上空でクロスされた双剣が、オーガの角へと打ち下ろされた。
『ガアアアアアアアアアアア!?』
 ヒューズの攻撃で強烈なダメージを受ける。
 だがオーガの角は折れてはいない。
 しかしそこに、追撃を仕掛けたのがナノハだ。
 まず身軽になるように盾を投げ捨て、自然友愛で精霊を召喚し、技能の集中で自身の感覚を研ぎ澄ませている。
「これが僕の全力全開! マキシマムディープシューティング! いっけぇぇーーーっ!!」
 狙い撃ちで強力な矢を弱点の角に目掛けて撃ち放つ。
 ヒューズが傷付けた角に命中し、傷を削っていく。
『グオアアア!?』
 腕で頭を押さえ仰け反るオーガのスネに。
「よいしょっと」
「てえええええい!」
 チョウザの六角棒とビアンデの大盾が振るわれた。
『グオオオオオオオ!?』
 痛みに蹲った鬼が金砕棒を真横に移動させている。
「不味いわ、回避してください!」
 それを見て、ビアンデは仲間に声を掛けた。
「ここまでは届かないから僕は大丈夫だよ!」
 矢を放っていたナノハは、更に後方に退避する。
「後ろはダメっす! オーガの下に避難を!」
「おおっと、ザコちゃん退避しよ」
 三人が死中に活を求め、オーガの足元へと向かって行く。
『おおおおおおおおおおお!』
 ジャンプして滑り込むと、床と並行に金砕棒が薙ぎ払われた。
「うあああ!?」
 強烈な爆風にナノハは飛ばされたが、他の三人は生き延びている。
「行くっすよおおお!」
 ヒューズはオーガの足元を抜け、背後に回り込んでいた。
 剛毛を手で掴み、双剣を突き刺し登ってゆく。
 オーガは背後に金砕棒を伸ばすがヒューズには届かない。
「……たああああ!」
 ナノハは弓を引き絞り、狙いすました矢を放つ。
 欠けた片角が削られ、オーガは怒りをナノハに向けた。
 金砕棒を杖に起き上がり、痛みも忘れて歩き出す。
「行かせません!」
「ほいっと」
 傷をつけた足元に、ビアンデとチョウザの攻撃が当たった。
 一瞬オーガの体がグラつくが、気にせず前に進んでいる。
 二人には追いつけないが、背中を登っていたヒューズは、頭の天辺にまで到着していた。
「いよし……せええええのおおおおおおおお!」
 バッと跳び下り双剣を振り下ろす。
「たああああああ!」
 ガンとぶつけられると、欠けた角が両断された。
『グアアアアアアアアア!!』
 それでもオーガは倒れない。
 着地したヒューズに、大きく振り上げた金砕棒を叩き落した。
「うおおおおおお!?」
 移動する間も無かったヒューズだが、何時まで経っても攻撃は来ない。
 上方を見ると、金砕棒は赤い布にぶつかって止まっている。
 オーガは力を込めて引きちぎろうとしているが、逆に弾き飛ばされてオーガの体は後ろに倒れた。
 金砕棒の重みと怪我により受け身も取れず、頭を床に打ち付けてしまう。
 オーガは昏倒したように動かなくなった。
『ここだあああああああああ!』
 チョウザとビアンデ、ヒューズは走り、折れていない片角を目指す。
 ナノハはその場でギリギリと弓の弦を絞り。
『おおおおおおおおおおお!』
 四つの攻撃が放たれた。
 バキィィっとぶつけられ、傷の無かった角が弾け跳ぶ。
『グアアアアァァァァ――……』
 オーガはバタバタと手足を動かし暴れ続け、最後は大の字になって動かなくなった。
 四人は緊張感と疲れで膝をつくと、オーガの体が縮み始める。
 体がグニャグニャになり、楕円形の塊になってゆく。
 それは段々と縮みあがり、小さな飴玉のようになって地面に転がると、砂のように崩れ去った。
「やりましたね勇者様! 勇者様ぁ!」
「遅ればせながら歓迎の準備を……」
 ミレイズとモリガリアは四人の下へ走ったのだが、疲れ果てて倒れてしまっているようだ。
「ふむ、どうやら生も根も尽き果てたようじゃな。このまま眠らせてやろうではないか。ミレイズ、モリガリア、四人を送ってさし上げよ」
「は、はい、わかりましたフラベルタ様! フラベルタ様ぁ!」
「はい、承りました!」
 意識のない四人は、聖女達の手により学園に送り返された……。

