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ゆうしゃのじゅぎょ~★春の嵐だ! 合宿だ!


ストーリー Story

「集合」
 くぐもった声が聞こえる。フルフェイスの兜の内側から。
 その人物は、重そうな白金(プラチナ)の甲冑を着込み、白いマントを肩から提げていた。
 兜もやはり白く尖塔型、目の部分だけ切れ込みがあるものの、その奥は影がさし、素顔はおろか瞳の色すらうかがうことができない。
 甲冑の人物は教師の【ネビュラロン・アーミット】、女性だ。声からすれば、おそらく若い。
 左利きなのか右腰にソードを佩いている。凜として立つその姿は、比較的小柄にもかかわらず殺意というか圧というか、毒蛇のそれに似た凄みがあった。
「指定した用意は、すべて整っているな」
 集まった新入生たちの脇に積まれているのは、テントや寝袋など野営具一式と食料、それに大量の薪だった。
 もうじき陽が沈む。
 甲冑の表面に彫り込まれた金飾りの意匠に、あかあかと炎が照りかえしている。ネビュラロンはかがり火を手にしているのだった。
 魔法学園フトゥールム・スクエアはとにかく広いので、敷地内には山も川もある。ここはそんな小川のひとつだ。浅く透明度の高い水が、さやさやと流れている。水辺独特の苔のような香りがしていた。
 一行がいるこの場所は、ぐるりと水に囲まれた中州だった。
 広さはせいぜい二十メートル四方といったところだろう。足場は主として、丸石の詰まった砂利だ。
「本日もジッセン授業となる」
 ネビュラロンのいう『ジッセン』は、『実践』か『実戦』なのかわからない。
「あらかじめ伝えておいたように合宿形式とする。陽が沈みきった時点で開始、明日また、日没が終わった時点で終了だ」
 ここまでは聞いていた通りだから、生徒たちはうなずくだけだった。
 問題は、この合宿で何をするのか、まだ知らされていないことである。
 空はペールブルーに染まっていた。太陽は山の彼方に消えつつある。
 ネビュラロンは中州の中央付近に薪をいくらか積み、そこにかがり火の火を近づけた。たちまち乾いた木に火が付き、焚火特有の煙がたちこめる。
 黙ったままネビュラロンは足で、地面に軽い盛り土をつくった。
 そうして、だしぬけに。
 何か拾い上げたかと思いきや、これを盛り土の頂点に突き立てたのである。
 丸まっていた布が風に翻る。
 一本の旗だった。
 地面から突きだしているのは二メートル程度、旗の面積も横一メートル半に縦一メートル程度だろう。白地に描かれているのはフトゥールム・スクエアの校章だ。
「明日(みょうにち)の日没までこの旗を倒さないこと。それが今回のミッションだ。一度も倒さず守り切ることができれば成功とする」
 旗が抜けたり倒れたりすればすぐにわかる、とネビュラロンは言った。
「旗には魔法がかけてある。異変があれば即座に、耳を塞ぎたくなるほどの強烈な音と花火のような火柱が立つ」
 そうなったら即失格ということだ。
「土塀や木材、荷を積み上げるなどの手段で旗の周囲を覆うことは禁止だ。必ず現状のように、四方から見える状態にしておくこと」
 禁を破れば、旗が倒れたときと同じ結果になるという話だった。
「今夜から明け方にかけては晴天が予想されている。雨の心配はない。現状、風も穏やかだ。野営しながら交代で見張れば自然に倒れることはあるまい」
 ほっとしたものが新入生一同の間に流れた。鬼教師として名高いネビュラロンのことだからどんな無理難題をふっかけられるかと思いきや、なにやらレクリエーション的な話ではないか。
 本日、日中は汗ばむ陽気だったがその分夜は過ごしやすくなると思われる。食料も豊富だし、小川に囲まれた中州というロケーションもいい。この辺りならきっと、美しい星空を楽しめるだろう。
 守る対象にしたって、ロウソクのか細い炎などであればともかく、ちゃんと立っている旗なのだ。存分に薪のたくわえもあるし、交代で張り番をすればまさかの事態はないだろう。
 この合宿で生徒同士の親睦を深めろ、という話なのだろうか――と思ったとしたら少々甘い判断だったというほかない。
「明日までの二十四時間で、この旗を狙う数度の襲撃を用意している」
 穏やかな話ではない。当たり前のように『襲撃』なんていうあたりはやはりネビュラロンだ。
「少なくともその一つは空からだ。のんびり星空を楽しんでいる時間はないぞ」
 それと――と、どことなく愉しげにネビュラロンは付け加える。
「天気が味方するのは明日朝までだ。明日午後に入る頃は荒天となる見込みだ」
 土砂降り、あるいは大風、はたまたその両方か。雷を伴わないことを祈ろう。
 ネビュラロンはきっと、そんな天候を見越してこの授業を組んだのだ。最悪、豪雨と大風の嵐のなかで、襲撃者を剣を交えるという状況もありえる!
 サディスト――! と君が思ったとしたら、たぶんそれは間違いではない。
「以上だ。質問は……」
 新入生の一人がおそるおそる手を挙げようとしたのだが、
「聞かん。健闘を祈る」
 すっぱりと断ち切って、ネビュラロンは回れ右をして薄闇に消えていった。
 ぼやぼやしている時間はなさそうだ。もう陽が沈んだのだから。
 授業開始だ。
 まずは大急ぎでテントを設営せねばなるまい。

 襲撃は空から。
 しかし地からもあると思ったほうがいい。
 さらに思わぬ来訪者もあるかもしれない。
 そして最大の敵、天候もたちはだかることだろう。
 この厳しい条件下でも君たちは守り切れるか……フトゥールム・スクエアの旗を!?


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 7日 出発日 2019-05-14

難易度 難しい 報酬 通常 完成予定 2019-05-24

登場人物 8/8 Characters
《優秀経理》白波瀬・静姫
 ヒューマン Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
名前:白波瀬 静姫(しらはせ しずき) 【外見】 白髪パッツンのロングヘア アルビノ 黄色人種 【性格】 真面目な堅物 理想を現実にする為の努力は惜しまない 自分に厳しく他人にも厳しいタイプ 【服装】 青いミニ着物に黒いニーソ 青いパンプス 制服のマントと帽子、手袋を着用 ※アドリブ大歓迎!
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《ゆうがく2年生》御影・シュン
 ルネサンス Lv11 / 黒幕・暗躍 Rank 1
おおっ!貴殿…初めましてでござるな!? しかも拙者と同じく新入生と見える! これは自己紹介といくでござろう! 拙者は御影・シュンでござる!あ、「ミカゲ」が苗字でござるよ。 種族は見ての通り祖流種…ルネサンスで、専攻は黒幕・暗躍科でござる! 敵地に忍び込んでの情報収集や、嫌いなあんちくしょうの闇討ちはお任せあれでござるよ! ……あ、物騒でござったか? そうでござるなー…居なくなったペットの捜索とかも請け負うのでござるよ!犬いいでござるよね!なんか親近感湧くー! 細々とした依頼は是非、拙者を頼って下され!…成功報酬は頂くかもしれないでござるがね? 拙者、ご学友の皆と比べるとちょーーっと歳が行っているでござるが、仲良くしてくれると嬉しいでござる! ◆プロフィール 狼のルネサンス 身長176cm 赤味がかった茶の短髪 素早く動く事に特化したしなやかな筋肉を持つ 顎と口元にかけて刀傷の跡が残っている 性格は明るく、社交的 表情がころころと変わり、喜怒哀楽もやや大げさに表す ただし人によっては、その感情に違和感を覚えるかもしれない 実は「ござる」口調はキャラ付けの意味で使っている ボロが出ると標準語になる 「シノビも客商売でござるからね~。キャラ付けは、大事。」 ※アドリブ歓迎でござるよ! ※フレンド申請も歓迎でござる!
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《模範生》レダ・ハイエルラーク
 ドラゴニア Lv16 / 黒幕・暗躍 Rank 1
将来仕えるかもしれない、まだ見ぬ主君を支えるべく入学してきた黒幕・暗躍専攻のドラゴニア。 …のハズだったが、主君を見つけ支えることより伴侶を支えることが目的となった。 影は影らしくという事で黒色や潜むことを好むが、交流が苦手という訳ではなく普通に話せる。 ◆外見 ・肌は普通。 ・体型はよく引き締まった身体。 ・腰くらいまである長く黒い髪。活動時は邪魔にならぬよう結う。 ・普段は柔らかい印象の青い瞳だが、活動時は眼光鋭くなる。 ・髭はない ・服は暗い色・全身を覆うタイプのものを好む傾向がある。(ニンジャ…のようなもの) ・武器の双剣(大きさは小剣並)は左右の足に鞘がついている。 ◆内面 ・真面目。冗談はあまり効かないかもしれない。 ・立場が上の者には敬語を、その他には普通に話す。 ・基本的に困っている者を放っておけない性格。世話焼きともいう。 ・酒は呑めるが呑み過ぎない。いざという時に動けなくなると思っている為。なお酒豪。 ・交友は種族関係なく受け入れる。 ・伴侶を支えるために行動する。 ◆趣味 ・菓子作り。複雑な菓子でなければ和洋問わず作ることができる。

