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間代 空 GM 

 はじめまして。間代 空(ましろ そら)と申します。
 GM、執筆活動ともに、完全なド素人です。が、皆様の学園生活をより楽しく有意義なものにするお手伝いが出来ればと思っております。
 尽力させて頂きますので、温かく見守って下さると幸いです。
 よろしくお願い致します。


(はじめましてー♪ ましろだよ! みんなヨロシクねっ! ……とかの方がインパクトあって良かったでしょうか……)

担当NPC


メッセージ


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得意分野など

 基本的にはのんびり、ほのぼの、ふわふわしたお話が得意かと思われます。
 戦闘や冒険など、キレが重要なお話はあまり自信が無いのですが、色々とチャレンジしてみたい気持ちはあります。

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   2019/11/12更新

作品一覧


☆ラブ先生☆『デート』こそ愛よ! (ショート)
間代 空 GM
 教壇には1人の男性教師が立っている。  筋骨隆々とした逞しい肉体。精悍ながらどこか優しさを携えた瞳。  厳ついけどちょっと優しそうなおじさん。そんな表現がしっくりくる。 「はぁーい、みんな! ラブ先生から次の課外授業のお話よん。よぉく聞いてね?」  厳つい(中略)おじさんこと、【ライオット・ブランドー】先生は低音ボイスのオネェ言葉でそう言った。  ライオット先生……自称『ラブ先生』。  武神・無双コースを担当する教師の1人であり、ごく一部の生徒からは人気があったりする。  そんなラブ先生は逞しい肉体をくねらせながら生徒達に問いかけた。 「勇者にとって1番大切なものって、何か分かるかしらぁ?」  なかなか深い問いかけだ。  生徒達は各々が思い描く勇者像をもとに返答する。  強さ、勇気、魔力、信念、名声、権力、野望――。 「あぁん! どれも悪くはないわ! でも違うのよ!」  生徒達の答えにラブ先生が教卓を叩いて反論した。  教卓がメキッと嫌な音を立てた気がする件については、ラブ先生も生徒達もスルーしている。 「答えは『愛』よ! 愛があれば何だって解決できるわ!」  生徒達は内心思っていた。 (先生の場合、筋肉で全て解決できそうです……)  そんな生徒達の心中などお構いなく、ラブ先生は続ける。 「と、言うわけでぇ……。次の課外授業のテーマは『デート』よ! うぅん、愛を感じるわ!」  そんなラブ先生の言葉に生徒達の反応は多種多様。 「よっしゃ! あの子を誘おう!」  待ってましたと言わんばかりの生徒。 「デートの授業って具体的に何をすればいいのかしら……」  デートもまた授業の一環として冷静に分析しようとする生徒。 「相手いない。リア充爆発しろ」  思わず応援したくなるような生徒もいる。 「うふふ、不安になっちゃうのも愛よね。分かるわぁ」  でもぉ、と続けるラブ先生。 「ラブ先生、ちゃんと見守ってるからっ! あと成績にもちゃんと影響するから!」  思いっきり覗いてると宣言された生徒達は複雑そうな顔をするしか無かった。 「みんなの愛、先生に思いっきり見せつけちゃってねん!」  かくして、ラブ先生の覗き付き愛の課外授業デートに向けて、生徒達は各々準備を始めるのだった……。
参加人数
3 / 8 名
公開 2019-11-29
完成 2019-12-18

リンク


サンプル


 今日はわたしのおたんじょう日です。
 みんなにはないしょで、ひみつのパーティをします。
 ケーキやごちそうがないのは、パパやママにもひみつだから。
 ひみつだから、プレゼントもありません。
 おきゃくさんも、もちろんいません。ひみつだもん。

 ひさしぶりにカーテンをあけたので、まどの光が少しまぶしいです。
「おたんじょう日、おめでとう!」
 わたしから、わたしにおいわい。
 ぱちぱちってはくしゅをしていたら、ちょっとつかれちゃったのかクラクラってしました。

 いつものことだけど、おたんじょう日くらいは元気でいたいのに。
 でも、起きてたらどんどんくるしくなるから、ちゃんとベッドでよこになります。
 起こしていた体をたおして、ベッドにぱたり。
 少しおへやがまぶしいの以外、いつもどおりです。
 ――せっかくの、おたんじょう日なのに――

「かみさま、おたんじょう日だから、おねがいごとをきいてください」
 ――どうしてわたしだけこんなにくるしいの?――
「ケーキもプレゼントも、おともだちもいりません」
 ――さびしい、くるしい、もう、こんなのはいや――
「……らいねんも、ひとりぼっちでいいから」
 ――もう、こんなの、おわってほしい――
「また、おたんじょう日をむかえさせてください……」

