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迷宮探索競技☆Dungeon&Damn


ストーリー Story

 空は藍色、黎明の刻、ブルーアワーと呼ばれる時間帯だ。
 ごつごつした岩山だった。岩肌は、賄賂の金みたいにすすけた黄土色、青白い光に照らされて鈍く光っている。
 山の中腹に、ぽっかりと開いた孔(あな)があった。前にバリケードが設けられているが少女は器用だ。ふれることなくくぐり抜けて孔の前に立つ。
 早晩はまだ冷える頃だというのに、少女は身ひとつ、帯びているものといえば頭に巻いた白い布と、やはり薄手の白い服のみ。よく見れば頭の布は三角巾で、服は割烹着だとわかる。割烹着の下に、赤革のチュニックをしているようだ。
 赤いといえば彼女の髪だ。燃えさかる炎のような赤毛なのだった。
 少女――【ヒノエ・ゲム】は腰のものに手をやる。
「いささか心もとないが……」
 厨房からかっぱらってきた包丁の大小が、無造作にベルトに挿してあるのだった。
 禁制品の密輸業者だったヒノエが、いろいろあってフトゥールム・スクエアで働くようになってふた月ほど経つ。
 現在ヒノエは学食の厨房で炊事係をしていた。とことん無愛想な接客でいつも不機嫌そうにしているのだが、逆に一部学生には人気があるという。
 事情あってヒノエは多額の借金を抱えている。学園の仕事でコツコツ返していては、完済まで何年かかるかわからない。
 だから彼女はここにきた。
 この場所が発見されたのはつい最近のことだ。大雨で山崩れが発生し、隠されていた孔が陽のもとに姿をあらわしたのだった。
 洞窟は下り斜面となっており、広大な地下迷宮へと続いている。
 迷宮は遺跡であり、物騒な怪物が徘徊しているようだ。最深部にはなんらかのアイテムが置かれているかもしれない。
 ダンジョンだ。
 学園長【メメ・メメル】の発案により、授業の一環としてこの地を舞台とした未踏破ダンジョンの探索競技が開始された。クジで選ばれたチームが一組ずつ探索に降りていく。遺跡の奥部まで到達して踏破のあかしを持ち帰る、もしくは地図を完成させることが目標だ。
 成功チームには賞金が出る。これがなかなかの金額なのだ。自分以外のことにはケチなメメルらしからぬ大盤振る舞いである。
 これまで学園の数組が挑んだが、いずれも途中でリタイア、あるいは、三日と定められた制限時間に達してしまった。
 自然洞窟は隘路(あいろ)で体力の消耗がはげしく、地下水が噴き出している地点もある。迷宮は入り組んでおりモンスターはもちろん、意地悪なトラップまであってゆくてを阻む。
 正式に志願しなくても、とヒノエは考えている。
 要は、さっさと踏破してしまったやつの勝ちなんだろう?
 本日もまた一組、選抜パーティがダンジョンに挑む予定なのである。
 待ち伏せて連中を出し抜く、あるいは鼻先でアイテムなり地図なりをかっさらう――。
 ほめられた手段でないのは承知の上だ。
 カンテラを腰にくくりつけると、ヒノエ・ゲムは洞窟に足をふみいれた。
 苔だろうか、カビくさい匂いがする。

 ◆ ◆ ◆

 巻き毛ブロンドの少女が、岩陰からひょっこりと顔を出す。
 にやりと笑った。
 それにしても奇妙ないでたちだ。布団を巻いているような分厚いガウン、頭にはクラウン状のティアラ、耳はウロコに覆われており爬虫類のそれに近い。ルネサンス族なのだ。
 やれやれ、と【怪獣王女】こと【ドーラメイア・アレクサンドラ・デイルライト・ゴーリキ】は息を吐いた。
「やっとこれたわえ」
 ダンジョンに秘宝、というのは王道の流れじゃからのう。
 秘宝といえば、もうこうれはコズミックエッグとしか考えられぬ!
 怪獣王女によればコズミックエッグとは、魔王復活の鍵となる重要アイテムなのだという。エッグ求めて東へ西へ、あちこち探ってあちこち騒動を起こしていたこの怪人物も、導かれるようにしていましがた、ヒノエが姿を消した孔に到達していたのだった。
 邪魔がこぬうちにさっさと入ってしまおう。

 ◆ ◆ ◆

 数時間後。
「お~っすおす、よくぞ集まったわが精鋭たちよ☆」
 準備はいいか? とメメルは言った。
「ぴっかぴかの未踏破ダンジョン探索競技! 本日でえ~、何日目だったかな? ともかく! クジ引きでようやく諸君の番となったわけだ。さいわいまだ踏破成功チームは出ておらん。がっつり踏破してしっかり賞金をゲットするがいいぞ♪」
 では、と言ってメメルは視線を【イアン・キタザト】に転じた。
「説明はイアンたんに任せる」
「はあ、僕にですか?」
 イアンは雲の上を歩くような調子で君たちの前に立った。
「えー、おおまかな目的は道々語った通りで、ダンジョンの最深部まで行き着き、そこまでの地図を完成させるか、たどり着いた証拠を持ち帰ることなんだよね。証拠っていってもねえ……まあ、なんかあるんじゃない? 遺跡だし」
 なんとも当てずっぽうなことを言う。
「これまでギブアップしてきたチームのおかげで、ある程度のことはわかってるんだ。山の内部を降りていく洞窟は急勾配になってるから滑らないよう注意してね。そうそう、なんか水がどっと出てくる地点もあるみたい。あと、途中からは岩オオアリの巣になってるそうだよ」
「もうちっと具体的なアドバイスはないのかえ?」
「うーん、まあアリさんたちのエサにならないようにね」
「オレサマもたいがいだが、イアンたんのアドバイスは大雑把すぎるな……♪」
 メメルのツッコミを軽やかにスルーして、それでダンジョンだけど、とイアンはつづけた。
「洞窟は四、五人並べるくらいの幅だけど、ダンジョンになると道幅は狭くて三人ならぶのがせいぜいだよ。イライラするくらい緻密な迷路で、もうほとんど嫌がらせのために作られたとしか思えないよね。落とし穴や飛び出し槍なんていうオーソドックスな罠があっちこっちにあるんだ」
「よっぽど性格に問題があるやつが作ったようだな☆」
 自分のことは棚に上げてメメルが言った。
「だけどそれだけ、大事なものが隠してあるのかもしれないね」
 石造りの兵士、アメーバ状になったカビの塊のようなものが襲ってくるらしい。
「どういう原理か知らないけど、カビモンスターに触られると布や革の装備品は朽ちてこぼれおちちゃうそうだよ。僕ならかかわりたくないな」
「生徒送り出す側がそれを言うか……」
「まあ触らなければいいと思うし、あと、金属製品なら無事だから」
 イアンは君たちに赤い液体の入った小瓶を手渡した。
「ギブアップを決めたら栓を抜いて」
 コルク栓を抜けば不思議なガスに包まれ、君たちは一瞬のうちにダンジョンの入り口に戻されるという。
 制限時間は二十四時間だ。丸一日経てば、栓を抜かなくても瓶は割れ、自動的にガスの効果があらわれるという。
「瓶の扱いには気をつけろよ☆ 昨日挑戦した連中は、まちがえて途上で瓶を割ってしまい強制リタイアとなったからなあ~」
 じゃあ行っておいで、とメメルは手を振った。
 君たちは洞窟の入り口までイアンに案内された。
 メメルの目を盗んで、イアンは君たちのひとりに耳打ちする。
「僕はね、君たちに勝利してもらいたいからヒントを言うよ。迷路にたどりついたらとにかく北を目指すんだ。どうやら北方向が奥部につながってるみたい。右手法とかダンジョン攻略のセオリーだけど、まともにやっていたら絶対タイムアップになると思うよ」
 この助言にしたがえば、迷宮攻略は多少楽になるだろう。
 しかし君たちは知らない。ヒノエと怪獣王女がすでに、同じ目的でダンジョンに向かっているということを。

 待ち受けるは栄光か敗北か、迷宮探索競技が幕を開けた!


