「ロボ・ガルコ。 ロボがファミリーネームで、ガルコが僕の名前なんだ。 困ったことがあれば何でも僕に言ってくれ。」
ロボ・ガルコは優しく正直者で単純で馬鹿な男である。 周りから、愛情という名の意地悪を受けながらも健気に成長し、 故郷の住人達からも頼られてきた。 嘘を知らず、他人の嘘を本気で信じているため、星の数ほど騙されてきた。 生まれた時から怒ったこともなく、周りに花を咲かせるような男であり、 人によってはイライラさせる存在。 まるで健気に尻尾を振る大型犬だ。
彼の信条は『困っている人を死んでも助ける』であり、 道行く人に困っていることはあるかと聞いて回っている。
好きなもの(こと)は人助け、黄色くてふわふわして中が赤い食べ物。 嫌いなものは救急用アルコールの臭い。
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「ガルコ、私はあなたが好きよ。 救いようのない単純で馬鹿なところが特に。」 2番目の姉がそう言った。
学園から徒歩で1ヶ月程で辿り着く1つの国、ガルコは国を守る王族の子息17人兄弟の真ん中。 彼曰く、国は王族以外が平和で平等な存在だった。 悪い言い方をすれば、王族以外の全てが奴隷であった。
ガルコは優しく正直者で単純で、馬鹿な男だった。 両親や兄弟から沢山の愛情を注がれ、 苦しむ住民達の話を1番よく聞き、彼らの言葉を本気で信じていた。
独り身の女性が「子供が出来たの」と言えば、おめでとうと大金を差し出し 怪我一つもない老人が「足を折った」と言えば、送りますよと抱えて家まで送り返す。 いじめっ子が「いじめられた」と嘘を付けば、駄目じゃないかといじめられっ子を叱る。 彼はそれが正しいことなのだと本気で思っていた。
1つ上の兄は弟を哀れに感じた。 「彼は【嘘】を知らないんだ」と。 ある日、兄はガルコを「国の頂点付近に立つ者」として 何が正しいのかを学び、故郷を正しく導かせる為に、この学園に連れてきた。 特に抵抗もなかったロボ・ガルコも良き王になるために 日々、勉強に明け暮れている。
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