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【夏コレ!】水着を買いに行こう!



ストーリー Story

「夏、だなっ☆」
 と【メメ・メメル】校長が君に話しかけてきた。わりと突然に。
 それは、あなたが学食でカレーを食べているときだったかもしれず、友達とわいわい校門を出たときだったかもしれず、はたまた、授業中に居眠りして廊下に立たされている最中だったかもしれない。
 ともかくメメル校長は凶器サイズの胸を揺らしながら君の眼前に飛び出してきて呼びかけてきたのである。
「夏だな!」
 と。
 いえまだ間があるような――と、君は冷静に返しただろうか。
 イエス! と腕まくりして答えただろうか。
 それとも、近くで見るとますますデカいな、とわりと無関係な感想を抱き生唾を飲み込んだろうか……ッ。
 いずれにせよこちらのリアクションになどお構いなしにメメルは続ける。
「毎日毎日カクジツに暑くなっており、もう気分は夏なのだ。少なくともオレサマ的には☆」
 というわけで、と言ったのだ。
「夏といえば海にプールに川に……とにかくスイミングなのだ。だから水着を買いに行こうぜ! なんならオレサマが選んであげよう☆ むしろ選ばせろ、みたいな♪」
 やる気まんまんのメメルに導かれ、君は学園都市のショッピングモール『クイドクアム』に連れて行かれるのであった。
 かぎりなく『連行』に近い形で。
 さあ、クイドクアムに水着を買いに行こう!
 

 ◇ ◇ ◇

「水着を買いにいくの~? え~、どうしようかなぁ」
 もじもじした様子で【キキ・モンロ】はかたわらの【サラシナ・マイ】に訊く。
「マイは行く~? キキはね、帰りにごはんごちそうしてくれるなら行ってもいいの~」
「お前いつもそれだよな。ある意味ブレないというか」
 キキはもう行く気でいっぱいのようだが、マイは乗り気ではなさそうだ。
「オレはあんま興味ないな。わざわざクイドクアムまで出なくても、『アボット』(※制服専門店)で学園指定だか推薦だかの水着買う程度で構わねえし」
 え~っ、とキキはイヤイヤをするように左右に揺れる。
「マイも行こうよ。せっかくだもん。おなかもいっぱいになるよ」
「せっかくってったってなぁ。ていうかなぜ食うことが前提になってんだよオイ」
 とはいえキキにお願いされるとマイは弱い。
「しょうがねえなあ……」
 というわけで首尾良く、君たちの誘いにキキとマイは乗ったのだった。
 クイドクアムに水着を買いに行こう!
 ついでにご飯もお忘れなく。

 ◇ ◇ ◇

「水着を買いに行くのかい? いやあ、どうしようかなあ」
 あっはっは、と錬金術教師【イアン・キタザト】はかたわらの【ゴドワルド・ゴドリー】に訊く。
「ゴドーは行……」
「行くわけないだろ。お前の水着は褌(ふんどし)で十分だ」
 ゴドリーは、とりつく島もない様子である。
 君たちは一体どうしてしまったのか。気の迷いかそれとも、トリップする魔法薬の匂いでも嗅いでしまったのか。キタザトとゴドリーという、おっさん教師二人組に水着を買いに行こうと呼びかけるなんて!
(※キタザトは少年みたいに見えるがゴドリーと同い年である)
「じゃあ褌でいいからゴドーも付き合ってね」
「冗談はよせ」
「だったら褌で泳ぐのと、今から水着を買いに行くの、どっちがいい?」
「そ、それは水着を買いに行くほうが……おい待て」
 なぜその二択なんだとゴドリーは言うのだが、いつの間にかキタザトに丸め込まれて、君たちに同行することになってしまうのだった。
 クイドクアムに水着を買いに行こう!
 
 なお、フル甲冑を着込んだ素顔不明の教師【ネビュラロン・アーミット】に声をかけた君は、
「…………」
 無言の彼女から、ヘルメット越しの凍てつくような視線を浴びる羽目になった。 

 ◇ ◇ ◇

 クイドクアムに水着を買いに行こう!
 買いに行こう!
 だってもうすぐ夏だから! 理由なんてそれで十分じゃないか。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 4日 出発日 2019-06-21

難易度 とても簡単 報酬 なし 完成予定 2019-07-01

登場人物 8/8 Characters
《人たらし》七枷・陣
 ヒューマン Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
異世界:情報旅団テストピアという所に住んでいたが、とある仕事の最中に、この世界に強制転移してしまった。 普段は一人称おじさん。真面目、シリアスな場合はオレ。 本来は50手前のアラフィフおじさんだが、何故か30歳以上若返ってしまった。強制転移した経緯が原因と思われるが真偽は不明。 普段はいかに自分の得意分野だけで楽出来ないかを考えているダメ親父的な人間。 自分や同行する仲間が危機に陥ると気合いを入れて打開しようと真面目モードに。 厄介事に巻き込まれるのは嫌い。お金にならない厄介事はもっと嫌い。でも一度関わってしまったら何だかんだ文句言いながら根気よく取り組む。 やれば出来る人。でも基本ダメ人間。 恋愛事は興味をあまり示さない枯れ気味な人。超若返っても現状は変わらず。 どうにかして元の世界へ戻る為、フトゥールム・スクエアに入学。 転送、転移関係の魔法や装置を徹底的に調べる事が目下の目標。 魔法系の適性があったらしいので、雷系を集中的に伸ばしたいと思っている。自前で転移装置の電源を確保出来るようにしたいのと、未成熟な体躯のフォローとして反応速度メインの自己強化が主な理由。理想は人間ダイナモ。 転移直前まで一緒にいた仲間の女性3名(マナ、マリア、マルタ)の安否を心配している。 「はぁ~…どうしてこんな事になったんだ?…おじさん、ちゃんと元の世界に戻れるんだろうか…こんな厄介事は前代未聞だよ…トホホ」
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《新入生》アウレリア・ダウストリア
 エリアル Lv10 / 王様・貴族 Rank 1
【外見】 フェアリー型エリアル 羽は薄い紫のグラデーション 赤のゆるいロングウェーブツインテ 紫の瞳 見た目完璧ロリ 【服装】 制服のシャツを改造し、レースを付け加えワンピースに仕立てている リボン 眼鏡 【性格】 見た目は幼女、中身はおばあちゃん 老成しているせいか、物事を達観した目線で見ている 学園に紛れるにあたり猫を被る時がある 元来の性格はお人好しのトラブルメーカー 困っていれば見過ごせず回りを巻き込み解決しようとする ちなみに眼鏡は老眼鏡 ロリババア眼鏡のじゃっ子 ※アドリブ大歓迎!
《新入生》ウェルカ・ラティエンヌ
 アークライト Lv15 / 王様・貴族 Rank 1
■身長:152cm ■実年齢:14歳 ■髪形:腰までのストレートロング ■容貌:ややたれ目気味の目元の、大人しそうな容貌の美少女 ■体型:身長は小柄ながら、バストやヒップはかなり大きく、非常に発育は良いが、ウェストや手足等は細めの、極端な体型 ■性格:基本的には内向的で大人しく、穏やかな性格だが、金銭面には非常に厳しく、利害が絡むと冷酷になる面も ■コンプレックス:桁違いに豊満な上、未だに発育途上の胸/[誕生日]の時点で、既に120cmに届くとのこと ■体質:体重が増えるときは、その殆どが胸に集まり、痩せるときは他から痩せるタイプ ■服装:背中の開いたドレス/色は特に決まっておらず、気分次第で変えている ■特技:経営・商売に関連する豊富な知識/一通りの礼儀作法/実は家事全般
《勇往邁進》アレックス・ジェット
 アークライト Lv7 / 芸能・芸術 Rank 1
本名:アレクサンドラ・ジェット 年齢:17歳(覚醒時の年齢は16歳) 身長:165cm 体型:スラりとしたモデル体型 髪型:剃り込みを入れたアシンメトリーのボブ。ベースはグレーでインナーカラーは赤。青や黄色のメッシュを入れている。 服装:パンクファッション。制服は改造してある。 性格:ロックな見た目とは裏腹に、普段の性格は落ち着いている。真面目にコツコツと物事に臨む。ややクール系。 音楽の事になると一転スイッチが入りテンションがぐーんと上がる。バーニンッ! 好き:音楽を響かせる事。相棒(ギター)の手入れ。 苦手:緊張する場面(何時か克服!)。マナーの悪い客。 ★口調(通常) 二人称:アンタ、名前+さん、くん ~だよ。~だね。 「アタシはアレクサンドラ・ジェット。アレックスって呼んで。よろしくね。」 ★口調(ロック) 二人称:名前のアニキ、名前のアネゴ ~だぜ!~だろ! 「〇〇のアニキも!○○のアネゴも!サイッコーに燃えてるぜぇ!」
《ゆう×ドラ》シルク・ブラスリップ
 エリアル Lv17 / 村人・従者 Rank 1
「命令(オーダー)は受けない主義なの。作りたいものを、やりたいように作りたい……それが夢」 「最高の武具には最高の使い手がいるの。あなたはどうかしら?」 #####  武具職人志願のフェアリーの少女。  専門は衣服・装飾だが割と何でも小器用にこなすセンスの持ち主。  歴史ある職人の下で修業を積んできたが、閉鎖的な一門を嫌い魔法学園へとやってきた。 ◆性格・趣向  一言で言うと『天才肌の変態おねーさん』  男女問わず誘惑してからかうのが趣味のお色気担当。  筋肉&おっぱい星人だが精神の気高さも大事で、好みの理想は意外と高い。 ◆容姿補足  フェアリータイプのエリアル。身長およそ90cm。
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。