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 7日 出発日 2021-03-20

難易度 普通 報酬 多い 完成予定 2021-03-30

登場人物 5/5 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。

解説 Explan

 急勾配の洞窟を下り、地下迷宮に挑みます。

《勝利条件》
 以下のいずれかひとつを達成することです。
 どちらを達成しても成功となります。
 
 1.最奥部までの正確な地図を完成させる
 全地図を作成する必要はありません。「ここがゴール!」とわかるようなモニュメントなり像が地点までの地図を作成させて地上に戻ります。

 2.ダンジョン踏破を証明するような『アイテム』を入手する
 これが怪獣王女の言う『コズミックエッグ』かどうかは定かではありません。しかし物語的に『ひと目見ればそうとわかる』ようなものであるとだけは明かしておきます。


《敵とその概要》
●ヒノエ・ゲム
 拙作『contraband』で登場した元密輸業者の少女です。
 学園生なみのタフさがありますが単身です。
 展開によっては、ダンジョンで得意の弓矢を手に入れて武装しています。

●怪獣王女
 拙作『怪獣王女☆出現』で登場した怪人です。
 玉子から複数のモンスター(今回は空飛ぶ『さつじんばち』)を呼び出して操ります。本人も手強い相手です。

●岩オオアリ
 人ひとりはある巨大なアリ。それほどの脅威ではないもののアゴの力はあなどれません。肉を好みます。こちらを見つけると増援を呼ぶ傾向があります。

●石像兵士
 ダンジョンの護衛です。古めかしい武装をしている石像です。単純攻撃しかできず意思もないのですがとにかく数が多いようです。

●カビモンスター
 畳一畳くらいのサイズのカビの集合体。ふれられると焼け付くような痛みがあります。布や革製品は朽ちてしまうことでしょう。

 道中、ヒノエおよび怪獣王女が敵、あるいは妨害者として挑みかかってくると思われます。
 展開によっては、ヒノエと怪獣王女が戦っているところに遭遇するかもしれません。  


《アドバイス》
 ・地図は作成担当をしっかり決めておいたほうがいいでしょう
 ・長丁場なので休息は必要です
 ・無駄な戦いは避けたほうが無難かもしれません
 ・帰還に使う瓶の取り扱いに注意!


作者コメント Comment
 ここまでお読み下さりありがとうございました! 桂木京介です。

 正統派となる冒険シナリオです。舞台が洞窟と地下迷宮になるので、当然ながらランタンなどが必要となりますし、可能であれば役割分担や休息ペースなども定めておいたほうがいいでしょう。
 見事成功のあかつきには少なくない賞金と、ダンジョン踏破にまつわる称号が進呈されます!
 
 お邪魔キャラクター(ヒノエと怪獣王女)が出てきますが、洞窟の途中で遭遇することになるのか、到達地点で乱闘になるのかはわかりません。どうやって倒すか、あるいはうまく利用するかは皆様のアクションプラン次第と思われます。

 それでは次はリザルトノベルで会いましょう。
 桂木京介でした!


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:129 = 108全体 + 21個別
獲得報酬:4320 = 3600全体 + 720個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:ダンジョン探検家
●方針
最奥部を目標に挑戦。


●事前準備
急勾配という事で靴などには滑り止め。
可能ならダンジョン周辺の地図を確認し方角の目安に

●行動
『聞き耳』『忍び歩き』を生かし、前衛で罠や不意討ちを警戒しつつ地図作成。
(カビモンスター対策のため、羊皮紙は盾に挟んで下敷きにしつつ記入)

方角は北を目指しつつ、イアンの説明に出た地形やモンスターを目標に

自分たち以外の足跡、痕跡にも注意し地図に記入。
人でないものがあれば皆に警告。

※ヒノエを見つけた場合
襲ってきたら停戦と同盟を呼びかけ。
山分けでも確実に報酬を稼がないかと。
(妥協点はヒノエ取り分6.5くらいまで可)

戦闘は可能なら回避で、無理なら間合いを取って速攻(特にカビ)

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:129 = 108全体 + 21個別
獲得報酬:4320 = 3600全体 + 720個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:ダンジョン探検家
◆目的
北を目指し洞窟最奥到達
道中経路の正確な地図作成・提出

◆用意
飲み水入りの水筒と、光源用のキラキラ石
それに、道中で有益そうな物を見つけたら回収するための鞄を用意

◆方針
長丁場に備え、道中は周囲に敵が居なさそうな場所で、適度に休息を取る
焦らず24時間の持ち時間を十分に活かす

◆分担
私はフィリンさんと一緒に前列に位置取り、キラキラ石を光源に視界確保
有事にはフィリンさんのフォロー

道中は第六感を活かし、周辺警戒や怪しいモノ、場所がないか確認

◆有事
全力防御で攻撃を凌ぎ、後衛を守りつつ、部位破壊で敵の顎や羽等を狙い敵を弱らせフィリンさんの援護
敵が多いときや強敵が居たら、王様の命令で敵の戦意を挫くよう試みるわ

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:129 = 108全体 + 21個別
獲得報酬:4320 = 3600全体 + 720個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:ダンジョン探検家
【事前調査】で生徒や教師から過去の挑戦者の経験や伝聞を聞きて情報収集
聞き込みは【会話術】で礼を失さず話してもらいやすくなるよう努力

【事前調査】と【読書】を駆使、図書館で迷宮の構造や住人・魔物・罠・宝物・ゴールについて調べておく

情報は仲間と共有。地図製作や進路予想などの助けに

キラキラ石で明かり
探索中【危険察知】で常時警戒
罠や敵の不意打ちに注意
怪しい所は杖の先でつついて調べる

ヒノエさんは困っていたら手を貸す
競争に拘るなら同行しなくてもいいけど
著しく危険がある時などは躊躇せず助ける

王女は襲われない限り手を出さないが
エッグが魔王復活の鍵の可能性と
それが迷宮のキーアイテムな可能性を【推測】し入手を目指す

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:129 = 108全体 + 21個別
獲得報酬:4320 = 3600全体 + 720個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:ダンジョン探検家
俺は地図の作成を担当
北に向かい、最奥までの道を分岐点の正しいルートまで、羊皮紙に書き記そう。それと、おもいで手帳にも同じ内容を……念のためにね
また時々、写法術で仲間と情報共有
瓶は状況に応じ庇いやすい位置に保管

