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甘くて辛いハニーコーム



ストーリー Story

 名峰『アルマレス山』の麓には、八色の街『トロメイア』以外にも小規模な集落が散らばっている。
 人口三十人ほどの小さな村、『ハニーコーム』もその内の一つ。
 周囲はうっそうとした森と、耕作には適さない平野に囲まれていて、どこか浮世離れした雰囲気が漂う集落である。
 そんなハニーコームの村から、『フトゥールム・スクエア』に向けてゴブリン退治の依頼が出されてから数日の後のこと。
「――おい、あんたら。もしかしてハニーコームに行くつもりか?」
目的地に向けて、山道を歩く学生たち。そんな彼らに話しかけたのは、ハニーコームの隣村に住む森の木こりであった。
「そうか、ゴブリンを退治しに。そりゃあご愁傷様……おっと、いけねえ」
 思わず口を滑らせた木こりの男を、学生たちは怪訝な表情で見つめた。
 フトゥールム・スクエアに寄せられた今回の依頼に、特に不審な点は見られない。強いて言えば、退治するゴブリンの数の割に、報酬がかなり多いことだろうか。
 聞けばハニーコームの村人は全員養蜂を行っていて、彼らの作り出すハチミツは世の美食家や菓子職人にとっては垂涎の的であるらしい。
 彼らの収入は近隣の村々に比べてかなり多く、報酬の高さはそれが理由と思われる。
 至れり尽くせりに見せるこの依頼の、どこに問題があるというのだろうか。
「……いや、ハニーコームのことを悪く言うつもりはねえよ。気のいい連中で、俺もあの村の宴会に参加したことがあるしな。だけどよ」
 木こりの顔が、心なしか青ざめたように見える。
「ケーキに入れたり、肉を軟らかくするために使うってのはまだ分かる。でも『ハチミツかけごはん』とか『ハチミツのハチミツ割り』ってのは何なんだ⁉ うう、思い出したら気分が……」
 首を振って悪夢を振り払った木こりの視線には、学生たちに対する『同情』の成分がたっぷりと含まれていた。
「ま、ハチミツの質が良いってことは間違いないんだ。覚悟を決めるこったな」
 その村は、甘党にとっての楽園。しかし、そうでない者には――?
 木こりを見送った学生たちは、再びハニーコームへ向かう山道を歩き始めた。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-06-23

