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ミラちゃん家――嘘かまことか


ストーリー Story

●ウソも方便
 シュターニャ。
 ビジネスタウンの一角にある高層建築――各地で観光業を展開している『ホテル・ボルジア』の本社。その社長室。
「新年の浮かれた気分も一段落ね。で、【赤猫】をサーブル城から排除する算段は出来た?」
 身をぴったり寄せて聞く【ラインフラウ】に【セム・ボルジア】が答える。
「一応。これまでに得た情報からするに赤猫は、【黒犬】同様自分にかけられた呪いに反発を抱いてます。まずはその感情を利用して、こちらに対する警戒心を低下させようかと」
「ということは、呪いの解除を手伝ってあげるわけね。学園の子たちが今、黒犬に対してやってるみたいに。もっともあなたのは、手伝ってあげる『ふり』でしかないんだろうけど」
「ええ。いずれ始末するにしても、最初から敵対的な姿勢で臨むのは下手なやり方です――ことに桁違いな力をもつ相手には。ある程度信頼関係を築かない限り、策を弄することも出来ませんしね」
「わー、悪人。そういうとこ本当に好きよセム。やっぱり結婚しない? 私はいつでもそうしていいわよ?」
「ご冗談を」
「冗談じゃないんだけどなー。あなたったらいつもそういう反応。つれないわー……まあでもそういうことなら私、交渉役を務めてあげていいわよ?」

●赤猫だけが知っている
 グラヌーゼ、サーブル城。
 少女の姿をした赤猫は、『わーお』と鳴き声を上げた。
 緑の目を底光りさせ、眼前に広がる豪奢な地下通路――彼女にとって、不愉快千万な思い出と強く結び付いた場所――を見やる。
「いつの間に、ここ、水がなくなった?」
 道そのものに問いかけるように一人ごち、足音も立てず進む。鼻をひくつかせながら。
「人間の匂い、残ってる。古臭くなってるけど」
 赤猫は知っている。この通路がとある部屋に通じていることを。その部屋に、ノアの呪いについて記された本が保管されていることを。
 しかし今に至るまでの長い年月、彼女は、その本を捜し出そうとしなかった。
 第一には、『グラヌーゼの悲劇』が起きた頃、ノアが通路を水没させてしまったから(水の中をくぐって行くなんて、赤猫にとっては全く、身震いするほどいやなことなのだ)。
 第二には、ノアが本に『持ち主以外の者が触れたら発動する呪い』をかけているだろうと確信していたから。
 赤猫は黒犬と異なりノアと居住空間を同じくしていた。それゆえ、黒犬よりもなお彼らのやり方を熟知している。
 呪いをかけるときは簡単に効果が破られないよう、何重にも鍵をかける。あるいは破るという行為自体が落命のトリガーになるよう仕組む。そういう事例が実に多くあったのを、彼女はよく覚えている。
(だから呪いを完成させる前にあいつらを殺さなきゃならなかったというのに、黒犬のバカがしくじったせいで……いつまでも荒れ地をうろついていればいいものを、城に入り込んでくる。本当に余計なこと)
 酔いで濁った目を据え彼女は、電流を走らせた。そして、ドーム型の天井がある小空間に入った。
 じめついた床の上に魔王像が倒れ、焦げた革表紙と羊革紙の切れ端が散乱している。
 赤猫はすぐさま悟る。ここに匂いを残している人間の手ですでに、本が開かれたということを。その人間が、以前黒犬とつるんでいたカサンドラなる者であるということを。
「ということは、呪いは発動済みということね。なるほど。それで黒犬とつるんでた人間、消え損ないになったんだ」
 少し前人間から聞いた話によれば、黒犬は解除方法をまだ聞き出せていないらしい。
 赤猫としては、そのままであり続けるほうがいいと考える。先にも言ったように、ノア一族の呪いは多重構造なのだ。下手に解除を試みた結果状況を悪化させるという可能性も、十分考えられる。
 赤猫は魔王の像の台座に座り込み、もしゃくれた赤毛を神経質に撫でる。
「ポンコツの様子、探った方が、いいかな」
 と、彼女は、唐突に顔を持ち上げた。城に住まう取り巻き猫たちの鳴き声が聞こえてきたのだ。
「誰か、来た?」

●酒の肴はなんじゃいな
 夜のサーブル城。
 城壁の上に立っているのはラインフラウ。
 周囲には大勢の猫が集まり、うさん臭そうに彼女を見ている。
 そこへ相変わらず泥酔している赤猫がやってくる。
「こんばんは、初めまして赤猫さん。私はラインフラウという者なんだけど」
 挨拶するラインフラウに赤猫は、鼻をひこつかせた。やや前のめりな姿勢を取っているのは、攻撃するかしないかの線上に気持ちがあることを指す。
「お前、前に見たことがある。ほかの人間と一緒に、ここへ入ってきたことあるわよね?」
 ここで背を向けたら、間違いなく襲ってくる。そう心得てラインフラウは、なるべく相手と目線を交錯させないようにしつつ答える。
「あらあ、覚えてもらっていたのね。うれしいわ。そうよ、私、ここに来たことがあるの――あ、よかったらこれをどうぞ」
 彼女は高級酒がぎっしり詰まった紙袋を、相手に渡す。
「おー、酒」
 赤猫は愉快そうに手を打った。遠慮会釈なく酒瓶を手に取り、がぶ飲みし始める。ではあっても、ラインフラウから気をそらしたわけではない。一挙手一投足の動きを探っている。
 そのことを意識しながらラインフラウは、話し始める。
「赤猫さん、黒犬さんとの呪いについてなんだけど、もしかしたら私、それを解消出来るかも知れないわよ」
 赤猫は『へー』と白けた声を出した。
「お前、ノアの呪いを解けると思ってるの?」
 ラインフラウはふふっと笑う。
「いいえ、そんなこと全然。でも、呪いをよそに移し替えることなら確実に出来ると思うわ」
 赤猫は瞳孔を丸くし聞き返す。
「移し替える?」
「ええ。黒犬とあなたにかかっている『命を繋ぐ』と言う呪いを、誰かに肩代わりしてもらうの」