動作察知で警戒しながら進んでいく
敵との交戦も、小石で注意を逸らす等でなるべく避ける
余力も考慮し定期的な休憩をとれるよう常に体内時計も測る

戦闘では魔導書で攻撃
敵が火気に弱そうならヒドガトル、水に弱そうならプチミド
強力な敵にはダードやダートガを使用
敵がもし人間で、近くにカビのモンスターがいるなら、プチミドを人物に当てて水気を与え囮にしてやろう

それと地質学や考古学等の知識で迷宮も色々調べてみよう

レーネ・ブリーズ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:324 = 108全体 + 216個別
獲得報酬:10800 = 3600全体 + 7200個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:ダンジョン探検家
装備した楽器「リトラヴェルソ」を「風の旋律」でつかって
なかまのみなさんのきりょくを回復します。

ただ、その音が危険をまねかないか「危険察知」の技能で警戒します。
乱戦の最中なら問題ないとおもいますが、
不意打ちをかけるときにはひかえますし、
休憩も通路がすくなくて敵を警戒しやすい場所とかをえらんで
安全を確保します。

また、たたかいでは種族特性の「フド」で攻撃にも参加しますし、
なかまのみなさんが状態異常をうけてしまったら
アイテム「福の針」を「備えあれば何とやら」でつかいます。

のみもの、たべものとかにつきましては「水筒」、「石焼き芋」、
「干しブドウ1kg」をせつやくし、ほかのなかまのひととわけあいますね。

リザルト Result

 冷える。
 奥部に行くほど湿度は増し、三時間も経つ頃には真冬の井戸に飛び込んだような気分になっていた。氷のように冷たい雫が、しばしばしたたり落ちてくることにも閉口させられた。
 にもかかわらず【フィリン・スタンテッド】の額には、大粒の汗が浮かんでいる。
 滑り止めしてきたのに、それでも厳しいなんて。
 洞窟の黄土色をした斜面はぬるぬると滑った。ほうぼうに苔が生えているせいもあるだろう。体重のかけかたを間違えると、暗い奈落の底まで一気に滑落してしまいそうだ。しかも、ときに四五度近くなるような急斜面である。一歩一歩が命がけだ。ために移動距離はとても小さかった。
 フィリンのすぐ隣には【パーシア・セントレジャー】の姿がある。
「フィリンさん、息が上がってるわ。そろそろ休憩にしましょう」
「でも、まだ」
「長丁場でしょう? 無理は禁物よ。ほら、もう少しでちょうどいい場所に出ることだし」
 パーシアは手にしたキラキラ石を左右に振った。
「あと少し下りてきて。小休止よ」
 すでに湧き水まみれ汗まみれのフィリンと比べれば、パーシアはさほど平時と変わらない。といっても少しずつ息苦しさを感じているようで、彼女の姿を構成する粒子の具合はいささか荒かった。
 いくらか平らな地点まで到達した。
「お疲れ。遅々として進まないわね」 
 用心しいしい【エリカ・エルオンタリエ】が下りてきた。濡れた場所だが気にせず座り込み、冷たい岩場に背中を預ける。汗で額に張り付いた前髪をかきあげて息をついた。
「迷宮に着く前なのに一苦労だね」
 やはり【クロス・アガツマ】の姿もかすれ気味だ。クロスは持参の羊皮紙に地形を描き込む。終わるとすぐに別の手帳を開いた。
 硬質の音を立て、踵に派手な鋲を打ったブーツが下りてきた。
「このトゲトゲが、思っていた以上にすべりどめになってくれています」
 うっすらと【レーネ・ブリーズ】は笑んでいる。レーネの普段の好みからすれば、過剰すぎるほど過剰な装飾のほどこされたブーツなのだ。しかしその装飾が高い実用性を示しているのだから世の中わからない。
「岩場の温度はますます下がっている……ようだね」
 クロスが岩肌に手をふれた。
 物理的な肉体をもたぬクロスとパーシアは、穴底まで滑り落ちる恐怖からはまぬがれていた。しかし先の見えぬゆえの不安や苦しさは共有しており、水を吸った綿のような疲労を魂に感じている。
 レーネは横笛の入っているポケットを片手で押さえた。
「風の旋律をつかって、みなさんのきりょくをとりもどしたいところですが、こわいアリもいるそうですし、ためらいます」
「それが賢明ね。事前に調べたところから予想しても、迷宮までの行程はあと少しだと……」
 と言いかけたところでエリカは口をつぐんだ。
 黙ったままフィリンが片手を挙げたのだ。エリカの身にも、うなじの毛が逆立つような感覚が走っている。
(おつかいアリさん、なんて可愛いものじゃなさそう)
 パーシアはキラキラ石を革袋に包んで隠す。
 一匹の大きな蟻が、暗がりから這いだしてきたのである。
 岩オオアリだ。這いつくばったヒューマンくらいの大きさがある。左右に大きく開閉する獰猛そうなアゴと、赤銅色のテカテカとした姿が特徴的だった。
 足先に毛が生えているためだろう。よく滑る岩肌をものともせず、触覚をしきりに動かしながらアリは歩んでいた。
(視力は弱いかほとんどないと、どこかの本で読んだことがある)
 クロスはオオアリを観察した。
 こちらからはしっかり目視できるのだが、まだアリに発見はされていなようだ。
 オオアリはアゴが大きい一方で脚は細く、それほどの強敵には見えなかった。あの一匹くらいなら追い払うことはたやすいのではないか。
 しかしレーネは危惧している。
(そんなことをしたら、きっとなかまのアリさんをよばれてしまいますね)
 レーネが視線を向けるとエリカはうなずき、他のメンバーにも目で合図して腰を浮かせた。すぐに行動開始、という意味だ。
 ザックに手を入れ油紙に包んだチキンの丸焼きを取り出すと、エリカは包装を解き肉を手でちぎって一片を足元に置いた。肉汁がはね、かぐわしい香りがするが意図的に無視する。移動しながら次々と同じ動作を繰り返して上方、すなわち自分たちが来た方向へと誘導するように肉片を配置していく。
 エリカの作業完了を待つことなくメンバーは移動を開始した。フィリンが先頭、パーシアが脇を固め、クロスとレーネが続いた。キラキラ石の明かりは最小限に絞っている。息を殺してそろそろと下る。
 このまま離れていけばアリとの遭遇は避けられるだろう。なのに、
「畜生!(Damn !)」
 直後フィリンは毒づくはめになった。
 間欠泉か。
 不意打ちとしか言いようがない。強い水が背のあたりから噴き出したのだ。
 まさかこのタイミングで出くわすとは!
 あっという間にバランスを崩しフィリンは斜面を滑り落ちた。グロリアスボディの装甲が身を守ってくれるとはいえ、手足に伝わる摩擦熱は相当なものだ。この大きな音は当然、岩オオアリの注意をひいたことだろう。
 だが落下はすぐに止まった。どさっと音を立てて転がる。
 安定した地面に到着したことをフィリンは知った。洞窟の底部だ。エリカの予想通りだったのだ。行きの道のりはほぼ終わっていたらしい。
 細かな擦り傷ができているが気にしてはいられない。うめき声を上げそうになるのをこらえ、ふらつく頭で立ち上がった。
 振り返ればそこには花崗岩で作ったと思しき石壁が天井にとどくまでそびえ、入り口らしき門がひとつだけ口を開けている。
「滑り降りて! ダンジョンに着いた!」
 フィリンは来た方角へ叫んだ。オオアリの大群は相手にしたくない。こちらに絶対的に不利な斜面とあればなおさらだ。迷宮に入ればまくこともできるかもしれない。
 最初に姿が見えたのはパーシアだった。
「大丈夫!?」
 つづいてレーネとクロスが到達する。
 危惧されたエリカも、アリには捕まらなかったらしく着地した。
「間一髪だったわ」
「エリカさんっ!」
 レーネが声を上げ身構える。気をつけてとレーネが続ける前にエリカは飛び退いた。間欠泉に吹き飛ばされたのだろう、目の前に二匹のオオアリが落ちてきたのだ。
 ここまで接近されては逃れられない。反射的にフィリンは抜刀しパーシアは鞭を解く。
「先制打を浴びせ、後続が来る前に迷宮に飛び込みましょうか」
 パーシアが半歩踏み出しかけたとき、クロスの目はアリに起こった変化を見出していた。
「待ってくれ、挙動がおかしい」
 岩オオアリたちは口を左右に開けた。だがいずれも牙を向けるかわりに身を縮こまらせ、くるりと背を向けると先を争うように岩肌をよじのぼりはじめたではないか。無防備な背をさらすことにためらいはないらしい。あっという間に姿を消した。
「仲間を呼びに行った……風には見えなかったな。逃げたのか」
「ここにちかづくことを、こわがっているのかもしれません」
 レーネは振り向いてアーチ型の門を見上げた。簡素なレリーフのほどこされた迷宮の入り口、誰が何の目的で作ったのかわからないが人造物なのは明らかだ。
「ああ、目には見えないが、強烈な『圧』を感じるね……彼らはそれを俺たち以上に感じとっているのかもしれない」
 しかしクロスは、険しい表情を崩してこう告げたのである。
 しばらく待つもやはりアリの襲来はない。
「その見立て通りみたいね」
 パーシアの結論に異を唱える者はなかった。クロスが言う。
「つまりここなら、アリに悩まされることもないということだな。少し休憩しようか。はは、本当はコーヒーでも出せればよかったんだが」
「チキンの丸焼きもね。まったく、惜しいことしたわ」
 エリカが肩をすくめたので一同は笑った。
 間もなくレーネが横笛を奏ではじめた。
 風の旋律。よく調律された優しいメロディが、静かな癒やしをもたらしてゆく。