解説 Explan

 全身甲冑の女性教師【ネビュラロン・アーミット】からの難題に挑戦します!
 防衛戦です。二十四時間旗を守り切ればミッションは成功、不覚を取れば失敗です。
 皆さんは魔神ではありません。体力的にも精神的にも、二十四時間不眠不休の緊張状態にいることはできないでしょう。適度に食事と睡眠をとり、合宿らしくキャンプファイヤーを囲んだりもして、リラックスする時間も設けてほしいところです。

●襲撃について
 ひっきりなしではなく数回ある程度です。それぞれの間隔は数時間はあることでしょう。空陸同時攻撃といった容赦のないことは予定していません。一応『合宿』らしいこともできるように、とネビュラロン先生が配慮してくれたのかもしれません(?)。
 ただ、襲撃は忘れたころにやってくるのでご注意下さい。
 うち一回は空からガーゴイルが襲ってきます。ガーゴイルの正体は石像であり、ある程度ダメージを与えると石像に復して砕けます。また、ガーゴイルはなんらかの方法で『自分が石であること』を自覚すれば石に戻ってしまうようです。

●来訪者いについて
 陣中見舞いと称し、教師【イアン・キタザト】がある時間帯におやつを持って遊びに来ます。
 キタザトは授業の内容については聞かされておらず、単なる春合宿だと思っています。まったく悪気なく「なにこの旗~?」と旗を抜こうとしたり、つまずいて旗のほうに倒れたりするかもしれません。ある意味襲撃のひとつとみなしてもいいかもしれません。ほどよくあしらいましょう。
 帰れ! とさっさと追い払ってもエピソードは失敗にならないのでご安心下さい。

 ※キタザトについては、拙作『天井裏より愛を込めて』のエピソードガイドをご参照いただけると幸いです。

●ネビュラロンについて
 二日目の日没直前(感覚的には十五分前程度)に再登場の予定です。
 ネビュラロンのヘルメットに手をかけようものなら、問答無用でガントレット(手甲)を填めた拳で殴られます。


作者コメント Comment
 桂木京介です!
 楽しい……かもしれない嵐の春合宿の開幕です。二十四時間戦い続けることはできませんので、交代なり見張りを立てるなりして、硬軟おりまぜた進行を心がけて下さい。
 EXエピソードとさせていただきましたので、緩んだ部分も書く余裕はありそうです。テントのなかで恋バナ(?)をする時間もあるかもしれません。
 戦いつつも、楽しい思い出も作れればいいですね。

 それでは次はリザルトノベルでお会いしましょう! 桂木京介でした。


個人成績表 Report
白波瀬・静姫 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:427 = 142全体 + 285個別
獲得報酬:15000 = 5000全体 + 10000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
旗を守る

【行動・心情】
外で実践するタイプの授業ですね
ふむ、旗を君主に見立てるのですね
分かりやすいです

私は近接攻撃が基本ですので遠距離からの攻撃にやや遅れを取ってしまいそうですが頑張りますね

旗はみなさんとローテーションを組んで警護に当たるとして

…旗を君主に見立てるなら…
先生が近づくようなら

「すみません、先生と言えど君主に近づける訳にはいきません」

と言って近づけさせないようにしましょう

ガーゴイル…石と自覚させるのに鏡を使うみたいでですので
私は剣を指して石だから貫けないと言うのをガーゴイルに見てもらえたら少しは自覚するかも

後半雨が降るならなるべく倒れないように風向きに立ち風避けになりますね

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
まずテントの設営、薪や食料を移動などやれる事を優先
特に薪や食料は濡れたら大変ですから『おおなべ』など嵩張る荷物を置くために持ってきた『テント』に入れて保護

旗の見張りはペア(相手は誰でも)を作ってローテーション
見張り中は防具の手入れをしたりお話しつつ周囲を警戒

襲撃者が来たら最前線で盾役となり旗や他の方々を守ります
挑発したり怯んだ言動をするなど標的になりそうな行動をして攻撃を私に集中させたら技能を駆使して攻撃を受け止め、その間に他の方々に対応をお願いします

天候が荒れてきたら旗を差してる盛り土を補強。旗に触らなければセーフですよね

その後は濡れようがどうなろうが何があっても油断せずやる事をやるだけです

オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
心情:
やっぱり合宿に参加した時点で嫌な予感はしていましたが…
今回は軍医として皆さんをサポートしますね。
油断は禁物、最後まで気を抜きませんよ。


行動:
陣地作成で野営準備等々を手伝います。

見張りでは、ローテーションで誰か1人とペアになり待機。
見張り以外で余裕があれば周囲を捜索し「植物学」の知識を利用して薬草や木の実を探します。

戦闘面は主にサポート、仲間の体力気力魔力の回復に努め
戦闘後は怪我した方を「応急処置」したり回復に集中。
余裕があれば「アクラ」で援護。

ガーゴイルでは壊れた時の石の破片が飛ばないか、
敵による攻撃がこないか、など
みんなが安心して後ろを任せれるよう、常に旗に気を配ります。



御影・シュン 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目標
旗を守り切る
◆心情
拙者の青春合宿が実戦合宿に…トホホ
とはいえ、これもまた修行でござるな!協力し乗り切るでござるよ!

◆拠点作成
防御拠点で塹壕作成を補助

◆戦闘
武器攻撃とル3を敵に合わせ使い分ける
対空では攻撃が届く状態まで基本防戦

ル5は積極的に使用し
襲撃者の数を減らす事を優先

レスポンスは基本回避
旗へ被害が出そうな場合は身を挺してでも旗を守る

◆見張
ペアでローテーションし見張り
拙者は夜間を重点的に担当
寝静まっている仲間を起こさぬ様気を付け
気配察知と聴覚強化で警戒
敵襲に気付いたら大きな音を鳴らし報告
闇夜に忍び寄る影を見逃さぬは同じ影の役目でござる

夜間戦闘は暗視順応を使用
敵の数を見落とさぬ様細心の注意

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:213 = 142全体 + 71個別
獲得報酬:7500 = 5000全体 + 2500個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
フトゥールム・スクエア、アッセンブル!

【事前調査】で天気予報確認
過去のこの時期のこの場所の天気や風水害情報を得ておく

旗を囲むように【防衛拠点】で塹壕を掘って利用

旗の手前に『危険!落とし穴地帯』の看板を立てる(実際は落とし穴はなし)

2人のペアで交代で見張り
残りはテントを張って休む
異変があれば休んでいる仲間を起こしてみんなで対応
休めるものはしっかり休み、きりょくたいりょくまりょく回復
目視と【危険察知】で全周囲警戒
傷ついた味方へは【リーラブ】
頑張る味方へは【言の葉の詩】で応援

ガーゴイル(他の敵も)に風属性のプチフド
撃破時にガーゴイルやその破片が旗に向かわないよう方向に注意
弱点・急所は【魔物学】で確認



仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
目的
旗を守り抜く

使用スキル
設計
魔物学
陣地作成
基本鎌術
プチヒド
プチミド
精神分析
人心掌握学
料理

行動
まずは設計、陣地作成でテント、夜番用の焚火の設置
少しでも快適になるようにする
陣地を囲むように鳴子を設置。材料は木片やら石やらで。

夜番はペアでローテ回すのには賛成
賢者・導師コースの誰かとがバランスいいかな?

ガーゴイル対策は
やってきたら精神分析、人心掌握学で
「鼻毛出てるけど、身嗜みとか気を遣ってるか?
何だったら手鏡貸すから整えろよ」
と手鏡みてくれたらいいな・・・と
ダメだったら手鏡を相手にかざしながらプチミド→プチヒド

魔物は現れたら魔物学で思いだしたことを周りに知らせ前衛担当

その他皆の案を手伝う

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:213 = 142全体 + 71個別
獲得報酬:7500 = 5000全体 + 2500個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
■見張り
賢者・導師コース意外のメンバーとペアを組みローテーションで『気配察知』で周囲を警戒。

■ガーゴイル
魔法攻撃で旗に近づけさせないようにし、隙があれば『プチヒド』を光源とし『手鏡』でガーゴイルを映して石造であることを自覚させる。

■イアン先生
『説得/心理学/人心掌握学』で旗から興味を逸らし、近づけさせない様に誘導する。
面倒なら事情を説明する。

■ネビュラロン先生
ヘルメットを触られるのが嫌な様子なので『プチヒド』を『精密行動』で狙い撃つ。
『心理学/人心掌握学』から有効であると考えられる煽り文句でヘイトを高める。
尚、煽ったのは自分ではなく傍にいた男子生徒が言った事にする。

■アドリブ度:A

レダ・ハイエルラーク 個人成績:

獲得経験:171 = 142全体 + 29個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
・戦闘
・料理