●情報の限られた共有
 フトゥールム・スクエア。
 居住区域『レゼント』にある学生に人気のカレー食堂『おいらのカレー』。
「――ということで、ラインフラウが赤猫から色々話を聞き出してきてくれました」
 生徒達を前にして、セムはそう言った。タバコを携帯灰皿でもみ消しながら。
「それについて知りたいことがあれば、なんなりと聞いてください。その代わりあなたがたからは、呪いについて今知っているところを私に教えてほしい。情報共有しましょう。お互いの今後のために」


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-02-04

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2021-02-14

登場人物 5/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《人間万事塞翁が馬》ラピャタミャク・タラタタララタ
 カルマ Lv22 / 魔王・覇王 Rank 1
不気味で人外的な容姿をしたカルマの少女。 愛称は「ラピャ子」や「ラピ子」など。 名前が読み難かったらお好きな愛称でどうぞ。 性格は、明るく無邪気でお茶目。 楽しいと面白いと美味しいが大好き。 感情豊かで隠さない。隠せない。ポーカーフェース出来ない。 そしてちょっと短気なところが玉に瑕。 ギャンブルに手を出すと確実に負けるタイプ。 羞恥心を感じない性質で、露出度の高い衣装にも全然動じない。 むしろ前衛的なファッション格好いいと思ってる節がある。 戦闘スタイルは我流の喧嘩殺法。 昔は力に任せて単純に暴れるだけだったが、 最近は学園で習う体術を取り入れるようになったらしい。 しかしながら、ゴリ押しスタイルは相変わらず。 食巡りを趣味としているグルメ。 世界の半分よりも、世界中の美味しいモノの方が欲しい。 大体のものを美味しいと感じる味覚を持っており、 見た目にも全く拘りがなくゲテモノだろうと 毒など食べ物でないもの以外ならば何でも食べる悪食。 なお、美味しいものはより美味しく感じる。Not味音痴。 しかし、酒だけは飲もうとしない。アルコールはダメらしい。 最近、食材や料理に関する事を学び始めた模様。 入学までの旅で得た知識や経験を形に変えて、 段々と身に付いてきた…と思う。たぶん、きっと、おそらく。

解説 Explan

Kです。
ミラちゃん家、続きです。
今回は赤猫側から、呪いについての情報を得るターン。これまで得たものと突き合わせれば、より詳しく呪いの全貌が見えてくると思います。
ラインフラウは呪いを解消する新しい手立て『呪いを他人に肩代わりさせる』と言うやり方を提示しました。現実にそれが可能なのかどうかは不明です。ラインフラウ本人は『赤猫の興味を引くための方便』だとセムに説明しています。
今回の課題でやることは、以下の二つです。

・セムから、赤猫が呪いについて話した内容について聞き出す。
・セムに、今自分たちが持っている呪いについての情報を渡す。

※注意点
セムは『取捨選択した情報』を提示してきます。嘘はつかない、しかし全部は言わない。そういうスタンスです。今回の情報を得るにあたりラインフラウが赤猫に何を提示してきたかは、教えてくれません。
参加PCも彼女に対し、与える情報を取捨選択することが出来ます。そうしても、判定にペナルティはつきません。
ちなみにセムはカサンドラがまだ存在していることを、既に知っています。あえて口にはしませんが。


※これまでのエピソードやNPCの詳細について気になる方は、GMページをご確認くださいませ。
そういうものが特に気にならない方は、確認の必要はありません。そのままプランを作成し、提出してください。エピソードの内容に反しない限り判定は、有利にも不利にもなりません。


作者コメント Comment
Kです。
今回は聞き込み回とでも言いましょうか、あちこち動くことがあまりない回です。
情報交換において探りあいに徹するか、愚直に徹するか、それは皆さんのお心次第。





個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
赤猫も黒犬も危険な存在だけど、交渉も会話もできているのに
将来の不安を理由に討伐してしまっては、トーマス君を裏切ることになるし
世間的にも学園や勇者は強権・暴力的というイメージを持たれかねない

しかし、今後の交渉や相談が決裂するなどして
被害を抑えるため他に方法がないとなれば、討伐もやむを得ない
討伐も検討はするけれど、基本的に平和的解決を模索

セムさんには
1:呪いは複雑で、うかつに手を出すと思いもよらない罠にかかる可能性がある
2:呪いの鍵を握る魔族の男女と指輪の存在
は伝え、それに対する情報があれば聞かせてもらい
できれば一緒に協調路線で進んでほしい

兄妹、カサンドラさん、黒犬の所在は介入されないよう伝えない

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:90 = 60全体 + 30個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
◆行動
カサンドラさんの存在を、セムさん側に伝える可能性も想定せざるを得ないので、私は仲間がセムさんと情報交換する前に、事前に学園内での調整

◆調整
カサンドラさんの存在の隠蔽は、本人の希望ではあるものの学園長や教師も巻き込んでいるので、事前に学園長やドリャエモン先生に状況を伝えた上で、今回のセムさんとの情報交換で、カサンドラさんの存在についてセムさん側に伝える可能性があることを相談

