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≪奉仕科3≫悲恋の結末


ストーリー Story

 奉仕科の【ユリア・ノイヴィント】先生が、俯き加減で教室に入って来た。
 美しい細工が施された竪琴を脇に抱えている。
 ユリア先生の様子が普段と違うことは、学生たちにはすぐにわかった。
 いつもふんわりと楽しそうに弾む髪は萎れ、目を赤く腫らしているのだ。
「先生! どうしたんですか!?」
「泣いてるの?」
 口々に問いかける学生に、ユリア先生は無理に微笑んでみせた。
「皆さん、ごめんなさいね。今日の依頼を読んでいたら涙が止まらなくなっちゃって……」
 ユリア先生は竪琴を教壇に置くと、盛大に洟をかむ。
 学生たちは、先生を泣かせた依頼の内容と竪琴を持ってきた理由を早く聞きたくて、黙ってユリア先生の言葉を待っていた。
「これは、今日届いた依頼です。読みますので聞いてください」
 涙を拭って、ユリア先生は今日の課題となる依頼の書かれた『手紙』を手に取った。
 いつもならば、依頼は内容を整理して所定のフォーマットに書き写してあるので、今回は異例である。
 ユリア先生は時々声を詰まらせながら、送られてきた手紙を読み上げていった。
「フトゥールム・スクエア魔法学園で困りごと解決の依頼を受け付けていると聞いて、急いでこの手紙を書いています。私に残された命はあと僅かです。人生最後の望みをどうか叶えていただけないでしょうか……」
 こんな書き出しで始まった手紙には、およそ次のような内容が書かれていた。

 ***

 手紙の差出人は【クララ・ウェーバー】。年老いたローレライの女性だ。
 彼女は数十年前、トロメイアの『八色祭り』に出かけた折、ドラゴニアの青年【イザーク・ワイマン】に出会い、互いに一目惚れした。
 しかし、ローレライとドラゴニアは水と火で、種族としての相性が良くない。
 今でこそ恋愛において種族の違いは障害にならないが、当時は互いの家がトロメイアの名家だったこともあり、周囲の猛反対にあった。
『今は無理でもいずれ時期が来たら一緒になろう』と誓い、誓いの印に互いの持ち物を交換することにした。
 そうしてクララはイザークの竪琴を受け取り、イザークはクララ愛用の横笛を預かったのだった。
 将来晴れて一緒になれた暁には、この楽器で合奏しようというささやかな約束が、別れて暮らす二人をつなぐ希望だった。

 しかし月日は無情に流れ、フトゥルーム・スクエアに移り住んでいたクララはとうとう死の病に倒れてしまった。
 クララは死ぬ前に竪琴を愛しい持ち主に返したいと、奉仕科に依頼したのだった。
 手紙の最後に、イザークの住む『トロメイア』の住所が記されていた。
 日付は二日前だった。

 ***

「という訳で皆さん、この竪琴をイザークさんの所まで届けてくださいね……」
 涙を流して手紙を読み終わったユリア先生の鼻の頭は真っ赤になっていたが、一部の学生の鼻も同様に赤くなっていた――。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2019-09-01

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2019-09-11

登場人物 5/8 Characters
《新入生》コウ・エイトクラウド
 カルマ Lv4 / 武神・無双 Rank 1
「コウ・エイトクラウド。見ての通り、カルマだ。以後よろしく頼む」 身長は凡そ180センチ以上、体重は70キロ前後のカルマ。 護身程度に格闘技を習得しており、それなりに引き締まり鍛えられた身体をしている。 切れ長の鋭い瞳で髪型はミディアム、無造作に下している。 右後方首筋と左手の甲に薄黄色の魔法陣が描かれている。 性格はどれかと言われれば「ミステリアス」が一番近いというだけで、完全にミステリアスというわけではない。 今まで不必要に関わらなかったせいか、他人にどう接すればいいのか分からないところがある。 また、その性格もズレていたりする。 淡々とした口調で話し、声を荒げることは少ない。 食事を通し魔力を取り込む傾向にあるため、食欲旺盛。 何に関しても『美味い』と感じるように設定されているため、非常に悪食。 今まで、他人に関わる事が少なかったためか友情や恋愛といった者に興味を示し、理解を深めようとしている。 ちなみに、寝起きの際に「グポーン」と目が赤く光るが、自覚はない。
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《真心はその先に》マーニー・ジム
 リバイバル Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
マーニー・ジムよ。 普通のおばあちゃんとして、孫に看取られて静かに逝ったはずなんだけど…なんの因果か、リバイバルとして蘇ったの。 何故か学生の時の姿だし。 実は、人を探していてね。 もし危ないことをしていたら、止めなければならないの。 生きてる間は諦めてたんだけど…せっかく蘇ったのだから、また探してみるつもりよ。 それに、もうひとつ夢があるの。 私の青春、生涯をかけた行政学のことを、先生として、みんなに伝えること。 これも、生前は叶える前に家庭持っちゃったけど、蘇ったいま、改めて全力で目指してみるわ。 ※マーニーの思い出※ 「僕と一緒に来てくれませんか?」 地方自治の授業の一環でガンダ村に視察に行ったとき、そこの新規採用職員であったリスク・ジムからかけられた言葉だ。 この時点で、その言葉に深い意味はなく、そのときは、農地の手続きの案内で農家を回る手伝いといった用件だった。 「よろしくお願いします。」 これ以降、私たちの間では、このやり取りが幾度となく繰り返されることとなる。 その後、例のやり取りを経て婚約に至る。 しかし、幸せの日々は長くは続かない。 結婚式の前夜、リスクは出奔。著作「事務の危機管理」での訴えが理解されない現状に絶望したとのことだが… 「現状の事務には限界がある。同じことの繰り返しじゃ、世界は滅ぶよ」 結婚前夜の非道な仕打ちよりも、消息を絶つほど思い詰めた彼の支えになれなかったことを今も後悔している。 ※消滅キー※(PL情報) リスク及びリョウに感謝を伝えること 片方に伝えると存在が半分消える(薄くなる) メメ・メメル校長はこのことを把握しているようで、これを逆手にとって消滅を遠ざけてくれたことがある。 (「宿り木の下に唇を盗んで」(桂木京介 GM)参照)
《ココの大好きな人》アンリ・ミラーヴ
 ルネサンス Lv18 / 教祖・聖職 Rank 1
純種が馬のルネサンス。馬の耳と尻尾を持つ。 身長175cm。体重56kg。 16歳。 性格は温厚。 あまり表情を変えず寡黙。 喋る際は、言葉に短く間を置きながら発していく。 少しのんびりした性格と、言葉を選びながら喋るため。 思考や文章は比較的普通に言葉を紡ぐ。 表現が下手なだけで、年相応に感情は豊か。 好奇心も強く、珍しいものを見つけては、つぶらな瞳を輝かせながら眺めている。 群れで暮らす馬の遺伝により、少し寂しがり屋な面もある。 やや天然で、草原出身の世間知らずも合わさって時折、突拍子の無い発言をする。 好きな食べ物はニンジン。 食べていると美味しそうに目を細めて表情を和らげる。 趣味はランニング。運動自体を好む。 武術だけは、傷付ける行為を好まないため苦手。 入学の目的は、生者を癒し死者を慰める力を身に着ける事。
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)