解説 Explan

 ほのぼの交流エピソードです。
 ショッピングモール『クイドクアム』のスポーツ用品店やブティック、はたまた防具屋で、この夏を迎える水着を購入しましょう。

 主として、この3グループのどれかに加わります。
 NPCを含む同行メンバー同士、和気あいあいと会話や品定めを楽しんでいただきたいところです。

1.メメル校長一行
 メメル校長が、独自のセンスで水着をチョイスしてくれますが、過激なものだったりよくわからないデザインだったりして、たいていロクなものではありません。
 ですので、自分できちんと選んだほうがいいでしょう。

2.キキとマイのグループ
 きゃいきゃいとはしゃぐキキ、クールにツッコミを入れるマイ、そんな対称的なふたりと水着を選びます。放っておくとキキは麻袋みたいな水着を買おうとしますし、マイは超地味なデザインを選びがちです。

3.おっさん教師ズといっしょ
 水着を買いに行っても陰気で、なのにスベり気味のギャグを無理に言おうとするゴドワルド・ゴドリー&よく言えば天真爛漫、悪く言えば何も考えていないイアン・キタザトと同行します。

 あるいは……

4.その他
 NPCを加えず単身、あるいは少人数の新入生グループで買いに行く展開でも大丈夫です。
 もちろん1-3以外のNPCを誘ってくれても、できるだけご希望にお応えしたいと思います!(アクションプラン次第ではネビュラロンも連れ出せます) 

 放課後のショッピングを楽しむという内容ですので、敵は出ません。
 楽しく夏の準備をしたいところですね。ご参加お待ちしております!
 


作者コメント Comment
 お世話になっております。桂木京介です。
 今回もよろしくお願いします。

 夏といえば水着がほしいところ。期待で胸が膨らみますね。
 夏の買い物シナリオです。仲間といっしょに買い物をするなら楽しさも倍増することでしょう。同じ新入生やNPCとわいわい交流しちゃいましょう。
 あなただけの水着を見つけてください。なお、買わないという選択肢もアリですよ。

 あなたのアクションプランを楽しみにお待ち申し上げております。
 桂木京介でした。


個人成績表 Report
七枷・陣 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
メメル校長に図書館から拉致られ、水着選びに連行される
何でおじさん狙い打ちされてるんですかねぇ…
もっと性よk…リビドー溢れてる若い子らでも誘えばいいでしょ…
取っ替え引っ替え提案される水着は、聞くだけは聞こう
着る気になるもの無さそうだけど

自分用でベージュベースでシックな地味系の学園指定水着を確保しておこう
おじさん的にはこんなんでいいんだよ、こんなんで。

同行してる人がいたら、それとなく希望してるモノを探したりアドバイスしたりしよう

て言うか、おじさん以外全部女の子とか聞いてないよ?場違い感半端ないんですけど…
人選間違えてませんかねぇ…

わーいみんながうらやむはーれむだぞやったーおじさんかえるかえらせて

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
どうして学校指定の水着があるのにわざわざ買いに行くのでしょう……
もしかして夏季に海の魔物と戦う機会も増えるからその時に備えてかな?
例えば、私が普段持ち歩く盾を使い分けてるように、状況で使い分けるために
だとしたら私も買った方がいいのかもしれないけど戦闘に便利な水着ってどう選ぶんだろう?

というわけで戦闘に詳しいネビュラロン先生にどういう水着を選べばいいのか相談です
先生ならある程度防御と動きやすさを兼ね備えた水着についてアドバイスしてくれるかもしれません
……視線がすごく冷たいけど、皆を守るために必要な事だと思うので一歩も引かず【勇猛果敢】にお願いします
いざとなればジッセンして認めてもらってでも……!

朱璃・拝 個人成績:

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獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【2】

水着を買うのは楽しみですわ。実家のある集落では川で水遊びをする際も薄着や裸だったりでしたし。以前授業で葉っぱで水着を作りましたがやはりちゃんとした物が一つ欲しいですわね!

お店についたら店員様に

「殿方を”悩殺”できそうな水着を色々見せていただきたいですわ!」

と尻尾を揺らしながらリクエスト。マイクロビキニやスリングショットなど布面積の小さな水着が持って来られると唖然とするも一先ず試着。何だか恥ずかしいですが最強水着ならやはり購入せねばと真紅のスリングショット水着を購入

同行するお三方にも、勇者として敵を倒す為の最強水着を!と試着を勧めますわ。是非見てみたいですわ!

その後はお食事に向かいますわ




アウレリア・ダウストリア 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
4.その他
自分で水着を作る

【行動】
アレンジする為に学校指定の水着を購入

ワンピースタイプにする為に足りない布地を買い出しに行く

買う布地は現実世界で言うところの『ストレッチデニム』の様な素材
色は青で繋ぎで入れても遜色ないものをチョイス

継ぎ目が分からないようにレースで縫い目を隠す

自分で作ったうさ耳パーカーをはおる

パレオを脇の下から胸元で結ぶ

作った後は自慢しに行く

【心情】
せっかく夏なんじゃし水着をアレンジして作りたいのぅ
制服も、自作アレンジな私としては譲れないのじゃ☆

胸が無いから…ボリュームを出す為にパレオを胸元に
レースも入れてごまかす!