難易度 簡単 報酬 多い 完成予定 2020-07-03

登場人物 8/8 Characters
《ゆう×ドラ》シルク・ブラスリップ
 エリアル Lv17 / 村人・従者 Rank 1
「命令(オーダー)は受けない主義なの。作りたいものを、やりたいように作りたい……それが夢」 「最高の武具には最高の使い手がいるの。あなたはどうかしら?」 #####  武具職人志願のフェアリーの少女。  専門は衣服・装飾だが割と何でも小器用にこなすセンスの持ち主。  歴史ある職人の下で修業を積んできたが、閉鎖的な一門を嫌い魔法学園へとやってきた。 ◆性格・趣向  一言で言うと『天才肌の変態おねーさん』  男女問わず誘惑してからかうのが趣味のお色気担当。  筋肉&おっぱい星人だが精神の気高さも大事で、好みの理想は意外と高い。 ◆容姿補足  フェアリータイプのエリアル。身長およそ90cm。
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《人間万事塞翁が馬》ラピャタミャク・タラタタララタ
 カルマ Lv22 / 魔王・覇王 Rank 1
不気味で人外的な容姿をしたカルマの少女。 愛称は「ラピャ子」や「ラピ子」など。 名前が読み難かったらお好きな愛称でどうぞ。 性格は、明るく無邪気でお茶目。 楽しいと面白いと美味しいが大好き。 感情豊かで隠さない。隠せない。ポーカーフェース出来ない。 そしてちょっと短気なところが玉に瑕。 ギャンブルに手を出すと確実に負けるタイプ。 羞恥心を感じない性質で、露出度の高い衣装にも全然動じない。 むしろ前衛的なファッション格好いいと思ってる節がある。 戦闘スタイルは我流の喧嘩殺法。 昔は力に任せて単純に暴れるだけだったが、 最近は学園で習う体術を取り入れるようになったらしい。 しかしながら、ゴリ押しスタイルは相変わらず。 食巡りを趣味としているグルメ。 世界の半分よりも、世界中の美味しいモノの方が欲しい。 大体のものを美味しいと感じる味覚を持っており、 見た目にも全く拘りがなくゲテモノだろうと 毒など食べ物でないもの以外ならば何でも食べる悪食。 なお、美味しいものはより美味しく感じる。Not味音痴。 しかし、酒だけは飲もうとしない。アルコールはダメらしい。 最近、食材や料理に関する事を学び始めた模様。 入学までの旅で得た知識や経験を形に変えて、 段々と身に付いてきた…と思う。たぶん、きっと、おそらく。
《新入生》ティムール・アスタホフ
 ヒューマン Lv12 / 黒幕・暗躍 Rank 1
■名前/愛称■ ティムール・アスタホフ/ティム ■容姿■ 見た目→やや高めの童顔細マッチョ 髪 →薄紅梅で赤メッシュ 瞳 →紺碧の切れ長 服装→きっちりとした服、ロケットペンダント ■好き■ 戦い、訓練、甘いもの、赤いもの ■嫌い■ 暇、苦い ■趣味■ 訓練、甘味を食す、小物作り ■敬語■ 使えない訳では無いが苦手 ■性格■ クールというかぶっきらぼう ■サンプルセリフ■ 「俺はただ強くなりたい。強くなって、やりたいことをやる。」 「甘味か、いただく。」 「うるさい…騒ぐな」
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《不屈愛の雅竜天子》ミサオ・ミサオ
 ドラゴニア Lv18 / 魔王・覇王 Rank 1
「ミサオ・ミサオ。変な名前だろう。 この名前は誰よりも大切なあの子からもらったんだ。」 名前はミサオ・ミサオ。無論本名なわけがない。 外見年齢は20代、本年齢は不明。 本人曰く100越えてんじゃないの、だとか。 職業はギャンブラー。 学園に入る前は彫刻師、薬売りなどいくつか手に職を持っていた。 魔王コースを選んだのは、ここが楽だと思ったからだそうだ。 遠慮なくしごいてくれ。 性格はマイペースで掴み所がなく飄々としており、基本滅多に怒ることがない。 面白そうなことや仲の良い友人が居れば面白そうだとついて行き、 好きな人や大切な人にはドロドロに甘やかし、自身の存在を深く刻み付け、 飽きてしまえば存在を忘れて平然と見捨てる外道丸。 いい子には悪いことを教えたり賭け事で金を巻き上げ、 そして悪友のオズワルドや先輩先生にこってり絞られる。 恋愛したい恋人欲しいと言っているが、一途で誰も恋人を作ろうとしない。 たくさん養ってくれる人大好き。 趣味は煙草と賭け事。 特技は煙草芸、飲み比べ、彫刻。
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。
《未来を願いし者》アルシェ・スレット
 ヒューマン Lv7 / 賢者・導師 Rank 1
アルシェ・スレット、対外的にはそう名乗っている長身で病的な痩躯の学園生。おおよそ艶というものの感じられない銀髪を長く伸ばし、紫色の瞳から感情は読み取れない。肌の色を表すならば、最も適切な語句は恐らく「死体」。 コミュニケーションと礼儀の概念はあるようで、普通に話は通じる、というか誰に対しても異様に慇懃な「御座います」調で喋る。 口癖は、「ははア。」 なお、このような幽鬼じみた外見をしておきながら結構な健啖家で、料理もする。得意料理は白米にかける前提のクリームシチュー。   普段は服の中にしまっているが、白い粉状の物体が入った小瓶を首飾りにしている。。

解説 Explan

 二部構成で、まずゴブリンの退治を行い、その後は村人の歓待を受ける場面に移ります。
 戦闘の舞台は村外れにある、無数の花が咲き乱れる見晴らしのいい平野です。花は平野一面に咲いているので、少々踏み荒らしても問題はありません。
周囲は森に囲まれていて、ゴブリンはその森のどこかから出没します。
 ゴブリンの数は5体。強敵とは言えませんが、平野の中心部に設置された五十個ほどの巣箱を、どうすれば破壊されずに済むか考えてみて下さい。
 また、巣箱をうっかり破壊するようなことがあれば、自分自身がミツバチの針の餌食になる恐れがあります。
(ゴブリンはミツバチに刺されると、無理矢理巣箱を持って逃げ出そうとします)
 ゴブリン退治の後は、村人たちから大いに歓待を受けて下さい。
 しかし――この村の住人の味覚はかなり独特です。ハチミツを用いた斬新すぎる料理を、何の悪気もなく勧めてくることでしょう。
 無理して食べるも、ごまかすもあなたの自由。しかし、上手く立ち回ることができなければ、彼らの『善意』から逃げられないかもしれません。
(プランに『ハチミツ料理にどう対応するか』という表記が無い場合は、『甘すぎる料理に四苦八苦する』という描写にさせていただきます)


作者コメント Comment
 この度GMとして登録されました、正木猫弥と申します。
 おかげさまで、初のオープニングを公開することができました。
 今回の舞台『ハニーコーム』の村人たちは、異常なほどの甘党です。
 彼らのハチミツ料理に舌鼓を打つか、それとも敗北してしまうのか。
 今回の真なる敵は、ゴブリンではありません。『村人の善意』という強敵に立ち向かう、皆様のプランをお待ちしています(大げさ)。



個人成績表 Report
シルク・ブラスリップ 個人成績:

獲得経験:79 = 66全体 + 13個別
獲得報酬:2160 = 1800全体 + 360個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
蜂蜜のためにゴブリン殺すべき

●行動
ゴブリン退治:

蜂の巣箱を狙ってくる前、先んじて周囲に【攻撃拠点】を設営。
自分は種族特性を生かし、先手を打って『試作型高圧魔力収束砲』による砲撃で遠距離攻撃。
ラピ子(ラピャタミャク)や貴人たち接近戦メンバーの負担軽減を図る。
【スピリア】は巣箱まで突破されそうで間に合わない時に仲間の強化へ。

歓待:
基本食べる人。最近依頼で食べたり飲んだり多くて、体重の方が心配です…が

『少し蜂蜜を分けてほしいの。質は食用より低くていいから』
こちらが本命。服飾に使います。
(リアルの話…過酸化水素に匹敵する殺菌効果で古代から漂白剤として使われました。非常に美しい白生地を作れるとか)

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:79 = 66全体 + 13個別
獲得報酬:2160 = 1800全体 + 360個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■ゴブリン対策
誤射を避け、かつ射程の長さを活かす為、巣箱より少し離れた位置で【気配察知】でゴブリンを警戒、【マド/マドガトル】で狙撃。
撃ち漏らした敵の対策の為、射程が短い仲間に最後の砦として巣箱近くで待機して貰う様に作戦提案する。
各々行動予定があれば強制はしない。

■蜂蜜
ゴブリンから【サバイバルナイフ】で肉を削ぎ、【調理道具一式】と蜂蜜を使い、ザコちゃんと魔物料理に励む。
料理技能はない為、主に焼いて蜂蜜をかけたり、蜂蜜に漬けたり素人でも出来る調理をする。

余裕があれば村人側に加わり、【人心掌握学/心理学/会話術/演技/説得】で仲間に蜂蜜料理を口車に乗せて食わせようと試みる。


■アドリブ度:A

ラピャタミャク・タラタタララタ 個人成績:

獲得経験:79 = 66全体 + 13個別
獲得報酬:2160 = 1800全体 + 360個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
ゴブリンを退け、ハチミツ料理を味わう!

■対ゴブリン
巣箱を破壊される訳にも、誤って破壊してしまう訳にもいかぬ。

ゴブリンが巣箱に近づく前に倒す。
発見次第に突貫して、体当たりをブチかますのじゃ。
怯んだところに、雷装を纏ったスラストアックスでトドメじゃ。
汝にくれてやる慈悲もハチミツもない!くたばるのじゃ!


■対?村人の善意
あちき自身は普通に受け入れてハチミツ料理を食すのじゃ。
何と素晴らしいハチミツ…世の美食家や菓子職人が唸るのも頷けるのじゃ~♪

食べた中で他の者も楽しめそうな料理があれば、それを周りの皆に推すのじゃ。
さすれば皆がハッピーに食べられるのじゃ。
やはり、食事は皆が楽しめるのが一番なのじゃ♪


ティムール・アスタホフ 個人成績:

獲得経験:79 = 66全体 + 13個別
獲得報酬:2160 = 1800全体 + 360個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
○目的
蜂蜜をお腹いっぱい食べること
あと、ゴブリンを倒す

○戦闘
【隠密】、【沈黙影縫】で敵近くまで移動
遠距離組の攻撃着弾を確認後、飛び出て1番近い敵に攻撃
敵に発見されたあとは、優先順位は
①、巣蜜に1番近い
②、弱っている
③、①も②も満たさない

○蜂蜜
喜んで食べる
基本的に食べる係で、何気に催促する
まだ出来ない時はしょんぼり
できている場合は、静かに嬉しそうにしている
「まだか……そうか…」
「甘味はいいぞ」

食べる以外の行動を取っている人には食べながら、興味をしめす
すすめられたら、喜んで実践する

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:99 = 66全体 + 33個別
獲得報酬:2700 = 1800全体 + 900個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
ゴブリン退治か・・・
まぁ、人数も居るし俺たちもそれなりに強くなってるし油断はせずにサクッと倒そうか
森の中進んで長距離組が攻撃した後に横合いからぶん殴ろう
その際には基本鎌術、奇襲攻撃、切り落としを使用と巣箱を壊さないように注意する

巣箱に向かうゴブリンを優先的に狙っていこう
攻撃範囲が届かない場合はマドで対応

村人への対応はまず、お持ち帰り用のはちみつを用意して貰う
色々と使い出があるからな

料理は基本見た目がまともなのは食べる
少々甘い味付けの物なら大丈夫だがあまりにも甘いものは口に含んだ分は飲み込むとしよう
食材がもったいないから残したくはないが・・・口に合わなすぎるものは、な

アドリブA 大歓迎
絡みも大歓迎


ミサオ・ミサオ 個人成績:

獲得経験:79 = 66全体 + 13個別
獲得報酬:2160 = 1800全体 + 360個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
さぁさぁ、オレぁ欲しい物があると信じてここに来たんだ。
信じてるぜ?


