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どうせ みんな ねこになる


ストーリー Story

「コルネ先生!」
「落ち着いて。何があったか話してくれるかな?」
 魔法学園『フトゥールム・スクエア』が誇る植物園、『リリー・ミーツ・ローズ』。
 異常事態に駆けつけた学園教師【コルネ・ワルフルド】は、泣きじゃくる植物委員の女子学生から聞き取りを行っていた。
「たまたま温室の近くで、収穫したマタタビを乾燥させていたんです。まさかその中に、『マタタビモドキ』が混じってたなんて……」
 コルネに渡されたハンカチで涙を拭いながら、必死で女子学生は言葉を紡いだ。
 猫が酔っ払ったような症状を見せる事で知られるマタタビ。しかし、マタタビモドキはマタタビとは似て非なる魔法植物の一種であり、その効能は猫以外の動物や種族にも及ぶ。
 乾燥させたマタタビモドキの実には、通常のマタタビよりさらに強烈な陶酔作用がある。実が発する香りを一定量嗅ぐと、その者は『自分は猫である』という幻覚に囚われてしまうのだ。
「猫化した学生が温室に実を持ち去ったせいで、温室の中にマタタビモドキの香りが充満してしまったんです。その場にいた全員で温室内を探し回ったんですが、それが却って良くなかったみたいで。皆が次々ニャーニャー鳴き始めて、私、怖くなって逃げてきたんです」
「大変だったね。でも、アタシが来たからにはもう安心だよ」
 再び涙ぐむ女子学生の肩に手を置いて、コルネが優しく語りかける。
「も、もしかして先生1人で行くつもりですか? 無茶ですよ! せめてマスクが届いてから――」
「……残念だけど、あまりのんびりはしてられないみたいだね。あの温室は、学園にとって貴重な施設。被害は最低限に止めないと」
 温室内には貴重な薬草が多数栽培されている。猫化した学生が好き勝手に暴れ回れば、多大な損害が発生する恐れがあるのだ。
(うーん、干しブドウが足りない……。今日は忙しかったからなあ)
 景気づけに干しブドウを食べておきたかったが、生憎手持ちを切らしてしまっている。
 買いに行こうとした矢先に事件が起きてしまったので、今のコルネは干しブドウの摂取量が不足した状態であった。
「せ、先生……」
「大丈夫! 狼のルネサンスであるアタシが、マタタビなんかに負ける訳ないでしょ?」
 力強く宣言したコルネは、不安げな表情を浮かべる女子学生にウインクをしてみせるのだった。


「――というのがマタタビモドキの特徴だ。お前達には、温室内のどこかにある実の回収と、猫化した者の救出を頼みたい」
 マタタビモドキに関する説明を終えてから、その教師は集められた学生達を一瞥した。
「と言っても、実の在り処の見当は付いている。お前達が来る前にコルネ先生が学生達の救助に向かっていたのだが、数時間経っても戻って来る気配がない。状況から考えて、恐らくコルネ先生も猫化してしまった可能性が高い。マタタビモドキの実を学生から取り上げた後で、自らがその香りにやられてしまったと考えられる」
 猫化した学生の数は10人以上。その全員をたった1人で取り押さえ、温室の外に連れ出した手腕は流石と言うしかない。しかし、マタタビモドキの実を所持したままでの救助活動は、コルネ自身の猫化を当人の予想以上に早めてしまったのだろう。
「猫化しているとはいえ、あのコルネ先生を力づくでどうにかする事は難しい。だが、その猫に成りきった状態を利用すれば打開策は見えてくるはずだ。幻覚によって、仲間の姿が猫に見える等の影響が出るだろう。猫が二足歩行をする奇妙な光景が見えるはずだが、動揺せず落ち着いて対処してくれ。頼んだぞ」
 教師はそう語り終えると、学生達に専用のマスクと容器を手渡して出立を促すのだった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-12-01

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2020-12-11

登場人物 2/5 Characters
《枝豆軍人》オルタネイト・グルタメート
 リバイバル Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
■性別■ えだまめ(不明) ■容姿■ 見た目:小柄で中性的 髪:緑のショートヘア 目:深緑色 服:生前の名残で軍服を好む。 あとなぜが眼帯をしてる。 ※眼帯に深い理由はない。 ■性格■ 元気(アホの子) 意気揚揚と突撃するが、結構ビビりなのでびっくりしていることもしばしば。 ■趣味■ 枝豆布教 ■好き■ 枝豆(愛してる) ■苦手■ 辛いもの(枝豆が絡む場合は頑張る) ■サンプルセリフ■ 「ふはっはー!自分は、オルタネイト・グルタメートであります。」 「世界の半分を枝豆に染めるであります!」 「枝豆を食べるであります!おいしいのであります!!怖くないのであります!」 「これでも軍人さんでありますよ。ビビりじゃないであります!」 「食べないで欲しいでありますー!!自分は食べ物ではないであります。」
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  

