;
月下戦陣


ストーリー Story

「よし! 今年もやっちゃおうかぁ? 実力テェスト♪」
 と言うフトゥールム・スクエア学園長【メメ・メメル】の一言により、新入生歓迎大歓迎実力テストの開催が決定された。
 筆記、実技、実戦の三つの試験にて、新入生らの実力を測る学園長から新入生への激励でもある高難易度試験。
 特に実戦試験では、今に持ちうる力のすべてを試せる機会とあって、新入生らは緊張と武者震いとで震えながら、不安と期待を込めて準備を始める。
 教師や先輩らも、試験に向けての準備を着々と始めていた。
「はぁあ」
「何だ? そのわざとらしいくらいに大きな溜息は」
 実戦試験会場の一つである、学園近くにある森の古城。
 かつて試験管として、その前には受ける側として、同じ場所で刀を振った【白尾・刃】(しらお じん)のつく深い溜息が気になって、【黒崎・華凜】(くろさき かりん)は事前調査をしていた手を止める。
 試験会場として使うのに安全か否かを調べるのが今の二人の仕事だが、刃はまったくと言っていいほど手が動いていない様だった。
「わざとちゃう。深々ぁと悩んでるのんやぁ」
「何を」
「……今年のチョコゴーレムイベント、中止やねんて」
「何を言い出すのかと思えば……」
 呆れて言葉が出てこない。今度は華凜から、深々と溜息が漏れた。
「仕方ないだろう。作り手が当日不在なのだから。私としては、学内が甘ったるい匂いでいっぱいにならず、安堵すらしているが?」
「この時期のチョコ言うんは、男にとっちゃあ意味深ぁいものがあんのよ。例え義理でもお遊びでも、貰えるんやったら貰っときたいやん?」
「まったく……では私が例年の倍のチョコをくれてやる。それで良いだろう?」
「――それ、ホンマ?」
「あぁ、約束してやる。約束してやるから、とっとと作業に戻れ」
 と言うと、ニンマリ笑った刃は華凜の耳に自身の口を近づけ、めっちゃ好き、と囁きを残して、浮かれきった足取りで調査に向かって行った。
 馬鹿馬鹿しいくらいに単純に思えながら、同時に可愛らしく見えてしまうのだから、自分も馬鹿だなと考えつつ、華凜も作業に戻る。
 幾度か修繕はしているものの、元々古びた城だ。生徒らが奮闘するより前に倒壊などしては、大怪我に繋がりかねない。
 故に念入りに、修繕した方がいい箇所がないか、新たに倒壊している場所がないか確認していく。と、城を囲う森の中、華凜は違和感に気付き、目を凝らして覗き込んでみた。
 足跡。
 別に、足跡自体は珍しくも何ともない。ここを修行の場所としている生徒くらい、何人もいるだろうし、実際、刃も何度か利用している事を知っている。
 ただし、足跡が魔物の物となれば、話は別だ。
「――!」
 背後から襲い掛かってきた敵の気配に気付き、高々と跳躍。木を足場に敵目掛けて飛び込み、着地と同時に斬り払う。
 短い悲鳴を上げて息絶えた外敵を確認した華凜は、すぐさま刃に報告しようと振り返って、言葉と共に息を呑んだ。
 ハイゴブリン。アーラブル。リザードマン。
 種族も生息地域も違う魔物が、あろうことか群れを作り、自分を取り囲んでいる。
 明らかに統率された動き。だがハイゴブリンやアーラブルならまだしも、知能の高いリザードマンまで従えているとなると、異常事態以外の何物でもない。
「主導者は誰だ! 何処にいる!」
 反響する声は、相手に届いているようだった。
 ただし声ではなく、返ってきたのは音だった。
 単調な音ではない。楽器での演奏だ。それも一つだけではなく、管楽器から弦楽器、鍵盤まで、まるで小規模のオーケストラ。
 聞いていて不快な感覚はしないが、危機感を煽られている感覚はある。
 何せ演奏を聞いた魔物達が一斉に吠え、華凜目掛けて石の剣や斧を振りかぶり、襲い掛かってきたのだから。
「――エア・レイ!!!」
 横から一直線に駆け抜けた突風が、目の前の魔物らを一蹴する。
 直後目の前に飛び降りてきた刃は刀を振り払い、足下の落ち葉を舞い上げて無言で威嚇した。
「自分ら……寄って集うて俺の女に、何しよとしとるん? なぁ、己ら、なぁ!」
「刃! 落ち着け! ……だが、異常事態だ。信号を上げる。それまで持ち堪えてくれるか」
「当たり前や。全員叩き斬ったる……ん?」
 禍々しい雰囲気と共に這い出てくる。
 地獄の住人を模して作ったとされる魔物が、大目玉を見開き、怒号を轟かせて現れた。
「オオメダマまで出て来たん? えぇよぉ? 全員叩き斬ったる事には、変わらんもんなぁ」

 真円の満月が光る空に、白い煙を上げて信号弾が打ち上がる。
 窓辺に腰を据えて酒を飲んでいた【紫波・璃桜】(しば りおう)の下に、【灰原・焔】(はいばら ほむら)が木製の義足を鳴らしながら駆けつけてきた。
「姐さん! あの信号弾……しかも、あの古城には今!」
「えぇ。何か、嫌な気配がするわね。学園長も把握しているでしょう。私とあんただけじゃあ足りないかも知れない。学園長に呼び掛けて、応援を頼みましょう。焔、走って頂戴。緊急だから何人集まるかわかんないけど、集まったらすぐに向かうわよ」
「あ、あぁ!」
 走って行く焔の義足の足音が、酒を飲んだ頭に響く。
 泥酔まではしてないものの、酒の入った状態。ベストコンディションとは言い難い。焔は言わずもがな。夜更けの緊急招集にどれだけ集まるかわからないが、報酬は学園長が弾んでくれる。自分は出来る限り体に残る酒を抜きつつ、数が集まる事を祈りながら備えるだけだ。
「無事でいなさいよ、兄弟弟子」
 乱れた髪を振り払いながら、ヲンナは自室に待機させているシルキーの下へと早足で向かって行った――。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 7日 出発日 2021-02-21

難易度 難しい 報酬 多い 完成予定 2021-03-03

登場人物 4/4 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《1期生》アケルナー・エリダヌス
 ローレライ Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
目元を仮面で隠したローレライの旅人。 自分のことはあまり喋りたがらない。適当にはぐらかす。 ふとした仕草や立ち居振舞いをみる限りでは、貴族の礼儀作法を叩き込まれてるようにもみえる。 ショートヘアーで普段は男物の服を纏い、戦いでは槍や剣を用いることが多い。 他人の前では、基本的に仮面を外すことはなかったが、魔王との戦いのあとは、仮面が壊れてしまったせいか、仮面を被ることはほとんどなくなったとか。 身長は160cm後半で、細身ながらも驚異のF。 さすがに男装はきつくなってきたと、思ったり思わなかったり。 まれに女装して、別人になりすましているかも? ◆口調補足 先輩、教職員には○○先輩、○○先生と敬称付け。 同級生には○○君。 女装時は「~です。~ですね。」と女性的な口調に戻る。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。