解説 Explan

 奉仕科の授業は、『人助け』がテーマです。
 真の勇者となるために、人としての心を磨くことが目標なのです。
 (詳しい解説は『≪奉仕科1≫誕生日パーティーのお手伝い』をご参照ください)

 1回ごとの授業内容は独立していますので、初めてでも問題なく課題に取り組める形となっております。

 今回は、切ないお届け物をする課題に挑戦していただきます。

●状況
 ・クララはこの日の時点ではまだ存命ですが病状は重く、明日をも知れない命です。
 ・イザークの家はトロメイアの高山『アルマレス山』の二合目あたりにある立派なお屋敷です。
 ・お屋敷はゴブリン侵入防止の高い塀で囲まれていて、中を覗き見るのは容易ではありません。
 ・イザークはクララとの仲を引き裂かれた後、引きこもりがちで、屋敷から出るのはたまに散歩に出る時ぐらいです。

●障害となる事柄
 ・クララが託した竪琴は、木製で繊細な細工が施してあり、壊れやすいです。
 ・アルマレス山の麓から中腹までのエリアには、ゴブリンが出現することがあります。
 ・イザークの家まで到達するために、徒歩ですと半日ほど登山しなければなりません。

●目標
 竪琴を無傷でイザークに届けることができたら成功です。
 可哀想な二人の夢は、いつか一緒に竪琴と横笛で合奏することでしたので、それを踏まえた行動をすると、悲恋の二人も慰められるかもしれませんね。


作者コメント Comment
 こんにちは。浅田亜芽です。
 プロローグに目を通していただき、ありがとうございます。

 恋愛ものを書きたいな~と思っていたら、悲恋が前提の筋運びになってしまって、自分でも驚いています。
 本来は明るく楽しいお話を書くのが好きなのですが、たまにはこんなしっとりしたストーリーも味わい深いと、改めて思いました。
 皆様のプランによって少しでも明るく希望のある結末に導いていただけたら、GM冥利に尽きると思っています。

 皆様のご参加をお待ちしております!



個人成績表 Report
コウ・エイトクラウド 個人成績:

獲得経験:65 = 65全体 + 0個別
獲得報酬:2000 = 2000全体 + 0個別
獲得友情:1
獲得努力:1
獲得希望:1

獲得単位:0
獲得称号:---

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
余命の怪しい笛のローレライ様様から、少ない余命をこもって過ごそうとしてる偏屈竪琴のドラゴニア様へ、貸し物交換の依頼、ねぇ。
自由じゃないのは家の思想と思考の意向。ふーん。…ふーん。
ところで彼、引きずり出したいね?…本人の記憶と希望によってだけど。

道中の諸々に関してはー、竪琴運搬するゆーしゃ様が無事ならなんでもいーからね。
ゴブリンの不意打ちがなければ、ひとまずは安心かな。
【気配察知】【危険察知】【聴覚強化】な【聞き耳】でそのへんは探しとく。仕留めるのはゴブリン、大体一撃で済むからいけるだろーけど。突然変異とかなければ。
運搬のゆーしゃ様危うかったら、竪琴のためにふわっと庇って【忍耐】でこらえっかな。


マーニー・ジム 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
竪琴には細心の注意で仲間の運搬を補助
ゴブリン戦は怪我した仲間にリーラブ

イザークの屋敷に入るにあたり、学園からの慰問を装う
仲間のハッタリを補強するよう、自分も【信用】【説得】で口ぞえする

イザークに面会できたら
クララの命が危ういこと、竪琴をことづかったことを説明
恋心の云々は当事者はわかってることだし人目もあるのでわざわざ口にしない

当時若者たちのハートを直撃した恋愛歌を【歌唱】【楽器演奏】
1番を竪琴で弾き語り
その後、竪琴をイザークさんに渡して、彼が演奏してくれるなら2番を彼の伴奏で

もしイザークがクララに会いたいと希望するなら最善を尽くす
「歌のラストは…あなたとクララで奏でてみたら?」

アドリブA

アンリ・ミラーヴ 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
イザークさんへ無事に竪琴を届ける。
俺は移動中に竪琴が壊れないよう出発前に梱包する。
竪琴に専用ケースが無ければ、荷物カバン(大)を代わりに使う。
ケースがあっても、カバンに納まるならケースごと入れる。
出来れば急いで綿を買いたい。ケースの隙間やカバンの中へ詰め込んで、緩衝材にしたいから。
綿が用意できないなら…ぬいぐるみを…綺麗に切って中の綿を取り出して使う。…ごめん、後で綺麗に元通りに直すから…。
カバンを背負って、竪琴へ出来るだけ衝撃を伝えないよう気を付けながら進む。
竹槍を杖の代わりにして、こけたりしないよう体も支える。
ゴブリンが現れたら、竪琴を守ること優先。竹槍を構えて牽制したり、必要なら戦う。

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【心情】
運搬だけなんてケチなことは言いませんぜ。
俺は知りたい。終わりを迎える、愛と死。
あなた達が紡ぐリリシズムに満ちた合作…!