解説 Explan

プロローグの情報と、プロローグに書き切れなかった情報を纏めます。

【課題の目的】
 魔法植物『マタタビモドキ』の実を回収し、『猫化』したコルネ先生を温室内から救出する。

【マタタビモドキの実について】
 マタタビの実とよく似た見た目を持ち、乾燥させると強烈な幻覚作用をもたらす香りを発するが、毒性は少ない。支給された専用の容器に入れる事で、安全に運ぶ事が可能となる。幻覚に陥っても、風通しの良い場所で数時間休めば回復できる。

【猫化について】
 マタタビモドキの幻覚には段階があり、密閉空間で香りを嗅ぎ続ける事で症状が進んでいく。
 症状は以下の通り。
・第1段階
 周囲にいる者の姿が一般的なイエネコに見えてくるが、この段階であればまだ意識を保つことが可能。温室内に突入した時点で、この状態になるものとする。
・第2段階
 自分の姿も猫に見え始め、四足歩行をせずにはいられなくなる。身も心も猫同様となった状態。(あくまで幻覚であり、身体が猫に変わる訳ではない)
 プロローグで支給されたマスクを付けない場合は『10分』で第2段階に達する。マスクを付ける事で、猫化のスピードを『2時間』に遅らせることができる。
 参加PC全員が第2段階に達した時点で、課題は失敗となる。

【コルネについて】
 猫化が第2段階まで達した状態。マタタビモドキの実を所持した状態で、温室内の何処かに潜んでいる。全身にマタタビモドキの香りをたっぷりと浴びており、コルネに身体をこすりつけられた者は、即座に猫化第2段階に達してしまう。

【温室について】
 貴重な薬草や魔法植物が多数栽培されたガラス張りの温室。くまなく歩きまわると1時間はかかる程度の広さがあり、中には薬草畑や樹木が生い茂る実験用の森、植物の生育を観察するための観測小屋が配置されている。


作者コメント Comment
 正木猫弥です。
 名前に『猫』がある通り、私自身大の猫好き。何か猫にまつわるエピソードができないかな……と考えている内に、なぜかコルネ先生が犠牲になりました(笑)。

 コルネ先生には申し訳ないのですが、猫まみれの楽しいエピソードにしたいと思います。
 プランに書いていただければ反映しますので、是非『自分のお子さんが猫になるならどうなるか』を考えていただければと思います。

 皆様のご参加、お待ちしております。



個人成績表 Report
オルタネイト・グルタメート 個人成績:

獲得経験:66 = 44全体 + 22個別
獲得報酬:1800 = 1200全体 + 600個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
■心情
枝豆への愛があればマタタビなんかに負けないはずである。

■行動
マスク(中に枝豆を入れる)を装着
種保管用の容器を貰っておく
餌として干しぶどうぼんぼんを持っていく

参加人数が少ないので、離脱を考え一緒に動くことを提案
【気配察知Ⅰ】【聞き耳】で捜索

干しぶどうを使い、おびき寄せを試みる
捕獲時は【リ5】で接近して素早く捕獲
体を擦られそうになったら、【リ1】【危険察知Ⅰ】で躱す
種は容器へ入れる

無事に課題成功した場合は、単騎突撃したコルネ先生を怒る
課題失敗の場合は、にゃんこ化を楽しみます

アドリブA

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:66 = 44全体 + 22個別
獲得報酬:1800 = 1200全体 + 600個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
マスクを装着し、温室に入ろう
うむ、マスクはとても大事だ

危険だが、時間もない……手分けして探すしかないか……?

息を荒くしないよう一定のペースを意識しつつ温室内を調べ回ろう
また、鳴き声が聞こえたら特に注意深く警戒する
だが見つけても焦らず、ソーシャルディスタンスを保ちながら対処する


気は進まないが……緊急時だ、仕方ない
あえて猫化した仲間のフリをして、コルネ先生が近づきスキンシップ?に出るのを待つ
そこを物体透過ですり抜け不意を突いた後、プチミドを浴びせてから立体機動で実を奪い取る
プチミドで湿気らせれば香りの発生も抑制できるはずだ

オルタネイト君が猫化していない場合は、容器を渡し実をすぐ外に運び出してもらう

リザルト Result

 広大な規模の植物園『リリー・ミーツ・ローズ』には、実験用の温室が設けられた一角がある。
 温室内は一定の気温が保たれている。寒さに弱い植物を守るための処置だが、今回はその暖かさが仇になったと言えるだろう。
 魔法植物『マタタビモドキ』。その実の幻覚に囚われた【コルネ・ワルフルド】を救出すべく、2人の学生が温室への侵入を果たしていた。