◆プレイング
・可能なら【事前調査】をして【推測】、他の生徒への周知
・索敵には【気配察知】【暗視順応】を使用
・戦闘では【立体機動】【奇襲攻撃】【龍爪撃】【部分硬質化】【緊急回避】【飛行】【追跡】【跳躍】を使用
・昼夜問わずたき火をする
・炊事等に使用する水を多めに用意しておく
・対ガーゴイルではたき火にくべた木を松明代わりに持ち、【立体機動】【奇襲攻撃】【扇「風幻竜」】でガーゴイルに炎を浴びせる
・十分炎を浴びせたところで【立体機動】【奇襲攻撃】で水を浴びせ、「石」を自覚させる
・「ネビュラロン」に関してはあまり関わらない方針、攻撃を仕掛けてくるようであれば技能を最大限に使い回避に努める

リザルト Result

 煌めく真昼の熱気がまだ、そこかしこに砂金のように埋もれている気がする。
 テント生地の帆布からも、ぬくもりと太陽の匂いが立ちのぼってくるかのようだ。
「暗くなる前に設営してしまいましょう」
 と言う【ビアンデ・ムート】からペグ(ロープを地面に固定する金具)を受け取って、
「こうしてテントを建てていると、青春合宿という気分なのでござるがなあ」
 と【御影・シュン】は詠嘆するのである。小さなハンマーでさくさくと、ペグを地面に打ち込んでいく。
「しかしてその実体は、襲撃を警戒しながらのジッセン合宿というやつなのでござるよ。トホホでござる……」
 シュンの眉毛は八の字だ。元気づけるようにビアンデは言った。
「それでも、こうやってると気分は盛り上がりません? キャンプという感じで。大鍋(おおなべ)も今日は、本来の目的に使えそうです」
「おお、左様でござるな。皆で旗を防衛するというのも、一種青春の形でござるよね!」
 シュンの声に色つやが戻った。
 一同は手分けして、女子用男子用、それぞれひとつずつテントを建てている。もうひとつさらに小規模なテントもあったが、これは薪や食料の水没を避けるために用意したいわば保管庫だ。
「フフ、女子テントのほうがお洒落だね」
 仕上がったテントを眺め、【プラム・アーヴィング】は唇をかすかに歪めた。
「そうだろうか」
 と【レダ・ハイエルラーク】は首をかしげる。
「ご覧よ。小さいテントは茶色とベージュのペイズリー柄だけど、大きいテントは飾り気のない濃いカーキ色だ。軍隊みたいだよ」
「言われてみればそうかもしれないが、私は黒っぽいほうが好みだな」
 中も広いし、とレダは実利重視の模様である。
「だったら」
 とペイズリー柄の影から顔を出したのは【エリカ・エルオンタリエ】だった。ロープの張り具合を確かめながら言う。
「プラムさんはこっちのテントに寝泊まりする? 貴方ひとり分くらいのスペースはあるけど」
 えっ、と【白波瀬・静姫】はルビー色の瞳をぱちくりとしばたたかせた。
「わ……わりと大胆な提案をされますのね、エリカさん」
「変かな?」
 エリカは邪気のない表情だ。彼女は真面目な性格のわりに、ときとして浮き世離れした一面を見せることがあるらしい。
「ご提案はありがたいけど」
 とプラムは、長衣を揺らし艶然と微笑する。
「俺は男子テントにご厄介になるよ。野郎同士でしかできない話もあるから……ね?」
 と言って意味ありげな視線をレダに送るのだが、レダのほうはぴんとこないらしく、腰に提げた泡立て器に、無意識的に指をすべらせるだけなのだった。
「野郎同士でしかできない話……? 少なくとも料理の話ではなさそうだが……?」
 ところで、と生暖かい夜風を感じつつエリカは言った。
「明日の天気は荒れ模様みたいね」
 去り際に教師【ネビュラロン・アーミット】の告げた言葉に間違いはなさそうだ。
「いまは良い空なんですけどね」
 澄み切ったペールブルーの空を【オズワルド・アンダーソン】は見上げる。明日が雨だなんて信じられない。星がぽつりぽつりと見えはじめていた。
「まあ、明け方まではこの調子ならまだ救われていると言えるだろう」
 このとき【仁和・貴人】は焚き火の準備をしていた。
「朝までなら火も保ちそうだしな」
 短く集中し、呼び起こした線香花火のような火球(プチヒド)を枯れ木に近づけた。まもなくぱちぱちと薪がはぜはじめる。魔法がある世界というのは、こういうときにすこぶる楽だ。
 貴人のつけている仮面、その黒い虚空のような目の部分に小さな炎が映り込んでいた。
「警戒は必要ですが、いまのうちに食事を取りませんか?」
 オズワルドの提案に、一同は口々に賛意を示した。
「食事中に襲撃があるかもしれません。それだけが気がかりですね」
 と言うビアンデに、一案があると告げたのは静姫だ。
「旗を守ることが私たちの使命……旗を君主に見立てるなら、おのずと策も浮かぼうというものです」
 こういう手立てはいがかでしょう、と静姫は声をひそめて詳細を話しはじめた。

 ◆ ◆ ◆

 火を囲んで車座になる。
 火だけではない。フトゥールム・スクエアの旗も一緒に囲む。
 ビアンデの大鍋は数々の戦闘をくぐりぬけ主としてシールドとして使われてきたせいで、あちこち凹んでおり傷もついてはいるが、それでも鍋としての役割を立派につとめていた。
 ぐつぐつと煮立つシチューの味付けは、主としてレダが腕を振るったものだ。
「え? 拙者が味見していいのでござるか?」
 やっほう、と嬉しげにシュンは軽く小皿によそってもらって、ふうふう吹きながら口にした。即座に、
「うまい!」
 と声を上げている。
「『美味』というより、魂を込めて『ンマイ!』と断言したいところでござる! 野菜のダシがしっかりしみているばかりか、具材にもいい感じに火が通っていて最高、肉なんてアツアツのトロトロでござるよ~」
「ありがとう。風味を出すために、放浪中に学んだ香草を加えている」
 あまりに直球で褒められたせいか、照れたようにレダは言った。
「よければ、このオムレツも味見してほしいのだが」
 喜んで、とシュンはやはり小皿に、鮮やかに黄色い切れ端を載せてもらった。さっそく一口したとたん、またも感極まってこう叫んでいる。
「ンマーイ!」
 こんな美味い卵料理、食べたことがないでざるとシュンは言う。感激のあまり目まで潤んでいた。
「卵がふっかふかでござる! この秘訣は!?」
「秘訣? 丁寧に混ぜたくらいだが……」
 これで、とレダは愛用の泡立て器を手にとって見せたのであった。さすがはレダの泡立て器、比類なきその泡立て器だ。
「腹が減っては戦ができぬ、と言います」
 さっそくいただきましょう、とオズワルドが皆の器に食事を盛りはじめた。
「いただきます」
 静姫が手を合わせると、見よう見まねでエリカがならう。
(……僕も変わった)
 オズワルドは密かに思っていた。
 入学前のオズワルドなら、野営の食事なんて極力避けたことだろう。手を付けなかったかもしれない。ところが今は、ほとんど抵抗なく口にしている。
 食材は最高とはいえない。メインといっても、ビーフシチューとオムレツのみだ。あとは、日持ちはするが石みたいにカチカチの黒パンをかじるだけである。それでも、どんな高級レストランでも及ばないくらい美味しく感じられるのはなぜなのか。
 もちろんレダの腕もある。正直言って彼は、今すぐにでも料理の道でも身を立てることができるだろう。
 それに、とオズワルドは思う。
 きっと、みんなで囲んでいるからだ。
 自分はいいほうに変わってきている、そう信じている。
 貴人もさすがに食事中は仮面を外していた。
「キャンプで食べる食事は格別だ。ファンタジー世界の食材って、化学肥料とか使ってないから味がしっかりしてるんだよな」
(思っていたよりずっと可愛い素顔をしているんだね)
 と、口には出さねどそんなことを思いながらプラムはパンをシチューにひたしていたが、ふと気になって貴人に問いかけた。
「ところで、ファンタジー世界、って?」
「えッ? オレそんなこと言ったか?」
 慌てたのか貴人は咳き込みつつ仮面を顔に戻す。
「ファ、ファンタジックなおいしさだ、と言ったんだ」
「ふぅん。そう」
 わかったような、わかっていないような、謎めいた笑みをプラムは浮かべる。
 幸い、食事中に襲撃はなかった。川の水で食器や鍋を洗い終わったときも同様だった。
 すでに夜は、一同を包み込んでいた。
 見上げれば満天の星、地上のあかりも焚き火くらいだ。
 腹もくちくなったこともあり、気が緩んでくるのはいかんともしがたい。少し、眠くもなってきた。
(いけない。まだ最初の攻撃すら始まっていないというのに)
 エリカはそう己に告げて、火のそばに座り直した。目は旗から離さない。
「どう思います?」
 オズワルドが話しかけてきた。彼の声はいつだって沈着で、聞いていて落ち着く。
「わたしが先生なら、いつ襲撃の手を向けるかって考えてた」
「攻撃のタイミングという意味ですよね。僕なら、緊張の糸がほぐれてきたときを狙うと思います」
「同感ね。それってちょうど」
 言いかけたものの口をつぐみエリカは立ち上がっていた。右手にはすでに、眠れる者の杖(レプリカだが)を握りしめている。
「来たようですね」
 オズワルドも同じだ。
 カラカラという異音を聞いたのだ。
 鳴子が反応する音だった。貴人が仕掛けておいたものだ。
 川の水音もする。