行動:仲間の遠距離攻撃で被弾するゴブリン達を確認し、
巣箱片手に逃げ出す奴らがいれば威圧感を与え、怯んだところを「鞭打ちの刑」で仕留めようか。
出来ればより遠くに逃げちまったやつ優先で、龍の翼で追いかけて捕まえてやるぜぇ。

村:ハチミツ酒があれば遠慮なくいただくが、それ以外は勘弁だぜ。
どうしてもと言うなら…トランプで賭け事をしようかねぇ。
と、挑発、ハッタリ、ギャンブル、演技、隠匿を使用して全力でイカサマして勝ち続けてやろうじゃないか。
オレが負けたらハチミツご飯なりハチミツのコンボその他もろもろいただこうか。

アドリブ大歓迎

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:79 = 66全体 + 13個別
獲得報酬:2160 = 1800全体 + 360個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
蜂蜜よかゴブリンのが、並べ比較的食べて面白いとは思うんだけどね。
ってかザコちゃんが甘いの苦手ってのもあるけど。
さんざ食べたからさぁ。やな記憶とともに。もういらない。

とりまゴブリン。
巣箱周りでさんざ見てきたゴブリンへの【魔物学】から【推測】して、だいたいこの辺りから向かい寄ってくんだろーな、ってあたりつけて【気配察知】できるように気つけとく。
見つけたら巣箱に近づく前にさっさと【挑発】かましてー、限界までゴブリン集め従えながら巣箱から離れるような移動してく。
へっぽこモブごときがちょっとくらいへーきだし。【忍耐】力ちょっとあるし。

5匹?集めきったらゆーしゃ様達が攻撃できる位置へいってぽこす。終わり。

アルシェ・スレット 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:198 = 66全体 + 132個別
獲得報酬:5400 = 1800全体 + 3600個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
「ははア、良質な蜂蜜で御座いますか。それは……まったき愉しみで御座いますな。」

ゴブリン退治にも手を抜かず。仲間と巣箱を囲むような円陣で周囲を警戒しどこから襲来してきても対応できるようにする。
射程に入り次第プチマドで攻撃。できる限り遠距離から削りきるが撃ち漏らしは前衛の仲間に声をかけ迅速に対応。

「これが彼のハニーコームの蜂蜜。良い色艶で御座います。」
まず一口食べた後でこの蜂蜜であれば、と調理場への参加を主張。

バターたっぷりのカステラ、シフォンケーキ、肉には醤油や酒と絡めてハチミツの甘辛煮に。
料理スキルを総動員、集中と自然友愛も併用。

蜂蜜をたくさん有意義に使えるよう、蜂蜜酒の醸造も提案。

リザルト Result

■かわいそうな ごぶりん
 養蜂家集団の村『ハニーコーム』には、先祖代々受け継がれてきた『楽園』がある。
 花々が咲き乱れるその平野に設置された巣箱には、飛び回るミツバチたちが、採取した花の蜜をせっせと運び込んでいく。
 そんな日々の営みを乱す、不埒な闖入者。それは、ハチミツの美味さを覚えた5体のゴブリンたちであった。
 森の奥から今日も巣箱を奪いに来た彼らだったが――以前は見かけなかった連中が、巣箱を守っている事に気付いた。

「おー、来た来た。予想ばっちし」
 最初にゴブリンを出迎えたのは、平野の草むらに腰を下ろした【チョウザ・コナミ】その人である。
 敵らしき連中はこちらより数が多い。
 森に引き返す事も考えたゴブリンたちだったが、彼らの内の一体が、チョウザの方を見ながら怒りの声を上げ始めた。
「………………」
 ゴブリンたちを一瞥したチョウザの顔には、うっすらとした笑みが浮かんでいる。
 その飄々とした態度と表情が、無性にゴブリンたちの神経を逆撫でするらしく、ゴブリン全員が武器を振り回して襲いかかってきた。
「ゴブリンも魚も、活きが良いのが一番だよねぇ?」
 怒り心頭のゴブリンたちは、すでにチョウザの術中に陥っている事に気付いていない。
 半笑いのまま立ち上がったチョウザは、ゴブリンたちを引き連れながら仲間たちの待ち受ける場所へと向かった。

「あとはよろしく、ゆーしゃ様」
「はいはい。……狙いが判ってるなら、楽なものね」
 チョウザがおびき寄せたゴブリンの1体に、【シルク・ブラスリップ】が照準を定める。
 シルクの『試作型高圧魔力収束砲』が、充填された魔力を魔弾として練り上げていき、そして。
「早々にお引き取り願う!!」
 シルクがトリガーを引いた瞬間、轟音と共に発射された魔力弾が不運なゴブリンに直撃した。
「!?!?!?」
 一撃で身体を粉砕されたゴブリンには、自らの死を自覚する暇すらなかっただろう。
 一般的に、他の種族より非力とされるフェアリー種のエリアル。
 しかし、シルクも開発に協力した『試作型高圧魔力収束砲』の一撃は、彼女の攻撃を格段に高める事に成功していた。