 なみだがいっぱい出てきました。
 でも、みんなにないしょのおたんじょう日だからはずかしくないです。
 だれもいなくて、おへやにひとりぼっちで。
 だから、もっといっぱい泣きました――

 □ □ □

「やっぱり少し緊張するわね」
 そう言って軽く深呼吸をして自身を落ち着かせようとする1人の少女。
「この私が……勇者に」

 魔法学園『フトゥールム・スクエア』。
 少女は学園の新入生のようだが、なかなか門をくぐれずにいた。
 何やら呟いては深呼吸をしたり、学園の敷地内を覗いてみたりしている。

「見習いとはいえ勇者である私が、こんなところで迷っていたらダメよね、うん」
 と、言い聞かせるも、足は思ったように進まない。

 少女は昔、先天的な重い病に犯されていた。
 いつも暗い部屋で独りで過ごしていた。
 希望の見出し方も知らず。
 絶望の意味も分からず。
 ただ、薄暗い部屋で『最期』の時を待っていた。

 しかし、少女は今、自身の足で地を踏みしめ、フトゥールム・スクエアの前に立っている。

 奇跡が――奇跡、という表現が適切か分からないが――起こったのだ。
 少女は故郷の町では名が知れていた。
 小さな町だったからだろう、噂の類いはすぐに広まってしまう。
 『家から出る事すら叶わない重い病気の不憫な少女』
 そんな噂が、旅をしていた勇者の耳に入ったのだ。

「いえ、勇者だなんて……。私もまだ修行中の学生の身です。ですが、私の力がお役に立つのでしたら」
 柔和な物腰の、優しそうな女性。
「……お嬢ちゃん、今までよく頑張ったわね。お姉さんが、必ず助けてあげるからね」
 しかし、少女の家はお世辞にも裕福とは言えない。
 少女の命をつなぐ薬を買い続けなければならなかったからだ。
「……申し出はありがたいのですが……。その、お支払いできる報酬が……」
 少女の父は心底申し訳なさそうに言う。
 その心中は――申し訳ない、と思う気持ちは――旅の勇者に対してか、愛娘に対してか。

 すると、旅の勇者はにっこりと笑って。
「まあ、困りましたね。……では、出世払い、なんてどうでしょう? お嬢ちゃん、あなたがね、元気に大きくなったら。私の通っている魔法学園に入学して勇者を目指すの。それで、いっぱい人助けをする……なんて、どうかしら?」
 学園。勇者。人助け。
 あまりにも少女と無縁な言葉が並んでいたけれど。
 少女は『やさしいゆうしゃのお姉さん』のようになりたい、と思った。

 □ □ □

「あれからもう10年……。私は、勇者のお姉さんになれるのかな……」
 新しい一歩というのは、期待や不安が付き物だ。
 しかし、かれこれ30分以上門の前でうろうろとしている少女は、残念ながら少々不審者じみている。

「ねぇー、キミ! ウチの制服着てるけど、さっきから何やってんのー?」
 不意に声を掛けられた少女はビクッと肩を震わせる。

「見ない顔だけど、新入生かな? もしかして、学園が広すぎて驚いてたり?」
 振り返ると、人懐っこそうな雰囲気の少年がにこにこと笑いながら近付いてくる。
「あ……。はい、その、新入生で……その……」
「あはは、そんなに緊張しないでよ! んー、まずどうするんだっけ? 先生に挨拶、だったかなー?」
 少年は少し思案する様子を見せた後、少女に手を差し伸べる。
 少女が戸惑った様子で見ていると。
「案内してあげるからさ。一緒に行こう! まあ、先輩のボクに任せてよ!」
 少し冗談めいた調子で言う少年に、少女は安心感を抱き、差し伸べられた手を取った。

「キミはどんな風になりたいの? 勇者から村人まで幅広いコースが……って、ボク、生徒ってより先生みたいだね!?」
 自分の言葉に自分で笑う少年に手を引かれてくぐった校門は、まるで存在しないかのように、すんなりと少女を受け入れてくれていた。

「あ、あの……!」
 少女が声を振り絞る。
「んー? どしたの?」
「良かったら、おとっ……」
「おと? 音?」
「お友達に、なってくれれば……って、先輩に失礼ですよね、ごめんなさい!」
「ここでは学年とか年齢とか気にしなくて大丈夫だよ、マイフレンズ!」
 にこにこと、心なしかさっきよりも嬉しそうな顔の少年が振り返る。

「マイフレンズって……あははっ」
 緊張がほぐれてきたのか、少女は思わず笑い出してしまう。
「友達なのは事実だからねー!? そうだ、キミの名前は?」
「私は――」

 □ □ □

 目指す道、目標。
 新たな――はじめての――友達、絆。

 少女が『勇者』らしく活躍するのは少し時間がかかりそうだけれど。
 その瞳は、希望に満ちた光を宿し、輝いていた。