うさ耳パーカーを羽織れば完璧じゃ!

…針が、通せないじゃと

ウェルカ・ラティエンヌ 個人成績:

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獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
いつの間にか、【メメル校長】に連れられて、『クイドクアム』へ水着を探しに行くことになっておりましたわ。
まあ、校長先生でしたら『私でも着られる品』を扱っている場所を御存知でしょうし、有難いですわね。

折角ですので、自分で選ぶ以外に、【メメル校長】のお勧めの品も幾つか着てみますわ。
どうしても、この様に『試着』を楽しめる機会は少ないですし。
何故か、お勧めいただいたのは『過激なデザインの品』が多いですが、『体型』と『羽根』の事を考えますと、どうしても『布地』は少なくなりがちですし、仕方のないところですわね(ぷるぷる)。

折角ですし、自分で選んだ品と【校長】にお勧めいただいた品を一着ずつ購入致しましょうか。

アレックス・ジェット 個人成績:

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獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
・目標
自分らしい水着を選ぶ

・心情
アークライトになって初めての夏
皆と一緒に選ぶって楽しそう
……ちょっと大胆な奴に挑戦するのも、良いかもしれないな

・2
先ずは皆がどんな水着にするか聞いてみたい
まだどんな水着にするか決めてないから、参考に

水着って色々方向性あるよな
アタシも、前は地味な水着を選んでいたけどさ…今年は一歩踏み込んでみようと思うんだ
自分の着たい、自分らしい水着を選びたい
…水着で人前に出る事もあるかもしれないしな

食事は水着の試着後にして欲しいかな…体型とかも変わっちゃうから
でも、一通り水着を見てからどの水着を買うかの相談とかも出来たら嬉しいかも
勇者の学校とはいえ、放課後は普通の女の子みたいだね

シルク・ブラスリップ 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
●目的
【3】おっさん教師ズといっしょ
おっさんの水着姿を楽しんでもいいじゃない!

●行動
というわけで、煽って宥めてゴドリー教官、キタサト教官をショッピングに連れ出し。
見掛けた他の班も積極的に声をかけて巻き込みつつ(ほら見てますよ、教官も水着だって!etc)、おっさん教師ズの反応と水着試着を楽しみに。

…自分?
自分のはちょっと…ちっこいし、羽根がある問題もあるしで。着るより着せたい方。
でも教師の方から水着お誘いされたら、恥じらう姿も魅せちゃいます。

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
ネビュラロン先生を訪問

生き物好きな自分は海の生物も守りたいし
夏場は水辺の事故もあるかもしれない
そんな事件や授業で水中や水上の活動や戦闘も予想されるので
そういった時の活動や戦闘の訓練をして欲しい
自分は泳ぎが苦手なので、稽古を付けて欲しいとお願い(説得・博愛主義)する
その第一段階として水着を選びに行く

・動きやすい様にぶつけたりひっかけたりするような装飾は少ない物
・怪我の防止に肌の露出は抑える
・仲間とはぐれても見つけてもらえるよう、分かりやすい色の物(自分はライトグリーン)

泳ぎはまだ未修得で下手だけど、集中・視覚強化・立体機動で
慎重な周辺警戒や周辺捜索とすばやく身をかわす事を心がけて訓練をしてもらう

リザルト Result

 立っているだけでじわっと、汗をかくような女子更衣室。むんと濃厚な湿気たちこめるなかでも、彼女の周囲だけは清涼な空気に満ちている。
 それをもたらすは彼女の気品か、それともアークライトの特性か。
 しかし清らかなスポットにあって、【ウェルカ・ラティエンヌ】の洩らす吐息は切ない。
「はぁ……」
 ため息といったほうが正確か。青リンゴのようなブルー。
 また胸が大きくなった気がする。体育館での授業中、体操着が窮屈でならなかった。伸びる生地とはいえもう限界かもしれない。
 うらやましいとか、ちょっとくらい分けなさいよとか言われかねないので口には出さないものの、ウェルカにとって体型、ストレートにいえばバストは悩みの種なのだった。
 形はよけれどサイズは規格外、なにかと視線を集めがちだし、ずっしり詰まった水風船を前面にぶら下げて生活しているようなものなので重い。そして最大の問題は、
 服の選択肢が少ない!
 これである。胸以外は華奢といっていい彼女なので、いわゆる『大きいサイズ』も選ぶことができない。
 困った。切実に。もうじき水着の季節だというのに。
 無意識のうちにウェルカは、両の手のひらを我が胸に当てている。
 そんなウェルカの左右の手に、ぷにっと小さな手が重なった。
「悩める乙女、発見っ☆」
 しかも、揉む。揉みしだく。巧みすぎるくらいの指使い。
「あんッ……」
 くすぐったさと同時に体の芯に熱いものを感じ、思わずウェルカは声を上げ振り向いた。
「……校長先生!?」
 ニヤリと唇をゆがめて、とんがり帽子の【メメ・メメル】は揉む手を止めたのである。
「夏、だなっ☆」
「そ、そうですね……」
 妙な声が出てしまったのでウェルカは頬を赤らめているが、メメルはそんなことお構いなしらしい。
「毎日毎日カクジツに暑くなっており、いよいよ海にプールの季節到来なのだ」
 だから、とメメルは言うのである。
「水着を買いに行こうぜっ!」

 今日も今日とて図書館で【七枷・陣】は本の山と格闘中だ。
 埃の積もる音さえ聞こえそう。静寂が陣の心を鎮めてくれる。
 けれど調べ物のほうはかんばしくない。
 無音のため息とともに分厚い書物を閉じた。興味深い本だった。でも陣の求める知識はそこにはなかった。
 陣は転移者とか転生者と呼ばれる存在だ。少なくとも自分ではそう信じている。
 かつて陣がいたのは、科学技術の進んだ世界だった。飛空挺と呼ばれる船が空を飛び、ほとんどの人類は、人格をもつ人造生命体を体に移植し共生していた。そもそも『世界』そのものが、途方もなく大きな飛空挺の上に存在していたのである。
 その世界の陣は少年ではなく中年男性で、擬似的な家族と暮らしていた。家族のうち一人は、クールで容赦ない突っ込みを入れてくる共生生命体だった。
 それなりに充実し、それなりに幸せだったと思う。
 なのに気がつけばこうなっていた。
 テクノロジーの世界から剣と魔法の世界へ。
 長い夢かと思ったものの、いつになっても覚める気配がない。
 前世はすべて捏造で、植えつけられた偽の記憶なのだろうか。
 だけどオレは諦めたくない、と心のなかで呟いたとき、
「ふっ☆」
 耳に息をかけられ陣は座っていた椅子から飛び上がった。
「夏だな!」
 いつの間にか机の脇に両肘をのせ、メメルが陣の横顔を見守っていたのだった。近い。キスできそうな距離だ。
「今度はなんの悪だくみですか校長!」
 椅子ごとスライドして陣は距離を取った。
「ご挨拶だな~。オレサマは陣タンを水着ショッピングに誘いに来ただけだよ☆」
「遠慮します」
「ツれないのぅ。いっしょに水着を買いに行こうぜ! なんならオレサマが選んであげよう☆ むしろ選ばせろ、みたいな♪」
 陣は心の耳をふさいで、メメルの言葉をスルーせんとする。
 だが長くは続かなかった。
 修羅の形相をした司書の女性が、怒濤の勢いでやってくるのが見えた。