 ゴブリンたちの受難は終わらない。
 思わぬ攻撃に動揺し、半ばヤケクソ気味に巣箱を奪いにかかったゴブリンたちは、降り注ぐ魔弾に大いにたじろぐ羽目になった。
「なあ。やっぱり料理は下ごしらえが大事だよな?」
 巣箱に近づこうとするゴブリンに『マドガトル』の魔法を放ちながら、【プラム・アーヴィング】は傍らの【アルシェ・スレット】に話しかける。
「何とも唐突で御座いますなあ。……ええ、ええ。勿論重要で御座いますよ」
 律儀に答えたアルシェもまた、『プチマド』の魔弾によってゴブリンを的確に打ち据えていく。
 二人の標的となったゴブリンたちに、もはやハチミツを気にする余裕はなく、マドの散弾を必死で逃げ回っている。
「ザコちゃんと肉料理に挑戦するんだが、ハチミツとの相性がどうなるか楽しみだぜ」
「ははア。それは良い考えで御座いますね」
 ハチミツには肉を柔らかくする効果がある。ハニーコーム製ともなれば、『普通の肉料理を』格段に美味しくする事だろう。
(1体吹っ飛んだが、十分な量は取れそうだな)
(肉料理も良いですが、彼のハチミツで作る焼き菓子は、さぞかし絶品でしょうなあ)
 プラムとアルシェが脳裏に描く料理の完成図が、実は相当かけ離れている事を、当人たちは知る由もない。

 度重なる遠距離攻撃の前に、ゴブリンたちの恐怖はピークに達した。
 最後尾のゴブリンが、仲間を見捨てて一目散に森に駆け込む。
 遁走を試みたそのゴブリンの企ては、木陰から繰り出された大鎌の一撃によって永遠に中断される事となった。
「……こんなものか」
 完璧な奇襲を成功させた【仁和・貴人】が、『バタフライリッパー』に付いたゴブリンの血を振るい落とす。
(オレたちも強くなっている。最後まで油断せずにいこうか)
 圧倒的有利の戦況だが、巣箱を壊される事は避けねばならない。
 再び森の外へと向かいながら、貴人は仮面の奥の表情を引き締めた。

 森へ逃げ込んだ仲間の運命を知らないゴブリンたちが、無我夢中で同じ場所を目指すのは無理からぬ話ではある。
 しかし、影に隠れるようにして追跡する者の気配を見落とした事は、そのゴブリンには文字通りの意味で『致命的』であった。
「……騒ぐな」
 【ティムール・アスタホフ】が狙うのは、巣箱に最も近い1体。鳴き声を上げるゴブリンの首筋に、『ユメミゴロ』の刃がするりと滑り込んだ。
「――――――!?」
 この時初めて、ゴブリンは気配を遮断していたティムールの存在を知ったが、後の祭り。
 己の命を奪った者の顔を見る事すらできず、そのゴブリンは地面に倒れ伏した。

 残り2体まで討ち減らされたゴブリンたち。
 巣箱を奪う事も、森に逃げ込む事もできなくなった彼らの足は、目の前に立ちはだかるドラゴニアによって縫い付けられていた。
「さぁ、まだ何かするかい?」
 ゴブリンを縛るものの正体は、【ミサオ・ミサオ】が発する威圧感である。
 追い打ちとばかりに、自身の翼を大きくはためかせるミサオ。圧倒的な力の差を前にして、ゴブリンの戦闘意欲は完全に打ち砕かれた。
 そして――そんなゴブリンたちの最大の不幸は、彼らを見逃す甘い者など存在しない事であった。
「グルメなあちきが来たのじゃーーーっ!!」
 【ラピャタミャク・タラタタララタ】の容赦ないぶちかましが、手近なゴブリンを森の近くまで吹き飛ばした。
 ボールのようにバウンドするゴブリンの身体が、木の幹に激突して停止する。
 哀れなボール、もといゴブリンはピクリとも動かない。プラムとアルシェの魔弾によって傷ついていたそのゴブリンが、ラピャタミャクの体当たりに耐えられるはずもない。
「あとはそいつだけだな。よし、ちゃっちゃとやってくれ」
「ゴブリンなんぞにくれてやる慈悲はない! くたばるのじゃ!」
 残り1体となったゴブリンの眼前に、スラストアックスの一撃が迫る。
 ミサオによって逃げる気力すら奪われたゴブリンには、斧の刃を受ける道しか残されていなかった。

■ハニハラ、ダメ、ゼッタイ。
 こうして、ハニーコームのゴブリン退治は『フトゥールム・スクエア』側の完勝に終わった。
 後は報酬を受け取り、村のささやかな感謝の宴に参加するだけ、のはずなのだが――。