【行動】
【隠密】と【沈黙影縫】を駆使し、道中の斥候を受け持つ。
ゴブリン発見時は剣先で陽の光を反射させ、味方に接敵のサインを出す。
また、ゴブリンが投擲などの行為を行う場合は飛び出して攻撃へ。
一体のはぐれと遭遇した場合はこちらで対処。背後から声を出されないように喉元を裂く。
イザークさんと接触で連れ出しが難航している場合は楽器を壊そうとします。
「どうせ返ってくるか、どーかも分からねぇモノだったんだ。別にこっちで処分しちまっても構わねーでしょ?」
本心を聞き出そうとします。


リザルト Result

 奉仕科の授業で【クララ・ウェーバー】からの依頼を聞いたその日のうちに、【コウ・エイトクラウド】・【チョウザ・コナミ】・【マーニー・ジム】・【アンリ・ミラーヴ】・【ヒューズ・トゥエルプ】は、取るものもとりあえずトロメイアの街に入った。
 クララの命が風前の灯であると知ったからには、一刻も早くイザークに会わなければならないと五人とも思ったからだった。
 一泊した翌朝。
 アルマレス山の麓の登山口にあるアルマレス神殿で、学生たちは登山の無事と気の毒なローレライの願いが叶うことを祈願してから、登山道に入っていった。

 ここアルマレス山はゴブリンが出る可能性がある。
 そのため、預かった竪琴をゴブリンの襲撃で壊されないよう守らなくてはならない。
 ゴブリン襲撃への対策としては、チョウザが気配察知や危険察知、聴覚強化を動員して、抜かりなく警戒しているのでひとまず安心だが、壊れやすい竪琴をどう守るかが悩ましい。
 ひとまず、竪琴を入れた荷物カバンを背負ったアンリを真ん中にして、皆で彼を囲むような隊形で進んでいく。
 学園を出発する前、アンリは繊細な竪琴を保護するための緩衝材として綿を買いたかったのだが、用意する時間が無かった。
 そこで仕方なく、ぬいぐるみの縫い目を解いて中の綿を取り出し、竪琴の周りに詰め込んでいた。
(ごめん、後できれいに元通りに直すから……)
 心優しいアンリは、『ガワ』だけになったぬいぐるみに約束している。
 アンリは山道で転んで竪琴を壊すことの無いよう、竹槍を杖代わりにして慎重に歩いている。この竹槍はゴブリンが襲って来た時にも戦う武器として少しは役に立つはずだ。

 *

 緩やかな斜面を登りつつ、五人は【イザーク・ワイマン】に竪琴を渡した後のことを議論していた。
「俺はクララさんがイザークさんを想い続けていた気持ちを伝えたい」
 こう言ったのはアンリ。
「気持ちってかさあ。依頼のローレライ様が瀕死の状態でドラゴニア様に会いたがってることは事実じゃん? 今の時代咎められることもない上、ここに協力者もいるっていう事実をお知らせ伝えればドラゴニア様も引きずり出せんじゃん?」
 チョウザの意見にアンリとコウは頷いた。
「僕は出来れば彼を連れ出して二人を再会させたいと、ユリア先生に言っておいたよ」
 ヒューズが言うと、ユリア先生は何て言ってた? とアンリが訊く。
「『そう出来たら一番いいのでしょうけど、先方の事情もおありになるでしょうしね。現場のあなたたちの判断に任せるわ』だってさ」
 ユリア先生のモノマネをしてヒューズは笑いを取ろうとしたが、マーニーは笑わなかった。
「先生のおっしゃるのももっともだわ。長く生きているとね、そりゃあいろいろなしがらみがあるものなのよ。ここまで二人が会えなかったのにはそれなりの事情があるはずよ。私はイザークさんを連れ出すのは反対だわ!」
 普段穏やかなマーニーの怒ったような口ぶりに、他の四人は驚いて目を見開いた。
 しかし一瞬の後、チョウザはもういつもの薄笑いを浮かべている。
「ザコちゃんは善意慈善じゃなくって、事実を伝えるだけ」
「事実を聞いて、イザークさんがどうするか、それは彼次第だ」
 チョウザの後を受けてアンリが続けた。
 ヒューズもコウも、口々に二人の意見に賛成する。
 マーニーは今回思うところがあるのだが、それはまだ仲間には伏せている。
 反対する理屈をあれこれ並べてみるものの、多勢に無勢で納得してもらえそうにない。
 口をへの字にして仲間の意見を聞いていたマーニーだが、ふと表情を緩めて小さく笑った。
「若いっていいわね……おばあちゃんも賭けてみたくなったわ」
 同級生たちの若い熱意に触れて、己がリバイバルとして蘇った意義を改めて思ったのだった。

 *

 適度に栄養と水分を補給しながら進み、イザーク邸らしき屋敷が見えてきた時だった。
 道の脇の茂みがキラリと光った。
 気付いたチョウザが見ると、茂みの中に潜んでいるヒューズが剣先で日の光を反射させ、ゴブリンが近づいているというサインを送ってきている。
 ヒューズは途中から隠密と沈黙影縫を駆使して一行から離れた所を進んでいたため、ゴブリンには見つかっていないようだ。
 その時、
「グワァッ」
 ゴブリンが一体、学生たちの背後から襲い掛かってきた。
 ヒューズのサインを受け聞き耳をたてていたチョウザが、ゴブリンが来る方向を正しく把握していたため、振り返りざまに持っていた六角棒で突き、その勢いを殺さず華麗な棒捌きで頭から殴り倒した。
 だが一体倒したところで、群れになって行動するゴブリンはまだまだ残っている。
 アンリは背負っていた竪琴入りのカバンを抱きかかえ、片手に持った竹槍をゴブリンに向けて牽制している。
 そのアンリと回復役のマーニーを、チョウザ、コウが背に庇って守りながらゴブリンの群れに対峙する。
 ゴブリンたちは茂みから見張っているヒューズにまだ気付いていない。
 しーっとジェスチャーで合図するヒューズ。
 前後を挟まれていることも知らず、ゴブリンたちは目の前の四人に向かって棍棒を振り上げて一斉に襲い掛かった!
 その機を逃さずヒューズが茂みから飛び出すと、ゴブリンの背後からフギン・ムニンで喉をかっ裂く。
 無防備な後ろから攻撃されたゴブリンは抵抗する間もなく、声も出せずに倒されていくのだった。
 それでもヒューズ一人で倒すには限界がある。ヒューズから離れた位置にいるゴブリンたちは仲間の危機を顧みることなく、チョウザらに向かっていっているのだ。
 チョウザは軽やかに攻撃を躱し、六角棒を見事に操ってゴブリンを次々と倒していく。時には離れた位置にいるゴブリンを挑発して自分に注意を引き、投擲の技能を活かして石を投げつけて倒した。
 それぞれの健闘で、ゴブリンを全部倒しきったと思った時……。
 倒れていたゴブリンの一匹がむくりと起き上がると、近くにいたアンリに襲い掛かった。
「危ない!」
 マーニーが叫ぶ。
「っ!」
 ボガッという打撃音と共に砂埃が舞い上がった。
 一瞬の後、バタリと倒れたのはゴブリン。
 竪琴を抱え込んでうずくまるアンリとゴブリンの間に滑り込み、身を挺してアンリ(と竪琴)を守ったのはチョウザだった。
 しゃがんだまま油断なく辺りを見回し、更に襲ってくるゴブリンがいないか確認している。
 どうやら、もうこれ以上襲ってくるゴブリンはいないようだ。
 六角棒を支えに立ち上がって服の埃をぱんぱんと叩くチョウザの腕に血が滲んでいる。
「ザコちゃんさん! 血が!」
 悲鳴のような声を上げて駆け寄ったマーニーに、忍耐で堪えたチョウザは笑みを見せた。
 守護石のネックレスを付けていたおかげで、ごく軽傷で済んでいたのだ。
 かすり傷で済んでいるのを確認して一安心したマーニーは、眉を八の字にして泣き笑いの表情をしている。
 自分の体を盾にして竪琴を守ったアンリはそんな二人をぼんやりと見ていたが、急に思い出してカバンから竪琴を取り出した。
 入念に調べたがどこにも傷はついていない。安堵したためかアンリの尻尾は起き上がり、控え目に振られたのだった。