 迷宮が広大で入り組んだ構造であることはたちどころに理解できた。
 入るなり道は三方、北、西、南と分岐していたのだ。いずれもかなり先まで続いていると見受けられた。
「まず北ね。イアン先生が得ていた情報からすれば……少なくともかなりは進めたってことでしょ? あとは敵に出会うよう進めば……」
 フィリンの言葉をクロスが引き継ぐ。
「最奥部に迫っていくことになる。それが堅実だろうね」
 黙々と歩いた。何時間も。
 途上で一度だけ石像兵士と正面衝突した。避けられず交戦し撃破したが、攻撃は単調ながらひどくタフな敵だった。これに懲りて以後は石像兵士との戦闘を避ける方針とし、姿が見えるたび後退したり、小石を投げて注意をひき、さっと迂回路に飛び込んでやりすごすなどして戦闘は避けた。
 しかし最大の敵は、やはりダンジョンの構造だろう。
 迷宮の構造は複雑で、何度も分岐が登場するにとどまらず、行き止まりや逆戻り構造がしばしば登場した。石壁はどこを向いてもほぼ同じで、意図的に特徴をなくしているとしか思えない。マップを製作していなければ、たちまち現在地を見失っただろう。クロスは何度か目測を誤り、短い休憩のたびに地図のブラッシングの時間を取るはめになった。
 それでも、緊張と緩和が繰り返されるのならばまだいい。
 やがて訪れたのは、頭がおかしくなるような単調な時間だった。
(正直、辟易してくる……)
 口には出さねど、フィリンもいささかうんざりしていた。
 石像兵士を見なくなって数刻は経っただろうか。行けども行けども道だけがつづき、なんの展開もないまま延々と歩かされた。かといって警戒を解くわけにはいかず言葉もかわせない。もはや歩いているのか歩かされているのかすらわからなくなってくる。
「待って」
 沈黙が破れた。
 細い針で刺されたような第六感が働いて、パーシアが腕を左右に伸ばして停止を宣言したのである。
「ほら見て。ここ、床の色が」
「よく気づきましたね」
 たしかに変ですとレーネが応じる。石造りの通路のはずなのに、さりげなく一部だけが鉄板になっている箇所があった。
「トラップ、ということでしょうね。わたくしだったらかかっていたかもしれません……」
「矢が吹き出すか落とし穴か……試してみる気にはなれないけど、嬉しくない結果をもたらすスイッチでしょうね」
 パーシアとレーネのやりとりをかたわらで聞いているフィリンは、無言で汗を拭っている。
 ため息をついてエリカが言った。
「精神的に参りはじめたタイミングでこういう装置を用意するなんて、設計者はなかなか陰険な性格のようね」
 訓練のために作られた学園内のダンジョンとはちがう。ここの仕掛けはあきらかに招かれざる侵入者を殺しにきている。精神的なスキをつこうというこのテクニックは、暗躍をつづける魔王軍残党を彷彿とさせるものがあった。
「だが考えようによっては、ここは安全地帯とも言えるわけだ」
 クロスが言った。
「意思のない石像兵士ならば簡単にこの罠にかかるだろう。つまり、付近には兵士は徘徊していないということにならないか?」
「だったら交互に仮眠を取る長めの休息時間にしない? そろそろ半日経つし、疲労もピークに達しつつあるから」
 フィリンが言うもクロスは悩ましげに額に手をやった。
「もう少しだけ進んでおきたい気もする。もうタイムアップはこりごりなんだ。いやなに、クラウンシーフの苦い思い出が、ね……」
「あせりはきんもつ、です」
 と言うのはレーネだ。
「ここは、通路がすくなくて見とおしがいいのもちょうどいいでしょう。ちかくにモンスターがいないなら、わたくしの笛もつかえます。みなさんの回復をさせてください」
 クロスも考え直したようだ。
「すまない。やっぱり俺も疲れているんだろう。焦る気持ちも疲労のあらわれだったのかもしれない」
「じゃあ休憩ね。休み休みっ!」
 パーシアがいち早く腰を下ろした。
 トラップのスイッチらしきものからは距離をとり、五人は交互に憩いの時間を取った。
 疲れていたのは肉体だけではなかった。思い思いに散らばって脚を伸ばすと、エリカの頭にのしかかっていた重いものが軽くなった。目を閉じてフィリンに話しかける。
「石像兵士って生きている石よね」
「ええ。純粋な意味で生命体かどうかは別として、そういうことになるかな」
「イアン先生が課題として作ったのかしら?」
「ちがうと思うけど……まあ、可能性はゼロじゃないわ」
「だとしたら、『イアン先生の生きている石』と呼んでもいいかしら? 『イアンズ・リビングストーン』、ってね」
「――どこかで聞いた名前ね」
 フィリンの口元がほころんだ。そういう名の偉人がいた気がする。他愛もない冗談ではあるが、気持ちがなごんだのはたしかだ。
(辛い状況でも……仲間がいれば救われた気持ちにもなる)
 ふと思う。
 ルガル。
 あの男はどうしているだろう。苦しいときににこんな風に、笑わせてくれる人間はあの男のそばにはいない。
 それは、ひどく哀しいことに思えてならない。
 短い睡眠だったとはいえ、交互に休むことで疲労はずいぶん減った。
「そろそろですね」
 と立ち上がったレーネの腰のあたりに違和感があった。
「レーネ君、君のローブ、そんなに短かったかい?」
 とまで言ったところで異変に気付き、クロスは泡を食って両手で目を覆う。
「あっ……あー! いやん、早く隠して!?」
 レーネの腰から下あたりの布がごっそりと落ちていたのだ。
「え……えっ?」
 腰から下がスースーする。ビルガメスローブは魔法で編み込まれているとはいえ素材は草木、それが一気に腐食したようになって落ちたのだ。幸い下着も体も無事だが、服は超ミニスカートのようになっている!
「見えてない、見えてないぞ! 光の速さで眼鏡をガードしたからね!」
 レーネの頬がみるみる赤らんだ。パーシアははじかれたように立つ。
「レーネさん女の子は腰を冷やしちゃだめよ……っていうか、上ね!」
 パーシアは天井を指さした。いつの間に近づいてきたのだろう。天井の一部が濃い青色に変色している。いや、天井が変化したのではない。カーペットのように平板な怪物が這っているのだ。
 うごめく怪物は、知能を持たぬカビの化身だった。
「あれがカビモンスター……!」
 エリカはレーネの足元に落ちた布を蹴飛ばし、レーネの手を引いて急ぎ壁際まで逃れる。
「レーネさん、無事!?」
「は、はい、食べられたのはローブの一部だけです」
 エリカが蹴り飛ばした布目がけ、モンスターの本体が落ちてきた。たちまちのうちに布を喰らい尽くし、粉のような胞子を散らしながらぐずぐずと隆起する。高さといい見た目といい、頭からシーツをかぶった子どもそっくりだ。もちろん可愛げはまったくないが。
 フィリンの目にはこれが、下劣な先制攻撃に成功し勝ち誇っているように映った。
「下等生物がッ!」
 怒りで激しい口調になり、剣を抜きざま横薙ぎに一閃させる。
 ヒュッと怪物は身を引いた。剣の尖端はかすることすらしなかった。
 しかし、
「舐めるな!」
 フィリンの剣、その刃の軌跡は空を切るにとどまらなかった。刀身にほどこされた切れ目が外れるや、剣は蛇腹状にうねって身をくねらせ、ありえない角度から怪物に喰らいつきえぐり取ったのである。
 還襲斬星断、日々の鍛錬でフィリンが身につけた必殺技だ。
 攻撃本能とともに恐怖の本能も有しているにちがいない。
 カビモンスターは、震えた。
 しかし窮して逃亡するかと思いきや怪物は反撃を選んだ。再度隆起すると自分の身を削るように、つぎつぎとカビの飛礫(つぶて)を投じてきたのだ。
「聞いていた以上に、手強い……!」
 パーシアは咳き込んだ。彼女が構える正邪の盾に、飛礫がぶつかりベシャっと砕けた。青黒い花が咲いて散った。カビ特有のツンとくる匂い。
 正確な投射、なにより手数が多い……これでは近づけない。下手に後退すればあのスイッチを踏んでしまう可能性もある。
 反撃に炎の塊を放つも、まずいなとクロスはうめいた。
「別個体の増援か……! まさか残り半身というわけでもあるまいが」
 敵の背後からもうひとつ、同じような青カビの隆起がもぞもぞと出現したのだ。
「食物倉庫あたりでは絶対会いたくないタイプの敵よね」
 エリカが応戦に乗り出した。風の魔法弾『フド』を放ちぶつける。効果絶大とまではいかずとも効果はあるらしい。最初のカビモンスターの大きさが縮みはじめた。
「あしもと、寒いです」
 フド攻撃にはレーネも参加した。うなりをあげて風の弾がカビをうがった。
「カビの弱点は熱と乾燥、炎はそれをもたらすはずだ」
 炎にはやはり弱いらしく、クロスが新たな火炎弾をぶつけると一体目のカビモンスターは消滅した。
 といってもまだもう一体は無傷だ。最初の個体より表面積は大きく、投じてくるカビの塊も速い。対するはフィリンの剣、パーシアの鞭、エリカ、レーネ、クロスの魔法はフドにヒドガトル、一進一退の攻防をくりかえす。
 さらに新手の敵が後方から出現した。
 今度はカビではない。娘だ。
 刃渡りの長い包丁を両手にした赤鬼――ならぬ赤毛の【ヒノエ・ゲム】だ。フィリンに向かって声を上げた。
「またお前か! なにかと縁があるな!」
 白い三角巾と割烹着という頼りないにもほどがある武装ながら、大声を上げ突っ込んでくる。
「ヒノエ? もしかして助太刀に来てくれた?」
 フィリンが告げるもヒノエは目を怒らせた。
「見くびるなよ! お前らが窮地に陥るまで待っていた! 優勝するのは私だ! ダンジョンの地図はいただく!」
「ああ、地図か」
 と言ったのはクロスだ。
「欲しかったら進呈しよう」
 丸めた羊皮紙の筒を、ためらわずヒノエに向かって投げたのである。
 疑いもせずヒノエは地図を拾い上げ――そのすぐ目の前の鉄プレートを踏んでいた。
 猛然、ドラゴンの息吹さながらにヒノエの足元からガスが吹き出した。短く、ただし全身を包み込むように。
 麻痺毒のガスだったらしい。ヒノエは彫像のようにどさっと前のめりに倒れた。
「か……体が……うごかない……」
 ご丁寧にも状況を口で言ってくれた。指先は筒を握ったままである。首は横に向けたままで起き上がるはおろかピクリともしない。まばたきと口を動かす程度しかできなくなったらしい。
 ばしゃっと音がしてヒノエの体で水の玉がはじけた。プチミドだ。
「悪いが、目的は君と戦うことじゃない」
 投じたのはクロスだ。ヒノエの様子を確認するとカビモンスターに向きなおる。
「さて、ここにずぶ濡れの者とそうでない者がいるが……あれははたしてどちらを選ぶかな」
 カビを生やすには湿っているほうがいいはずだね、と料理の手順でも説明しているような口調でしめくくる。
「や……!」
 やめろ、とヒノエは言おうとしたのだと推測できた。きっと彼女もこのダンジョンで、カビモンスターには悩まされたに相違ない。
 カビモンスターは飛び上がって天井に張り付いた。パーティ五人を無視し『絶好のエサ』のあるほうへ這っていく。
 ヒノエが声にならぬ悲鳴を上げた。