 かくて陣とメメルは司書に図書館から放り出された。あの司書って校長より強くないかと思う。
(まったくもってSSM案件だ)
 不本意ながら陣はメメルについて歩く。このSSMというのは陣の造語で、『そこまでにしておけよメメたん』の略である。これからもちょいちょい使いそうな悪寒、いや予感がした。
「校長先生、陣様、今日はよろしくお願いします」
 はにかむような笑顔とともに、ウェルカが途上で加わった。
「ウェルカさんも……ご愁傷様です」
 思わず陣はこう返す。間違いなく彼女も、メメルに連行されたに違いないから。
 けれどウェルカが同行しただけで、道行きはぱっと華やいだのも事実だ。
「水着といっても、私の場合いろいろと条件がありまして……」
「うむっ、アークライトの翼が出せて、ボリューミーなバストを守れるデザインでないとな。そしてセクシーに♪ バイヤー歴ウン百年たるオレサマに、どーんと任せたまえ☆」
「それは頼もしい……って、セクシーなくてもいいのですけれども。いやむしろ避けたく」
 だがウェルカを遮るようにメメルは声を上げ、
「クイドクアムが見えてきた!」
 ショッピングモールに向かいだしぬけに走り出したのだった。
「校長先生……!」
「引率が一番ハッスルしてどうすんだー!」
 仕方なくウェルカと陣は彼女を追う。
「なおオレサマは男女平等ゆえ陣タンもセクシーからは逃れられないっ!」
「なんか言った!?」
 SSM!

 キャッキャウフフである。
「このフィット感、クセになるじゃろ~?」
「でもこの切れ込み、急角度すぎるような……」
「ほれほれ、お口とは裏腹に、体のほうはイヤと言っておらんぞ~♪」
 試着室に籠もったメメルはセクハラオヤジそのものと化し、ウェルカに自薦水着を色々と試させている。
 いずれも最高に過激だ。
 生地が極端に少ない超官能的なもの、ハイレグ部分がきわきわで、前面から扇情的に迫るもの、大事な部分以外がシースルー状になっているという、ある意味裸より危険なものまで!
 いまのウェルカはまるで着せ替え人形、しかもメメルは彼女の装いをいちいち陣に披露させようとするから困ったものだ。
「あー、おじさんこう見えてトシなんで、それなりに枯れてるのね。だから父親的に言わせてもらうと、冷えそうな格好はよくないと思うんだ」
 陣は、力なく笑うほかない。ただ、スタイル抜群のウェルカなので、どれも似合っているとだけは言っておく。
 リビドーあふれる若い子はいいねえ、そんなことを陣は思いかけたが、メメルは絶対『若い子』ではないはずだとふと気付いた。 
「さ、さすがにこの紐みたいな水着は……」
 試着室を開けようとするメメルに抵抗して、ウェルカはカーテンにくるまり首だけを出した。真っ赤な顔で言う。
「陣様はお選びになりましたの? 水着?」
 ああ、と陣は片手の水着を示した。
「おじさん的にはこんなんでいいんだよ、こんなんで」
 落ち着いたブルーの水着だ。ラインはベージュ。学校指定と大差ない。
「バカチーン! そんな地味な水着で夏がくるかー!」
 ウェルカのすぐ下から首を出し、カーテンを全開にしてメメルが飛び出した。同時にウェルカの『ザ・紐』みたいな水着もあらわになってしまったがそれはともかく!
「陣タンの水着も選んでおいてやったのだ。テーマは『ブーメランパンツ』!」
「もうそのテーマだけでお腹いっぱいですって!」
 陣は逃げかけた。だが、
「ええい待たぬかこのショタ好み!」
「おじさんショタ好みじゃないっ!」
 と足を止めたが運の尽き、今度は陣が試着室に連れ込まれたのである。
 ブーメランパンツとは、面積の狭い男性用水着のことをいう。水抵抗を受けにくく泳ぎやすいという長所はある……が、見た目のインパクトが絶大なのは否定できない。
 そのブーメランを並べてメメルは言った。
「好きなのを穿くがいい。トライ・ブーメランッ!」
「必殺技みたいに言わんでください。一応見ますが、着るとは言ってないですよ着るとは」
 陣がブーメランを装着したかどうか、その回答は秘密にしておこう!
「ところで校長先生は水着、買われないんですの?」
「そうですよ、どうぞどうぞ」
 見たいなー校長先生のチョイスを、などと陣はおだてて、
「ならちょっとだけ」
 とメメルが席を外したところで、
「ウェルカさん、今のうちにまともな水着を買ってしまおう」
「名案ですわね」
 ウェルカと各自、まともな水着を購入したのであった。
 ウェルカの水着は、藤色と白の二色で構成されたビキニだ。体のラインに映えるすっきり鮮やかなデザインだった。
 陣のチョイスは最初の水着である。そう、これくらいがちょうどいい。
 文句を言うかと思いきや、帰路のメメルは案外楽しそうだった。
「大事なのは、自分で選ぶということだからなっ☆」
 などと教育者みたいなことまで言ったりする。
 ……あ、本当に教育者だった。


 超大型商店街『クイドクアム』、ずらり服飾店がならぶ通りを一望したとたん、【朱璃・拝】は瞳を輝かせる。
 まさによりどりみどり、なんて素敵な光景か!
「こうやって皆様とご一緒できて嬉しいですわ」
 朱璃は同行者たちに振り返り、
「キキ様、マイ様、アレックス様、今日はよろしくお願いいたします」
 改めてぺこりと頭を下げた。
「はいなの~! いっしょにお買いもの、楽しいの~」
 と【キキ・モンロ】は元気に手をあげる。
「そのあとのごはんも楽しみなの~!」
「キキはいつもそれだな」
 やれやれ、【サラシナ・マイ】は肩をすくめた。
「たまにはこうして、学園を離れ羽をのばすのもいいだろうぜ。ぶっちゃけ、オレは水着なんてなんでもいいんだけどな」
 よろしく頼まぁとマイが答えると、【アレックス・ジェット】が言葉を継ぐ。
「アタシ、アークライトになって水着を買うのってはじめてなんだよね。みんなはどんな水着にするつもりか教えてほしいな」
 いささか気恥ずかしげにアレックスは続けた。
「かくいうアタシは、まだどんな水着にするか決めてないんだ。教えてもらって参考にしたい」
「キキもぜんぜん決めてないよ~。服はだいたいいつもこれだし~」
 キキは笑って自分の服を示す。
「そう! ずたぶくろ~!」
「ずた袋ってオイ。いきなり頼りになんねーな。……ま、オレも服なんてテキトウだから、水着の希望なんて考えたこともない。というわけでオレらが水着選びの参考にするのは、必然的に拝ってことになるな」
 頼んだぜ、といきなりマイに話を振られて、大慌てで朱璃は手を振った。
「私だって参考にはならないと思いますわ。実家のある集落では、川で水遊びをする際も薄着だったり裸だったりでしたし……」
 ですが耳よりな情報は入手してきましたの、と朱璃は声を潜めた。
「耳よりな情報?」
 アレックスが頭上の光輪ともども朱璃に顔を寄せると、キキとマイもそれにならった。円陣を組んだような状態だ。
 よろしいですか、と言うように朱璃がうなずく。
 おう、とか、うん、とか言うかわりに三人はうなずき返した。
「小耳に挟んだことがありますの。水着のなかには着るだけで殿方をKOできる物があるとか。『悩殺』と言うらしいですが……戦わずに勝つ、これぞ兵法の極意ですわ!」
「脳を……殺す? どこかで聞いた響きだね」
 アレックスは首を傾げる。なんだか朱璃が誤解しているような気がするのだが、自信を持って否定することもできかねた。
「瞬殺技ってわけか」
 マイは字義通り受け取ったらしく、ごくりと唾を飲み込む。
「すごそうなの~」
 怪談話でも聞いているかのように、キキはこわごわ、マイとアレックスに視線を送っている。
「私、今日はぜひともそのような一着を選びたいと考えていますわ!」
 と宣言して朱璃は腕を伸ばした。
「そうか、うん、いずれにせよ目標があるのはいいな」
 乗ろう、その案に! とアレックスは朱璃の手の甲に自分の手を重ねる。
「オレも」
「のーさつなの~」
 マイとキキも続いた。
 作戦開始だ。