 学生たちは竪琴と互いの無事を確認しあい、ようやくホッと一息ついた。
 マーニーはリーラブの魔法で仲間たちを癒し、ゴブリン退治で失った体力を回復させる。
 イザーク邸はもう目の前だ。
 目的地を目指す五人の足取りは自然に速くなるのだった。

 *

 イザーク邸の大きな門の前で、五人は立ち尽くしていた。
 呼び鈴もなければ門番もいない。
 丸太を並べて立てた高い塀の一部に設置された門は固く閉ざされ、押しても引いても開かない。
 試しに塀伝いに歩いてみたが、勝手口のような場所も見つけられなかった。
「塀を破壊して中に入ろうよ。さっき倒したゴブリンを引っ張ってきて転がしておいたら、運悪くゴブリンの襲撃で壊れされたと思うんじゃないですかね」
 ヒューズが提案する。
「ゴブリンの仕業ってハッタリかますなら、ザコちゃんにお任せ引き受けよー」
 他の方法もあるけど、と愉快そうに言ってからチョウザは火打石を弄んだ。火打石で塀に火を点けて住人の気を引こうというのだ。
 どちらにしても乱暴な手段だが、大火事に発展しかねない放火よりも塀を破壊する方がまだマシだろう。
 皆で相談して塀を破壊することに決めた時、
「あのー、何か御用ですか?」
 ふいに後ろから声を掛けられた。
 あまり感心できないことを相談していた学生たちはびっくりして飛び上がった。
 見るとそこには中年の女性が立っていた。服装からして、この屋敷の使用人だろう。
 怪訝な顔をしている女性に、実年齢は最年長のマーニーが完璧な笑顔を装って進み出た。
「私たちは魔法学園フトゥールム・スクエアから来ました。課題の一環で音楽の慰問をしております」
 さすが長年生きてきただけのことはある。信用と説得を使ったマーニーの物言いは落ち着いていて、さっきまで犯罪まがいのことを相談していたなどと微塵も疑わせない態度だ。
 アンリもマーニーの言葉を信用させるために竪琴をポロロンと奏でてみせ、愛想を振りまく代わりに意識的に尻尾をバタバタと振っている。
「まあ、こんな山奥までわざわざご苦労様です。旦那様も音楽を聴けば少しは気が晴れるやもしれません。ぜひお願いしますわ!」
 学園の制服を見たためか彼女はあっさりと信用し、ポケットから大きな鍵を取り出して門を開けて、学生たちを招き入れてくれた。

 *

 一行はイザークの書斎に通された。
 さっきの女性がお茶を出しながら学生来訪の理由を説明をしてくれたが、イザークはニコリともしない。
 女性が退室した後、なんとも気詰まりな空気に我慢できなくなったマーニーは、アンリから竪琴を受け取り、おもむろに楽器演奏を開始した。
 マーニーが若い頃、若者たちのハートを直撃した恋愛の歌なので、今の若い学生たちは知らない歌だ。
 だからマーニーは一人でその歌を歌唱する。同年代だと確信しているイザークに若い時の情熱を思い出してもらえるよう、マーニー自身も当時の瑞々しい気持ちを込めるつもりで弾き語りをした。
 歌詞の一番を歌い終えた頃、イザークの表情は初めよりは和らいでいた。少しは当時を懐かしんでくれているのであろうか。
 彼の雰囲気の変化に勇気を得たマーニーは言った。
「二番はあなたが演奏してくださらない? これはあなたの竪琴ですから」
「……なんだと?」
 いぶかるイザークに竪琴を手渡しながら、マーニーは初めて訪問の本当の理由を告げた。
 クララの依頼を受け竪琴を届けに来たこと。そしてそのクララの命が危ういこと。
 クララとイザークがかつて恋に落ちた話は誰も口にしなかったが、そんなことは言わなくても、当人同士が一番よく知っている。
 ただ、もうすぐ生涯を終えようとしているクララはイザークに会いたがっている。
 そのことだけを、学生たちは訴えた。
「クララさんが亡くなる前に間に合うかもわからない、から。でも協力出来ることなら何でもしよう。死んだ後には、例外もあるけど、ほとんどはもうどうしようもないから」
 寡黙なアンリが珍しく饒舌に言葉を紡いでいる。大切な人を失くす経験をしているせいか、『想いは伝えられる時に伝えるべき』と、耳を真っ直ぐイザークに向けて真剣に訴えかけるのだった。
 チョウザは、
「ローレライ様が瀕死で、今すぐ出ないと猶予も無い。手助けするって言ってるのに行く気無いなら知らない。精々悔やみ抱えるといーんじゃん?」
 突き放すように冷めた口調で言い放つ。
 学生たちの言い分を聞いているのかいないのか、イザークは何十年ぶりに手元に戻った竪琴の繊細な彫刻を撫でながら、愛しい人との日々を思い出しているようだった。
 突然、ヒューズが竪琴を取り上げて頭の上に振りかざした。
 驚くその場の全員を睥睨して、
「どうせ返ってくるかどーかも分からねぇモノだったんだ。別にこっちで処分しちまっても構わねーでしょ?」
 と言うやいなや、竪琴を床に叩きつけようとした。
「やめろっ!」
 イザークが大声で叫んでヒューズの腕を掴んだ。
「私には彼女との約束があるんだ!」
 それまでぼんやり物思いに耽っているような様子だったイザークが、正気に戻った瞬間だった。
 ヒューズにしても、本気で楽器を壊そうとしたわけではない。
 まんまとイザークの本心を引き出せたことに、してやったりとニヤリとした。
 まだヒューズを掴んでいるイザークの腕にマーニーがそっと触れ、
「さっきの歌、あなた方にとっても思い出深いんじゃないかしら? 歌のラストは……あなたとクララで奏でてみたら?」
 にっこりと微笑んでみせる。
 外見は若く見えていても、その目に溢れる慈愛の光は年長者のそれだった。