7.
 四人は学園の保健室で目を覚ました。
 ベッドで寝かされているようで、軋むような痛みが体を襲っている。
「何時の間に戻って来たんでしょうか? 私達勝ったんですよね?」
 ビアンデは天井を見ながら呟いた。
 夢だったのかと考えるが、体の傷と疲れがそれを否定する。
「うん、勝ったよ。僕、最後まで見てたからね」
 ナノハは頷き、ベッドに立ち上がった。
 そして体の調子を確かめる。
「とりあえずっと、生き延びたあああああ!」
 ヒューズは大きく背伸びをしてベッドから跳び起きた。
「あらら、お肉食べそこなった。まいっか、別の魔物さがそっと」
 チョウザは部屋から出て別の仕事を探し始めた。
 そして四人はそれぞれの方向へ歩き出す。

8.
 何処とも知れぬ神殿の中、色とりどりの卵が封じられている。
 その中に希望があるのか絶望があるか、封印を解かなければ分かりはしない。
「ほら急ぐわよミレイズ、フラベルタ様へ挨拶しなきゃ」
「あああ、私の朝食があああ! もうちょっと、もうちょっとだけ!」
 聖女達が楽し気に働く最中、ドクンと鼓動の音が聞こえた気がした。



課題評価
課題経験:142
課題報酬:5000
黒き卵の孵化
執筆:秀典 GM


《黒き卵の孵化》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-09-05 00:26:23
お初にお目見えの魔物って聞いて。まずは味見でしょー、次に生態…は、今回は例外なのかな。
あと意思疎通。一回じゃ無理か。

どんなゆーしゃ様が集まるかにも変わってくんだろーけど。
ザコちゃん的には、どの部位にしても、一点集中で攻撃ちくちくするのがいーかなって。
ほら、ぶっちゃけ闇雲にぽこしたってまともな傷つけられっかも怪しめだし。
全体にうっすらかすり傷ってよりは、複数個の深い傷、って方が痛めの痛手だろーからさぁ。

って訳で、【カラフルチョーク】なり【激辛ハバネロソース】なりでどーにか狙い目なとこに印入れれたらいーかな。
…あ、ソースに関しては、傷とか粘膜にすり込んだ方がよさげ?ザコちゃんの振り回す棒にも塗っとこうか。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 2) 2019-09-06 20:23:02
挨拶が遅れて申し訳ありません。勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。よろしくお願いします

私はいつものように盾役に専念……といきたいですが、今の人数だと手数が足りなくなる可能性がありますね
後々どうなるかわかりませんが、もしあまり前衛の方々が来ないようなら微力ながら私も防御しつつダメージを与えるために動こうと思います

ダメージの与え方ですが、私もチョウザさんと同じような意見です。出来れば動きを制限させられるような部位を狙うのが理想的ではないかと

>ソース
想像するだけで痛みを覚えるような方法ですが、有効なのは間違いないですね……

《イマジネイター》 ナノハ・T・アルエクス (No 3) 2019-09-07 01:53:18
初めまして♪
賢者・導師専攻のナノハ・T・アルエクスだよ。
よろしくね。

僕は後衛。
賢者・導師専攻だけど、魔法使いというよりかは弓使いと思ってね。
頭が出てくるまでは側面や背面に回って、印の位置や弱点を狙って着実に攻撃。
頭が出てきたら、大技で一気に勝負…って感じかな?

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 4) 2019-09-07 03:36:57
遅くなりました〜!黒幕!暗躍!コース!専攻!ヒューズ・トゥエルプです!