 洒落たブティック風の店をターゲットに定めると、一同はなだれ込むように入店する。
 慣れた風を装って朱璃は店員に告げた。
「殿方を『悩殺』できそうな水着を見せていただきたいですわ!」
 朱璃は尻尾を揺らしながら余裕ぶりをアピールしている……しかし語尾がしっかり跳ねていた。
 よし、と別の店員にアレックスは話しかけた。
「アタシも前は地味な水着を選んでいたけどさ。今年は一歩踏み込んでみようと思うんだ。だから頼みたいのさ、ひとつ『悩殺』ってやつをね!」
 悪ぶった言い方をしてみたつもりだが、根っこにある真面目さは隠せない。アレックスの赤い両目は今、まるで炎の色なのだ。
 しかしいずれも女性の店員たちもプロ、驚きを表にすることもなく口々に、
「悩殺でございますね」
「奥へどうぞ」
 と丁寧に一行を試着室へと案内するのである。
 ややあって。
「なんと言うか、裸よりもむしろこの水着を着た方が何だか恥ずかしいですわ……」
 鏡に映された自分の姿を見て、朱璃は頬を染めていた。
 ビキニだ。褐色の肌に映える黒一色、そのトップは二等辺三角形で、ショーツときたらVの文字みたいな鋭角、上下ともに細紐でキュッと締めてある。しかも布面積は最小限だ! うっかり胸がはみだしそうで、これで泳いでいいものか悩ましい。
「……これが最強の水着というものですか」
 と朱璃が、つぶやいたのがまずかったのだろうか。
「最強をご所望ですね」
 女性店員の目がきらりと光った。
 隣の試着室でも、アレックスが衝撃を受けている。
「この水着で人前に出る……というのは想像つかないな……」
 極楽鳥のような色彩、赤とオレンジのチューブトップのビキニである。分類上は。
 しかしアレックスの知っているチューブトップ水着とはずいぶんと具合が異なるようだ。
「水着って色々方向性あるよな……」
 なにせ面積が小さい。最後の一線こそ守っているとはいえ、乳房の上部、それにアンダーバストのなだらかな隆起がほとんど露出しているではないか。パンツも同様の体であり、血管が透いて見えるほど白いアレックスの肌は、恥じらいでぽっぽと赤らんでいるのだった。
「キキさんはどんなのを選んだんだ?」
 これを聞くと、待ってましたとばかりにキキはカーテンを開けはなつ。
「じゃ~ん。セクシー悩殺ずたぶくろなの~!」
 アレックスはズルっと滑りそうになった。なんとキキは、ずた袋の胴に、ぽっかり丸穴を開けたような水着を着ていたのだった。いやそれ水着か? ていうか本当に売り物?
「肌がちくちくするの~」
「ずた袋だったら当然じゃないか……? キキさんは袋っぽいやつより、ワンピの水着の方が可愛いと思う」
「なるほどなの~」
 キキが引っ込むのと入れ替わるようにして、マイの試着室からため息が聞こえてきた。
「マイさんは?」
 アレックスが水を向けると、ぶすっとした表情でマイが出てくる。
「たしかにセクシーってやつだろうけどよ」
 マイも着替えを終えていた。パンツは、なんとブーメランパンツ風の攻めたデザインだ。マイの綺麗な長い脚を強調する結果になっている。けれど上のほうはといえば、来店時のシャツを着たままなのだった。
「これって、つまり男用じゃねぇか。……気持ちは分かるけどよ、そんなにオレって男っぽいかなぁ」
 つまり店員に勘違いされた模様だ。普段荒っぽいマイながら、さすがに直球で誤解されるとそれなりにショックらしい。
 そんなことはないよ、とアレックスはフォローした。
「女の子っぽさを出していくなら、いっそのことタンキニとかどうかな?」
「タン……なんだって?」
「タンキニ。タンクトップとビキニの組み合わせなんだ。キャミソール型とか、背中の大きくあいたホルターネック型なんてのもある。なんなら一緒に挑戦しない? 柄で雰囲気が変わるから、きっと気に入る一着があるはず」
 このときカーテンが開き、朱璃の新たな装いが登場した。
「これが戦わずして勝つ最強水着なのですわね!」
 恥ずかしさで紅潮は最高潮といったところだが、グッと朱璃は拳を握りしめていた。なんと彼女が身につけているのは、真紅のスリングショット水着ではないか。
 投石器(スリングショット)から名付けられたこの水着は、大きなY文字を描いたようなワンピースだ。布は極小、なんと股間あたりまで左右に二分割されているという挑発的なフォルムなのである。この夏はこれで勝つ! 朱璃の決意の表れであった。
「さすが朱璃さん、見事な着こなしだな」
 ちょっとうらやましい、とアレックスはうなった。
 その後キキは可愛らしい花柄のワンピース水着、マイはスポーティなブルーのキャミソール水着を選んだ。アレックスが購入したホルターネック型の水着は、相棒のギターに合わせ紅蓮の炎をイメージさせるカラリングであった。

 四人は買い物袋を提げ、クイドクアムをそぞろ歩く。
「ごはんなの、ごはん~♪」
 キキはもう食事のことしか考えられない様子だ。
「どうせなら血のしたたるようなステーキがいいですわね」
「おう、肉か。オレも肉の気分だ」
 朱璃とマイがそんな話題で盛り上がったところでタイミング良くアレックスの目に飛び込んできたのは、シャープな形状のギターを飾ったレストランであった。
「……おい、あのステーキハウス、GLENNLORDのギターが飾られてるじゃなかッ!?」
 これが冷静でいられようか。アレックスが言っているのは、大好きなロックバンドのギターだったのだ。経営者がファンなのかもしれない。
「ロックレストランってやつか!? なぁ! あそこにしないかッ?!」
 朱璃たちに異存はない。
 かくて買い物ターンは終了。
 ここからは本日の第二ラウンド、すなわち肉の宴だ!