 カビモンスターが落ちてくるより先に、ヒノエの麻痺は消失していた。
「福の針、です」
 ヘアピンをヒノエの赤い髪に差し、レーネが彼女を立ち上がらせたのである。まだふらつくヒノエを、抱きかかえるようにして飛び退く。
 寸前までヒノエがいた場所に、どさっと音を立ててカビモンスターが着地した。
「一回性のトラップじゃなかったのね」
 パーシアは袖で口を隠しながら後じさった。
 カビが落下した地点はやはり鉄板の上だった。
 ふたたびガスが噴射したのである。今度はカビモンスターを包むように。
「カビにも効果があるなんてね。神経にきく麻痺毒じゃなくて、時間停止の魔法でもかかっているとか?」
 エリカは腰に手を当てて笑った。
 カビの塊は隆起した状態のまま、ぴくりともしなくなったのだった。
「こうなってしまえば掃除もたやすいってことね」
 フィリンは大股でカビに近づいてゆく。
 まもなくモンスターはきれいに消滅した。
 卑怯だぞとわめいたり、こんな目に遭わせやがってと怒鳴ったり、あるいは羊皮紙を握ったまま脱兎のごとく逃げてしまうかと予想されたヒノエだが、そのいずれの行動も取らなかった。
「こ……この恩は忘れない」
 両手でレーネの手を握ったのである。表情が真剣だ。
「いつかきっと恩返しする」
 よほど恐ろしかったのだろう、目は涙目だし手は震えている。
「気にしないでください。『備えあれば何とやら』というものです。わたくしはたまたま、ちょうどいいものをもっていたので」
「それでも私に使う必要はなかっただろう。お前たちの地図を横取りしようとした敵に」
「いいえ。ヒノエさん、あなたは学園の仲間です」
「私が……?」
 レーネは黙ってうなずいた。ヒノエは言葉につまったかのように顔を伏せた。
「事情は知ってる」
 フィリンも呼びかける。
「よければ協力しない? 私たちより後発がくる前にダンジョンを踏破して報酬山分け、わるくないでしょ?」
 嘘は言わないわ、とパーシアが口添えた。
「その地図、本当にクロスさんが描いていたものよ。まあ、奪取されてもいいようにあえて不完全にはしてあるけどね。でも、ヒノエさんが入り口から来たのなら完成させられると思う」
「手帳に写しはとってあるが、俺たちが信用できなければ地図は君に預けてもいいんだ」
 罠にひっかけたお詫びにね、とクロスが言うと、ヒノエは羊皮紙の筒を突き返してきた。
「……わかった。共同戦線といこう。言っておくが、賞金の六分の一はしっかりもらうからな」
「よし、交渉成立ね! 競争にこだわる必要はないし、参加チームは五人パーティだけど、途上で六人になったら失格という規定はなかったもの」
 というエリカの目の前でヒノエは割烹着を脱いで包丁で裂いた。
「腰に巻いてくれ」
 レーネに手渡す。
「私はヒノエ・ゲム。あんたは?」
「レーネ・ブリーズです」
 微笑した。
 ヒノエも、照れと笑みの中間のようなものを返した。