こなせるかは別ですが一応、前衛です。
体躯や肉質は別物でも人型なら構造そのものに違いはなさそうですね。
親指とか…足の腱を狙うのはどうでしょうか。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 5) 2019-09-08 13:58:59
腱狙うのはいーね。ぶった斬り切断まではいかなくっても、動きの阻害は出来そうだし。
腕の方なら爪か動脈かな。阻害的な観点で鑑みるに。どこか分かればだけど。
ザコちゃんの聞いた限りの【魔物学】でそーいう話あったかな。ほぼ実践で集めただけだかんねぇ。なんとも。

挑発して受け流してー…ってのも命中精度を高めるにはいーんじゃん?とは思う。
それこそ特にさぁ、今まで依頼流れてこないような珍しお強い魔物相手なんだし、
まだ依頼慣れてない新入生のゆーしゃ様もいるんだし。
そっちに負担偏っちゃって、予定外がぽやぽやになることは軽減だろーし。

あとは、特に持ち込み予定がないってなら。
購買に売ってるような【たいりょく】とかを回復するなんかを持ってくと良さみかな。
溜まる疲労が想定以上な可能性、よゆーであるんだし。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 6) 2019-09-09 13:03:04
掌の次に接地面のある親指。
云わば、露出した骨とも言える爪。
叩ければ、金砕棒の精度にも影響が出るかもしれないなぁ。
ただ、利き手がわからない以上、親指を狙うにも爪を狙うにも、
両方を狙うにしても、両手を破壊する必要性がありますね…。
長期戦を見越すなら、向こうさんにも消耗して貰わんと困ります。
手広くやって、半端になるのが一番笑えないんで
僕は動脈に傷を入れることに専念しますよっと。

まー。
余程ジリ貧なら聖女さん達には悪いけど
幕の外に避難するってのも手だと思いますぜ。
息を整えるなり、スラ饅を詰め込むなり、即席で策を練るなりってね。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 7) 2019-09-09 13:14:52
それから、体勢を崩すっつーんで。一つ案が。
おあつらえ向きな柱があって、尚且つ、視界が無いってんなら
ロープで引っ掛けるってのはどうですかね?

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 8) 2019-09-09 14:03:38
>ロープ
確かに引っ掛けられたらある程度動きを止められるので有効だと思います
盾役という役割上私が挑発して誘導するのがいいかなと思うので、準備が出来たら合図をしてもらえれば誘導しようかと思いますがどうでしょう

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 9) 2019-09-09 16:05:29
ありがたい。
こっちからお願いしようと思ってたくらいです。
…女の子を囮にする…
えぇ。この良心の痛みすらも糧にして鬼退治に励みますよっと。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 10) 2019-09-09 20:31:08
やれることを、できる人がやるだけ。
そこに性別も立場も種族も関係ないんじゃん?
大盾の女ゆーしゃ様が適役なんだし、そこはまるっとおまかせ案件。
あの魔物が魔法使い出すとかならザコちゃん途中で代わる?とか思いはしたけど、聞く限りなさそーだしね。

罠設置持ってるゆーしゃ様…は、居ないんだよね確か。
そったらなるたけ視界がないうちに設置と引っ掛け済ませられるよーにした方がいいよね。
目が見えだしたら鉤爪ロープぶん投げ投擲の引っ掛け、とかに切り替えてもいーんだろーけどね。
ただ、ザコちゃんはチョークとソースでカバンいっぱいいっぱいだから。お手伝い出来なさだけど。

今日までだけど一応、時間ぎりぎりまではこの会議室覗いてっから。なんかあったら呼んで。

《イマジネイター》 ナノハ・T・アルエクス (No 11) 2019-09-09 21:22:08
ふむふむ、なるほど…

側面や後方に回り込むつもりだったけど、陽動したい時に違う方向から攻撃するのは良くなさそうだね。
うん、陽動する時には僕も陽動したい方向から攻撃するよ。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 12) 2019-09-09 23:50:45
フェミニズムは嫌いですかい?
ムダ毛処理は怠ってんのに、体はバッキバキに仕上がってるデカブツの前に麗しき淑女が立つ。リアリストの僕でも男としての甲斐性の無さを嘆くってもんで。

あ、罠設置は僕が持ってるよ。魔物との戦闘経験は少ないけど。
そういのは慣れてますんで。

ありがたいね〜。
感覚器官が絞られてる内は弓を用いての誘導は効果的だと思いますぜ。