解説 Explan

 突如現れたハイゴブリン、アーラブル、リザードマンの群れ。さらには地獄からの使者たるオオメダマの襲来。
 【紫波・璃桜】、【灰原・焔】と共に古城へ向かい、【白尾・刃】、【黒崎・華凜】両名と合流。魔物らを殲滅し、原因である演奏の正体を突き止め、これを止めよ!
 敵の構成はハイゴブリン、アーラブル、リザードマンがそれぞれ六体ずつ。オオメダマは一体です。より多くの敵を倒し、最も脅威であるオオメダマの撃破を目指して下さい。
 ハイゴブリン、アーラブル、リザードマンは近接戦闘が主体で、魔法攻撃はしてきません。攻撃も単調なので、比較的容易に倒せますが、魔法攻撃を主体に攻撃すると尚、良いでしょう。
 オオメダマは棍棒を振り回して攻撃し、目が合った瞬間に呪いをかけ、幻覚や幻聴を引き起こしてきます。
 発煙筒を使ったり、キラキラ石で目くらましするなどして、視覚を封じると良いでしょう。
 真円の月が輝く夜。森に囲まれた古城という環境を上手く利用して頂ければと思います。
 エピソード中は四人のNPCと行動を共にし、幾手に役割を分担する事となります。NPCの情報は、以下の通りです。
 【白尾・刃】……銀髪の長身和装剣士。型にはまらぬ柔軟な剣技を得手とする。「エア・レイ」は、風の魔力を突きと共に繰り出す必殺技。
 【黒崎・華凜】……黒髪の和装女剣士。左右で長さの異なる小太刀による、速度を生かした剣技を得手とする。「漆黒蝶・十六夜天舞」は、高速であらゆる角度から斬りかかる必殺技。
 【灰原・焔】……灰色の髪の和装剣士。大太刀による力押しが主体。人のために体が動く性分で、片足が木製の義足である。
 【紫波・璃桜】……紫色の髪の女装剣士。レイピアの使い手であり、毒の使い手。剣にはもちろん、ブーツに隠した刃にさえ毒を塗って仕込んでいる。
 四人とどのように役割を分割するかも、勝利の鍵となるでしょう。皆様で相談し合い、生還を目指して頑張って下さい!


作者コメント Comment
 こんにちは! 無名作家の七四六明(ななしむめい)です。
 今回は比較的難しく、尚且つガッツリとした戦闘エピソードをご用意させて頂きました。挙ってご参加頂ければ幸いです。
 四人のNPCと役割をどのように分担して分かれるかによって、成功確率は大きく変わるでしょう。敵本体の索敵。四種の敵の掃討等、自分の得意分野から役割を決め、成功に導いて下さい! 頑張れ、未来の勇者達! 先輩方も力を貸します!


個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
A班、タスクさんとフォローしあって行動

【暗視順応・第六感・聴覚強化】で敵味方の位置を常に確認
音楽の方向は適時味方に知らせる
【事前調査・推測】で地形や間取りを有効に使い
有利・安全な位置を保ちつつ崩落作戦に向く場所を選定

敵が多く戦いが厳しい時は敵を城の崩れそうな場所に誘導し
【基本杖術V】で成功度を高め【フムス】で壁か天井を崩して一網打尽を狙う
実行が困難な場合は強行せず、敵は各個撃破

崩壊作戦は事前に味方に知らせておき、巻き込まれない様に注意を促しておく
【事前調査】やタスクさんの意見も合わせ
城の損壊が許されない場合や味方を巻き込む危険がある時は行わない
実施時も味方が巻き込まれない様に充分確認して行う



アケルナー・エリダヌス 個人成績:

獲得経験:194 = 162全体 + 32個別
獲得報酬:5760 = 4800全体 + 960個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
先行している先輩2人が居る古城へ向かい、先輩の救援と敵の撃破
併せて、敵を操っていると思われる演奏の元凶を探る

◆分担
私はレーネ君、灰原先輩とともに、B班として演奏の元凶を調査

◆調査
演奏の元凶を探るレーネ君を守るように、周囲の様子を警戒し敵の襲撃に備えるよ
十字路や曲がり角の先に敵が待ち伏せてたり、壁や崩れた天井の上に敵が潜んでる可能性もある

応戦時は前に出て、数が多ければアクラで数を減らしつつ、ランスでレーネ君を狙う敵を優先し攻撃
敵の強力な攻撃は衝撃享受で軽減し、レーネ君や弱った仲間、先輩が敵に狙われたら我が身を盾にで庇って

もしこちらにオオメダマが出たら、ミラーシールドで視線を反射し振り切る

タスク・ジム 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:486 = 162全体 + 324個別
獲得報酬:14400 = 4800全体 + 9600個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
プロローグの緊急召集を大図書館で知り
僅かな時間で以下の本を
【推測】も活用し手早くかき集めて借りる
・該当の魔物図鑑
・古城の設計、壊して問題ない箇所、周囲の地理
・二日酔いに効くレシピ

移動中に借りた本を【読書】して【事前調査】
【推測】も合わせて作戦立て皆に情報共有

A班 先輩カップル(笑)に加わり魔物軍勢と真っ向勝負
B班 演奏の原因を探り、可能なら止める

A班は璃桜先輩と共に最速で刃&黒崎先輩を援護
城を舞台に軍勢と戦うので
天井崩しの【フムス】を使うエリカ部長さんを核に
【設計】持ちのタスクがサポートと壁役を

B班は、演奏に詳しいレーネさんが探索、
アケルナーさんが護衛
焔先輩に同行願い
強敵の存在など想定外に備える

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:243 = 162全体 + 81個別
獲得報酬:7200 = 4800全体 + 2400個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
B班 演奏の原因を探り、可能なら止める

エリダヌスさんと、そしてできましたら焔さんともいっしょにいきます。

ふしぎな演奏については、「聴覚強化」と「絶対音感」の職業技能、そして場所によっては「風の民」の種族特性で情報を集めて、わたくしの「演奏」技能の経験をもとに考えてさがします。