「だいたい五千歩で一時間として、今は……」
 正確な時間がわかる手段はない。しかしフィリンによれば、だいたいの目測ならつけられるという。
「休息にとった時間も考慮に入れると、おおよそあと半時間ほどしか残されていない計算になりそうね」
「だとしたら、これまでみたいに食料や水を節約する必要はなさそう」
 パーシアが水筒を手にした。振ってみるがもうあまり残っていない。ルネサンスに食事は不要なのが建前だが、実際には補給しないと魂を維持する魔力が弱まることは事実だ。
 ゴールは近そうね、とエリカがパーシアに応じた。
「いよいよ神殿に入ったみたいだし、石像兵士の遭遇頻度も上がっているし」
 迷路を構成するごつごつした花崗岩はすでに、なめらかな手触りの大理石へと変わっていた。石像兵士は足音が大きいため、数を増していることはすぐにわかる。
 エリカは屈伸運動をしている。幸いまだ体は自由に動く。ここまでの道中石像兵士との戦闘は何度かあったが、倒すのに骨が折れる敵のため、どうしても避けられない戦いのほかは極力回避してきた。
「あとひとがんばり、とおもいます。どうぞ」
 レーネが干しブドウの入った袋を回した。
「これなんだ?」
 一握りつかみ取ってヒノエが匂いを嗅ぐ。
「コルネ先生の元気のみなもとです。それと、のこりすくなくなってきましたが石焼き芋もあります」
「最後の腹ごしらえといったところか」
 クロスは羊皮紙を確認する。本当に広いダンジョンだ。羊皮紙の表はとうに使い果たし、黄色い裏面も半分ほど使用している。裏面はペンが走りにくいためほとんど削るようにして地図を描いていた。
「……!」
 芋の破片を噛み砕くと、フィリンは一同に隠れるよう合図した。
 目の前の通路を、黄色と黒の縞模様をした浮游物体が横切ったのだ。大きさはスイカくらい。小さな薄い羽で飛んでいる。触覚や目もあるがディフォルメされていて、大きくとも昆虫らしかった岩オオアリと比べれば虫というよりはビーチボールのようだ。
 ボールみたいな飛行体は、こちらに気づいた様子もなく姿を消した。
「蜂……?」
 それにしては丸すぎだけど、とフィリンが言う。パーシアが口をひらいた。
「ああいうモンスター、見たことあるわ。正確には、ああいうぬいぐるみみたいなのを使役する人を」
「【怪獣王女】ね」
 エリカもすぐにその結論に達している。
「――なんだその妙な名前のやつは?」
 ヒノエにエリカとパーシアがだいたいの情報を提供する。
 なるほど、とクロスが言った。
「噂に聞く怪獣王女の参戦というわけか……遺跡の奥に、彼女の求めるものがあるのかもしれない」
「だとしたら、急いだほうがいいですね」
 レーネは最後の干しぶどうを口に含む。
 行動方針は決まった。