「よう、仮面の兄さん。ゴブリン退治お疲れさん」
「あんたも来たのか。もしかして宴会に呼ばれたのか?」
 村の集会場へ向かう貴人を呼び止めたのは、ハニーコームへ向かう山道で出会った隣村の木こりであった。
「まあそんなところだ。……はあ」
「? 具合でも悪いのか?」
 顔色が優れない木こりの様子を、貴人が訝しむ。
「言ったろ? ここの料理がヤバいって。『ハチミツかけごはん』を食べると、腹具合が悪くなっちまうんだよ」
「それに関しては、ちょっと考えがある。オレたちに任せてくれ」
 そう請け負う貴人に、木こりは疑いの眼差しを向けた。
「……ここに来る途中、たき火の周りで変な色の肉を焼いてるスカーフの姉さんと白髪の兄さんを見かけたんだが、あの2人もお仲間だったよな?」
「それに関しては……そっとしておいてくれ」
「本当に大丈夫だろうな? 『カビた土の味がする』とか、『これは酷いぞォ~!』とか騒いでて、すげえ怖かったんだが……」
「だ、大丈夫だ。美味いものもちゃんと用意してあるから」
 そうこうしている内に、段々と宴の喧騒が近づいてくる。
 疑心暗鬼に陥った木こりをなだめながら、貴人は集会場への道のりを急いだ。

 結論から言えば、貴人の言葉は正しかった。
「う……うおお…………」
 アルシェ特製シフォンケーキのあまりの美味さに、感無量の木こりは言葉も出ない。
 その一方で、ハニーコームの村人たちの反応は様々であった。
「このケーキ、ちょっとハチミツが足りないな」
「そう? 私は好きだけど……」
 甘さが足りないという意見はあるものの、アルシェのケーキに魅了される者の声が、徐々に、だが確実に広がりつつあった。

「何だか働かせてばかりで悪いねえ。疲れてないかい?」
「いえいえ。美味しいカステラのためなら何のその、で御座いますよ」
 やはり、自分の見立てには狂いはなかった――カステラ作りの準備をしながら、アルシェはその思いを新たにしていた。
 ハニーコームのハチミツは、噂に違わぬ素晴らしい逸品だった。味・色艶ともに申し分ない品質で、それでこそ料理のし甲斐があるというものだ。
 だが、その事がハニーコームの料理には仇になっているようだ。品質を過信するあまり、『ハチミツさえあれば良い』という調理方法になっているのだろう。
「アルシェさん、甘辛煮がもう無くなっちまった! どうにかならねえかな?」
「アルシェさん、時間があるならうちのハチミツ酒の出来を見て……と、今は無理か」
 調理担当の村人の報告から、料理の反響の大きさが伝わってくる。
「ははア。流石に一人では手が回りませぬ故、皆様の御力をお借りしとう御座います。まずは――」
 新たな料理を作るべく、村人に的確な指示を出すアルシェ。調理場にいる者全ての気持ちが、アルシェを中心として一つに纏まりつつあった。

「あ、悪いな兄さん。先にいただくぜ」
「ああ」
 木こりが取った最後の一切れは、ティムールも狙っていたらしい。その表情からは伺い知れないが、どうやらしょんぼりしているようだ。
「まだか……そうか……」
 空の皿と調理場を交互に見ながら、新たなケーキを待ち受けるティムール。その様子を見ていた木こりは、何故か昔飼っていた犬の事を思い出していた。
「さあ、お次はカステラですよ!」
 程なくして、完成したアルシェの『新作』が並べられた。
「おっ、こっちも美味そうだな」
「ああ」
 焼きあがったばかりのカステラを、心底幸せそうに口に運ぶティムール。
 しっとりとした食感と、バターとハチミツが合わさった絶妙な風味をティムールは堪能する。
「……甘味はいいぞ」
「そ、そうだな」
 ふと、尻尾を振る犬耳のティムールを幻視した木こりだったが、流石にその失礼過ぎる想像を口に出す事はなかった。

(おかしい……)
 ハニーコームの村長がその『異変』に気付いたのは、宴が始まってから数時間後の事であった。
 新たにテーブルに並び始めた料理には、ハチミツの量が圧倒的に足りていない。『ハチミツは飲み物』をモットーとする村長からすれば、よそ者の料理を美味そうに食べる村人たちの様子が我慢ならない。

「やあ、楽しんでますかな?」
 どうにかしなくては――村長がまず近づいたのは、シルクを中心としてお喋りに花を咲かせる女性たちのテーブルであった。
「ええ。……あ、そうそう。漂白用のハチミツ、ありがとうございます」
「フトゥールム・スクエアに送るよう手配しておきました。うちのハチミツなら、きっと良い白無垢を作れるでしょう。それよりも」
 ここからが本題。
「めんつゆにハチミツを使った、『ハチミツそうめん』はいかがですかな? うちのハチミツをさっぱりと食べれる一品で――」
「あー、その。甘いのは嫌いじゃないんだけどね。ちょっとお腹が……」
「え? お腹がどうしました?」
「村長! デリカシー無さすぎ!」
 ふと気付くと、村長はテーブル中の冷たい視線を浴びていた。
「女の子には色々あるんです! シルクさんは最近お腹周りが気になってるんだから、これ以上勧めないで!」
「あ、ありがと。でももうちょっと声のボリューム落としてくれない?」
 再びきゃいきゃいと騒ぎ始めた女性陣を前に、村長は撤退を余儀なくされた。