特にさがすのは「コンサートマスター」、オーケストラの演奏で演奏進行の主軸となっている旋律を担当する楽器の奏者です。

「コンサートマスター」は指揮者と共に全体をまとめる立場ですから。

そして、A班のジムさん、エルオンタリエさんとの連携も可能ならします。
そのため、必要なら「フクロウ」さんにおねがいして連絡しますね。


リザルト Result

 一行は、古城へ向かって真っすぐに森を突っ切っていた。
 【タスク・ジム】にとっては、さながら【白尾・刃】(しらお じん)の繰り出す風の刺突が如き勢いで、先頭を走る【紫波・璃桜】(しば りおう)のすぐ後ろを【エリカ・エルオンタリエ】と共に駆け抜ける。
「このまま真っ直ぐです!」
 ぶつかる剣の音、聞こえて来る演奏の音とを聞いた【レーネ・ブリーズ】が、道を示す。
 敵がいつ出て来ても対処するため、レーネと並走する【アケルナー・エリダヌス】は槍を構え、敵の動きを窺っていた。
「そろそろ分かれるか、姐さん!」
 剣戟の音を聞きつけた【灰原・焔】(はいばら ほむら)が、最後尾から先頭の璃桜の隣まで飛び出していく。剣戟の音に限って言えば、剣士である焔の方が敏感の様だ。
「そうね。じゃあ予定通り、行くわよあんた達」
「はい!」
 一行の中で、タスクは一段と気合が入っていた。
 あの日と同じ場所。同じ輝きを放つ月光の下。自身の必殺技の原型たる月下の刺突を繰り出した彼の窮地とあらば、気合も入る。
 エリカとしては、空回りしないかが心配であったが、図書館で綿密な作戦を練っていた彼に、焦りは見られない。
 かつて同じ試験にて、彼の尊敬する先輩の刺突を模倣した仲だからこそわかる。今の彼は、心身共に万全だ。
「ではアケルナーさん、レーネさん、そちらはよろしくお願いします!」
「うん、任せて」
「はい! ジムさん、エルオンタリエさんもお気を付けて!」

 璃桜、タスク、エリカの三名をA班。
 焔、レーネ、アケルナーの三名をB班に分けた。
 B班は、レーネの強化された聴覚による絶対音感を駆使して、魔物を操っているとされている演奏が行われている場所を探りながら向かっていた。
 森の中では演奏が広がって聞こえるので、走りながらの探知は難しい。故に時折立ち止まりながら、耳を澄ませて探す。
「どうかな、レーネさん。場所は探れるかい?」
「はい。まだ断定は難しいですが、おそらく城の方です」
「まぁ、そこが一番の安全地帯だし、ね!」
 猪突猛進。真っ直ぐに突進して来たアーラブルを、焔は大太刀で受け止める。
 横からアケルナーのアクラが攫って倒すと、木々を利用して高く跳び上がってから落ちて、立ち上がろうとするアーラブルの喉に、自重を掛けて深々と槍を突き立てた。
 短い悲鳴と返り血を浴びながら、絶命の時まで槍に力を籠める。敵が力尽きると、アケルナーへとタオルが投げ渡された。
「ありがとうございます、灰原先輩」
「うん。この演奏が城からしてるって事は、二人は引き離されてるだろうなぁ。刃がエア・レイを使ってたら、猶更……合流するにしても、時間が掛かりそうだな」
「どう、しますか?」
「どうしますも何も……原因を断った方が良い事に、越したことはないよな?」

 漆黒の一閃が、夜闇に紛れてハイゴブリンの首を飛ばす。
 直後に木々を足蹴に跳び上がり、やや太めの枝を見つけて掴み取って、跳び込んだ勢いを利用して体を揺らし、的確なタイミングで手を離して、自分を見上げるハイゴブリンの首を着地と共に斬り落とした。
「おぉ、張り切っとるなぁ、えぇ子えぇ子――!」
 頭を撫でていた手が、突如力を籠めて、華凛の頭を下げさせる。
 不意打ちを目論んでいたリザードマンの首を突き刺し、風の魔力が微塵に粉砕した。
「おい、刃」
「すまんすまん。いやでも、自分の女が危ない目ぇ遭うてたら、こんくらいはするて。堪忍してなぁ」
 にしても、と、刃は華凛の頭を再度撫でながら、周囲を見回す。
 何体斬ったのか数えていなかったが、かなり削れたか。オオメダマはどこかに消えたが、それでもまだ、それぞれ四体ずつくらいは残っている。
 こちらは体力にしろ気力にしろ魔力にしろ、限界直前もいいところだと言うのに。
「ったく。にしても連れ過ぎやろ……まぁそんでも? 女のためなら体張るのが男の務めやさかい。せやからまだ、来んでも良かったんやでぇ――なぁ、タスク?」
 刃へと斬りかかろうとしたリザードマンの剣を、横から跳び込んできたタスクが受ける。横から突進して来たアーラブルは側面からエリカのフドに吹き飛ばされ、倒された拍子にぶつかって体勢が崩れたリザードマンの懐に入り込んだタスクの一閃が、リザードマンを引き下がらせた。
「刃先輩!」
「はいよ、おおきに」
 刃に薬草を投げ渡し、先程倒れたアーラブルが立ち上がる前に馬乗りになって、胸座に剣を突き立てて回し、抉り斬った。
「先輩方!」
「おぉ、部長はん。悪いけど、華凛頼めるか? 確か回復系の、使えはったよな?」
「はい! 任せて下さい!」
「おい、刃……」
「まぁま。数えてへんけど、華凛の方がぎょうさん倒してくれたやん? せやから、こっからはうちの番や。回復したら、また来ればえぇ」
「気を付けろ」
「了解や」
 薬草を噛み締めた刃は、ハイゴブリンへと走るタスクを追い抜き、繰り出されたガードを払うべく、剣を持っていた腕を斬り落とし、下顎を蹴り飛ばした。
「タスク! 己ら助っ人に来るのが少し早いんと違うか!? これからカッコえぇとこ華凛に見せて、惚れ直させたろ思うてたのに」
「そんな余裕があるようには見えませんでしたよ、先輩!」
「言うとれ!」
 角を突き出し、突進して来たアーラブルに二人で迫り、通りすがりに左右から一閃。アーラブルは突進した先で大木にぶつかり、両脇と口から吐血して力尽きる。
 次に刃の目は、先に腕を斬り落としたハイゴブリンが女子二人の方へ向かっているのを見つけ、剣を投擲。側頭部に突き刺さり、貫いた。
 得物がなくなった隙を狙い、斬りかかって来たリザードマンの腕を捻って剣を落とさせ、地面に付くより前に拾い上げて繰り出された尻尾を払い除け、自ら翻って繰り出した一閃にて、胸座を真一文字に切り裂く。
 斬られた勢いで後方によろめいたリザードマンへと突っ込んだタスクの繰り出した月下白刃が、リザードマンの硬い皮膚を貫いて風穴を開けた。
 転げたリザードマンは大の字に広がり、息絶える。
「やるやないか」
 まだ緊張を解く場面ではないのだが、褒められてつい顔が緩んでしまう。
 ハイゴブリンから抜いておいた刃の剣を手渡す際、緩んだ顔を見られて、軽くだが、脳天に拳骨を落とされた。
「まだまだ、気ぃ抜くのは早いで」
「はい」