 覚醒したイザークの行動は素早かった。
 急いで下山するために、自家用の乗り物として飼っている大トカゲのような生物『カウンタッグ』を三匹用意させた。
 カウンタッグは一頭につき操縦手以外に二人まで乗ることができる。
 マーニーは偶然を装って意図的にイザークとペアになった。
 準備ができたカウンタッグから順次出発する。
 ゴブリンを寄せ付けない程度には余裕で走れるカウンタッグは、日暮れまでに麓に着くよう速度を上げて下りていく。
 イザークはクララの横笛と竪琴を収めたカバンを持ってカウンタッグの背で揺られながら、先程から妙に親しげなマーニーの態度を不思議に思っていた。
「君、どこかで会ったことはあるかな?」
「ふふ、あるわよ。だって私、クララの親友だもの」
 そう言われてイザークは古い記憶をたどる。
 輝くような笑顔のクララの横に、パッとしない女性がいたような気がする。
「あの地味な方……」
 思わず漏らした言葉に軽く睨んできたマーニーに気付き、
「いや、失礼」
 と謝罪する。
 黙りこくったイザークに、マーニーは優しく告げた。
「あなたたちの事はクララから全部聞いて応援していたわ。当時は私も仕方ないのかもと思っていたけど、時代は変わっているのよ。私もリバイバルとして蘇って初めて気づいたこともあるの。命あるうちにやらないで後悔するなんて馬鹿げてるって」

 *

 麓にはイザークが命じて至急用意させたグリフォンチャーター便が六人乗りの荷車を付けて待っていた。
 夕闇が濃くなるトロメイアの街から学園に向かって急いで出発する。

 ノンストップで翔けて行くグリフォンチャーター便のお陰で、来た時よりも早く学園に戻ることができた一行は、深夜、手紙の住所を頼りにクララの家に辿り着いた。
 学生たちが見守る中、思い出の曲をワンフレーズだけ合奏することができた恋人たち。
 クララは親友マーニーとの再会も喜び、幸せそうな微笑みを浮かべて愛する人の腕の中で息を引き取った。

 避けられない事実としてクララの死がある。
 けれども彼女の最期の望みを叶えることができ、学生たちは涙の中にも救いを感じている。
 竪琴を届けるだけの依頼だったが、ここまで介入して本当に良かったと、各々の胸の中でしみじみ思うのだった。



課題評価
課題経験:65
課題報酬:2000
≪奉仕科3≫悲恋の結末
執筆:浅田亜芽 GM


《≪奉仕科3≫悲恋の結末》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 1) 2019-08-26 00:24:16
家の意向でー、家の思考でー、家の思想でー。
個々の意向をガン無視してくんだよね、そーいう集団って。分かるよ、ホントに。

で、諸々のことも決めなきゃだけど。
ってもゴブリン自体は1発ぽこせば仕留めれる存在だから、そこまで気にしてないんだけどさぁ。
壊さないように運搬するゆーしゃ様と、ゴブリンとかの障害対応するゆーしゃ様で分ければいいし。

そんでもって思うのは。竪琴のドラゴニア様、引き込み引きずり出したくない?
もう流石に家の用事どーのこーのの縛りはないでしょ。あるとしてもこのご時世にそれー?って言いこめれそうだし。

…生死が不明のまま想い抱えんのって疲れるし、分かってて死に目に会えないのも引きずるし。…ねぇ?

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 2) 2019-08-26 17:36:42
賢者・導師コースで教師志望のマーニー・ジムです。
孫のタスクがいつもお世話になっております。
初めての授業参加です。よろしくお願いします。

ザコちゃん、さん…でいいのかしら?
孫がたびたび授業をご一緒させていただいてると聞いているわ。
コウさんは、同じ部活だと聞いているわ。
いつもありがとうね。

生前は一般人だったけど、
ゴブリンとの戦闘で足を引っ張らないよう、何とか工夫するつもり。
取り急ぎリーラブは履修してきたから、回復には貢献できると思うわ。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 3) 2019-08-26 17:46:32
ドラゴニアのイザークさんを…
引き込む、というのは、クララさんのもとに、連れていく、ということかしら?

年を重ねていると、どうしても常識的に考えて、出来ない理由を数えちゃうけど、
心情的には大賛成よ。
若い発想というのは素晴らしいわね♪
(プランとしても、最初反対、最終的に賛成、という描写を考えています)

ただ、本気でやるとなったら、一筋縄ではいかないわよ。
かなり具体的に、作戦を詰めないと、成功は覚束ないでしょうね!(腕捲り)

ちなみに、私個人の行動としては、
まずはイザークさん宅で、
【楽器演奏】で、クララさんの横笛で、当時メチャメチャ流行った恋愛曲を吹いて、
イザークさんに昔を思い出させるわ。

そこから先、イザークさんに同行するよう説得するとしたら、
まずは、ザコちゃんさんのハッタリに任せた方がよさそうね。

作戦が必要なのは、そのあと、イザークさんをどう迅速にお連れするか、
でしょうね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 4) 2019-08-26 20:20:46
そったらザコちゃんがゴブリン対応側いけばいーのかな。
他の課題ならよゆーでぽこせる存在だから、ザコちゃんがなるべく対応に回れるように気にしとくね。
突然変異系ゴブリンで強かったら?知らない。でもそれはそれで面白いから持って帰る。

そーそー、連れ出し系。
会いたくて苦しむんなら、さっさと会っちゃえばいーんだって。てか最後の機会だろーし。
生存確認も済んで、場所も知って、その場に行けない理由もなくて。じゃ、面倒はなしなしじゃん?
…自分で理由の壁作っちゃってんなら、好きにすればいーけどさ。その身の有難さを理解しないお方の可能性あるし。