セムさん側にカサンドラさんの存在を伝える場合、学園の関与が露見すると不具合ならば、今回の隠蔽は
「一部生徒の独断であって、学園として関与したものではない」

という方向で整理を検討

調整結果は、仲間が情報交換に向かう前に周知する

朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
私からの質問としては

「赤猫は現在の所呪いを積極的に解きたいと思っているのか?」

でしょうか。解きたいとは思っているでしょうが、黒犬ほど切実にそう思っている訳ではないのなら呪い解除に際してしぶしぶでも赤猫の協力を見込めないかもしれませんし。そこは明らかにしておきたいですわ

こちらからの話としては

「呪いには命を繋ぐ他にも何かありそう」


前回の本から得た情報では呪いを解くと赤猫、黒犬両者パワーアップするようですがそれは伏せておきたいですわね。呪いを解くと約束した以上、それは守りたい。勇者候補生として約束を違える事はしたくありませんから、セム様達が呪いを解くのをやめると言い出しかねない事は言えませんわね

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
まず、セムに対し、誓約の取り付けと、警告を行う。【説得/信用/会話術】

「これから話す内容は、一切、公にしないことを誓約していただくわ。でなければ、この話は無かったことにさせてもらう」

「聞けば、あなたはより深く、この件に関わることになるわ。それは、あなたの身を賭けるということ。サーブル城はあなたにとっては、手掛ける多く事業の一つに過ぎないのでしょう?それでもいいの?これは脅しではないわ。警告よ」

「機密保持のため、場所を変えさせてもらうけどいいわよね?」

空き教室を借り受け、そこで情報交換

カモミールティーと、ハーブクッキーを提供


ラピャタミャク・タラタタララタ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
セムと色々話す。

■行動
まずカレーを食べるのじゃ。
食堂に来て何も食わぬはないじゃろう。
そして推移を見つつ、折を見てセムに質問をするのじゃ。

・質問1
セムよ、カサンドラが存在していることを既に知っておるじゃろう?
赤猫なら既に知っている事じゃろうし、それを汝等が聞き出せてないとは思えんしのぉ。
それも得てなかったら汝が情報共有という名のマウント取りなぞ仕掛けんじゃろう。

・質問2
ザーブル城観光資源計画、上手く行きそうかのぉ?
これは他意はなくてただの興味本位じゃ。
黒犬赤猫以外にも、恐ろしい呪いやら問題が大量にありそうじゃ。
道は長いように思うが、見通しは立ちそうなのか所感を聞いておきたいのじゃ。

リザルト Result

●口裏合わせ、打ち合わせ
 【ベイキ・ミューズフェス】。
 【エリカ・エルオンタリエ】。
 【朱璃・拝】。
 【アルフィオーネ・ブランエトワル】。
 【ラピャタミャク・タラタタララタ】。
 以上5名に対し【セム・ボルジア】は、このように申し出た。
『ご都合がよろしければ、少し突っ込んだお話がしたいのですが。サーブル城の件について』
 それを受けてベイキは、他4名に事前協議を持ちかけた。セムと相対する前にある程度、伝える情報についての意見集約をしたほうがいいからと。
 その理由は以下だ。
「現状私たちはカサンドラさんの存在を秘密にしています。後々それが明白になれば、こちらが借りを作る形にされるかもしれません。オークションのこともありますし」
 だから、流れによってはカサンドラの存在を先方に伝えることも考えるべきではないか、と続ける。
「学園長やドリャエモン先生にもすでにこの旨を相談しました。そうしましたら皆さん、カサンドラさんの存在をセムさんに伝えるなら、学園が関与していると言ってくれても構わないとのことでした……保護施設の運営は学園によってなされているのだから、この一件を一部生徒の独断事項にするのは、無理があるだろうと」
 客観的に見て確かにそうだ。保護施設は学園認可のもと成立しているのだ。ことここに至って『一部生徒がやりました』では済まされまい。
 その前提のもとにエリカは、持論を述べる。
「わたしは――カサンドラさんの存在は教えても、所在までは伝えない方がいいと思うわ。トーマス君たちや黒犬についても。介入されるかも知れないから」
 ラピャタミャクが反論する。
「あちきはその情報を隠す意味は、薄いと思うがのう。こっちが情報を隠したことで向こうも手持ちの情報を伏せる、というパターンのほうが、後々面倒になりそうな気もするで」
 そういう可能性もあるかも、とアルフィオーネも思う。
 とはいえセムへ率直な情報開示をする気にはなれなかった。彼女はきっと得たものを己の利益のために、あますことなく利用するだろうから。
「だから、もし情報を渡すなら真っ先に、それを非公開とすることを誓わせるべきね」
 ベイキは眉を八の字にし、気遣わしげな声を出す。
「それはいい案だと思いますが……あの方の気質を考えると、何か見返りがない限り承知してくれないのではないか、という気もします」
 エリカは腕組みし、宙を見る。
(見返りねえ……こちらから向こうに提示出来るもの、何かあるかしら)
 差し当たって適当な案が思い浮かばなかったので、ベイキに問いを差し戻す。
「ベイキさんは、どんな見返りを想定してるの?」
「そうですねえ、保護施設の費用の一部をセムさんから寄付していただいたことにして、セムさんの悪い評判を和らげ、今後の商売のイメージアップに繋げるとか……」
 ラピャタミャクがその案へ疑問符をつけた。小首を傾げて。
「どうかのう。あ奴、そこまで自分の悪評気にしとらんように見えるのじゃが」
 アルフィオーネは渋い顔。
「まあ、確かに……悪名は無名に勝るを地で行ってそうな人間ではあるわね」
「じゃろ? でも、そういう見返りを出さずとも、情報非公開については応じてくれるのではないか? 信頼は出来んが信用は出来る人間だと思うぞ、セムは」
 ああだこうだのやり取りを聞きつつ、朱璃は小さく息を吐く。
(こういう頭脳戦のようなことは、私、あまり得意ではないですわ……)