 タスク、刃の戦線から少し離れたところで、エリカは華凛の回復に努めていた。
「すまないな」
「いいえ。無事で何よりです」
 生命の精霊より吹き込まれる息吹にて、華凛の傷を癒すエリカへと、ハイゴブリンが迫る。
 治療を中断して一歩踏み込み、振り下ろし、薙ぎ払われた剣撃を妖精の踊りにて軽やかに躱すと、がら空きの腹部に杖を突き付け、渾身のフドで吹き飛ばした。
「璃桜先輩! お願いします!」
 ボトルを逆さまにして、グビグビと水を飲む璃桜が木の陰から出て来る。
 残った水を頭から被った璃桜は、濡れる唇を舐め回した。
「何分稼げばいいのかしら」
「一分で充分です!」
「そう、心強いわね」
 ゆっくりとレイピアが抜かれると、起き上がる途中だったハイゴブリンが後退る。
 レイピアの毒気に気付いたらしいが、後退った程度ではまったく足りない。背を向けて逃げれば、エリカのフドの餌食になるのがオチなので、背を向けていない分マシであったが、遅かれ早かれ、璃桜の餌食になる事には変わりない。
 地面と平行に、真っ直ぐに跳んだ璃桜のレイピアが、風を切る。
 三度繰り出された刺突は無痛。ハイゴブリンは体から滲み出る血を見てようやく、突かれた事に気付く。直後、レイピアに塗られた毒が牙を剥く。
 璃桜の毒は超が付くほど即効性が高く、口内はすぐに濁った血でいっぱいになって、悲鳴も絶叫も溺れて沈む。
 膝から崩れ落ちたハイゴブリンが血溜まりを広げていく隣で、璃桜は剣を構えるリザードマンと対峙する。
 さすが、魔物の中でも知能が高いとされるだけある。毒の危険性を理解した様子で、迂闊に距離を詰めて来ない。
 ならば、こちらから詰めるだけの事。
「風」
「はい!」
 丁度、治療を終えたエリカがフドを放つ。
 横に跳んで躱したリザードマンへと、レイピアで掬い上げた血溜まりの濁った血を飛ばして、表皮に付着した血液に気を取られている間に距離を詰め、再び無痛の刺突三連。
 脚を震えさせたリザードマンはその場で崩れ、虫の息で倒れ伏した。
「鱗の分、傷が浅かったかしら。ま、遅かれ早かれ、結末は一緒だもの。悪いけれど、ちょっと長めに苦しんで頂戴……と、こうして華麗に仕留めるのよ? 華凛」
「も、申し訳ない……」
「それで? 状況は?」
「私と刃で三分の二……いや、半数は仕留めたものの、そこで限界。時折耳に届く演奏が、魔物を操っている事だけは確かだが、正体までは行き付けず……」
「だったら即時撤退するなり、雑魚だけ掃討して帰ってくるなり、やり様はあったでしょう? 二兎を追う者は何とやらね」
「面目ない、です……」
「まぁいいわ。どうせあんたの前でカッコつけようと、刃が無理したんでしょ? 戻ったら、特製の麻痺毒を飲ませて、逆さで一時間吊るしてやるわ」
(怖い……)
 心配はしていただろうが、同門の醜態を後輩に見せるのも、見るのも嫌だったようだ。
 無論、それ以上の最悪が起きた時こそ見たくなくて駆けつけたのだろうが、怒っている目が本気だ。刃は帰ったら間違いなく、言われた通りにされるのだろう。
 刃も巻き込まれた側なので、出来ればせめて容赦をと思ったが、璃桜が怖くて、エリカは何も言えなかった。
「エリカ。周辺を探って頂戴」
「は、はい!」
 研ぎ澄ませた第六感と強化した聴覚を駆使して、周囲を探る。
 木の葉の擦れる音。息遣い。足音――研ぎ澄ませた聴覚が、自分達と敵とを分別し終えるまでに、一分も要さなかった。
「ハイゴブリン、リザードマン、アーラブルがそれぞれ二体ずつ。リザードマンはどうやら、先輩の毒を見て警戒したようで、タスクさんと刃先輩の方に向かったようです」
「ふぅん」
(リザードマンの鱗でガードする、とか考えるわよね、操ってるなら。二人を襲えとだけ命令して、後は放置って事? 出来ないのか、やらないのか……)
 璃桜を急かすかのように、あるいは邪魔するかのように、ハイゴブリンとアーラブルとが、囲う形でジリジリと距離を詰めて来た。
「まぁ、どちらでも良いわ。いつの間にか二人とも引き離されてるし、とっとと片付けて合流しましょう。行くわよ、華凛」
「はい。回復ありがとう、少し下がっていると良い」
「いえ。私だって戦えますよ、先輩」
「……そうか。頼もしい後輩を持った」
「来ます!」
 両手を突き、前傾姿勢でアーラブルが突進してくる。
 同時に右方向から二体のハイゴブリンが、左後方からアーラブルがタイミングを合わせたように向かって来た。
 正面から向かって来るアーラブルに対して、華凛が走る。
 角を掴んで眉間に膝を入れ、顔を足蹴に跳び上がり、空中で反転して木に足が着いた瞬間に跳躍。振り返ったアーラブルの肩から腰に掛けて深く一閃を刻み、斬り伏せた。
 二体のハイゴブリンに対しては、璃桜が対峙する。
 走ってくるハイゴブリンらを立ち尽くして迎えた璃桜は、繰り出された剣撃を躱しながら繰り出した刺突にて毒を打ち込み、すれ違った二体を膝から崩した。
 そして、左側から来たアーラブルをエリカが受ける。
 妖精の踊りにて、突進して来たアーラブルの角の先をガントレットで受け流しながら側面に躍り出ると、振り上げ、続いて振り下ろされた拳も舞うように躱して、懐に杖を突き付ける。
 ゼロ距離で繰り出したフドにて吹き飛ばし、よろめいた下顎を杖で直接打ち上げて脳を揺らし、背中から倒れた瞬間にフムスにて圧し潰す。
 風の如く、舞うように、流れるように倒したエリカに、華凛は感心の吐息を漏らす。
「成長したものだ」
「ホント。あなたはもっと鍛えなさい。これから、デッカい化け物も控えてるんでしょ?」
「出来れば姉弟子にも、御助力願いたいですが」
「嫌よ。毒が効きそうにない相手と、わざわざ対峙したくないわ」
(あなたは毒だけではないでしょうに……)
 だが、いつまでも姉弟子らに頼っていては成長なんて見込めない。何より剣士として、あの雨の剣客は必ずや斬り伏せる。
「彼らと共に、必ず成し遂げます」
「彼らといえば、あの子、なんて言った? えっと……タスク・ジム? 彼、刃の事がお気に入りなのね」
「タスクさんは、刃先輩の技を元に、必殺技を編み出したりしたんですよ。特訓も、先輩が直々に付けて下さったり、とてもお世話になっています」
「ふぅん」
 エリカが説明すると、璃桜は何やら意味深に頷いて見せる。
 余計な事を言ったかなとエリカが首を傾げていると、今度は大きく溜息を漏らした。
「憧れるのは良いけれど、少し注意した方が良さそうね。技だけならともかく、調子の良い性格と手癖の悪さまで真似されたら困るわ。何せ彼、昔の刃そっくりだから――」