 もちろん石像兵士に追われるのは本意ではない。
 だが怪獣王女が先行しているのだとしたら、そして最奥部到達のあかしを手に入れようとしているのだとしたら、じっとしてはいられなかった。
 一行は走る。
「落石の罠が発動した痕跡! それにあれは落とし穴かしら」
 エリカは『使用済み』となったトラップを見出していた。王女はかなり強引な手段で進んでいるものらしい。目標は近いと悟ったのだろうか。
「大行列になってきたね」
 クロスが振り返って苦笑いする。
 六人のあとを石像の兵士たちが追ってくるのだ。数はぱっと見ただけでも十はあるだろう。いずれも古式ゆかしき鎧を着た像で、目鼻は単なる線、一律に無表情だ。
「ファンに追いかけられるアイドルグループの気持ちね。こういう状況でなきゃ楽しめたかもしれないけど」
 息を切らせつつもパーシアの表情は明るい。石像兵士は足が遅い。追いつかれる不安は今のところなかった。
「前からくる足音はありません。このままいきましょう」
 レーネがゆくてを指した。
 道が狭くなってきた。フィリンが足を止めた。
「いい?」
 隘路に立ち、振り返ってヒノエと並ぶ。
「任せろ」
 ヒノエは手の甲で鼻の頭をぬぐった。
「合図するわ」
 エリカが大きく息を吸う。
 石像兵士たちが迫ってくる。狭い通路ゆえほぼ縦一列になっている。
「せーの!」
 パーシアが盾、フィリンが鎧の肩口で石像兵士に体当たりした。ヒノエとエリカが背を押し、レーネとクロスも加わる。
 突然反転した六人に石像兵士は対応できない。たちまち後方に倒れ込むと、将棋倒しよろしくバタバタと後方へ倒れていった。
 もつれあうようにしてエリカたちは元の道を疾走した。
 昇り階段が姿を見せた。
 駆け上がる。
 先に見えるのは、白亜造りの聖堂だ!


 両びらきの扉を押し開けると、
「おわあっ!」
 内側にいた怪獣王女が飛び上がった。細長いガラスの柱を背にしている。柱の内側からまばゆい黄金の光が洩れていた。
 豊かなブロンド、寸足らずの背丈、耳はトカゲ耳で太い尾もある。あいかわらずのモコモコガウンだが、さすがに王女も艱難辛苦を乗り越えてきたものと見えた。
 服はあちこちやぶれており焦げてもいるし、顔もずいぶん汚れていたのだ。
「ヘイボーイズ! キツい道のりの果て、ここまでたどりついたことは敵ながらあっぱれ。わちきは怪獣王……」
 まで言ったところで彼女のガウンの袖がパシッと鳴った。二度。
「いだだっ! 名乗りの途中で攻撃するやつがあるか!」
「ごめんなさいね」
 パーシアは鞭を手元に引く。パーシアは問答無用とばかりに怪獣王女の袖口を打ったのである。
「また卵を取り出されたら困るから狙って砕かせてもらったわ。いつもそのあたりから取り出してたもの」
「わ、わちきの卵が!」
 下ろした怪獣王女の袖口から砕けた卵の殻、それにどろりとした中身がこぼれ落ちた。
「今回は私、幽霊王女の勝ちみたいね。さすがに三回連続で同じパターンは通用しないわ」
 パーシアと入れ替わるようにクロスが前に出た。
「プリンセス、お初にお目にかかる。俺はクロス・アガツマ、手が塞がっていなければお辞儀でもするんだが」
 クロスは手ぶらではなかった。両腕の間に、ひと抱えはありそうな巨大な闇の魔法球を生じさせていた。
「そちらは分が悪そうね。どう、平和的に話を進めない?」
 エリカが告げた。
 具体的に言えば、と述べるのはフィリンだ。
「そのアイテムを確認してからどっちが取るか決めない? ってこと。あなたは『コズミックエッグ』というものを探しているって聞いたわ。そのものがあったら話し合いが必要だけど、不要なものだったらもらっていい?」
「……面倒なことをするんだな」
 と小声でヒノエがレーネに耳打ちする。
「あの怪獣小娘、どれだけ強いか知らないが奥の手は封じたんだろ? やっつけてしまえばいいじゃないか」
 でもレーネは首を振った。
「あのひとも、ここまでがんばって来たんです。いわば同志です。できれば、よろこびをわかちあいたいと思います」
 そういうものか、とヒノエはうなった。
「これまでお前たちに私が勝てなかった理由がわかった気がする」
「その条件ならのんでやる」
 怪獣王女が柱を砕くと、小さな黄金の頭蓋骨がひとつ転がり出てきた。精巧な細工がほどこされており、両目には宝石が埋め込まれている。
「なんじゃ、こんなもんいらんわ」
 ぽいと怪獣王女は頭蓋骨を投げてよこした。
「ちょっと! これ売れば家のひとつくらい建てられそうな宝なのに……!」
 エリカが両手を伸ばし頭蓋骨をキャッチしようとする。
 その瞬間、レーネが所持していた魔法の小瓶が割れた。
 制限時間に達したのだった。

 羊皮紙の地図とクロスのメモ帳をつきあわせ、じっくり検分すると【メメ・メメル】はラッパを高らかに吹き鳴らした。
「よろしい! ゴールには着いたし地図もある☆ 踏破成功と認めようっ♪」
 するとたちまち空から紅白の紙吹雪が舞って、一同――ヒノエも、ぶすっとした表情の怪獣王女も混じっている――の上に降り注いだのである。
 おめでとうと【イアン・キタザト】も手を叩く。
「それで、ゴール地点にあったっていうお宝は?」
「ああ、黄金製の頭蓋骨ですか……」
 エリカはばつが悪そうに頬をかいた。
 キャッチしそびれたのでたぶんまだダンジョンのお堂に転がっています、とは言いにくかった。



課題評価
課題経験:108
課題報酬:3600
迷宮探索競技☆Dungeon&Damn
執筆:桂木京介 GM


《迷宮探索競技☆Dungeon&Damn》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-03-13 00:11:22
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
よろしくね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 2) 2021-03-13 04:52:28
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。
よろしくおねがいします。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 3) 2021-03-13 22:08:40
王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。
そうねえ……急ぐ必要もあるけど、あまり焦ると窮地に陥りそうだし、ペース配分が結構重要そうね。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 4) 2021-03-13 22:48:09
勇者・英雄コースのフィリンよ。よろしく。

競争ではあるんだけど、先の挑戦者の人たちの話を聞いてると、むしろ急いだら負け…って感じもするわね。
1日24時間フルに使える、くらいの気の持ちようがいいのかも…?