 ◆ ◆ ◆

 八人はそれぞれの得物を手に、音の出所に対し迎撃姿勢を取った。
 焚き火の照らせる範囲は狭い。
 だから、ぬっ、と闇の中から出し抜けに飛び出してきたように見えた。
 動物の顔だ。
「イノシシ? いえあれは……」
 静姫の剣が鞘走る。
「サイ!?」
 幼少期に図鑑でしか見たことがない姿だ。
 水を割り砂利を跳ね返し、突進してくる巨大な姿。堅そうな灰色の皮膚に覆われ、額の中央に角をもつ。
「聞いたことがあります」
 ビアンデは叫んだ。
「サイは火が大嫌いで、焚き火を見つけると踏み消しに来るって……!」
 その伝承が本当かどうかはわからない。そもそもあれが、本当にサイなのかすらわからない。
 しかし確実なことはひとつだ。
 それはあの大型動物が、迷いなく焚き火と、そのすぐそばの旗に突進しようとしているということ!
 灰色の獣は焚き火に突っ込んだ。火を踏みつぶし、同時に旗竿を押し倒している。
 あえなく旗は地に落ち、土にまみれた。
 しかし音が立ったり花火が破裂したりはしない。
 興奮さめやらぬのかその場で足踏みするサイの背に、ひょうと飛びかかるは黒い影。
「ダミー成功だな、白波瀬くん!」
 貴人だった。まるで黒い雷光、鎌で鋭い一閃を浴びせる。
 そう、消された焚き火も倒れた旗も、八人が囲み、守っていたものではなかったのである。
「ええ。旗が守るべき君主であるならば……」
 体ごとぶつかるようにして静姫が続く。サイの硬質の背に、ずしんと重い一刀を加えた。
「君主には、影武者がつきものです!」
 たてつづけの連続攻撃に、さすがのサイもよろめいた。
 そしてサイは気がついたのである。
 焚き火がある。焚き火がある。いくつも。
 そのすべての脇に、木の枝と布で作った即席の『旗』がなびいている!
 静姫の提案した策というのがこれだった。影武者作戦、すなわち、焚き火と旗をたくさん用意して敵を惑わすというものだ。
 ある程度知能があれば一目瞭然のダミーだが、サイにそんな判断力はない。攻撃を受けようが無視して、いきりたちまた別の焚き火に突っ込んでいく。
「それにしてもサイをけしかけてくるとは、実にあの先生らしいでござるな」
 シュンは旗と、魔法攻撃力を有するプラムの前に立ってつぶやいた。
 なお本当の旗は塹壕の影だ。完全に覆い隠してしまえばルール違反にもなろうが、目立たぬとはいえちゃんと四方から見えているのでセーフでござろう――というのが塹壕を築いたシュンの判断である。
「ネビュラロン先生らしい?」
 仲間の攻撃にあわせ、プチヒドでサイに追い打ちを与えながらプラムが言う。
「ああ、そうか、ネビュラロン先生っていかにも『攻め』って感じだもんねえ。あんまり女性には使わない表現かもだけど……ところで君は『受け』なのかい?」
「え……なんの話でござるか?」
「なんの話だろうねえ」 
 意味がわからず戸惑うシュンに、色っぽくプラムは流し目する。
 大鍋を前面に構え、ビアンデはサイにじりじりと迫っていった。
「倒す必要はありませんよね」
「ええ、追い払えばそれでいい。動物だから、恐怖を覚えればもう近づいてこないはずよ」
 エリカは応じて、ビアンデに守られながら風の塊を投げつけるのだ。決して大きな攻撃ではないものの、サイを怯ませる程度の効果ならあった。
「付近にいる敵は、あの一頭だけのようだ」
 レダの青い目は闇の中でも冴えている。その声のほうをサイは振り向いたが、そのときすでに、レダの姿は消えていた。
「ここだ」
 サイが猛烈な鼻息をたてつんのめった。
 レダは背の翼で音もなく飛翔し、サイの背後をとっていたのだった。風幻竜と名付けた巨大扇で、足を払うように一撃している。
「畳みかけます!」
 そこに静姫が追撃、刃が輝き、
「そろそろ帰ったらどうだ!」
 貴人の鎌が断つ、冷たい音を立て、
「これ以上ここにいても、得るものはありませんよ」
 どっと噴き出す水流は、オズワルドによるアクラの奇跡、
「ならば拙者らも」
「合わせようか」
 シュン、プラムがさらに追撃すると、サイは後じさりを始めた。
 エリカはプチフドの準備を開始したが、それ以上進める必要はなかった。
「さあ、お戻りなさい。もうほとんどの火は消えました……いいですよね?」
 ビアンデが優しく呼びかけると、その意を察したらしくサイはくるりと方向転換し、最初以上の勢いで闇の中に消えていったのだった。
 どうやら、と言ってレダは扇を一振りして畳んだ。
「……最初の襲撃は撃退できたようだな」
 わずかとはいえ、サイの反撃を受けて傷ついたメンバーもいる。
「ケガがある人は見せて下さい」
 オズワルドはさっそく、応急手当にまわりはじめた。

 ◆ ◆ ◆

 音と言えば川のせせらぎだけ。
 分厚く、黒いドームをかぶせられたような夜となった。灯はただ一つだけ残した焚き火と、こぼれおちそうな天の星々があるばかりだ。
 夜も更けてきたのでペアで見張り番を立てると、それ以外のメンバーはテントに入っていった。
 くじを引いて決めた最初の見張り番は、静姫とエリカだ。
 枯れ木をくべながら交代の時間をまつ。
「……そういえば、私たち」
 黒いニーソックスに包まれた脚を、うんと伸ばして静姫は言った。
「こうやってふたりきりで、話す機会ってこれまでありませんでしたね」
「そういえばそうよね」
 エリカは旗の前の石に腰掛け、両手を背後についていた。
「私……」
 静姫は少しためらったが、思い切って言う。
「エリカさんってもっと、怖い人かと思ってました」
「怖い? わたしが?」
「なんというか、もっと、とっつきにくいというか」
 エリカは苦笑した。気を悪くしたわけではない。むしろ率直に言ってもらえて感謝したいくらいだった。
「過去の記憶があまりないからかなあ……わたしはエルフとしても、 賢者・導師専攻の学生としても中途半端かもしれない」
 エリカは簡単に自分の経歴を話した。
「そうですか……それはお気の毒に……」
「大丈夫、過去の記憶はなくても、学園へ来てからみんなと作った思い出があるから。これからどんどん、増えていくだろうしね」
 それは良かった、と静姫は微笑した。
「でも、設営しているときに思ったんですけど、エリカさんって、ずっとお茶目な方でしたのね」
「あはは。むしろ天然っぽいと言われるわ」
「それを言うなら、私もまだまだ世間知らずで……」
 魔物に国が襲われるまで、ずっと箱入り育ちだったものですから、となぜだか申し訳なさそうに静姫は言った。
 それぞれの育ちは同じではない。種族も。専攻も。
 それでもエリカも静姫も、互いに相通じるものを感じていた。
「ねえ知ってる?」
 エリカは星空を指さす。とりわけ、大きく輝く恒星を。
「あの星を中心に、こう結ぶと星座が描けるでしょう? 鳥みたいに」
「ええ、確かに」
「あれにはね、こんな伝説があって……」
 エリカと静姫の会話が尽きることはない。

 ◆ ◆ ◆

 つぎに見張りに立ったのは、オズワルドとプラムのペアだった。
 しばらくは他愛もない話に興じていたのだが、やがて、
「俺ね、前から君と差し向かいで話してみたかったんだよ」
 とプラムは悪戯っぽい目をして言った。
「僕とですか? さして面白い人間でもないと思いますが」
「ご謙遜を。こうやって話しているうちに、君が知られざる一面を見せてくれるんじゃないかと期待しているんだ」
「割と見たままだと思うんですけど……」
 言いながらオズワルドは煙管を取り出し、手際よく葉を詰めて焚き火から火を移した。
 火が消えないよう手早くオズワルドは煙管を吸い、ゆっくりとひとすじの煙を吐き出す。
「いきなりびっくりだよ。君、喫煙者だったのかい?」
「これはただの娯楽です。そもそも、医者が煙草を吸ってはいけないと誰が言いました?」
「悪くないよ全然。そういうワイルドな一面がね、見たかったのさ。素敵だよ」
「ワイルドですか……まあ、悪友に教えられた習慣ではあります」
「悪いと言えば俺も」
 ついっと爬虫類のようにプラムはオズワルドに身を寄せた。
「今日はこんな破戒的な服装で来ちゃった。聖職者失格かも」
 プラムの服装はたしかに、いささか露出が大きい。夜目にも白い肩に膝、陶器のような肌を露わにしているのだ。うなじのラインも艶めかしい。
「いいんじゃないですか。大切なのは内面です」
「だよね? 心が清らかなら、服装とか性別とか性癖とか関係ないよね?」
「あの……性癖って言いました?」
 聞き間違いかと思いオズワルドは問い返していた。
 ところが聞き間違いでもなんでもない。
「うん! さぁそろそろ白状しちゃいなよ。観念してお前の性癖を語ってごらん? 俺、カタいおクチを開かせるの結構得意なんだ。もっとも、塞ぐほうも得意だけど……」
 プラムは蠱惑的な囁きとともに、じったりとオズワルドのほうににじり寄ってくるではないか。
 思わずオズワルドは声を上げていた。
「それ全然、清らかな人の言いように聞こえないんですがっ」
 あの、と声がしてふたりは同時に振り返った。
「そろそろ交代です」
 ぬいぐるみのように大鍋を抱きしめ、ビアンデが立ち尽くしていた。