で、ザコちゃん的にわりかし気になってんのはさ。
そもそも、屋敷は訪問出来るような存在なの?っていう。
わざわざ柵作って隔離隔絶してるくらいなんだし、受け入れる気ない偏屈集団かもだし。
そんときは柵壊すのか、音色でおびき出すのか、何らかの騒ぎ起こして立ち入んのかとか決めなきゃね。

でもって、自称老婆のリバイバル様は若干に誤解勘違いかも。
多分ザコちゃん達が持ってくのは、ドラゴニア様がローレライ様に託した『竪琴』の方でしょ。
ローレライ様が託した笛が今、ドラゴニア様の手中にあんだろーし。念の為ね。

《新入生》 コウ・エイトクラウド (No 5) 2019-08-26 22:06:26
挨拶が遅れた。
武神・無双コースのコウ・エイトクラウド。
今回はよろしく頼む。

ゴブリンに対しての護衛になるか、と思って志願した。
あと……恋愛というものに興味があったから、個人的に行く末を見届けたいと思ったわけだ。

故に、大まかな行動方針については任せておきたい。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 6) 2019-08-26 23:36:01
教祖・聖職コースのアンリ・ミラーヴだ。よろしく。(尻尾をパタパタ振る)
依頼主が、亡くなる前に、何か出来ればと、思った。
とても、つらい。

俺は、竪琴を運ぶか。壊れないよう、梱包とかして。
ところで…イザークを呼ぶなら、竪琴も、往復するのか?
とりあえず届けるか?

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 7) 2019-08-27 06:17:33
アンリさん、よろしくね。
あなたも、今回の依頼主さんに共感しているのね。
私たちが力を合わせて頑張れば、きっと大丈夫。

ザコちゃんさん、ご心配ありがとう。
恐らく誤解はないと思うけど、言葉が足りなかったようね。
イザークさんのところに着いたら、横笛をお借りして演奏しようと思っていたのよ。

ただ、思い出の横笛をお借りするのもなんだかな~、と思うわね。
そこで、作戦を変更して、歌を歌うことにしてみようかしら(歌唱取得)
1番を、お預かりした竪琴(楽器演奏取得)で弾き語り、
イザークさんに渡して、彼が演奏してくれるなら2番を彼の伴奏で歌ってみて
「ラストは、あなたと彼女で奏でたらいい」という路線はどうかしら。

あと、屋敷への潜入は、「勇者の学校から、ご高齢の方への慰問」でどうかしら?
やろうとしてることは慰問そのものだし。
え?どっかできいた作戦だ?
そう、孫がザコちゃんさんとご一緒したとき、似たようなことをしたのよね♪
(奉仕科1)

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 8) 2019-08-28 07:13:48
命の終わりか…。きっと、一途に思って生きてきたんだよなぁ。相手に会えないままで終わっちまうんかね。んまぁ、そんなんは今のご時世じゃ当たり前かー…。
ただ、せっかくなら。運搬なんてケチなこと言わずに本当の願いを叶えてやりたいよな。
と、大きめな独り言を呟いて登場。黒幕・暗躍コース専攻のヒューズ・トゥエルブです。よろしくお願いします。隠れたりー逃げたりーは得意なんで、道中は先行して周辺の哨戒を受け持ちますね。
音色で誘い出すって面白いですね。
ま、荒っぽい方なら…。
“ 運悪く“ ゴブリンに壁を壊されてしまうこともあるんじゃないですかね。丁度、慰問に来た我々が撃退してあげたら、お茶でも出してくれるんじゃないですかね。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 9) 2019-08-29 01:11:50
うん、マーニーさん、よろしく。

トゥエルプ、はじめまして。アンリ・ミラーヴだ。(尻尾パタパタ)
ちょうどゴブリン、撃退できたら、いいのだが…運が良くないと…(耳を伏せる)

屋敷を尋ねて、イザークさんへ御届け物、と言って呼んで、出てこないなら、送り主はクララさんだと、聞こえるように、大声で話すのは…どうだろう。

ところで竪琴は…もし、イザークさん達を、会わせるなら、運ばない方が、良いかもしれない。
急いでクララさんの家へ、行かないとだから、慌てると振動が、竪琴に、悪いと思う。
代わりに……クララさんが先生へ、送った手紙を、借りて持っていけば…気持ちが…彼に、よく伝わる気がする。
竪琴は、クララさんに戻して、イザークさんを、連れてくると言えば…えっと、頑張ってもらえる、かも。
…間に合うなら。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 10) 2019-08-29 14:39:48
ヒューズさん、はじめまして。
中々ユニークな方だけど、芯にはやっぱり優しさを感じるわね。
どうぞよろしくね。

さて、面白い提案がたくさん出ているけれど・・・
私は、「あくまで依頼文は尊重する」方がいい、という意見ね。
つまり、あくまで竪琴を運ぶということは外さないほうがいいと思うわ。

繊細な竪琴よりイザークさんを移動するという逆転の発想は非常にいいんだけど・・・

依頼内容は、奉仕科という別コースを新設するくらいに、
人間愛や人生の機微に通じているユリア先生が、熟考の末に、数ある可能性から絞り込んで、書き上げたものだと思うの。

だから、基本線は外さないほうがいいかな、というのが私の意見よ。

ここからは、「年の功」ということで、あえてお説教くさいお話をするけど。
ユリア先生が、二人を出会わせるという依頼内容にしなかった、つまり、そういう選択肢を提示していない、というのは・・・
やっぱり、クララさんの命が、果たして間に合うのか、ということが、どうしてもあると思う。

もちろん、私も、それがハッピーエンドだとは思うわよ。
でも・・・およそ通常の手段では、その実現が確約できないからこそ、
ユリア先生は、次善の策として、イザークさんに竪琴を届けるという依頼文にしたんだと思うわ。

だから、私は、竪琴をイザークさんに届ける(見せる)、という基本線は外さない、という意見。


もちろん、通常の手段を超える「何か」を、諦めるつもりは毛頭ないけどねっ(腕まくり)
時間はあまりないけど、確実な線と並行して、何とか二人を出会わせられないか、諦めずに検討したいわね。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 11) 2019-08-29 14:48:26
>ヒューズさん
ご高齢のイザークさんへの慰問、という芝居が通用すれば、
ゴブリンさんに壁を壊してもらう必要はなくなりそうね。
哨戒は、頼りにするわね。ありがとう。