●カレー食堂『おいらのカレー』――軽く様子見
「――情報共有しましょう。お互いの今後のために」
 セムがタバコを携帯灰皿でもみ消した。
 ラピャタミャクは軽く手を上げる。
「とりあえずセムよ、注文してもいいかの? 食堂に来て何も食わぬ手はないじゃろう」
「ええ、かまいませんよラピャタミャクさん。どうぞお好きなだけ、なんでもご注文ください」
 快諾を受けた彼女は早速店員を呼び、あれこれオーダーし始める。
 アルフィオーネが口を開いた。
「セム。これから話す内容は、一切、公にしないことを誓約していただくわ。でなければ、この話は無かったことにさせてもらう」
「……それは学園の意向ですか? それともあなたがたの意向ですか?」
 予期していた方向の質問が意外と早く出てきたことに、内心皆はどきりとする。
 当の学園から許可を得ているのだ。この問いに対しては「学園の意向です」と堂々返していい。
 しかし本当にそれでいいのか。
 邪推と言われればそれまでだが、いざとなると一同、良くないほうに想像が傾く。たとえばセムが、『それなら学園と直接話をしよう』と言い出したりしないかとか……。
 そんなわけでアルフィオーネは咄嗟に、答えをぼやかす。
「どちらにとってくれても構わないわ」
「そうですか」
 セムは小鼻を蠢かし、人の悪そうな表情を作った。
 アルフィオーネは負けじと両腰に手を当て、強い口調で言う。
「聞けば、あなたはより深く、この件に関わることになるわ。それは、あなたの身を賭けるということ。サーブル城はあなたにとっては、手掛ける多くの事業の一つに過ぎないのでしょう? それでもいいの? これは脅しではないわ。警告よ」
「かまいませんよ。リスク無しには何も得られませんのでね。商売ってそういうものです」
 その言葉どこまで信じたものやらだが、腹をくくっている事は確かなようだ。
 かくいう認識を得たアルフィオーネは、セムに、以下の提案を行った。
「機密保持のため、場所を変えさせてもらうけどいいわよね?」
「ええ。どうぞ。どこで話しても学園側には筒抜けでしょうけど」
 話が付いたと見たラピャタミャクはピッチを上げ、頼んだ品を食べまくる。米粒一つ残さずに。

●第一校舎フトゥールム・パレス。空き教室のひとつ――本番
 その空き教室は奥まった場所にある。普段は誰も来ないし何も置かれてない。
 しかし本日はそこに、折りたたみ式の長テーブルが持ち込まれていた。
 テーブルの上にはカモミールティーと、ハーブクッキー。
 6人の人間が席についている。