 あはは、と【イアン・キタザト】は【ゴドワルド・ゴドリー】に訊く。
「ゴドーと買い物なんていつ以来だろうねえ?」
 ゴドワルドはそのペースに巻き込まれるつもりはないらしい。一秒も躊躇せず、
「先週の日曜だ」
 と、視力検査で右とか左とか回答するレベルで無感情に告げた。
「あと、『ゴドリー先生』と呼べ」
 なんて素敵――【シルク・ブラスリップ】は内心で身もだえる。
 シルクは現在、ゴドリーとキタザト、すなわちおっさん教師ズの間に挟まれるような格好でクイドクアムを歩いているのだ。
 影のある容貌で服装髪型ともに冴えないが、冷たい三白眼に整った鼻筋、無精髭の似合う顎という、匂いたつような色気のゴドリー。
 彼と同い年らしいが、少年のような色つやの良さ、柔和なタレ目にくすんだ金髪、しかも鼻眼鏡までかけたキュートなキタザト。
 その両教師にエスコートされるなんて……。
(まさに両手に花)
 うっとりとせずにはいられない。
 やがてシルクはすうっと浮き上がりゴドリーと同じ高さの視線となり、
「あそこにいい感じのお店がありますよ」
 と指さした。
 季節限定の水着専門店である。洗練されたデザインの商品が並んでおり、なかなかセンスも良さそうだ。
「あれで結構だ」
 ゴドリーは投げやり気味に言う。なんでも良いと思っているのが丸出しだった。
「キタザト先生もいいですよね?」
 もちろん、とキタザトは楽しげに返すのである。
 店に入るなりシルクは問いかけた。
「お二人のお召し物、あたしに選ばせていただいていいでしょうか?」
 ゴドリーはそれでいいと雑に言い、キタザトは、
「わー、楽しみー♪」
 などと笑った。
「お二人はこだわりとかありませんの?」
「僕は特にないよ」
「私もだ。というか水着自体に興味がない」
 うふふとシルクは笑みを浮かべる。
「あらぁ、興味ありません? 私は興味ありますよ、お二人の水着。お二人の仲にも」
 と告げ、意味深な目をして身を翻した。
「ねぇゴドー、シルクくん僕らの仲に興味あるんだって?」
「アホか。さっさと買って帰るぞ。あと『先生』を付けて呼べ」
 背後にそんな会話を聞いて、シルクはくっくと笑ってしまう。楽しくて仕方がない。もしかしてこれって、腐女子的感情なのだろうか。いやいやいや違うよね、たぶん……。
 戻ってきたシルクは、教師二人にそれぞれ『水着』を手渡した。
「さあさ、試着室の前でお待ちしておりますから、お着替えくださいませ」
 試着室に消えたゴドーの口から、間もなくうめき声とも悲鳴ともつかぬものが漏れた。
「これ……褌(ふんどし)だろっ!」
 水着ちがうし! と恥ずかしさと戸惑いとがないまぜになった表情でゴドリーが出てくる。でもしっかり締めているあたりは素晴らしい。脱がせてみると彼は意外と筋肉質だ。なお褌カラーは濃厚な黒だ。
 しかしゴドリーはすぐに言葉を失った。
 いつの間にか試着室の前に、フトゥールム・スクエアの生徒たちが何人も集まっていたのだ。シルクが集めたのだ。
「教官の水着ですって、と呼びかけたら皆さん集まって下さいまして」
「いや……これは……」
 小さくなるゴドリーにかわって、シルクは最良の笑顔で告げた。
「迷いましたわ。褌も色々ありますからね。水練用なら六尺や黒猫が定番。けれど下がりや締め込みも悪くなくて……でもやはりゴドリー先生には古式ゆかしきTバック、もとい黒猫ですわよねぇ」
「形式なんてどうでもいい。仮にも妻帯者がこんな尻丸出しで……!」
「妻帯って言っても脳内じゃあねえ~」
 謎めいた笑顔とともにキタザトが出てくる。彼は白い六尺褌だ。少年水泳大会みたいでほほえましい。
「褌似合うよゴドー、それで行こうよ」
「お前も褌じゃないか!」
「じゃあ僕もこれで行くからゴドーもそれね」
「ま、待て、そんな話では……!」
 キタザトはゴドリーの弱々しい反論を無視してシルクに向き直った。
「ありがとう。ところでシルクくんも水着を選ぼうよ」
「あたしが?」
 まさか話が向くとは思わず、シルクは赤面した。
「自分はちょっと……ちっこいし、羽根もあるしで……」
「フェアリー用の水着もあるから大丈夫だよ。せっかくだからきみも僕らとお揃いにしない? 褌!」
「おいそれセクハラだからな」
 ものすごくまっとうなツッコミをゴドリーは行うのである。
 尻丸出しの褌姿でなければ、もうちょっとサマになったことだろう。


 海の季節だ。すなわち夏だ。
 生き物好きな【エリカ・エルオンタリエ】は、陸と海とを分けて考えない。海の生物を守るという任務であっても、率先して赴きたいと思っている。
「ですから」
 と、教師【ネビュラロン・アーミット】を前にして告げる。
「水着を買いに行きたいんです」
 ネビュラロンは無言だ。
 腕を組んだままエリカを見つめている。
 実際のところネビュラロンの目は円錐形をした兜の奥にあり、容貌はおろか瞳の色すらわからない。
 それなのにエリカは彼女からの、鋭利な刃物のような視線を感じている。
 ある日の放課後、エリカは職員室を訪れネビュラロンの席に直行した。
 整理整頓され埃のひとつすら落ちていないところを想像したが、案に相違してネビュラロンの机は雑然としており、書類や本がうず高く積まれていた。隣のゴドリー先生の机の散らかりようもたいがいだがそれよりひどい。ほとんど渾沌の渦である。
「夏場は水辺の事故もあるかもしれません。水中や水上の活動や戦闘も予想されるので、そういったときの活動や訓練を……ですね」
 エリカは言葉を重ねる。だんだん叱られている気分になってきた。
「あと、自分は泳ぎが苦手なので稽古を……ですね」
「結構」
 短く告げるとネビュラロンは、手にしていたファイルを渾沌の山に無造作に置き、席から立ち上がったのだった。
「急ぎの用事もない。付き合おう」
 低い声だが怒っている様子はなかった。ネビュラロンはマントを翻すと、鋼のブーツでこつこつと歩き出す。
「……どうした? 行くぞ」
 フルフェイスの兜がエリカのほうを振り向いた。
「クイドクアムなら良い物が見つかるだろう」
「は……はいっ!」
 エリカは軽やかに彼女を追った。