「……ああー、なるほど。こうなるわけか」
 温室内に漂う異様な匂いに眉をひそめながら、【クロス・アガツマ】は今回の相棒となる『眼帯を付けた猫』を見やった。
 クロスの目に映るのは、シャルトリューズと同じ色をした小柄な猫だ。
 薬草のリキュールであるシャルトリューズには、目にも鮮やかな緑色をしたものがある。猫の正体を考えれば、その緑は『枝豆色』であるとしたほうが正確だろう。
「自分にも、アガツマ殿が猫に見えてるでありますよ」
 一方の枝豆色の猫――【オルタネイト・グルタメート】には、クロスの姿ががっちりとした体格をした黒猫に見える。
 同じ課題をこなした事もあるので、クロスは知らない仲ではない。猫化しても、クロスに抱いている『とてもかっこいい人』というイメージが崩れない事を、オルタネイトは内心でおかしく思った。
「さて、コルネ先生をどう探したものか……」
「取りあえず、今は一緒に行動したいであります。木の上から襲われたら、ひとたまりもないでありますからね」
 オルタネイトの指さす先には(クロスには猫が右前足を伸ばしているようにしか見えないが)、実験用の樹木が生い茂り、密林と化したエリアがある。猫化したコルネが潜んでいる可能性は考えられるだろう。
「了解した。では十分警戒しながら行くとしよう」
 ひとまず方針は定まった。フォローし合える距離を保ちながら、2人はゆっくりと歩みを進めていった。


「――ここで終わりか。どうやら森にはいなかったようだ」
 密林エリアを無事通り抜け、クロスはマスクの中で安堵の息を漏らした。
「残っているのは、『観測小屋』と『薬草畑』でありますな。時間を考えると、あまりのんびりしてられないでありますが……」
 オルタネイトが近くにあった案内板を確認する。
 密林エリアの探索には1時間を費やした。30分で通過できる程度の広さの場所だが、コルネを探すという目的がある以上、ゆっくり歩かざるを得なかったのだ。
「マスクが使えるのは後1時間。危険だが、手分けして探すしかないか……?」
「やむを得ないでありますな……」
 しばしの相談の後、担当する場所が決まった。
 オルタネイトは薬草畑。クロスは観測小屋。神経を一層研ぎ澄ませながら、2人は自身の目的地へと向かった。


 観測小屋に到着したクロスは、早速周囲の警戒に当たった。
(見た事のない花だ。学園で品種改良されたものだろうか?)
 小屋の付近には、温室の天井につきそうなほど巨大な花が一輪、つぼみの状態で植えられている。そのやたらと派手な花弁は、博識のクロスをしても初めて見る模様であった。どうやら小屋は、この珍しい花を定点観測するために建てられたものらしい。
(おっと、今はコルネ先生だ)
 好奇心をぐっと抑えて、再びコルネ探索に意識を集中させる。すると。
「すー、すー……」
(この声は……?)
 今回の探索にあたり、クロスが特に重視したのは『音』であった。隠れる場所が多い温室内では、視覚のみに頼るのは限界がある。鳴き声を聞き逃すまいと、必死で耳をそばだてていた事が功を奏したのだった。
 忍び足で、寝息が聞こえた方へと向かう。観測小屋をぐるりと回り込み、見上げた屋根の上。
「ふにゃあ……」
 そこでは1匹の猫が、のんきな声を漏らしながら日向ぼっこをしている真っ最中であった。
(間違いない。コルネ先生だ)
 オルタネイトの時もそうだが、猫化の幻覚は本人の特徴を多分に残すものであるらしい。
 茶色の毛皮と、寝ていても分かるしなやかな体つき。屋根の上でまどろむ猫が、『フトゥールム・スクエア』学園教師、コルネ・ワルフルドである事をクロスは確信していた。
「にゃ……?」
 クロスの気配に気付いたのか、眠りから覚めたコルネが目を開く。急に現れた『黒猫』の姿を、コルネは胡散臭げに見下ろした。

「これは壮観でありますなあ」
 一方のオルタネイトは、眼前に広がる薬草畑に目を丸くしていた。
 屋外の畑には到底及ばないが、この寒い時期に本格的な薬草栽培を行う技術力は、流石魔法学園といった所だろう。
(この畑が全部枝豆なら……。いやいや、今はコルネ先生が最優先であります)
 マスクに仕込んでおいた枝豆の匂いを嗅いで、オルタネイトは気合を入れ直した。
 周囲の気配を慎重に探りながら、畑の間を通る道を進んでいく。天井から差し込む日光が、猫が好みそうな陽だまりを作っているが、コルネらしき姿は見当たらない。
(どうやらこっちは外れでありますな)
 となると、観測小屋が本命か。
 クロスを擁護すべく、足早に観測小屋へと向かうオルタネイト。その耳に猫が激しく争うような声が飛び込んできたのは、視界の端に小屋の姿を捉えた時であった。