 ◆ ◆ ◆

 ビアンデと貴人のペアである。
「いいものがあるんだ」
 夜食だ、と串に刺したマシュマロを貴人は火にくべた。焦げないように火から少し離して炙る。
「ありがとうございます。嬉しいですね」
 間もなくバニラの香りがただよいはじめ、静かな夜景に興を添えた。
 しばらく黙って、ふたりは火を眺めている。
 ……話題がない。
 どうしたらいいだろう。
 そういえばオレ、と貴人は思った。
(あんまり女と話したことないんだった)
 しかもこんな状況で。
 ちらとビアンデを見る。退屈しているのか眠いのか、盾、もとい大鍋を抱いたまま、彼女はまぶたを半分下ろしている。
 はっきり言って美少女だ。ものすごく。
 大きな瞳、柔和な顔立ち、夜のように黒い髪――貴人が元いた世界の基準からすれば、並大抵のアイドルではかなわないとくらいと言っていい。
 意識するなというほうが無理。
 そんなことを考えるとますます言葉に困る。
 しっかりしろ、と自分に言いたい。
(オレは自己中でゲスい魔王志望だ。功成り名を遂げたあかつきにはハーレムだって築くかもしれん男だ。それがこんなことで緊張してどうする……!)
 と自分を奮い立たせようとするのだが、いかんせん他の悪だくみはできたとしても、ビアンデに話しかける言葉は出てこなかった。ハーレムというプランについては再考の余地あり……かもしれない。
「よく眠れました?」
「えっ」
 急に声をかけられたので、貴人は飛び上がりそうになった。さっきまで考えていたことを、彼女には知られたくなかった。
「ほら、短い仮眠時間でしたから。十分休めたのかな、と。……私は大鍋をずっと抱えて臨戦態勢だったせいでしょうか、断続的にしか寝られませんでした」
 それはいけない、と貴人は仮面の位置を直す。
「オレはよく眠った。よく言うだろ、『悪い奴ほどよく眠る』って」
「貴人さんは悪い人なんですか?」
 真正面から問われると困ってしまう。
「まあ、魔王・覇王科の専攻であるから、どちらかといえば悪い側だと思う……思いたい」
「でも」
 ビアンデはにこりと笑って串を手にした。焼けましたね、とひとつを彼に手渡す。
「悪い人が、こんな素敵なお夜食を用意してくれませんよね?」

 ◆ ◆ ◆

 明け方までの番は、レダとシュンなのだった。
「こんな感じで良いでござるか?」
「そうだな。しかしもう少し手首のスナップを利かせたほうがいい」
「なるほど、難しいものでござるな」
 ふんふんと熱心にうなずきながら、シュンは泡立て器で一生懸命、ボウルの中身をかき混ぜている。
 ボウルのなかにあるのは卵と水、ふるいにかけた薄力粉をミックスしたものだ。すなわち、朝食用のパンケーキの材料である。
 もともと仲の良いふたりだ。和気あいあいと支度をしているのだった。
「手本を見せよう」
 レダは泡立て器を取って、目にもとまらぬほどの速度でかき混ぜ始めた。彼が手にしたとたん、泡立て器はまさしく伝家の宝刀となる。繰り出すは、早回しを見るような超速度、手つきも正確である。
「こうやって空気をよく入れるようにしておくのがコツだ」
「いやあ、鬼に金棒、ハイエルラーク殿に泡立て器、でござるなぁ」
「そこまで褒められるといくらか……面映ゆい」
 うつむきかけたレダだが、はっとして顔を上げた。
 シュンも同じだ。暗器の毒針を、音もなく袖の間からのぞかせ身をかがめた。
 しかし彼らの警戒は間もなく解けた。
「うわー、なにこれ? 鳴子? やだなあ、よけようとしたら川にはまっちゃったよう~」
 あー冷たい、とぼやきながら現れたのは【イアン・キタザト】だったのだ。白衣を着た錬金術の教師だ。色々な意味でズレていることで有名で、背が低く童顔ということもあって教師なのに新入生のひとりと取り違えられがちな人である。
「やあ、合宿の調子はどう? 遊びに来たよ」
 イアンは片手の風呂敷包みを持ち上げた。
「揚げモチ持ってきたんだ。みんなで食べよう」
「……」
 レダは怪訝な顔をする。シュンは、
(任せてほしいでござる)
 と言わんばかりにうなずいて、それから笑顔をキタザトに向けた。
「それはありがたい話。しかし先生、なにゆえ明け方のご訪問で? 陣中見舞いというのであれば、もう少し早いか遅いかのほうが適切ではござらぬか?」
「え? もうそんな時間? 研究室にこもっていたからわからなかった。まだ夜の六時くらいかと」
「むしろ朝の六時のほうが近いでござるよ……」
 と言いながら、さりげなくシュンはキタザトの前方に回り込んだ。悪意はないと思うのだが、この先生、なにかやらかしそうな予感がする。
「まあまあ、火のそばにお座りくだされ」
 ところがキタザトは聞いておらず、シュンをかわしてペタペタと旗のところに歩き始めたではないか。
「えー、なにあの旗~?」
「すみません」
 と立ちはだかったのは静姫だった。会話を耳にしてテントから飛び出してきたのだ。
「この旗は我らが君主、先生といえど君主に近づける訳にはいきません」
「くんしゅ?」
 キタザトは状況をビタイチ理解しておらず不思議そうな顔をするばかりだ。
「ここで問題です」
 静姫を追ってビアンデも出てきた。
「やむを得ない理由があって、大鍋を使って料理を作らなきゃならない時、先生ならなにをどういう方法で作りますか?」
「え? 日常生活に関するアンケート? そうだなあ、僕ならすき焼きとかかなあ……」
「さあ先生、みんな起き出してきたことですし」
 と、貴人がキタザトを火の前に座らせる。
「朝食ご一緒にどうですか? その揚げモチもいただきます」
 その貴人とキタザトを両サイドから挟むようにして、プラムも石に座るのだった。
「おはようございます先生。パンケーキ、美味しいですよ」
 パンケーキを作っているというのは今知ったばかりだというのに、エリカはたくみにキタザトの注意を旗からそらせている。
「そう? じゃあ一緒にいただくよ」
 とキタザトが言ったので、レダは安堵のため息をつくと、フライパンを取り出して火にかけたのだった。
 空が白々と明け始めていた。
 薄曇りの朝だった。

 ◆ ◆ ◆

 朝食も終わり、
「じゃあそろそろ帰ろうかな」
 と腰を浮かせかけたキタザトは、悲鳴をあげて尻餅をつくはめになった。
 川から、鋭い頭部を持つメカジキのような魚が飛び出してきたのだ。魚はキタザトを飛び越え、水飛沫をあげ着水した。
 川にメカジキ? いるはずがない。これも昨夜のサイ同様、襲撃のひとつと考えていいだろう。
「フトゥールム・スクエア、アッセンブル!」
 警戒態勢を敷くべくエリカが声を上げる。呼びかけに応じ、メンバーは旗を包むような陣形を組んだ。
「あの魚、本物の旗だけを狙っています……!」
 オズワルドが指さす。もう一度魚が跳び上がり、かろうじてこれをビアンデが防いでいた。あきらかにフトゥールム・スクエアの旗だけを狙っている。今度の相手はダミーには目もくれないようだ。
「ぬ、弱り目にたたり目とはこのことでござるか」
 シュンがうなった。曇っていた空から、ポツリポツリと雨が降り始めたのだった。しかも雨脚は、加速度的に強くなっていく。
「わわわ……」
 キタザトがなぜか旗のほうに逃げようとするので、レダは手早く彼を引き留めている。
「先生、落ち着いて」
 キタザトがうっかり旗を倒す不安もあったが、そもそも敵が旗を狙ってきている以上、その方向は危険そのものだからだ。
「やれやれ、水も滴るいい男ってね」
 プラムはぐしょ濡れだ。
 たちまち雨は、スコールかと疑うばかりの状態となったのだ。
 視界を確保するのも困難な状況となるが、それはメカジキも同様らしい。だんだんと見当違いの場所から跳躍するようになっている。
「敵も雨に弱っているのか。だったら、雨が激しいうちに決着をつけたほうがいい」
 青銅の鎌を貴人は水面に叩きつけた。相手は巨体、狭い小川だから当てやすい。
「まさに春の嵐……!」
 体を張って風よけになるべく、静姫は風上に立って旗を守る。風で倒れるかと思いきや、かなり深く旗竿は刺さっているらしく、揺れはすれども倒れる気配はなかった。
 負けない。
 あの旗のように。
 このときこの場にいた全員が、旗に勇気づけられたように感じていた。
 はあはあと肩で息をしながら、ビアンデはようやく大鍋を下ろした。
 雨が小降りになる頃には、すでにメカジキはどこかへ逃げており姿を消していた