 次に村長が目を付けたのは、テーブルの片隅で独りグラスを傾けるミサオであった。
「どうも。今日はお疲れさまでした」
「よう。勝手にやらせてもらってるぜ」
 ミサオの傍らには、すでに空になったハチミツ酒の瓶が転がっている。
「随分飲まれたようですな。何か召し上がったらどうです?」
「今はそんな気分じゃねぇなあ。ちょっと勘弁だぜ」
「ま、そう言わず! ハチミツかけごはんは、お酒の後の締めにピッタリで……」
「なら、オレと賭けをしないかい? ……あるんだろ?」
「は?」
 思わず聞き返した村長に、ミサオがトランプを突き付ける。
「宝石かってくらいきれーいな、黄金のハチミツ酒。オレが勝ったらそいつをいただく。あんたが勝ったらオレが何でも食ってやるよ。どうだい?」
「わ、分かりました、受けて立ちましょう」
「村長さん、いい度胸してるぜ。『賭博魔王』と呼ばれたオレに勝負を挑むんだからなぁ」
「ま、魔王?」
 ハッタリ一つで怖気づく村長が、ミサオの手練手管に敵うはずもなく。秘蔵のハチミツ酒を巻き上げられる未来は、カードが配られる前から決まっていたのかもしれない。

「……ん?」
 何をやってもうまくいかない。暗澹たる気持ちで歩いていた村長は、あるテーブルの人だかりに気付いた。
「ラピャ子ちゃんや。こっちの『フィッシュ&チップス&ハニー』はどうかのう?」
「うむうむ、斬新な味じゃ~♪」
「この『ハチミツイカ納豆』も食べてみてくれんか?」
「なんと、意外な組み合わせの新発見の味じゃ~♪」
「のどが渇いたかい? 『ハチミツのハチミツ割り』を作ってあげようねえ」
「おお、噂に違わぬ絶品じゃ~♪」
 村の老人たちに取り囲まれたラピャタミャクが、ハニーコームの料理を次々平らげていく。
「やっぱり……やっぱりそうなんですね! 我が村の料理が、よそ者の料理に負けるわけがない!」
 村長は、感激のあまりラピャタミャクに話しかけていた。
 これこそが追い求めていた光景。ラピャタミャクの姿をみれば、よそ者の料理に浮気した連中も改心するだろう。
「――いや、それはどうかのう」
「え?」
「アルシェの料理の方が、より多くの者を惹きつけるじゃろうな。汝と他の者の価値観が同じとは限らんじゃろう?」
 食を愛するラピャタミャクの言葉には、聞く者の心に響く深い洞察が込められている。
 最後の希望が打ち砕かれた村長の中で、何かがプツンと切れる音がした。

■ゴブハラモ、ダメ、ゼッタイ。
 突然、和やかな宴の空気をぶち壊す怒声が集会場に響いた。
「よそ者の料理ばっかり食べて、どういうつもりだ!」
「そ、そんなつもりは――」
 ベロベロに酔っぱらった村長に、木こりが一方的に絡まれている。
「おい、少し落ち着いたらどうだ」
 見かねた貴人が、村長と木こりの間に割って入る。
「す、すまねえ。普段はこんな人じゃないんだが……」
「分かっている。……外でたき火をしてる『あの二人』を呼んできてくれないか?」
 そう木こりに言いつけてから、貴人は村長に向き直った。
「お前もうちの料理にケチをつけるのか!」
「そんなつもりはない。が、はっきり言ってオレの口には合わなかった」
「くそう! よそ者に何が分かるんだ!?」
 しばらく押し問答を繰り返したが、このままでは埒が明かない。かくなる上は『ショック療法』も致し方ないだろう。
 貴人がそう決意したのと同じタイミングで、集会場の扉がバン! と音を立てて開かれた。
「呼ばれて飛び出て、ザコちゃん、とーじょー」
「俺ちゃんもいるぜ!」
 にやりとした笑みを浮かべたチョウザとやたらテンションの高いプラムが、大皿に載せて運んできたもの。
「!? な、何ですか、それは……?」
 村長の震える指先にあったのは、チョウザ&プラム特製、『ハチミツソースのゴブリン焼き』の一品だった。

「ザコちゃん甘いの苦手だからさあ。村のお人達の料理食べられなくて悪いなー、って思って。お詫びの気持ち?」
「ゴブリンとハチミツの相性が良いとは思わなかったぜ! しかも、相性が良いのにこの酷さ! ア゛ハァ~! 最高!」
 ゴブリン肉を適当に切った事。そして、適当にハチミツと混ぜて適当に焼いた事――。
 楽しそうに料理の苦労を語りながら、皿の上の物体を味見するチョウザとプラム。
「………………」
 村長の頭には、二人の言葉が全く入ってこない。ゴブリン料理のインパクトのせいで、酔いも完全に醒めてしまっている。
「じゃ、はい」
「……え? こ、こんなもの食べれるわけが……」
「絶対気に入るって! 俺もあんたも、食える食えないの許容範囲がガバなんだしさあ」
「そーそー。ハチミツもゴブリンも自然物だし。正に自然派? ……とゆーか」
 その瞬間、チョウザの表情から笑みが消えた。
「そっちも食べる相手の好みも聞き尋ねずに振舞って来てんじゃん? 善意で。そったら、ザコちゃんたちの善意を断る理由なんて指先欠片もないよねぇ? ……違う?」
「あ、ああ……」
 村長は確信した。このままでは『あれ』を食べさせられる運命が避けられないと。
 それを回避する唯一の方法。それは。
「すいませんでした! もうハチミツの無理強いはしないので、勘弁して下さい~!」
 土下座して謝罪する村長の声が、日の沈んだハニーコームの集落に響き渡った。