 校外へと続く並木道。
 水着を買いに行くところなのだ、とメメル校長先生は【ビアンデ・ムート】に告げた。校長は陣とウェルカを連れており、どうかね一緒に、と呼びかけてくる。
「ええと、またの機会に……」
 一瞬、陣が助けを求めるような視線を送ってきたのだが、ついビアンデは尻込みしてしまう。
 三人を見送って、やっぱり行くべきだったかなと思ったりもする。
(どうして学校指定の水着があるのにわざわざ買いに行くのでしょう……?)
 そもそも水着というものが、ビアンデにはピンとこない。
 彼女は山岳地帯の生まれで、生まれてこのかた、海というものを見たことがなかったからだ。知識としては知っているがそれだけのこと。川や泉で泳いだ経験すらない。
 だからビアンデが水着というものを知ったのも、フトゥールム・スクエアに入学してからのことだったりする。
 しかし考えてみれば、夏になり海の魔物と戦う機会も出てくることだろう。だとすれば、
(私が普段持ち歩く盾を使いわけているように、状況で使い分ける必要が出てくるのかな……?)
 なら水着を買っておいたほうがいいかもしれない、ビアンデはそう思い至って足を止めた。
 すでにメメル一行の姿は見えない。走って追いかければ探しだせるかもしれないが、もう遅いという可能性のほうが高いだろう。
 いけないな優柔不断で、と悔やみかけたところで、ビアンデは見覚えのある姿を目にした。
「ネビュラロン先生、こんにちは。エリカさんも」
「ビアンデさん!」
 エリカは花が咲いたように笑って、水着を買いに行くところよと告げた。
「といってもバカンス用じゃなく、水上や水中での活動用のね。そのあとは先生に水泳の稽古もつけてもらうつもり。ビアンデさんも行かない?」
 捨てる神あれば拾う神ありというのか。ビアンデはエリカに抱きつきたいくらいの気持ちで言う。
「喜んで! 私もちょうどそのことを考えていたんです」
 ネビュラロンに向き直ってビアンデは頭を下げた。
「よければ私にもお手伝い、いえ、ご指導をお願いします……!」
 ネビュラロンは全身甲冑だ。女性だということ、背はそれほど高くないということを除けば、髪も肌の色も不明である。
 それなのにビアンデはこのとき、ネビュラロンがかすかに口元を緩めるのがわかった。そう感じた。
「ついてくるがいい」
 遅れるな、とでも言うようにネビュラロンは先に歩き出す。


 エリカもビアンデもクイドクアムははじめてではないが、いつ来てもやはり戸惑ってしまう。
 それほどに広く、それほどに賑やかな商業地帯なのだ。売り物はいずれも色鮮やかで、平日であるにもかかわらず多くの往来があって、物売りの声もかまびすしい。飲食店はもちろん屋台も多く、食欲を刺激しそうな香りに満ちていた。
 情報量が多すぎて目まいがしそうだが、ネビュラロンは迷うこともなく、さっさと道を進んでいく。
 目指す用品店にたどり着いたらしく、立ち止まって振り向いた。
「この店だ。比較的安価で質もいい」
 山岳用品店といった体の店だ。スポーツなどの競技用品も豊富らしい。
「店主、水着を見せてもらうぞ」
 ネビュラロンが告げると、山男みたいな店主は明らかにギョッとしていた。
「先生の水着で……!?」
「馬鹿言うな。生徒のだ。この二人に見つくろってくれ」
 ネビュラロンは店の馴染みらしい。そういうことなら、と店主はすぐにエリカとビアンデを店の一角に連れて行った。
「先生の教え子さんたちとあれば、いい加減なものを売るわけには参りません。どうぞごゆっくり」
 ネビュラロンは店主に短い指示を出した。そして用意された丸椅子に腰を下ろし、店主の持ってくる大量の女性用水着をいちいち吟味している。
「動きやすいのはもちろん、ぶつけたりひっかけたりするような装飾は少ないほうがいい」
 ワンピース型、肌に密着するような素材の水着をネビュラロンは選ぶと、
「試着してみろ」
 と、うちひとつをエリカに渡した。
「あ……この色」
「気に入らんか?」
「いいえ逆です。ライトグリーン、私のパーソナルカラーと思ってます」
 似た品質なら何色かあったのに、ネビュラロンが迷わずこの色を選んでくれたことが嬉しかった。生徒のことなど見ていないようで、しっかりネビュラロンは見てくれているのだ。
 同じくネビュラロンはビアンデと水着を見比べながら、マゼンダと桜色のツートンカラーの水着を選んだ。
「体を覆う形態で熱を逃がしにくく、四肢は動かしやすい」
「防御と動きやすさを兼ね備えた水着というわけですね」
 ネビュラロンはしばらく言葉を探すように黙ったが、ややあって、
「そうとも言う」
 と告げ顎をしゃくった。試着室に行ってこい、ということらしい。
 試着室のカーテンが開いた。ふたつ同時に。
 ライトグリーン地につや消しのゴールドのアクセント、ウェットスーツのようにくるぶしまで覆う水着姿で、エリカが照れくさそうに立つ。
 全体的に流線型のフォルムとなっており、脇と首元までぴたっと張りついたような隙のなさが魅力だ。露出は控えめながらもどこか官能的である。
 ビアンデも立った。エリカとほぼ同じデザインコンセプトながら、膝と腕は出るデザインだ。明るいマゼンダと桜色の配色が肌つやに合う。
「……ぅ」
 エリカは小さな声を上げた。
 水抵抗が少なそうなエリカの仕上がりと比べると、ビアンデの場合は胸部分がぐっとせり出し強調されたようになっている。ストレートに言えばボリューム感が違う。
 こんなに機能的な水着でなんと破壊力の大きい……ビアンデ、恐ろしい子……!
「エリカさん、よくお似合いです」
 そんな自身の状況には頓着していないらしく、ビアンデは屈託なく告げる。
「え、ええそうね……ビアンデも素敵よ」
 他にも候補はあるが、おそらく二人ともこれで決まりだろう。
 ところで、とエリカは言った。
「先生は水着をお召しにならないんですか……?」
 虎の尾を踏みに行くような質問だったが、別段ネビュラロンは気分を害した様子もなく素っ気なく回答した。
「私は水着を着ん。いざとなればこれで泳ぐさ」
「でも金属製の全身甲冑で真夏は暑いのでは……」
 思わずビアンデも言った。
 ネビュラロンがビアンデに目を向ける。
 冷たい目。
 そう思った。
 けれどビアンデはごまかしたりしない。勇猛果敢に言い加える。
「先生が熱中症になったりしないか心配です」
「気合いで凌(しの)ぐ」
 きっぱりとネビュラロン言った。
「さすがは……」
 エリカは胸を打たれた気持ちだった。気合い、その一言で説明してしまうとは!
 ところが、
「いまのはジョークだ。この甲冑は校長が魔法を掛けた特別仕様だ。中は冷房が効いているのだぞ」
 ええっ! とビアンデもエリカも声を上げてしまった。
 冷房が効いている!?
 いやそれよりも……『あの』ネビュラロン先生がジョークという単語を使うなんて!?
 しかしネビュラロンは自分の発言が巻き起こした驚愕にはなんの注意も払わぬ様子で。
「さて、選び終わったら水練だぞ」 
 と言っただけだった。