 エリカはセムに、絵で見たノアの男女の姿形を説明し、こう締めくくった。
「赤猫と黒犬に呪いをかけたのはその2人。彼らは所有していた指輪を呪いの要として使ったそうよ。新しく見つけた資料にはそう書かれてあったわ――」
 一呼吸入れる合間に彼女の脳裏を掠めたのは、黒い池をまさぐるカサンドラの姿。次いでノアの本にあった呪詛まがいの言葉。
『もし私たちに面と向かって害をなすようなら、二度とあのけだものたちの呪いが解けることがないように。死ぬまで心休まることがないように、そして、悲惨な結末を迎えるように。』
「――後、感じなんだけど、呪いは思った以上に複雑に出来ているみたい。うかつに手を出すと思いもよらない罠にかかる可能性があるかも……今のところ私達に分かっているのは、それだけ。これに関するような情報はある? あれば、聞かせて」
 セムは両手を柔らかく打ち合わせた。ありますよ、と言って。
「赤猫は自分達に呪いをかけたノアの男女について『あのムカつくノアのつがい』と罵っていたそうです」
 ハーブクッキーをほお張りながら、ラピャタミャクが身を乗り出す。
「『つがい』とな?」
「ええ。どうやらそのノアの男女、夫婦かそれに近い間柄だったみたいですね」
 それを聞いたベイキは、すとんと腑に落ちる心地がした。
 確かに絵に描かれた男女からは、一方ならない親しさが滲み出ていた。幻視においても、また。
(ということは、あの指輪は結婚指輪か婚約指輪ということかしら?)
 彼女が思案する間にも、セムの話は続く。
「後、どうやらノアの女性は妊娠していたらしいです」
「なぬ、まことか」
「『バラバラにしたら月足らずのが出てきた。ついでにそれもバラバラにして捨てた』と赤猫が言ったそうですよ。気持ちいい話じゃありませんがね――呪いについては今エリカさんがおっしゃったのと、似たようなことを言っていたみたいです。『複雑で、解除が困難。下手に解こうとするとかえって自分たちに害が及ぶ可能性がある』、と」
 会話を脇から観察していた朱璃は、セムに尋ねる。個人的にどうしても確認しておきたいところを。
「すると赤猫は現在の所、呪いを積極的に解きたいと思っていないのですか?」
「そうですね、今のところ。黒犬には、特に呪いに触ってもらいたくないと思っているようで。『低能が余計なことばかりする』『呪いがかかったのはポンコツのせい』『バスカビルはとにかく馬鹿揃いだ』とか言っていたそうです」
 散々な言われようだ。
 そんなことを思う朱璃に、今度はセムが聞く。
「呪いについてあなたがたが、他に何か知り得たことはありませんか?」
 朱璃は答えを濁す。
「そうですわね……命を繋ぐ他にも何かありそうとは思うのですけれど、詳しいことはまだ分かりませんわ」
 『呪いを解くと赤猫、黒犬両者とも力が増幅する』という点については、まだ伏せておきたかったのだ。黒犬との約束を守るために。セムたちは明らかに『呪い解除はしない方がよい』と言う立場だ。下手なことを言って、より強く干渉されるのは避けたい。
「そうですか」
 セムはいったん目を閉じた。それから、また開いた。エリカに顔を向けた。
「あなたが先ほどおっしゃったノアの資料について、ひとつお聞きしたいのですが……一体それをどこで見つけられたのですか?」
 質問を受けたエリカは、頭を巡らせる。そしてこの情報は相手に与えるべきではないと判断する。
「ごめんなさい、グラヌーゼであるという以上のことは言えないわ」
 セムの口が皮肉げに吊り上がる。
「いえ、かまいませんよ。お気になさらず――それはそれとしてあなたがたは、相変わらず呪いを解いてやるおつもりですか?」
 エリカは表情を曇らせた。かつ、毅然と言った。
「赤猫も黒犬も危険な存在だけど、交渉も会話も出来ているわ。将来の不安を理由に討伐するというのは、道義に反すると思うの。被害を抑えるため他に方法がないとなれば、やむを得ないかも知れないけど、そうでない限りは……」
「仮に呪いを解いたとして、その後どうするんですか? あの2匹を」
「……一案としては、サーブル城の主・グラヌーゼの守護者としてとどまってもらえないかと思っているわ。魔物が神や守護者として地域を守る例はあるし」
 セムが一瞬目を点にする。
 ついで眉根を寄せきつい声を放つ。
「失礼ながらそれは甘い考えでは。守護者なんて性分ではないでしょう、あの2匹。少なくとも私は願い下げですよ。彼らに居座られたら、数年で城が崩壊します」
 アルフィオーネもエリカの考えを甘いと思った。だから、セムが話し終わったすぐ後にこう言った。
「黒犬も赤猫も、すでに人間に被害を与えているでしょう。特に黒犬は殺害にまで至っているわ。そんなものに居着いてほしいと思わないのじゃなのかしら、グラヌーゼの方々も」
 その点は確かにそうかもしれないと思えたので、エリカも言葉に詰まる。
 けれどそれでも彼女の、平和的解決を優先させるという考えは揺らがなかった。
「もちろん、無理にというのじゃないわ。どこか遠く、人と交わらない場所で穏やかに過ごしてもらってもいいし――」
 ところでベイキは、ここに至るまでセムがカサンドラの話題を持ち出してきていないことに、大変ほっとしていた。
 存在を追求されるようなことがあればと警戒しての事前打ち合わせだったが、幸い杞憂に終わりそう。
 そんなふうに考えていた矢先、セムが不意に、思いも寄らぬ方向から爆弾情報を投下してきた。
「ああ、そうだ。話は変わりますが赤猫は先程言ったノアの女性について、こうも言っていたそうです。『あの女はノアの中で一番呪いに詳しかった。そのやり方を記した本を持っていた』と。ついで『その本は城のある場所にずっと隠されていたと。その中には自分がかけられている呪いについても書いてあったはずだ』と……しかし、それを取りに行くことはしなかったそうです。『水の中にあったし、持ち主以外のものが触れたら発動する呪いがかけてあるに決まっている』から」
 エリカは思わず手にしたカップを取り落としそうになる。続いてのセムの言葉に。
「ところがその本、行方知れずだそうでしてね。なんでも、城に入り込んでそれを盗んだ人間がいたらしいんです。10年と少しばかり前に。赤猫が言うには、『呪いは発動済み』だそうです。盗んだ人間がそれを受けたはずだと」
 朱璃は息を詰めセムの顔を見た。
 灰色の瞳は明らかに、こちらの出方を窺っている。
「随分詳しくお話を聞いてきたようですが……赤猫と何か取引のようなことはされておりませんわよね?」
 セムは即座に返した。嘘ではないが全部でない言葉を。
「していませんよ、『私』は」
 朱璃は感じとった。セムの喋る速度が微妙に遅くなっていることに、相手の表情を確認してから口を動かしていることに。
 理性ではなく感覚が、薄ぼんやりした疑いを生じさせる。
(この方……何かを隠されているのでは……)
 アルフィオーネは唇を引き結ぶ。ノアの『呪い』が急に間近へ迫ってきたように思われたのだ。
 我知らず声を潜め、セムに問う。
「本にかけられていた呪いは、どのようなもの?」
「赤猫も詳しい内容までは知らないようです。けれど、命に関わるものであるのは間違いないとのことだったそうで。『呪いをかけるときは簡単に破られないよう、何重にも鍵をかける。あるいは破るという行為自体が落命のトリガーになるように仕組む』そういうことをノアは、よくやっていたそうです」
 いやな考えがアルフィオーネの頭に浮かんで消える。
(もしかしたらカサンドラは、今なお呪いの支配下にあるんじゃ……)
 ラピャタミャクは具合悪そうに咳払いした。
「セムよ、カサンドラが存在していることを既に知っておるじゃろう?」
「おや、彼女は存在しているんですか? 初耳ですが」
「……そーやって嫌みなマウント仕掛けてくるあたり、汝は本当に悪人ぽいわのう」
 セムは少し笑ったが、それ以上カサンドラの件を言いたてることはしなかった。だからラピャタミャクも別の話に移った。
「しかしのう、ノアの呪いは侮れんのじゃ。黒犬赤猫を殺すにしても色々調べた方が良いかも知れんぞ、呪いが変な感じにこびりついて残ることもありそうじゃし」
「ええ、それはもう。でも私、基本こう思ってます。『呪いは予定通りに発動すれば、きれいに何も残さず消える』」
「そんなもんかのう。まあいいが。で、サーブル城観光資源計画、上手く行きそうかのぉ? 黒犬赤猫以外にも、問題が大量にありそうじゃが、見通しは立ちそうなのかの?」
「ええ。ライフワークとして気長にやっていこうと思っていますのでね。もっとも実際は、そんなに長くもやれないでしょうけど。ヒューマンの寿命はせいぜい100年ですし」
 肩をすくめたセムは服の胸元をまさぐり、タバコを一本取り出した。
 席を立ち窓辺に行って、火をつける。白い煙が青空に向け吐かれた。