 タスクと刃、二人並んで走る。
 闇の中から、四肢を使って飛び跳ねて出て来たリザードマンが銜(くわ)えていた剣を躱し、タスクは振り返り、刃はそのまま正面を向いて、不意打ちを狙って来たもう一体の剣撃を受け止めた。
 刀を捻り、鍔と鍔を引っ掛けて剣を握る腕を引き寄せ、脇に挟んで前転する勢いで剣を落とさせると、倒れたリザードマンの頭頂部に踵を落として、剣を拾おうとする手を踏み付けてから、首筋に刺突を落とす。
 硬い鱗に阻まれてわずかに届かないとなると、朦朧とする意識の中で捕まえに来た腕を跳んで躱し、突き立てた刀の柄の上に立って、自重で刀を突き刺した。
 一方、タスクはリザードマンと剣撃を交わす。
 単純な膂力ではリザードマンの方がやや上だが、タスクの剣は単純な力に屈しない。
 真正面から受けるのではなく受け流し、反撃で繰り出した剣撃をわざと目の前で止めて番傘を広げて視界を塞ぎ、陰から這う様に出て横から体当たりで押し倒す。
 倒れた際に落とした剣を先に拾い上げ、喉に深々と突き立て、刈り取った。
「なんや自分、ちょい早ぉなっとるんちゃうか?」
「毎日一時間、刃先輩の特訓メニューをこなしてますから」
「豪いなぁ、自分。ま、あれくらいはこなして貰わんと、うちには追いつけんでぇ? ま、うちも突き放したるけどなぁ」
「必ず追い付きます!」
「ほな、先行って待ってるでぇ……って、何や」
 月夜には目立つ白きフクロウが、空中で円を描くように飛んでいる。タスクが腕を掲げると真っ直ぐに降りて来て、銜えていた手紙を渡してまた飛んで行った。
「何や、フクロウか」
「レーネさんが、連絡用にと連れていたんです……古城にて戦闘中。魔物を操っていると思われる敵本陣を――確認」
 となれば、次にやる事は自然と決まる。
 すぐに向かおう、と言おうとしたタスクだったが、刃が向こうを向いていて、同じ方を見て固まった。
 先に刃が仕留めていたリザードマンが、地面に広がる闇に引きずり込まれていく。
 圧し潰すような、硬い物を砕いているような、咀嚼音にも近しい音が聞こえたかと思えば、血に濡れた地獄の化生が這い出て来た。
「ミロ……!」
 見向きもせず、二人同時に駆け出す。
 咆哮するオオメダマは無視して、エリカらがいるはずの方へと向かう。
 敵が城にいる事を伝えなくてはならないし、何より心配だ。
 璃桜と華凛がいる以上は大丈夫と信じたいが、過度の信頼は慢心と同じ。楽観も過ぎれば、状況を悪化させる。
「レーネ言うたら、楽器の子ぉやんな。向こうには誰が行っとるんやったか」
「アケルナーさんと、焔先輩です!」

 場所は、古城前。
 飛び掛かって来たハイゴブリンにミラーシールドを掲げ、月光を反射して視界を一時的に奪い、着地した足を槍で払って倒してから、胸を貫く。
 背後からもう一体のハイゴブリンが襲い掛かって来ると、頭を下げたアケルナーの頭上を大太刀が通過し、ハイゴブリンの胴体を両断した。
「っと、ごめんよ。汚しちゃったね」
「問題ありません。預かったタオルもありますので」
「レーネさん、フクロウは飛ばせたかい?」
「はい、大丈夫です」
「良し……」
 もはや焔とアケルナーでさえ、ハッキリと聞こえる。
 間違いなく、敵は城の屋上にいる。何とも怪し気ながら、若干の魅力を孕んだ不思議な演奏。美しいようで恐ろしい、戦慄を誘う旋律。
 魔物を操る力があると知る今、聞き惚れると言うのは難しい。楽器を使うレーネは特に、聞こえて来る演奏に背筋を逆撫でられるような感覚を堪え切れなかった。
 何より怖いと感じるのは、演奏に怨念も悔恨も感じられず、むしろ心地良ささえ感じて聞こえてしまう事。
 未だ見えない演奏の主軸――コンサートマスターの得体が知れず、悪寒を誘われる。
「どうしましょうか、灰原先輩。みんなの到着を待ちますか?」
「うん……」
 無言でレーネに一瞥を配る。
 この場で一番演奏に聴き入り、顔色を変えている彼女の様子を見れば、早急に対処すべしと判断するのは妥当だった。
「行こう。だけどまだ、城の中に魔物を潜ませてる可能性もある。用心して進もうね」
「行けるかい?」
「……えぇ、大丈夫です。ありがとうございます」
 舞踏会にて緊張する令嬢の手を引く紳士が如く、アケルナーはレーネの手を引く。彼女もまた一人の女性であるが、この場で指摘するは無粋と言うものだ。
 焔を先頭に、レーネ、アケルナーの順で進む。
 城内の設計は、来る前の打ち合わせである程度頭に入れていたし、焔も熟知していたが、敵の有無まではそうはいかない。
 オオメダマがタスク、刃の下へ出て来ている事など知らない三人は、それの出没さえ考慮して、慎重に慎重を重ねて進んでいく。
 相手も演奏――つまりは音という武器を使っている以上、聴覚を強化している可能性があるので、なるべく音を立てないように、アイコンタクトや手で意思疎通を行なった。
 体力よりも、気力がすり減らされる。
 が、このような状況は幾度もあった。今までの経験が、三人に平静を保たせる。もはや敵の襲撃など、不測の事態にさえ入らない。
 無論、避けられるなら避ける事に越したことはないが、今更慌てる様な事はなく、すぐさま体勢に入れる。
 今この時、この瞬間とて、例外に漏れない。
 古城の階層を二つほど上がり、三つ目の階層――最上階一つ下の階層に上がる階段の前まで向かった時、二体のリザードマンが低く吠えながら、剣を振り上げて迫り来た。
 階層を上がる程演奏の音量も上がるので、強化したレーネの聴覚でも気付けなかった。が、焦る時ではない。すぐさま体勢を整える。
 レーネが下がり、アケルナーが前に出る。
 飛び込んできた二体をアクラで押し流し、槍で剣を弾いて盾で壁に押し付ける。背後から襲って来るリザードマンは焔に任せて、自分は目の前の一体に集中する。
 が、狭い通路で大太刀は振り辛いので、焔は素手だ。あまり時間は掛けられない。
「悪いが、手段は選んでられないんだ」
 槍を捨て、大きく開いたリザードマンの口に手を突っ込む。喉の奥でミドを炸裂させ、溺れさせる形で呼吸を奪い、倒れたリザードマンの背から、心の臓腑に拾い上げた槍を突き立てた。
「灰原先輩!」
 レーネの呼び掛けに籠められた力を受けて、焔は一歩踏み出す。
 剣撃を躱し、下顎を拳で打ち上げ、側面から抉るように追撃。反対側からも殴ってとにかく脳を揺らし、動く力を奪う。
 立ち尽くしたまま動かなくなったリザードマンの手から剣を叩き落し、地面に落ちるより前に取って斬り上げた。
「灰原先輩!」
「しっ」
 静かに、と合図する焔の手を取り、レーネは小さく癒しの言葉を紡ぐ。
 リザードマンの硬い体を殴っていた焔の手は、見てられない程にボロボロだった。
「もう……無茶をなさるのは相変わらずですね」
「これくらい、何てことないさ。早くこの演奏を止めないと、みんなが危ないからね。ってなわけで……あれをどうにかしないと」
 巨大な蹄を鳴らして降りて来る。
 操られている状態とはいえ、今にも飛び掛かって来そうな状態で悠々と闊歩する姿には、元々の性質を知っているからこそ生じる違和感がある。
 興奮状態、荒モードにあるアーラブル。演奏を邪魔する者達を排除すべく、最後の番人が高々と吠えた。
「確か、この先だったかな?」
「はい」
「なら……行くか!」
 背を向けて走り出した三人を、アーラブルは闘争本能に任せて追いかけて来る。
 無論、これも作戦の内。曲がり角を曲がったところで、焔は大太刀を抜いた。通路の狭さなど関係なく、壁も天井も破壊しながら力尽くで大太刀を振るう。
 壁も天井も破壊しながらの大太刀の攻撃は遅く、荒モードに入って膨らんだアーラブルの肉の装甲に防がれ、命にまで届かない。
 だが狙い通り。敵もまた、狭い通路内で荒モードのアーラブルは荷が重いだろうと送り込んできただろうが、そう思い込んでいるからこそ、通じる攻撃もある。
 焔の大太刀にて壁が崩落。月光が差し込み、下には鬱蒼と茂る森。落ちればまず、命はない。
 興奮状態にあるとはいえ、アーラブルも下に落とされる事を警戒しているだろう。だからこそ通じる。相手が、対峙している三人だけと思っているからだ。
「灰原先輩!」
「応さ!」
 焔が下がると同時、アケルナーのミドと、レーネのフドとがアーラブルへと放たれる。
 躱したアーラブルは落下を回避するため、一度通路の奥へ下がろうとした。が、それこそが本命である。
「フムス!」
 生み出された風圧が天井を崩落させ、アーラブルへと落とす。堆積した瓦礫とアーラブルの体重。生み出された風圧とが足場を崩し、一番下の階層まで叩き落した。
 圧し潰されたアーラブルの絶命を確認し、焔は巻き込まれるのを回避するために両脇に抱えていた女子二人を下ろす。
 下ろされたレーネとアケルナーの二人で、外から攻撃したエリカと華凛とに手を振って、無事を告げた。
 焔が壁を壊して位置を知らせ、二人の攻撃をわざと回避させて誘導。外にいたエリカのフムスで仕留める。
 多くの敵を一網打尽にすべく考案した作戦だったが、同じくらいの成果は得られた。
 そしてエリカがいるという事は、他の皆もすぐ近くに来ていると言う事。ならば一度にまとめて出るより、休みなく攻め立てられるよう次々に出る方が得策と考えるだろう姉弟子の存在が、焔に次の行動を決めさせた。
「さて、ようやく……この演奏の指揮者ないし、奏者とのご対面か」