>アンリさん
竪琴の変わりに手紙を見せるのも、確かに有効だと思うわ。
今回はたまたま私の意見と違うけど、発想が面白い。
策士さんとして大成するかもしれないわね(にっこり)

>二人を出会わせる方法
私はあくまで竪琴をイザークさんに届ける派の意見なので、
出会わせるとしたら、イザークさんをクララさんのもとへ超特急で運ぶ、ということになるわ。

まず思いつくのはグリフォン便なんだけど・・・
私がトロメイアに短期留学したときに、お世話になったグリフォン便のおじさんに、お願いできないかなあ・・・

(訳 ・・・と、ウィッシュに書いてみようと思っています。ちょうど、クララさんとの既知設定を希望しようと思ってたので、一緒に。
まさかのウィッシュ頼みという、こんなのは作戦でもなんでもないことなんですけどね(苦笑))

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 12) 2019-08-29 19:15:56
ゴブリンのガラだけ押さえて
こっちで壁をぶっ壊して潜入路を確保しようとした。
勇者で優男のヒューズ・トゥエリプです。

僕のはあくまで最終手段だね。
ザコちゃんって方と同じく、屋敷の人間に大して疑念を抱いているんだ。
だからと言って悪人では無い以上、害するのもね。
だから、こんな手を使わなきゃならない場合は壁の補修が終わるまでは守番をするよ。学院の揉み消し部隊も要請する必要がありそうだ。
と、こんなデンジャラースな案を上げてるのは
イザークと竪琴を持って早駆けする術が思いつかなかったからです。
と、なると次はイザークをさっさと引っ張り出さなければ、と。
考えた次第です。
(同じく、ウィッシュ案件になります。)
そして、筋の通った意見達に得心がいったよ。
あくまで依頼は依頼。まずは義務を果たそう。
ということで、マーニー殿の意見を推しますぜ。
これは勘で、何の根拠も無いけど。
一見、遠回りに見えそうなことが最短ルートなんてこともある。
結果がわからないのだから、せめて悔いのない選択をしようと思う。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 13) 2019-08-29 23:29:16
ヒューズさん、賛成いただいてありがとう。

グリフォン便については、留学のときのことをよ~く思い出して、
ユリア先生にも伝えてみるなど、ベストは尽くすつもりよ!
(訳 学生寮の経歴に記入し、ウィッシュの記載でGM様に参照を依頼するなど、
少しでも確率を上げそうなことをするつもりです)

私も、屋敷の人たちには思うところはあるわ。
自分の家が理解がある方だっただけに、あーゆう時代錯誤は理解できないし、
(既知設定が通れば)クララの恋は心から応援していたからね。

ただね~、イザークさんと屋敷のことが、依頼文からはよくわからないのが問題よね。
イザークさんが既婚か未婚か、家族がいるのかいないのか。
イザークさんと召し使いだけなのか、はたまた本当に単身なのか。
それによって、必要な対応はまるで違うわよね。

例えば、イザークさんがクララに未練を残しながら結局家族を持ったなら、
その家族に事情を悟られないよう配慮する必要が出てくるわ。

そしてそれは、クララの方にも言えるのよね。
私は、依頼内容から何となく、一人で暮らしてるように想像しているけど。

どのパターンでも対処できるプランを書くか、
どれかのパターンで決め打ちし、それに沿ったプランにするか、
難しいところよね…!

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 14) 2019-08-30 00:16:48
う、うん…たしか依頼は…授業の当日、届いたみたいだけど…準備も、出来なかったみたい…泣いてて。
でも、わかった。俺も、間に合うかわからないで、クララさんに期待させるの、つらいから。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 15) 2019-08-30 12:41:27
そうよね…もちろん、ユリア先生に準備不足があったなんて、全く思っていないの。
むしろ、手紙を読んで泣き腫らした目のまま、
通常の手順をすっとばして最速で依頼化する手続きを取り、私たちを集めた
その判断力と行動力、そして心の強さは、驚嘆に値するわ。

恐らくは私よりだいぶ年下だろうとは思うけど、
教職を目指す私としては、目標だと思っているわ。

さて、あれからしばらく考えたけど、手掛かりは、やっぱりあの手紙だけ。
それなら、想定される最悪を元に、行動するのが、私はいいと思うわ。

つまり…クララもイザークさんも、心ならず、だったとは思うけど、
すでに家庭を持っている。
連れ出すのはおろか、事情説明さえ、家族の耳に入らないよう配慮する。
そう想定して、行動を考えるのか、一番いいでしょうね。

考えておいたけど、なーんだ、お一人様だったんですね!
のほうが、逆よりもはるかに良いからね。

そこで私は、イザーク家には学園からの慰問を装って入り、
イザークさん本人に無言で手紙を見せて、人払いを促すような
仮プランを書いてみたわ!

クララの元に連れていく場合も、同じようにしたいと思うわ。
まだ、詳しくは詰めきれてないけどね。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 16) 2019-08-30 13:00:16
まだまだ、荒いけど、引き続き仮プランを磨いているわ。

取り急ぎ、みんなにカバーして欲しい部分をお願いするわ。

ザコちゃんさん イザークさんが行く気になるようなハッタリ
ヒューズさん 道中の哨戒
皆さん 対ゴブリン対策

もちろん、私の一意見なので、何かあれば教えてね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 17) 2019-08-30 14:29:21
竪琴については、ザコちゃんも持ってったはほうが良さみ派。
だってさぁ、竪琴のドラゴニア様、極端な引きこもりするくらいのめんどくさ偏屈なんだし、
現物…現音?聞かないと信用しないかもー、とかの可能性かみかみすると、ねぇ。

竪琴のドラゴニア様の婚姻状況はあんまり気にしなくて良くない?ぶっちゃけ。
…婚姻なんてどーせ身を縛る外部要因の決め事でしかないし。
どっちみち、瀕死の知己と会うのが不貞、なんて世論にはならないだろーしさぁ。
っても引きこもるくらいのお人だから、あんまりなさそうな気もするけど。
似たような偏屈夫婦してたなら?しらない。

ザコちゃん、色々探るた…侵入とかの為の【ハッタリ】はやるけどー、参考にな…そうだから。
意欲を引きずり出すハッタリかける気は一欠片も無いよ?そんなやる気がな…おもしろくないから。
細々した面倒事の対応系ならなるべくやってみっけどね、ゴブリンは最近一撃で落とせるからよゆーでしょ。たぶん。
その辺の優しさ対応とかやるなら、他のゆーしゃ様におまかせ案件。がんばれー。