「い、一体何が起きているでありますか……?」
 観測小屋にたどり着いたオルタネイトが目にしたのは、2匹の『猫』が対峙する緊迫した光景だった。
「フーーーーーーーッ!」
「に、にゃ~お。にゃあー」
 屋根の上で威嚇する茶色い毛皮の猫に対し、黒猫は防戦一方の様子だ。
 茶色の猫はコルネでまず間違いない。しかし、黒猫――クロスが鳴き声を上げているという事は、クロスもまたマタタビモドキの餌食となったのだろう。
(アガツマ殿……仇は討つでありますよ……)
 猫化しても、『マタタビモドキの実を取り返す』という使命を忘れていないクロスには涙を禁じ得ない。
 この雄姿を学園内に喧伝するためにも、一刻も早くけりを付けなくては。そう決意したオルタネイトは、あらかじめ入手しておいた対コルネ用の『切り札』を取り出した。
「にゃっ!?」
 オルタネイトが手にした干しブドウのボンボンに、コルネの目が釘付けになる。
(予想通りでありますな。猫化しても、やっぱりコルネ先生はコルネ先生であります)
 今回、コルネが猫化してしまった理由は干しブドウ不足にあるとオルタネイトは見ていた。
 猫にマタタビ。枝豆軍人に枝豆。そして、コルネに干しブドウ。マタタビモドキと干しブドウの勝負は、どうやら干しブドウに軍配が上がるようだ。
「にゃにゃーーーーー!!」
 干しブドウボンボン目がけて、コルネが観測小屋の屋根からダイブしてくる。
「わっ!?」
 『物体透過』で間一髪避ける事ができたが、あのスピードで何度も飛びかかられたら長くは保たない。冷や汗を浮かべるオルタネイトに、眼をギラギラと輝かせたコルネが迫る。
 すると――。
「ふぎゃっ!?」
「よし、このまま。もう少しだけ大人しくしてくれよ」
 横合いから飛んできた『プチミド』の水球によって、コルネの顔面がずぶ濡れになった。狼狽するコルネに、意識まで猫化していたはずのクロスが素早く近づき、お腹の辺りをまさぐり始める。
「アガツマ殿!? てっきりもうやられたとばかり……」
「猫化した『フリ』をしておびき寄せようと思ったんだが、警戒されてしまってね。干しブドウを持ってきてくれて助かったよ。……お、これかな」
 もしマタタビモドキの幻覚が効いていなければ、水に濡れたコルネの姿を直視していた所であった。
 猫に見えていて本当に良かった――内心で胸をなでおろしながら、クロスはマタタビモドキの実を容器に回収したのであった。


「全く! コルネ先生とはいえ、単騎突撃は無謀でありますよ! 油断し過ぎであります!!」
「め、面目ない。反省します……」
 コルネからマタタビモドキの実を取り戻した後は、干しブドウを使って温室の外におびき出す事は容易であった。
 数時間後、ようやく我に返ったコルネには、オルタネイトによるお説教タイムが待ち受けていたのだった。
「うーん、温室内の記憶がない……。あれ? でもクロス君っぽい黒猫と、何か喧嘩をしたような……」
「ああ、それはコルネ先生をおびき寄せようと、完全に猫化したフリをして……」
「はっ!? それで思い出したであります!」
 言うが早いや、オルタネイトが猛ダッシュでその場を立ち去ろうとする。
「ど、どうしたの急に?」
「狼のルネサンスなのに、『自分が猫である』と思い込んだコルネ先生! そんな先生を止めるべく、必死で猫の鳴き真似をするアガツマ殿! 自分には、2人の雄姿を一刻も早く学園に語り継ぐ使命があるであります! 今日はこれで失礼するでありますね!」
「え、あ、ちょっ! アタシの教師としての立場が! 威厳が! ちょっと待ってええええ!!」
 姿を消したオルタネイトを、コルネが慌てて追いかける。
「……やれやれ。やはりこの学園にいると退屈しないな」
 1人残されたクロスは、嵐のように去っていったコルネを見送りながら苦笑を浮かべるのだった。



課題評価
課題経験:44
課題報酬:1200
どうせ みんな ねこになる
執筆:正木 猫弥 GM


《どうせ みんな ねこになる》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《枝豆軍人》 オルタネイト・グルタメート (No 1) 2020-11-28 20:58:58
枝豆ドーピングは、効くのだろうか…?

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 2) 2020-11-29 00:13:27
クロス・アガツマだ、よろしく頼む。
恥を晒さぬよう、頑張るよ……

とりあえず、マスクは着けて入ろうと思う。マスクは本当に大切だ。