 弦。金、木、打、鍵。
 楽器を元に作られたとされる魔物達による五重奏が、月光の下で奏でられている。
 幻想的で猟奇的で、魅力的で狂気的で、蠱惑的で暴力的。そんな、二律背反を両立させた音楽を演奏させている指揮者の姿が、そこにあった。
 三人に気付くと、指揮者は指揮棒を止め、演奏を止めて振り返る。
「御機嫌よう、フトゥールムの皆皆様! 今宵は我らが演奏会にご参加下さり、誠にありがとうございます!」
「こんな所で演奏会かい? この寒空の下じゃあ、キリギリスだって眠っているだろうに」
「えぇ、だからこそですとも! 今宵はこの寂し気な夜に、鎮魂歌など添えてみた次第! 苦戦を強いられる戦士達! 鳴り響く剣戟! 魔物の断末魔と素晴らしいアクセントを加えて頂き、誠に恐縮にございます!」
 明らか、まともではないだろう痩せぎすの男。
 会話もそうだが、何よりは黒のコートに染みついた赤い体液が、そう思わせる。
「おっと、申し遅れました。ワタクシ当楽団の団長【ザンテ・クリエール】と申します。以後、お見知り置きを」
「何でこのような事を!」
「……何故、とは?」
 誤魔化しているわけではない。顔を見ればわかる。
 彼は――ザンテは本気なのだ。外見年齢三〇そこらの大人が、子供みたく首を傾げている。
「腹が空けば喰らう。眠くなれば横になり、殺意を抱けば殺すのならば、奏でたくなった時、奏でるのは必然。己が演奏でこの夜を飾る事こそ、今宵の我が楽団の目的なれば、何を疑問に思う事がありましょう。欲のままに我儘に、皆で静寂を壊しましょう!」
「なら、お望みどおりにしましょうか」
 もはや問答に意味はなし。
 いつの間にか到着していたらしい璃桜が時間の無駄と悟り、三人を置き去りに一人跳び込む。
 だがザンテの前に黒が広がり、出て来た棍棒に行く手を阻まれた。
「焔先輩! アケルナーさん、レーネさん!」
「ジムさん!」
「無事だったか、弟弟子」
「お陰様で。華凛も無事助かりましたわ……ほんで、おまんが元凶か?」
 笑顔の中、目の奥が憤怒に燃える。
 オオメダマの背後で笑みを湛えるザンテへと眼光を光らせ、抜刀。月明かりを受けて、刀身が白銀に輝く。
「そん首、叩き斬っちゃる」
「あぁ、あぁ! 良いですね、その目! その刀! その殺気! あぁぁ、創作意欲を掻き立てられますねぇ……これは早急に帰還し、作曲に移らねば! あぁ、時間がもったいない!」
 ザンテが指揮棒を振るう。
 五体のアポカリプが音を重ねると、彼らの背後が切り裂かれて、空間に漆黒の穴が空いた。
 中から、得体の知れない何かが眼光を光らせて覗いている。
「グレイブスナッチ……?」
「似てるけど、違いそうね。同等以上の化け物なのは、確かでしょうけど」
「では皆様! 本日の演奏はこれにて閉幕! 後は魔物との舞踏をどうぞご堪能下さいませ!」
「待てぇ言うとるやろおどれぇ!」
「刃先輩!」
「落ち着いて下さい!」
 タスクとアケルナーで押さえ込む。そうしないとザンテを追いかけ、彼らと一緒に怪物のいる闇の中に消えてしまう勢いだった。
 怒りは無論華凛のためだろうが、彼女がいればここまで怒らない。いれば本人が止めるからだ。想いが強いだけに、彼女が関わると、思いのほか冷静さを欠きやすい。
「これ以上醜態を晒すんじゃない! 目の前の敵に集中!」
 璃桜の叱責が飛ぶ。
 振り被って繰り出された棍棒をギリギリで躱し、ザンテ率いる楽団が消えている事を確認すると、自ら自分の頭を思い切り叩いた。
「ほな、いっちょやりましょかぁ。力ぁ貸せぇ、己らぁ!」
「はい! 行きましょう!」
「ミロ、ミロ、ミロォッ!!!」
 文字通り、オオメダマの眼前に黒が集束。闇の魔力が光線と化して、一直線に解き放たれる。
 一行は左右に分かれて躱し、璃桜とアケルナーが左右から挟むように迫る。
 眼球をグリグリと動かし、璃桜は捉えきれないと悟ったオオメダマは、アケルナー目掛けて呪いの眼を見開いた。
 が、そう来る事は想定内。咄嗟にミラーシールドを構えて視線を反射。呪いをオオメダマへと返し、動きを奪った隙にアクラで攻撃。視界が塞がった瞬間、左右から槍とレイピアの刺突が突き刺す。
 呪いと毒とが混ざり合い、苦痛にもがくオオメダマは乱雑に棍棒を振り始めた。
 鈍い風切り音さえ聞こえて来る棍棒の一撃は確かに強力だが、ただ振り回すだけでは意味がない。それこそ格上の、更に長物を使う焔のような者からすれば、悪足搔きですらない。
 全身を捻り、腰の入った大太刀の一撃にて棍棒を払い飛ばし、そのまま回転。二度目の斬撃にて、オオメダマの体を打ち払う。
 落ちる直前で踏ん張ったオオメダマへと、タスクと刃が走る。が、オオメダマは再度眼を見開き、呪いを掛けようとしていた。
 タスクがキラキラ石の入ったポケットに手を入れるが、わずかに間に合わない――と、その時、突如として広がった煙によって、両者が隔たれた。
「行って下さい、タスクさん!」
 声が聞こえて状況を察する。
 遅れて到着したエリカが、発煙筒を投げたのだ。ならば、あの人も来ている。
「さぁ、決めろ……刃!」
 煙の中、オオメダマを跳び超えて背後に着地した華凛の剣撃が、後ろから押し出す。
 煙が晴れ、月光を蓄えたキラキラ石の散弾を見たオオメダマは目を眩ませ、自身を蝕む呪いと毒とが重なって、目を潰す勢いで覆い悶える。
「タスクさん!」
「刃先輩!」
 エリカとレーネが、二人の名を祈りと共に叫ぶ。
 敵に向かう二人の影は真っ直ぐに、沈み始めた月光を背にして重なっていた。
「ほな、合体技としゃれこみましょか――行くで、タスク!」
「はい!」
 刃のエア・レイが走る。
 刺突によって放たれた風の魔力を追い風として受け、加速したタスクが一直線に駆ける。
 苦悶の中、最後の抵抗に目を開くオオメダマへと直進したタスクが繰り出した刺突が、風――白金の閃光を帯びた旋風を放ち、上半身を吹き飛ばした。
「戦陣駆ける月下の旋風……月下戦陣、ルナ・エアレイド、とでも命名しとこか」
「刃!」
「タスクさん!」
 刃に華凛、タスクにエリカが駆け寄る。
 双方怪我がない事を確認し、安堵の吐息を漏らした。
「皆、ありがとう。改めて、お礼を言わせて貰うよ」
「ほんま、おおきになぁ。報酬ぎょうさん出すよう言うておくから、期待してなぁ。にしてもあのサイコパス、絶対いつか叩き斬ったる……!」
「では先輩! 明日から僕と今の必殺技の特訓を!」
「の前に、学園長に報告しなければですよ、タスクさん。ザンテ・クリエール……今後、学園の脅威となる存在になるかも、しませんからね」
 帰還後、エリカの言う通り学園長に事の顛末を漏らさず報告。
 刃の進言でたくさんの報酬を貰えたが、嬉しさよりも一抹の不安が残る。
 雨の怪物。緋色の辻斬り。そして、魔物を操る狂気の指揮者。学園にとって大きな脅威となる存在が、次々と目覚め始めている事に、一同は、不安を感じざるを得なかった。
 後日、お仕置きの名目で璃桜の部屋で毒を飲まされ、刃が逆さに吊るされたとか吊るされなかったとか。
 真偽のほどは、定かではない。