 やんごとなき出自の【アウレリア・ダウストリア】としては、やはりやんごとなき水着を求めたいところなのである。
 抜けるような青空を見つめながらアウレリアはつぶやく。
「せっかくじゃし、水着はアレンジして作りたいのぅ」
 フェアリーの翅(はね)が陽を透かしている。ゆるくウェーブのかかったツインテールが揺れ、翅に虹色のグラデーションを描く。
 意思は固まった。 
 制服だって自己アレンジ品を着ている自分が、水着だけ既製品を選ぶというほうがおかしい。
 そうと決まれば話は早い。アウレリアは野を越え街を抜け、そよ風のようにクイドクアムに入った。
 まずは学校指定店でスクール水着を購入した。これはこれで悪いデザインではないものの、やはりアウレリアからすればいささか物足りない。
(ワンピースタイプに仕立て直すは必須じゃ☆)
 目的を果たすべく手芸用品店、ファンシーショップなどもくるくると巡った。流れるようにどんどん進む。こんなとき、羽根があり飛べる身で良かったと思う。
 ある手芸店で見つけた布は、彼女の希望に合致するものだった。
「青地、デニム素材のようでいて伸縮性も高い。これは買いなのじゃ☆」
 この生地なら繋ぎで入れても遜色はなかろう。
 もらうぞと声を掛けると、太った店主は額から汗を流しつつ、ひれ伏さんばかりの勢い言う。
「喜んで! アウレリア様のお眼鏡にかなう品があって光栄でございます……!」
 事情を知らない人からすれば、店主の恐縮ぶりは大げさに映ったかもしれない。アウレリアはどう見ても十歳前後の幼女なのだから。
 しかしてその実体は……!?
 真相は書くまい。店主がまだ若造で、他店で丁稚奉公をしていた頃からアウレリアは上得意客であったとだけ記すにとどめよう。(※真相を書いているに等しい)
 この調子で素材を揃え、アウレリアは自室で作業に入った。
「胸元のパレオは……外せないのぅ」
 レース飾りも加えるとなかなかのゴージャスさだ。パレオはボリュームを出すために必須じゃから、というところは口にしない。……なんのボリュームか、そんなことをしたためるのは野暮の極みというものだ。
「よし、これでうさ耳パーカーを羽織れば完璧じゃ!」
 颯爽と取り出したパーカーに、ファンシーショップで見つけたぬいぐるみ作成パーツ、すなわちウサギの耳を取り付ければ完成となる。いそいそと仕上げに入ったところで、うぐ、とアウレリアは唇を噛んだ。
「……針が、通せないじゃと」
 ウサ耳の分厚さは計算外だった。
 どうやら気合いが必要なようだ。


 しかしアウレリアはやりきった。頑張りすぎて指先をちょっと刺してしまったが、それも名誉の負傷である。
 ワンピースアレンジの学校指定水着、パレオアレンジ&ウサ耳パーカースタイルの完成だ!
 これは自慢するしかない……っ!
 アウレリアは水着を装備した状態で部屋を飛び出し、とにかく誰か知り合いの姿を探した。
 ばったり出会った。
「……水泳の授業は、まだ開始前だったと思うが」
 意外! 遭遇したのは教師、しかもゴドワルド・ゴドリー。
 不健康に長くぼさぼさの黒い髪、目の下には隈、無精髭、健康そうならイケメンと呼ばれたかもしれないが、こんな具合でボロ服なので、教師というより不審者としてつまみ出されかねない風体の男だ。(でもそれがいいんじゃない! という隠れファンもいるという噂があるが)   
 フトゥールム・スクエアは制服について自由な校風だ。とはいえゴドリー先生だから怒られるかも、という危惧はあったものの、アウレリアは初志貫徹で言ってみた。 
「ゴドリー先生か。うむ、指定水着をアレンジしたので見てもらおうと思ってな」
 怒るどころかゴドリーは興味がないらしく、
「まあ、良いと思うぞ。うん」
 簡素に告げて立ち去ろうとする。思わずアウレリアは言う。
「もしや、脳内嫁御殿に着せたほうが似合うとでも思ったのではあるまいな!?」
 するとゴドリーは振り返って、
「……ああ、そうだな」
 ふっと慈しむように目元を緩めたのだった。なにこの人!? 怖っ!
「とすれば脳内嫁御殿に私が一着作って進呈しようと申せば……!?」
 どうなる、とアウレリアは思ったが、ゴドリーときたら『なに言ってんの?』とでも言いたげな口調でこう告げたのだ。
「脳内の妻が着られるわけないだろう。気持ちだけ受け取っておく」
 いや本当、なにこの人!?



課題評価
課題経験:0
課題報酬:0
【夏コレ!】水着を買いに行こう!
執筆:桂木京介 GM


《【夏コレ!】水着を買いに行こう!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 アウレリア・ダウストリア (No 1) 2019-06-17 09:13:55
フェアリータイプのエリアルー!
アウレリア・ダウストリアなのじゃ☆
皆よきにはからうがよーい!
んふふふふ!

夏だ海だ水着なのじゃー!
それにしても、水着なだけあり巨乳ちゃんが一杯じゃのぅ。
ん、よき!
私は胸が無いからあんまり巨乳サイズの妖艶なタイプは着れんからの!
皆がどんな水着選ぶか楽しみじゃ♪

男子が一人混じっておるが…可愛い顔をしておるし女子の水着もいける…(ごほごほ
い、いやなんでも。

エリカ女子にシンパシーを感じつつも、誰と行こうかはまだ審議中じゃ☆
皆よきにー☆

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 2) 2019-06-17 09:20:43
勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです。皆さんよろしくお願いします

私は「4.その他」でちょっとネビュラロン先生に接触しに行きます
何をどうするか詳しく決めてませんな……頑張ります

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 3) 2019-06-17 17:26:12
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。みんなよろしくね。

わたしはネビュラロン先生に水中行動や戦闘についての相談に行ってみようと思うわ。


《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 4) 2019-06-17 17:41:12
皆様ご機嫌良う。
王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。
宜しくお願い致しますわ。

私は、現状[1]に行くつもりですわ。。
メメル校長でしたら、デザインは兎も角、私でも着られるサイズの水着を扱っているコーナーに連れて行っていただけそうな気がするのです。
あまり、過激なものを勧められないと良いのですが(遠い目/ふらぐ)。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 5) 2019-06-17 20:17:06
武神・無双コースの朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

そうですわね、ご飯も食べたいので私は2でキキ様、マイ様達と行動してみようと思いますわ。

《人たらし》 七枷・陣 (No 6) 2019-06-18 04:15:50
どうもー、男女比1:7な割合で場違い感半端ないハーレム状態の
賢者・導師専攻の七枷陣です帰りたい。(ワンブレス

おじさんはどうするかなぁ…。順当に1で連行される体で行こうかなぁ…うーむ…。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 7) 2019-06-18 06:49:04
むしろ水着を作りにいきたい村人・従者コースのシルクよ。ヨロシク。
…あら?ゴドリー教官たちと一緒(3)の方はまだいない?
なら、あたしがもらっちゃってもいいのかしら…(野獣の眼光)

《勇往邁進》 アレックス・ジェット (No 8) 2019-06-19 22:27:43
顔出すのが遅くなったね。
アタシは芸能・芸術コースのアレクサンドラ・ジェット。
気軽にアレックスって呼んで。よろしく。

アタシは……2で行こうかな。今の所だと、朱璃さんと一緒かな。
アタシの水着もそうだけど、キキさんとマイさんの水着を選んだりしたいな。

《新入生》 アウレリア・ダウストリア (No 9) 2019-06-20 10:24:36
ふむー、以外にバラけたのぅ。
そうじゃのぅ…。

4で自分の水着を作ってみるかのぅ。
んふふふふ!
そういう事じゃし、布地を買い出しに行かなくてはの!
ではのー!

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 10) 2019-06-20 20:14:30
行き先は皆さま決まりましたわね。アレックス様とご一緒ですわね。よろしくお願いいたします。

そうですわね、キキ様とマイ様の水着も気になりますわ。