 ◆ ◆ ◆

 事情を聞いて納得したキタザトは、頑張ってと言い残してキャンプを離れた。
 豪雨と襲撃で、一同は泥のように疲れ果てていた。交代でテントに入り、服を乾かし短時間ずつでも休憩を取る。
 雲に覆われた太陽が傾き始めた頃、
「ついに真打ちが来た、ってわけか」
 貴人が空を見上げた。
 雨上がりの薄暗い空を、有翼の怪物が馳せてくるのである。集団で。
 怪物の姿は複製品のようにそっくり同じだ。翼は竜のごとく、頭部は禿頭の老人のごとく、アンバランスにだらりと長い手足は、霊長目の一種を思わせた。ただし体毛はない。
 何体いるのだろう。数え切れない。いずれも凶凶(まがまが)しい表情で、ギャアギャアと甲高い声を発しながら旗を目指す。
「連中にもダミーは通じないでしょうね」
 言うなりオズワルドは身を挺し、凶獣の攻撃から旗を守った。
 前方だけではない。背後からも側方からも、ガーゴイルは旗を包み込むように襲撃を開始したのだった。
「校旗は我らが君主! 一命に代えても守り抜きます!」
 静姫の刃が、ガーゴイルの一撃を弾き返した。
 なんて硬さ――!
 静姫は手に痺れを覚えた。本当に生物なのか。外皮の厚いサイと比べても圧倒的、まるで石ではないか。
「私はやるべきことを……やるだけです!」
 大鍋を頭上に掲げ塹壕に立って、ビアンデは自身を要塞とするかのように、飛来する怪物の攻撃を防いで防いで防ぎ続ける。
 当然肩も腕も、爪や牙でたちまち傷だらけとなった。けれどビアンデは悲鳴を発しない。うめき声すら、立てない。
「冗談じゃないね、まったく」
 プラムも防衛役の一端を買って出ていた。プチヒドで応戦するも、撃墜するには至らない。敵を遠ざけるのがせいぜいだ。
「聞いたことがあるわ!」
 怪物の絶叫に負けじと、エリカが声を張り上げた。
「ガーゴイルの正体は石像……自分が石であることを自覚すれば、像に戻ってしまうことがあるって!」
 このときシュンは尋常でないほどの集中力を発揮し、一体の怪物の脚をつかみその背に飛び移ると、眼前に迫る別の個体の、顔面をいやというほど殴りつけていた。このとき彼の腕はヒトのそれではない。大きな爪、魔牙であった。
 シュンが叩きつけた怪物を、空中で打ち返すようにしてレダが扇で打ちすえた。たまらず落下したガーゴイルは、石像に復し砕け散ったのである。
「おお!」
「なるほど石像に違いない」
 シュンとレダは顔を見合わせる。
 そうとわかれば、と貴人は頭脳戦を展開した。
「なあ、ガーゴイルくん、頑張ってるようだけど……いいのかな。鼻毛出てるよ? 身嗜みとか気をつかってるか?」
 戦場で持ち出すには唐突すぎる発言だが、貴人の口調があまりにも真に迫っていたせいか、怪物はぎょっとしたように動きを止めた。
「ほら、見てみろよ」
 貴人はすかさず手鏡を取り出し怪物につきつけた。
 効果は絶大だった。
 鏡をしげしげとのぞき込んだ怪物は一瞬にして石像に戻り、地面に落ちて木っ端微塵となったのだ。
「いいねえ」
 ニヤリとプラムは笑った。こういう作戦は好みだ。
「俺にもちょうど手鏡の持ち合わせがあったんだ。ほうら、現実を直視する時間だよ」
 誘うがごとく鏡を向ければ、まるで操り人形の糸を切ったよう。面白いほどにガーゴイルは落ちて砕ける。
 もちろんガーゴイルのほうも鏡を避けようとするのだが、
「旗よりよっぽど鏡のほうが面白いよ。さあ」
 プラムの甘えるような、あるいは誘惑するような口調には、どうしても抗えないのだった。
 静姫もすぐに作戦に乗った。
「硬いですね、ガーゴイルの皆さんは。硬い硬い、刃が通りません。まるで石です」
 言いながら攻撃すると、剣がかすっただけで『自分は石なのだ』と悟ったか、ガーゴイルは石に戻って墜落する。
 いいね、とエリカもやってみる。
「顔色が悪いし肌が荒れてて石みたいよ!」
 石みたい、の部分にアクセント。鏡をもつ味方に誘導せずとも、声が届いたガーゴイルたちが、あきらかに動揺するのがわかった。精神的に耐えきれなくなったか、呼びかけだけで石に戻ってしまうものもある。
 同類が石に戻るを見て、連鎖的に石像になる個体も少なくなかった。
 その間もオズワルドとビアンデはチームを支え続けていた。
「砕けたガーゴイルの欠片が飛んできて……ということもありますからね」
 オズワルドは旗を守る。その合間合間に、手傷を負った仲間の治療も行う。彼はまさにチームの生命線、休む間もない活躍だ。
 同じくビアンデも、石礫にも攻撃にも負けず、掲げた大鍋を下げることはない。彼女こそ守りの要だ。
 かくて数分も経つ頃には、動くガーゴイルはすべて石に帰したのである。
 旗は、無事だ。
 新入生たちは勝ちどきのように歓声をあげ互いを讃え合う。 

 ◆ ◆ ◆

 間もなく日没という頃、
「邪魔だな」
 と鳴子を切断し大きな音を立て、水を蹴立てて近づいてくる姿があった。
 小雨交じりの薄暗がりでも十分にわかる。
 白い全身甲冑だ。顔も兜で覆われている。
「やあやあ、これはネビュラロン先生」
 朗らかに笑みを向けながら、シュンはビアンデに目配せした。
 わかっています、と言うようにビアンデは軽くうなずいて、ごく自然に旗を守る位置に立った。
「先生、もう終了の時間ですか?」
 オズワルドも油断はしていない。ごく自然に甲冑教師の足を止めるような位置に立った。
 オズワルドは忘れていない。いや、彼のみならず、この場の誰もが。
 日没までこの旗を倒さないこと――とネビュラロンは言った。
 しかし日没まではわずかに間がある。
 つまりネビュラロン自身が、旗を倒そうとする可能性は十分にあるということだ。
「なるほど、用心深いようだな」
 ネビュラロンの声は女性のものだが、随分くぐもってもいる。
「ええ、ネビュラロン先生は信用してはいけない……」
 プラムは言い、
「……と、言ってました、そこのシュン君が」
 しれっとシュンを指さした。
 ひゃーっ! シュンはたちまち青ざめる。
「せ、拙者でござるか!? アーヴィング殿、濡れ衣ヒドいでござるよう」
 髪は大げさではなく逆立っていた。一方で、クックとプラムは喉の奥で笑っているではないか。
「というわけで先生、日没まで旗から離れていて休んでいてくれませんか?」
 エリカが言う。
「そうしてもらえると助かるので」
 貴人は告げながら考えている。
(ネビュラロン・アーミット教師の実力は未知数だ。おそらくは、八対一であっても決して有利とはいえまい……)
 静姫も丁寧に続けた。
「もう日が暮れます。少しの間、そこから動かずにいてくだされば十分です」
 という彼女の視線の先は、ネビュラロンから少しも離れない。
 レダは腕組みしたまま動かずにいた。
 心理戦というのは、苦手だ。
 しかしネビュラロンにおかしなところがあれば、気配を読み即反応すべくレダは身を強張らせているのだった。
 険悪なムードを解消すべく、明るい口調でビアンデは問いかけた。
「そうだ先生、やむを得ない理由があって、大鍋を使って料理を作らなきゃならない時、先生ならなにをどういう方法で作りますか?」
 キタザトに出したのと同じ質問だ。ネビュラロンならどう答えるか純粋に興味もあった。
 しかしネビュラロンの回答は簡潔にして明瞭だった。
「私は料理をせん」
 それきり、会話は絶える。
 針が一本、落ちてもわかるくらいの寂たる時間が流れた。
「わかった」
 やがてネビュラロンが口を開いた。
「これで今回の授業は終了とする――」
 という言葉が終わらぬうちに、ネビュラロンの手は腰の剣に伸びていたのである。
 剣を――!
 エリカは瞬時に悟った。
 投げる気だ。
 旗に!
 プラムは手を伸ばそうとする。
 ガン、と音が立った。
 放たれた剣が旗竿を倒した音ではなかった。
 レダの扇が、教師の手を叩(はた)いた音だった。
 それと、ネビュラロンの右手が、手首から地に落下した音でもあった。手甲(ガントレット)ごと転がっている。
「手が……!」
 貴人は一瞬、レダが教師の手を切断したのかと錯覚した。
「案ずるな。これは義手だ」
 ネビュラロンは左手でガントレットを拾うと手首にはめる。
 このとき、太陽が完全に没したのだった。
「認めよう。全員、優秀な成績で合格だ」
 静姫が安堵のため息をつく。エリカが感極まって、思わず彼女の両手を握る。
 貴人の仮面の下の表情は読めないが、彼がほっとしたように石に座り込むのはよくわかった。
 シュンが両手を伸ばし、オズワルドとレダの肩をぽんぽんと叩く。それ、俺にもやってよ――というような表情でアゴに指を当て、プラムが順番を待っている。
 今度こそ間違いない。
 新入生八名は、この合宿授業を完全に制したのだ。
「今日はありがとうございました」
 ビアンデは深々と頭を下げた。
「最後に先生、もうひとつ質問させていただいてよろしいですか」
 虎の尾を踏むような問いかけだが、いまなら訊けるはず――そう考えて彼女は言ったのである。
「先生はどうしていつも、お顔を隠されているのですか」
 無視されるかもしれないしコメントを拒否されるかもしれない。
 そう危惧したが、いずれも外れた。
 聞いた側が驚くほど簡単に、ネビュラロンは言ったのである。
「顔に傷がある」
 そしてこう付け加えたのだった。
「兜で隠しているのは、私が過去と決別したしるしだ」