課題評価
課題経験:162
課題報酬:4800
月下戦陣
執筆:七四六明 GM


《月下戦陣》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-02-14 00:02:06
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
よろしくね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-02-14 00:07:48
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!よろしくお願いいたします!

先輩方がピンチ!?恩返しのチャンス!!頑張っていきましょう!!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2021-02-14 00:07:59

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 4) 2021-02-14 00:19:04
・ハイゴブリン 格2 魔法に弱い 6体
・アーラブル 格2 荒モードで能力向上 6体
・リザードマン 格2 やや知能あり 6体

・オオメダマ 格3 目を合わせると呪われる・光属性が苦手 1体

ちょっと数が多いけれど、先輩たちにもお願いすれば、連携もうまくできそうね。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 5) 2021-02-14 00:39:32
まだ決定ではないけど、
お城はかなり古そうだし、敵をうまく崩れそうなところに誘導して、
エリアルの種族特性の『フムス(自立行動しない物体を動かせる)』で
壁や天井を崩して複数の敵を一網打尽にできないかなとか思ったわ。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 6) 2021-02-14 09:54:39
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。よろしくおねがいします。

いっしょに行ってくださる方々は物理攻撃主体になるんでしょうか。
それでしたら

ハイゴブリン、アーラブル、リザードマンは近接戦闘が主体で、魔法攻撃はしてきません。攻撃も単調なので、比較的容易に倒せますが、魔法攻撃を主体に攻撃すると尚、良いでしょう。

ということでわたくしたちは魔法攻撃を多めにするとバランスとれるかもしれませんね。

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 7) 2021-02-14 22:27:37
やあ。私は勇者・英雄コースのアケルナー。よろしく頼むよ。
今回は、森に囲まれた古城に現れた魔物退治か。オオメダマを如何に倒すかが問題だけど、他の敵も数が多く厄介だね。

古城を壊して生き埋め作戦は、成功すれば一気に形勢逆転しそうだけど、もし私達や先輩方も巻き添えになると大変だ。
やるなら、そうならない対策も必要になるんじゃないかな。

あとは、敵の数の利を活かさせないように、門や壁を利用して敵を分断したり、細い通路等で敵を迎え撃ち、一度に相手取る敵の数を抑えたりすることは……できるかもしれないね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-02-14 22:37:00
さすが、秘密情報部二大知能班は思考が早い!
及ばずながら、僕も頑張って追い付かないと!