課題評価
課題経験:60
課題報酬:1500
ミラちゃん家――嘘かまことか
執筆:K GM


《ミラちゃん家――嘘かまことか》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-01-29 01:28:41
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

今回は前回得られた情報をどう使うか、考えどころね。
どうやら呪いを解くと、黒犬と赤犬が封じられている力まで解放されるらしいから、
そのことを教えるか否かも考えないといけないし、
呪いを解いた後、パワーアップした彼らが暴れるかもと考えると難しいわね……

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 2) 2021-01-29 07:48:02
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。
呪いを解いたら、黒犬達は更なる力を得る。それだけでも厄介なのに……あの池でみたことを考えると、まだまだかくし球がありそうで。
もしかしたら、カサンドラさんが命を落としたのも、例の呪いのせいだったのかもしれませんし。

何にしろ、言わない方がいいと思うことがあるなら、早めに相談しておいた方がよさそうですね。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 3) 2021-01-29 15:53:52
アルフィオーネ・ブランエトルです。どうぞ、よしなに

交渉だけを考えれば、全部話してもよいとも思っています。理由としては、こちらが話さなくとも知っている可能性があること。相手が何を知っていて、何を知らないかによって、交渉の仕方は変わってきますが、それがわからないと難易度が上がると言うことです。話さぬにしても、知っている可能性を加味したほうがいいかもしれません。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 4) 2021-01-29 16:07:53
あと、提案といたしましては、最初に数を決めて、交互に情報を出し合うというのはどうかなと。こちらがひとつ情報は出せば、あちらも一つ情報を出すよう、約束を取り付ける形です。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 5) 2021-01-29 16:53:36
カサンドラさんのことは彼女の身に危険が及ばないようにしたいから、慎重に扱いたいわね。
もちろん、トーマス君とトマシーナちゃんのことも。

知りたい事としては「呪いの要になる指輪」の情報ね。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 6) 2021-01-29 20:14:20
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

ええと、今回「呪いを他に移し替える」という提示をした事は私達に言う事は無い、という事ですわね?これをPC情報にするにはセム様との会話の中で類推していくしかないという事でしょうか。

何を伝えて何を伝えないか、その選択はなかなか難しいですわね。もう少し考えてみたい所ですが・・・

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 7) 2021-01-29 20:58:43
悪い想像をすると、実際には移し替えていないのに
赤猫に「呪いの対象を他に移し替えたから、相手を殺しても自分は死なない」
と言って信じさせることができれば、
赤猫が目障りに思う黒犬を殺害すれば、赤猫自身も死んでしまうことになり、
サーブル城を観光に使いたいセムさんたちは労せず邪魔な魔物を始末できて
漁夫の利も得られるという展開があり得るわね。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 8) 2021-01-30 01:03:53
わたしの推測では、呪いは「命をつなげている」だけではないので、移し替えたと偽るのはむりかなと。あと、入手した本によれば、呪いの維持に彼らの力を使っているとのことなので、対象を変えられるなら(できないと思いますけど)その場合、黒犬にかかっている呪いの効力が弱まるのでは?と

もし、そうなら、黒犬に呪いを解いたと誤認させる手を使うでしょうね

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 9) 2021-01-30 08:44:01
そうですわね、呪いに関しては解けば赤猫、黒犬共に自身の力が増す事になりますから、もし赤猫がその事を知っているなら「呪いを移し替えた」際に力が変わらなければ嘘をつかれたと気づくかと思いますわ。

実際に移し替えが出来た場合はアルフィオーネ様の仰るように黒犬の力がより弱くなる可能性はありますわね。

聞きたい事としては、赤猫がそこまで話したかどうかは解らないですが、カサンドラ様と黒犬の関係をもう少し詳しく聞いてはみたいですか。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 10) 2021-01-30 09:59:21
わたしもどちらかと言うと呪いの移し替えは無理なんじゃないかと思っているけれど、
セムさんたちは赤猫や黒犬を騙してでも相打ちさせることを目指してるんじゃないかと思うのよね。

難しいのは、赤猫、黒犬、セムさんたち、そしてわたしたちの立場や目標が違う事で
またそれぞれの持つコネクションも違う。
そして、わたしたちが今回話せるのはセムさんで、直接赤猫と話ができるわけではないという事。

セムさんたちに情報を渡せば、おそらく彼女たちはそれを赤猫や黒犬の排除の手掛かりにするでしょうし、
その上で、わたしたちがどうしたいのか、何を目指すのか考えないといけないわね。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 11) 2021-01-30 21:53:05
人界の平穏を、望むなら、彼らには居なくなってもらったほうが、いいとは思うけど、強欲な商人の思惑どうりになるのはおもしろくないわね。