課題評価
課題経験:142
課題報酬:5000
ゆうしゃのじゅぎょ~★春の嵐だ! 合宿だ!
執筆:桂木京介 GM


《ゆうしゃのじゅぎょ~★春の嵐だ! 合宿だ!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2019-05-07 00:13:28
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

取り合えず思い付くのは、交代で見張って、
何かあったら休んでいる仲間を起こしてみんなで対応するといったところかしら?

わたしは襲撃時の戦闘用に射撃できる魔法は持って行くつもりよ。
でもガーゴイルは上手くやれば、それほど消耗しないでやっつけられるかもしれないわね。

後は荒天時の対策を考えておきたいわね。
最悪のパターンを考えれば襲撃と同時になる可能性もあるから、
念入りに対策を立てておきたいわ。

《優秀経理》 白波瀬・静姫 (No 2) 2019-05-07 01:15:41
勇者・英雄コース所属。
ヒューマンの白波瀬 静姫と申します。
皆様、宜しくお願い致します(丁寧に頭を下げて

旗を倒さないようにする課題という事でしたが…。
天候で思い付くのは、旗が水を吸ってバランスが取れなくなる危険もあるかもしれません。
私、番傘なら持ってますので番傘で雨を凌ぎつつ襲撃に備えようかと思います。

キタザト先生なんですが…。
これは課題な訳ですから先生は関与しないでくれないと困ると説得してみたいと思います。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 3) 2019-05-07 09:01:17
勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。皆さんよろしくお願いします

>見張り
私もローテーションを組んで旗を見張りつつ備えるというのは賛成です
そうなったら、見張りは一人ずつかペアを組んで見張りをするかという事になりますが、どちらがいいんでしょう
私としては一人で寝落ちしてしまったら困るのでペアを組んだほうがいいかなとは思うのですが

>旗
盛り土を増やして倒れにくくしたり雨風を盾で受けて守る、ぐらいしか今のところ考えがでませんねぇ……
ところで私達は旗にどこまで干渉していいのでしょう? 完全に触っちゃダメなのか、ちょっと支えるぐらいならいいのか、ちょっと判断できかねません
ネビュラロン先生の事ですから、おそらく前者な気もしますが……

>戦闘
基本的に盾役を担当して襲撃してきた相手の攻撃から旗を守るつもりです。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 4) 2019-05-07 12:18:19
賢者・導師専攻のオズワルド・アンダーソンです。
よろしくお願いいたします。

旗:陣地作成で強化させることはできる…ことはないか。
旗に異変は、【触れる】くらいかと思われます。
倒れそう!立て直さなきゃ!と触れてしまったら魔法の効果が出てしまうかと。

僕個人で恐ろしいことは、
ガーゴイルが石に戻るとき砕けた石が旗に影響を与えないかですね。

あと鬼教師ことネビュラロン先生の干渉もあるかもしれないという推測も立てときますね。
考えすぎかもしれませんが油断大敵…。


消耗戦ですから、皆さんのきりょくまりょく体力回復メインに入ろうと思っておりますが魔法攻撃も出来ます。
とりあえず、もう少し話し合ってからどうするか考えます。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 5) 2019-05-07 19:44:17
魔王・覇王専攻、仁和だ。
よろしく。

陣地作成で少しでも快眠出来るようにする予定だ。


見張りはローテーションを組んで旗を見張りつつ備えるというのはオレも賛成だ。
んで、ペアまたはグループ組んで見張る方がリスクは少ないと思う。
トイレとか寝落ちとか色々あるしな。

戦闘はオレはどのように動くかまだ決めてない。
話し合い、バランスを取るように動こうとは思うが・・・
ガーゴイルに鏡で自身の姿を見せたらどうなるんだろうな?

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 6) 2019-05-07 23:29:20
五月病を患っている賢者・導師専攻のプラムです。よろしく。
今回の授業でウォーミングアップしてこれからの授業に備えようとか思ったら中々の難易度~。

最終的な人数にもよるだろうけど、今のところペアが良さげだよね?

俺もガーゴイルは手鏡とかあれば石って自覚させられるかなぁと適当に考えてる。

一応俺はプチヒド、プチラドが攻撃魔法で使える。
イアン先生への対策で、俺の対人スキルが役に立つかもしれない。
そんなとこ。

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 7) 2019-05-08 00:54:14
拙者は黒幕・暗躍科専攻、御影・シュンでござる。皆々方よろしくお願い致す!
……楽しい楽しい青い春合宿と意気揚々やって来たでござるが、この様な難題が待っているとは…トホホ。
とはいえ、全力で課題に臨む所存でござるよ!

>見張り
ペアでローテーションする案に賛成でござる。
見張りが一人だけの場合、対処が難しい場面も出てくるでござろう。
拙者、夜目が効き(暗視順応)夜更かしは得意でござるから深夜の見張りに立候補させて頂くでござる!

>ガーゴイル
鏡を使うのは、分かりやすくて良いでござるね!
しかして、効果が無かった場合を考え「石と自覚させる手段」は複数持ち合わせていた方が得策でござろう。
……まぁ今の所拙者は思いついてないのでござるが!

>戦闘
現状、拙者は対地戦闘に特化しそうでござるなぁ…。
何等かの物理攻撃と「魔牙」での魔法攻撃を襲撃者に合わせ使用していこうかと。
対空戦闘は他の方に頼り、拙者はサポートに回る事になりそうでござる。
また此度は種族特性の「支援補正:追撃Ⅰ」も有効に活用する所存でござる。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 8) 2019-05-09 13:17:28
ガーゴイルが空から襲ってくるとなると、防衛するのもなかなか難しそうだわ。
オズワルドさんも言っているように、撃墜したガーゴイルが旗に落ちてこないようにも
注意を払う必要があるわね。

そして、いきなり旗を攻撃されないようにガーゴイルを何とか誘導したいところだわ。

『魔物学』で少し調べてみたら、ガーゴイルは狡猾だけど臆病な性格らしいから、
挑発には乗らないけれど、弱そうな相手には襲いかかるともあるので、
ガーゴイルの姿に恐れを成して逃げるフリとかすれば、
そっちへ攻撃対象を移す可能性はありそうね。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 9) 2019-05-10 09:33:38
>見張り
グループに分かれてローテーションで対応するという意見に賛成してる方が多いので、見張りの時はそのようにしましょう
現状7人なので、2,2,3の3グループに分かれる感じになりそうですね

>妨害
ガーゴイルが弱そうな相手を狙う、という事なら攻撃手段を持たない(なおかつ性格的に)私を狙ってくるかもしれませんね
そうなったら旗を守れる意味でも都合がいいので頑張って竦んで、怯えつつ攻撃を受け止めましょう
あとわかっているのはイアン先生(?)ぐらいですが、私の方でもちょっと考えがあるので動いてみますね

>その他
天気がいいうちに風雨に晒されたら困る薪と食料をどこか安全な場所に移動したいところですが……テントを使わせてもらおうと思ってましたが、考えてみれば大きさとか数がわからないんですよね。どうしましょう

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 10) 2019-05-10 23:28:06
遅ればせながら参戦した。
黒幕・暗躍専攻のレダ・ハイエルラークだ。宜しくな。

相談途中での参戦になったからな…様子見しながら決める事になるが、了承願う。

《優秀経理》 白波瀬・静姫 (No 11) 2019-05-11 16:11:58
レダさんははじめましてですね。
宜しくお願いします。

>見張り
ローテーション了解です。
そしてレダさんが入って8人で区切り良い数字になったから4組に別れる事が出来そうですね。

>ガーゴイル
自覚させる方に考えるなら剣で攻撃して斬れない事を鏡で見てもらえたら自覚して下さるでしょうか?
こうなると番傘使えなくなってきますが。

>他妨害
旗をビアンデさんが近くで守ってくれるって言っていたので、私は近寄ってくる近接の敵に対しての警戒が良さそうですね。

…え?空からの敵ですか?
…………遠距離、中距離の攻撃が不慣れでして………(言い淀みながら
ま、魔法で、なんとか対応してみたいとは思ってます。
えぇ、勇者ですもの。
苦手なんて言ってられません!