■甘くて美味しいハニーコーム
「――本当に、申し訳ありませんでした」
 翌朝。出立の準備をする学生たちに、村長が神妙な面持ちで謝罪する。
「今回の件で身に沁みました。善意であっても、それが押しつけになれば悪意と取られかねない。あのゴブリン料理は、そういう意味だったんですね」
「あ、ああ。そうだな」
 勘違いしてくれているなら、そのままにしておこう。
 そう判断した貴人が、一行を代表して村長に紙束を手渡した。
「これは……?」
「昨日のアルシェの料理のレシピだ。これを元に、もっと多くの人を喜ばせるメニューを考えてみて欲しい。ハニーコームのハチミツなら、きっと出来るはずだ」
「何から何まで、ありがとうございます。そのメニューには、昨日あなたが作ってくれたハチミツレモンドリンクを加えさせて下さい。とても美味しかったですから」
 貴人とがっちり握手を交わした村長は、学生一人一人に手土産のハチミツを渡し、再び深々と頭を下げた。

 学生たちがハニーコームを去ってから、しばらくの後。格段に美味しくなったハニーコームのハチミツ料理が評判になるのは、また別の話である。



課題評価
課題経験:66
課題報酬:1800
甘くて辛いハニーコーム
執筆:正木 猫弥 GM


《甘くて辛いハニーコーム》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 1) 2020-06-18 07:23:50
村人・従者コースのシルクよ。よろしくー

やる事としちゃゴブリン退治、巣箱の保護、あとハチミツ料理の対策?

ハニーコームのハチミツを手に入れるチャンスだし甘いの望むところなんだけど、最近ちょっとお腹が…グギギ

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 2) 2020-06-18 07:50:28
蜂蜜は美容に良いってよ。
下半身のアイドル★プラムでーす。よろしく。

射程長い奴が巣箱から距離ある所で待機して、短い奴が巣箱近くで撃ち漏らしたゴブリンの対処すれば良いのでは〜。
まあ、ゴブリンだし。

《人間万事塞翁が馬》 ラピャタミャク・タラタタララタ (No 3) 2020-06-18 23:19:25
らぴゃたみゃくたらたたららた!
世の美食家垂涎の的と聞いてあちきが来たのじゃーーーっ!!!!
グルメがあちきを呼んでいるのじゃーーーーっ!!!!

ゴブリンはとりあえず突っ込んで斧で叩き斬るのじゃ。
まぁ、いつも通りじゃ。

戦い終わった後はハチミツ料理を堪能するのじゃ。
斬新すぎる料理、ばっちこいなのじゃ♪

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 4) 2020-06-19 15:45:03
賢者・導師コース、アルシェ・スレットで御座います。

対ゴブリン戦術についてはプラム様の意見に概ね異論御座いませぬ。
アルシェは長射程担当で御座いますねえ。

アルシェはむしろ作る側に回る方針で御座います。良質の蜂蜜が多くあるとなればスイーツは無論、甘辛煮なども捗ることで御座いましょう。
ええ、ええ。

《新入生》 ティムール・アスタホフ (No 5) 2020-06-20 11:30:48
遅くなってすまない。ティムール・アスタホフだ。
よろしく頼む。

俺は所持している武器が近距離だから、撃ち漏らしを担当しよう。
…巣箱は壊させん。

甘味だが…俺は食べる側に回る。
アルシェ…だったか、期待してる。

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 6) 2020-06-21 20:03:50
ははア、期待されてしまいましたなあ。
アルシェの知る限り当地の魔法は「冷やす」ということが出来ませぬよって。ハチミツアイスクリームができないのが残念では御座いますが。腕によりをかけましょう、ええ、ええ。

ところで現場は森に囲まれた花畑。
皆様で巣箱を囲む形に輪形陣で警戒した方が的確な初動が取れるように思う次第で御座います。
相手はゴブリンとはいえ油断は禁物で御座いますからねえ。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 7) 2020-06-21 23:17:26
遠距離で削って抜けたのをとどめ、って感じねー。
前衛は割といるし、あたしは魔力収束砲で砲撃でいいかな。

あ、料理は基本食べる側。
本業は作る側だけど、料理じゃないからねー

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 8) 2020-06-22 12:50:50
ギリギリになってすまない
戦闘では基本前衛で巣箱が守れればいいなと思っている・・・

はちみつは食べるのオンリーなのだろうか?
美容にも使えるし良いと思うんだが・・・はちみつパックとか