かと言って、力を得た彼らが、大人しくしていてくれるとは思えない。呪いを解いても解かなくても、トーマスに辛い思いをさせそうなのが心苦しい。

でも、あの子一人のために、訪れるかも知れない惨禍を見逃すわけにはいかない

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 12) 2021-02-01 08:30:31
まあ、平和のためには赤猫と黒犬が共倒れ……というのは理想的なんですよね。
それに異議を差し挟むには、なかなかに大義名分がない。

現状では、「子どものわがままに付き合って、リスクを背負い込むつもりか」と言われたら……言い返す材料がない。

まあ、何にしろ、どんな情報が出せるかは一度洗い出しておいた方がよさそうです。
あとは、誰がどの情報を提示するか。

開示内容が被ってて、聞きたかったことが聞けませんでした……は残念過ぎますから。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 13) 2021-02-01 08:57:36
とりあえず、提示できそうなネタは、

・黒犬、赤猫の呪いにはノア一族の指環が使われたらしい
・その指環らしき指環は、サーブル城から持ち出された肖像画の男女がはめていた
・肖像画の女性はドレスを着て片手に瀟洒な杖を、もう片方の手に本を持っていて、黒革の表紙の小さな本だった
・肖像画の男性は女性のすぐ後ろにいて、鞘に入った剣を床に突き立てていた

あとは、回収した本のことや本を見つけた池のことを出すかどうか。
女性が持つ杖や男性の剣も、何かの手掛かりかもしれないので、そこをどうするか。
黒犬の居場所は伏せておくのか等々……他にもあるでしょうし、どうしましょうかね。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 14) 2021-02-01 14:38:38
黒犬の居場所は話さない方がいいと思う。わたしたちの知らぬところで黒犬になにか行動を起されると都合が悪い。ただ、赤猫は黒犬の居場所はだいたいあたりが付いているようすなので、赤猫から聞いている可能性はある。もっとも、わたしがセムの立場なら、知っていてもなにもしません、学園とこじれる可能性があるので、有益ではない。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 15) 2021-02-01 19:43:12
黒犬の居場所は私も言わない方がいいかと思いますわ。

呪いをそのままにしておけば赤猫と黒犬の力は弱まったままですし、赤猫や黒犬が共倒れしてくれるならそれが世界の為になる、のは確かにそうなのですが、トーマス様の思いをだから無視していいとも思えません。約束を違える訳にもいきませんしね。私としては呪いを解いてなお赤猫や黒犬が人様に迷惑をかけないで済むような方策を探りたいですわね。

その意味では私としては前回知った呪いを解かなければ赤猫や黒犬の力は弱まったまま、という情報は伏せておきたい所ですわね。

ただこちらが何も提供しないと向こうもあまり積極的に話してはくれなさそうですし・・・肖像画の事は話してみますか?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 16) 2021-02-01 21:05:09
わたしも朱璃さんの意見に賛成よ。
赤猫も黒犬も危険ではあるけども、今は交渉も会話も成り立っているわ。
それでも彼らを討伐してしまっては、トーマス君だけでなく世間的にも
学園や勇者に対するイメージが失墜してしまいかねないと思うわ。
とはいえ、今後の交渉や相談が決裂するなどして、それしか方法がないとなれば
討伐もやむを得ないと思うので、討伐ルートも検討はするけれど
基本的には平和的解決を模索したいわ。

セムさんとの交渉では、
・呪いの構造は複雑で、うかつに手を出すと思いもよらない罠にかかる可能性があること
・呪いに大きくかかわっている魔族の男女と指輪の存在
などは伝えて、それに対する情報があれば聞かせてもらいたいけれど、
トーマス君、カサンドラさん、黒犬の所在などはセムさんたちに手を出されないように
言わないでいたいわね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 17) 2021-02-02 08:37:37
そういえば、セムさん達は嘘はつかないけど、出す情報は取捨選択する感じみたいですよね。
多分、カサンドラさんの存在についてかまをかけてくるんじゃないかな……と思ってます。

現状、カサンドラさんのことを秘密にしてるので、既にこちらはひとつ嘘をついている。
後々ばれたら、セムさん達に借りができるかたちにされるかも。

こちらは学園長も巻き込んでの隠し事なので、大きな借りができそうなのが厄介ですね。
といっても、当時はそうすることがベターだったと思うので、うまくやるしかないんですが……。

それと、ノア一族の肖像画のことを出したら、セムさん側からは「どうやって入手したか」と尋ねられるでしょう。
「肖像画の存在を知っていた第三者でもいるのか」とか、更に切り込んでくるかもしれません。

嫌な汗が出そうですね。
でも、こちらから提供できそうで、セムさん達が有益と思うような情報となると、肖像画の件位しかないんですよね……。

肖像画の出所を聞かれたら、
「現在、協力関係にある黒犬側から提供してもらった」
「サーブル城にあったものだと聞いている」
「黒犬が今、どこにいるかはわからない」

みたいに答えておけば、嘘は言ってないでしょうかね。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 18) 2021-02-02 19:58:07
>肖像画の出どころ
そうですわね。『黒犬側』というのは嘘ではないとは思いますが・・・。黒犬の所在についても近くまでは行きましたけれど、直接乗り込んだ訳ではありませんし、今まだそこにいるかも解らない(多分いるとは思いますが)ので嘘ではないと思いますけれど。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 19) 2021-02-02 22:36:25
人々の多くは、魔物を恐れ、あるいは恨んでいる。討伐してしまったとしても、それほど学園の信頼、名声に傷がつくものではないと思うけど、一度した約束を反故にしたのでは、それらに傷がつく・・・と、言うことにして、呪いを解くべきではないと考えているセムに、それでも、やめる必要があったと、誰もが納得できる材料が必要だから、情報を開示するよう請求します。

あとは、互いに冷静に話し合いができるように、落ち着けるお茶をだそうかしら?