まだイメージできてない部分が多いですが…

敵味方一ヶ所に固めて集団戦に持ち込むなら、
僕が先輩のどなたかと一緒に壁役を務めるつもりですし…

二人一組あたりに分散するなら、
物理(僕・アケルナーさん)と魔法(エリカ部長さん、レーネさん)が
偏らないよう組んで、あとは先輩との組み合わせを検討する…

というイメージですが、どうでしょう。

また、エリカ部長さんの大技で一網打尽という案は
凄そうなので、詳しく詰めたいですね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2021-02-14 22:43:11
なるほど、生き埋め作戦の注意点、城の中の立ち回りについては、
アケルナーさんの案が有効そうですね!
僕も、【設計】が得意なことを活かして、その方面を補強できそうです。

あと、斯波先輩のお酒を少しでも抜くようなプランも検討中です。
おそらく【料理】でそのような差し入れを作る形になると思いますが、
なにかいいアイディア(リアル知識大歓迎)があれば是非ご教授くださいm(_ _)m

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2021-02-15 13:07:13
なるほどなるほど(熟読)

あくまで提案なので、決定する必要はないのですが、

A班 先輩カップル(笑)に加わり魔物軍勢と真っ向勝負
B班 演奏の原因を探り、可能なら止める

そして、以下の考えに即して、大体組み合わせが決まってしまい
恐縮ですが、あくまで、あくまでご提案としてお受けとめください。

A班は城を舞台に軍勢と戦うので、
天井崩しの【フムス】を使う部長さんを核に、
【設計】持ちのタスクがサポートと壁役を。

B班は、演奏に詳しいレーネさんが適任だと思いますが、
その場合、アケルナーさんが護衛についてくださると心強いです。

先輩方の振り分けとしては、
カップル先輩(言い方w)は、
そもそもお二人にA班が合流し救援する前提だから良いとして、
斯波先輩、焔先輩は、色んな考え方が出来ると思います。

軍勢と当たるA班に手厚く、ならどちらかお一人をA班に。
演奏の探索に何が起こるかわからない、強敵の存在も予想される、
ということなら、お二人ともB班に、と、どちらの考え方もあり得ます。

以上、長くなりましたが、ご意見いただけると助かります!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 11) 2021-02-15 22:29:02
崩落作戦は当然、わたしたちや先輩たちが巻き込まれないように
あらかじめ知らせておいて、崩落予定地への敵の誘導と
味方と自分の安全圏への移動が完了してから行うようにするわね。

班分けについてはタスクさんの案でOKよ。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 12) 2021-02-16 07:29:34
班分け、わたくしもだいじょうぶです。エリダヌスさんのご判断次第ですね。

調査につきましては「演奏」にあわせまして「絶対音感」、「聴覚強化」とかがつかえそうかなっておもってます。

たたかいは、魔法攻撃がたおしやすそうなよわめの敵がいっぱいでてくるなら、エリダヌスさんの種族特性「アクラ」すごくつよそうですね。

わたくしは「天使の歌」の回復とかをかんがえてます。


紫波さんのお酒は、ええと「毒消し草」とか? お酒って、よくないのみかたしちゃうと「毒」ですよね?

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 13) 2021-02-16 08:39:21
編成はタスクさんの案で私も大丈夫だよ。できれば、先輩のどちらかひとりにご一緒してもらえると安心かな。

>古城
そういえば、壊す前提だけど、この古城って壊しても大丈夫なのかな。
文化的価値があって、別のオオメダマが現れても困るし、現地に向かう途中で、先輩に壊しても問題無さそうなところとか、絶対に壊したらいけない場所とかないか……聞いておいたら安心かな。
まあ、緊急時で想定外の魔物が居るんだし、それなりの無茶は目を瞑ってくれると思うけど。

>酔い醒まし
二日酔いだったら、水分と糖分を摂るのがいいとは聞くね。
手っ取り早いのは、この時期なら……柑橘系や林檎のジュースなんかかな。

といっても、二日酔い対策だし酔い醒ましになるかは微妙だけどね。
(頭から水ぶっかける……というのは思うだけにした)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2021-02-16 14:03:13
皆さんありがとうございます!
では、この作戦でいきましょう!

>崩落
了解です!僕は図書館で出来るだけ本を借りますので
移動中に古城の資料とにらめっこで、一緒に作戦を立てましょう!
(という行動をプランに書いてみますね!)

あと、アケルナーさんの心配ごもっともです!
壊して良い場所ヤバイ場所も調査項目に追加しますね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 15) 2021-02-16 14:11:18
>酔い醒まし
ジュースは確かに、急を要する今回には難があるかも…
かといって毒消しとなると、むしろ効きすぎが怖くて…

「調べた中で一番効きそうかつ手軽なやつ」とプランに書き込んで
あとはGM様の温情に期待します(笑)

>演奏の調査
レーネさん、使用特技はバッチリですね!

あとは、アケルナーさんの好意に甘えてA班にお一人もらうとして、
B班についてもらう人選に悩むのですよね~。

物理ガード役が頼もしげな焔先輩にお願いするか…
人生経験と搦め手で大概の事態に対応できそうな璃桜先輩か… 

う~む!悩ましい!
そんなわけで、B班お二人の希望があれば沿いたいですが
いかかでしょう?

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 16) 2021-02-17 08:02:39
なやんじゃいますが、焔さんにきてもらえたらとおもいます。
紫波さんのお酒、ジムさんが対応してくださるのですし、調査に行くのでしたらそういうこっち側の「どうなるかわかんないこと」はへらしたいですから。

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 17) 2021-02-18 18:44:27
そうだね。私は特に希望ないから、ほむほむ先輩で大丈夫だよ。
紫波先輩はタスクさんが介抱しないといけないしね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 18) 2021-02-19 06:41:53
了解しました!では、B班には焔先輩、A班に璃桜先輩でいきましょう!

べっ、別に付きっきりで看病するわけじゃないんですからねっ!?
強い先輩なので、勝手に立ち直ってくれると思います(笑)

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 19) 2021-02-20 20:44:32
とりあえず、私はB班でレーネさんを守りつつ、弱い敵をアクラ等の魔法で減らしながら演奏の元凶を探ってみるよ。

もし、B班側にオオメダマが出たら……ミラーシールドで視線を反射して、その隙に振り切れないか試してみよう。

(タスクさんが時間短縮のために、林檎をぎゅーっと片手で手絞りして果汁を先輩に飲ませようとする光景を想像してしまったのは内緒)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2021-02-20 23:43:39

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 21) 2021-02-20 23:45:29
(な、なんて絵面を想像してるんですかー!?(笑))

B班さんが強敵に遭遇したら、そのままA班に引っ張って来て
敵も味方も集合して総力戦になってもいいと思いますが、
相手が大目玉なら、アケルナーさんの目潰し案はナイスですね!

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 22) 2021-02-20 23:50:30
オオメダマにはキラキラ石を用意してます。あと、可能でしたらA班の方々と連携したいのでフクロウさんに連絡おねがいするつもりです。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 23) 2021-02-20 23:51:39
さて、皆さん、いよいよ出発ですね!
ゆめゆめ、プランの出し忘れ等なきようご注意くださいね!

クライマックスは城崩し、というド派手な展開も期待できますから、
張り切って参りましょう!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 24) 2021-02-20 23:52:48
僕もキラキラ石用意して、大目玉に投げます。
あと、特級薬草用意して傷の深い先輩に渡します。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 25) 2021-02-20 23:59:13
プランは提出しました。ぜひよろしくおねがいします。