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 5) 2021-03-15 13:48:21
賢者・導師コースのクロス・アガツマだ。よろしく頼むよ。

誰も立候補がなければ、俺は地図の作成をする予定だ。もちろん、二人以上で作っても問題はないだろう。
休息も途中どこかで何度か挟むべきだろうね、体力や魔力、気力が枯渇すれば他に狙っている彼女らと戦うのもままならなくなる。
幸い、こちらは目指す方角というヒントをもらっている。まっとうに進めば焦らずとも追い付けるはずだ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 6) 2021-03-15 23:00:32
>クロス

ありがとう、頼めるなら地図はぜひお願いしたいわ。

そうしたら私は前方で罠や奇襲警戒に専念させてもらおうかな…
黒幕・暗躍コースの本職ほどではないけど、そのぶん戦闘もこなせるし

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 7) 2021-03-16 07:16:36
地図作成、前方警戒、ありがとうございます。
わたくしは楽器での回復をかんがえてます。
必殺技にしてわたくしの消費を五分の一にしてますから、かなりつづけられるとおもいます。
ただ、回復は楽器できまります。
ふつうでしたらたいりょくを回復できる「天使の歌」をよくつかいますが、きりょくを回復できる「リトラヴェルソ」もあります。
銃の技能の「バレットリロード」や賢者・導師の方々の「魔気変換」はきりょくをまりょくにできたりします。
技能の準備にも関係しますから、みなさんのご希望をおしえてください。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 8) 2021-03-16 07:47:36
そういえば、長丁場になりそうだし、あった方がいい道具も多くなりそうよね。
明かりやロープ、それに地図を書き込む羊皮紙や筆記具、それに飲み水や非常食もあるといいかも。
その辺を手分けして準備した方がいいかもね。

あと、瓶を割らないように鞄も用意した方がいいかしらね。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 9) 2021-03-16 08:57:03
地図作成や警戒は助かりそうね。楽器での回復も長丁場には適してると思うわ。
ただ、楽器となると音でこちらの所在を知らせる可能性もありそうなのよね……まあ、洞窟内なら反響して、分かりにくいかもだけど。
一応、敵が多く潜んでそうなところでは、音を抑えるとか注意しとけば大丈夫かしら?
その辺はみんなの意見も聞いておきたいわね。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 10) 2021-03-17 06:20:08
>明かり
探索に要する時間を考えると、松明とかランタンじゃあ足りないでしょうし、今回もキラキラ石が安定かしら。

>飲み水
食料は最悪なくても……1日食事抜き位ならなんとかなるけど、水がないと辛いと思うわ。
洞窟に水はたっぷりあるみたいだけど、何が混じってるかわからない水は、飲まない方が賢明よね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 11) 2021-03-18 05:27:57
楽器、どうでしょう?
もちろんあぶなそうということでしたらなにか他のこともかんがえます。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 12) 2021-03-18 07:58:13
楽器自体は、長期戦だしあった方がメリットが大きいと思うのよね。
ただ、場所によっては使い方を考えておいた方がいいかも……とも思うの。

例えば、乱戦の最中での戦闘中なら戦いの音もあるし、楽器の音は大して不都合ないと思うけど、少数の敵に不意討ちを掛ける際には、楽器の音は不都合になると思うわ。
休息中でも、繋がってる道が1~2本程度の見通しのいいちょっとした広間だったら、警戒もしやすいけど、多くの道に接してたり見通しの悪いところだと、音で寄ってきた敵に気づきにくいし、包囲されたら切り抜け難そうよね。

そういった状況に応じて、使うか使わないか判断して貰えたら、楽器はとても有用だと思ってるわ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 13) 2021-03-19 00:02:17
>灯り
そうね……過去にランタンで油切れになった記憶はないけど、
警戒してキラキラ石にしておくのはありだと思うわ。

>水と食料
考え始めるとこれも大変なのよね…(考え始めると出す方も、まぁ…)
期限が24時間丸一日ってことだし水重視、食料はすぐ精がつくチョコレート菓子や干果…うん?
もしかして『干しブドウおにぎり』、今回みたいな状況にうってつけ…?
一つ持って行っておこうかしら。

>回復と楽器
場所は選びそうだけど、楽器の強力さはいかしたいわね…タイミングはレーネに任せて、警戒しつつ。
私は「まりょく」「きりょく」なくても戦えるから、「たいりょく」推しかな…

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 14) 2021-03-19 01:36:05
長丁場になると、消耗も激しくなりそうだから、
リーソルとマジックチェンジ、そしてリーラブとブレス・オブ・ライフも
持って行くわね。
状況が許しそうなら、レーネさんと組んで無限回復するのもOKよ。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 15) 2021-03-19 01:37:49
ああごめんなさい、リーラブはブレス・オブ・ライフで代用できるから、
あとは探索に使えそうなスキルを持って行くわね。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 16) 2021-03-19 18:43:11
>ランタン
ランタン自体に入ってる油で点灯できるのは30分程度。
詰め替えの油を使っても、同じくらいしか点灯できないようだし、今回の探索には不向きだと思うわ。

>隊列
前に立つのはフィリンさんだけかしら。
流石にそれは辛いと思うから、私も前に出ておくわ。
応戦時には敵の気を逸らしたり、部位破壊で蜂の羽とか蟻の顎とか狙ってみるわね。

>小瓶
ところで、これは誰が持っておくの?
前衛は敵の攻撃で瓶を割られたり、体勢を崩した拍子に落としたりするリスクが高いと思うから、個人的には後方か中団の人に持って欲しいかしら。

>目的
お宝回収か、再奥まで到達して、その地図を提出すれば成功みたいだけど、どちらを優先するか決めておく?
北方向に進むようだし、再奥到達優先って理解してるけど大丈夫?

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 17) 2021-03-19 21:09:40
あ、ひとつ気になってたんだけど……洞窟内で時間の経過を把握できそうな手段ってあるのかしら。
ランタンが30分しか使えないから、それで時間の確認を……と一瞬思ったけど、予備の油がどれだけ要るか考えたら、正直、現実的じゃあないのよね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 18) 2021-03-19 21:26:36
了解しました。
警戒しつつ楽器、つかうようにしますね。

あと、エルオンタリエさんが対応してくださるのでしたらきりょく回復楽器にしますね。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 19) 2021-03-19 21:43:36
>洞窟内での時間経過

ざっと調べてみたけど、何度も長時間にわたって時間を図れる道具や技能はないみたいね…
ただ一分一秒を記録する意味はないし、マッピングついでに歩数から大まかに割り出すくらいでも大丈夫じゃない?
(だいたい1時間で5000~600歩くらいになるらしいわね)

>目的

最奥までの地図に一票いれておくわ。
宝は何処にあるかわからないし、最奥を目指しつつ周辺を探していく…くらいでいいんじゃない?

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 20) 2021-03-19 21:54:29
目的についてはわたくしはどちらでも。
わたくしはみなさんをささえたいです。
たべものとかについては「水筒」、「石焼き芋」、「干しブドウ1kg」
を用意してせつやくしてみなさんとわけあうかんじ、にしてみました。

たたかいでは種族特性のフドでこうげきにも参加するのと、
みなさんが状態異常をうけちゃったらアイテム「福の針」を
職業技能の「備えあれば何とやら」でつかってなおしますね。



楽器についてはこんなかんじにかいてみました。

装備した楽器「リトラヴェルソ」を「風の旋律」でつかって
なかまのみなさんのきりょくを回復します。

ただ、その音が危険をまねかないか「危険察知」の技能で警戒します。
乱戦の最中なら問題ないとおもいますが、
不意打ちをかけるときにはひかえますし、
休憩も敵を警戒しやすい通路のすくない場所とかをえらんで
安全を確保します。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 21) 2021-03-19 23:29:55
それでは小瓶につきましては「希望者がいなければ預かります」と書いておきますね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 22) 2021-03-19 23:35:06
えと、ウィッシュプランになってしまいますけど、小瓶について書いておきました。