《人間万事塞翁が馬》 ラピャタミャク・タラタタララタ (No 20) 2021-02-03 02:01:23
らぴゃたみゃくたらたたららた!
挨拶が遅くなったが、よろしく頼むのじゃ。

黒犬の居場所以外はもう開示してしまってもよい気がするのじゃ。
伏せておく理由も大分薄くなってきたしのぉ。
まぁ、交渉事は苦手じゃから、どういう風に切り出すかは任せるのじゃ。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 21) 2021-02-03 07:17:04
カサンドラさんの件は、以前のオークションのときのこともあるので、出し方を間違えると、一方的にこちらの情報を提示させられたうえに、足りないお代は学園長のところに取り立てに行かれそうなのが問題なんですよね。

そこも含めて、この場で清算するアイデアがあるのなら、カサンドラさんの件も出すべきだと思いますが、一歩間違うと今後の力関係にも影響しかねないので、無策で出すのは賛成しづらいですね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 22) 2021-02-03 08:28:13
(PL情報ですが、セムさん側は既にカサンドラさんの存在を知ってるようです。あえて言わないのは、言わないことに価値があるとの判断であるのは推測できます。
こちらが言わないなら、頃合いを見て何らかの取引材料にするとかもあり得ますし、こちらが言ったら言ったで、下手な出し方だとオークションで払った代金以上に、様々なかたちでこちらを利用するでしょう。

もしかしたら、こちらが思っていないタイミングで、カサンドラさんの存在を公にする……という可能性も絶対ないとは言えない。
その辺も考えると、今回は穏便にカサンドラさんの件を片付ける機会とも言えますが、残る時間でそれを詰めるのは正直難しい気もします。)

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 23) 2021-02-03 08:41:57
ええっと……もし、カサンドラさんの存在をセムさん側に伝えるとするならばですが。
黒犬と赤猫の件や、カサンドラさん、トーマスさん達の平穏を考えると、カサンドラさんの存在は公にしないようにする必要があると思います。

しかし、セムさん側にとって明確なメリットがなければ、それも難しいでしょう。
少なくとも、セムさんがオークションで損した穴埋めができる位のメリットがないと。

ひとつ考えたのは、保護施設の費用の一部をセムさんから寄付していただいたかたちにする。
そうすれば、冷徹なイメージをソフトにして、今後の商売のイメージアップに繋がる……という感じで、セムさんの悪い評判を和らげることができるかも。

問題は、セムさんはあんまり評判を気にしてなさそうなところでしょうか……。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 24) 2021-02-03 14:21:58
話し合いを始める前に、この場で得た情報を公にしないことを約束して、誓約書でも書いてもらうしかないかなと。

ベイキさんの言うとおり、むしろ、積極的に関与させて、「関係者」にしてしまうのも、一つの手かもしれません。本来、公にしない情報を得られる立場になる訳ですから、有益かと。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 25) 2021-02-03 14:59:17
わたしは以上の提案をする予定です。
ここで得た情報を公にしないことの約束の取り付け
場所の移動(余人の耳に入る可能性を、排除したいので。学園内の空き教室か、保護施設)
呪いの効果については、「生命を繋げている」というもの以外もあると思ってはいるが、確たる証拠はつかんでいない。1度した約束を反故にはできない。呪いの解除を取り止めるには、誰もが納得できる理由が必要。魔物とはいえ、相手は聞く耳を持っている以上、強引に排除するわけにはいかないとも

カモミールティとハーブクッキーの提供

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 26) 2021-02-03 18:45:30
私個人の行動としては……現状、方針が統一されてるとは言えない状況なので、具体的な交渉内容を詰めるのは正直難しいです。
かといって、時間もないので……カサンドラさんの存在を、セムさん側に伝える可能性も想定せざるを得ない。

そうなると、カサンドラさんの保護については学園長や教師陣も巻き込んでるので、学園長なりに状況を伝える必要があるので、今回は学園内の調整に回っておこうかと。
普段だったら、こういうのが得意な方が他に居られたのですが、まあ、巡り合わせって奴だと思って。

あ、一応、カサンドラさんの存在を隠したのは……一部生徒の独断であって、学園として関与したものではない。
てな方向にしておいた方がいいでしょうかね?

それはそれで、学園側の監督責任は問われそうですが……。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 27) 2021-02-03 19:35:17
もう出発なのですね。

ひとまず私からの質問としては

「赤猫は積極的に呪いを解きたいと思っているのか?」

でしょうか。解きたいとは思っているでしょうけど、OPを見る限り黒犬程切実にそう思っている様子でもなさそうですし、もしそうなら呪い解除に際して協力を見込めないかもしれませんのでその辺明らかにしておきたいですわね。

こちらからとしてはアルフィオーネ様と同じような事ですけれど、呪いには命を繋ぐ他にも何かありそう、というくらいでしょうか。呪いを解くと両者パワーアップする、というのは私は伏せておこうと思いますわ。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 28) 2021-02-03 19:45:06
あ、あと一応会談の間生感心通を使ってみようかと。こういう場合に役に立つかは解りませんがセム様の心の動きを感じとって何か隠していると感じられれば、赤猫と何か取引してないですか?と質問してみようかと。ごまかすとは思いますが。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 29) 2021-02-03 21:47:36

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 30) 2021-02-03 21:49:19
(PL)失礼。手元が狂いました

カサンドラさんの存在を隠したのは、当人の希望に即した形なので、ガタガタぬかしてきても問題ないかなと。