ってかさっきもちらっと言っちゃい発言だけど、別に竪琴のドラゴニア様が笛のローレライ様に会う気ないってなら、
もうそれを無理くりにどやどやする気はないからさぁ、ザコちゃんには。依頼自体はそれで充分いーんだし。
そこから本人がどんな風に思い込み抱えてようと、がさがさ悔やみ続けるお人でも。
そん時にその身の恵まれまくってる機会を拾おうともしてないのに、無理くりに手出し補助る気もないしねぇ。
結局はドラゴニア様がやる事決めること。優しさのぬるま湯引っ掛けて引きずり出したって、根底的にはどうにもなんないし。
一介モブのザコちゃんがそー思ってるだけだかんね、全然踏みにじってくれていーんだけどさ。ほんとほんと。

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 18) 2019-08-30 16:48:33
婚姻状況については…向こうもフリーじゃねーですか?
引きこもりになっているが、ちょこちょこ散歩には行く。
という報告ですよ。
仮に結婚していたとして、そんなに生活リズムが変わらないモノですかね。
定期的か不定期かはわからないけど、数十年に渡っての記録が上がってる。
その上で『結婚』っちゅー特記事項が上がってないのがありえないと思うんですわ。僕もここは割り切って考えても良いかと思います。

この依頼内容を改めて見返すと
イザークの状況や気持ちをある程度は無視しても
遂行出来る内容になっている。
こんなのはグリフォン宅急便にでも冒険者にでもやらせとけば良い。
奉仕科を通して来たってことは、
イザークの現在の気持ちを探って、可能であれば
引っ張って来いって聞こえますぜ、僕にゃ。
以上が自分を納得させる辻褄合わせです。

勿論、本人に会う気が一切無ければ、連れ出しはしません。
ただ、会いたいという気持ちを押し殺していたとしたら。
しがらみを剥がす節介くらいは焼いてやる所存です。


《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 19) 2019-08-31 00:28:03
竪琴と横笛は、誓い…イザークさんとクララさんが、一緒になる…。
今まで返さずに、持ち続けたのは、誓いを守ってきたから、だと思う。
二人が住む距離は、あまり遠くない。
もしどちらかが、別の人と結婚すれば、それが一方へ知られる可能性も、高い。
相手が自分以外と、結ばれたなら、誓いの品を、返す気がする。
でも二人とも、ずっと持ってた。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 20) 2019-08-31 06:25:08
おばあちゃんの人生経験から言うと、
どっちも名家ということだから、望む望まないに関わらず
結婚って、避けて通れないのよね~、大体は。
それぞれの家だって、なぜ反対するかというと、家の望む結婚をさせるためだからね。

ただね~、手紙の熱量からしても、学園に移り住んだという状況からしても
クララについては、結婚していると考えにくいし、
イザークさんの、引きこもって時々散歩するという状況も、確かに謎よね。
もし彼が跡継ぎじゃないなら、独身引きこもりのままスルーされてる可能性も十分あるわね。

そんなわけで、結婚については、若者たちに理がありそうね。
それに、ザコちゃんさんの言うとおり、あくまで、昔の知人が会いたいと言っている、という話に不審な点はないわね。
私が奏でる歌だって、あくまで当時の流行歌であって、慰問で奏でるのに不審な点はないし。
おばあちゃん、ちょっと悲観的になってたみたい。

そういう方向でプランを修正してみたわ。

さて、イザークさんを連れ出す説得だけど、
ザコちゃんさん、連れ出し系っていうから、連れ出し説得というのを楽しみにしてたんだけど、残念だわ~。
そのかわり、侵入については、慰問を装うと書くにとどめ、具体的なセリフはバッサリカットしたので、ザコちゃんさんに侵入ハッタリをお願いしておくわね。
私は、それを【信用】【説得】で口ぞえするわ。

連れ出すことについては・・・
私は、積極的に賛成するわけじゃないので、そういう誘いや説得の言葉は言いにくいな~。
だから、イザークさんが行きたいと希望する場合は最善を尽くす、という記述にとどめているわ。

熱く誘うまたは説得したい場合は、若者さんたちの言葉に期待しているわね。

あと、道中、イザークを連れ出したい件について議論を交わし、私は反対するけど最終的に「若いっていいわね~」と説得される流れを、ウィッシュで希望してみたわ。
文字数に余裕があって、面白そうだと思ったら、そういう描写を書いてくれると嬉しいわ。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 21) 2019-08-31 08:23:59
竪琴は、繊細だとわざわざ書いてあるからには、
おばあちゃんの人生経験に照らすと、無策で行けば壊れること間違いなしね(苦笑)

アンリくんが最初に書いてくれたとおり、梱包して運んでくれれば安心ね。
私も、細心の注意でアンリくんの運搬をサポートする旨プランに書いておくわね。

ゴブリン対策については、本当にリーラブのことしか書けなかったので、
哨戒の名人さん、戦闘の達人さん、
そして、孫がいつも感心してるヘイト稼ぎのスペシャリストさんにお願いするわね。

《自称「モブ」》 チョウザ・コナミ (No 22) 2019-08-31 23:21:29
竪琴の梱包はー、【厚手の布】なり【簡易救急箱】の中の包帯とかでまいてー、
【荷物カバン(小)】なんかに入れとくと安心かな。視界にも入る形だし。
なんならカバン入れる前、中身出した救急箱の中に戻しても良さみ。頑丈になるし。

ほら、なんてーの?
ザコちゃんはただうじうじしてんのがむかつくから、外的要因が原因なら出てしまえー、ってお話。
それを引っこ抜いても踏ん切り踏み出ししないような存在を、外部の意思でどやどやするってのがむかつくだけ。
さっさか決断してくれんならもちろんいーんだけどさ。己の身の有り難さを感じないならもーいいし。
そったら精々、想い人の生死の境を延々と、重たい想い抱え続けたらいーんじゃん?
…だいぶ疲れる考えではあるんだけど、逃げられる思考じゃないから、これ。

別に煽って注目浴びんのが得意ー、だなんて訳じゃないかんね。
ただザコちゃんやれることをやった結果、そーいう立ち回り立ち位置が多かっただけなんだし。
やりたくないことを無理してやるー、ってのは存外に論外だし。そのへんは別にいーんだけどさぁ。

とりあえず、プランは間に合うよーにね。なんかいうにしろやるにしろ。
口にしないと伝わんないんだから。有言実行的な?