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 12) 2019-05-11 22:54:31
レダ料理人が来たからには美味しいごはんが食べれそうで嬉しいな。
俺、アレ、こういうキャンプで食べがちなカレーとかシチューとかそういうの食べたい。
あと焼きマシュマロ。

…あ、課題だけど、んー
戦略的にペア分けるのか、運を天に任せてあみだくじ的なアレで決めるのかどうする?

俺が得意なのは、知っての通り魔法を使った攻撃(中距離)と対人スキルだよ。

とりあえず、ガーゴイル出たらビアンデさんに誘導任せて鏡とかで『自覚』させる方向で俺も助太刀するね。

ネビュラロン先生が一番の難敵だよね
15分耐久。

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 13) 2019-05-12 11:23:05
レダさん。今回はよろしくお願いします

>見張り
私は特にこの人と組みたいという希望はないので、決め方はお任せします

>ネビュラロン先生
先生がただ顔を店に来るだけとは思えませんし、おそらくジッセンという流れになりそうですよね……
疲労がたまってるであろう状態で先生と戦うのは正直ものすごく厳しいですが、頑張って皆さんの盾として最後まで頑張りますね!

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 14) 2019-05-12 17:52:12
ガーゴイルの判別法…というよりは、石の砕き方…ではあるが。
熱した後に急激に冷やすと、非常に脆くなりやすい上に砕きやすくなるな。
そういった手段が取れるようならばガーゴイルは封じられたようなもの…だが。

問題は熱する手段と冷やす手段、だな。

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 15) 2019-05-12 17:56:20
合宿も合わせてやるようだから、「火」と「水」は間違いなくあるだろう。

水はガーゴイルにかけるだけだとは思うが、熱する手段は…魔法か松明か?
完全に砕かなくとも「石」と自覚させられるだけの手段にはなると思う。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 16) 2019-05-12 21:01:57
レダさんはお久しぶりな気がしますね。
よろしくお願いします。

見張りについては賛成です。
皆さんの戦い方を見て僕は完全サポート役、回復に回らせていただきますね。
魔力や気力の回復も必要があれば仰ってくださいね。
最後のネビュラロン先生は、…実践やりかねませんね。

水……アクラが使えますね。


《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 17) 2019-05-12 23:02:20
熱し方は、火の魔法で熱するか、私が持っているソウル・オブ・ギターの火属性。
あとは松明や火にくべた木を持ち、扇「風幻竜」で炎を浴びせるか。

そんなところだろう。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 18) 2019-05-12 23:32:27
旗は周囲を覆ってしまうといけないので、
【防御拠点】で隠さずに周囲にぐるっと溝を掘って塹壕にしようと思うわ。

イアン先生対策には『この先、落とし穴地帯』の立て看板を立てておくわね。
そうは言っても実際に掘ると疲れるし、事故が怖いから掘らずにあくまで警告用よ。

ペアでの見張りローテーションは了解よ。組み合わせは誰となってもOKよ。

【事前調査】で天気予報や風水害の予想が立たないか考えてみるわね。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 19) 2019-05-13 01:00:02
エリカさん流石~塹壕なら旗も見えるしペナルティにはならないね。

俺は火属性魔法が使えるから多少は役に立てると思う…まぁプチの火力だけど。

とりあえず、プラン提出が今日までだからしゃしゃり出ちゃうね~。

■ペアの組み合わせについて。
得意魔法は異なるけど、少なくともオズワルド君、エリカさん、俺が賢者・導師コースだから俺達は一緒のペアにならないほうがペアのバランスとしては良さそう。
近接攻撃が得意な人と一緒の方が隙がないと思う。

■ガーゴイルについて
皆で攻撃しつつ、鏡で自覚させられないかで対処する感じでいいのかな?
とりあえず、色んな方向からアプローチかけてみる感じで。

■イアン先生
気楽にあしらえばいいよね。
とりあえず、見張りの以外の誰かが適当に相手したり、エリカさんの看板とかで脅しておけば大丈夫でしょう。

■ネビュラロン先生
15分どうやって耐久する?
ヘルメット取られるのすごい嫌みたいだけど、ヘルメットに狙いを定めて取ろうとするとかで時間稼ぎするみたいな感じ?
きっとジッセンだから、料理とかで釣ったりは無理だろうしな~。
何かこう、戦闘以外…レクリエーション的なモノで勝負させてくんないかな…無理か。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 20) 2019-05-13 02:15:41
・ペアの組み合わせ
プラムさんの案に賛成だけど、わたしのプランの文字数がきつくて
現状では『ペアになる』としか書けないので、誰となっても構わないわ。

・ガーゴイル対策
基本はガーゴイルの苦手な属性のプチフドで戦うけれど、
「顔色が悪いし肌も荒れてる」なんて言って、鏡を持っている人の方へ視線を誘導するつもりよ。

・ネビュラロン先生
楽観的な考えでは、時間前に見に来るだけで攻撃まではされないと思うけれど、
もしかしてという考えはあった方がいいかもしれないわね。
殺されはしないでしょうし、15分耐えられたらラッキーだと思って、全員で突撃かしら?

・おまけ
わたしはもう文字数がないのだけど、もし余裕がある人がいたら
ダミーの旗をいっぱい立てておくのは時間稼ぎにならないかしらね?

休憩用のテントはわたしが一つ持って行くつもりよ。

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 21) 2019-05-13 02:51:46
俺もざっくり書いたプランを投下しとくね

《見張り》
賢者・導師コース以外の相手とペアを組み警戒する。

《ガーゴイル》
プチヒドを光源に手鏡に姿を映して石だと自覚させる

《イアン先生》
コミュ力技能で適当に遠ざける。
事情を話すのは特にペナルティじゃないみたいだし、面倒ならぶっちゃける。

《ネビュラロン先生》
ヘルメットを取られるのが嫌な様子?なので、頭部を狙って攻撃かな。
また、旗に触れるのは禁止じゃないみたいだし(多分)、最悪旗をもって防衛しようと思ってる。
旗の接触、もし禁止だったりしたら今の内に俺に教えて。

~その他~
見張りしてないときは、皆と会話できたらいいなー程度に記載してるからよろしく。

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 22) 2019-05-13 20:36:30
「明日(みょうにち)の日没までこの旗を倒さないこと。それが今回のミッションだ。一度も倒さず守り切ることができれば成功とする」
 旗が抜けたり倒れたりすればすぐにわかる、とネビュラロンは言った。
「旗には魔法がかけてある。異変があれば即座に、耳を塞ぎたくなるほどの強烈な音と花火のような火柱が立つ」
 そうなったら即失格ということだ。

…とあるから、接触はギリギリ可・抜くのは失格…のようだ。

《模範生》 レダ・ハイエルラーク (No 23) 2019-05-13 20:38:18
ただ、倒れないように旗を支えるのはルールを考えるとダメだと思う。

《ゆうがく2年生》 御影・シュン (No 24) 2019-05-13 22:40:16
プラン提出完了しているでござる。

まっことギリギリになって申し訳ないのでござるが、拙者の行動の宣言をさせて頂くでござる。
・防御拠点を装備し、エルオンタリエ殿の塹壕作成に助太刀する
・戦闘では支援行動を重視し、数を減らす事を優先
・戦闘中旗に危険が及びそうな場合は身を挺しても守る
・見張りでは夜間を担当。音で敵襲を知らせる
・ネビュラロン先生殿と戦闘になった場合、全力で掛かる
…などの事をもっと詳しく書いて提出しているでござ候。

また、ウィッシュプランの方に「悪天候の影響を軽減するために、風の影響を受けやすい布部分を、固定できないか試す」旨を入れているでござる。
思いついたのがつい先ほどで、拙者も頭を抱えたのでござるが…「実物を見て皆から意見を貰い、危険を感じたら絶対に実行しない」と明記しているでござるので悪影響は与えないと思うでござる…!何で数日前に思いつかないのかな拙者ァー!

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 25) 2019-05-13 23:08:06
あっ俺のプラン補足ね
御影さんみたく、旗に触れるの禁止的なアレだったらやりませーんとは書いてる。

いやー、嵐で普通にパタン…って倒れてくのを眺めるのは切なすぎるしワンチャン狙ってくね。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 26) 2019-05-13 23:08:20
オレもプラン提出済みだ

陣地作成でテント、夜番用の焚火の設置及び雨対策
また、陣地を囲むように鳴子を設置。

戦闘関連、各教師の対応等を記入しておいた。

・・・うまくいくと良いな。